JPH09228181A - 斑 糸 - Google Patents

斑 糸

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JPH09228181A
JPH09228181A JP3109096A JP3109096A JPH09228181A JP H09228181 A JPH09228181 A JP H09228181A JP 3109096 A JP3109096 A JP 3109096A JP 3109096 A JP3109096 A JP 3109096A JP H09228181 A JPH09228181 A JP H09228181A
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JP
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yarn
sheath
core
thick
thin
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JP3109096A
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English (en)
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Nobuhiko Yokota
宣彦 横田
Kenichi Yoshioka
謙一 吉岡
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Kuraray Co Ltd
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Kuraray Co Ltd
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  • Yarns And Mechanical Finishing Of Yarns Or Ropes (AREA)
  • Multicomponent Fibers (AREA)
  • Spinning Methods And Devices For Manufacturing Artificial Fibers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 色相と色の濃淡を自由に選定可能な、色調的
にも形態的にも自然さを追求した斑糸を提供する 【解決手段】 斑糸を構成するフィラメントが、染色性
を異にする2種類のポリエステルからなる芯鞘型複合繊
維であって、繊維軸方向に芯鞘型構造を保持したまま太
細斑を有していることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は染色性の異なる2種
のポリマ−からなる芯鞘型複合フィラメントの斑糸に関
する。
【0002】
【従来の技術】従来より繊維製品の多色表現の手段とし
て綿状で染色し混綿や混紡により色相や濃度の異なる
繊維を混合する、糸状で染色したものを混繊や交撚、
交織、交編で混合する、原着糸や染色性の異なる繊維
を混合して後から染色する、等特別な加工によって得ら
れているが、これらの方法はいずれも工程が複雑であ
る。
【0003】また、繊維そのものの多色化手段の1つと
して太細繊維、すなわち斑糸がある。太細繊維は太部と
細部の繊維素材が同じであるため、物理的な結晶の配向
性の差に起因して染料により太部が細部より濃色に染色
されるので光沢、色調の変わった濃淡差効果(スラブ効
果)を出すものであるが、染料の選択等で太部と細部を
鮮明なコントラスト、たとえば赤と緑という色相に染め
分けることは困難である。したがって、太部と細部の色
相は同色系統の色相に染色することしかできなかった。
そこで、かかる太細繊維として、染色性の異なる2種類
のポリマ−で複合紡糸し、一方の成分を不均一に変動吐
出することによって2種類の染料で染色したとき明確な
色相の変化を糸状に付与することが特公昭43−897
9号公報に提案されているが、操業的に不安定で実用性
に乏しいものであった。また、染色性の異なる2種類の
ポリマ−で芯鞘複合紡糸し太細を付与する条件で延伸し
てなる太細繊維が特開昭55−116812号公報に提
案されているが、染色性が太部、細部の鞘部を構成する
ポリマ−の染色性に依存し、濃淡差効果(霜降り効果)
はあるものの、多色性というにはほど遠いものであっ
た。さらに、染色性の異なる2種類のポリエステルで芯
鞘複合紡糸してなる太細繊維が特開平7−292516
号公報に提案されているが、太部の芯成分であるポリエ
ステルを一部露出させることを特徴としているため、芯
成分であるポリエステルよりアルカリ溶解速度の大きい
ポリエステルを鞘成分としなければならず、必然的に芯
成分と鞘成分のポリエステルの選択に制限がある。ま
た、該露出の程度を反物内、反物毎に揃えなければなら
ず、その制御が非常に困難であり実用的に問題がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、太細繊維に
ついて検討の結果、繊維軸方向に鮮明なコントラストを
示す色相に太部と細部を染め分けることができる複合フ
ィラメントを見出だしたものであり、本発明の目的は、
色相と色の濃淡を自由に選定可能な、色調的にも形態的
にも自然さを追求した斑糸を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、ポリエステル
斑糸であって、下記の特性(a)〜(c); (a)糸を構成する各フィラメントが芯鞘型複合フィラ
メントであって、芯鞘構造を保持したまま繊維軸方向に
太細斑を有している、(b)該芯鞘型複合フィラメント
が染色性を異にする2種類のポリマ−からなる、(c)
糸の太部は断面積の異なる芯鞘型複合フィラメントで構
成され、U%が0.7〜15%である、を備えているこ
とを特徴とするポリエステル斑糸にある。
【0006】
【発明の実施形態】まず、本発明の斑糸を構成する芯鞘
型複合フィラメントについて説明する。該複合フィラメ
ントは染色性が異なる2種類のポリマ−からなり、芯鞘
構造を保持したまま繊維軸方向に太細斑を有しているこ
とが必要である。このような構成にすることにより、一
本のフィラメントの中における繊維軸方向の太細に起因
する色の濃淡差だけではなく、2種類以上の色を有する
繊維を得ることが可能となったのである。該複合フィラ
メントを構成する2種類のポリマ−は染色性を異にする
ポリマ−であればその種類にとくに限定はない。具体的
には、一方がカチオン染料や酸性染料に対して可染性を
有するポリエステル、他方がカチオン染料や酸性染料に
対して非可染性であり、分散染料に対して易染性を有す
るポリエステルの組み合わせ;一方が分散染料に対して
易染性のポリエステル、他方が分散染料に非易染性で酸
性染料に易染性のポリアミドの組み合わせ;他方がカチ
オン染料に対して可染性を有するポリエステル、他方が
酸性染料や分散染料に対して易染性を有するポリアミド
の組み合わせなどが挙げられる。
【0007】カチオン染料に対して可染性を有するポリ
エステルとは、ナトリウムスルホイソフタル酸、ナトリ
ウムスルホナフタレンジカルボン酸等の金属塩スルホネ
−ト基等の酸基含有エステル形成性化合物を共重合させ
たポリエステルを挙げることができ、好ましくはエチレ
ンテレフタレ−トに5−ナトリウムスルホイソフタル酸
を0.1〜5.0モル%共重合させたポリエステルを挙
げることができる。
【0008】また、酸性染料に対して可染性を有するポ
リエステルとは、N−アルキル置換ジエタノ−ルアミン
等のアミノアルコ−ル、第3級アミノ含有グリコ−ル等
の塩基含有エステル形成性化合物を共重合させたポリエ
ステルなどを挙げることができる。
【0009】さらに、分散染料に対して易染性を有する
ポリエステルとは、イソフタル酸、アジピン酸、セバシ
ン酸、ポリオキシアルキレングリコ−ル等のエステル形
成性化合物を共重合したポリエステル、ポリエチレンテ
レフタレ−ト、ポリブチレンテレフタレ−ト等の未変性
ポリエステルを挙げることができ、中でも汎用性の点で
ポリエチレンテレフタレ−トが好ましい。
【0010】ポリアミドとしては公知のナイロン6、ナ
イロン66、ナイロン610、ナイロン12、ナイロン
11等を用いることができ、これらは2種類以上がブレ
ンドされていてもよい。
【0011】上述のように、本発明において複合フィラ
メントを構成する2種類のポリマ−は染色性を異にする
ポリマ−の組み合わせであればその種類に限定はない
が、織編物にしなやかさを付与するためのアルカリ減量
が容易である点で、鞘成分としてポリエステルを用いる
ことが好ましい。
【0012】本発明の複合フィラメントは、芯部への染
料の到達性、染色性等を考慮して芯鞘複合比を芯/鞘=
9/1〜7/3(重量比)にすることが好ましい。この
複合比はアルカリ減量加工を伴わない場合であり、アル
カリ減量を伴う場合には芯/鞘=8/2〜2/8(重量
比)にすることが好ましい。かかる芯鞘複合比はアルカ
リ減量の程度の他に染色温度、繊維の繊度等が影響を及
ぼし、たとえば染色温度の高い程、鞘成分比を高くし、
繊維繊度が小さい程鞘成分比を高くする選択を行うこと
が好ましい。したがって場合によっては上述の芯鞘複合
比の範囲を外れる場合も生ずる。要は後加工を施しても
複合フィラメントの芯鞘構造が保持できていれば後加工
条件および芯鞘複合比は任意でよい。
【0013】本発明の複合フィラメントはその断面形状
が丸断面;偏平断面、三角断面、多葉等の異形断面であ
ってもよく、芯部の形状、数、位置等もとくに限定され
るものではない。
【0014】本発明における複合フィラメントは繊維軸
方向に繊度が変化したいわゆるシックアンドシンと言わ
れる太細を有しており、芯鞘の複合形態を保持したまま
太細を有していることに特徴を有する。一般にシックア
ンドシン糸に染色を施した場合、太部は濃色に染色さ
れ、細部は薄色に染色される、いわゆる一色の濃淡にし
か染色されなかったが、本発明においては複合フィラメ
ントの芯部、鞘部を構成する各ポリマ−の染色性、太
部、細部の濃淡色化に基づき、カチオン染料と分散染
料、酸性染料と分散染料、分散染料と分散染料、酸性染
料とカチオン染料等、任意の色相、濃淡の組み合わせに
より多色が表現され得る。また染料濃度によっても多色
が表現でき得る。つまり、本発明の複合フィラメントの
細部は十分に延伸が施されている部分であり、鞘部の厚
さは比較的薄いが、鞘部を構成するポリマ−の分子配向
は十分進んでおり染料を透過しにくくし、また芯部を構
成するポリマ−の分子配向も進んでおり染料の吸収能力
が低くなっている。一方、複合フィラメントの太部は未
延伸または半延伸の状態であり、鞘部の厚さは比較的厚
いが、鞘部を構成するポリマ−の分子配向が低く染料を
透過しやすくしており、また芯部を構成するポリマ−の
分子配向も低く染料をよく吸収するのである。このよう
な複合フィラメントの太部および細部のポリマ−の染料
に対する挙動を考慮すると、太部の鞘部を構成するポリ
マ−の複屈折率は1.5×10-2〜9.0×10-2、と
くに2.0×10-2〜7.0×10-2が好ましく、細部
の鞘部を構成するポリマ−の複屈折率は9.0×10-2
〜1.7×10-1、とくに1.0×10-1〜1.6×1
-1が好ましい。複屈折率をこのように選定することに
より芯鞘複合形態を保持したままでも染料による染め分
けがより可能となるのである。
【0015】また、繊維製品である織物は仕上げ工程に
リラックス(熱水収縮処理)、プレセット(通常180
℃前後の乾熱処理)後、染色を施すことが通例である。
この工程、とくにプレセット工程において複合フィラメ
ントの太部を構成するポリマ−の結晶化が進み、結晶と
結晶との間がポ−ラスになり易く、一段と染料を透し易
くなるのである。その結果、より多色性が表現されるの
である。さらに、該複合フィラメントの鞘成分としてポ
リエステルを用い、織編物にしなやかさを付与するため
にアルカリ減量加工を施す場合、複合フィラメントの太
部と細部とで染料の透過性に更なる差が生じる。すなわ
ち、太部の鞘部を構成するポリマ−は分子配向が低くて
もアルカリ減量速度が大きく、太部の鞘部に芯部にまで
到達する孔が生じる場合がある。該孔を通じて染料が芯
部まで透過しやすくなる。一方、細部の鞘部を構成する
ポリマ−は分子配向が高くアルカリ減量速度が小さいた
め、芯部にまで到達する孔が生じることはない。この孔
の存在が複合フィラメントの太部と細部との染料の透過
性の際を拡大し、該太部はますます抵抗なく染料を芯部
に吸収することができるのである。かかる孔はミクロ的
なものであり、芯部がフィラメント表面に露出するよう
なものではない。
【0016】たとえば、複合フィラメントの芯部をカチ
オン染料に対して可染色性のポリエステル、鞘部をカチ
オン染料に対して非可染性でありかつ分散染料に対して
易染性のポリエステルを用いた場合、カチオン染料で染
色を施すと、太部が濃色に染色された細部の白残し、カ
チオン染料と分散染料で染色を施すと異色相にそれぞれ
着色される等多様な着色効果が奏される。
【0017】染色性を異にする2種類のポリマ−で芯
部、鞘部を構成した複合フィラメントは、所望の複合比
で公知の複合紡糸法により紡糸して得られた未延伸糸を
特定の条件で延伸することにより、延伸部分、未延伸部
分を有する太細繊維となすことができる。かかる未延伸
部分、延伸部分の配向度にある程度以上の差を持たせる
ことが、染色による染め分けのコントラストを得るため
には必要であり、このためには紡糸速度が1500〜4
000m/分であることが好ましい。通常、太細繊維を
得るためには未延伸糸条を自然延伸倍率以下の倍率で一
段延伸する方法があるが、この方法では延伸点が糸条全
体で揃い易く、糸条を構成するフィラメントが太かった
り、細かったりするのである。本発明の斑糸は太細が単
繊維分散しており、各複合フィラメントの太細がランダ
ムである。このような形態の斑糸は単繊維の延伸点がず
れて延伸されること、延伸される繊維と延伸されない繊
維との間で相互にずれて延伸されることが要件となる。
具体的な手法としては延伸に先だって延伸点がずれ易い
ようにインタ−レ−ス、タスラン等の流体攪乱処理を施
した後自然延伸倍率以下の倍率で一段延伸を行う方法、
延伸中の繊維と延伸されない繊維との間で相互にずれ易
いように繊維の断面形状を異形化して自然延伸倍率以下
の倍率で一段延伸を行う方法、微粒子を練り込んで繊維
の表面に微細な凹凸を付与して自然延伸倍率以下の倍率
で一段延伸を行う方法などがある。また、未延伸糸条の
自然延伸倍率の半ば程度の延伸倍率で延伸を2段に分け
て2段延伸する方法もある。本発明においてはどの方法
を用いてもよく、太細が単繊維分散され、糸条を構成す
るフィラメントの太細がランダムであればよい。太細の
形成における太部の分散の程度、太部の長短等は延伸条
件を適宜選択することにより設定することができる。
【0018】上述のごとく、本発明の斑糸は糸条全体が
太細を有するのではなく、太細は単繊維に分散化してい
る。太細が単繊維に分散した状態でかつ集合体の糸条と
して太細を有しているのである。すなわち、糸条の太部
は単繊維の太部のみで構成されているのではなく、単繊
維の太部が多く集合して構成されているのであり、単繊
維の細部と共存して構成されているのである。また糸条
の細部は単繊維の細部のみで構成されているか、単位繊
維の細部が多く集合して構成されているのである。この
ことが斑糸としての自然さばかりでなく、色相の自然さ
をかもし出すのである。すなわち、斑糸全体では太部と
細部で2色性が見られるが、太部を観察すると上述の複
合フィラメントに起因して単純1色ではなく2色が混在
しているのである。たとえば斑糸の太部は赤色に見える
が観察すると黄色も混在しており、また斑糸の細部は黄
色に見えるが観察すると赤色も混在する場合があり、斑
糸の繊維軸方向に赤色、黄色と明確なコントラストを示
すものではなく、赤色、黄色が混在することにより色の
不連続性から連続性を帯び、色相に深みと自然さを与え
るのである。このためには斑糸のU%が0.7〜15%
であることが必要である。U%がかかる範囲外の場合に
は色相のコントラストを失うことになる上、得られた斑
糸からなる織編物の模様や色相が人工的になる場合があ
る。
【0019】該斑糸は、糸条形態でアルカリ減量処理を
施すこともできるが、製織、製編した後、織編物の形態
でアルカリ減量処理を行うことが工程性の点で好まし
い。アルカリ減量処理は通常の条件で行われ、たとえば
水酸化ナトリウム等のアルカリ金属水酸化物を用いる方
法で行われ、吊り減量、液流減量、バッド減量等任意の
方式が用いられる。
【0020】染色方法は染料の種類により染め分けるこ
ともできるが、異種類の染料の同浴染めも可能である。
【0021】
【実施例】以下、実施例により本発明を詳述するが、本
発明はこれら実施例により何等限定されるものではな
い。なお、実施例中の測定値は以下の方法により測定し
た値である。 (1)糸条のU%;糸条のト−タル繊度によって使用す
る測定用スロットを選択し、糸速を100m/分として
仮撚機で約1500rpmの回転を与えて仮撚しつつノ
ルマルテストにて測定する。U%は3分間の糸斑として
値を読み取る。また該値は3分間の測定を1回として少
なくとも5回同じ付近を測定し、さらに全く異なる部分
を3か所、少なくとも計15回の測定を行って平均値で
示した。 (2)複屈折率 微分干渉顕微鏡により、コンペンセンタ−の補正角度か
ら求めたレタ−デイションと干渉縞の数と試料の直径か
ら複屈折率を求めた。 (3)ポリエステルの極限粘度(〔η〕dl/g) フェノ−ル/テトラクロロエタンの等重量の混合溶媒に
て、30℃で測定した。
【0022】実施例1 鞘部を構成するポリマ−として、極限粘度〔η〕=0.
65のポリエチレンテレフタレ−トを用い、芯部を構成
するポリマ−として5−ナトリウムスルホイソフタル酸
1.7モル%共重合してなる、極限粘度〔η〕=0.5
7のポリエチレンテレフタレ−トを用い、芯鞘複合比、
芯/鞘=1/1で複合紡糸(同芯芯鞘型、丸断面)を行
い、2800m/分の速度で巻き取り、110デニ−ル
/24フィラメントの糸条を得た。ついでインタ−レ−
ス加工と部分延伸加工を連続して行い、75デニ−ル/
24フィラメント、U%が4.9%の斑糸を得た。斑糸
を構成する太細複合フィラメントの太部における鞘部の
複屈折率は3.0×10-2〜7.0×10-2の範囲にあ
り、細部における鞘部の複屈折率は1.0×10-1
1.6×10-1の範囲にあった。該斑糸に2400T/
Mの撚を施し、これをタテ糸ヨコ糸使でボイル織物を作
成し、通常の加工仕上げ工程を通して色調、織物表情を
観察した。アルカリ減量率は21%、染色は以下のカチ
オン染料および分散染料の同浴染め(120℃、30
分)で行った。 カチオン染料:KAYACRYL RED GRL−F
2% owf 分散染料:SUMIKARON YELLOW SE−
RPD 0.2% owf
【0023】斑糸全体として大まかに黄色と赤色に染め
分けられていたが、観察するとその2色が互いに入り組
んで混在していた。糸状の繊維軸方向に黄色と赤色とい
う際立った色の変化ではなく、黄色−オレンジ色−赤色
という色の連続性を有するスパン糸風の自然さで色相に
深みを呈していた。
【0024】実施例2 鞘部を構成するポリマ−として5−ナトリウムスルホイ
ソフタル酸2.5モル%共重合してなる、極限粘度
〔η〕=0.57のポリエチレンテレフタレ−トを用
い、芯部を構成するポリマ−として極限粘度〔η〕=
1.37ナイロン6を用い、芯鞘複合比、芯/鞘=1/
1で複合紡糸(同芯芯鞘型、丸断面)を行い、2800
m/分の速度で巻き取り、110デニ−ル/24フィラ
メントの糸条を得た。ついでインタ−レ−ス加工と部分
延伸加工を連続して行い、75デニ−ル/24フィラメ
ント、U%が3.5%の斑糸を得た。斑糸を構成する太
細複合フィラメントの太部のおける鞘部の複屈折率は
2.9×10-2〜7.0×10-2の範囲、細部における
鞘部の複屈折率は1.0×10-1〜1.6×10-1の範
囲であった。該斑糸に2400T/Mの撚を施し、これ
をタテ糸ヨコ糸使いでボイル織物を作成し、通常の加工
仕上げ工程を通して色調、織物表情を観察した。アルカ
リ減量率は21%、染色は以下のカチオン染料および酸
性染料の同浴染め(120℃、30分)で行った。 カチオン染料:CATHILO YELLOW CD-RLH 0.1% owf 酸性染料:NYLONSAN BLUE N-5GL 2.0 % owf
【0025】斑糸全体として大まかに黄色と青色に染め
分けられていたが、観察するとその2色が互いに入り組
んで混在しており、色の深みがあり意匠性に優れてい
た。
【0026】比較例1 極限粘度〔η〕=0.65のポリエチレンテレフタレ−
トを用い、2800m/分で巻き取って114デニ−ル
/24フィラメントの糸条を得た。続いてインタ−レ−
ス加工と部分延伸加工を施し75デニ−ル/24フィラ
メントの糸状を得た。U%は4.6%であった。該斑糸
を用いて、実施例1と同様にしてボイル織物を作成し、
通常の加工仕上げ工程を通して色調、織物表情を観察し
た。アルカリ減量率は21%、染色は以下の分散染料を
用いて130℃、30分の条件で行った。 分散染料:KAYALON POLYESTER NAVY BLUE AUL-E 2% owf 斑糸には青色の濃淡は見られるが2色性はなく、意匠性
の乏しいものであった。
【0027】比較例2 実施例1において、複合フィラメントの芯鞘複合比を芯
/鞘=3/1にした以外は同様にして糸条を得た。つい
でインタ−レ−ス加工と部分延伸加工を連続して行い、
75デニ−ル/24フィラメント、U%が4.8%の斑
糸を得た。斑糸を構成する太細複合フィラメントの太部
における鞘部の複屈折率は3.0×10-2〜7.0×1
-2の範囲にあり、細部における鞘部の複屈折率は1.
1×10-1〜1.6×10-1の範囲にあった。この斑糸
を用いて実施例1と同様にしてボイル織物を作成し、通
常の加工仕上げを行い、アルカリ減量率を23%とし
た。斑糸を構成する複合フィラメントの太部は、太部を
構成する芯部のポリエステルが繊維表面に露出してお
り、斑糸全体として赤色を呈し、部分的に黄色がかって
いた。色のコントラストが弱く無表情に近いものであっ
た。
【0028】
【発明の効果】本発明によれば、染色の異なる繊維の混
合工程や特別な染色加工条件を必要とせず、原糸自身で
多色表現が可能であることから、安価であり、従来品に
比較しても多色表現が可能であり、斑糸の太細効果と相
俟って意匠性に富んだ繊維製品を得ることができる。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリエステル斑糸であって、下記の特性
    (a)〜(c); (a)糸を構成する各フィラメントが芯鞘型複合フィラ
    メントであって、芯鞘構造を保持したまま繊維軸方向に
    太細斑を有している、(b)該芯鞘型複合フィラメント
    が染色性を異にする2種類のポリマ−からなる、(c)
    糸の太部は断面積の異なる芯鞘型複合フィラメントで構
    成され、U%が0.7〜15%である、を備えているこ
    とを特徴とするポリエステル斑糸。
  2. 【請求項2】芯鞘型複合フィラメントを構成する鞘部ポ
    リマ−がポリエステルであることを特徴とする請求項1
    記載の斑糸。
  3. 【請求項3】芯鞘型複合フィラメントの太部における鞘
    部ポリマ−の複屈折率が1.5×10-2〜9.0×10
    -2、細部における鞘部ポリマ−の複屈折率が9.0×1
    -2〜1.7×10-1であることを特徴とする請求項1
    または請求項2記載の斑糸。
  4. 【請求項4】太部と細部、および鞘部と芯部とがそれぞ
    れ異色に着色されていることを特徴とする請求項1ない
    し3記載の斑糸。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPH11131349A (ja) * 1997-10-31 1999-05-18 Unitika Ltd ポリエステル系長繊維不織布およびその製造方法
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