JP3469076B2 - 異色濃淡染色性スラブ調ポリエステル混繊糸条及びその製造方法 - Google Patents

異色濃淡染色性スラブ調ポリエステル混繊糸条及びその製造方法

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JP3469076B2
JP3469076B2 JP04022298A JP4022298A JP3469076B2 JP 3469076 B2 JP3469076 B2 JP 3469076B2 JP 04022298 A JP04022298 A JP 04022298A JP 4022298 A JP4022298 A JP 4022298A JP 3469076 B2 JP3469076 B2 JP 3469076B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、衣料用途、インテ
リア用途等に用いられる多色染色性ポリエステル混繊糸
条及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、繊維そのものの濃淡染色化手
段として半延伸延伸条件を採用して製造した太細繊維が
あり、太部と細部の染着性の差に基づく濃淡効果による
霜降り調染色効果が得られている。しかしながら、布帛
とした場合は微細な分散状態を示し、しかも細部は十分
な配向を伴った延伸領域が形成されないため、延伸糸と
同等の淡色染色性を有しておらず、濃淡染色性を十分に
表現するものではなかった。
【0003】また、多色表現の方法として、染色性の異
なる2成分糸条からなる混繊糸がある。2成分の通常延
伸糸あるいは霜降り調の太細繊維を混繊した後、後撚、
交織、後編などの手段でミックスする方法が一般に採用
されている。この方法で得られるミックス調の混繊糸
は、多色効果は得られても、濃淡染色性の表現に欠け、
コントラストの意匠性に品位がない。また、混繊工程は
複雑でコスト高は避けられない等の問題を有している。
【0004】さらには、繊維製品の多色表現の手段とし
て、綿状で染色し、混綿や混紡で、色相や濃度の異なる
繊維をミックスするか、糸状で染色したものを混繊、交
撚、交織、交編でミックスするか、原着糸や染色性の異
なる繊維をミックスしてから染色し、シネ調、メランジ
調、シャンブレ等の多色表現としたり、ストーンウォッ
シュ加工やブリーチ加工等のようにフィブリル化させた
り、繊維表層のみの着色のリング染色したものを物理
的、化学的処理により表面部分脱色したもの等の特別な
加工によって得られているが、これらはいずれも工程が
複雑であり、コストが高く、加工ロットも大きくなる等
の問題がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、太細斑を有
するポリエステル繊維の製造方法について検討した結
果、従来全く知られていない極めて多様な多色濃淡表現
効果を奏するポリエステル混繊糸条が製造できることを
見い出したことにより完成されたものである。
【0006】本発明の目的は、異なる濃度及び異なる色
相のミックス表現に優れた異色濃淡染色性を奏するスラ
ブ調ポリエステル混繊糸条を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、染色濃度差を
有する2種類のポリエステル単繊維群が別個に集束され
た混繊糸であり、それぞれの単繊維群は繊維軸方向にも
う一方の単繊維群に無関係に交絡部を有し、該交絡部が
非延伸部からなる濃染性の太部を構成し、非交絡部が延
伸部からなる淡染性の細部を構成する染色濃度差を伴っ
た異色濃淡染色性を示すスラブ調ポリエステル混繊糸条
である。
【0008】また、本発明は、染色濃度差を有する2種
類のポリエステル未延伸糸条に、各々個別に高圧空気を
吹き付けてそれぞれの未延伸糸条が個別に交絡した交絡
部を形成した糸条を引き揃えて混繊未延伸糸条を作成
し、該混繊未延伸糸条を半延伸処理することを特徴とす
る異色濃淡染色性を示すスラブ調ポリエステル混繊糸条
の製造方法である。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明のスラブ調ポリエステル混
繊糸条は2種類のポリエステル糸条が集束されて構成さ
れ、この2種類のポリエステルは染色濃度差を有するも
ので、例えば一方が分散染料に対する易染性あるいはカ
チオン染料や酸性染料に対する可染性を有する変性ポリ
エステルで、他方が分散染料に対して非易染性あるいは
カチオン染料や酸性染料に対して非可染性を有する未変
性ポリエステルの組み合わせのように染色性の異なる2
種類のポリエステルの組み合わせが典型的な例として挙
げられる。また、変性度の大きい変性ポリエステルと変
性度の小さい変性ポリエステルの組み合わせでもよい。
【0010】ここで、変性ポリエステルとは、主として
エチレンテレフタレートを主たる繰り返し単位とし易染
性または可染性に変性されたポリエステルをいい、カチ
オン染料可染性、酸性染料可染性または分散染料易染性
の変性ポリエステルを用いることが好ましい。
【0011】カチオン染料可染性変性ポリエステルとし
ては、エチレンテレフタレートにナトリウムスルホイソ
フタル酸、ナトリウムスルホナフタレンジカルボン酸等
の金属塩スルホネート基等の酸基含有エステル形成性化
合物を共重合した変性ポリエステル、好ましくはエチレ
ンテレフタレートに5−ナトリウムスルホイソフタール
酸を1.5〜3.5mol%共重合した変性ポリエステ
ルが挙げられる。
【0012】また、酸性染料可染性変性ポリエステルと
しては、エチレンテレフタレートにN−アルキル置換ジ
エタノールアミン等のアミノアルコールや第3級アミノ
含有グリコール等の塩基含有エステル形成性化合物を共
重合した変性ポリエステル、ビニルピリジンのホモポリ
マーまたはコポリマーを混合した変性ポリエチレンテレ
フタレートが挙げられる。
【0013】更に、分散染料易染性変性ポリエステルと
しては、エチレンテレフタレートにイソフタル酸、アジ
ピン酸、ポリオキシアルキレングリコール等のエステル
形成性化合物を共重合した変性ポリエステルが挙げられ
る。
【0014】未変性ポリエステルとしては、具体的には
例えばエチレンテレフタレートやブチレンテレフタレー
トを主たる繰り返し単位とするポリエステルが挙げら
れ、未変性ポリエステルには5モル%未満の共重合成分
やブレンド成分が含まれていてもよいが、特に好ましく
はポリエチレンテレフタレートが用いられる。
【0015】本発明のスラブ調ポリエステル混繊糸条
は、糸条を構成する2種類のポリエステルの各単繊維群
がそれぞれ個別に交絡した交絡部を有しており、この交
絡部が同一単繊維群の未延伸部で形成される太部を形成
し、一方、非交絡部が延伸部からなる細部を構成してお
り、交絡部は未延伸部なので濃染性を示し、非交絡部は
延伸部なので淡染性を示す。この混繊糸条において、各
単繊維群の太部を形成する交絡部数が3〜100個/
m、(混繊糸全体としての交絡部数が6〜200個/
m)、各成分および混繊糸全体としての太さ斑の変動係
数CVが7%以上、混繊糸全体としての糸長1m当たり
に平均太さの115%以上の太さ斑が2〜15ケ、かつ
85%以下の太さ斑が2〜15ケであることが好まし
い。
【0016】本発明では、延伸工程で処理する前に延伸
されにくい交絡部を形成することで、各成分を構成する
全フィラメントの濃染部分及び淡染部分が限定され、ネ
ック状の太細変化を形成し、より明瞭な濃淡染色性が発
現されるようになる。このとき、混繊糸を構成する各単
繊維群をそれぞれ個別に交絡させることが重要であり、
各単繊維成分が独自に太部と細部を混繊糸条上に分散し
た高度な濃淡染色性の表現が可能となり、異なる濃度及
び異なる色相のミックス表現に優れた異色濃淡染色性が
可能となる。これに対して両単繊維群を引き揃えた後に
これらが交絡した交絡部を形成した場合には、両単繊維
群の太部と細部が繊維軸方向に一緒に発現するため、濃
淡コントラストが粗く、異色性表現に劣る染色性となる
ため好ましくない。
【0017】変動係数CVが7%未満、あるいは糸長1
m当たりに平均太さの115%を超える太さ斑が2ケ未
満及び85%未満の太さ斑が2ケ未満では、混繊糸を構
成する各単繊維群の延伸部の延伸倍率が小さく分子配向
が小さいため、淡染性が不十分であり、染色濃淡あるい
は多色染めによる染色効果は得られても、明瞭な多色濃
淡表現は得られにくい。
【0018】また、変動係数CVが20%を超え、ある
いは糸長1m当たりに平均太さの115%を超える太さ
斑が15ケを超えまた85%未満の太さ班が15ケを超
えると、混繊糸を構成する2成分の各交絡部の数が非常
に多く、淡染性を示す細部が短ピッチで不自然な染色パ
ターンとなり品質が不良なものとなりやすい。
【0019】本発明にいう、太さ斑の変動係数CVは、
計測器工業株式会社製のイーブネステスター(KET−
80C)を用い、糸速度8m/分、チャートスピード5
0cm/分の条件下でウースターノルマル値を測定して
得られた値であり、平均値からの偏りの大きさを示す指
標となるものである。
【0020】また、交絡部の個数は、ROTHSCHI
LD MESSINSTRUMENTE社製 自動ヤー
ン エンタングルメントテスタ(Needle Pul
lTester R−2040)を用い、下記式で示す
トリップレベルテンションの条件で得られた値である。 トリップレベルテンション=(D×0.2)+D/F+
振動幅 (式中、Dは糸束のデニール、Fは糸束を構成するフィ
ラメント数、振動幅はD×0.02を表す。) 本発明の混繊糸条は、その構成単繊維の断面形状は丸断
面でもよいし、三角、多葉、偏平等の異型断面であって
もよい。
【0021】以下、本発明の混繊糸条の製造方法につい
て説明する。
【0022】本発明の製造方法では、先ず染色濃度差を
有する2種類のポリエステル未延伸糸条に、各々個別に
高圧空気を吹き付けてそれぞれの単繊維群が個別に交絡
した交絡部を形成した糸条を引き揃えて混繊未延伸糸条
を作成する。高圧空気を吹きつけるポリエステル未延伸
糸は、複合紡糸ノズルより紡出された直後の未だ巻き取
られる前の糸条でもよいし、一旦未延伸糸として巻き上
げられた、糸条でもよい。
【0023】ポリエステル未延伸糸条としては、混繊糸
条に良好な太細差を発現させるためには、紡糸速度が1
000〜2500m/minの条件にて得られた未延伸
糸であることが好ましい。また、エアー交絡処理は、各
種の高圧空気射出ノズルを用いて射出圧力が3〜6kg
/cm2で実施することが好ましい。
【0024】紡糸速度が1000m/min未満では、
得られた未延伸糸の自然延伸領域が大きく、大きな太細
繊度差が得られるものの、太部が低配向であるため加熱
処理後の破断強度の低下が著しく、品質及び工程安定性
が損なわれ、また2500m/minを越えると自然延
伸領域が小さくなり良好な太細差が得られない。
【0025】また、空気圧力が3kg/cm2未満であ
ると、各成分の糸束を構成するフィラメント間の交絡数
が不十分であり、各フィラメント群の太部の位置が分散
してしまうため明瞭な濃淡表現が得られなくなり、6k
g/cm2を超えると、交絡形態が不良となるばかりで
なく、フィラメントヘのダメージが大きく、糸切れ等の
要因となる。
【0026】本発明において、各単繊維群の個別の交絡
に基づく二つの単繊維群の太部と細部が混繊糸条上に同
等に分散した繊維を製造するには、各成分(単繊維群)
の単独の未延伸糸の最大延伸倍率の比[未変性ポリエス
テル/変性ポリエステル]が0.85〜1.15の範囲
にある混繊未延伸糸を用いることが好ましい。最大延伸
倍率の比が0.85未満あるいは1.15を超えると、
それぞれ両成分の太部と細部の分散性及び延伸部の分子
配向性が不均等となり、目的とする濃淡染色性繊維を得
ることが困難となる。
【0027】上記最大延伸倍率の比が0.85〜1.1
5の混繊未延伸糸を得るには、変性ポリエステル成分と
して、5−ナトリウムスルホイソフタル酸を共重合した
エチレンテレフタレートを主たる繰り返し単位とする変
性ポリエステルでその固有粘度が0.55〜0.60の
ポリマー、未変性ポリエステル成分として、エチレンテ
レフタレートを主たる繰り返し単位として固有粘度が
0.65〜0.75のポリマーを用いることが好まし
い。
【0028】変性ポリエステルの固有粘度が0.55未
満では、得られる太細繊維の強力が低く、加工工程での
糸切れ、毛羽の発生などが生じやすく、十分な工程通過
性が得られにくい。また0.60を超えると最大延伸倍
率の値が小さくなりすぎ、延伸部の形成が困難となる。
一方、未変性ポリエステルの固有粘度が0.65未満で
は最大延伸倍率が非常に大きくなり、上記の最大延伸倍
率の比の範囲を満たす改質ポリエステル成分の製造が困
難となる。また、0.75を超えると、溶融粘度が高
く、曳糸性が低下する。
【0029】最大延伸倍率の比が0.85〜1.15の
範囲の混繊未延伸糸を得るためには、ポリマーの固有粘
度の選定に加え、紡糸口金からの吐出の際、各成分の吐
出量比を1:3〜3:1とし、更にまた、各成分の紡糸
口金での孔群の孔数、孔径を適宜選択することにより、
紡糸口金から吐出される各成分の吐出線速度を調整し、
各成分の吐出糸条の紡糸ドラフト率比[未変性ポリエス
テル/変性ポリエステル]を2.0〜4.0とすること
が好ましい。
【0030】また本発明の混繊糸条は、複合紡糸機を用
い、変性及び未変性ポリエステルを単一の紡糸口金より
それぞれ同時に吐出し、各成分のフィラメント群として
吐出された未延伸糸をそれぞれ個別にエアー交絡処理し
ながら引き揃えて巻き取ることによっても得られる。こ
の場合、紡糸口金には、図1に示したように、各成分が
吐出される孔群が2分割されて配置された単一の紡糸口
金が用いられる。吐出される各フィラメント群の繊度差
が大きい場合は、図2に示した製造装置にあるように、
吐出された糸条に直交して吹き付けられる冷却風が太繊
度のフィラメント群に当たった後、細繊度のフィラメン
ト群に当たるように紡糸口金を配置して紡糸することが
好ましい。
【0031】紡糸口金より吐出した糸条は、糸条に直交
して吹き付けられる冷却風により冷却した後、各糸条に
個別に油剤を付与し、一対のローラー間に設置されたエ
アー交絡装置により個別にエアー交絡処理して、混繊未
延伸糸として引き揃えて巻き取られる。
【0032】本発明の製造方法では、このようにして得
られた混繊未延伸糸条を図7に示す延伸装置にて半延伸
処理する。半延伸処理は、下式(1)および(2)を満
たす条件で熱ピン延伸して実施することが好ましい。
【0033】 MDR×0.45≦DR≦MDR×0.75 (1) TP1≦Tc (2) (式中、DRは延伸倍率、MDRは上記混繊未延伸糸の
最大延伸倍率、TP1は延伸領域に付与した第1摩擦抵
抗ピンの温度(℃)、Tcは2種のポリエステル重合体
の結晶化温度のいずれか低い方の温度(℃)を表わ
す。)
【0034】更に、半延伸処理は、図8または図9に示
す延伸装置にて下式(3)を満たす条件で熱処理するこ
とが好ましく、下式(4)をも満たす条件で熱処理を実
施することがより好ましい。
【0035】 Tg≦TP2≦Tc (3) Tg≦TP3≦Tc (4) (式中、TP2は第2摩擦抵抗ピンの温度(℃)、TP3
加熱プレートの温度(℃)、Tgは2種のポリエステル
重合体のガラス転移温度のいずれか高い方の温度(℃)
を表わす。)
【0036】また、半延伸処理するにあたり、図7、図
8または図9に示した延伸装置にて下記式(5)を満た
す条件で半延伸処理することも可能である。
【0037】 TR1≦Tc (5) (式中、TR1は第1延伸ローラーの温度(℃)を表わ
す。) 本発明にいう、ガラス転移温度Tgおよび結晶化温度T
cは、該ポリエステル重合体を290℃まで昇温してメ
ルトクエンチした後、DSC法(示差走査熱量測定法、
昇温速度10℃/分)より求めたガラス転移温度及び昇
温結晶化温度を採用した。
【0038】このようにして製造される本発明のスラブ
調ポリエステル混繊糸条は、そのままの形態で用いるこ
とができるが、紡績糸あるいは更に仮撚加工糸等の任意
の糸条形態として使用することができる。特に本発明の
混繊糸条は、強撚加工によっても異色濃淡染色特性が発
現される。
【0039】本発明のスラブ調ポリエステル混繊糸条
は、糸条形態でアルカリ減量処理することも可能である
が、製織、製編した後に、織物や編物の形態でポリエス
テル繊維の織物、編物に通常適用されている減量加工で
アルカリ減量処理することが風合いの向上に好ましい。
【0040】アルカリ減量処理に先立ち、起毛処理を施
すことができ、ペーパー起毛、あざみ起毛、針布起毛等
の起毛処理により立毛効果を付与することも可能であ
る。
【0041】アルカリ減量処理には、公知の水酸化ナト
リウム等のアルカリ金属水酸化物を用いる方法及び条件
が適用され、吊り減量、液流減量、パッド減量等任意の
方式が用いられる。
【0042】このようにしてアルカリ減量処理された混
繊糸条を、各成分の染色性に応じて、カチオン染料また
は酸性染料及びまたは分散染料で染色処理してそれぞれ
異色に着色することができる。
【0043】染色方法としては、浸染、捺染或いは浸染
と捺染の組合せ、さらには捺染における抜染、防染等の
公知の方法や装置が繊維の形態に応じて適用され、特に
限定されるものではない。
【0044】
【実施例】以下、本発明を実施例によりさらに具体的に
説明する。
【0045】[実施例1,2、比較例1〜4]未変性ポ
リエステルとして固有粘度0.72、密度1.38g/
cm3、融点256℃、結晶化温度150℃、ガラス転
移温度76℃のポリエチレンテレフタレートを用い、変
性ポリエステルとして5−ナトリウムスルホイソフタル
酸を2.0mol%共重合してなる固有粘度0.58、
密度1.38g/cm3、融点252℃、結晶化温度1
62℃、ガラス転移温度77℃のカチオン染料可染性変
性ポリエチレンテレフタレートを用いた。図1に示すよ
うに未変性ポリエステル成分が吐出される孔群と変性ポ
リエステル成分が吐出される孔群とが2分割に区画され
た紡糸口金を使用して、表1に示す紡糸条件で紡糸温度
290℃で2成分を同時に吐出させ溶融紡糸した。
【0046】吐出された糸条に冷却風を吹き当て冷却し
た後、油剤を付与し、2ケの引き取りローラー間でエア
ー交絡ノズルにより、表2に示す条件にてエアー交絡処
理をした後、混繊未延伸糸として引き揃えて巻き取っ
た。
【0047】得られた混繊未延伸糸を、表2に示した条
件で熱ピン延伸・熱処理して100〜150d/48f
のスラブ調ポリエステル混繊糸条を得た。得られた混繊
糸条の評価は、経糸に50d/18fの普通のポリエチ
レンテレフタレート延伸糸を配し、緯糸に本実施例およ
び比較例で製造した混繊糸条を配して織成した平織物
を、減量率約10重量%のアルカリ減量処理を施した
後、分散染料あるいはカチオン染料で染色を行い、織物
での各成分の染色特性に基づくミックス効果の評価結果
を表2に示した。
【0048】
【表1】
【0049】
【表2】
【0050】
【発明の効果】本発明によれば、濃淡染色性あるいは異
色濃淡染色効果を奏し、従来品に比べて極めて高度な多
色表現が可能であり、さらには太細の効果も相乗され
て、良好な風合いを奏する意匠性に富む繊維製品を得る
ことができる。また、本発明によるポリエステル混繊糸
条は、小ロツトでも生産性高く、多色表現の繊維製品を
提供することができ、経済的にも有利な素材である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の混繊糸の製造に用いる紡糸口金の例の
平面図である。
【図2】本発明の混繊糸の製造に用いる紡糸装置の例の
摸式図である。
【図3】実施例1で得られた延伸糸の太さ斑を示すイー
ブネステスターで得られたチャートである。
【図4】実施例2で得られた延伸糸の太さ斑を示すイー
ブネステスターで得られたチャートである。
【図5】比較例3で得られた延伸糸の太さ斑を示すイー
ブネステスターで得られたチャートである。
【図6】比較例4で得られた延伸糸の太さ斑を示すイー
ブネステスターで得られたチャートである。
【図7】本発明の半延伸処理に用いる延伸機台の例の図
である。
【図8】本発明の半延伸処理時に熱処理を付与する延伸
機台の例の図である。
【図9】本発明の半延伸処理時に熱処理を付与する延伸
機台の例の図である。
【符号の説明】
1 紡糸口金 2 吐出糸条(未変性ポリエステルフィラメント) 3 吐出糸条(変性ポリエステルフィラメント) 4 冷却装置 5 給油装置 6 エアー交絡装置 7 巻き取り機 8 給糸ローラー 9 第1摩擦抵抗ピン 10 第1摩擦抵抗ピン 11 第2摩擦抵抗ピン 12 第2摩擦抵抗ピン 13 加熱プレート a 未変性成分が吐出される孔群 b 変性成分が吐出される孔群
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平9−132833(JP,A) 特開 平6−49731(JP,A) 特開 平3−279428(JP,A) 特開 昭61−28043(JP,A) 特開 平8−134713(JP,A) 特開 平8−144144(JP,A) 特開 昭63−35843(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) D02G 3/34 D01D 5/08 D02G 3/22

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 染色濃度差を有する2種類のポリエステ
    ル単繊維群が別個に集束された混繊糸であり、それぞれ
    の単繊維群は繊維軸方向にもう一方の単繊維群に無関係
    に交絡部を有し、該交絡部が非延伸部からなる濃染性の
    太部を構成し、非交絡部が延伸部からなる淡染性の細部
    を構成する異色濃淡染色性スラブ調ポリエステル混繊糸
    条。
  2. 【請求項2】 2種類のポリエステル単繊維群が、染色
    性の異なる2種類のポリエステル単繊維群により構成さ
    れてなる請求項1記載の異色濃淡染色性スラブ調ポリエ
    ステル混繊糸条。
  3. 【請求項3】 各単繊維群の交絡部の数が3〜100個
    /m、混繊糸条全体としての太さ斑の変動係数CVが7
    〜20%、糸長1m当たりに平均太さの115%以上の
    太さ斑が2〜15ケ、かつ85%以下の太さ斑が2〜1
    5ケであることを特徴とする請求項1または2記載の異
    色濃淡染色性スラブ調ポリエステル混繊糸条。
  4. 【請求項4】 染色濃度差を有する2種類のポリエステ
    ル未延伸糸条に、各々個別に高圧空気を吹き付けてそれ
    ぞれの未延伸糸条が個別に交絡した交絡部を形成した糸
    条を引き揃えて混繊未延伸糸条を作成し、該混繊未延伸
    糸条を半延伸処理することを特徴とする異色濃淡染色性
    スラブ調ポリエステル混繊糸条の製造方法。
  5. 【請求項5】 2種類のポリエステル未延伸糸条の最大
    延伸倍率の比[未変性ポリエステル成分/変性ポリエス
    テル成分]が0.85〜1.15の範囲にある混繊未延
    伸糸条を用い、半延伸処理を下記式(1)および(2)
    を満たす条件で熱ピン延伸して実施する請求項4記載の
    異色濃淡染色性スラブ調ポリエステル混繊糸条の製造方
    法。 MDR×0.45≦DR≦MDR×0.75 (1) TP1≦Tc (2) (式中、DRは延伸倍率、MDRは混繊未延伸糸の最大
    延伸倍率、TP1は延伸領域に配設した第1摩擦抵抗ピン
    の温度(℃)、Tcは2種のポリエステル重合体の結晶
    化温度のいずれか低い方の温度(℃)を表わす。)
  6. 【請求項6】 混繊未延伸糸条を下記式(3)を満たす
    条件で熱処理する請求項5記載の異色濃淡染色性スラブ
    調ポリエステル混繊糸条の製造方法。 Tg≦TP2≦Tc (3) (式中、TP2は第2摩擦抵抗ピンの温度(℃)、Tgは
    2種のポリエステル重合体のガラス転移温度のいずれか
    高い方の温度(℃)を表わす。)
  7. 【請求項7】 混繊未延伸糸条を延伸装置にて半延伸処
    理するにあたり、下記式(5)を満たす条件で熱処理す
    る請求項5記載の異色濃淡染色性スラブ調ポリエステル
    混繊糸条の製造方法。 TR1≦Tc (5)
  8. 【請求項8】 複合紡糸ノズルより染色濃度差を有する
    2種類のポリエステル糸条を紡出し、エアー圧力3〜6
    kg/cm2で各単繊維群を個別にエアー交絡処理しな
    がら1000〜2500m/minで巻き取り混繊未延
    伸糸条を作成する請求項4、5、6または7記載の異色
    濃淡染色性スラブ調ポリエステル混繊糸条の製造方法。
  9. 【請求項9】 複合紡糸ノズルでの両成分の吐出量比を
    1:3〜3:1とする請求項8記載の異色濃淡染色性ス
    ラブ調ポリエステル混繊糸条の製造方法。
  10. 【請求項10】 2種類のポリエステル糸条の紡糸ドラ
    フト率比[未変性ポリエステル成分/変性ポリエステル
    成分]を2.0〜4.0とする請求項8または9記載の
    異色濃淡染色性スラブ調ポリエステル混繊糸条の製造方
    法。
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