JPH10193167A - ろう材および真空気密容器の封着方法 - Google Patents

ろう材および真空気密容器の封着方法

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JPH10193167A
JPH10193167A JP34977696A JP34977696A JPH10193167A JP H10193167 A JPH10193167 A JP H10193167A JP 34977696 A JP34977696 A JP 34977696A JP 34977696 A JP34977696 A JP 34977696A JP H10193167 A JPH10193167 A JP H10193167A
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JP
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layer
sealing
thickness
metal
brazing material
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JP34977696A
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Miho Maruyama
美保 丸山
Seiichi Suenaga
誠一 末永
Rika Takigawa
りか 滝川
Kiyoshi Osabe
清 長部
Shoji Niwa
昭次 丹羽
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 Cu層の位置ずれを起こすことなく良好な脚
長を形成することができるセラミックと金属との封着用
ろう材と、そのようなろう材により真空気密容器を封着
する方法を提供する。 【解決手段】 本発明のろう材では、Cu層1の両面に
Ag層2が積層され、さらに片面側のAg層2aの上に
Ti層3が積層された構造を有し、上面側のAg層2b
において、部分的に層厚減少部4が形成されている。こ
のろう材を真空気密容器の封着部に配置して非酸化性雰
囲気で加熱すると、残存するCu中間層5において、A
g層の層厚減少部4に接する部分に凸部7が形成され、
この凸部7が封止金具6の端部に係止されることで、C
u中間層5の位置ずれが防止される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、セラミックと金属
との封着用ろう材、およびこのろう材を用いて真空気密
容器を封着する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、真空バルブやサイリスタ等に
使用される真空気密容器は、アルミナなどのセラミック
からなる絶縁容器の開口端部に、金属からなる端板(封
止金具)が封着・接合され、内部が真空気密状態に保持
された構造を有する。
【0003】このような真空気密容器において、セラミ
ック製の絶縁容器と封止金具との封着接合は、従来か
ら、モリブデン(Mo)またはモリブデン(Mo)−マ
ンガン(Mn)等のメタライズ層を介して行われている
が、この方法では、メタライズ層の形成工程が複雑であ
り、高温の熱処理(1300〜1700℃)を必要とするなどの
問題があった。
【0004】そのためこのような方法に代わる封着方法
として、例えば特開昭 61-123120号公報に記載されてい
るように、Ti等の活性金属のセラミックに対する還元
作用を利用して接合を行なう、活性金属法の適用が検討
されている。そして、このような活性金属法におけるろ
う材としては、共晶組成のAg−Cu合金中に固溶範囲
のTiが添加されたもの(例えば特開昭 35-1216号公報
記載)があり、各構成元素を積層化したクラッド構造の
ろう材も開発されている。(例えば特開昭 59-232693公
報記載) さらに、エッジシールタイプの封止金具を使用した真空
気密容器の封着部では、前記したような活性金属ろう材
を配置するだけでは良好な脚長を形成することができ
ず、十分な接合強度が得られないため、ろう材中にCu
等の中間層を挿設して脚長を形成することが行なわれて
いる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うなCu中間層を有する活性金属ろう材を使用した封着
部においては、Cu中間層を治具等で固定することがで
きないため、加熱封着時に、ろう材の溶融によりCu中
間層が位置ずれを起こすという問題があった。そして、
この位置ずれにより封着部の端部にろう溜りが形成さ
れ、このろう溜りからセラミック容器にクラックが発生
したり、あるいは封止金具の位置決め固定用治具にろう
材が張り付き、セラミック容器が破壊してしまうなどの
問題があった。 本発明は、これらの問題を解決するた
めになされたもので、セラミックと金属との封着におい
て、Cu中間層の位置ずれによる封着不良を起こすこと
なく、良好な脚長を形成し十分な接合強度を得ることが
できるろう材と、そのようなろう材を用いて真空気密容
器を封着する方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明のろう材は、Cu
からなる第1の金属層と、この第1の金属層の両面にそ
れぞれ接して積層されたAgを含む第2の金属層および
第3の金属層とからなり、前記第2の金属層の任意の2
点の層厚が異なることを特徴とする。
【0007】また、本発明の真空気密容器の封着方法
は、セラミック表面に、Cuからなる第1の金属層と、
この第1の金属層の両面にそれぞれ接して積層されたA
gを含む第2の金属層および第3の金属層からなり、前
記第2の金属層の任意の2点の層厚が異なるろう材を、
前記第3の金属層が前記セラミックと対向するように配
置する工程と、前記第2の金属層の層厚が大きい部分に
封止金具を当接する工程と、前記ろう材を非酸化性雰囲
気で加熱する工程を備えたことを特徴とする。
【0008】なお、第2の金属層において任意の2点で
層厚が異なるようにするには、例えば層厚を部分的に減
少させる、あるいは第2の金属層を部分的に削除するな
どの方法が採られる。
【0009】本発明のろう材およびそれを用いた真空気
密容器の封着方法において、Cuからなる第1の金属層
の両面にそれぞれ積層される第2の金属層および第3の
金属層層としては、Ag100%の層の他に、共晶組成以下
のCuを含有するAg−Cu合金層を挙げることができ
る。
【0010】また、本発明のろう材を使用して封着を行
なうことができるセラミックとしては、アルミナ、マグ
ネシア、シリカ等の酸化物系セラミック、窒化けい素、
窒化アルミ等の窒化物系セラミック、炭化けい素等の炭
化物系セラミック等を挙げることができる。
【0011】本発明のろう材をAg−Cu共晶合金の融
点以上の温度に加熱すると、Cu層において、第2の金
属層であるAg層またはAg−Cu合金層(以下、Ag
−Cu合金層を含めてAg層等と示す。)の層厚を減少
させた部分と直接接する部分に、凸部が形成される。す
なわち、Ag−Cu共晶温度以上の加熱により、中間の
Cu層およびその両面に積層されたAg層等はそれぞれ
溶融を開始し、両面側からのAgまたはAg−Cu合金
との合金化により、Cu層の厚さは減少する。このと
き、Ag層等の厚さを減少させた部分の内側に接するC
u層では、Ag層等の層厚減少部と周りとの厚さの差に
比例して、厚さの減少量が小さくなり、その結果残存す
るCu層においては、周りから相対的に盛り上がった凸
部が形成される。
【0012】したがって、この封着用ろう材を、例えば
真空気密容器のセラミック容器と封止金具との接合部
に、厚さを部分的に減少させたAg層等を封止金具側と
して挿入し、かつこの層厚減少部に隣合う領域部分に封
止金具が当接するように配置して、非酸化性雰囲気で加
熱したとき、Ag層等の溶融とともにCu層に形成され
た凸部が封止金具の当接端部に係止され、残存するCu
層の位置ずれが抑えられる。そのため、封着部の端部に
おけるろう溜りの形成が防止され、セラミック容器への
クラック発生やろう材の治具への張り付きが抑制され、
気密性の高い良好な封着がなされる。
【0013】なお、本発明のろう材においては、層厚が
部分的に減少されない第3の金属層の上に、さらにTi
層を形成することが望ましい。このようにTi層を積層
した場合には、加熱により、セラミックに対して濡れ性
が良好で接合強度が高いAg−Cu−Ti合金が生成す
る。また、Ti層を設けず、本発明のろう材をそのまま
使用して、セラミックと金属との封着接合を行なうこと
も可能であるが、その場合には、予めセラミック部材側
にMoやMo−Mn等のメタライズ層を形成しておき、
その上に本発明のろう材を、層厚を部分的に減少させた
Ag層等を金属部材側として配置して封着を行なうこと
が望ましい。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。
【0015】図1は、本発明のセラミックと金属との封
着用ろう材の一実施例を示す断面図である。このろう材
は、図に示すように、Cu層1の両面にそれぞれAg層
2が積層され、さらに片面側のAg層2aの上にTi層
3が積層された構造を有しており、Ti層3が積層され
ていない側(図面では上面側)のAg層2bにおいて、
層厚が部分的に減少されている部分(以下、層厚減少部
と示す。)4が形成されている。
【0016】ここで、Cu層1およびAg層2の厚さ
は、加熱による封着後もCu層1が残存するように設定
することが望ましい。例えば、Cu層1の厚さを 150μ
m とした場合、その両面に積層されるAg層2の厚さを
それぞれ40μm 程度とすれば、封着後もCu層1が中間
層として残存することが可能になる。また、Ti層3の
厚さは、加熱封着後のろう相に、Tiが 1〜 2重量%
( wt%)の割合で含有されるように設定することが望ま
しい。例えば、Cu層1の厚さを 150μm 、Ag層2の
厚さを40μm 程度とした場合には、Ti層3の厚さを 2
〜 3μm とすることが望ましい。さらに、片面側のAg
層2bの層厚減少部4において、周囲の非減少部との層
厚の差は、10μm 以上とすることが望ましい。Ag層2
bに10μm 以上の層厚の差があれば、加熱により、位置
ずれ防止に十分な高さの凸部をCu層に形成することが
できる。
【0017】このようなろう材を使用して、真空バルブ
等に使用される真空気密容器における封着接合を行なう
場合には、アルミナのようなセラミック製の絶縁容器と
金属製の封止金具との接合部に、Ti層3をセラミック
容器側とし、かつAg層2bの層厚減少部4の内側また
は外側で隣合う部分に、封止金具の端部が当接するよう
に挿入配置し、真空中または不活性ガス中のような非酸
化性雰囲気下で加熱する。加熱温度は、封着後もCu層
1が中間層として残存し、かつCu層に形成される凸部
を溶融させないように、ろう材が溶融を開始するAg−
Cu共晶温度から +50°K 程度の温度とし、かつ 5分〜
60分の熱処理時間とすることが望ましい。 こうしてろ
う材の封着時において、図2に示すように、残存するC
u中間層5の、Ag層の層厚減少部の直下の部分(封止
金具6の当接部に隣合う部位)に凸部7が形成され、こ
の凸部7が封止金具6の端部に係止されることで、残存
するCu中間層5の位置ずれが防止される。その結果、
封着部の端部におけるろう溜りの形成が防止され、セラ
ミック容器8へのクラック発生やろう材の治具への張り
付きが抑制されて良好な封着がなされ、気密性の高い真
空気密容器を得ることができる。なお、図中符号9およ
び10は、封着凝固後のろう相(Ag−Cu合金相)、
および活性金属ろう相(Ag−Cu−Ti合金相)をそ
れぞれ示している。
【0018】以上のように構成される真空気密容器の封
着では、ろう材として、片面側のAg層2bに配設され
る層厚減少部4の個数が2個以上であり、かつ図3に示
すように、これらの層厚減少部4が互いに等間隔で配設
された所定形状(例えば、セラミック容器8の接合部の
形状に合わせた円環形状)のものを使用することが望ま
しい。また、各層厚減少部4の形状は、それらに対応し
て直下に形成される凸部7により、残存するCu中間層
5を保持し位置ずれを防止することができる形状であれ
ば、どのような形状でも良く、図4(a)および(b)
にそれぞれ示すように、小円形や円弧形あるいは矩形等
とすることができる。
【0019】次に、本発明のろう材およびそれを用いて
真空気密容器の封着を行なう別の実施例について、説明
する。
【0020】この実施例では、図5(a)に示すよう
に、ろう材のAg層2bの厚さが封止金具6が当接する
部位のみ厚くなっており、これを加熱することにより、
図5(b)に示すように、封止金具6が接する部位のろ
う材(Cu層1とAg層2b)の溶融がより進行して、
その両側の部位のCu中間層5にそれぞれ凸部7が形成
され、これが封止金具6を両側面から良好に保持する。
【0021】また、Ag層2bに必ずしも層厚減少部4
のような段差を形成する必要はなく、Ag層2bの厚さ
に傾斜があるようなろう材を使用しても構わない。図6
は、そのようなろう材を使用して封着を行なった実施例
であり、(a)は加熱前の状態を示し、(b)は加熱後
の接合体を示す。この図に示すように、2点以上で封止
金具6を接合する場合には、Ag層2bの厚さを両側か
ら連続的に変化させたろう材を使用することができる。
なお、確実に封止金具6の位置決めを行なうために、A
g層2bの傾斜の角度は30°以上にすることが望まし
い。
【0022】
【実施例】以下、本発明の具体的な実施例について説明
する。
【0023】実施例1 厚さ 150μm のCu層の両面に厚さ30μm のAg層をそ
れぞれ積層形成して、外径43.5mm、内径40mmのリング状
のろう材を作製し、このろう材の片面側のAg層の一部
を、図3に示すように、幅 1.5mm×長さ 3mm、深さ20μ
m で 4ケ所切削し、層厚減少部を形成した。また、外径
44mm、厚さ 5mm、高さ52mmの 94wt%アルミナ製の真空バ
ルブ用絶縁筒の周端部に、Mo−Mnの微粉末を有機バ
インダーに混合したペーストを塗布し、加湿水素中で13
00〜1700℃の温度で加熱してメタライズ層を形成し、さ
らにその上にNiめっきを施した。
【0024】次いでこのメタライズ層の上に、ろう材
を、切削部が形成された面を上側に向けて配置し、その
上に外径42.5mm、厚さ 0.5mm、高さ 5mmのSUS304製の封
止金具を、切削部に隣接する外側に封止金具の下端部が
当接するように配置した。これを真空炉に入れ、 6×10
-4Paまで真空引きしてから、10°K/min の昇温速度で10
73°K まで昇温し、その温度で20分間保持した後そのま
ま炉冷した。
【0025】こうして実施例1により得られた真空バル
ブの封着部は、図2に示すような良好な脚長を形成して
いた。また、残存するCu中間層は凸部により保持さ
れ、位置ずれは認められなかった。さらに、内部の真空
気密性が保たれているかどうかを調べたところ、リーク
は認められなかった。
【0026】実施例2 厚さ 150μm のCu層の両面に厚さ30μm のAg層をそ
れぞれ積層形成し、さらに片面側のAg層の上に厚さ 2
μm のTi層を形成した。この積層シートから、外径4
3.5mm、内径40mmのリング状のろう材を作製し、かつこ
のろう材のTi層と反対側のAg層の一部を、図3に示
すように、幅 1.5mm×長さ 3mm、深さ20μm で 4ケ所切
削し、層厚減少部を形成した。
【0027】次いで、このろう材を、外径44mm、厚さ 5
mm、高さ52mmの 94wt%アルミナ製の真空バルブ用絶縁筒
と、外径42.5mm、厚さ 0.5mm、高さ 5mmのSUS304製の封
止金具との封着部に、Ti層をアルミナ製絶縁筒に接触
させ、かつAg層の切削部に隣接する外側に封止金具の
下端部が当接するように配置した。これを真空炉に入
れ、 6×10-4Paまで真空引きしてから、10°K/min の昇
温速度で1073°K まで昇温し、その温度で20分間保持し
た後そのまま炉冷した。
【0028】また比較例1として、厚さ 150μm のCu
層の両面に厚さ30μm のAg層をそれぞれ形成し、さら
に片面側のAg層の上に厚さ 2μm のTi層を形成した
積層シートから、外径43.5mm、内径40mmのリング状のろ
う材を作製した。次いでこのろう材を、実施例2と同様
に真空バルブ用のアルミナ製絶縁筒と封止金具との封着
部に挿入配置し、真空炉中で 6×10-4Paまで真空引きし
た後、昇温速度10°K/min で1073°K まで昇温した。そ
して、その温度で20分間保持した後炉冷した。
【0029】こうして実施例2により得られた真空バル
ブの封着部は、実施例1と同様に良好な脚長を形成して
いた。また、残存するCu中間層は凸部により保持さ
れ、位置ずれは認められなかった。さらに、内部の真空
気密性が保たれているかどうかを調べたところ、リーク
は認められなかった。これに対して比較例1では、図7
に示すように、残存するCu中間層5が大きく位置ずれ
を起こし、脚長の体積が減少していた。そして、封着部
の端部にろう溜り11が形成されており、ここからアル
ミナ製絶縁筒(セラミック容器8)にクラック12が発
生していた。
【0030】実施例3 厚さ 200μm のCu層の両面に厚さ50μm のAg層をそ
れぞれ形成し、さらに片面側のAg層の上に厚さ 3μm
のTi層を形成した。この積層シートから、外径43.5m
m、内径40mmのリング状のろう材を作製し、かつこのろ
う材のTi層と反対側のAg層を、図8に示すように、
直径 2mm、深さ50μm の円柱状に 6ケ所切削し、層厚削
除部13を形成した。
【0031】次いで、このろう材を、外径44mm、厚さ 5
mm、高さ52mmの 94wt%アルミナ製の真空バルブ用絶縁筒
と、外径42.5mm、厚さ 0.5mm、高さ 5mmのSUS304製の封
止金具との封着部に、Ti層をアルミナ製絶縁筒に接触
させ、かつAg層の削除部に隣接する外側に封止金具の
下端部が当接するように配置した。これを真空炉に入
れ、 6×10-4Paまで真空引きしてから、10°K/min の昇
温速度で1083°K まで昇温し、その温度で15分間保持し
た後そのまま炉冷した。
【0032】また比較例2として、厚さ 200μm のCu
層の両面に厚さ50μm のAg層をそれぞれ形成し、さら
に片面側のAg層の上に厚さ 3μm のTi層を形成した
積層シートから、外径43.5mm、内径40mmのリング状のろ
う材を作製した。次いでこのろう材を、実施例3と同様
に真空バルブ用のアルミナ製絶縁筒と封止金具との封着
部に挿入配置し、真空炉中で 6×10-4Paまで真空引きし
た後、昇温速度10°K/min で1083°K まで昇温した。そ
して、その温度で15分間保持した後炉冷した。
【0033】こうして実施例3により得られた真空バル
ブの封着部は、実施例1と同様に良好な脚長を形成して
いた。また、残存するCu中間層は凸部により保持さ
れ、位置ずれは認められなかった。さらに、内部の真空
気密性が保たれているかどうかを調べたところ、リーク
は認められなかった。これに対して比較例2では、活性
金属ろう相がAl合金からなる治具に張り付き、無理矢
理治具の取り外しを行なったところ、アルミナ製絶縁筒
の外周よりはみ出していたCu中間層の変形および絶縁
筒の欠損が起こった。さらに、内部の真空気密性を調べ
たところ、リークが認められた。レッドチェックを行な
いリーク箇所を調べると、活性金属ろう相の張り付きに
より損傷が生じた箇所から、リークが生じていた。
【0034】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のろう材に
よれば、セラミックと金属との封着において、Cu中間
層の位置ずれ防止が可能であり、良好な脚長が形成され
十分な接合強度を得ることができる。そして、このろう
材をセラミック容器と封止金具との封着に用いること
で、リークがなく気密性の高い真空気密容器を得ること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の封着用ろう材の一実施例を示す断面
図。
【図2】実施例のろう材を用いて形成された真空気密容
器の封着部を示す断面図。
【図3】本発明の真空気密容器の封着用ろう材の一実施
例を示す上面図。
【図4】本発明の真空気密容器の封着用ろう材の別の実
施例を示す上面図。
【図5】本発明の別の実施例を示し、(a)は加熱封着
前の状態を示す断面図、(b)は真空気密容器の封着部
を示す断面図。
【図6】本発明のさらに別の実施例を示し、(a)は加
熱封着前の状態を示す断面図、(b)は真空気密容器の
封着部を示す断面図。
【図7】比較例1のろう材を用いて形成された真空気密
容器の封着部を示す断面図。
【図8】実施例3で得られたろう材において、層厚削除
部の形状および形成位置を示す上面図。
【符号の説明】
1………Cu層 2………Ag層 3………Ti層 4………層厚減少部 5………残存するCu中間層 6………封止金具 7………凸部 8………セラミック容器 9………封着凝固後のろう相 10………封着凝固後の活性金属ろう相 13………層厚削除部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C04B 37/02 C04B 37/02 B C22C 5/06 C22C 5/06 Z (72)発明者 長部 清 東京都府中市東芝町1番地 株式会社東芝 府中工場内 (72)発明者 丹羽 昭次 東京都府中市晴見町2丁目24番地の1 東 芝エフエーシステムエンジニアリング株式 会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 銅(Cu)からなる第1の金属層と、こ
    の第1の金属層の両面にそれぞれ接して積層された銀
    (Ag)を含む第2の金属層および第3の金属層とから
    なり、前記第2の金属層の任意の2点の層厚が異なるこ
    とを特徴とするろう材。
  2. 【請求項2】 前記第3の金属層上にチタン(Ti)層
    を形成したことを特徴とする請求項1記載のろう材。
  3. 【請求項3】 セラミック表面に、Cuからなる第1の
    金属層と、この第1の金属層の両面にそれぞれ接して積
    層されたAgを含む第2の金属層および第3の金属層か
    らなり、前記第2の金属層の任意の2点の層厚が異なる
    ろう材を、前記第3の金属層が前記セラミックと対向す
    るように配置する工程と、前記第2の金属層の層厚が大
    きい部分に封止金具を当接する工程と、前記ろう材を非
    酸化性雰囲気で加熱する工程を備えたことを特徴とする
    真空気密容器の封着方法。
JP34977696A 1996-12-27 1996-12-27 ろう材および真空気密容器の封着方法 Withdrawn JPH10193167A (ja)

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