JPH10191921A - おろし野菜の保存方法 - Google Patents

おろし野菜の保存方法

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JPH10191921A
JPH10191921A JP331797A JP331797A JPH10191921A JP H10191921 A JPH10191921 A JP H10191921A JP 331797 A JP331797 A JP 331797A JP 331797 A JP331797 A JP 331797A JP H10191921 A JPH10191921 A JP H10191921A
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JP
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grated
vegetables
container
sheet
lid
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JP331797A
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English (en)
Inventor
Masateru Osada
昌輝 長田
好久 ▲榊▼原
Yoshihisa Sakakibara
Hideyuki Takahashi
秀之 高橋
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Mitsubishi Gas Chemical Co Inc
Original Assignee
Mitsubishi Gas Chemical Co Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 おろし野菜のおろしたての風味、色調を長く
保存できるとともに、野菜を使うときの作業が簡単で、
再保存も容易で、密封後に加熱処理しても破裂すること
がなく、さらにピンホールのような非通気性を乱す要因
を心配する必要もない、おろし野菜の保存方法を提供す
る。 【解決手段】非通気性の容器本体2と当該容器本体2を
封止する蓋体3とを有する容器1であって、前記容器本
体2と蓋体3との間に、容器本体側に脱酸素剤13を通
気性包材14で配した非通気性のパッキング12を介在
させる構造の容器に、生野菜をすりおろしたおろし野菜
を0〜15℃で密封保存する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、すりおろした野菜
(以下、「おろし野菜」という)の保存方法に関し、と
くに、おろし野菜のすりおろしたままの風味、色調を長
く保存するために脱酸素剤を用いた保存方法に関する。
【0002】
【従来技術】おろし野菜類、例えば、大根おろし、おろ
し人参、おろし山芋、おろし生姜、おろしわさび、おろ
しニンニク等のように生野菜をすりおろしたものは、風
味の低下、変退色が早く、冷蔵保存を行っても長期間保
存できない。このようにおろし野菜はきわめて保存性の
低い食品であるために、通常、使用直前にすりおろして
使用されてきた。しかし、近年、調理の簡便化のため、
特に料理店、飲食店等、業務用に、大根おろし、おろし
生姜等、おろした野菜の需要があり、おろし野菜の保存
性向上が強く要望されている。一方、おろし野菜の保存
性を向上させるために、野菜の種類によってはすりおろ
した野菜に加熱処理を加えることが行われることもあ
る。しかし、加熱処理はすりおろした野菜本来の風味を
損なうという問題があり、必ずしも適切なおろし野菜の
保存方法ではないと言うのが現状であった。
【0003】この現状を打破するため、脱酸素剤を用い
たおろし野菜の保存方法が、例えば特開平8−1405
71号公報により提案されている。この公報には、おろ
し野菜を脱酸素剤と共に非通気性の包装容器に密封して
0〜15℃に保存する保存方法、おろし野菜を加熱処理
して脱酸素剤と共に非通気性の包装容器に密封する保存
方法、さらには、おろし野菜を脱酸素剤と共に非通気性
の包装容器に密封し加熱処理して0〜15℃で保存する
保存方法が提案されている。この保存方法を実際に実施
する場合、一般的には、おろし野菜は例えばトレイ容器
に載せ、トレイの外に小袋状脱酸素剤を置き、ガスバリ
ヤーフィルム袋で密封することとなる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た公報記載の保存方法の場合、以下のような種々の問題
がある。
【0005】第1に、前記公報記載の方法では、脱酸素
剤として脱酸素剤組成物を通気性小福をに充填した
(小)袋状脱酸素剤が使用されるが、小袋状脱酸素剤の
使用は包装作業が煩雑になるという問題がある。
【0006】第2に、密封保存後におろし野菜を使用す
るときの使い勝手の問題がある。具体的には、おろし野
菜を使用したいときは、例えばトレイからおろし野菜を
他の容器に移すか、ラップすることになるが、そのとき
に水分が飛散するなど、使い勝手が悪いという問題があ
る。
【0007】第3に、密封後に加熱処理する場合、非通
気性の包装容器がフィルムである場合、膨れて破裂する
可能性がある。破裂すると、当然に脱酸素剤の機能は無
くなる。
【0008】第4に、非通気性の包装容器がフィルムで
ある場合、流通時の取扱いによってフィルムにピンホー
ルが生じる可能性があり、ピンホールが生じると、脱酸
素剤の機能低下は回避できないという問題がある。
【0009】本発明は、上述した従来技術の問題に鑑み
てなされたもので、おろし野菜のおろしたての風味、色
調を長く保存できるとともに、おろし野菜を使うときの
作業が簡単で、再保存も容易で、密封後に加熱処理して
も破裂することがなく、さらにピンホールのような非通
気性を乱す要因を心配する必要もない、おろし野菜の保
存方法を提供することを、その目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上述した目的を達成する
ため、請求項1に記載の発明に係るおろし野菜の保存方
法によれば、非通気性の容器本体と当該容器本体を封止
する蓋体とを有する容器であって、前記容器本体と蓋体
との間に、容器本体側に脱酸素剤を通気性包材で配した
非通気性のパッキングを介在させる構造の容器に、生野
菜をすりおろしたおろし野菜を0〜15℃で密封保存す
ることを特徴とする。この場合、前記おろし野菜はすり
おろした後、加熱処理された野菜であってもよい。
【0011】また、請求項3に記載の発明に係るおろし
野菜の保存方法によれば、非通気性の容器本体と当該容
器本体を封止する蓋体とを有する容器であって、前記容
器本体と蓋体との間に、容器本体側に脱酸素剤を通気性
包材で配した非通気性のパッキングを介在させる構造の
容器に、生野菜をすりおろしたおろし野菜を密封して加
熱処理し、0〜15℃で密封保存することを特徴とす
る。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係るおろし野菜の
保存方法を実施する実施形態を添付図面により説明す
る。
【0013】図1はおろし野菜を密封して保存するため
の容器の縦断面図を示し、図2はその容器に用いた蓋用
パッキングの縦断面図を示す。これらの図において、容
器1は、非通気性の容器本体2と、容器本体2の口部を
封止する非通気性の蓋3と、容器本体2の口部と蓋3と
の間に介挿させる非通気性の蓋用パッキング4とを備え
る。これにより、口部に蓋用パッキング4を被せて、捩
子式の蓋3を付けると、容器内部は密封状態に保持され
る。この容器1には、おろし野菜が入れられる。
【0014】本発明においては、おろし野菜とは、生野
菜をおろし金ですりおろしたもの、ミキサーで破壊した
もの等である。例えば、おろし野菜として、大根おろ
し、人参おろし、モミジおろし、おろし山芋、おろし生
姜、おろしわさび、おろしニンニク等が挙げられる。本
発明の方法は、生野菜をすりおろすことにより組織が破
壊され酸素に接触し易くなり、風味成分の分解変質、変
退色が著しく早くなったおろし野菜に適用される。
【0015】蓋用パッキング4は、実質的に非通気性の
プラスチックフィルム11の積層接着されたシート状パ
ッキング材12の面にシート状脱酸素剤13が配置され
てなり、容器の口径より小さい通気性包材14により該
シート状脱酸素剤13を被覆して該通気性包材14を該
プラスチックフィルム11面に熱接着してなる。パッキ
ング材12の蓋3側の面にはプラスチックフィルム15
を積層接着しても良い。
【0016】シート状パッキング材12には、通常、容
器のキャップ、蓋等の裏面に装着してパッキングに使用
される材料が使用できる。シート状パッキング材12の
材料としては、例えば、シリコンゴム、ウレタンゴム等
のゴム系材料、あるいは、軟質ポリエチレン、発泡ポリ
エチレン、発泡ポリスチレン、発泡ポリウレタン、発泡
塩化ビニル樹脂等のプラスチック材料が挙げられる。こ
れらのパッキング材料の中では、シート状パッキング材
12に積層される他の材料との加工性等を考慮すると、
発泡ポリエチレンが最も好ましい。シート状パッキング
材12の厚さは、収納するシート状脱酸素剤の厚み及び
パッキング性等から、0.2〜5mmの範囲に選定され
る。さらに装填性、加工性等を考慮すると、その厚さ
は、0.5〜3.0mmがより好ましい。シート状パッ
キング材は、その厚みが薄すぎるとパッキング性が劣
り、厚すぎると加工性、装填性に問題が生じる。
【0017】プラスチックフィルム11は、本発明の蓋
用パッキングが容器密封に使用して良好な酸素遮断性を
有し、優れた脱酸素機能を発揮するためには、実質的に
非通気性のものである必要がある。さらには、プラスチ
ックフィルム11が実質的に非酸素透過性であり、その
酸素透過度が500cc/m2・24Hr・atm 以
下、好ましくは100cc/m2・24Hr・atm 以
下、より好ましくは50cc/m2・24Hr・atm
以下のものである。
【0018】プラスチックフィルム11は、フィルム単
体でも複合フィルムでもよい。フィルム単体としては、
ポリエチレンテレフタレート、ポリアミド類、ポリ塩化
ビニリデン、エチレンビニルアルコール共重合体、ポリ
ビニルアルコール等のプラスチックフィルム、ポリ塩化
ビニリデンコートフィルム、アルミ蒸着フィルム、アル
ミ箔、シリカ蒸着フィルム、他のフィルム単体が挙げら
れる。また、プラスチックフィルム11は前記パッキン
グ材12に積層接着されることから、上記のフィルム単
体と、ポリエチレン、EVA、アイオノマー、EAA,
EMMA、EEA等のポリオレフィン系樹脂フィルムと
を積層した複合フィルムが、好適に用いられる。このよ
うな複合フィルムとしては、トリプルナイロン(オザキ
軽化学製)、バリアロン(旭化成製)他の各種共押出フ
ィルムが例示される。さらに加工性を考慮すると、プラ
スチックフィルム11は、通気性包材14との接着面が
ポリオレフィン系樹脂であることが好ましく、エパール
(クラレ製)、ナイロン、ポリ塩化ビニリデン等の樹脂
を間にしてポリオレフィン系樹脂を両面に共押出したフ
ィルムが好ましい。上記プラスチックフィルム11の厚
みは、酸素透過度、加工性等を考慮して選択され、10
〜100μmの範囲の厚さのフィルムが使用される。
【0019】シート状脱酸素剤13は、偏平で脱酸素剤
収納部に納まるシート状のものであって、使用中に外部
に汚染の恐れのないものであれば、必ずしも製法や形態
を限定することなく使用できる。シート状脱酸素剤とし
て、粉体状脱酸素剤を包装した脱酸素剤包装体も使用で
きるが、均一に平らで薄くでき、厚さが変わらず取り扱
い易く、パッキング製造時の加工性が良いことから、脱
酸素剤をシート状に成形した、所謂、シート状脱酸素剤
がより好ましい。また、このシート状脱酸素剤を通気性
包材に被覆包装したものでもよい。
【0020】シート状に成形される脱酸素剤は、シート
状に加工できて目的を達成できるものであればよく、必
ずしも限定されない。例えば、鉄等に代表される金属成
分を主剤とする金属系脱酸素剤、アスコルビン等に代表
される有機成分を主剤とする有機系脱酸素剤等が使用で
きる。
【0021】本発明に使用されるシート状脱酸素剤13
としては、例えば、ポリエチレン等のポリオレフィン系
樹脂に鉄系脱酸素剤を混練シート化したもの、さらにこ
れを延伸処理して酸素吸収性能を向上させたもの(特開
平2−72851号公報に開示)、また、鉄系脱酸素剤
をパルプ等と混合しシート化したもの(特開平2−86
758号公報に開示)等が好適に使用される。さらに
は、アスコルビン酸系脱酸素剤等の有機系脱酸素剤を
紙、不織布等に含浸させたシート状脱酸素剤等も使用で
きる。
【0022】シート状脱酸素剤13の厚さは、パッキン
グ材の厚みの範囲内で製造の際の加工性を考慮して0.
1〜5mmの範囲に、好ましくは、0.2〜3mmの範
囲に決めることができる。シート状脱酸素剤の厚さおよ
び大きさなどの寸法は、必要とする酸素吸収能力によっ
て適宜選択される。
【0023】なお、シート状脱酸素剤13は、脱酸素剤
が酸素吸収反応に水を要するものの場合、水分依存型も
しくは自力反応型の何れであっても使用できるが、高水
分の保存対象物に適用して保存対象物から蒸散する水分
を利用する水分依存型のものの方が、製造上、また取扱
上も好ましい。保存対象物が水分の低いものの場合に
は、予め水分を保持する自力反応型のシート状脱酸素剤
が利用できる。更には、特開平4−45162号公報に
開示されるような金属触媒を利用した脱酸素樹脂シート
の使用も可能である。また、シート状脱酸素剤には、必
要に応じ適宜、脱臭シート、吸水性樹脂並びに吸水性シ
ート、炭酸ガス吸収シート等を併用することができる。
【0024】通気性包材14としては、一般に脱酸素剤
包装体の包材として使用されている通気性材料が使用可
能である。例えば、紙に有孔フィルムを積層した包材、
耐水性の不織布(「タイベック」デュポン製、「ルクサ
ー」旭化成製等)、各種の微多孔膜(「ジュラガード」
セラニーズ製、「NFシート」徳山曹達製、「ニトフロ
ン」日東電工製、他)、および上記の耐水性不織布並び
に微多孔膜に有孔フィルムを積層した包材、更には、特
開昭63−219359号公報に開示される耐水耐油性
包材、他が使用される。また、使用されるシート状脱酸
素剤自体が通気性包材等で積層被覆されているような場
合には、通気性包材14として、一般の有孔プラスチッ
クフィルムを使用することも可能である。
【0025】更に、保存対象物が液体をはじめ高水分の
ものである場合、シート状脱酸素剤からの錆等の溶出を
防止するために、通気性包材14には耐液性が必要であ
る。このため、通気性包材14として、上記した耐水性
の不織布、微多孔膜、耐水耐油性包材に、ポリエチレン
テレフタレート、ポリアミド、エパール、アルミ箔、他
の耐熱性の有孔フィルムを積層した包材が好適に使用さ
れる。さらに具体的には、上記した耐水性の不織布、微
多孔膜、耐水耐油性包材に、ポリエチレンテレフタレー
ト/ポリエチレンの有孔フィルム、ナイロン/ポリエチ
レンの有孔フィルム等をした包材、更には、この積層包
材の他面に有孔ポリオレフィン系樹脂フィルムを積層し
た三層構成包材等が、最も好ましいものとして挙げられ
る。
【0026】以上の他に本実施形態では更に、シート状
パッキング材12の蓋側の面に、プラスチックフィルム
15を積層している。プラスチックフィルム15を積層
することは蓋用パッキングと蓋との密着性向上に有効で
あり、また、パッキングを保護して外観を良くすること
にもなる。プラスチックフィルム15としては、積層接
着の可能なものであれば特に制限はなく、前記のプラス
チックフィルム11で例示されるフィルムが好適に使用
される。なお、フィルムの酸素透過度に制限はなく、例
えば、延伸ポリプロピレン/ポリエチレン等のフィルム
も使用可能である。
【0027】蓋用パッキング4の製造方法は、本発明の
ものが製造ができる方法であればよく特に制限されない
が、例えば、次のような方法を採ることができる。シー
ト状パッキング材12の少なくとも片面にプラスチック
フィルム11を熱ラミネート、ドライラミネート、押出
ラミネート等の方法で積層接着する。この場合、必要に
応じ他面に、プラスチックフィルム15またはプラスチ
ックフィルム11を積層接着することができる。一方
で、通気性包材14を、所要のシート状脱酸素剤13の
外径より大きく容器口径より小さい大きさに切断する
か、または、打ち抜いて、所定の寸法の通気性包材14
を準備しておく。次に、上に準備したシート状パッキン
グ剤12のプラスチックフィルム11面に所要のシート
状脱酸素剤13を配置し、所定の寸法の通気性包材14
で覆ってその周辺部を熱シールする。
【0028】また、別法として、準備したシート状パッ
キング材12のプラスチックフィルム11の面に、適
宜、所要のシート状脱酸素剤13を配して通気性包材1
4で覆い、その周辺部を熱シールする。次いで、このシ
ート状パッキング材から通気性包材14のみをハーフカ
ットして余分な部分を除く方法を採ることができ、この
方法は大量生産に適する。この場合、直ぐに容器装着に
使用しない場合には、最初にシート状パッキング材12
の両面にプラスチックフィルム11を積層接着したもの
を使用し、通気性包材14をハーフカットして除いた面
に非通気性の剥離性材料を積層し両面を保護することに
より、保管することもできる。何れにしても最後に、シ
ート状脱酸素剤13を積層被覆したシート状パッキング
材を、脱酸素剤を中心にして容器口径に合った所定の寸
法の大きさに打ち抜くことにより、蓋用パッキングが出
来上がる。
【0029】本発明においては、蓋用パッキングの通気
性包材14の外径が適用する容器の口径より小さい場
合、これを装着して容器を密封すると、パッキング断面
を経る通気が、非通気性のプラスチックフィルム11に
よって完全に遮断される。このため、パッキングのシー
ル性が極めて優れ脱酸素剤の酸素吸収機能が効果的に発
揮されるのである。
【0030】おろし野菜は上述の容器1に密封して、0
〜15℃の温度範囲に保持することにより、風味低下や
変退色することなく、おろしたての状態を保持して長く
保存することができる。さらに別の方法においては、野
菜の種類、使用目的により、おろし野菜を加熱処理して
上述の容器1に密封するか、又はおろし野菜を上述の容
器1に密封し加熱処理して、0〜15℃の温度範囲に保
持することにより、おろし野菜をより長期に保存するこ
とが可能となる。
【0031】野菜類の加熱処理の適否は、野菜の種類、
及び、加熱方法や条件によって異なる。一般的には、人
参や生姜は、加熱処理を行っても外観・風味に大きな変
化はなく、却って本来の色である赤や緑の鮮やかさ増す
傾向が見られ、加熱が好適に行われる。大根、わさび、
ニンニクは、加熱による外観変化、例えば、大根、わさ
びでは黄化が見られ、ニンニクでは退色があり、またこ
れらのものは加熱による風味変化もあるため、加熱なし
の保存が好ましい。ただし、ニンニクは、使用時肉等に
加えられて加熱される場合には、加熱することができ
る。また、山芋は、加熱により風味変化があるだけでな
く外観も糊状に変化するため、加熱は好ましくない。
【0032】おろし野菜の加熱に際しては、生野菜をす
りおろして直接加熱することもできるが、風味成分の揮
散や分解を防ぐためには、おろし野菜を上述の容器1に
密封して加熱することがより好ましい。このため、加熱
に際しては、脱酸素剤が酸素を吸収して系内の酸素がな
くなってから加熱することが好ましく、また、ガス置換
や脱気包装を併用することも有効である。
【0033】加熱条件として、野菜の種類、包装形態等
に応じて加熱温度、加熱時間を、適宜選ぶことができ
る。例えば、おろし生姜の場合には、加熱時間の長短に
もよるが、加熱温度は、通常70℃以上、好ましくは8
0〜100℃である。加熱時間は、上記加熱温度におい
て15〜40分の範囲に選ばれる。
【0034】既述の容器1で用いる非通通気性の容器本
体としては、ガラスビンの他のプラスチック容器が用い
られ、蓋3としては金属製でも良く、ポリオレフィン等
のプラスチック製でも良い。容器や蓋にプラスチックを
用いる場合、ポリ塩化ビニルアルコール共重合体、ポリ
アミド等のガスバリアー製材質を少なくとも材料の一部
に配することが望ましい。
【0035】実施例1 シート状脱酸素剤の製造:平均粒径70μmの鉄系脱酸
素剤100部とポリエチレン100部とを混合後、19
0℃に加熱溶融し、押出機によりシート状に製膜した。
次いで、このシートを50℃で縦方向に4倍延伸して、
厚さ1mmの高性能のシート状脱酸素剤を得た。得られ
たシート状脱酸素剤を径18mmΦの円形に打ち抜き、
蓋用パッキングに配するシート状脱酸素剤(径18mm
Φ、厚さ1mm)を準備した。
【0036】パッキングの製造:発泡ポリエチレンから
なるシート状パッキング材(厚さ1.5mm)の両面に
厚さ30μmのトリプルナイロン(オザキ軽化学製)を
重ね、熱ロールでパッキング材とトリプルナイロンとを
積層接着した。一方、延伸ナイロン(15μm)/ポリ
エチレン(15μm)積層フィルムに孔を開けた有孔フ
ィルム(孔径0.8mm、開孔率7%)と耐水性不織布
ルクサー(旭化成製)を熱ラミネートした通気性包材を
径30mmΦの円形に打ち抜き、円形の通気性包材を準
備した。次に、トリプルナイロンを積層接着したシート
状パッキング材の上に準備した円形シート状脱酸素剤
(径18mmΦ、厚さ1mm)を配し、さらに不織布ル
クサー面を下にして円形の通気性包材を重ね、その周縁
部を熱シールした。最後に、シート状脱酸素剤を収納し
た積層パッキング材を、シート状脱酸素剤収納部を中心
にして40mmΦの円形に打ち抜いて、酸素吸収機能を
有する蓋用パッキングを製造した。
【0037】かくして得られた蓋用パッキングを装填し
たポリプロピレン製の蓋とエチレンビニルアルコール共
重合体を内層に配したポリエチレン製の非通気性容器本
体を用いた容器1を準備した。
【0038】大根をおろし金ですりおろし、おろした大
根を軽く水切りした。直ちに調製した大根おろし100
gを容器1に入れて密封した。上記のごとく、大根おろ
しを脱酸素剤包装体と共に密封した容器を10℃で保存
し、大根おろしの外観および風味の変化を経日的に調べ
た。結果を表1に示す。
【0039】比較例1 実施例1において脱酸素剤を用いなかったことを除き、
実施例1と全く同様にして、大根おろしを保存した。比
較例1の結果を表1に対比して示す。
【0040】
【表1】
【0041】実施例2 生姜をおろしがねですりおろし、軽く水切りしておろし
生姜を調製した。直ちに、実施例1同様に、おろし生姜
100gを容器1に入れて密封し、次いで、このおろし
生姜の入った容器を90℃の温水中で30分間加熱した
後、10℃で保存した。
【0042】比較例2 実施例2において脱酸素剤を用いなかったことを除き、
実施例2と全く同様にして、おろし生姜の入った容器を
保存した。実施例2および比較例2に保存するおろし生
姜の外観および風味の変化を経日的に調べた。結果を表
2に併記する。
【0043】
【表2】
【0044】実施例3 人参をおろしがねですりおろし、軽く水切りしておろし
人参を調製した。直ちに、実施例1同様に、おろし人参
100gを容器1に入れて密封し、次いで、このおろし
人参の入った容器を90℃の温水中で30分間加熱した
後、10℃で保存した。
【0045】比較例3 実施例3において脱酸素剤を用いなかったことを除き、
実施例3と全く同様にして、おろし人参の入った容器を
保存した。実施例3および比較例3に保存するおろし人
参の外観および風味の変化を経日的に調べた。結果を表
3に併記する。
【0046】
【表3】
【0047】
【発明の効果】本発明の方法によれば、おろし野菜を、
脱酸素剤蓋体のパッキングに配した容器に密封し無酸素
状態で低温に保持することにより、風味低下や変退色な
くすりおろしたままの品質を長く保存することができ
る。従来、おろし野菜は、風味低下、変退色が早く、冷
蔵保存しても長期間保存できないために、使用直前にす
りおろして食用に供されていたが、本発明により、おろ
し野菜を保存可能なものとすることができる。さらに
は、おろし野菜が、例えば、人参や生姜のように加熱処
理を行っても外観・風味に大きな変化のない野菜の場合
には、おろし野菜にさらに加熱処理を加え無酸素状態で
低温に保持することにより、より保存性向上し長期の保
存が可能となる。殊に主に香辛成分が利用されるおろし
生姜の場合には、本発明の方法によれば、すりおろして
生じた香辛成分が加熱により容易に損なわれたり失われ
たりせずに、著しく保存性が向上する。
【0048】また、本発明の保存方法によれば、保存し
てあるおろし野菜を使用したいときは、蓋体を外してパ
ッキングをとれば、必要量のおろし野菜を容易に取り出
すことができ、その際、従来のようにトレイからほかの
容器に移すといった作業が不要であり、簡便に取り出す
ことができて、使い勝手に優れている。また、密封後に
加熱処理する場合でも、従来のフィルム袋のように、膨
れて破裂する可能性もないし、ピンホールが在るかどう
かを心配する必要もなく、脱酸素剤の機能を存分に発揮
した保存が可能になる。
【0049】このように本発明によれば、おろし野菜を
家庭用、とくに料理店、飲食店などの業務用に適した保
存方法を提供することができる。調理加工の簡便化に寄
与するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の保存方法を実施する容器の縦断面図。
【図2】蓋用パッキングの縦断面図。
【符号の説明】
1 容器 2 容器本体 3 蓋(蓋体) 4 蓋用パッキング 12 パッキング材(パッキング) 13 脱酸素剤 14 通気性包材 おろし野菜

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非通気性の容器本体と当該容器本体を封
    止する蓋体とを有する容器であって、前記容器本体と蓋
    体との間に、容器本体側に脱酸素剤を通気性包材で配し
    た非通気性のパッキングを介在させる構造の容器に、生
    野菜をすりおろしたおろし野菜を0〜15℃で密封保存
    することを特徴としたおろし野菜の保存方法。
  2. 【請求項2】 前記おろし野菜はすりおろした後、加熱
    処理された野菜であることを特徴とする請求項1記載の
    おろし野菜の保存方法。
  3. 【請求項3】 非通気性の容器本体と当該容器本体を封
    止する蓋体とを有する容器であって、前記容器本体と蓋
    体との間に、容器本体側に脱酸素剤を通気性包材で配し
    た非通気性のパッキングを介在させる構造の容器に、生
    野菜をすりおろしたおろし野菜を密封して加熱処理し、
    0〜15℃で密封保存することを特徴としたおろし野菜
    の保存方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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