JP4026045B2 - 食肉の包装体及びそれを用いた食肉の包装方法、食肉の保存方法 - Google Patents

食肉の包装体及びそれを用いた食肉の包装方法、食肉の保存方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は食肉の包装体及びそれを用いた食肉の包装方法、食肉の保存方法に関する。詳細には食肉の包装作業を一工程で行うことができ、作業効率を飛躍的に向上させることができる食肉の包装体及びそれを用いた食肉の包装方法、食肉の保存方法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
従来、食肉の包装作業は、整体作業(枝肉より各種部位の筋肉を切り取る作業)を終えた食肉に液体吸収性材料からなる吸収材を貼り付ける装着工程と、吸収材を装着した食肉を収縮性バッグ(または非収縮性バッグ)内に詰め込むバッグ詰め工程の2つの工程からなる。
【0003】
前記包装作業はすべて手作業で行われており、該作業中には食肉が人手に接触する機会も多く、大気中に晒される時間も長くなっていたことから、作業効率の点から、また衛生面からも、作業の効率化が求められていた。
【0004】
本発明の主の目的は、食肉の包装作業を一工程で行うことができ、作業効率を飛躍的に向上させることができる食肉の包装体及びそれを用いた食肉の包装方法、食肉の保存方法を提供することである。
【0005】
また食肉の整体作業において、例えば図5に示すように、食肉Mのロース部位には、骨の下側に筋肉があり、この筋肉組織とともに血管が骨と平行して走っており、このロース部位を図中点線で示す箇所で切断すると、その切断面より多量のドリップが出てくることになる。
【0006】
従来、このような部位の食肉Mについても、図6及び図7に示す包装体1の場合、切断面ではない食肉Mの側面に吸収体3を装着し、バッグ詰めを行っていた。このため、バッグ詰め後にバッグ2の開放端2aをシールし、同バッグ2を熱収縮させると、バッグ2内に切断面の位置から吸収材3へ至る隙間が無くなってしまい、食肉Mの両切断面からのドリップは吸収材3によって吸収され難くなり、バッグ2の両切断面側に溜まっていた。
【0007】
このため、図7に示すように、食肉Mの切断面部分は、バッグ2の両切断面側に溜まったドリップと長時間接触して変色するため、後にその変色部分M1を取り除く必要があり、商品の収率低下を来していた。
【0008】
本発明の別の目的は、食肉の両断面側からのドリップも確実に吸収することができる食肉の包装体及びそれを用いた食肉の包装方法、食肉の保存方法を提供することである。
【0009】
また従来の包装体1にあっては、食肉Mに吸収材3を装着し、バッグ詰めを行っていたたため、食肉M表面から吸収体3が突出した状態になっていて、これが引っ掛かってスムーズにバッグ詰め作業ができなかった。また従来の包装体1にあっては、収縮性バッグを用いてバッグ詰めを行った場合には、収縮性バッグの収縮に伴って吸収材3が皺になってしまい、吸収材としての十分な機能が発揮できないという不具合も生じていた。
【0010】
本発明のさらに別な目的は、スムーズにバッグ詰め作業を行うことができると共に、収縮性バッグの収縮に伴って吸収材が皺にならない食肉の包装体及びそれを用いた食肉の包装方法、食肉の保存方法を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明は、食肉を収容する熱収縮性の非通気性バッグと、食肉からのドリップを吸収する吸収材とを備えた食肉の包装体において、前記非通気性バッグに開口を設ける共に、前記非通気性バッグ外側の開口位置に多孔質シートを介して吸収材を配置し、さらに前記多孔質シートと吸収材とを非通気性カバーシートで被覆したことを特徴とする食肉の包装体、この包装体を用いて食肉を真空包装する食肉の包装方法、並びに本発明の食肉の包装体を用いて真空包装した食肉を冷蔵する食肉の保存方法をその要旨とした。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の食肉の包装体及びそれを用いた食肉の包装方法を図面に示した一実施の形態に従ってさらに詳しく説明する。まずは本発明の食肉の包装体について説明する。図1及び図2に示すように、本発明の包装体11は、食肉Mを収容する非通気性バッグ12と食肉Mからのドリップを吸収する吸収材13とを備えている。
【0013】
非通気性バッグ12の材料には、非通気性とともに包装材として十分な機械的強度と伸度、可撓性を有しており、さらには食品包装材として用いることから、人体に悪影響を及ばさないものが望ましい。また非通気性バッグ12は、食肉Mを収容した後に開放端を閉じるため、シートシールや超音波シールができるようヒートシール可能な材料が好ましい。
【0014】
この非通気性バッグ12の材料には、収縮タイプのものを食肉の種類により適宜選択して用いる。収縮タイプのものとしては、例えば塩化ビニリデン(PVDC)フィルムを芯材として、この両面にエチレン酢酸ビニル共重合体(EVA)、照射EVA、アイオマー樹脂などを配置したものがある。
【0015】
(削除)
【0016】
本発明の包装体は、整体作業(枝肉より各種部位の筋肉を切り取る作業)を終えた食肉に主として適用されるので、食肉の大きさや形状は、ブロック状のものや薄くスライスされたものなど様々に異なっている。また食肉にも、牛肉、豚肉、鶏肉など様々な種類があり、その種類に応じた整体作業が行われることから、食肉の種類によってもその大きさや形状は異なることになる。
【0017】
このため、非通気性バッグの形状や大きさは、その食肉の大きさや形状に応じて、長方状、立方状、円筒状など適宜決定するのが望ましい。
【0018】
この非通気性バッグには開口15が設けられている。非通気性バッグ12内に食肉Mを収納したとき、食肉Mから滲出したドリップは、この開口15を通じて非通気性バッグ12外へ排出され、この開口15を覆うように前記非通気性バッグ12外側の開口位置に多孔質シート14を介して配置した吸収材13に吸収されるようになっている。
【0019】
この非通気性バッグ12の開口15の大きさや形状はまったく任意であり、食肉Mの大きさや形状に応じて適宜決定すればよい。例えば図5に示すようにして整体された食肉M(牛肉のロース部位)を包装する場合、非通気性バッグ12は、図1に示すように、食肉Mの大きさ、形状に対応して、円筒状の袋体とすることで、食肉Mがスムーズに、かつ確実に収納できるが、その開口15は図1に示すように非通気性バッグ12の開放端部12aより底部12bに向かう奥行き方向にわたって設けるとよい。
【0020】
前述の如く開口15は、食肉Mから滲出したドリップの非通気性バッグ12外への排出口となる。このため、開口15を非通気性バッグ12の奥行き方向にわたって設け、更に開放端部12aと底部12bを含むように設けると、食肉Mの両切断面ABからのドリップも確実に該開口15から非通気性バッグ12外へ排出されるようになる。
【0021】
また開口15は、1つに限らず複数個設けてもよい。例えば図1に示すように非通気性バッグ12の奥行き方向にわたって細長い開口15を1個設ける代わりに、非通気性バッグ12の奥行き方向にわたって多数の開口を設けても良い。
【0022】
また開口15は、非通気性バッグ12の底部12b及び開放端部12aに設けることもできる。図5に示す食肉Mを図1に示す非通気性バッグ12内に収容したとき、食肉Mの切断面は非通気性バッグ12の底部12bと開放端部12aに位置することになる。このため、非通気性バッグ12の底部と開放端部に開口15を設けることで、食肉Mの切断面からのドリップを効率よく非通気性バッグ12外へ排出できるようになる。
【0023】
また開口15は、非通気性バッグ12の上下両面にそれぞれ設け、各開口にそれぞれ吸収体13及び多孔質シートを配置するようにすることもできる。この場合、当該包装体で食肉を包装したものを上下逆に積み重ねても、確実にドリップが吸収されるようになる。
【0024】
吸収材13には、ドリップを吸収する機能を有するものであって、食肉を保存するにあたって、人体に悪影響を及ぼすことがない素材を用いるのがよい。具体的には吸収性ポリマー粉にパルプ等を加えてシート化した吸水性ポリマーシート、またはこの吸水性ポリマーシートの上下両面にパルプ紙を積層したものなどを挙げることができる。
【0025】
吸水性ポリマーとしては、架橋ポリアクリル酸塩、デンプン、アクリロニトリルグラフト重合体、酢酸ビニル、アクリル酸塩共重合体、イソブチレン、無水マレイン酸共重合体、ポリビニルアルコール(PVA)、マレイン酸共重合体、カルボキシメチルセルロース(CMC)架橋物、またはその他、吸水倍率が50〜1000倍のものが好ましい。
【0026】
この吸収体13は、前記非通気性バッグ12外側の開口15の位置に多孔質シート14を介して配置される。多孔質シート14は、開口15の幅よりも大きく設けられていて、前記バッグ12の開口15の全部または一部を覆うことができるようになっている。この多孔質シート14は、前記食肉Mと吸収体13との間にあって、食肉Mからのドリップを前記吸収体13側へと透過させると共に、食肉Mが直接吸収体13に接触しないように両者間に一定の間隔を保持している。このような機能を持つ多孔質シート14の材料としては、前記非通気性バッグ12外側の開口15位置に超音波シールまたはヒートシール可能なものが望ましく、その形態としては不織布、織物、ネット、穴あきフィルムの中から選ばれた1種もしくはこれらの2種以上を組み合わせた複合シートを好ましい例として挙げることができる。
【0027】
また多孔質シート14を構成する材料としては、超音波シールまたはヒートシール可能な材料からなり、前記非通気性バッグ12外側の開口15位置に超音波シールまたはヒートシールで固着されるようになっている。
【0028】
尚、この多孔質シート14と吸収体13とは、必ずしも同一形状としなくても良い。例えば図3に示すように、不織布などの繊維質シートを多孔質シート14として用いる場合、その厚みや繊維密度を適宜コントロールすることで、単に食肉Mからのドリップを吸収体13側へと透過させるだけではなく、一旦吸収したドリップを繊維質シートの面積方向に広がらせることができるので、より小さな吸収体13を用いることができる。
【0029】
例えば図1に示すような非通気性バッグ12の奥行き方向にわたる開口15の場合には、多孔質シート14はこの開口15を覆う大きさの細長いものとなる。また、非通気性バッグ12の奥行き方向にわたって多数の開口を設けた場合、開口毎にこれを覆う大きさの多孔質シート14を用いても良いが、開口の配されている範囲全体を覆うことができる1枚の細長い多孔質シート14を用いることもできる。
【0030】
さらにこの多孔質シート14は、前述の如く不織布などの繊維質シートを用いた場合、一旦吸収したドリップを繊維質シートの面積方向に広がらせることができるので、図1に示すように1枚の多孔質シート14で非通気性バッグ12の側面の開口と、底部12bと開放端部12aに設けた開口15を覆った場合、多孔質シート14が食肉Mの切断面からのドリップを吸収し、これを吸収材13の位置まで引いてきて吸収されることになる。
【0031】
前記多孔質シート14と吸収材13は、図1及び図2に示すように、非通気性カバーシート16で被覆されている。非通気性カバーシート16は、前記吸収材13を開口15の位置に固定すると共に、開口15からのドリップの漏れを防止するよう機能する。
【0032】
この非通気性カバーシート16は、非通気性バッグ12の材料と同じ材料を用いることも異なる材料を用いることもできるが、当該非通気性カバーシート16には、非収縮タイプの材料、または収縮タイプの非通気性バッグ12の材料よりも熱収縮率が小さい材料を用いるのが望ましい。なぜならば、収縮タイプの非通気性バッグ12が熱収縮すると、当該非通気性バッグ12内には食肉Mが入っているため、開口15周辺には当該開口15の面積が拡大する方向に力が働く。これに伴い開口15上に配されている非通気性カバーシート16も同様に面積が拡大するように非通気性バッグ12に引っ張られるので、非通気性カバーシート16内側の吸収材13や多孔質シート14に皺が入る恐れがなくなるからである。
【0033】
図4は、吸収体13を挟んでその上下に多孔質シート14と非通気性カバーシート16を配置してこれら三者を一体化したものであり、この三者一体型の吸収体を用いた場合、図3の非通気性バッグ12の開口15の位置に同開口15を覆うように多孔質シート14を開口15側にして配置し、多孔質シート14周囲を超音波シールまたはヒートシールにより前記バッグ12の外側に固着するという簡単な操作で包装体11を作製することができる。
【0034】
次に、本発明の食肉の包装方法について説明する。この包装方法は、上述した包装体を用いて食肉Mを真空包装することを特徴とするものであり、袋入れ処理と、脱気処理と、密封処理とからなる。
【0035】
袋入れ処理は、整体作業を終えた食肉Mをこの食肉Mの大きさ、形状に対応して作製した非通気性バッグ12内に収容する処理である。脱気処理は、食肉Mを収納した非通気性バッグ12内の空気を真空引きする処理であり、この脱気処理時における真空度(標準大気圧との差)としては特に限定されず、例えば真空ポンプの真空度を60〜90kPaとして真空引きするなど、自由に設定すれば良い。密封処理は、非通気性バッグ12の開放端部12aを超音波シールまたはヒートシールによりシールする処理である。前記脱気処理と密封処理は、真空包装機により同時に行われる。
【0036】
食肉Mを本発明の包装体によって真空包装したとき、図1及び図2に示すように、食肉Mから滲出したドリップは、非通気性バッグ12の開口15を通じて非通気性バッグ12外へ排出され、非通気性バッグ12外側に多孔質シート14を介して配置した吸収材13に吸収されるようになっている。
【0037】
こうして真空包装した食肉Mは、凍結させない状態であって、−3℃〜6℃の温度範囲、すなわち冷蔵状態に、好ましくは吸収体を下側にして置くことで、食肉Mから滲出したドリップが凍結しないで、非通気性バッグ12の開口15を通じて非通気性バッグ12の外側に多孔質シート14を介して配置した吸収体13に吸収されることになる。また、低温であるため、一般生菌の繁殖の低減が期待できる。
【0038】
尚、本発明の範囲は、「請求の範囲」に定義されており、その範囲に含まれる全ての変更、形態を採ることができる。
【0039】
【発明の効果】
本発明によれば、非通気性バッグに開口を設ける共に、前記非通気性バッグ外側の開口位置に多孔質シートを介して吸収材を配置したので、食肉の包装作業を一工程で行うことができ、作業効率を飛躍的に向上させることができる。
【0040】
またこの発明にあっては、非通気性バッグの側面と、底部及び開放端部とに開口を設け、これらの開口毎に多孔質シートと吸収体を配置したり、これらの開口を1枚の多孔質シートで覆い、この多孔質シートの外側に吸収材を配置したりすることで、食肉の両断面側からのドリップも確実に吸収することができる。
【0041】
またこの発明にあっては、非通気性バッグ外側の開口位置に多孔質シートを介して吸収材を配置したので、バッグ詰め作業の際に吸収体が引っ掛かることもなく、スムーズなバッグ詰め作業ができる。
【0042】
さらにこの発明にあっては、熱収縮性の非通気性バッグ外側の開口位置に多孔質シートを介して吸収材を配置したので、バッグ詰めを行ったとき、熱収縮性のバッグが熱収縮するのに伴って吸収材が皺になることもなく、吸収材としての機能が十分に発揮される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の食肉の包装体で食肉を包装した状態を示す斜視図。
【図2】 図1に示す包装物をXY線で切断した切断面の要部拡大断面図。
【図3】 本発明の食肉の包装体の別形態を示す平面図。
【図4】 本発明の食肉の包装体における多孔質シートと吸収体と非通気性カバーシートを一体化した形態を示す要部拡大断面図。
【図5】 食肉Mのロース部位を示す要部拡大断面図。
【図6】 従来の食肉の包装体で食肉を包装した状態を示す側面図。
【図7】 従来の食肉の包装体で包装した食肉の状態を示す側面図。
【符号の説明】
12・・・非通気性バッグ
13・・・吸収体
14・・・多孔質シート
15・・・開口
16・・・非通気性カバーシート
M・・・食肉

Claims (8)

  1. 食肉を収容する熱収縮性の非通気性バッグと、食肉からのドリップを吸収する吸収材とを備えた食肉の包装体において、
    前記非通気性バッグに開口を設ける共に、前記非通気性バッグ外側の開口位置に多孔質シートを介して吸収材を配置し、さらに前記多孔質シートと吸収材とを非通気性カバーシートで被覆したことを特徴とする食肉の包装体。
  2. 多孔質シートが、不織布、織物、ネット、穴あきフィルムの中から選ばれた1種もしくはこれらの2種以上を組み合わせた複合シートであることを特徴とする請求項記載の食肉の包装体。
  3. 非通気性バッグの奥行き方向にわたる開口を設けたことを特徴とする請求項1又は2のいずれかに記載の食肉の包装体。
  4. 非通気性バッグの奥行き方向にわたって多数の開口を設けたことを特徴とする請求項1又は2のいずれかに記載の食肉の包装体。
  5. 非通気性バッグの底部及び開放端部に開口を設けたことを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の食肉の包装体。
  6. 非通気性カバーシートの熱収縮率が、非通気性バッグの熱収縮率よりも小さいことを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の食肉の包装体。
  7. 請求項1〜のいずれかに記載の包装体によって食肉を真空包装することを特徴とする食肉の包装方法。
  8. 請求項記載の食肉の包装方法により包装した食肉を冷蔵することを特徴とする食肉の保存方法。
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