JP3558819B2 - 吸液シートおよび食品の保存法 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、魚、肉、野菜などの食品から滲出する液汁を適度に吸収して、これら食品の保存、輸送時の鮮度を保持することができる吸液シート、およびこれを用いた食品の保存法に関する。
【0002】
【従来の技術】
鮮魚や食肉などの生鮮食品は、真空包装または含気包装された状態で冷凍または冷蔵して保存・輸送される場合が多い。しかしこの状態で保存・輸送すると、例えばチルド温度で保存した場合や冷凍保存した後に解凍した場合などに、ドリップと称する液汁が食品から滲出し、これが包袋内に溜まり、これと接触した食品の部位を変色させるなど品質を低下させ、商品価値を損なう場合がある。この際、その変色部位を削除すれば食品の歩留まりが低下することになる。また、この液汁と接触することによって食品の保存期間も短縮される。
そこで、液汁の滲出による品質の低下を防ぐ方法が種々検討された。この方法は、一般的には食品をシート状の吸液材と接触させた状態で包装し、保存中に随時滲出する液汁をこの吸液材に吸収させて除去しようとするものである。吸液材としては、紙やパルプなど、表面が親水性でありかつ毛管作用により液汁を吸収・保持することができる毛管吸液材や、いわゆる高分子吸水剤、またはこれらの複合物などが用いられる。
【0003】
しかし、これらの吸液材を直接に食品と接触させることは問題があるので、食品との接触が許容される透液性のフィルムを介して液汁を吸液材に吸収させる手段が提案されている。例えば特開平02−032977号公報には、図4に示すように、包袋20内に吸液層21を配し、この層の表面を、多数の小孔22…が形成された透液性フィルム23で覆い、この透液性フィルム23の上に食品を置いて包装する方法が提案されている。また、特開平04−079834号公報には、不透液性フィルムからなる包袋の内面に、調湿剤を担持した2枚の透液性シートで高分子吸収剤を挟持した吸液層を配し、この表面を不織布または多孔フィルムからなる透液性フィルムで覆った食肉用ラミネート包装材が提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
これらの吸液材を内蔵した包袋は、吸液材の表面を覆う透液性フィルムを食肉などの食品と接触させ、滲出する液汁をこの透液性フィルムの細孔を通して吸液材に吸収させ、食品の品質低下を防ごうとするものであるが、吸液材の吸収力が強いと、滲出する液汁ばかりでなく食品中に正常に含まれている水分まで吸収し、長時間の接触によって、食品を乾燥または硬化させてしまうという問題があった。また、吸液材の吸引力が強いために、食品と透液性フィルムとの界面が貼り付いて剥離が困難になるという問題もあった。
【0005】
この問題を解決する手段として、例えば特公平05−083214号公報には、図5に示すように、吸液材31を透液性フィルム32と不透液性フィルム33とで挟持した吸液シート34を作成し、食品Fがその不透液性フィルム33側と接触するように置いて包袋30内に封入し、食品Fから滲出した液汁を吸液シート34の透液性フィルム32の側から吸収させる方法が提案されている。また、特開平07−257657号公報には、片面が不織布など透液性の高い透液性フィルムからなり、他方の面が、開孔の孔径が0.05mmないし0.5mmであり開孔率が0.01%ないし0.4%である半透液性フィルムからなり、この両フィルムの間に吸液材を挟持した吸液シートを、半透液性フィルムの側を食品と接触させて包装する方法が提案されている。
【0006】
これらの何れかの方法によれば、吸液シートの食品と接触する面が不透液性または半透液性とされているので、食品が乾燥する問題、および吸引力による剥離困難の問題は解消されるものの、包装に際して、吸液シートの表裏を弁別し、不透液性または半透液性の面を選択して食品と接触させる必要があるため作業が煩雑であり、誤って透液性フィルムの側を食品と接触させると、乾燥により品質低下をまねくなど、使い勝手や生産性に問題があった。また、少なくとも一方の面に高価な不織布などを使用する場合は、コスト上の問題もあった。
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであって、従ってその目的は、使用方法が簡便で、しかも食品から滲出する液汁を適度に吸収して、これら食品の保存・輸送時の鮮度・品質を安定に維持することができる安価な吸液シートを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために本発明は、液汁を吸収する吸液層と、この吸液層を挟持して周縁部で封止された2枚の不透液性または半透液性の表層フィルムと、液汁を吸収して前記の吸液層に搬送するように前記周縁部において前記2枚の表層フィルムの間に設けられるとともに前記吸液層に接触するように配設された透液部とを有する吸液シートを提供する。
前記の透液部は、不織布、布、または紙からなる透液材により形成されたものであることが好ましい。
前記の透液部は、2枚の表層フィルムの重なりの内側に形成されていることが好ましい。
本発明はまた、前記の何れかの吸液シートの何れか一方の表層フィルムを食品と接触させて保存する食品の保存法を提供する。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を実施例により図面を用いて説明する。
(実施例1)
図1(a)(b)は、本発明の一実施例である吸液シートを示している。図1(a)(b)においてこの吸液シート10は、基本的に、液汁を吸収する吸液層1と、この吸液層1を挟持して周縁部3でヒートシールにより封止された2枚の不透液性の表層フィルム2a,2bと、液汁を吸収して吸液層1に搬送するように周縁部3の対向する2辺部に形成された透液部4a,4bとを有している。
【0009】
透液部4a,4bはそれぞれ、ギャゼット状に内側に折り畳まれた不織布(透液材)により形成されている。この不織布は、2枚の表層フィルム2a,2bの重なりの内側に収容され、その不織布の辺部は、それぞれの表層フィルムの周縁部3に溶着されている。そしてこの透液部4a,4bを形成する不織布の内側に折り畳まれた部分が吸液層1と接触部5において接触するように配設されている。
【0010】
この吸液シート10は、その表層フィルム2a,2bの何れか一方(一般に表層フィルム2と記す)の面を食肉などの食品と接触させた状態で保存すると、食品から液汁が滲出した際、液汁は表層フィルム2の表面を伝い流れて周縁部3に至り、ここに形成された透液部4a,4bのいずれか一方または双方(一般に透液部4と記す)に滲み込み、透液部4の毛管作用により搬送されて接触部5から吸液層1に吸収される。
【0011】
この吸液シート10は、表層フィルム2a,2bが共に不透液性であり、更に透液部4が2枚の表層フィルム2a,2bの重なりの内側に形成されているので、何れの表層フィルムを食品と接触させても透液部4が食品と接触することはなく、保存中に食品に吸着して剥離が困難になったり、食品から過剰の水分を吸収して乾燥または硬化させたりすることがない。従って、包装に際して何れか一方の表層フィルム2を食品と接触させて保存する本発明の食品の保存法によれば、包装作業においては吸液シートの表裏を弁別する煩雑が回避されて作業が著しく簡易化され、また保存中に滲出した液汁は表層フィルムの周縁部3に形成された透液部4を経由して吸液層1に速やかに吸収されるので、長期にわたって安定して食品の品質を維持することができる。
【0012】
(実施例2)
図2においてこの吸液シート11は、吸液層1と、この吸液層1を挟持して周縁部3で封止された2枚の半透液性の表層フィルム6a,6bと、液汁を吸収して前記の吸液層1に搬送するように周縁部3の対向する2辺部に形成された透液部7a,7bとを有している。この半透液性の表層フィルム6a,6bは、不透性フィルムに適度の孔径と開孔率とを有する細孔が均一に形成されたものである。
【0013】
透液部7a,7bは、一方の表層フィルム6bの対向する2辺部にそれぞれヒートシールにより溶着された不織布(透液材)からなり、表層フィルム6bの上に載置された吸液層1を包むように内側に折り返されてその内側端部が上層の表層フィルム6aの周縁部近傍3に溶着されている。表層フィルム6a,6bの残りの2辺部は、この透液部7a,7bを挟んだ状態で直接に溶着封止されている。これによって、透液部7a,7bの折り返された内側端部は、接触部5において吸液層1と接触するようになる。
【0014】
この吸液シート11は、その表層フィルム6a,6bの何れか一方(一般に表層フィルム6と記す)を食肉などの食品と接触させた状態で保存すると、食品から液汁が滲出した際、大部分の液汁は表層フィルム6の表面を伝い流れて周縁部3に至り、透液部7a,7bのいずれか一方または双方(一般に透液部7と記す)に滲み込み、毛管作用により搬送されて接触部5から吸液層1に吸収される。表層フィルム6の表面に付着して残留した少量の液汁は、表層フィルム6に形成された細孔を通過して吸液層1に吸収される。
【0015】
この吸液シート11は、表層フィルム6a,6bが両面とも半透液性であり、更に透液部7が2枚の表層フィルム6a,6bの重なりの内側に形成されているので、吸液シート11の何れの面を食品と接触させても、大部分の液汁は周縁部3から滲み込んで吸液層1に吸収される。表層フィルム6に少量残留する液汁は、この表層フィルム6を通して直接吸収されるが、細孔の孔径と開孔率とが好適に調整されているので過度に吸収されることはなく、保存中に食品と密着して剥離が困難になったり、食品を乾燥または硬化させたりすることはない。この吸液シート11は、その一方の表層フィルム6を食品と接触させて保存するとき、包装に際して吸液シートの表裏を弁別する必要がないので作業が著しく簡易化され、また表層フィルム6上に僅かに残留する液汁も除去されるので、食品の品質を更に安定に維持することができる。またこの吸液シート11は、比較的高価な不織布の使用量が少ないので、安価に製造できる。
【0016】
(実施例3)
図3においてこの吸液シート12は、吸液層1と、この吸液層1を挟持して周縁部3で封止された2枚の不透液性の表層フィルム8a,8bと、液汁を吸収して吸液層1に搬送するように周縁部3の全周に形成された透液部9とを有している。この透液部9は、枠形に成形された不織布(透液材)からなり、その外周断面が2枚の表層フィルム8a,8bに挟まれた状態で外部に露出し、また内側端部が接触部5において吸液層1と接触するように形成されている。
【0017】
この吸液シート12は、表層フィルム8a,8bの何れか一方(一般に表層フィルム8と記す)を食品と接触させた状態で保存すると、食品から液汁が滲出した際、その液汁は表層フィルム8の表面を伝い流れて周縁部3に至り、その側面に露出した透液部9に滲み込み、毛管作用により搬送されて接触部5から吸液層1に吸収される。
【0018】
この吸液シート12は、表層フィルム8a,8bが共に不透液性であり、更に透液部9が2枚の表層フィルム8a,8bの間に形成されているので、吸液シート12の何れの面を食品と接触させても透液部9が直接に食品と接触することはない。しかも、吸液シートの周縁部全周に透液部9が露出しているので、包装に際して吸液シートの表裏を弁別する必要がなく、包装作業が簡易化されるばかりでなく、食品保存中に液汁がどの方向に流れても吸収することができて、より確実に食品の品質を維持することができる。
【0019】
実施例3の構成おいて、透液部9の厚みは表層フィルム8の厚みの2倍以上、更に好適には3倍以上とすることが好ましい。これは、液汁の滲み込みが透液部9の断面でのみ行われるので、必要な断面積を確保する必要があることと同時に、製造上、2枚の表層フィルム8a,8bの間に透液部9を挟んで周縁部をヒートシールにより溶着するとき、透液部9の表層フィルム近傍の毛管が融着し、薄いと十分な吸液性が得られなくなるからである。
【0020】
(試験例)
前記実施例1〜3の吸液シート試料を以下のように作成した。
実施例1の試料:
表層フィルム2a,2bとして、直鎖低密度ポリエチレンフィルム(厚さ30μm)を用いた。透液部4a,4bとして、ポリプロピレン/ポリエチレン芯鞘構造の湿式不織布(目付30g/m2 )を用いた。また吸液層1として、パルプと吸水剤とからなる吸水紙(目付150g/m2 )を用いた。
吸液シート10の寸法は20cm×12cmとし、透液部4a,4bの寸法は、それぞれ長辺20cm×幅3cmとし、幅を折り返して長辺を表層フィルム2a,2bの長辺と重ねて溶着した。吸液層1の寸法は、18cm×11cmとした。
実施例2の試料:
表層フィルム6a,6bとして、直鎖低密度ポリエチレンフィルム(厚さ30μm)に孔径200μmの細孔を開孔率0.015%となるように形成したものを用いた。透液部7a,7bおよび吸液層1は、実施例1と同様の素材を用いた。
吸液シート11の寸法は20cm×12cmとし、一方の表層フィルム6bの対向する2辺部に2cm幅の透液部7a,7bを溶着し、この上に18cm×11cmの吸液層1を載置し、透液部7a,7bを内側に折り返して表層フィルム6aを被せ、溶着した。
実施例3の試料:
表層フィルム8a,8bおよび吸液層1としては、実施例1と同様の素材を用いた。透液部9として、ポリエステル系湿式不織布(目付100g/m2 )を用いた。
吸液シート11の寸法は20cm×12cmとし、透液部9は幅1cmの枠形に成形し、2枚の表層フィルム8a,8bの間に透液部9および吸液層1を挟持し、周縁部3の上下両側から120℃のヒートシール温度で、それぞれ表層フィルム8a,8bと透液部9との間を溶着した。
【0021】
上記実施例1〜3の吸液シート試料を、表裏を意識せずにそれぞれ約3kgの食肉と接触させて非通気性フィルムで真空包装し、3週間保存後の液汁の吸収状況を観察した。
試験結果を表1に示す。表中、液汁量は3週間保存後の食肉の重量減から求めた値であり、未吸収液汁は表層フィルム上に残留する液汁の程度の観察であり、剥離性は保存後の食肉と吸液シートとの剥離の難易の程度であり、接触面硬化は食肉と吸液シートとの接触面における食肉の硬化の程度を示す。
【0022】
【表1】
【0023】
上記の結果から、実施例1〜3の吸液シート試料は、特に表裏を意識せずに食品の包装に用いても、常に良好な液汁吸収性と剥離性と鮮度維持効果とを有していることがわかる。
【0024】
本発明は、吸液シートが側部に比較的小面積の透液部を有していれば、従来の吸液シートのようにシート全面で液汁を吸収する構成としなくても、食品から滲出する程度の液汁を十分に吸収し得ることを見いだしたことによって達成されたものである。本発明の構成とすることによって、吸液シートの表裏を弁別することなく包装作業が行えるようになり、作業効率が向上すると共に、表裏の誤認などによる歩留まりの低下も防止される。
【0025】
本発明の吸液シートに用いる吸液層としては、高分子吸水剤を2枚の連続通孔を有する透液性シートで挟持した積層シートが好適である。この透液性シートの例としては、パルプ、不織布、紙、綿反、親水性のスポンジなどを挙げることができる。これらの透液性シートは、それ自体が連続通孔の毛管作用によって液汁を速やかに吸収してその内部に貯留するとともに、高分子吸水剤に向けて搬送する作用も有している。
吸液層に用いることができる高分子吸水剤としては、通常この分野で用いられるものがいずれも使用可能であり特に限定されない。吸液層の吸液能力としては、液汁の吸液量として200g/m2 以上が適当である。
【0026】
表層フィルムは、不透液性フィルム、または制限された量の液汁を透過し得る半透液性フィルムからなる。不透液性フィルムを用いる場合、その素材は、ヒートシール性などを考慮して例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン/酢酸ビニル共重合物、ポリアミド、ポリエステルなどからなる単層またはラミネートフィルムであって、厚さが40μmないし100μmのものなどを用いることが好ましい。
半透液性フィルムを用いる場合、その素材はコロジオン膜などのいわゆる半透膜であってもよいが、前記の何れかの不透液性フィルムに適当な孔径を有する細孔を適度な開口率で形成した多孔フィルムを用いることが好ましい。
【0027】
好適な半透液性フィルムの例としては、孔径が0.05mm〜0.5mmの範囲内、開孔率が0.01%〜0.4%の範囲内で、ヒートシール性を有する多孔性フィルムを挙げることができる。この半透液性フィルムは、食品内部の水分を吸収するほどの吸引力を有しないので食品を乾燥させることはなく、しかも食品と表層フィルムとの界面の凹部などに残留する液汁を吸収し、食品の変色を防ぐ作用がある。
【0028】
透液部は、不織布、布、または紙であることが好ましいが、毛管作用により液汁を吸収し吸液層に搬送し得るものであれば、綿反やスポンジなど、他の透液材を用いてもよい。また、透液部は前記のような透液材を用いるのではなく、2枚の表層フィルムの周縁部封止層に形成され、内外を連通する毛管状の細孔であってもよい。
この透液部は、表層フィルムの周縁部の少なくとも一部に形成されていればよいので、その形態は実施例に示した以外にも種々のものが可能である。一般には表層フィルムの周縁部の少なくとも2辺部に形成されていることが好ましい。
【0029】
透液部は、2枚の表層フィルムの重なりの内側に形成されていることが好ましい。2枚の表層フィルムの重なりの外側に突出するように形成されていても、食品が吸液シートの中央に載置されていれば問題ないが、食品と吸液シートがずれて食品が透液部に触れるようになると、その部分で余分な吸水により部分的な乾燥が起こる可能性があるからである。またこの透液部と吸液層とは、互いに接触するように配設されていることが好ましい。これによって、透液部に滲み込んだ液汁が速やかに吸液層に搬送されるようになる。
【0030】
【発明の効果】
本発明の吸液シートは、吸液層と、この吸液層を挟持して周縁部で封止された2枚の不透液性または半透液性の表層フィルムと、周縁部の少なくとも一部に形成された透液部とを有するものであるので、この吸液シートの一方の表層フィルムを食品と接触させて保存すれば、包装に際しては従来の吸液シートのようにシートの表裏を弁別する必要がなくて作業が著しく簡易化されると共に、保存・輸送時に食品から滲出する液汁を適度に吸収し、食品の鮮度や品質を長期にわたって安定に維持することができる。また、透液部が2枚の表層フィルムの重なりの内側に形成されていれば、食品と吸液シートとの相対的な位置がずれても、食品の局部的な乾燥を防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は、本発明の一実施例を示す平面図、(b)は、その線X−Xで切った断面図。
【図2】本発明の他の一実施例を示す断面図。
【図3】本発明の更に他の一実施例を示す断面図。
【図4】従来の吸液シートの一例を示す断面図。
【図5】従来の吸液シートの他の一例を示す断面図。
【符号の説明】
1…吸液層、
2a,2b…表層フィルム、
3…周縁部
4a,4b…透液部、
5…接触部、
6a,6b…表層フィルム、
7a,7b…透液部、
8a,8b…表層フィルム、
9…透液部、
10…吸液シート、
11…吸液シート、
12…吸液シート。
【発明の属する技術分野】
本発明は、魚、肉、野菜などの食品から滲出する液汁を適度に吸収して、これら食品の保存、輸送時の鮮度を保持することができる吸液シート、およびこれを用いた食品の保存法に関する。
【0002】
【従来の技術】
鮮魚や食肉などの生鮮食品は、真空包装または含気包装された状態で冷凍または冷蔵して保存・輸送される場合が多い。しかしこの状態で保存・輸送すると、例えばチルド温度で保存した場合や冷凍保存した後に解凍した場合などに、ドリップと称する液汁が食品から滲出し、これが包袋内に溜まり、これと接触した食品の部位を変色させるなど品質を低下させ、商品価値を損なう場合がある。この際、その変色部位を削除すれば食品の歩留まりが低下することになる。また、この液汁と接触することによって食品の保存期間も短縮される。
そこで、液汁の滲出による品質の低下を防ぐ方法が種々検討された。この方法は、一般的には食品をシート状の吸液材と接触させた状態で包装し、保存中に随時滲出する液汁をこの吸液材に吸収させて除去しようとするものである。吸液材としては、紙やパルプなど、表面が親水性でありかつ毛管作用により液汁を吸収・保持することができる毛管吸液材や、いわゆる高分子吸水剤、またはこれらの複合物などが用いられる。
【0003】
しかし、これらの吸液材を直接に食品と接触させることは問題があるので、食品との接触が許容される透液性のフィルムを介して液汁を吸液材に吸収させる手段が提案されている。例えば特開平02−032977号公報には、図4に示すように、包袋20内に吸液層21を配し、この層の表面を、多数の小孔22…が形成された透液性フィルム23で覆い、この透液性フィルム23の上に食品を置いて包装する方法が提案されている。また、特開平04−079834号公報には、不透液性フィルムからなる包袋の内面に、調湿剤を担持した2枚の透液性シートで高分子吸収剤を挟持した吸液層を配し、この表面を不織布または多孔フィルムからなる透液性フィルムで覆った食肉用ラミネート包装材が提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
これらの吸液材を内蔵した包袋は、吸液材の表面を覆う透液性フィルムを食肉などの食品と接触させ、滲出する液汁をこの透液性フィルムの細孔を通して吸液材に吸収させ、食品の品質低下を防ごうとするものであるが、吸液材の吸収力が強いと、滲出する液汁ばかりでなく食品中に正常に含まれている水分まで吸収し、長時間の接触によって、食品を乾燥または硬化させてしまうという問題があった。また、吸液材の吸引力が強いために、食品と透液性フィルムとの界面が貼り付いて剥離が困難になるという問題もあった。
【0005】
この問題を解決する手段として、例えば特公平05−083214号公報には、図5に示すように、吸液材31を透液性フィルム32と不透液性フィルム33とで挟持した吸液シート34を作成し、食品Fがその不透液性フィルム33側と接触するように置いて包袋30内に封入し、食品Fから滲出した液汁を吸液シート34の透液性フィルム32の側から吸収させる方法が提案されている。また、特開平07−257657号公報には、片面が不織布など透液性の高い透液性フィルムからなり、他方の面が、開孔の孔径が0.05mmないし0.5mmであり開孔率が0.01%ないし0.4%である半透液性フィルムからなり、この両フィルムの間に吸液材を挟持した吸液シートを、半透液性フィルムの側を食品と接触させて包装する方法が提案されている。
【0006】
これらの何れかの方法によれば、吸液シートの食品と接触する面が不透液性または半透液性とされているので、食品が乾燥する問題、および吸引力による剥離困難の問題は解消されるものの、包装に際して、吸液シートの表裏を弁別し、不透液性または半透液性の面を選択して食品と接触させる必要があるため作業が煩雑であり、誤って透液性フィルムの側を食品と接触させると、乾燥により品質低下をまねくなど、使い勝手や生産性に問題があった。また、少なくとも一方の面に高価な不織布などを使用する場合は、コスト上の問題もあった。
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであって、従ってその目的は、使用方法が簡便で、しかも食品から滲出する液汁を適度に吸収して、これら食品の保存・輸送時の鮮度・品質を安定に維持することができる安価な吸液シートを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために本発明は、液汁を吸収する吸液層と、この吸液層を挟持して周縁部で封止された2枚の不透液性または半透液性の表層フィルムと、液汁を吸収して前記の吸液層に搬送するように前記周縁部において前記2枚の表層フィルムの間に設けられるとともに前記吸液層に接触するように配設された透液部とを有する吸液シートを提供する。
前記の透液部は、不織布、布、または紙からなる透液材により形成されたものであることが好ましい。
前記の透液部は、2枚の表層フィルムの重なりの内側に形成されていることが好ましい。
本発明はまた、前記の何れかの吸液シートの何れか一方の表層フィルムを食品と接触させて保存する食品の保存法を提供する。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を実施例により図面を用いて説明する。
(実施例1)
図1(a)(b)は、本発明の一実施例である吸液シートを示している。図1(a)(b)においてこの吸液シート10は、基本的に、液汁を吸収する吸液層1と、この吸液層1を挟持して周縁部3でヒートシールにより封止された2枚の不透液性の表層フィルム2a,2bと、液汁を吸収して吸液層1に搬送するように周縁部3の対向する2辺部に形成された透液部4a,4bとを有している。
【0009】
透液部4a,4bはそれぞれ、ギャゼット状に内側に折り畳まれた不織布(透液材)により形成されている。この不織布は、2枚の表層フィルム2a,2bの重なりの内側に収容され、その不織布の辺部は、それぞれの表層フィルムの周縁部3に溶着されている。そしてこの透液部4a,4bを形成する不織布の内側に折り畳まれた部分が吸液層1と接触部5において接触するように配設されている。
【0010】
この吸液シート10は、その表層フィルム2a,2bの何れか一方(一般に表層フィルム2と記す)の面を食肉などの食品と接触させた状態で保存すると、食品から液汁が滲出した際、液汁は表層フィルム2の表面を伝い流れて周縁部3に至り、ここに形成された透液部4a,4bのいずれか一方または双方(一般に透液部4と記す)に滲み込み、透液部4の毛管作用により搬送されて接触部5から吸液層1に吸収される。
【0011】
この吸液シート10は、表層フィルム2a,2bが共に不透液性であり、更に透液部4が2枚の表層フィルム2a,2bの重なりの内側に形成されているので、何れの表層フィルムを食品と接触させても透液部4が食品と接触することはなく、保存中に食品に吸着して剥離が困難になったり、食品から過剰の水分を吸収して乾燥または硬化させたりすることがない。従って、包装に際して何れか一方の表層フィルム2を食品と接触させて保存する本発明の食品の保存法によれば、包装作業においては吸液シートの表裏を弁別する煩雑が回避されて作業が著しく簡易化され、また保存中に滲出した液汁は表層フィルムの周縁部3に形成された透液部4を経由して吸液層1に速やかに吸収されるので、長期にわたって安定して食品の品質を維持することができる。
【0012】
(実施例2)
図2においてこの吸液シート11は、吸液層1と、この吸液層1を挟持して周縁部3で封止された2枚の半透液性の表層フィルム6a,6bと、液汁を吸収して前記の吸液層1に搬送するように周縁部3の対向する2辺部に形成された透液部7a,7bとを有している。この半透液性の表層フィルム6a,6bは、不透性フィルムに適度の孔径と開孔率とを有する細孔が均一に形成されたものである。
【0013】
透液部7a,7bは、一方の表層フィルム6bの対向する2辺部にそれぞれヒートシールにより溶着された不織布(透液材)からなり、表層フィルム6bの上に載置された吸液層1を包むように内側に折り返されてその内側端部が上層の表層フィルム6aの周縁部近傍3に溶着されている。表層フィルム6a,6bの残りの2辺部は、この透液部7a,7bを挟んだ状態で直接に溶着封止されている。これによって、透液部7a,7bの折り返された内側端部は、接触部5において吸液層1と接触するようになる。
【0014】
この吸液シート11は、その表層フィルム6a,6bの何れか一方(一般に表層フィルム6と記す)を食肉などの食品と接触させた状態で保存すると、食品から液汁が滲出した際、大部分の液汁は表層フィルム6の表面を伝い流れて周縁部3に至り、透液部7a,7bのいずれか一方または双方(一般に透液部7と記す)に滲み込み、毛管作用により搬送されて接触部5から吸液層1に吸収される。表層フィルム6の表面に付着して残留した少量の液汁は、表層フィルム6に形成された細孔を通過して吸液層1に吸収される。
【0015】
この吸液シート11は、表層フィルム6a,6bが両面とも半透液性であり、更に透液部7が2枚の表層フィルム6a,6bの重なりの内側に形成されているので、吸液シート11の何れの面を食品と接触させても、大部分の液汁は周縁部3から滲み込んで吸液層1に吸収される。表層フィルム6に少量残留する液汁は、この表層フィルム6を通して直接吸収されるが、細孔の孔径と開孔率とが好適に調整されているので過度に吸収されることはなく、保存中に食品と密着して剥離が困難になったり、食品を乾燥または硬化させたりすることはない。この吸液シート11は、その一方の表層フィルム6を食品と接触させて保存するとき、包装に際して吸液シートの表裏を弁別する必要がないので作業が著しく簡易化され、また表層フィルム6上に僅かに残留する液汁も除去されるので、食品の品質を更に安定に維持することができる。またこの吸液シート11は、比較的高価な不織布の使用量が少ないので、安価に製造できる。
【0016】
(実施例3)
図3においてこの吸液シート12は、吸液層1と、この吸液層1を挟持して周縁部3で封止された2枚の不透液性の表層フィルム8a,8bと、液汁を吸収して吸液層1に搬送するように周縁部3の全周に形成された透液部9とを有している。この透液部9は、枠形に成形された不織布(透液材)からなり、その外周断面が2枚の表層フィルム8a,8bに挟まれた状態で外部に露出し、また内側端部が接触部5において吸液層1と接触するように形成されている。
【0017】
この吸液シート12は、表層フィルム8a,8bの何れか一方(一般に表層フィルム8と記す)を食品と接触させた状態で保存すると、食品から液汁が滲出した際、その液汁は表層フィルム8の表面を伝い流れて周縁部3に至り、その側面に露出した透液部9に滲み込み、毛管作用により搬送されて接触部5から吸液層1に吸収される。
【0018】
この吸液シート12は、表層フィルム8a,8bが共に不透液性であり、更に透液部9が2枚の表層フィルム8a,8bの間に形成されているので、吸液シート12の何れの面を食品と接触させても透液部9が直接に食品と接触することはない。しかも、吸液シートの周縁部全周に透液部9が露出しているので、包装に際して吸液シートの表裏を弁別する必要がなく、包装作業が簡易化されるばかりでなく、食品保存中に液汁がどの方向に流れても吸収することができて、より確実に食品の品質を維持することができる。
【0019】
実施例3の構成おいて、透液部9の厚みは表層フィルム8の厚みの2倍以上、更に好適には3倍以上とすることが好ましい。これは、液汁の滲み込みが透液部9の断面でのみ行われるので、必要な断面積を確保する必要があることと同時に、製造上、2枚の表層フィルム8a,8bの間に透液部9を挟んで周縁部をヒートシールにより溶着するとき、透液部9の表層フィルム近傍の毛管が融着し、薄いと十分な吸液性が得られなくなるからである。
【0020】
(試験例)
前記実施例1〜3の吸液シート試料を以下のように作成した。
実施例1の試料:
表層フィルム2a,2bとして、直鎖低密度ポリエチレンフィルム(厚さ30μm)を用いた。透液部4a,4bとして、ポリプロピレン/ポリエチレン芯鞘構造の湿式不織布(目付30g/m2 )を用いた。また吸液層1として、パルプと吸水剤とからなる吸水紙(目付150g/m2 )を用いた。
吸液シート10の寸法は20cm×12cmとし、透液部4a,4bの寸法は、それぞれ長辺20cm×幅3cmとし、幅を折り返して長辺を表層フィルム2a,2bの長辺と重ねて溶着した。吸液層1の寸法は、18cm×11cmとした。
実施例2の試料:
表層フィルム6a,6bとして、直鎖低密度ポリエチレンフィルム(厚さ30μm)に孔径200μmの細孔を開孔率0.015%となるように形成したものを用いた。透液部7a,7bおよび吸液層1は、実施例1と同様の素材を用いた。
吸液シート11の寸法は20cm×12cmとし、一方の表層フィルム6bの対向する2辺部に2cm幅の透液部7a,7bを溶着し、この上に18cm×11cmの吸液層1を載置し、透液部7a,7bを内側に折り返して表層フィルム6aを被せ、溶着した。
実施例3の試料:
表層フィルム8a,8bおよび吸液層1としては、実施例1と同様の素材を用いた。透液部9として、ポリエステル系湿式不織布(目付100g/m2 )を用いた。
吸液シート11の寸法は20cm×12cmとし、透液部9は幅1cmの枠形に成形し、2枚の表層フィルム8a,8bの間に透液部9および吸液層1を挟持し、周縁部3の上下両側から120℃のヒートシール温度で、それぞれ表層フィルム8a,8bと透液部9との間を溶着した。
【0021】
上記実施例1〜3の吸液シート試料を、表裏を意識せずにそれぞれ約3kgの食肉と接触させて非通気性フィルムで真空包装し、3週間保存後の液汁の吸収状況を観察した。
試験結果を表1に示す。表中、液汁量は3週間保存後の食肉の重量減から求めた値であり、未吸収液汁は表層フィルム上に残留する液汁の程度の観察であり、剥離性は保存後の食肉と吸液シートとの剥離の難易の程度であり、接触面硬化は食肉と吸液シートとの接触面における食肉の硬化の程度を示す。
【0022】
【表1】
【0023】
上記の結果から、実施例1〜3の吸液シート試料は、特に表裏を意識せずに食品の包装に用いても、常に良好な液汁吸収性と剥離性と鮮度維持効果とを有していることがわかる。
【0024】
本発明は、吸液シートが側部に比較的小面積の透液部を有していれば、従来の吸液シートのようにシート全面で液汁を吸収する構成としなくても、食品から滲出する程度の液汁を十分に吸収し得ることを見いだしたことによって達成されたものである。本発明の構成とすることによって、吸液シートの表裏を弁別することなく包装作業が行えるようになり、作業効率が向上すると共に、表裏の誤認などによる歩留まりの低下も防止される。
【0025】
本発明の吸液シートに用いる吸液層としては、高分子吸水剤を2枚の連続通孔を有する透液性シートで挟持した積層シートが好適である。この透液性シートの例としては、パルプ、不織布、紙、綿反、親水性のスポンジなどを挙げることができる。これらの透液性シートは、それ自体が連続通孔の毛管作用によって液汁を速やかに吸収してその内部に貯留するとともに、高分子吸水剤に向けて搬送する作用も有している。
吸液層に用いることができる高分子吸水剤としては、通常この分野で用いられるものがいずれも使用可能であり特に限定されない。吸液層の吸液能力としては、液汁の吸液量として200g/m2 以上が適当である。
【0026】
表層フィルムは、不透液性フィルム、または制限された量の液汁を透過し得る半透液性フィルムからなる。不透液性フィルムを用いる場合、その素材は、ヒートシール性などを考慮して例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン/酢酸ビニル共重合物、ポリアミド、ポリエステルなどからなる単層またはラミネートフィルムであって、厚さが40μmないし100μmのものなどを用いることが好ましい。
半透液性フィルムを用いる場合、その素材はコロジオン膜などのいわゆる半透膜であってもよいが、前記の何れかの不透液性フィルムに適当な孔径を有する細孔を適度な開口率で形成した多孔フィルムを用いることが好ましい。
【0027】
好適な半透液性フィルムの例としては、孔径が0.05mm〜0.5mmの範囲内、開孔率が0.01%〜0.4%の範囲内で、ヒートシール性を有する多孔性フィルムを挙げることができる。この半透液性フィルムは、食品内部の水分を吸収するほどの吸引力を有しないので食品を乾燥させることはなく、しかも食品と表層フィルムとの界面の凹部などに残留する液汁を吸収し、食品の変色を防ぐ作用がある。
【0028】
透液部は、不織布、布、または紙であることが好ましいが、毛管作用により液汁を吸収し吸液層に搬送し得るものであれば、綿反やスポンジなど、他の透液材を用いてもよい。また、透液部は前記のような透液材を用いるのではなく、2枚の表層フィルムの周縁部封止層に形成され、内外を連通する毛管状の細孔であってもよい。
この透液部は、表層フィルムの周縁部の少なくとも一部に形成されていればよいので、その形態は実施例に示した以外にも種々のものが可能である。一般には表層フィルムの周縁部の少なくとも2辺部に形成されていることが好ましい。
【0029】
透液部は、2枚の表層フィルムの重なりの内側に形成されていることが好ましい。2枚の表層フィルムの重なりの外側に突出するように形成されていても、食品が吸液シートの中央に載置されていれば問題ないが、食品と吸液シートがずれて食品が透液部に触れるようになると、その部分で余分な吸水により部分的な乾燥が起こる可能性があるからである。またこの透液部と吸液層とは、互いに接触するように配設されていることが好ましい。これによって、透液部に滲み込んだ液汁が速やかに吸液層に搬送されるようになる。
【0030】
【発明の効果】
本発明の吸液シートは、吸液層と、この吸液層を挟持して周縁部で封止された2枚の不透液性または半透液性の表層フィルムと、周縁部の少なくとも一部に形成された透液部とを有するものであるので、この吸液シートの一方の表層フィルムを食品と接触させて保存すれば、包装に際しては従来の吸液シートのようにシートの表裏を弁別する必要がなくて作業が著しく簡易化されると共に、保存・輸送時に食品から滲出する液汁を適度に吸収し、食品の鮮度や品質を長期にわたって安定に維持することができる。また、透液部が2枚の表層フィルムの重なりの内側に形成されていれば、食品と吸液シートとの相対的な位置がずれても、食品の局部的な乾燥を防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は、本発明の一実施例を示す平面図、(b)は、その線X−Xで切った断面図。
【図2】本発明の他の一実施例を示す断面図。
【図3】本発明の更に他の一実施例を示す断面図。
【図4】従来の吸液シートの一例を示す断面図。
【図5】従来の吸液シートの他の一例を示す断面図。
【符号の説明】
1…吸液層、
2a,2b…表層フィルム、
3…周縁部
4a,4b…透液部、
5…接触部、
6a,6b…表層フィルム、
7a,7b…透液部、
8a,8b…表層フィルム、
9…透液部、
10…吸液シート、
11…吸液シート、
12…吸液シート。
Claims (4)
- 食品の液汁を吸収する吸液シートであって、液汁を吸収する吸液層と、この吸液層を挟持して周縁部で封止された2枚の不透液性または半透液性の表層フィルムと、液汁を吸収して前記の吸液層に搬送するように前記周縁部において前記2枚の表層フィルムの間に設けられるとともに前記吸液層に接触するように配設された透液部とを有する吸液シート。
- 前記の透液部が、不織布、布、または紙からなる透液材により形成された請求項1に記載の吸液シート。
- 前記の透液部が、2枚の表層フィルムの重なりの内側に形成された請求項1に記載の吸液シート。
- 前記請求項1ないし請求項3の何れかに記載の吸液シートの何れか一方の表層フィルムを食品と接触させて保存する食品の保存法。
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