JPH10191663A - 振動アクチュエータ及びその調整方法 - Google Patents

振動アクチュエータ及びその調整方法

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JPH10191663A
JPH10191663A JP8345479A JP34547996A JPH10191663A JP H10191663 A JPH10191663 A JP H10191663A JP 8345479 A JP8345479 A JP 8345479A JP 34547996 A JP34547996 A JP 34547996A JP H10191663 A JPH10191663 A JP H10191663A
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JP
Japan
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vibration
vibrator
vibration actuator
actuator
bending vibration
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JP8345479A
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English (en)
Inventor
Michihiro Tobe
通宏 戸部
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Nikon Corp
Original Assignee
Nikon Corp
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Publication date
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  • General Electrical Machinery Utilizing Piezoelectricity, Electrostriction Or Magnetostriction (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 平板状の振動子を備える振動アクチュエータ
では、弾性体の製作誤差や圧電体3,4の特性のばらつ
き等により、左右方向への速度が必ずしも一致しない。 【解決手段】 4枚の圧電体13を接合されて、1次の
伸縮振動と4次の屈曲振動とを調和的に発生する振動子
11と,振動子11に加圧接触して2方向への相対運動
を発生する相対運動部材とを備える振動アクチュエータ
10であって、弾性体12における屈曲振動の腹位置P
1 ,P2 には、弾性体12の等価厚さを部分的に変更し
て2方向への相対運動の異方性を低減する屈曲振動振幅
調整部15が、形成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電気機械変換素子
を接合されて伸縮振動と屈曲振動とを発生する直方体状
の振動子と、振動子に加圧接触して相対運動を発生する
相対運動部材とを備える振動アクチュエータ及びその調
整方法に関する。
【0002】
【従来の技術】振動アクチュエータは、高トルク,良好
な制御性,高保持力さらには静粛性等の特徴を有してお
り、円環型とリニア型とに大別される。円環型の振動ア
クチュエータは、カメラのAF用モータ等に用いられ
る。また、リニア型の振動アクチュエータは、以下のよ
うな構造のものが知られている。
【0003】自走式の振動アクチュエータとして、例え
ば、「第5回電磁力関連のダイナミックシンポジウム講
演論文集,第393頁〜第398頁」の「222 光ピ
ックアップ移動を目的とした圧電リニア・モータ」にお
いて、「異形モード縮退縦L1−屈曲B4モード・平板
モータ」が知られている。
【0004】図4は、この異形モード縮退縦L1−屈曲
B4モード・平板モータ1を示す模式図であって、図4
(A)は正面図,図4(B)は側面図,図4(C)は平
面図である。
【0005】弾性体2は、矩形平板状の基礎部2aと、
基礎部2aの一方の平面に突起状に形成された二つの駆
動力取出部2b,2cとから構成される。圧電体3,4
は、弾性体2の基礎部2aの他方の平面にそれぞれ貼付
され、駆動電圧を印加されることにより励振し、弾性体
2に縦振動L1モードと屈曲振動B4モードとを発生さ
せる電気機械変換素子である。
【0006】駆動力取出部2b,2cは、弾性体2の一
方の平面における屈曲振動B4モードの腹となる部分に
設けられており、図示しない相対運動部材に適宜圧力で
押し付けられる。
【0007】この図4に示す振動アクチュエータ1は、
弾性体2に生じる縦振動L1モード及び屈曲振動B4モ
ードそれぞれの固有振動数が非常に近い値になるように
設計されており、2つの固有振動数に近い周波数の交流
電圧を圧電体3,4に印加することにより二つの振動モ
ードを調和させて、弾性体2に楕円運動を発生させる。
発生した楕円運動は、駆動力取出部2b,2cを介して
推力として取り出され、相対運動部材との間で相対運動
を発生する。
【0008】すなわち、この振動アクチュエータ1は平
板形状を呈しており、縦振動1次モード及び屈曲振動4
次モード(又は2n次モード,n:整数)それぞれの共
振周波数が非常に近い値となる形状に設計される。そし
て、圧電体3,4に、2つの共振周波数に近い周波数で
あるとともに互いの位相差が90度である2相の交流電
圧を印加することにより、弾性体2に2つの振動モード
が調和した振動を発生させる。ここで、2相の交流電圧
の位相差を90度及び−90度にすることにより、駆動
方向が逆転する。
【0009】弾性体2に発生する縦振動1次モード及
び、屈曲振動4次モードそれぞれの共振周波数は、下記
式及び式により与えられる。
【0010】
【数1】 縦振動1次モードの共振周波数fL1=1/2ξ(E/ρ)1/2 ・・・・・ 屈曲振動4次モードの共振周波数fB4=(λ4 ξ)2 t/(2πξ2 )・(E /12ρ)1/2 ・・・・・・・ ただし、E:ヤング率、ρ:密度、ξ:弾性体の長さ、
t:弾性体の厚さである。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】このような振動アクチ
ュエータ1は、図4に示すように、左右対称な形状に設
計される。したがって、設計値通りの形状に加工及び組
み立てが行われると、圧電体3,4に印加される駆動電
圧の位相差を90度及び−90度に変更して逆方向に移
動させても、振動アクチュエータ1の左右方向への速度
差は発生しない。
【0012】しかし、現実には、弾性体2を所定の形状
に加工する際の製作誤差や、弾性体2に貼付する圧電体
3,4が有する特性のばらつき、さらには、圧電体3,
4を弾性体2に貼付する際の貼付位置ずれ等が不可避的
に存在する。そのため、2相の交流電圧の位相差が90
度である場合と−90度である場合とにおいて、弾性体
2に発生する振動の形状が異なってしまうことがある。
これにより、振動アクチュエータ1の左右方向への速度
が必ずしも一致しないという課題があった。
【0013】このような左右方向への速度差の不均一が
許容範囲を外れてしまうと、製品として出荷することが
できなくなってしまうため、振動アクチュエータ1の製
造の際における歩留りを低下させ、振動アクチュエータ
1の製造コストの上昇をもたらしてしまう。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明は、このような従
来の技術が有する課題に鑑みてなされたものであり、組
み立てたままの状態の振動アクチュエータに左右方向へ
の速度差が発生しても、この振動子の適宜位置への質量
体の付加、又はこの弾性体の適宜位置からの質量体の除
去を行うことにより、振動アクチュエータの左右方向へ
の速度差の解消又は低減を図るものである。
【0015】請求項1の発明は、電気機械変換素子を接
合されて、伸縮振動と屈曲振動とを発生する直方体状の
振動子と,振動子に加圧接触して、少なくとも2方向へ
の相対運動を発生する相対運動部材とを備える振動アク
チュエータであって、振動子における屈曲振動の複数の
腹位置の全部又は一部には、振動子の等価厚さを部分的
に変更して2方向への相対運動の異方性を低減又は解消
する屈曲振動振幅調整部が、形成されることを特徴とす
る。
【0016】請求項2の発明は、請求項1に記載された
振動アクチュエータにおいて、屈曲振動振幅調整部が、
振動子の平面の一部へ質量体を付加すること、及び/又
は、振動子の平面の一部から質量体を削除することによ
り、形成されることを特徴とする。
【0017】請求項3の発明は、請求項1又は請求項2
に記載された振動アクチュエータにおいて、電気機械変
換素子が、振動子の一方の平面に装着されるとともに、
振動子が、他方の平面に形成された駆動力取出部を介し
て相対運動部材に加圧接触し、さらに、屈曲振動振幅調
整部が、他方の平面に形成されることを特徴とする。
【0018】請求項4の発明は、請求項3に記載された
振動アクチュエータにおいて、2枚の電気機械変換素子
が振動子に発生する屈曲振動の腹位置を含む位置に装着
されるとともに、前記の加工が前記の位置に対して行わ
れることを特徴とする。
【0019】請求項5の発明は、直方体状の振動子に装
着された電気機械変換素子に駆動信号を印加して、振動
子に伸縮振動と屈曲振動とを発生させて、弾性体に加圧
接触する相対運動部材との間で少なくとも2方向への相
対運動を発生する振動アクチュエータの調整方法であっ
て、振動子に等価厚さを部分的に変更する加工を行って
屈曲振動の複数の腹位置における振幅を個別に調整する
ことにより、前記の2方向への相対運動の異方性を低減
又は解消することを特徴とする。
【0020】請求項6の発明は、請求項5に記載された
振動アクチュエータの調整方法において、前記の加工
が、振動子の平面の一部への質量体の付加、及び/又
は、振動子の平面の一部からの質量体の削除であること
を特徴とする。
【0021】また、上記の振動アクチュエータの調整方
法においては、電気機械変換素子が、振動子の一方の平
面に装着されるとともに、振動子が、他方の平面に形成
された駆動力取出部を介して相対運動部材に加圧接触
し、さらに、前記の加工が、他方の平面に対して行われ
ることが望ましい。
【0022】さらに、上記の振動アクチュエータの調整
方法においては、電気機械変換素子が振動子に発生する
屈曲振動の腹位置を含む位置に装着されるとともに、前
記の加工が前記の位置に対して行われることが望まし
い。
【0023】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)以下、本発明にかかる振動アクチュエ
ータの実施形態を添付図面を参照しながら詳細に説明す
る。なお、以降の各実施形態の説明は、振動アクチュエ
ータとして超音波の振動域を利用する超音波アクチュエ
ータを例にとって、行う。
【0024】図1は、第1実施形態の超音波アクチュエ
ータ10を示す説明図であり、図1(A)は振動子11
の斜視図、図1(B)は組み立てたままの振動子11の
側面図、図1(C)は、弾性体12に金属板15を装着
した本実施形態の振動子11を、弾性体12に発生する
屈曲振動の状態とともに示す側面図、図1(D)は振動
子11の底面図である。なお、図1(B)及び図1
(C)における矢印は、それぞれの方向に関する相対運
動部材との間の相対速度の大きさを矢印で示す。
【0025】本実施形態の振動子11は、前述した図4
を参照しながら説明した従来の振動アクチュエータと略
同じ構造であるため、ここでは、簡単に説明する。本実
施形態で用いる振動子11は、弾性体12と、この弾性
体12の一方の平面12aに装着された圧電体13とを
備える。
【0026】弾性体12は、金属材料又はプラスチック
材料等の弾性材料により、矩形平板状に形成される。弾
性体12の寸法は、弾性体12に発生させる縦振動及び
屈曲振動それぞれのモード等を勘案して、適宜決定され
る。なお、弾性体12の側面長手方向中央部には、その
厚さ方向に向けて、断面半円形の溝部12c,12dが
設けられており、これらの溝部12c,12dに図示し
ない支持部材の支持ピンを係合させることにより、駆動
時の振動子11が支持される。
【0027】圧電体13は、本実施形態では、振動発生
用圧電体13a,13bと振動検出用圧電体13p,1
3p’とにより、構成される。各圧電体13a〜13
p’は、それぞれ、PZT(チタン酸ジルコン酸鉛)に
より薄板状に形成される。
【0028】本実施形態では、各圧電体13a〜13
p’は、弾性体12の一方の平面12aに接着されるこ
とにより装着される。図1(C)に示すように、各圧電
体13a〜13p’は、それらの振動子長手方向に関す
る中心位置が、弾性体12に発生する4次の屈曲振動の
腹位置P1 ,P2 ,P3 及びP4 に略一致する位置に、
貼付される。
【0029】また、図1(C)及び図1(D)に示すよ
うに、弾性体12の他方の平面12bであって、発生す
る4次の屈曲振動の腹位置P3 ,P4 に略一致する位置
に、それぞれ2枚ずつ合計4枚の駆動力取出部14a,
14b,14c及び14dが設けられる。
【0030】さらに、本実施形態の振動子11では、弾
性体12の他方の平面12bであって、4次の屈曲振動
の腹位置P1 に略一致する位置に、屈曲振動振幅調整部
である金属板15が貼付されて装着される。金属板15
は、質量体として利用されるものであるため、特定の材
質等に限定する必要はない。
【0031】本実施形態で用いる振動子11は、以上の
ように構成される。図2は、本実施形態の超音波アクチ
ュエータ10の駆動回路20を示すブロック図である。
【0032】同図に示すように、発振器21から出力さ
れた駆動信号のうちの一方は、増幅器22を介して増幅
され、振動発生用圧電体13bに入力される。一方、駆
動信号のうちの他方は、移相器23に入力されて一方の
駆動信号とは位相を90度程変換されて増幅器24に入
力される。増幅器24により増幅されて、振動発生用圧
電体13aに入力される。
【0033】互いに90度程位相が異なる二つの駆動信
号が入力された振動発生用圧電体13a,13bは励振
し、弾性体12に縦振動及び屈曲振動を調和的に発生す
る。弾性体12に発生した縦振動及び屈曲振動により、
弾性体12に貼付された振動検出用圧電体13p,13
p’に電気エネルギが発生し、発生した電気エネルギは
電気信号として制御回路25に入力される。
【0034】制御回路25では、検出した電気信号が適
正であるか否かを判断し、この結果に基づいて、発振器
21にフィードバック信号を出力する。これにより、発
振器21から出力される駆動信号が適正化される。な
お、弾性体12はGND電位に接続される。
【0035】このように構成された本実施形態の超音波
アクチュエータ10では、振動発生用圧電体13a,1
3bに電気的に位相の異なる交流電圧を2相印加するこ
とにより、弾性体12の駆動力取出部14a〜14dの
端面に楕円運動を発生させる。駆動力取出部14a〜1
4dの端面は、レールやローラ等の相対運動部材に加圧
接触させられるため、相対運動部材との間で相対運動を
発生し、駆動力が取り出される。なお、駆動力取出部1
4a〜14dは、突起状に弾性体12と一体的に形成さ
れていてもよいが、突起状には形成せずにこの位置に摺
動材を貼付することにより平面状に形成してもよい。平
面状であっても、この位置で発生する楕円運動により、
加圧接触する相対運動部材との間で、相対運動を発生す
る。
【0036】次に、本実施形態により、振動子11に発
生する相対運動の左右差が解消又は制限される理由を説
明する。図1(B)に示すように、組み立てたままの状
態の振動子11において、右方向への相対速度VR の大
きさと左方向への相対速度VL の大きさとが一致せず
に、相対速度VR >相対速度VL であったとする。
【0037】ここで、本実施形態の超音波アクチュエー
タ10では、振動子11が図面上の右方向に移動する場
合には、振動発生用圧電体13aが発生する振動のほう
が、振動発生用圧電体13bが発生する振動よりも、振
動子11の移動には直接的に影響する。逆に、振動子1
1が図面上の左方向に移動する場合には、振動発生用圧
電体13bが駆動力の主たる源となる。すなわち、超音
波アクチュエータ10では、駆動方向に関して後方に位
置する駆動力取出部が駆動力の大部分を発揮し、駆動方
向に関して前方に位置する駆動力取出部はほぼ空振りし
た状態である。
【0038】したがって、図1(B)に示すように、振
動子11の相対速度が、相対速度VR >相対速度VL
あることは、振動発生用圧電体13aによって発生する
振動のほうが、振動発生用圧電体13bが発生する振動
よりも大きいことを意味する。このような振動発生用圧
電体13a,13b間のばらつきは、前述したように、
振動発生用圧電体13a,13bが有する圧電特性のば
らつきや、弾性体12への振動発生用圧電体13a,1
3bの接着位置ずれ、さらには弾性体12の非対称性等
によって、発生する。
【0039】そこで、本実施形態では、他方の平面12
bであって振動発生用圧電体13aの真下(4次の屈曲
振動の腹位置P1 に一致する位置)に、屈曲振動振幅調
整部である金属片15等の質量体を付加することによっ
て、振動発生用圧電体13bによって発生する振動振幅
を小さくする。これにより、振動発生用圧電体13a,
13bによって発生する振動振幅が等しくなり、振動子
11の相対速度の左右差が解消される。ここで、屈曲振
動振幅調整部は、弾性体12に発生する4次の屈曲振動
の腹位置P1 近傍に設けることが、最も効果が大きい。
【0040】なお、図1に示す場合とは逆に、組み立て
たままの振動子11において、相対速度VR <相対速度
L である場合には、超音波アクチュエータ10の対称
軸(図1(C)における直線A−A)に関して実施形態
の場合とは逆の位置となる腹位置P2 の近傍に、屈曲振
動振幅調整部である金属片15を装着すればよい。
【0041】(第2実施形態)以下、本発明の第2実施
形態を説明する。なお、本実施形態では、第1実施形態
と相違する部分についてだけ説明することとし、同一の
部分については、同一の図中符号を付すことにより、重
複する説明を省略する。
【0042】図3は、第2実施形態の超音波アクチュエ
ータ10−1を示す説明図であり、図3(A)は組み立
てたままの振動子11−1の側面図、図3(B)は、弾
性体12−1に屈曲振動振幅調整部である穴部16を形
成した本実施形態の振動子11−1を、弾性体12−1
に発生する屈曲振動の状態とともに示す側面図である。
なお、図3(A)及び図3(B)における矢印は、それ
ぞれの方向に関する相対運動部材との間の相対速度を、
矢印の大きさで示す。
【0043】第1実施形態は、弾性体の一部に質量体を
付加することにより、屈曲振動振幅を調整するものであ
るが、本実施形態は、弾性体の一部に切削加工等の適宜
加工を行うことにより、質量体除去部である穴部16を
形成して同様の効果を得るものである。
【0044】本実施形態では、弾性体12−1の他方の
平面12bであって、弾性体12bに発生する4次の屈
曲振動の腹位置P2 に、前述した穴部16を形成する。
【0045】穴部16の形成位置は、第1実施形態と同
様に、完全に腹位置に一致させる必要があるものではな
く、多少ずれた位置に装着することとしてもよい。ただ
し、4次の屈曲振動の腹位置に一致させることが、屈曲
振動振幅の調整という観点からは、最も効果が大きいた
めに望ましい。
【0046】なお、振動子11−1に発生する相対速度
の左右差が、図3(A)に示す場合とは逆に発生する場
合には、超音波アクチュエータ10−1の対称軸(図3
(B)中における直線A−A)に関して、本実施形態の
場合と逆の位置となる腹位置P1 に屈曲振動振幅調整部
を形成すればよい。
【0047】本実施形態において、振動子11−1の相
対速度の左右差が調整されることは、以下のように説明
される。図3(A)に示すように相対速度の左右差が発
生することは、前述したように、振動発生用圧電体13
aによって発生する振動のほうが、振動発生用圧電体1
3bによって発生する振動よりも大きいことを意味す
る。
【0048】したがって、振動子11−1の他方の平面
12bであって振動発生用圧電体13bの真下(4次の
屈曲振動の腹位置P2 )を削ることにより、振動発生用
圧電体13bによって発生する振動を大きくし、これに
より、振動発生用圧電体13a,13bによって発生す
る振動成分を等しくすることが可能となる。このように
して、相対速度の左右差が解消される。
【0049】(変形形態)以上の各実施形態の説明で
は、振動アクチュエータとして超音波の振動域を利用す
る超音波アクチュエータを例にとったが、本発明にかか
る振動アクチュエータはこのような態様に限定されるも
のではなく、他の振動域を利用した振動アクチュエータ
についても等しく適用される。
【0050】また、以上の各実施形態では、1次の縦振
動と4次の屈曲振動とを用いた振動アクチュエータを例
にとったが、本発明にかかる振動アクチュエータはこの
ような態様に限定されるものではなく、1次以上の縦振
動と1次以上の屈曲振動とを用いる振動アクチュエータ
に関して、各実施形態と同様の手段を用いることによ
り、相対速度の異方性を調整することが可能である。
【0051】また、以上の各実施形態の説明では、電気
機械変換素子として圧電体を用いたが、本発明にかかる
振動アクチュエータはこのような態様に限定されるもの
ではなく、電気エネルギを機械的変位に変換することが
できる素子であればよい。圧電体以外に、電歪素子を例
示できる。
【0052】また、各実施形態の説明では、振動子に発
生する屈曲振動の腹位置に、その中心位置を一致させて
屈曲振動振幅調整部を形成したが、本発明にかかる振動
アクチュエータでは、このように完全に一致させる必要
はない。屈曲振動振幅調整部の振動子長手方向に関する
中心が、屈曲振動の腹位置からずれていても、屈曲振動
の振幅を調整することができる。ただし、屈曲振動振幅
調整部として同一の質量体を用いる場合には、中心位置
を屈曲振動の腹位置に一致させて装着したほうが屈曲振
動振幅の調整量が大きく、望ましい。
【0053】また、各実施形態の説明では、振動子の他
方の平面に屈曲振動振幅調整部を形成したが、圧電体1
3の装着面側に屈曲振動振幅調整部を形成するようにし
てもよい。この場合、圧電体13と干渉しない位置に屈
曲振動振幅調整部を形成すればよい。例えば、平面と側
面との交差部に斜めに屈曲振動振幅調整部を形成しても
よい。
【0054】また、各実施形態では、直方体型の屈曲振
動振幅調整部を形成したが、本発明にかかる振動アクチ
ュエータはこのような態様に限定されるものではなく、
弾性体の等価厚さを部分的に変更することができる形状
であれば、特定の形状には限定されない。直方体以外
に、円柱型や角錐型を例示できる。
【0055】さらに、第1実施形態では質量体を付加す
る態様を示し、第2実施形態では質量体を除去する態様
を示したが、これらを併せて行ってもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態の超音波アクチュエータを示す説
明図であり、図1(A)は振動子の斜視図、図1(B)
は組み立てたままの振動子の側面図、図1(C)は、弾
性体に金属板を装着した本実施形態の振動子を、弾性体
に発生する屈曲振動の状態とともに示す側面図、図1
(D)は振動子の底面図である。
【図2】第1実施形態の超音波アクチュエータの駆動回
路を示すブロック図である。
【図3】第2実施形態の超音波アクチュエータを示す説
明図であり、図3(A)は組み立てたままの振動子の側
面図、図3(B)は、弾性体に屈曲振動振幅調整部であ
る穴部を形成した本実施形態の振動子を、弾性体に発生
する屈曲振動の状態とともに示す側面図である。
【図4】異形モード縮退縦L1−屈曲B4モード・平板
モータ(振動アクチュエータ)1の従来例を示す模式図
であって、図4(A)は正面図,図4(B)は側面図,
図4(C)は平面図である。
【符号の説明】
10 超音波アクチュエータ 11 振動子 12 弾性体 13 圧電体 13a,13b 振動発生用圧電体 13p,13p’ 振動検出用圧電体 14a,14b,14c,14d 駆動力取出部 15 金属板 20 駆動回路 21 発振器 22 増幅器 23 移相器 24 増幅器 25 制御回路

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電気機械変換素子が接合されて、伸縮振
    動と屈曲振動とを発生する直方体状の振動子と,前記振
    動子に加圧接触して、少なくとも2方向への相対運動を
    発生する相対運動部材とを備える振動アクチュエータで
    あって、 前記振動子における前記屈曲振動の複数の腹位置の全部
    又は一部には、前記振動子の等価厚さを部分的に変更し
    て前記2方向への前記相対運動の異方性を低減又は解消
    する屈曲振動振幅調整部が、形成されることを特徴とす
    る振動アクチュエータ。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載された振動アクチュエー
    タにおいて、 前記屈曲振動振幅調整部は、前記振動子の平面の一部へ
    質量体を付加すること、及び/又は、前記振動子の平面
    の一部から質量体を削除することにより、形成されるこ
    とを特徴とする振動アクチュエータ。
  3. 【請求項3】 請求項1又は請求項2に記載された振動
    アクチュエータにおいて、 2枚の前記電気機械変換素子は、前記振動子の一方の平
    面に装着されるとともに、 前記振動子は、他方の平面に形成された駆動力取出部を
    介して前記相対運動部材に加圧接触し、さらに、 前記屈曲振動振幅調整部は、前記他方の平面に形成され
    ることを特徴とする振動アクチュエータ。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載された振動アクチュエー
    タにおいて、 2枚の前記電気機械変換素子は前記振動子に発生する前
    記屈曲振動の腹位置を含む位置に装着されるとともに、
    前記加工は前記位置に対して行われることを特徴とする
    振動アクチュエータ。
  5. 【請求項5】 直方体状の振動子に装着された電気機械
    変換素子に駆動信号を印加して、前記振動子に伸縮振動
    と屈曲振動とを発生させて、前記振動子に加圧接触する
    相対運動部材との間で少なくとも2方向への相対運動を
    発生する振動アクチュエータの調整方法であって、 前記振動子に等価厚さを部分的に変更する加工を行って
    前記屈曲振動の複数の腹位置における振幅を個別に調整
    することにより、前記2方向への前記相対運動の異方性
    を低減又は解消することを特徴とする振動アクチュエー
    タの調整方法。
  6. 【請求項6】 請求項5に記載された振動アクチュエー
    タの調整方法において、 前記加工は、前記振動子の平面の一部への質量体の付
    加、及び/又は、前記振動子の平面の一部からの質量体
    の削除であることを特徴とする振動アクチュエータの調
    整方法。
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