JPH1019045A - 深溝型玉軸受およびそれを用いた過給機 - Google Patents
深溝型玉軸受およびそれを用いた過給機Info
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Abstract
価に提供できるようにすること。 【解決手段】周面に軌道溝5,6を有する軌道輪1,2
の片方の肩部にカウンタボア7,8が設けられ、軌道輪
1,2の軌道溝5,6においてカウンタボア7,8を設
けていない側の領域に玉3を斜接させた状態で使用され
る構成の深溝型玉軸受A。つまり、一般的な深溝型玉軸
受と同様に組み立てを簡単にできるようにしながら、ア
ンギュラ玉軸受と同様の形態で使用できるようにしてい
る。
Description
の使用に好適な深溝型玉軸受および、それを用いた過給
機に関する。過給機は、いわゆるターボチャージャやス
ーパーチャージャなどが挙げられる。
以上と高速で回転するタービン軸を、フローティングメ
タルなどのすべり軸受を用いてハウジングに支持するよ
うにしているが、実公平2−45477号公報に示され
るように、タービン軸の軸方向に離れた二カ所をアンギ
ュラ玉軸受を介してハウジングに支持するようにしたも
のも考えられている。このようにアンギュラ玉軸受を用
いる場合では、すべり軸受を用いる場合に比べて回転安
定性に優れている。
うな過給機では、それのタービン軸を支持するアンギュ
ラ玉軸受の構成要素に耐熱材料を用いる必要があるとと
もに、構成要素の形状を高精度に管理する必要がある
他、組み立てに関しても手間のかかる焼き嵌めとする必
要があるなど、コストの高騰を余儀なくされることが指
摘される。
性に優れた深溝型玉軸受を安価に提供できるようにする
ことを目的としている。また、本発明は、過給機のター
ビン軸の回転安定性に優れた構造を安価に提供できるよ
うにすることを目的としている。
軸受は、周面に軌道溝を有する軌道輪の片方の肩部にカ
ウンタボアが設けられ、軌道輪の軌道溝においてカウン
タボアを設けていない側の領域に玉を斜接させた形態で
使用される。
道溝を有する軌道輪の片方の肩部にカウンタボアが設け
られ、軌道輪の軌道溝においてカウンタボアを設けてい
ない側の領域に玉を斜接させた形態で使用され、かつ、
玉が冠形保持器により保持される。
と、環状本体部の円周数箇所から軸方向一側へ突出する
突片と、周方向で隣り合う各突片間に設けられる玉収容
用のポケットとを備え、突片の自由端側の外径面が、自
由端へ向けて斜降するテーパ状に形成されている。ま
た、前述の軌道輪は、軌道溝が軸方向中央から偏って設
けられる内輪および外輪を含み、前記カウンタボアは内
輪の幅広側の肩部および外輪の幅狭側の肩部にそれぞれ
設けられており、外輪の幅広側の肩部が冠形保持器の環
状本体部の案内面とされる。
型玉軸受が、タービン軸のタービン側端部およびコンプ
レッサ側端部にそれぞれ装着され、定圧あるいは定位置
予圧が付与されて玉が軌道輪に対して斜接する形態に設
定されている。なお、両深溝型玉軸受の外輪においてカ
ウンタボアが設けられる側の肩部が、それぞれタービン
側、コンプレッサ側に配置される。
立てが簡単であるなどのメリットを持つ一般的な深溝型
玉軸受の一部を改良している。つまり、深溝型玉軸受の
持つメリットをそのまま生かしながら、アンギュラ玉軸
受のように玉を斜接する形態で使用できるようにすると
ともに、玉の接触部位の昇温抑制のために、軌道輪にカ
ウンタボアを設けて潤滑油導入および潤滑油排出の効率
アップを図るようにしている。
面をテーパ状とすることにより、回転遠心力によって突
片が径方向外向きに撓んで外輪に対して接触するのを防
止するようにしている。
軸受として上記第1、第2の深溝型玉軸受を用いるよう
にしているから、アンギュラ玉軸受を用いる場合に比べ
て遜色ない程度に回転安定性に優れたものとなり、しか
もアンギュラ玉軸受を用いる場合に比べて安価に構成で
きるようになる。
3に示す実施例に基づいて説明する。
り、図1は、深溝型玉軸受の上半分の縦断面図、図2
は、冠形保持器の斜視図、図3は、深溝型玉軸受の使用
対象となる過給機の要部の縦断面図である。
り、1は内輪、2は外輪、3は複数の玉、4は冠形保持
器である。図例の深溝型玉軸受Aは、冠形保持器4を外
輪2の外周面により案内する外輪案内形式とされてい
る。
それぞれ軌道溝5,6が軸方向中央から偏った位置に設
けられている。内輪1の外周面において幅広側の肩部と
外輪2の内周面の幅狭側の肩部とには、それぞれカウン
タボア(肩おとし)7,8が設けられている。このカウ
ンタボア7,8は、内・外輪1,2の軌道溝5,6に玉
3の引っ掛かり代を残す状態にテーパ状に面取りされる
ことで形成されている。
体部9の円周数箇所から軸方向一側へ突出する突片10
と、周方向で隣り合う各突片10間に設けられる玉収容
用のポケット11とを備えている。環状本体部9は、外
輪2の幅広側の肩部で案内されるようになっている。突
片10の自由端側の外径面は、回転遠心力でもって径方
向外向きに撓んでも、外輪2に対して接触しないように
するために、自由端へ向けて斜降するテーパ状に形成さ
れており、また、各突片10の自由端側の周方向幅W
は、玉3が抜け落ちないように玉3の直径より若干小さ
く設定され、さらに玉3をポケット11に入れやすくす
るために、先端部にC(カット)面取りまたは角度面取
りが形成されている。さらに、ポケット11の内面は、
径方向に沿ってストレートに形成されている。なお、冠
形保持器4の強度を考慮して、肉厚や軸方向幅が設定さ
れる。このような冠形保持器4を内・外輪1,2の軸方
向幅内に収めるために、内・外輪1,2の軌道溝5,6
の形成位置を偏らせている。
高炭素クロム軸受鋼(JIS規格SUJ2など)の他、
耐熱材料で形成されている。耐熱材料としては、、マル
テンサイト系ステンレス鋼(JIS規格SUS440
C,SUS420Cなど)、耐熱・耐食合金(AISI
規格M−50、JIS規格高速度工具鋼SKH4な
ど)、特開平3−253542号公報に示される耐熱軸
受用鋼などの金属が挙げられ、必要に応じて適当な硬化
処理(焼入れ、焼戻しなど)が施される。前述の耐熱軸
受用鋼は、具体的に、C(0.8wt%以上、1.5w
t%以下)、Si(0.5wt%以上、2.0wt%以
下)、Mn(0.3wt%以上、2.0wt%以下)、
Cr(1.3wt%以上、2.0wt%以下)、Mo
(0.3wt%以上、1.0wt%以下)を有し、Si
とMoの合計が1.0wt%以上を満足する範囲で含有
し、残部は鉄および不可避不純物の組成になるものであ
る。なお、この他に、セラミックスとすることもでき
る。セラミックスとしては、焼結助剤として、イットリ
ア(Y2O3)およびアルミナ(Al2O3)、その他、適
宜、窒化アルミ(AlN)、酸化チタン(TiO2)を
用いた窒化けい素(Si3N4)を主体とするものの他、
アルミナ(Al2O3)や炭化けい素(SiC)、ジルコ
ニア(ZrO2)、窒化アルミ(AlN)などがある。
のPA(ポリアミド樹脂)などの汎用性合成樹脂の他、
耐熱性合成樹脂で形成されている。耐熱性合成樹脂とし
ては、、PPS(ポリフェニレンサルファイド樹脂)、
PAI(ポリアミドイミド樹脂)、PBI(ポリベンゾ
イミダゾール樹脂)、PI(ポリイミド樹脂)などのエ
ンジニアリングプラスチックなどが挙げられる。なお、
前述のPBIや、PIを用いる場合では、製法として削
り出しあるいは射出成形とすることができる。削り出し
とする場合、PIとしては米国デュポン社製の商品名ベ
スペルSP−21を、また、PBIとしては米国ヘキス
ト・セラニーズ社製の商品名セラゾールU−60をそれ
ぞれ選定することができる。一方、射出成形とする場合
には、PIとしては三井東圧化学(株)製の商品名オー
ラムを、また、PBIとしては米国ヘキスト・セラニー
ズ社製の商品名セラゾールTL−60、TF−60Cを
それぞれ選定することができる。
いては、一般的な深溝型玉軸受Aと同様、外輪2の軌道
溝6に対して必要数の玉3を入れておいて、外輪2を上
下から所要量圧縮することにより外輪2の内孔を楕円形
に歪ませ、この外輪2の内孔へ内輪1を嵌入し、玉3を
円周ほぼ等配とするように動かしつつ内輪1を外輪2の
センタに配置する。この状態にて玉3それぞれに対して
冠形保持器4を装着する。このように、アンギュラ玉軸
受のような焼き嵌めによる組み立てが必要ないから、組
み立て作業をきわめて簡単かつ迅速に行えることにな
る。なお、深溝型玉軸受Aには、所要のラジアル隙間を
設けている。というのは、内輪1と外輪2とに対して反
対向きに軸方向荷重を加えることにより、玉3を内・外
輪1,2に対して斜接させるためである。このときの玉
3の接触角は、ラジアル隙間により管理することができ
るが、例えば15゜±5゜に設定される。
は、組み立てが簡単であるなどのメリットを持つ一般的
な深溝型玉軸受を改良することにより、玉3を斜接する
形態として使用できるようにするとともに、玉3の接触
部位の昇温抑制のために、内・外輪1,2にカウンタボ
ア7,8を設けて潤滑油導入および潤滑油排出の効率ア
ップを図るようにしている。また、深溝型玉軸受Aの構
成要素の素材を上述したようなものに特定すれば、耐熱
性を向上することができる。そして、冠形保持器4の外
輪2に対する案内接触幅を可及的に小さく設定している
とともに、冠形保持器4の突片10の自由端側が回転遠
心力によって外輪2に対して接触するのを防止するよう
に設定しているから、昇温の抑制と回転トルクの軽減と
を図ることができて、耐焼付性が向上する。さらに、深
溝型玉軸受A,Aの少なくとも玉3をセラミックスとす
れば、耐焼付性がより向上する。
ジンの過給機あるいはガスタービンの他、工作機械など
に用いることができる。例えば、上記深溝型玉軸受Aを
用いた過給機を図3に示している。図中、20はハウジ
ング、21はタービン軸である。タービン軸21の一端
にはタービン羽根車22が、タービン軸21の他端には
コンプレッサ羽根車23がそれぞれ取り付けられてい
る。このタービン軸21は、ハウジング20の貫通孔2
4に対して、図1に示す二つの深溝型玉軸受A,Aおよ
びスリーブ25を介して回転自在に支持されている。
明する。内輪1,1は、タービン軸21に対してタービ
ン軸21の段部26および間座27を介して軸方向に位
置決めされた状態で中間嵌めにて外嵌されており、外輪
2,2は、スリーブ25の内周面段部に対してすきま嵌
めにて嵌合されているとともに、軸方向に間座を介在さ
せている。そして、両側の外輪2,2においてカウンタ
ボア8,8の存在する側の肩部が、それぞれタービン羽
根車22、コンプレッサ羽根車23の側に配置される。
つまり、深溝型玉軸受Aが図1に示す状態で図3のコン
プレッサ羽根車23の側に配置され、タービン羽根車2
2の側では深溝型玉軸受Aが図1に示す状態を左右反対
にした状態で配置される。これらの外輪2,2は、コイ
ルバネ28によって間座を介して軸方向で互いに引き離
される向きに弾発付勢されている。このような形態によ
り、二つの深溝型玉軸受A,Aが定圧予圧を付与された
状態になっており、これによりラジアル隙間を有する深
溝型玉軸受A,Aの玉3が内・外輪1,2に対して斜接
するように設定されている。このときの玉3の接触角
は、例えば15゜±5゜となるようにラジアル隙間が管
理されている。
24に対して所要の隙間を介して嵌入されるような外径
寸法に設定されている。さらにスリーブ25の外周面の
軸方向数箇所には、前述の隙間を可及的に大きく設定す
るために、周溝29が形成されている。この隙間には、
ハウジング20に設けられる通路30を介して潤滑油が
供給されるようになっており、この隙間の潤滑油はター
ビン軸21の振動を減衰するダンパとして機能するよう
になっている。なお、この隙間に供給される潤滑油は、
スリーブ25および間座に設けてある小孔31から二つ
の深溝型玉軸受A,Aへ向けて噴射されるようになって
いる。この小孔31から供給される潤滑油は、二つの深
溝型玉軸受A,Aの内輪1,1のカウンタボア7,7に
より受け入れられてから、軸受内部を通過して冠形保持
器4のポケット11開口や外輪2のカウンタボア8から
排出される。このように潤滑油が深溝型玉軸受A,Aの
内部をスムーズに通過するようになるから、深溝型玉軸
受A,Aの潤滑と冷却とが良好に行われることになる。
10万rpm以上の高速回転となり、環境温度も150
℃以上の高温になり、二つの深溝型玉軸受A,Aにとっ
ては苛酷な条件となるが、この深溝型玉軸受A,Aは、
上述したように一般的な深溝型玉軸受に対して改良を加
えていて、素材の選定や潤滑油の流れなどにも特別な工
夫を施しているから、優れた耐焼付性および、タービン
軸21の優れた回転安定性を発揮できるようになる。
てできるようにして製作コストを低減しながら、アンギ
ュラ玉軸受のような使用形態を可能として高速での回転
安定性を発揮できるようになる。しかも、軌道輪にカウ
ンタボアを設けることにより使用状態において潤滑油の
供給と排出をスムーズにできるようになるから、耐焼付
性の向上に貢献できるようになる。
持する軸受として上記深溝型玉軸受を用いるようにして
いるから、アンギュラ玉軸受を用いる場合に比べて遜色
ない程度に回転安定性に優れたものとなり、しかもアン
ギュラ玉軸受を用いる場合に比べて安価に構成できるよ
うになる。
断面図
機の要部の縦断面図
Claims (6)
- 【請求項1】 周面に軌道溝を有する軌道輪の片方の肩
部にカウンタボアが設けられ、軌道輪の軌道溝において
カウンタボアを設けていない側の領域に玉を斜接させた
形態で使用される、ことを特徴とする深溝型玉軸受。 - 【請求項2】 周面に軌道溝を有する軌道輪の片方の肩
部にカウンタボアが設けられ、軌道輪の軌道溝において
カウンタボアを設けていない側の領域に玉を斜接させた
形態で使用され、かつ、玉が冠形保持器により保持され
る、ことを特徴とする深溝型玉軸受。 - 【請求項3】 前記冠形保持器は、環状本体部と、環状
本体部の円周数箇所から軸方向一側へ突出する突片と、
周方向で隣り合う各突片間に設けられる玉収容用のポケ
ットとを備え、突片の自由端側の外径面が、自由端へ向
けて斜降するテーパ状に形成されている、請求項2に記
載の深溝型玉軸受。 - 【請求項4】 前記軌道輪は、軌道溝が軸方向中央から
偏って設けられる内輪および外輪を含み、前記カウンタ
ボアは内輪の幅広側の肩部および外輪の幅狭側の肩部に
それぞれ設けられており、外輪の幅広側の肩部が冠形保
持器の環状本体部の案内面とされる、請求項2または3
に記載の深溝型玉軸受。 - 【請求項5】 請求項1ないし4のいずれかに記載の深
溝型玉軸受が、タービン軸のタービン側端部およびコン
プレッサ側端部にそれぞれ装着され、予圧が付与されて
玉が軌道輪に対して斜接する形態に設定されている、こ
とを特徴とする過給機。 - 【請求項6】 前記両深溝型玉軸受の外輪においてカウ
ンタボアが設けられる側の肩部が、それぞれタービン
側、コンプレッサ側に配置される、請求項5に記載の過
給機。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP17358296A JPH1019045A (ja) | 1996-07-03 | 1996-07-03 | 深溝型玉軸受およびそれを用いた過給機 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP17358296A JPH1019045A (ja) | 1996-07-03 | 1996-07-03 | 深溝型玉軸受およびそれを用いた過給機 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1019045A true JPH1019045A (ja) | 1998-01-20 |
Family
ID=15963256
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP17358296A Pending JPH1019045A (ja) | 1996-07-03 | 1996-07-03 | 深溝型玉軸受およびそれを用いた過給機 |
Country Status (1)
Country | Link |
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