JP2008082506A - 転がり軸受及びこれを用いた過給機 - Google Patents

転がり軸受及びこれを用いた過給機 Download PDF

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弘 上野
Toshihiko Shiraki
利彦 白木
Akio Oshima
昭男 大嶋
Tomonori Nakashita
智徳 中下
Masaaki Otsuki
正章 大槻
Shigenori Bando
重徳 坂東
Maki Abe
真樹 阿部
Ryuji Nakada
竜二 中田
Takehisa Kida
健久 気田
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Abstract

【課題】高速回転に対応できると共に回転による摩擦トルクの低減が図れる転がり軸受を提供する。
【解決手段】外周に第一の軌道11を有する内輪1と、内周に第二の軌道31を有する外輪3と、これらの間に介在し内周に第三の軌道21を有し外周に第四の軌道22を有する中間輪2と、第一の軌道11と第三の軌道21との間に転動自在に介在している複数の第一の玉4と、第四の軌道22と第二の軌道31との間に転動自在に介在している複数の第二の玉5とを備えている。第二の玉5の直径d2は、第一の玉4の直径d1よりも小さい。
【選択図】 図1

Description

この発明は、転がり軸受及びこれを用いた過給機に関する。
自動車において、ターボチャージャーはエンジン性能をさらに引き出すことができることから広く使用されている。ターボチャージャーは、ハウジングと、このハウジング内に軸受を介して支持されたタービン軸とを備えており、従来、例えば特許文献1に示しているように、前記軸受は滑り軸受とされていた。しかし、ターボチャージャーに特有のターボラグによるレスポンスの悪さなどの回転特性を改善するため、特許文献2に示しているように、タービン軸を支持する軸受を転がり軸受とした構造が提案されている。
転がり軸受は、例えば潤滑条件などに基づいて回転数の上限値が定められており、その上限値以下で使用されている。
前記ターボチャージャーのタービン軸は、例えば10万〜20万rpmの回転数で高速回転する。したがって、従来の構造による転がり軸受は、この高速回転に対応しきれないため、例えば、潤滑油の粘度を下げたり、転動体をセラミックにしたりすることが考えられる。また、特許文献3に示しているように、転がり軸受の高速回転を可能とするために、径方向に転動体(玉)を二段とした転がり軸受がある。
特開平5−141259号公報 特開平10−19045号公報 特開平9−273547号公報
従来の転がり軸受において、転動体をセラミックとすれば回転の際の遠心力が小さくなり高速回転に対応できるが、製造コストが増大するという問題点がある。さらに、潤滑油の粘度を下げると転がり軸受の寿命が低下するおそれがあり、また、潤滑油の粘度を下げても、従来の転がり軸受はターボチャージャーのような高速回転には充分に対応できないという問題点がある。
また、特許文献3の図3に示している転がり軸受は、径方向内側から外側へ、内輪、内側の第一の玉、中間輪、外側の第二の玉、外輪が配設されており、内側の軸受部と外側の軸受部との二段構成を有している。これにより、高速回転軸用の軸受に好適なものとしている。しかし、この転がり軸受では、内側の軸受部と外側の軸受部とにおいて回転による摩擦トルクが発生する。このような転がり軸受を用いた機器、特にターボチャージャーにおいては、転がり軸受の回転抵抗を小さくすることにより回転レスポンスが向上するため、転がり軸受の摩擦トルクを低減できる構造が望ましい。
そこで、この発明は、高速回転に対応できると共に回転による摩擦トルクの低減が図れる転がり軸受、及びこの転がり軸受を有する過給機を提供することを目的とする。
前記目的を達成するためのこの発明の転がり軸受は、外周に第一の軌道を有する内輪と、内周に第二の軌道を有する外輪と、これら内外輪の間に少なくとも一つ介在し内周に第三の軌道を有し外周に第四の軌道を有する中間輪と、前記中間輪の前記第三の軌道とこれに対向する軌道との間に転動自在に介在している複数の第一の玉と、前記中間輪の前記第四の軌道とこれに対向する軌道との間に転動自在に介在している複数の第二の玉とを備え、前記第二の玉の直径は前記第一の玉の直径よりも小さいものである。
この構成によれば、少なくとも、内輪と中間輪との間、及び、中間輪と外輪との間のそれぞれに、複数の玉を有する軸受部が設けられた構成となる。つまり、内輪と外輪との間に複数段の軸受部が存在している転がり軸受となる。これにより、各軸受部ごとの回転数を合算した回転数で、内輪と外輪とを相対回転させることができる。したがって、高速回転に対応できる転がり軸受となる。さらに、第二の玉の直径は第一の玉の直径よりも小さいことから、第二の玉のある軸受部における摩擦トルクを従来よりも小さくでき、転がり軸受における摩擦トルクを低減できる。
また、この転がり軸受において、前記中間輪は、大径輪部と、この大径輪部から軸線に対して傾斜した傾斜輪部を介して設けられ当該大径輪部よりも小径とされた小径輪部とを有し、前記第三の軌道は前記大径輪部と前記傾斜輪部との境界部に形成され、前記第四の軌道は前記小径輪部と前記傾斜輪部との境界部に形成されているのが好ましい。
これによれば、中間輪の外周面において、大径輪部よりも小径の小径輪部と、傾斜輪部との境界部に第四の軌道が形成されているため、この第四の軌道に接触する第二の玉のピッチ径を、前記従来の中間輪が軸線と平行に延びる平行円筒形状であるもの(前記特許文献3の図3)よりも、小さくできるため、転がり軸受の径方向寸法を小さくすることができる。
さらに、従来の中間輪のように、大径部の内周側のみに軌道が形成され、小径部の外周側のみに軌道が形成されている場合(特許文献3の図4)、両軌道は隙間(空間部)が介在して離れた構成となるため、転がり軸受全体が軸線方向に長くなる。しかし、この発明では、傾斜輪部の内周面と外周面とにおいてもそれぞれ第三の軌道と第四の軌道とを形成しているため、これら第三と第四の軌道にそれぞれ接触している玉同士を、従来のものよりも、軸線方向に接近させた構成とできる。これにより、転がり軸受の軸線方向寸法を小さくすることができる。
また、この転がり軸受において、一対の対向している前記軌道とその間の前記玉とは斜接しているのが好ましい。
この場合、中間輪は玉を斜接させるために適した構造となる。すなわち、中間輪の外周において、第四の軌道を小径輪部と傾斜輪部との境界部に形成していることから、この第四の軌道の両側の肩部のうち、傾斜輪部の肩径は小径輪部の肩径よりも大きくなる。このため、この第四の軌道において、傾斜輪部の傾斜を利用して斜接軌道を形成することができる。また、第三の軌道を大径輪部と傾斜輪部との境界部に形成していることから、この第三の軌道の両側の肩部のうち、傾斜輪部の肩径は大径輪部の肩径よりも小さくなる。このため、この第三の軌道において、傾斜輪部の傾斜を利用して斜接軌道を形成することができる。したがって、内輪及び外輪では玉を斜接させるために一方の肩部側を肉厚とする必要があるが、中間輪では、玉を斜接させるために傾斜輪部を厚くする必要がない。これにより、中間輪の形状をシンプルにでき、製造が容易となる。
また、この転がり軸受において、前記中間輪において、前記第四の軌道の軌道径は前記第三の軌道の軌道径よりも小さいのが好ましい。
これにより、中間輪において、第四の軌道と接触する第二の玉を径方向内側寄りの位置に設けることができるため、転がり軸受の径方向寸法をより一層小さくすることができる。
また、この発明の過給機は、ハウジングと、このハウジング内に転がり軸受を介して支持され一端部にタービンを有したタービン軸とを備え、この転がり軸受が前記転がり軸受とされたものである。
これによれば、転がり軸受が高速回転に対応可能であるため、高速回転するタービン軸を安定して支持することができる。そして、転がり軸受における摩擦トルクを低減できるため、回転抵抗が小さくなりタービン軸の回転変動に対する回転レスポンスが向上する。
この発明によれば、内輪と外輪との間に、複数の玉を有する軸受部が複数段存在している構成となる。そして、各段の軸受部毎の回転数を合算した回転数で内輪と外輪とを相対回転させることができ、全体として高速回転に対応できる。さらに、第二の玉のある軸受部における摩擦トルクを小さくでき、転がり軸受における摩擦トルクを低減できる。
以下、この発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
図1はこの発明の転がり軸受の実施の一形態を示す断面図である。この転がり軸受10は、ハウジング40内に形成された中心孔43において回転軸41を回転可能に支持するものである。このような転がり軸受10が用いられる装置としては、図3に示しているように、例えば自動車エンジンのための過給機としてのターボチャージャーがある。この図3では、転がり軸受10が軸線C方向に離れて二列設けられている。
図3において、このターボチャージャーは、ハウジング40と、このハウジング40内の中心孔43に前記転がり軸受10を介して支持されたタービン軸41とを備えている。このタービン軸41はその一端部にタービン42を有している。転がり軸受10はタービン軸41を軸線C回りに回転可能に支持している。
図1において、この転がり軸受10は、タービン軸41に外嵌した単一の内輪1と、ハウジング40の中心孔43の内周面に固定された単一の外輪3と、内輪1と外輪3との間に介在した単一の中間輪2とを備えている。内輪1と中間輪2と外輪3とがこの順番で軸線方向に沿って位置ずれして配置されている。つまり、この転がり軸受10は軸線方向に延びた軸線方向配置である。そして、内輪1と中間輪2との間の環状空間に転動自在に設けられた複数の第一の玉(転動体)4と、中間輪2と外輪3との間の環状空間に転動自在に設けられた複数の第二の玉(転動体)5とをさらに備えている。第一の玉4は保持器8によって軸線Cを中心とする一つの円上に沿って保持されており、第二の玉5は別の保持器9によって軸線Cを中心とする別の円上に沿って保持されている。
中間輪2の径方向内側にある第二の玉5の数は、中間輪2の径方向外側にある第一の玉4の数よりも多い。そして、第二の玉5の直径d2は、第一の玉4の直径d1よりも小さく設定されている(d2<d1)。具体的には、例えば、外輪3の直径が20mmで内輪1の内径が6mmの転がり軸受10において、第二の玉5の数を12個としその直径d2を2.381mm(6/64インチ)とし、第一の玉4の数を8個としその直径d1を2.778mm(7/64インチ)としている。
内輪1は環状部材であり、その内周面がタービン軸41との嵌合面であり、その外周面に第一の玉4と接触する第一の軌道11が形成されている。外輪3は環状部材であり、その外周面がハウジング40の中心孔43との嵌合面であり、その内周面に第二の玉5と接触する第二の軌道31が形成されている。内輪1と外輪3との軸方向寸法は略同一である。
中間輪2は環状部材であり、軸方向寸法が内輪1及び外輪3よりも長くされている。中間輪2の内周面の一部に第一の玉4と接触する第三の軌道21が形成されており、中間輪2の外周面の一部に第二の玉5と接触する第四の軌道22が形成されている。中間輪2は、環状の大径輪部7と、この大径輪部7から傾斜輪部15を介して設けられた環状の小径輪部6とを有している。小径輪部6は大径輪部7よりも外周面の直径について小さい。傾斜輪部15は軸線Cに対して傾斜する方向に直線的に延びている。この中間輪2は縦断面において折れ曲がり形状である。そして、内輪1と中間輪2と外輪3とは軸線Cを中心として軸線方向に位置ずれはしているが、同心円状に配置されている。
そして、内輪1の径方向外方に第一の玉4が介在して大径輪部7が設けられている。この大径輪部7から軸線方向に傾斜輪部15を介して小径輪部6が連続し、この小径輪部6の径方向外方に第二の玉5が介在して外輪3が設けられている。このように、小径輪部6は径方向の寸法が大径輪部7よりも小さくされており、この小径輪部6の外周側に第二の玉5を介して外輪3が設けられていることから、外輪3を小径にすることができる。したがって、転がり軸受10の径方向の寸法を小さくすることができ、径方向に大きく突出する径方向配置となることを避けた構造となる。
そして、環状の第三の軌道21は大径輪部7の内周面と傾斜輪部15の内周面との境界部に形成されており、環状の第四の軌道22は小径輪部6の外周面と傾斜輪部15の外周面との境界部に形成されている。さらにこの中間輪2において、第四の軌道22に接触している第二の玉5のピッチ径D3は、第三の軌道21に接触している第一の玉4のピッチ径D4よりも大きい(D3>D4)。なお、第一の玉4のピッチ径D4とは各第一の玉4の中心を通る円の直径であり、第二の玉5のピッチ径D3とは各第二の玉5の中心を通る円の直径である。
さらに、第一の玉4は、一対の対向している第一の軌道11及び第三の軌道21に対して斜接(アンギュラコンタクト)しており、第二の玉5は、一対の対向している第四の軌道22及び第二の軌道31に対して斜接(アンギュラコンタクト)している。その接触角θ1,θ2は同じであり、図1において例えば15°と設定されている。これにより、この転がり軸受10は、径方向の荷重(径方向荷重)の他に、軸線方向からの荷重(軸方向荷重)を受けることができ、さらに、軸方向のダンパー性能を有した構造となる。
そして、この中間輪2は玉4,5を斜接させるために適した構造である。すなわち、中間輪2の外周面において、第四の軌道22を小径輪部6と傾斜輪部15との境界部に形成していることから、この第四の軌道22の両側の肩部のうち、傾斜輪部15の肩径は小径輪部6の肩径よりも大きくなる。このため、この第四の軌道22において、傾斜輪部15の傾斜を利用して斜接軌道を形成することができる。また、中間輪2の内周面において、第三の軌道21を大径輪部7と傾斜輪部15との境界部に形成していることから、この第三の軌道21の両側の肩部のうち、傾斜輪部15の肩径は大径輪部7の肩径よりも小さくなる。このため、第三の軌道21において、傾斜輪部15の傾斜を利用して斜接軌道を形成することができる。なお、内輪1及び外輪3では、玉4,5を斜接させるために一方の肩部側を肉厚とする必要があるが、このように中間輪2では、玉4,5を斜接させるために傾斜輪部を厚くする必要がない。これにより、中間輪2の構造がシンプルとなり、また、厚さが一定である円筒を塑性変形させ、これに軌道21,22を形成することで中間輪2を簡単に製造することもできる。
また、この中間輪2において、前記のとおり小径輪部6を大径輪部7よりも小径としているが、さらに、小径輪部6側の第四の軌道22の軌道径D2を、大径輪部7の第三の軌道21の軌道径D1よりも小さくしている(D2<D1)。なお、第四の軌道22の軌道径D2は、軌道22の最小径部の直径とし、第三の軌道21の軌道径D1は、軌道D1の最大径部の直径としている。
以上の構成により、内輪1と中間輪2との間において、一対の対向している第一の軌道11と第三の軌道21との間に複数の第一玉4が転動自在として介在しており、中間輪2と外輪3との間において、一対の対向している第二の軌道22と第四の軌道31との間に複数の第二の玉5が転動自在として介在している。これにより、この転がり軸受10は、タービン軸41に外嵌した内輪1とハウジング部40に固定された外輪3との間に、複数段(二段)の軸受部A,Bを備えている構造となる。すなわち、この転がり軸受10は、内輪1と複数の第一の玉4と中間輪2とによって、この中間輪2が外輪と見立てられた第一軸受部Aが構成され、中間輪2と複数の第二の玉5と外輪3とによって、この中間輪2が内輪と見立てられた第二軸受部Bが構成されたものとなる。
このように構成された転がり軸受10によれば、タービン軸41が所定回転数で回転することにより、内輪1が外輪3に対して前記所定回転数で回転している状態となる。この回転が生じた状態では、前記所定回転数は、二段とされた第一と第二の軸受部A,Bによって分配される。すなわち、内輪1はタービン軸41と共に一体回転するが、中間輪2ではこの内輪2に遅れて(減速されて)供回りする。これにより、一段ごとの軸受部における回転数が前記所定回転数よりも小さくなる。具体的に説明すると、タービン軸41が例えば20万rpmで回転していると、このタービン軸41側(内側)の第一軸受部Aは16万rpmで回転し、ハウジング40側(外側)の第二軸受部Bは第一軸受部Aよりも低回転である4万rpmで回転することとなる。そして、多段とされた軸受部A,Bのそれぞれに分配された回転速度は、タービン軸41(内輪1)の回転速度の変化に応じて自動的に変速される。この際、外輪3側の第二軸受部Bが内輪1側の第一軸受部Aよりも低速回転とされ、軸受部A,Bそれぞれの回転速度は所定の比率で分配される。
さらに、第二の玉5の直径d2は、第一の玉4の直径d1よりも小さいことから、第二の玉5のある第二軸受部Bにおける摩擦トルクを従来よりも小さくでき、転がり軸受10における摩擦トルクを低減できる。図5は、この発明の転がり軸受10による摩擦トルクの低減を説明するグラフである。この図は、図1に示した形態の転がり軸受10において、第一軸受部Aと第二軸受部Bとにおける摩擦トルクを表したシミュレーション結果である。図5は、外輪3に対する内輪1の回転数を200,000rpmとし、中間輪2の回転数(横軸)を変化させた場合での第一軸受部Aと第二軸受部Bとにおける摩擦トルク(縦軸)を示している。実施例として、外輪3の直径を20mmとし、内輪1の内径を6mmとし、第一の玉4の数を8個としその直径d1を2.778mm(7/64インチ)とし、第二の玉5の数を12個としその直径d2を2.381mm(6/64インチ)としている。玉4,5はセラミック製であり、接触角はいずれも15°である。第一の玉4のピッチ径D4は11mmであり、第二の玉5のピッチ径D3は15mmである。そして、転がり軸受10に径方向荷重として60Nを作用させている。
図5において、破線(矢印a)は第一の玉と第二の玉とを同径(2.778mm)とした比較例の転がり軸受の場合であり、径方向外側の第二軸受部Bの摩擦トルクを示している。なお、この比較例は第一と第二との玉とを同径とした以外は実施例と同じである。実線(矢印b)は実施例における第二軸受部Bの摩擦トルクを示している。なお、一点鎖線(矢印c)は比較例と実施例との第一軸受部Aの摩擦トルクを示している。図5に示しているように、特に使用領域である60,000rpmから200,000rpmの広範囲において、実施例では比較例よりも第二軸受部Bにおける摩擦トルクが小さくなっている。つまり、第二の玉5の直径d2を第一の玉4の直径d1よりも小さくすることにより、第二の玉5を有する第二軸受部Bでの摩擦トルクを小さくすることができる。
また、この発明の転がり軸受において、第二の玉5の直径d2は第一の玉4の直径d1よりも小さいが、第二の玉5の数は第一の玉4の数よりも多いため、第二の玉5を有する第二軸受部Bでの外力(軸方向力、径方向力)に対する負荷容量が小さくなることを防ぐことができる。
さらに、この転がり軸受10の中間輪2において、大径輪部7よりも径が小さい小径輪部6と傾斜輪部15との境界部の外周面に第四の軌道22が形成された構造である。これにより、第四の軌道22に接触する第二の玉5が径方向内側寄りの位置に設けられるため、転がり軸受10の径方向寸法を小さくすることができる。つまり、外輪3の外周面の直径を小さくすることができる。さらに、図1に示している中間輪2において、第四の軌道22の軌道径D2が第三の軌道21の軌道径D1よりも小さいことから、第四の軌道22と接触する第二の玉5を、さらに径方向内側寄りの位置に設けることができ、径方向寸法をより一層小さくできる。これにより、図3において、この転がり軸受10を収容して固定しているハウジング40の中心孔43の内径を小さくすることができる。この結果、例えば冷却水ジャケットや転がり軸受10に潤滑剤を供給するための流路などの他のものをハウジング40内に設けるのが容易となる。
また、この転がり軸受10の中間輪2において、大径輪部7と傾斜輪部15との境界部の内周面に第三の軌道21が形成され、小径輪部6と傾斜輪部15との境界部の外周面に第四の軌道22が形成された構造であるため、転がり軸受の軸線方向寸法を小さくすることができる。
これを図4により説明すると、二点鎖線で示している中間輪52のように、大径部57の内周側のみに軌道を形成し、小径部56の外周側のみに軌道を形成している比較例の場合では、両軌道に接触する玉54,55の間の軸方向の距離Qが大きくなり、転がり軸受全体が軸線方向に長くなる。しかし、この発明では、実線で示しているように傾斜輪部15の内周面と外周面とにおいてもそれぞれ第三の軌道21と第四の軌道22とが形成されているため、これら第三と第四の軌道21,22にそれぞれ接触している玉4,5の間の軸方向の距離Pを、前記比較例の距離Qよりも小さくすることができる(P<Q)。つまり、玉4,5を中間輪2の傾斜輪部15を挟んで軸線方向に接近させた配置とできることから、転がり軸受10の軸線方向寸法を小さくすることができる。
さらに、図1において、傾斜輪部15の内周面の一部と外周面の一部とにそれぞれ第三の軌道21と第四の軌道22とを形成し、第四の軌道22に接触している第二の玉5のピッチ径D3は、第三の軌道21に接触している第一の玉4のピッチ径D4よりも大きいため、第一と第二の玉4,5同士を軸線方向に接近させた状態とできる。これにより転がり軸受10の軸線方向寸法をさらに小さくすることができる。したがって、転がり軸受10の軸線方向の収容スペースを小さくでき、隣に他の部品を設けるのが容易となる。
またこの発明の転がり軸受10は、内外輪1,3の間に少なくとも一つの中間輪2が介在しており、これら内輪1と中間輪2と外輪3とにおいて、一対の対向している軌道間のそれぞれに転動自在に介在している複数の玉を備えたものであればよく、図2に示しているように、内外輪1,3の間に二個の中間輪2a,2bが介在したものであってもよい。この場合、内輪1と第一の中間輪2aと第二の中間輪2bと外輪3とがこの順番で軸線方向に沿って位置ずれして配置されている。そして、内輪1と第一の中間輪2aとの間の環状空間に複数の第一の玉45が転動自在に設けられ、第一の中間輪2aと第二の中間輪2bとの間の環状空間に複数の第二の玉46が転動自在に設けられ、第二の中間輪2と外輪3との間の環状空間に複数の第三の玉47が転動自在に設けられている。
そして、第一の中間輪2aの径方向内外において、第二の玉46の直径d2は第一の玉45の直径d1よりも小さく(d2<d1)、さらに、第二の中間輪2bの径方向内外において、第三の玉47の直径d3は第二の玉46の直径d2よりも小さい(d3<d2)。つまり、(第1の玉45の直径d1)>(第2の玉46の直径d2)>(第3の玉47の直径d3)の関係となる。
なお、これら中間輪2a,2bのそれぞれは前記実施の形態(図1)の中間輪2と同じ構成であり、中間輪2a,2bはそれぞれ、環状の大径輪部7と、この大径輪部7から傾斜輪部15を介して設けられた環状の小径輪部6とを有している。そして、中間輪2a,2bはそれぞれ、大径輪部7の内周面と傾斜輪部15の内周面との境界部に第三の軌道21が形成されており、小径輪部6の外周面と傾斜輪部15の外周面との境界部に第四の軌道22が形成されている。
この転がり軸受10は、タービン軸41に外嵌した内輪1とハウジング部40に固定された外輪3との間に、三段の軸受部E,F,Gを備えている構成となる。すなわち、この転がり軸受10は、内輪1と複数の第一の玉45と第一の中間輪2aとによって、この第一の中間輪2aが外輪と見立てられた第一軸受部Eが構成され、第一の中間輪2aと複数の第二の玉46と第二の中間輪2bとによって、この第一の中間輪2aが内輪と見立てられかつ第二の中間輪2bが外輪と見立てられた第二軸受部Fが構成され、この第二の中間輪2bと複数の第三の玉47と外輪3とによって、この第二の中間輪2bが内輪と見立てられた第三軸受部Gが構成されたものとなる。そして、この構成により、転がり軸受10全体の回転数が、軸受部E,F,Gのそれぞれに分配され、より高速化に対応できる転がり軸受10を得ることができる。
以上の各実施の形態の転がり軸受10によれば、各段の軸受部ごとの回転数を合算した回転数で、内輪1は外輪3に対して回転することができる。これにより、転がり軸受10全体として高速回転に対応できるものを得ることができる。このように、この転がり軸受10は、全体としての許容回転数が高まるため、回転するタービン軸41を大きな安全率でもって支持することができ、タービン軸41が高速回転しても安定して支持することができる。
また、この発明の転がり軸受10において、使用される材質は従来知られているものとできるが、特に、玉、中間輪を軽量であるセラミックとすることによって、さらに高速回転する軸を支持できる構造となる。
さらに、各軸受部において全体の回転数が分配され、また、軸受部における摩擦トルクを低減できることから、高速回転に起因する温度上昇についても低減できる。このため、温度変化による軸受部の寸法変化についても小さく抑えることができる。また、各軸受部における回転数が低減され、摩擦トルクが低減されることによって、転がり軸受10における潤滑剤に関しても有利な効果が得られる。すなわち、温度上昇が低減されることから、耐熱性については従来よりも弱くて安価な潤滑油とすることができる。また、従来よりも地球環境保全に優れた植物性油や生分解油の使用が可能となる。
また、多段とされた軸受部のそれぞれにおいて回転数が分配され低減されることから、各軸受部での回転抵抗が減少し、さらに、各軸受部における摩擦トルクが低減されることから、転がり軸受10全体として低トルク化が可能となる。したがって、このような転がり軸受10が用いられたターボチャージャーにおいては、転がり軸受10部分における回転抵抗が下がるため回転レスポンスが良くなり、回転数が急激に高まる立ち上がり特性が向上し、ターボラグをより一層効果的に抑えることができる。
さらに、軸受部が多段であることから、転がり軸受10に予圧を付与する際、軸受部のそれぞれにおいての予圧の調整が可能となる。このため、転がり軸受10全体としての予圧について細かくかつ精度良く調整することができる。
また、図1と図2とに示しているように、各保持器は環状であり、その断面において、軸線方向の一端部から他端部へ向かって傾斜している構造である。つまり図1について説明すると、保持器8,9のそれぞれは大径部13aと小径部13bとこれらを軸方向で繋いでいる傾斜部13cとを有しており、傾斜部13cは中間輪2の傾斜輪部15と同様に傾斜している。これにより、玉4,5が転動することで、この保持器8,9が各玉4,5の周辺の空気を攪拌し、冷却効果を高めることができる。
また、この発明の転がり軸受10は、図示する形態に限らずこの発明の範囲内において他の形態のものであっても良く、図示しないが、図1や図2の中間輪2を折れ曲がり形状としないで、軸線Cに平行な短円筒形状としてもよい。さらに、第一の玉4と第二の玉5とを軸線方向に位置ずれした配置としないで、第一の玉4と第二の玉5とを軸線Cに直交する面上に沿って配置してもよい。また、この発明の転がり軸受は、外輪3が回転する構成であってもよい。
また、中間輪を三個以上としてもよい。この場合、各軸受部における回転数がさらに低減され、より高速化に対応できる転がり軸受を得ることができる。そして、径方向内側から外側へ複数段が配設された各軸受部の玉のうち、最も径方向内側にある玉の直径が最も大きく、径方向外側へ向かうにつれて玉の直径が小さくなり、最も径方向外側にある玉の直径が最も小さい構造としている。
この発明の転がり軸受の実施の一形態を示す断面図である。 この発明の転がり軸受の他の実施の形態を示す断面図である。 図1の転がり軸受が用いられている過給機を示す断面図である。 この発明の中間輪を説明する説明図である。 この発明の転がり軸受による摩擦トルクの低減を説明するグラフである。
符号の説明
1 内輪
2,2a,2b 中間輪
3 外輪
4 第一の玉
5 第二の玉
6 小径輪部
7 大径輪部
10 転がり軸受
11 第一の軌道
15 傾斜輪部
21 第三の軌道
22 第四の軌道
31 第二の軌道
40 ハウジング
41 タービン軸(回転軸)
42 タービン
43 中心孔
45 第一の玉
46 第二の玉
47 第三の玉
C 軸線
d1 直径
d2 直径

Claims (5)

  1. 外周に第一の軌道を有する内輪と、
    内周に第二の軌道を有する外輪と、
    これら内外輪の間に少なくとも一つ介在し内周に第三の軌道を有し外周に第四の軌道を有する中間輪と、
    前記中間輪の前記第三の軌道とこれに対向する軌道との間に転動自在に介在している複数の第一の玉と、
    前記中間輪の前記第四の軌道とこれに対向する軌道との間に転動自在に介在している複数の第二の玉と、を備え、
    前記第二の玉の直径は前記第一の玉の直径よりも小さいことを特徴とする転がり軸受。
  2. 前記中間輪は、大径輪部と、この大径輪部から軸線に対して傾斜した傾斜輪部を介して設けられ当該大径輪部よりも小径とされた小径輪部と、を有し、
    前記第三の軌道は前記大径輪部と前記傾斜輪部との境界部に形成され、前記第四の軌道は前記小径輪部と前記傾斜輪部との境界部に形成されている請求項1に記載の転がり軸受。
  3. 一対の対向している前記軌道とその間の前記玉とは斜接している請求項1又は2に記載の転がり軸受。
  4. 前記中間輪において、前記第四の軌道の軌道径は前記第三の軌道の軌道径よりも小さい請求項1〜3のいずれか一項に記載の転がり軸受。
  5. ハウジングと、このハウジング内に転がり軸受を介して支持され一端部にタービンを有したタービン軸と、を備え、この転がり軸受が請求項1〜4のいずれか一項に記載の転がり軸受であることを特徴とする過給機。
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