JPH10188975A - 酸化銀電池用陽極材料とその製造方法 - Google Patents

酸化銀電池用陽極材料とその製造方法

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JPH10188975A
JPH10188975A JP9316483A JP31648397A JPH10188975A JP H10188975 A JPH10188975 A JP H10188975A JP 9316483 A JP9316483 A JP 9316483A JP 31648397 A JP31648397 A JP 31648397A JP H10188975 A JPH10188975 A JP H10188975A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高い電池容量を安定発現できる酸化銀電池用
陽極材料とその製法を提供する。 【解決手段】 1モルのK2 2 8 を含む濃度10モ
ル/lのNaOH溶液1.0lに濃度1モル/lの硝酸
銀溶液を200cc添加し、10分間撹拌保持した。そ
の後同様に撹拌しながら濃度1モル/lの硝酸ニッケル
溶液200ccを添加した。この酸化銀とニッケル化合
物を含む液を40℃で10時間温調撹拌した後、生成沈
澱物を溶液から分離し、十分洗浄して35℃で風乾し
た。更に350℃以下の温度で加熱乾燥して黒色粉末を
得、この粉末がAgNiO2 であることを確認した(図
1)。得られた粉末を陽極材料とした酸化銀電池は安定
な放電特性を示し、乾燥温度が200℃の時最大の電池
容量が得られた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、酸化銀電池用陽極材料
とその製造方法および該陽極材料を用いた酸化銀電池に
関する。
【0002】
【従来の技術】AgNiO2 は、特開昭57−849に
よればアルカリ電池用の導電性を有する正極活物質であ
る。この化合物は、アルカリ水溶液の存在下でAg2
とNiOOHとを反応させることによって得られる。生
成機構を示す反応式としては、AgO- +NiOOH→
AgO−NiO+OH- が示されている。溶解度の高い
一価酸化銀イオンと三価のNiの化合物との反応で合成
されるとしているが、単純にはNi化合物によるAg酸
化物の酸化とも考えられる。その具体的な製法としては
特開昭57−849の実施例の中で次のような方法が示
されている。
【0003】(I)いったんNiOOH粉末を作製し、
これを懸濁させたアルカリ溶液に硝酸銀を添加する。
【0004】(II)アルカリと酸化剤でニッケル塩を反
応させた後に硝酸銀を添加する。
【0005】(III )アルカリ共存下のAgO粉末の懸
濁液にニッケル塩溶液を添加する。
【0006】(IV)Ni塩とAg塩の混合溶液をアルカ
リ液に添加し、酸化剤K2 2 8を定期的に添加す
る。
【0007】上記方法で合成された沈澱物を80℃で乾
燥する。得られた粉末はAgNiO2 単相であるとされ
た。しかし実際に上記の方法でAgNiO2 を合成して
評価すると、生成物は二次相を含み易く、電池の容量を
安定して発現できないことが分かった。また(IV)の方
法では80℃で沈澱物を乾燥してもその後の加熱重量減
少が100℃で5%に及んだ。重量減少はほとんどが水
分であるが、特開昭57−849では水酸基が理想的に
離脱するものと考えたためか乾燥温度を例示するのみで
ある。
【0008】この水分はAgNiO2 の合成完成度を示
す指標と考えられ、水分が多ければ合成が不完全となり
電池容量を低下させてしまうと考えられる。
【0009】AgNiO2 中の不純物が電池としての特
性に与える影響については公知情報がなく不明である。
AgNiO2 は、Ag2 Oに対して理論容量が15%程
高く、263mAh/gとされているが、AgNiO2
のみを正極物質とする電池は実用化されておらず、実施
例1〜4に示すように実際の容量は、一部の条件を除い
て一酸化銀電池と同等である。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】電池容量を安定発現で
きない原因としては、反応経路と含有水分(または水酸
基)が考えられる。反応経路が不適切な場合、次のよう
な原因が推測される。
【0011】前記(I)と(III )の方法では、反応す
べきAgかNiのいずれか一方の化合物をいったん乾燥
粉末とするのでこれが溶液中で凝集してしまい反応性が
低下する。(II)の方法では、ニッケル化合物は元々分
散性が低いため、後で生成する酸化銀と十分に反応でき
ない。(IV)の方法では、Ag塩とNi塩が同時に添加
されるためAgとNiの望ましい価数の化合物が生成さ
れない(ここでは一価の酸化銀と二価である水酸化ニッ
ケルが初期に生成され、期待するようにはオキシ水酸化
物が生成されないと推測する。AgNiO2 の生成が一
価の酸化銀イオンと三価のNiの化合物との反応による
とも断定できない)。したがってこの場合水分(水酸
基)が多く残留すると考えられる。また、(I)〜(I
V)のいずれもにおいてもAg(OH)2 -イオンの生成
を伴う経路が考えられるので、反応が不十分であれば水
分が多く残留することになる。
【0012】このように従来の方法で製造されたAgN
iO2 を陽極材料とした酸化銀電池には高い電池容量を
安定して発現し難いという課題があった。
【0013】本発明の目的は、高い電池容量を安定発現
できる酸化銀電池用陽極材料とその製法を提供すること
にある。
【0014】本発明の今一つの目的は、AgNiO2を
陽極材料とした酸化銀電池の容量をさらに高め得る酸化
銀電池用陽極材料とその製造方法を提供することにあ
る。
【0015】
【課題を解決するための手段】発明者は、多くの試行錯
誤を重ねて鋭意研究した結果、その物質の製法として反
応性の高い経路を見いだし、また活物質としての望まし
い水分上限値を見いだすことによって前記の課題を解決
することができた。
【0016】すなわち本発明は第1に、AgNiO2
示される組成を含む電池用AgおよびNiの複合酸化物
粉末であって、100℃における加熱重量減少が4%以
下であることを特徴とする電池用AgおよびNiの複合
酸化物粉末;第2に、AgNiO2 で示される組成を含
む電池用AgおよびNiの複合酸化物粉末であって、比
表面積が10〜100m2 /gであることを特徴とする
電池用AgおよびNiの複合酸化物粉末;第3に、Ag
NiO2 で示される組成を含む電池用AgおよびNiの
複合酸化物粉末であって、X線回折ピークの(006)
面のピークにおける半価幅が1〜1.6°であることを
特徴とする電池用AgおよびNiの複合酸化物粉末;第
4に、AgNiO2 で示される組成を含む電池用Agお
よびNiの複合酸化物粉末であって、外観が黒色で色差
計で測定した明るさが16以下であることを特徴とする
電池用AgおよびNiの複合酸化物粉末;第5に、Ag
NiO2 で示される組成を含む電池用AgおよびNiの
複合酸化物粉末であって、亜鉛負極に対する初期の閉路
電圧が1.6〜1.68Vの範囲であることを特徴とす
る電池用AgおよびNiの複合酸化物粉末;第6に、A
gNiO2 で示される組成を含む電池用AgおよびNi
の複合酸化物粉末であって、100℃における加熱重量
減少が4%以下であり、かつ比表面積が10〜100m
2 /gであることを特徴とする電池用AgおよびNiの
複合酸化物粉末;第7に、AgNiO2 で示される組成
を含む電池用AgおよびNiの複合酸化物粉末であっ
て、100℃における加熱重量減少が4%以下であり、
かつX線回折ピークの(006)面のピークにおける半
価幅が1〜1.6°であることを特徴とする電池用Ag
およびNiの複合酸化物粉末;第8に、AgNiO2
示される組成を含む電池用AgおよびNiの複合酸化物
粉末であって、比表面積が10〜100m2 /gであ
り、かつX線回折ピークの(006)面のピークにおけ
る半価幅が1〜1.6°であることを特徴とする電池用
AgおよびNiの複合酸化物粉末;第9に、AgNiO
2 で示される組成を含む電池用AgおよびNiの複合酸
化物粉末であって、100℃における加熱重量減少が4
%以下であり、比表面積が10〜100m2 /gであ
り、かつX線回折ピークの(006)面のピークにおけ
る半価幅が1〜1.6°であることを特徴とする電池用
AgおよびNiの複合酸化物粉末;第10に、上記第1
〜3のいずれかに記載の電池用AgおよびNiの複合酸
化物粉末であって、外観が黒色で色差計で測定した明る
さが16以下であることを特徴とする電池用Agおよび
Niの複合酸化物粉末;第11に、上記第6〜9のいず
れかに記載の電池用AgおよびNiの複合酸化物粉末で
あって、外観が黒色で色差計で測定した明るさが16以
下であることを特徴とする電池用AgおよびNiの複合
酸化物粉末;第12に、上記第1〜4記載の電池用Ag
およびNiの複合酸化物粉末であって、亜鉛負極に対す
る初期の閉路電圧が1.6〜1.68Vの範囲であるこ
とを特徴とする電池用AgおよびNiの複合酸化物粉
末;第13に、上記第6〜11記載の電池用Agおよび
Niの複合酸化物粉末であって、亜鉛負極に対する初期
の閉路電圧が1.6〜1.68Vの範囲であることを特
徴とする電池用AgおよびNiの複合酸化物粉末;第1
4に、平均価数が一価より高い酸化銀を合成する第1段
階と、価数が主として三価であるニッケル化合物を合成
する第2段階と、該酸化銀と該ニッケル化合物とを反応
させてAgNiO2 の沈澱物を生成する第3段階と、該
沈澱物を分離して350℃以下の温度で乾燥する第4段
階とからなり、かつ前記第1〜第3段階の反応がアルカ
リと酸化剤の共存下で行われることを特徴とする電池用
AgおよびNiの複合酸化物粉末の製造方法;第15
に、上記第1〜13のいずれかに記載の電池用Agおよ
びNiの複合酸化物粉末を陽極材料として含むことを特
徴とする酸化銀電池を提供するものである。
【0017】さらに本発明者らは、AgNiO2が含む
不純物量に注目し、その残留量の上限を求めた。ここで
対象とする不純物は、出発原料である銀とニッケルの塩
類の酸根、酸化剤の酸根、中和剤としての苛性アルカリ
由来のアルカリイオン、酸化剤のアルカリイオンおよび
炭素である。出発原料、中和剤、酸化剤に由来する根イ
オンは、澱物の洗浄に十分な量の精製水を使用すること
によって除去される。不純物間で生成する塩類はいずれ
も水溶性であるため、洗浄操作のみでこれらを除去する
ことが可能である。対象となる元素はCl、S、N、N
aおよびKである。SはSO4 2-、NはNO3-等のイオ
ンとして存在し、炭素は炭酸としてAgNiO2中に含
まれる。本発明に示す製法においては炭酸塩を使用しな
いので、炭酸はAgNiO2合成後の乾燥工程か電池を
組み立てるまでのハンドリング時に大気中から吸収され
るものと推定される。したがって洗浄ではこれを除去で
きないので他の手段が必要であった。炭酸は電解質のN
aOHおよびまたはKOHと反応して電解質の効率を下
げてしまうため結果として電池の容量が低下してしま
う。本発明ではAgNiO2の比表面積を低下させるこ
とによって粉体表面での炭酸の吸着を防止することを考
えた。また、比表面積を低下させるための方法として、
AgNiO2の微粒子間の空隙をAg2Oで充填する、
主として3価であるニッケル水酸化物をオートクレー
ブ処理(加圧熱水処理)して板状に成長させた後に1価
以上の酸化銀と反応させて比表面積の低いAgNiO2
とする、AgNiO2の合成時または合成後にオート
クレーブ処理を行う、ことによって前記第14に示す方
法で製造される粉体の炭酸吸着を抑えることができた。
【0018】すなわち、本発明は第16に、AgNiO
2で示される組成を含む電池用AgおよびNiの複合酸
化物であって、炭素含有量が0.1重量%以下であり、
かつ塩素、硫黄、窒素、アルカリ成分の含有量がそれぞ
れ100重量ppm以下であることを特徴とする電池用
AgおよびNiの複合酸化物粉末;第17に、AgNi
2で示される組成を含む電池用AgおよびNiの複合
酸化物であって、比表面積が30m2/g〜0.1m2
gであり、かつ炭素含有量が0.03重量%以下である
ことを特徴とする電池用AgおよびNiの複合酸化物粉
末;第18に、AgNiO2で示される組成を含む電池
用AgおよびNiの複合酸化物であって、AgNiO2
またはAgNiO2固溶体とAg2Oとからなる複合材料
であり、かつ比表面積が30m2/g〜0.1m2/gで
あることを特徴とする電池用AgおよびNiの複合酸化
物粉末;第19に、第3段階においてAgNiO2の沈
澱物を生成させた後にAg2Oを添加または生成させて
AgをNiに対して過剰にすることを特徴とする上記第
14に記載の電池用AgおよびNiの複合酸化物粉末の
製造方法;第20に、AgNiO2で示される組成を含
む電池用AgおよびNiの複合酸化物であって、加圧熱
処理を行うことによって比表面積を30m2/g〜0.
1m2/gとしたことを特徴とする電池用AgおよびN
iの複合酸化物粉末;第21に、第2段階においてニッ
ケル化合物の合成時または合成後に加圧熱処理を行うこ
とを特徴とする上記第14に記載の電池用AgおよびN
iの複合酸化物粉末の製造方法;第22に、第3段階に
おいてAgNiO2沈澱物の生成時または生成後に加圧
熱処理を行うことを特徴とする上記第14に記載の電池
用AgおよびNiの複合酸化物粉末の製造方法;第23
に、上記第16〜18,20のいずれかに記載の電池用
AgおよびNiの複合酸化物粉末を陽極材料として含む
ことを特徴とする酸化銀電池;第24に、上記第14,
19,21,22のいずれかに記載の方法で得られた電
池用AgおよびNiの複合酸化物粉末を陽極材料として
含むことを特徴とする酸化銀電池を提供するものであ
る。
【0019】
【発明の実施の形態】正極活物質は放電に伴い還元され
る。放電で生じる電気量は還元に要するエネルギーと考
えられる。電気量を高めるには例えばAgNiO3 のよ
うに金属イオンの価数が高くなるような化合物が望まし
いのであるが、物質としてはAgNiO2 の形で安定な
ためその目的を果たせない。したがって二酸化物の結晶
構造において、Niの価数かスピン状態を高く保つかあ
るいはAgを二価に保つことを期待した。そのためにA
gとNiとは共に高い価数の化合物として生成させてか
ら反応させる。反応順序としては、銀酸化物の合成に引
き続いてNi化合物を合成し、その後に銀酸化物とNi
化合物とを撹拌混合しながら反応させる方法をとった。
反応液中には終始水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、
水酸化リチウム等のアルカリとK228 、Na22
8 、NaOCl、KMnO4 等の酸化剤を共存させて
AgとNiの価数を高く保つようにした。
【0020】上記の反応が水溶液反応でありかつ水酸基
含有化合物を経由するので、反応の際に水分が取り込ま
れるものと推定されるが、水分がどのような状態で存在
するのかは不明である。反応性が高ければ水酸基が離脱
して加熱減量は少なくなる。本発明による反応物の風乾
後の水分量は4%弱であるが、電気量を高めるためには
水分がより少ないことが望ましく、更なる水分除去が必
要になる。この水分除去操作は加熱乾燥でよい。ある温
度で乾燥した粉末を100℃に再度加熱したときの減量
成分を4%以下、望ましくは2%以下とする。これは、
減圧雰囲気下で乾燥を行えば100℃以下での乾燥でも
達成可能である。AgNiO2 の場合であっても350
℃を超える温度では銀への還元が予想されるので、還元
温度以下で行なう必要がある。水分を除くための加熱に
よって結晶子が成長するために比表面積が低下してい
く。本法での適切な範囲は水分との関係から100m2
/g以下でかつ、熱分解が著しい360℃乾燥品では
8.6m2 /gであることから10m2 /g以上である
ことが必要である。比表面積はBET法で測定した。
【0021】製法としては、まず第1段階として苛性ア
ルカリと酸化剤の共存液中に硝酸銀を添加し、平均価数
が一よりも大きな酸化銀を得る。全てが二価酸化銀にな
ることが望ましいが、実際には二価酸化銀の含有比率の
高い一価酸化銀と二価酸化銀の混晶が析出した溶液を得
ることが多い。第2段階としては、この混晶存在下の溶
液中に硝酸銀と等モルの硝酸ニッケルを添加する。ここ
で主にニッケルオキシ水酸化物が生成する。この時に酸
化銀の還元と混晶比率の変化は生じない。この段階の終
了pHは10以上であることが望ましい。第3段階で
は、このアルカリ溶液中で酸化銀とNiOOHとが反応
してAgNiO2 を生成する。反応途中での一価酸化銀
の明瞭な増加は見られなかった。第1段階から第3段階
までの反応はアルカリと酸化剤の共存下で行われる。
【0022】沈澱生成物を湿潤撹拌した後、十分洗浄
し、350℃以下の温度で乾燥して黒色粉末を得る。酸
化銀成分の価数が正常な状態であれば粉末の色は黒色で
あるが、加熱処理温度が350℃を超えると低価数成分
の生成により粉末は黒褐色に変色する。これらは金属銀
の生成によるものと考えられ、その場合当然電池容量は
低下する。日本電色工業(株)製測色色差計(Z100
1DD型)にてアルミナを標準試料とすればその明るさ
が96.6である。本法で得られたAgNiO2の35
0℃での乾燥品は16.0、300℃以下での乾燥品は
15未満であった。360℃での乾燥品は16.6であ
り、350℃以下で乾燥したものは明るさが16以下で
あることが望ましい。
【0023】本発明の方法で得た反応生成物は、X線回
折により銀とニッケルの複合酸化物AgNiO2 である
ことが確認された。実施例で得られたX線回折ピーク
(CuKα)の代表例を図1に示す。同図に見られるよ
うに、本発明の方法で得られた生成物のX線回折ピーク
は文献に例示されているものよりもブロードな形状とな
る。例えば2θ=29°付近に見られる(006)面の
ピークにおける半価巾は1.0〜1.6°であった。文
献で示される方法で試作したものは半価巾が0.5°未
満であった[Journal of Solid State Chemistry 107, 3
03-313 (1993), Y.J.SHIN 他 "Influence of the Prepa
ration Method and Doping on the Magnetic and Elect
rical Properties of AgNiO2"]。これは結晶子が成長し
ていることを示すがAg化合物とNi化合物とが適切か
つ十分に反応させた結果としては、半価巾は1〜1.6
°の範囲であることが望ましい。
【0024】風乾物と各温度で加熱乾燥処理した粉末を
カールフィッシャー水分計にて水分測定し、加熱減量が
水分であることを確認した。電池特性は次のような方法
で評価した(図2)。
【0025】実施例で得られた粉末を5トン/cm2
圧力で成形し直径11mm、厚み0.9mmのペレット
を作製し、これを正極材1として正極缶2に入れる。セ
ロハンと綿不織布からなるセパレーター3を正極材1の
上に置く。亜鉛アマルガムと微量のアクリル酸系のゲル
化剤とKOH液とを混合して負極剤5とした。負極剤5
を負極缶6に充填し、正極缶2とはナイロンガスケット
4を介してかしめ機によって結合した。正極缶2にはス
テンレスにニッケルメッキをしたものを用い、負極缶6
には外側がニッケル、内側が銅、中間がステンレスであ
るような複合材を用いた。電池の大きさは、直径が1
1.6mm、高さが約3mmである。これは公称容量8
0mAhの一酸化銀電池に近似する。容量は15kΩの
抵抗を用いて放電させて測定した。終了電圧は1.2V
とした。
【0026】本発明で得られた複合酸化物は初期の閉路
電圧が1.6〜1.68Vの範囲であった。従来技術で
作成されたAgNO2 は1.6V未満の初期電圧しか示
さないことから本発明品の方が、エネルギー的に高い化
合物であり、より高い電池容量を示すことがわかる。炭
素、S、Cl、N、Na、Kが多過ぎれば電解液の活性
が低下したり化学平衡が変化してしまうため利用率が低
下し電池容量が減少してしまう。炭素の量は0.1wt
%以下、S、Cl、N、Na、Kが各々100ppm以
下であることが望ましい。
【0027】(比表面積が100〜10m2/gのAg
NiO2の場合)前記第14の製造方法に従えば、1価
以上の酸化銀を合成し、酸化銀とニッケル化合物とを反
応させてAgNiO2の沈澱物を生成する。この沈澱物
を分離した後に精製水にて澱物をろ過洗浄するのである
が、洗浄に用いる精製水量によって不純物の量が変化す
る。すなわち精製水量が多ければ不純物の量が少なくな
る。炭酸については洗浄後までほぼ一定量であるが、乾
燥後に大きく変化する。風乾時の炭酸量の増加は熱乾燥
時のそれよりも多くなる。その詳細を以下の実施例7に
例示する。
【0028】(比表面積が30〜0.1m2/gのAg
NiO2の場合)比表面積 効率を90%以上に保ち、
且つ大気中で作業できる時間を十分に確保するには30
2 /g以下とする必要がある。
【0029】本発明で0.1m2 /g未満とすることは
困難であった。その時に炭素量含量としては0.03w
t%以下とすることが望ましい。 (1) 前記第14の製造方法に従えば、1価以上の酸
化銀を合成し、3価のニッケル化合物を合成し、酸化銀
とニッケル化合物とを反応させてAgNiO2の沈澱物
を生成させる。その後にさらに酸化銀を合成してAgN
iO2と酸化銀との複合相からなる澱物とし、澱物を精
製水によって洗浄する。不純物の量は比表面積が100
〜10m2/gの場合と同様であり、炭酸量も同様であ
る。異なっているのは、複合材とすることによって比表
面積が低下し、比表面積の低下に従って炭酸量の乾燥後
の増加は少なくなる。その詳細を以下の実施例8に例示
する。 (2) (1)と同様にAgNiO2の澱物を生成し、
同時またはその後にオートクレーブ処理する。酸化銀は
イオンの溶解度が高いが、Ni水酸化物は溶解度が低
く、室温付近でのAgNiO2の成長が困難なため、加
圧熱水処理を行うことによって溶解度を高める必要があ
った。溶解度を高めて温度、圧力を制御することによっ
てAgNiO2が成長し、結果として比表面積が低下す
る。その詳細を以下の実施例9に例示する。 (3) (2)と同様の理由により、予めNi水酸化物
を加圧熱水処理によって板状に成長させた後に酸化銀と
反応させて比表面積を低下させる。その詳細を以下の実
施例10に例示する。
【0030】比表面積と炭素含有量との関係についても
以下に示す。
【0031】
【実施例1】1モルのK2 2 8 を含む濃度10モル
/lのNaOH溶液1.0lに濃度1モル/lの硝酸銀
溶液を200cc添加し、10分間撹拌保持した。その
後同様に撹拌しながら濃度1モル/lの硝酸ニッケル溶
液200ccを添加した。この酸化銀とニッケル化合物
を含む液を40℃で10時間温調撹拌した後、生成沈澱
物を溶液から分離し、十分洗浄して35℃で風乾した。
更に300℃以下の温度で加熱乾燥して黒色粉末を得
た。70℃で加熱乾燥したものについてのX線回折図を
図1に示す。加熱減量は、100℃で3時間加熱保持し
加熱前後の重量変化を加熱前の重量に対する比率として
求めた。
【0032】加熱減量=(W0 −W1 )/W0 、W0
加熱前重量、W1 :加熱後重量その結果を表1に示す。
【0033】
【表1】 これに対し、前記(IV)の従来法で合成し80℃で加熱
乾燥した粉末の水分は4.10%であり、放電特性は7
2mAhであり安定しなかった。
【0034】50〜300℃で加熱処理した粉末の水分
は4%以下であり、200℃前後で電池容量は最大とな
った。これは200℃以上では酸化銀成分の還元が生
じ、温度が上がるにつれてその量が増し、これに反比例
して電気的なエネルギー量が減少することによる。
【0035】360℃で加熱処理した粉末の水分は0.
63%であるが、粉末は黒褐色に変色し、AgとNiO
の発生が見られた。したがって電池容量は62mAhと
低かった。またAg/Ni組成比の変動による電池容量
の変化を確認するために±3%(原子数換算によるAg
/Ni=1/1±0.03)の組成幅にて同様に試験し
たところ特性が1/1の比率における容量と同等であっ
た。
【0036】
【実施例2】実施例1と同じ条件で得た澱物を風乾した
後、減圧下で加熱乾燥した。この場合も本発明の方法で
得られた粉末は、表2に見られるように高い電池容量を
示した。
【0037】
【表2】 減圧下では280℃以上で変色が見られた。したがって
300℃乾燥品は加熱減量が0.51%であっても電池
容量は59mAhと低い値を示した。
【0038】
【実施例3】3モルのNaOClを含む濃度10モル/
lのKOH溶液1.0lに濃度1モル/lの硝酸銀溶液
を200cc添加し、10分間撹拌保持した。その後同
様に撹拌しながら濃度1モル/lの硝酸ニッケル溶液2
00ccを添加した。この酸化銀とニッケルを含む液を
50℃で8時間温調撹拌した後、生成沈澱物を溶液から
分離し、十分洗浄して35℃で風乾した。更に300℃
以下の温度で加熱乾燥して黒色粉末を得た。得られた粉
末の加熱減量と電池容量を表3に示す。
【0039】
【表3】
【0040】
【実施例4】3モルのKMnO4 を含む濃度7モル/l
のNaOH溶液1.0lに濃度1モル/lの硝酸銀溶液
を200cc添加し、10分間撹拌保持した。その後同
様に撹拌しながら濃度1モル/lの硝酸ニッケル溶液2
00ccを添加した。この酸化銀とニッケル化合物を含
む液を70℃で24時間温調撹拌した後、生成沈澱物を
溶液から分離し、十分洗浄して35℃で風乾した。更に
300℃以下の温度で加熱乾燥して黒色粉末を得た。得
られた粉末の加熱減量と電池容量を表4に示す。
【0041】
【表4】
【0042】
【実施例5】この複合酸化物は極めて低い比抵抗を示す
ので、これを酸化銀に混ぜて導電剤兼陽極活物質として
使用することができる。実施例1において100℃で乾
燥させた粉末20重量%と一価の酸化銀80重量%とを
混合して他の実施例と同様に電池容量を測定し、96m
Ahの値を得た。加熱減量は酸化銀との総計で2.95
%であった。すなわち、酸化銀電池の陽極活物質の酸化
銀粉末に電池容量を損なうことなく導電性を付与するた
めにAgNiO2 を混合して使用することもできた。
【0043】導電剤として炭素を用いる場合や濡れ性の
改良を図るための二酸化マンガンを添加した場合にも同
様にAgNiO2 を混合使用できる。
【0044】
【実施例6】実施例1と同様にして合成した殿物を溶液
から分離し、十分洗浄して風乾をせず加熱乾燥した。そ
の結果を表5に示す。
【0045】
【表5】 風乾をしなくとも実施例1と同様の結果が得られた。
【0046】実施例1および3で合成した殿物を酸素中
で、加熱乾燥した。その結果を表6に示す。
【0047】
【表6】
【0048】
【実施例7】実施例1と同様の条件で合成した澱物を固
液分離した後、炭酸を除いた雰囲気中で洗浄、乾燥して
乾燥澱物のサンプルを作り、その後サンプルを大気中に
所定時間保持した。保持時間に対する炭素量の増加を図
3に示す。澱物中の炭素は大気中の炭酸に由来するもの
と考えれば、吸着される炭酸の量は時間が長くなるにつ
れ、比表面積値が高くなるにつれて増大して行く。脱炭
酸操作なしでは、比表面積が100m2/gを超えれば
大気中のハンドリングは1時間以内に行う必要があるこ
とを同図は示している。サンプルの炭素量(炭酸量)と
放電効率(放電容量/理論容量)を図4に示す。一般に
不純物に起因すると考えられる長期保存または高温保存
試験による効率低下は20〜25%であり、これよりも
効率低下を抑えるためには、炭素量を0.1wt%以下
にする必要がある。
【0049】炭素量を0.05〜0.06wt%に調整
し、S、Cl、N、Na、Kの量を洗浄条件で変化させ
た場合の効率を表7に示す。変化させた洗浄条件は洗浄
水量であり、水量が増せば残留量を低減できることが分
かる。但し、洗浄水量は澱物乾燥後の粉体1kgに対す
る容積で示した。また洗浄用の精製水はイオン交換樹脂
を通液するなどして抵抗率1MΩ以上までイオン除去さ
れたものを用いた。
【0050】
【表7】 炭素が0.1wt%以下でも不純物が100重量ppm
より多い場合は効率を低下させてしまう。炭素、S、C
l、N、Na、Kが多過ぎれば電解液の活性が低下した
り化学平衡が変化してしまうため利用率が低下し電池容
量が減少してしまう。炭素の量は0.1wt%以下、
S、Cl、N、Na、Kが各々100重量ppm以下で
あることが望ましい。
【0051】
【実施例8】二つの方法で複合酸化物を作成した。すな
わち、実施例1に示す製法と同様の条件でAgNiO2
の澱物を合成する方法(方法I)としては、第1段階で
原子数換算によるAg/Ni比を1以上としてAg過
剰としておき、澱物を生成した後に加温およびまたはp
Hを弱アルカリに調整して澱物を熟成する。別法(方法
II)としては、第3段階のAgNiO2合成時または合
成後にAg過剰とするため酸化銀または酸化銀となる原
料を加える。pHは弱アルカリ〜強アルカリ域とする。
いずれの場合も原子数換算によるAg/Ni比が1.1
まではAgNiO2の結晶構造の固溶体であり、この場
合には比表面積を低下させることが困難であり、原子数
換算によるAg/Ni比が1.1より大きくなるにつれ
て酸化銀とAgNiO2 の複相からなる澱物となる。原
子数換算によるAg/Ni比が大きくなるにつれて比表
面積は低下する。但し、比表面積を1m2/g以下とす
ることは困難であった。乾燥はCaOでCO2を吸着除
去した空気を用いて行った。CO2吸着量を比較するた
め5時間の大気暴露テストを行い変化を比較した。
【0052】
【表8】 但し、Cl、S、N、Na、Kは各々100重量ppm
以下であった。
【0053】
【実施例9】実施例1と同様にAgNiO2を合成した
が、酸化銀とニッケル化合物を反応させてAgNiO2
の沈澱物を生成する段階では加圧熱水処理を行った。い
ったんAgNiO2を合成し粉末とした後で加圧熱水処
理を行ってもよい。実施例8と同様に原子数換算による
Ag/Ni比が1以上であってもよい。洗浄は乾燥Ag
NiO2 1kg当たり30 lの精製水で行い、乾燥は
150℃で、大気中で行った。
【0054】
【表9】 但し、Cl、S、N、Na、Kは各々100重量ppm
以下であった。
【0055】実施例中の暴露試験でC量が0.03wt
%を超える場合、実際の電池への組み込みまでに要する
時間を短くすることで、容量を保つことはできる。
【0056】本発明の実施例で電池容量測定に用いたコ
イン缶では正極合材の占める容積はほぼ一定である。
【0057】本発明に用いた活物質はピクノメーターに
よって真比重を測定した。酸化銀の真比重は7であり、
231×7=1617mAh/ccAgNiO
2の真比重は5.5であり、263×5.5=144
6.5mAh/ccに比例する容量となる。しかしなが
ら、以下に示す理由により、容量は計算通りとはならな
い。
【0058】活物質の充てん量は成形性(相対密度)に
よって変化する。また、比表面積の影響を受け、比表面
積が低ければ成形密度が高くなって充填量が増えて、電
池容量は高くなる。
【0059】15kΩでの放電であり、酸化銀の100
%の放電効率は得られない。
【0060】また、酸化銀には黒鉛を5%添加するた
め、15%程活物質の充てん量は減少してしまう。
【0061】
【実施例10】主に3価であるニッケル水酸化物は、加
圧熱水処理によって比表面積を低下させることができ
る。その時に得られる形状が薄い板状であるためAgを
拡散させてAgNiO2とすることができる。したがっ
て第2段階として加圧熱水処理してニッケル水酸化物を
合成して、これを1価以上の銀化合物の液と合わせる。
加圧熱水処理しない場合にはニッケル水酸化物が凝集
し、Agイオンを拡散させられず、AgNiO2化合物
とすることができないため、合成順序が重要であった
が、加圧熱水処理ニッケル水酸化物を用いる場合は、銀
化合物の合成液にニッケル水酸化物を投入してもよい
し、ニッケル水酸化物に銀化合物の合成液を投入しても
よい。両者を同時に別の容器に投入してもよい。加温は
反応を促進する。原子数換算によるAg/Ni比は1以
上であってもよい。
【0062】
【表10】 但し、Cl、S、N、アルカリは各々100重量ppm
以下であった。
【0063】実施例8、9、10に示すように、本発明
の製法によって比表面積を30〜0.1m2/gとする
ことによって大気中の作業であってもCO2の吸着が少
なく0.03wt%以下にできまた大気中の作業時間が
十分に確保できる。
【0064】
【発明の効果】本発明の複合酸化物粉末を陽極材料とし
て使用することにより、高い電池容量を安定して発現で
きる酸化銀電池を提供することができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明法で得られた反応生成物のX線回折図で
ある。
【図2】電池特性の評価方法を示す電池の断面図であ
る。
【図3】実施例7における乾燥澱物サンプルの大気中保
持時間と炭素量との関係を示す図である。
【図4】実施例7における乾燥澱物サンプルの炭素量と
該サンプルを正極材料とした電池の放電効率との関係を
示す図である。
【符号の説明】
1 正極材 2 正極缶 3 セパレーター 4 ガスケット 5 負極剤 6 負極缶
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 伊藤 有一 東京都千代田区丸の内1丁目8番2号 同 和鉱業株式会社内

Claims (24)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 AgNiO2 で示される組成を含む電池
    用AgおよびNiの複合酸化物粉末であって、100℃
    における加熱重量減少が4%以下であることを特徴とす
    る電池用AgおよびNiの複合酸化物粉末。
  2. 【請求項2】 AgNiO2 で示される組成を含む電池
    用AgおよびNiの複合酸化物粉末であって、比表面積
    が10〜100m2 /gであることを特徴とする電池用
    AgおよびNiの複合酸化物粉末。
  3. 【請求項3】 AgNiO2 で示される組成を含む電池
    用AgおよびNiの複合酸化物粉末であって、X線回折
    ピークの(006)面のピークにおける半価幅が1〜
    1.6°であることを特徴とする電池用AgおよびNi
    の複合酸化物粉末。
  4. 【請求項4】 AgNiO2 で示される組成を含む電池
    用AgおよびNiの複合酸化物粉末であって、外観が黒
    色で色差計で測定した明るさが16以下であることを特
    徴とする電池用AgおよびNiの複合酸化物粉末。
  5. 【請求項5】 AgNiO2 で示される組成を含む電池
    用AgおよびNiの複合酸化物粉末であって、亜鉛負極
    に対する初期の閉路電圧が1.6〜1.68Vの範囲で
    あることを特徴とする電池用AgおよびNiの複合酸化
    物粉末。
  6. 【請求項6】 AgNiO2 で示される組成を含む電池
    用AgおよびNiの複合酸化物粉末であって、100℃
    における加熱重量減少が4%以下であり、かつ比表面積
    が10〜100m2 /gであることを特徴とする電池用
    AgおよびNiの複合酸化物粉末。
  7. 【請求項7】 AgNiO2 で示される組成を含む電池
    用AgおよびNiの複合酸化物粉末であって、100℃
    における加熱重量減少が4%以下であり、かつX線回折
    ピークの(006)面のピークにおける半価幅が1〜
    1.6°であることを特徴とする電池用AgおよびNi
    の複合酸化物粉末。
  8. 【請求項8】 AgNiO2 で示される組成を含む電池
    用AgおよびNiの複合酸化物粉末であって、比表面積
    が10〜100m2 /gであり、かつX線回折ピークの
    (006)面のピークにおける半価幅が1〜1.6°で
    あることを特徴とする電池用AgおよびNiの複合酸化
    物粉末。
  9. 【請求項9】 AgNiO2 で示される組成を含む電池
    用AgおよびNiの複合酸化物粉末であって、100℃
    における加熱重量減少が4%以下であり、比表面積が1
    0〜100m2 /gであり、かつX線回折ピークの(0
    06)面のピークにおける半価幅が1〜1.6°である
    ことを特徴とする電池用AgおよびNiの複合酸化物粉
    末。
  10. 【請求項10】 請求項1〜3のいずれかに記載の電池
    用AgおよびNiの複合酸化物粉末であって、外観が黒
    色で色差計で測定した明るさが16以下であることを特
    徴とする電池用AgおよびNiの複合酸化物粉末。
  11. 【請求項11】 請求項6〜9のいずれかに記載の電池
    用AgおよびNiの複合酸化物粉末であって、外観が黒
    色で色差計で測定した明るさが16以下であることを特
    徴とする電池用AgおよびNiの複合酸化物粉末。
  12. 【請求項12】 請求項1〜4記載の電池用Agおよび
    Niの複合酸化物粉末であって、亜鉛負極に対する初期
    の閉路電圧が1.6〜1.68Vの範囲であることを特
    徴とする電池用AgおよびNiの複合酸化物粉末。
  13. 【請求項13】 請求項6〜11記載の電池用Agおよ
    びNiの複合酸化物粉末であって、亜鉛負極に対する初
    期の閉路電圧が1.6〜1.68Vの範囲であることを
    特徴とする電池用AgおよびNiの複合酸化物粉末。
  14. 【請求項14】 平均価数が一価より高い酸化銀を合成
    する第1段階と、価数が主として三価であるニッケル化
    合物を合成する第2段階と、該酸化銀と該ニッケル化合
    物とを反応させてAgNiO2 の沈澱物を生成する第3
    段階と、該沈澱物を分離して350℃以下の温度で乾燥
    する第4段階とからなり、かつ前記第1〜第3段階の反
    応がアルカリと酸化剤の共存下で行われることを特徴と
    する電池用AgおよびNiの複合酸化物粉末の製造方
    法。
  15. 【請求項15】 請求項1〜13のいずれかに記載の電
    池用AgおよびNiの複合酸化物粉末を陽極材料として
    含むことを特徴とする酸化銀電池。
  16. 【請求項16】 AgNiO2 で示される組成を含む電
    池用AgおよびNiの複合酸化物であって、炭素含有量
    が0.1重量%以下であり、かつ塩素、硫黄、窒素、ア
    ルカリ成分の含有量がそれぞれ100重量ppm以下で
    あることを特徴とする電池用AgおよびNiの複合酸化
    物粉末。
  17. 【請求項17】 AgNiO2 で示される組成を含む電
    池用AgおよびNiの複合酸化物であって、比表面積が
    30m2/g〜0.1m2/gであり、かつ炭素含有量が
    0.03重量%以下であることを特徴とする電池用Ag
    およびNiの複合酸化物粉末。
  18. 【請求項18】 AgNiO2で示される組成を含む電
    池用AgおよびNiの複合酸化物であって、AgNiO
    2またはAgNiO2固溶体とAg2Oとからなる複合材
    料であり、かつ比表面積が30m2/g〜0.1m2/g
    であることを特徴とする電池用AgおよびNiの複合酸
    化物粉末。
  19. 【請求項19】 第3段階においてAgNiO2の沈澱
    物を生成させた後に酸化銀を添加または生成させてAg
    をNiに対して過剰にすることを特徴とする請求項14
    記載の電池用AgおよびNiの複合酸化物粉末の製造方
    法。
  20. 【請求項20】 AgNiO2で示される組成を含む電
    池用AgおよびNiの複合酸化物であって、加圧熱処理
    を行うことによって比表面積を30m2/g〜0.1m2
    /gとしたことを特徴とする電池用AgおよびNiの複
    合酸化物粉末。
  21. 【請求項21】 第2段階においてニッケル化合物の合
    成時または合成後に加圧熱処理を行うことを特徴とする
    請求項14に記載の電池用AgおよびNiの複合酸化物
    粉末の製造方法。
  22. 【請求項22】 第3段階においてAgNiO2沈澱物
    の生成時または生成後に加圧熱処理を行うことを特徴と
    する請求項14に記載の電池用AgおよびNiの複合酸
    化物粉末の製造方法。
  23. 【請求項23】 請求項16〜18,20のいずれかに
    記載の電池用AgおよびNiの複合酸化物粉末を陽極材
    料として含むことを特徴とする酸化銀電池。
  24. 【請求項24】 請求項14,19,21,22のいず
    れかに記載の方法で得られた電池用AgおよびNiの複
    合酸化物粉末を陽極材料として含むことを特徴とする酸
    化銀電池。
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