JPH10184851A - デファレンシャル装置 - Google Patents

デファレンシャル装置

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Publication number
JPH10184851A
JPH10184851A JP35131696A JP35131696A JPH10184851A JP H10184851 A JPH10184851 A JP H10184851A JP 35131696 A JP35131696 A JP 35131696A JP 35131696 A JP35131696 A JP 35131696A JP H10184851 A JPH10184851 A JP H10184851A
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JP
Japan
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washer
differential
gear
gears
differential device
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Application number
JP35131696A
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English (en)
Inventor
Satoshi Aiba
智 相場
Kenji Hiraishi
賢司 平石
Noriyuki Sudo
則幸 須藤
Masahiko Asahi
雅彦 朝日
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
GKN Driveline Japan Ltd
Original Assignee
Tochigi Fuji Sangyo KK
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 安定したトルク感応型差動制限力とイニシャ
ルトルクとを得る。 【解決手段】 エンジンによって回転駆動されるデフケ
−ス3と、出力側ヘリカルサイドギヤ15、17と、ギ
ヤ15、17を連結する少なくとも一対のヘリカルピニ
オンギヤ51、53と、各ギヤ51、53を摺動回転自
在に収容する収容孔47、49と、ギヤ15、17の間
に配置されたイニシャルトルク付与手段35とを備え、
付与手段35が、サイドギヤ17に移動自在に係合した
ワッシャ37と、サイドギヤ17上に配置されワッシャ
37をサイドギヤ15に押圧し摩擦抵抗によってイニシ
ャルトルクを与えるばね部材39とからなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、車両のデファレ
ンシャル装置に関する。
【0002】
【従来の技術】特開平8−4879号公報に図13と図
14のようなデファレンシャル装置301が記載されて
いる。
【0003】このデファレンシャル装置301は、デフ
ケ−ス303、出力側のヘリカルサイドギヤ305、3
07、これらの径方向外側に配置されたヘリカルピニオ
ンギヤ309、309からなる複数のピニオンギヤ組な
どを備えている。
【0004】各ピニオンギヤ309は歯幅の広いギヤ部
311と歯幅の狭いギヤ部313とこれらを連結する小
径の軸部315とからなり、デフケ−ス303の収容孔
317にそれぞれ摺動回転自在に収容されている。一方
のピニオンギヤ309は、図13のように、左側に配置
された歯幅の広いギヤ部311で左のサイドギヤ305
と噛み合い、他方のピニオンギヤ309は右側に配置さ
れた歯幅の広いギヤ部311で右のサイドギヤ307と
噛み合っている。又、それぞれの歯幅の狭いギヤ部31
3は互いに相手側の歯幅の広いギヤ部311の端部側と
噛み合っており、こうして、両サイドギヤ305、30
7は各ピニオンギヤ組を介して連結されている。
【0005】サイドギヤ305、307はそれぞれの車
輪側駆動軸にスプライン連結されている。サイドギヤ3
05、307の間にはスラストワッシャ319が配置さ
れており、デフケ−ス303とサイドギヤ305、30
7との間にはスラストワッシャ321と皿ばね323と
がそれぞれ配置されている。皿ばね323はワッシャ3
21をサイドギヤ305、307に押し付け、更に、ワ
ッシャ319を介しサイドギヤ305、307を互いに
押し付けて、各摩擦面に生じる摩擦抵抗により一定のイ
ニシャルトルク(差動制限トルク)を与えている。
【0006】又、図14は上記公報に記載された他のデ
ファレンシャル装置325を示している。この場合、サ
イドギヤ305、307の間に皿ばね327を挟んだワ
ッシャ329、329が配置され、各サイドギヤ30
5、307とデフケ−ス303との間にワッシャ331
が配置されている。皿ばね327はワッシャ329をサ
イドギヤ305、307に押し付け、更に、ワッシャ3
31を介しサイドギヤ305、307をデフケ−ス30
3に押し付けて、各摩擦面に生じる摩擦抵抗により一定
のイニシャルトルクを与えている。
【0007】デフケ−ス303を回転させるエンジンの
駆動力は、各ピニオンギヤ組からサイドギヤ305、3
07を介して車輪側に伝達され、悪路などで車輪間に駆
動抵抗差が生じると、エンジンの駆動力は各ピニオンギ
ヤ309の自転によって各車輪に差動分配される。
【0008】このとき、噛み合い反力によってピニオン
ギヤ309と収容孔317との間に生じる摩擦抵抗と、
ヘリカルギヤの噛み合いスラスト力によって生じる各ギ
ヤ305、307、309の端面で生じる摩擦抵抗によ
り、トルク感応型の差動制限力が得られる。
【0009】又、このトルク感応型の差動制限力は車輪
が空転し伝達トルクが低下すると、それに伴って小さく
なるから、トルク感応型差動制限力だけでは悪路などで
の車両の脱出性や走破性などが不足するが、上記のよう
に、各皿ばね323、327により常時得られる一定の
イニシャルトルクによってこのような脱出性や走破性な
どが大きく改善される。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】上記のように、サイド
ギヤ305、307をデフケ−ス303の収容孔317
に収容されたピニオンギヤ組で連結したデファレンシャ
ル装置301、325では、差動装置の基本的な構成だ
けでトルク感応型の差動制限機能が得られ、その差動制
限力は、多板クラッチのような差動制限装置を用いずに
得られる差動制限力としては充分に大きい。
【0011】しかし、各ギヤ305、307、309の
端面や歯先などの摩擦で得られる摩擦抵抗(差動制限
力)は不安定な面もあり、その上他に差動制限装置を用
いないから、摩擦抵抗の変動が差動制限特性に与える影
響は大きい。
【0012】そこで、皿ばね323、327はイニシャ
ルトルクを発生させるだけでなく、サイドギヤ305、
307の端面を押圧することによってトルク感応型の差
動制限特性を安定させている。
【0013】ところが、デファレンシャル装置301、
325において、皿ばね323は相対回転するデフケ−
ス303とワッシャ321との間に摺動可能に配置さ
れ、皿ばね327は相対回転するワッシャ329、32
9の間に摺動可能に配置されているから、いずれも両側
の部材との摺動によって摩耗する。
【0014】更に、皿ばね323、327の場合は端部
が線接触して摺動するから摩耗が大きくなり易い。
【0015】皿ばね323、327が摩耗すると、一定
であるべきイニシャルトルクがばね力の低下によって弱
くなり、車両の脱出性や走破性などを充分に改善するこ
とができなくなると共に、イニシャルトルクによるトル
ク感応型差動制限機能の安定化効果も低下する。
【0016】そこで、この発明は、安定したトルク感応
型差動制限力とイニシャルトルクとが得られるデファレ
ンシャル装置の提供を目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】請求項1のデファレンシ
ャル装置は、エンジンの駆動力によって回転駆動される
デフケ−スと、デフケ−スの内部で回転自在に支承さ
れ、それぞれが出力軸に連結された一対の出力側ヘリカ
ルサイドギヤと、これらサイドギヤと各別に噛み合う第
1ギヤ部及び互いに噛み合う第2ギヤ部を有する少なく
とも一対のヘリカルピニオンギヤと、デフケ−スに形成
され各ピニオンギヤを摺動回転自在に収容する収容孔
と、両サイドギヤの間、又はサイドギヤとデフケ−スと
の間に配置されたイニシャルトルク付与手段とを備え、
前記イニシャルトルク付与手段が、サイドギヤ又はデフ
ケ−スに移動自在に係合したワッシャと、ワッシャが係
合した部材上に配置されワッシャを相手側部材に押圧し
摩擦抵抗によってイニシャルトルクを与えるばね部材と
からなることを特徴とする。
【0018】デフケ−スを回転させるエンジンの駆動力
は、上記のように、ピニオンギヤ組からサイドギヤを介
して車輪側に伝達されると共に、悪路などで車輪間に駆
動抵抗差が生じると、エンジンの駆動力はピニオンギヤ
の自転によって各車輪に差動分配される。
【0019】又、噛み合い反力によってピニオンギヤと
収容孔との間に生じる摩擦抵抗と、ヘリカルギヤの噛み
合いスラスト力によって各ギヤの端面で生じる摩擦抵抗
とによりトルク感応型の差動制限力が得られる。
【0020】更に、イニシャルトルク付与手段のばね部
材によってワッシャが相手側部材に押圧され、摩擦抵抗
が生じてイニシャルトルクが得られる。
【0021】このイニシャルトルクによって、トルク感
応型の差動制限力だけでは不足する悪路などでの車両の
脱出性や走破性などが大きく改善されると共に、ばね部
材の押圧力によってサイドギヤ端面の摩擦抵抗が安定
し、トルク感応型の差動制限機能が安定する。
【0022】又、両ヘリカルサイドギヤの捩じれ角を互
いに反対方向にすれば、車両の前進時と後進時(又は、
前進しながらエンジンブレ−キを掛けた時)とで全体の
差動制限力の大きさを変えることが可能であり、前進時
と後進時の両方で優れた走行安定性や操縦性などが得ら
れる。
【0023】これに加えて、請求項1のデファレンシャ
ル装置では、イニシャルトルク付与手段のワッシャをサ
イドギヤ又はデフケ−ス上に移動自在に係合すると共
に、ばね部材をワッシャが係合した部材とこのワッシャ
との間に配置した。
【0024】このように、ばね部材は一体回転する部材
間に配置されているから、従来例と異なって、差動回転
による摩耗から解放され、イニシャルトルクの変動が防
止されると共に、トルク感応型差動制限力を安定させる
機能の変動も防止される。
【0025】又、ワッシャを熱容量の大きいサイドギヤ
やデフケ−スに係合させたことによって摩擦面で発生す
る熱が効果的に放散され、焼き付きが防止されて差動制
限機能が安定する。
【0026】こうして、安定したトルク感応型差動制限
力とイニシャルトルクとが得られる。
【0027】請求項2のデファレンシャル装置は、請求
項1記載のデファレンシャル装置であって、ピニオンギ
ヤの第2ギヤ部が、両サイドギヤの軸方向外側に配置さ
れていることを特徴とし、請求項1の構成と同等の効果
を得る。
【0028】これに加えて、請求項2の構成では、ピニ
オンギヤの第2ギヤ部が両サイドギヤの軸方向外側に配
置されているから、両サイドギヤの対向端部が近接して
いる。
【0029】従って、イニシャルトルク付与手段を、デ
フケ−スとサイドギヤとの間だけでなく、請求項3の構
成のように両サイドギヤの間に配置することが容易にな
る。
【0030】請求項3のデファレンシャル装置は、請求
項1又は請求項2記載のデファレンシャル装置であっ
て、イニシャルトルク付与手段が、サイドギヤ間に配置
されていることを特徴とし、請求項1又は請求項2の構
成と同等の効果を得る。
【0031】これに加えてイニシャルトルク付与手段が
デフケースの回転軸方向中心部に配置されるこのタイプ
では摩擦熱のこもりが大きいので、ばね部材を回転させ
ずにワッシャをデフケース側に係合させれば熱の放散が
効果的に行える。
【0032】請求項4のデファレンシャル装置は、請求
項3記載のデファレンシャル装置であって、両サイドギ
ヤが一方に形成された凹部と他方に形成された凸部との
係合によって互いを支持すると共に、ワッシャが、前記
凸部に設けられた係合部に係合し、このサイドギヤ上に
配置されたばね部材によって相手側サイドギヤに押圧さ
れることを特徴とし、請求項3の構成と同等の効果を得
る。
【0033】これに加えて、サイドギヤの凸部に係合部
を形成したことにより、遠心力によってオイルがこの係
合部を通りワッシャと相手側サイドギヤとの摺動面に供
給されるから、焼き付きが防止され、差動制限特性が更
に安定する。
【0034】請求項5のデファレンシャル装置は、請求
項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の発明であっ
て、ワッシャが、係合部を介してサイドギヤのギヤ部に
係合し、このサイドギヤ上に配置されたばね部材によっ
て相手側部材に押圧されることを特徴とし、請求項1乃
至請求項3のいずれかと同等の効果を得る。
【0035】これに加えて、例えば、イニシャルトルク
付与手段を両サイドギヤ間に配置する構成では、ワッシ
ャをサイドギヤのギヤ部に係合させたことによって、サ
イドギヤ側にワッシャ用の係合部を特別に設ける必要が
なくなり、それだけ低コストに構成できる。
【0036】又、両サイドギヤが互いの凹部と凸部との
係合によって支持し合う構成では、サイドギヤの凸部に
ワッシャを係合させるための凹凸が形成されないから、
凹部と凸部とによる両サイドギヤの支持性が向上する。
【0037】請求項6のデファレンシャル装置は、請求
項3記載のデファレンシャル装置であって、ばね部材の
両側にワッシャを配置すると共に、両ワッシャとデフケ
−スの一方に形成された凸部と他方に形成された凹部と
の係合によってワッシャをデフケ−スに連結させたこと
を特徴とし、例えば、ワッシャに形成した凸部をデフケ
−スに形成した凹部に係合させることにより、請求項3
の構成と同等の効果を得る。
【0038】これに加えて、ばね部材の両側にワッシャ
を配置したことにより、各ワッシャとサイドギヤとの2
面で摺動摩擦抵抗が得られ、それだけイニシャルトルク
を大きくすることができる。
【0039】又、例えば、デフケ−ス側にワッシャを係
合させる凹部を設け、この凹部をピニオンギヤの収容孔
に連通させれば、この収容孔へのオイル供給効率が向上
し、トルク感応型差動制限機能が更に安定する。
【0040】請求項7のデファレンシャル装置は、請求
項3記載のデファレンシャル装置であって、ばね部材の
両側にワッシャを配置すると共に、両ワッシャに形成さ
れた凸部を隣り合ったピニオンギヤの間に差し込むか、
又は、両ワッシャに形成された凹部をピニオンギヤに係
合させることによってワッシャをデフケ−ス側に連結さ
せたことを特徴とし、請求項3の構成と同等の効果を得
る。
【0041】これに加えて、ワッシャとの係合にピニオ
ンギヤを利用したから、デフケ−スにワッシャとの係合
部を設ける必要がなく、それだけ低コストに構成でき
る。
【0042】又、ワッシャの凸部を隣り合ったピニオン
ギヤの間に差し込む構成では、ワッシャの摺動面を大径
にし摺動面積を広くして、それだけイニシャルトルクを
大きくすることができる。
【0043】請求項8のデファレンシャル装置は、請求
項1乃至請求項7のいずれか一項に記載のデファレンシ
ャル装置であって、ワッシャにばね力を持った屈曲片を
設けることによりワッシャとばね部材とを一体にしたこ
とを特徴とし、請求項1乃至請求項7のいずれかと同等
の効果を得る。
【0044】これに加えて、ワッシャにばね力を持った
屈曲片を設けてワッシャとばね部材とを一体にしたこと
により、ばね部材を削減することができ、部品点数とコ
ストをそれだけ低減できる。
【0045】請求項9のデファレンシャル装置は、エン
ジンの駆動力によって回転駆動されるデフケ−スと、デ
フケ−スの内部で回転自在に支承され、それぞれが出力
軸に連結された一対の出力側ヘリカルサイドギヤと、こ
れらサイドギヤと各別に噛み合う第1ギヤ部及び互いに
噛み合う第2ギヤ部を有する少なくとも一対のヘリカル
ピニオンギヤと、デフケ−スに形成され各ピニオンギヤ
を摺動回転自在に収容する収容孔と、両サイドギヤの
間、又はサイドギヤとデフケ−スとの間に配置されたイ
ニシャルトルク付与手段とを備え、前記イニシャルトル
ク付与手段が、一対のワッシャと、これら両ワッシャを
回転不能に連結すると共に、各ワッシャを相手側部材に
押圧し摩擦抵抗によってイニシャルトルクを与える板状
のばね部材とからなることを特徴とする。
【0046】請求項9のデファレンシャル装置では、一
対のワッシャをこれらの間に配置した板状のばね部材で
回転不能に連結したから、従来例と異なって、ばね部材
は差動回転による摩耗から解放され、イニシャルトルク
の変動が防止され、トルク感応型差動制限力を安定させ
る機能の変動が防止される。
【0047】又、一対のワッシャを用いたことによって
2面で摺動抵抗が得られ、それだけイニシャルトルクを
大きくすることができる。
【0048】請求項10のデファレンシャル装置は、請
求項9記載のデファレンシャル装置であって、ばね部材
が皿ばねであり、一方のワッシャの外周側に形成された
係合部に皿ばねの外周側を係合させ、他方のワッシャの
内周側に形成された係合部に皿ばねの内周側を係合させ
たことを特徴とし、請求項9の構成と同等の効果を得
る。
【0049】請求項11のデファレンシャル装置は、請
求項9記載のデファレンシャル装置であって、一方のワ
ッシャにばね力を持った屈曲片を設けることによりワッ
シャとばね部材とを一体にすると共に、この屈曲片を他
方のワッシャに形成された屈曲部に係合させたことを特
徴と、請求項9の構成と同等の効果を得る。
【0050】これに加えて、請求項8の構成と同様に、
ワッシャにばね力を持った屈曲片を設けてワッシャとば
ね部材とを一体にしたことにより、ばね部材を削減する
ことができ、部品点数とコストが大きく低減される。
【0051】請求項12のデファレンシャル装置は、請
求項1乃至請求項11のいずれか一項に記載のデファレ
ンシャル装置であって、ワッシャと相手側部材との間に
他のワッシャを相対回転自在に配置したことを特徴と
し、請求項1乃至請求項11のいずれかと同等の効果を
得る。
【0052】これに加えて、ワッシャと相手側部材との
間に他のワッシャを配置したことによって摺動面が1面
増加し、イニシャルトルクがそれだけ強化される。
【0053】
【発明の実施の形態】図1乃至図4によって本発明の第
1実施形態を説明する。この実施形態は請求項1、2、
3、4の特徴を備えており、図1はこの実施形態のデフ
ァレンシャル装置1を示している。なお、左右の方向は
図1と図2での左右の方向であり、符号を与えていない
部材等は図示されていない。
【0054】図1のように、デファレンシャル装置1の
デフケ−ス3はケ−シング本体5とカバ−7とをボルト
9で固定して構成されている。デフケ−ス3にはリング
ギヤが固定されており、このリングギヤはエンジンの駆
動力を伝達する動力伝達系のファイナルギヤと噛み合っ
ている。こうして、デフケ−ス3はエンジンの駆動力に
より回転駆動される。
【0055】デファレンシャル装置1はデフキャリヤの
内部に配置されており、デフケ−ス3のボス部11、1
3はベアリングを介してデフキャリヤに支承されてい
る。デフキャリヤにはオイル溜りが設けられており、デ
ファレンシャル装置1は、静止状態では下部がこのオイ
ル溜りに浸されており、回転するとオイル溜りからオイ
ルを撥ね上げる。
【0056】デフケ−ス3の内部には、それぞれヘリカ
ルギヤで構成された出力側のサイドギヤ15、17が配
置されている。
【0057】各サイドギヤ15、17の中空のボス部1
9、21はデフケ−ス3の支承部23、25によって回
転自在に支承されている。又、図2のように、サイドギ
ヤ15、17の対向側では、サイドギヤ15に円筒孔2
7(凹部)が設けられ、サイドギヤ17に凸部29が設
けられている。凸部29と円筒孔27とは互いに係合
し、サイドギヤ15、17の各自由端を支承し合い、セ
ンタ−リングしている。
【0058】サイドギヤ15のボス部19はスプライン
部31によって左側車輪の駆動軸に連結され、サイドギ
ヤ17のボス部21はスプライン部33によって右側車
輪の駆動軸に連結されている。
【0059】又、図2に拡大して示したように、サイド
ギヤ15、17の間にはイニシャルトルク付与手段35
が配置されている。このイニシャルトルク付与手段35
はサイドギヤ15、17の間に配置された一対のスラス
トワッシャ37、37と皿ばね39(ばね部材)とから
構成されている。
【0060】図2と図3のように、サイドギヤ17の凸
部29外周には軸方向に4本の溝41が設けられてお
り、各ワッシャ37の内周には各溝41に係合する4個
のラグ部43が設けられている。こうして、両ワッシャ
37はサイドギヤ17に軸方向移動自在に連結されてい
る。皿ばね39は、このように相対回転不能に配置され
た両ワッシャ37の間に挟まれており、左のワッシャ3
7をサイドギヤ15(相手側部材)に押圧し、下記のよ
うなイニシャルトルクを与えている。
【0061】又、各サイドギヤ15、17とデフケ−ス
3との間にはそれぞれスラストワッシャ45が配置され
ている。
【0062】図1のようにデフケ−ス3には複数組の長
短の収容孔47、49が周方向等間隔に形成されてい
る。収容孔47、49にはそれぞれヘリカルギヤで構成
された長短のピニオンギヤ51、53が摺動回転自在に
収容されている。
【0063】長いピニオンギヤ51は第1と第2のギヤ
部55、57とこれらを連結する小径の軸部59とから
なり、第1ギヤ部55は右のサイドギヤ17と噛み合っ
ている。又、短いピニオンギヤ53は、互いの間に軸部
を持たない第1と第2のギヤ部61、63からなり、第
1ギヤ部61は左のサイドギヤ15と噛み合い、第2ギ
ヤ部63は、サイドギヤ15、17の左側で、ピニオン
ギヤ51の第2ギヤ部57と噛み合っている。
【0064】デフケ−ス3を回転させるエンジンの駆動
力はピニオンギヤ53、51からサイドギヤ15、17
を介して左右の車輪に分配される。又、例えば悪路走行
中、車輪間に駆動抵抗差が生じると各ピニオンギヤ5
1、53の自転によってエンジンの駆動力は各車輪に差
動分配される。
【0065】トルクの伝達中、各ピニオンギヤ51、5
3の歯先はサイドギヤ17、15との噛み合い反力によ
って収容孔47、49の壁面に押し付けられて摩擦抵抗
が発生する。又、ヘリカルギヤの噛み合いスラスト力に
よって各ピニオンギヤ51、53と収容孔47、49の
各端面の間で摩擦抵抗が発生すると共に、各スラストワ
ッシャ45を介してサイドギヤ15、17とデフケ−ス
3との間で、又各スラストワッシャ37を介してサイド
ギヤ15、17の間でそれぞれ摩擦抵抗が発生する。
【0066】これらの摩擦抵抗により、トルク感応型の
差動制限機能が得られる。
【0067】更に、皿ばね39の押圧力によって左のワ
ッシャ37とサイドギヤ15との間に摩擦抵抗が生じ、
更に、皿ばね39の押圧力によって各サイドギヤ15、
17がスラストワッシャ45を介してデフケ−ス3に押
圧され摩擦抵抗が生じる。これらの摩擦抵抗により、ト
ルク感応型の差動制限機能に加えて、イニシャルトルク
(差動制限力)が得られる。
【0068】又、皿ばね39の押圧力によってサイドギ
ヤ15、17端面の摩擦抵抗が安定し、トルク感応型の
差動制限機能が安定する。
【0069】更に、各サイドギヤ15、17と駆動軸は
スプライン連結されているから、駆動軸からのスラスト
力はイニシャルトルク付与手段35に入らない。従っ
て、駆動軸のスラスト力によるイニシャルトルクの消失
や変動が防止され、安定したイニシャルトルクが得られ
る。
【0070】図1のように、デフケ−ス3には開口6
5、67が設けられており、ボス部19、21の内周に
は螺旋状のオイル溝69、71が形成されている。又、
ボス部19、21の支承部23、25にはオイル溝7
3、75が設けられおり、これらのオイル溝73、75
はオイル溝69、71からのオイルを遠心力で各ピニオ
ンギヤ51、53とサイドギヤ17、15との噛み合い
部などに送る。
【0071】デファレンシャル装置1が静止していると
きは、開口65、67及びオイル溝69、71を浸漬し
たオイルがデフケ−ス3の内部に流入し、デファレンシ
ャル装置1が回転すると、オイル溜りから撥ね上げられ
デフキャリヤの内壁で跳ね返ったオイルが開口65、6
7やオイル溝69、71などからデフケ−ス3の内部に
流入する。
【0072】流入したオイルは、ボス部19、21の支
承部23、25、収容孔47、49、各ギヤの噛み合い
部、スラストワッシャ37とサイドギヤ15との摺動部
(イニシャルトルク付与手段35)、スラストワッシャ
45とサイドギヤ15、17及びデフケ−ス3との摺動
部などに供給され、これらを潤滑し、焼き付きなどを防
止すると共に、トルク感応型差動制限機能とイニシャル
トルクとを安定させる。
【0073】図1のように、各サイドギヤ15、17は
互いに反対方向の捩じれ角を与えられている。白抜きの
矢印77、79はそれぞれ車両が前進走行するときのデ
フケ−ス3の回転方向及び各ヘリカルギヤ15、17、
51、53に生じる噛み合いスラスト力の方向を示し、
斜線の矢印81、83はそれぞれ車両が後進走行(コ−
スト)するとき(あるいは、前進時にエンジンブレ−キ
を掛けたとき)のデフケ−ス3の回転方向及び各ヘリカ
ルギヤ15、17、51、53に生じる噛み合いスラス
ト力の方向を示す。
【0074】捩じれ角が反対方向であるから各サイドギ
ヤ15、17に生じる噛み合いスラスト力は前進時と後
進時共に互いに反対向きである。又、各ギヤ15、1
7、51、53の噛み合いスラスト力はデフケ−ス3が
逆転するから前進時と後進時とで反対方向になる。
【0075】又、黒塗りの矢印85は皿ばね39の押圧
力の方向を示す。車両が前進するときのサイドギヤ1
5、17の噛み合いスラスト力は皿ばね39の押圧力と
同じ方向にしてある。
【0076】図4はデファレンシャル装置による駆動ト
ルクの配分特性を示すトルク性能曲線である。第1象限
は車両の前進走行時の特性であり、第3象限は車両の後
進走行時、あるいは、前進しながらエンジンブレ−キを
掛けたときの特性である。
【0077】グラフ87は差動制限力を持たないデファ
レンシャル装置のトルク性能曲線である。又、グラフ8
9、91はそれぞれデファレンシャル装置1のトルク性
能曲線であり、グラフ89は右車輪が空転したときに左
車輪に送られる駆動トルクを示し、グラフ91は左車輪
が空転したときに右車輪に送られる駆動トルクを示す。
破線のグラフ93、95はデファレンシャル装置1のト
ルク感応型差動制限力によるトルク性能曲線(イニシャ
ルトルクがない場合)を示す。
【0078】前進走行時は、図1のように、皿ばね39
の押圧力がサイドギヤ15、17の噛み合いスラスト力
と同方向であるから、トルク感応型の差動制限力に加え
て皿ばね39によるイニシャルトルクが得られる。従っ
て、第1象限のように、前進走行時のグラフ89、91
は破線のグラフ93、95にイニシャルトルク97を加
えたものになり、差動時にグリップ側車輪に送られる駆
動力がそれだけ大きくなる。
【0079】このように、悪路などで片輪が完全に空転
しトルク感応型差動制限力が得られない場合でも、イニ
シャルトルク97によってグリップ側車輪に送られる駆
動力により、脱出性や走破性が大きく向上する。
【0080】又、後進走行時、あるいは、前進走行時に
エンジンブレ−キを掛けた場合は、皿ばね39の押圧力
がサイドギヤ15、17の噛み合いスラスト力と反対方
向になるから、矢印99が示すように、サイドギヤ1
5、17の噛み合いスラスト力が皿ばね39の押圧力に
等しくなるまでは、グラフ89、91の勾配は小さくな
る。又、矢印101が示すように、サイドギヤ15、1
7の噛み合いスラスト力が皿ばね39の押圧力より大き
くなると、グラフ89、91はグラフ93、95と重な
り、差動時にグリップ側車輪に送られる駆動力が小さく
なる。
【0081】又、後進走行時などに、悪路などで片輪が
完全に空転しトルク感応型差動制限力が得られない場合
でも、イニシャルトルク103によってグリップ側車輪
に駆動力が送られて、脱出性や走破性が向上する。
【0082】このように、前進走行時にはイニシャルト
ルクで強化された大きな差動制限力によって車体の安定
性や操縦性などが大幅に向上すると共に、トルクの方向
が後進走行時と同じになる制動時は差動制限力が小さく
なるから、A.B.S(アンチロック・ブレ−キ・シス
テム)との干渉を低減することができる。
【0083】こうして、デファレンシャル装置1が構成
されている。
【0084】デファレンシャル装置1を搭載した車両
は、上記のように、多板クラッチなどの差動制限装置を
用いずに充分なトルク感応型の差動制限機能が得られ、
発進時や加速時のように大きなトルクが掛かった時の車
体の挙動が向上する。又、悪路などで一側の車輪が空転
したときは、イニシャルトルク付与手段35のイニシャ
ルトルクによって他側の車輪に大きな駆動力が送られ、
トルク感応型の差動制限力だけでは不足する脱出性や走
破性が大きく改善される。
【0085】又、皿ばね39の押圧力はサイドギヤ1
5、17端面の摩擦抵抗を安定させ、トルク感応型の差
動制限機能を安定させる。
【0086】又、両サイドギヤ15、17の捩じれ角を
互いに反対方向にし、更に、イニシャルトルク付与手段
35を用いることにより、上記のように、車両の前進時
と後進時とで差動制限力の大きさを変えることが可能で
あり、前進時と後進時の両方で優れた走行安定性や操縦
性などが得られる。
【0087】これに加えて、ワッシャ37をサイドギヤ
17に移動自在に係合すると共に、皿ばね39を一体回
転するこれらワッシャ37とサイドギヤ17との間に配
置したから、従来例と異なって、皿ばね39は線接触す
る端部の摺動による摩耗から解放され、イニシャルトル
クが安定すると共に、トルク感応型差動制限力を安定さ
せる機能の変動も防止される。
【0088】又、ワッシャ37を熱容量の大きいサイド
ギヤ17に係合させたことによって摩擦面で発生する熱
が効果的に放散され、焼き付きが防止されて差動制限機
能が安定する。
【0089】次に、図5により本発明の第2実施形態を
説明する。この実施形態は請求項1、2、3、4、12
の特徴を備えており、図5はこの実施形態のデファレン
シャル装置105の要部を示している。
【0090】又、この実施形態の説明及び図5におい
て、第1実施形態の部材と同機能の部材には同一の符号
を与えると共に、これら同機能部材の説明は省く。
【0091】図5のように、デファレンシャル装置10
5において、イニシャルトルク付与手段107はスラス
トワッシャ37と皿ばね39と他のスラストワッシャ1
09とから構成されており、これらはサイドギヤ15、
17の間に配置されている。
【0092】ワッシャ37は、デファレンシャル装置1
と同様に、ラグ部43でサイドギヤ17側の溝41に軸
方向移動自在に連結されており、皿ばね39は一体回転
するサイドギヤ17とワッシャ37との間に配置されて
いる。又、他のワッシャ109はワッシャ37とサイド
ギヤ15との間に配置されている。
【0093】皿ばね39はワッシャ37を介してワッシ
ャ109をサイドギヤ15に押圧し、イニシャルトルク
を与えている。
【0094】皿ばね39は、上記のように、一体回転す
るサイドギヤ17とワッシャ37との間に配置されたこ
とにより、従来例と異なって、端部の摺動による摩耗か
ら解放され、イニシャルトルクが安定し、トルク感応型
差動制限力を安定させる機能の変動も防止される。
【0095】又、デファレンシャル装置105では、ワ
ッシャ37とワッシャ109との接触面111及びワッ
シャ109とサイドギヤ15との接触面113の2面で
摩擦抵抗が得られるから、イニシャルトルクがそれだけ
強化され、悪路脱出性や走破性が大きく改善される。
【0096】これに加えて、デファレンシャル装置10
5は、デファレンシャル装置1と同等の効果を得る。
【0097】次に、図6により本発明の第3実施形態を
説明する。この実施形態は請求項1、2、3、5、12
の特徴を備えており、図6はこの実施形態のデファレン
シャル装置115の要部を示している。
【0098】又、この実施形態の説明及び図6におい
て、第1実施形態及び第2実施形態の部材と同機能の部
材には同一の符号を与えると共に、これら同機能部材の
説明は省く。
【0099】デファレンシャル装置115において、イ
ニシャルトルク付与手段117はスラストワッシャ11
9と皿ばね39と他のスラストワッシャ109とから構
成されており、これらはサイドギヤ15、17の間に配
置されている。
【0100】又、サイドギヤ17の凸部29外周は円筒
状でありサイドギヤ15の円筒孔27に係合し、サイド
ギヤ15、17の各自由端を支承し、センタ−リングし
ている。
【0101】ワッシャ119には多数の折り曲げ部12
1が設けられており、各折り曲げ部121(係合部)は
サイドギヤ17のギヤ部と噛み合っている。皿ばね39
は、このように相対回転不能に配置されたサイドギヤ1
7とワッシャ119との間に配置されている。又、ワッ
シャ109はワッシャ119とサイドギヤ15との間に
配置されている。
【0102】皿ばね39はワッシャ119を介してワッ
シャ109をサイドギヤ15に押圧し、イニシャルトル
クを与えている。
【0103】皿ばね39は、上記のように、一体回転す
るサイドギヤ17とワッシャ119との間に配置された
ことにより、従来例と異なって、端部の摺動による摩耗
から解放され、イニシャルトルクが安定し、トルク感応
型差動制限力を安定させる機能の変動も防止される。
【0104】又、デファレンシャル装置115では、ワ
ッシャ109とワッシャ119との接触面123及びワ
ッシャ109とサイドギヤ15との接触面125の2面
で摩擦抵抗が得られるから、イニシャルトルクがそれだ
け強化され、悪路脱出性や走破性が大きく改善される。
【0105】これに加えて、ワッシャ119をサイドギ
ヤ17に係合させたことにより、サイドギヤ17の凸部
29にワッシャ119用の係合部を設ける必要がなくな
るから、それだけ低コストに構成できる。
【0106】又、このように凸部29にワッシャ119
係合用の凹凸が形成されないから、円筒孔27と凸部2
9とによる両サイドギヤ15、17の支持性が向上す
る。
【0107】これに加えて、デファレンシャル装置11
5は、第1実施形態のデファレンシャル装置1と同等の
効果を得る。
【0108】次に、図7により本発明の第4実施形態を
説明する。この実施形態は請求項1、2、3、5、9、
10の特徴を備えており、図7はこの実施形態のデファ
レンシャル装置127の要部を示している。
【0109】又、この実施形態の説明及び図7におい
て、第3実施形態の部材と同機能の部材には同一の符号
を与えると共に、これら同機能部材の説明は省く。
【0110】デファレンシャル装置127において、イ
ニシャルトルク付与手段129はスラストワッシャ13
1、133と皿ばね135(ばね部材)とから構成され
ており、これらはサイドギヤ15、17の間に配置され
ている。
【0111】皿ばね135はワッシャ131、133の
間に配置されており、一方のワッシャ131の外周と他
方のワッシャ133の内周には皿ばね135側にそれぞ
れ屈曲した噛み合い部137、139(係合部)が設け
られている。皿ばね135は外周と内周とに設けられた
噛み合い部141、143によって各噛み合い部13
7、139と噛み合い、ワッシャ131、133を相対
回転不能に連結すると共に、各ワッシャ131、133
をサイドギヤ15、17に押圧してイニシャルトルクを
与えている。
【0112】このように、皿ばね135はワッシャ13
1、133のいずれとも摺動しないから、従来例と異な
って、皿ばね135は端部の摺動による摩耗から解放さ
れ、イニシャルトルクが安定すると共に、トルク感応型
差動制限力を安定させる機能の変動も防止される。
【0113】又、デファレンシャル装置127では、ワ
ッシャ131とサイドギヤ15との接触面145及びワ
ッシャ133とサイドギヤ17との接触面147の2面
で摩擦抵抗が得られるから、イニシャルトルクがそれだ
け強化され、悪路脱出性や走破性が大きく改善される。
【0114】これに加えて、デファレンシャル装置12
7は、摩擦熱の放散効果を除いて、第3実施形態のデフ
ァレンシャル装置115と同等の効果を得る。
【0115】次に、図8により本発明の第5実施形態を
説明する。この実施形態は請求項1、2、3、4、8、
12の特徴を備えており、図8はこの実施形態のデファ
レンシャル装置149の要部を示している。
【0116】又、この実施形態の説明及び図8におい
て、第2実施形態の部材と同機能の部材には同一の符号
を与えると共に、これら同機能部材の説明は省く。
【0117】デファレンシャル装置149において、イ
ニシャルトルク付与手段151はスラストワッシャ15
3と他のスラストワッシャ109とによって構成されて
おり、これらはサイドギヤ15、17の間に配置されて
いる。
【0118】ワッシャ153はラグ部155でサイドギ
ヤ17の溝41に軸方向移動自在に連結されており、ワ
ッシャ109はワッシャ153とサイドギヤ15との間
に配置されている。ワッシャ153にはばね力を持った
屈曲片157が形成されており、屈曲片157を形成し
たことによってワッシャ153はばね部材を兼ねてい
る。
【0119】ワッシャ153は屈曲片157の押圧力に
よってワッシャ109をサイドギヤ15に押圧してイニ
シャルトルクを与えている。
【0120】このようにワッシャ153に設けられた屈
曲片157はサイドギヤ17と摺動しないから、従来例
と異なって、端部の摺動による摩耗から解放され、イニ
シャルトルクが安定し、トルク感応型差動制限力を安定
させる機能の変動も防止される。
【0121】又、各ワッシャ153、109間及びサイ
ドギヤ15とワッシャ109との2面の接触面159、
160で摩擦抵抗が得られるから、イニシャルトルクが
それだけ強化され、悪路脱出性や走破性が大きく改善さ
れる。
【0122】又、ワッシャ153に屈曲片157を設け
たことによって、ばね部材を削減することができ、部品
点数とコストとがそれだけ低減される。
【0123】これに加えて、デファレンシャル装置14
9は、第2実施形態のデファレンシャル装置105と同
等の効果を得る。
【0124】次に、図9と図10により本発明の第6実
施形態を説明する。この実施形態は請求項1、2、3、
6の特徴を備えており、図9はこの実施形態のデファレ
ンシャル装置161を示している。なお、左右の方向は
図9での左右の方向である。
【0125】又、この実施形態の説明及び図9、10に
おいて、第1実施形態の部材と同機能の部材には同一の
符号を与えると共に、これら同機能部材の説明は省く。
【0126】サイドギヤ15、17はボス部19、21
の内周に跨がって配置されたスラストブロック163に
よって、各自由端を支承されセンタ−リングされてい
る。
【0127】又、サイドギヤ15、17に連結された左
右の車輪側駆動軸165、167(出力軸)のスラスト
力はスラストブロック163を介してサイドギヤ15、
17との摺動部169、171に掛かる。
【0128】図9のように、デファレンシャル装置16
1において、イニシャルトルク付与手段173は一対の
スラストワッシャ175、175と皿ばね39とから構
成されている。イニシャルトルク付与手段173はサイ
ドギヤ15、17の間に配置され、スラストブロック1
63の外周に配置されている。
【0129】図10のように、各ワッシャ175の外周
にはサイドギヤ15、17の歯先より外側に突き出した
凸部177が周方向等間隔に4個設けられている。又、
デフケ−ス3のケ−シング本体5には凹部179が鋳抜
きや切削加工などで加工されている。両ワッシャ175
は各凸部177と凹部179との係合によって、デフケ
−ス3に軸方向移動自在に連結されている。
【0130】皿ばね39はワッシャ175、175の間
に配置されており、各ワッシャ175をサイドギヤ1
5、17に押圧してイニシャルトルクを与えている。
【0131】このように、デフケ−ス3に係合したワッ
シャ175、175の間に配置された皿ばね39はいず
れのワッシャ175とも摺動しないから、従来例と異な
って、端部の摺動による摩耗から解放され、イニシャル
トルクが安定し、トルク感応型差動制限力を安定させる
機能の変動も防止される。
【0132】又、各ワッシャ175と各サイドギヤ1
5、17との2面の接触面181、183で摩擦抵抗が
得られるから、イニシャルトルクがそれだけ強化され、
悪路脱出性や走破性が大きく改善される。
【0133】更に、イニシャルトルク付与手段173を
スラストブロック163の外周に配置したことによっ
て、駆動軸165、167からのスラスト力はイニシャ
ルトルク付与手段173から遮断され、従って、イニシ
ャルトルクの消失や変動が防止され、安定したイニシャ
ルトルクが得られる。
【0134】又、ケ−シング本体5の凹部179はピニ
オンギヤ53を収容する収容孔49の端面側に形成され
ており、この端面から加工を始めることができるから軸
方向の加工深さが浅くてすむ。
【0135】又、凹部179を設けたことによって収容
孔49の端面へのオイル供給効率が向上し、トルク感応
型差動制限機能が更に安定する。
【0136】なお、図10のように、各対の収容孔4
5、47の中間に凹部185を形成し、これらの凹部1
85にワッシャ175の凸部177を係合させてもよ
い。
【0137】これに加えて、デファレンシャル装置16
1は、第1実施形態のデファレンシャル装置1と同等の
効果を得る。
【0138】次に、図11と図12により本発明の第7
実施形態を説明する。この実施形態は請求項1、2、
3、7の特徴を備えており、図11はこの実施形態のデ
ファレンシャル装置187を示している。なお、左右の
方向は図11での左右の方向である。
【0139】又、この実施形態の説明及び図11、12
において、第6実施形態の部材と同機能の部材には同一
の符号を与えると共に、これら同機能部材の説明は省
く。
【0140】デフケ−ス3には複数組の収容孔189、
191が周方向等間隔に形成されており、これらの収容
孔189、191にはヘリカルギヤで構成された一対の
ピニオンギヤ193、195が摺動回転自在に収容され
ている。
【0141】一方のピニオンギヤ193は、第1ギヤ部
197と第2ギヤ部199、201及び第1と第2のギ
ヤ部197、201を連結する小径の軸部203とから
なり、第1ギヤ部197はサイドギヤ15と噛み合って
いる。又、他方のピニオンギヤ195は、第1ギヤ部2
05と第2ギヤ部207、209及び第1と第2のギヤ
部205、209を連結する小径の軸部211とからな
り、第1ギヤ部205はサイドギヤ17と噛み合い、第
2ギヤ部207、209は、サイドギヤ15、17の軸
方向外側で、ピニオンギヤ193の第2ギヤ部201、
199とそれぞれ噛み合っている。
【0142】図11のように、デファレンシャル装置1
87において、イニシャルトルク付与手段213は一対
のスラストワッシャ215、215と皿ばね39とから
構成されている。イニシャルトルク付与手段213はサ
イドギヤ15、17の間に配置され、スラストブロック
163の外周に配置されている。
【0143】図12のように、各ワッシャ215の外周
にはサイドギヤ15、17の歯先より外側に突き出した
凸部217が周方向等間隔に4個設けられている。これ
らの凸部217は各ピニオンギヤ193、195の軸部
203、211の間に差し込まれており、こうして各ワ
ッシャ215はピニオンギヤ193、195の間(デフ
ケ−ス3側)に軸方向移動自在に連結されている。
【0144】皿ばね39はワッシャ215、215の間
に配置されており、各ワッシャ215をサイドギヤ1
5、17に押圧してイニシャルトルクを与えている。
【0145】このように、デフケ−ス3側に係合したワ
ッシャ215、215の間に配置された皿ばね39は、
いずれのワッシャ215とも摺動しないから、従来例と
異なって、端部の摺動による摩耗から解放され、イニシ
ャルトルクが安定し、トルク感応型差動制限力の安定化
機能の変動も防止される。
【0146】又、各ワッシャ215と各サイドギヤ1
5、17との2面の接触面219、221で摩擦抵抗が
得られるから、イニシャルトルクがそれだけ強化され、
悪路脱出性や走破性が大きく改善される。
【0147】更に、各ワッシャ215の凸部217をピ
ニオンギヤ193、195の軸部203、211の間に
差し込んで係合させるように構成したことにより、図1
2のように、ワッシャ215の大径化が可能になった。
【0148】こうして、各ワッシャ215の摺動面積が
増加しただけイニシャルトルクが強化されており、悪路
走破性や脱出性を大きく向上させている。
【0149】又、スラストブロック163の外周に配置
したイニシャルトルク付与手段213には駆動軸16
5、167からのスラスト力が入力せず、イニシャルト
ルクの消失や変動が防止され、安定したイニシャルトル
クが得られる。
【0150】これに加えて、各ワッシャ215との係合
にピニオンギヤ193、195を利用したから、デフケ
−ス3にワッシャ215との係合部を形成する必要がな
く、それだけ低コストに構成できる。
【0151】なお、ワッシャ215に凹部を設け、この
凹部をピニオンギヤ193、195あるいは軸部20
3、211のいずれかに係合させてもよい。
【0152】これに加えて、デファレンシャル装置18
7は、第6実施形態のデファレンシャル装置161と同
等の効果を得る。
【0153】なお、本発明のデファレンシャル装置は、
フロントデフ(エンジンの駆動力を左右の前輪に分配す
るデファレンシャル装置)や、リヤデフ(エンジンの駆
動力を左右の後輪に分配するデファレンシャル装置)
や、センタ−デフ(エンジンの駆動力を前輪側と後輪側
に分配するデファレンシャル装置)に用いることができ
る。
【0154】
【発明の効果】請求項1のデファレンシャル装置は、イ
ニシャルトルク付与手段のワッシャをサイドギヤ又はデ
フケ−ス上に係合すると共に、ばね部材をワッシャが係
合した部材とこのワッシャとの間に配置したことによ
り、従来例と異なって、ばね部材は差動回転による摩耗
から解放され、イニシャルトルクの変動が防止され、ト
ルク感応型差動制限力を安定させる機能の変動が防止さ
れる。
【0155】又、ワッシャを熱容量の大きいサイドギヤ
やデフケ−スに係合させたことにより、摩擦面で発生す
る熱が効果的に放散され、焼き付きが防止され、差動制
限機能が安定する。
【0156】請求項2のデファレンシャル装置は、請求
項1の構成と同等の効果を得ると共に、ピニオンギヤの
第2ギヤ部を両サイドギヤの軸方向外側に配置したこと
によって両サイドギヤの対向端部が近接するから、イニ
シャルトルク付与手段を両サイドギヤの間に配置するこ
とが容易になる。
【0157】請求項3のデファレンシャル装置は、請求
項1又は請求項2の構成と同等の効果を得る。
【0158】これに加えてイニシャルトルク付与手段が
デフケースの回転軸方向中心部に配置されるこのタイプ
では摩擦熱のこもりが大きいので、ばね部材を回転させ
ずにワッシャをデフケース側に係合させれば熱の放散が
効果的に行える。
【0159】請求項4のデファレンシャル装置は、請求
項3の構成と同等の効果を得ると共に、サイドギヤの凸
部に係合部を形成したことにより、この係合部を通った
オイルがワッシャと相手側サイドギヤとの摺動面に供給
され、焼き付きが防止され、差動制限特性が安定する。
【0160】請求項5のデファレンシャル装置は、請求
項1乃至請求項3のいずれかと同等の効果を得ると共
に、ワッシャをサイドギヤのギヤ部に係合させたことに
より、例えば、サイドギヤの凸部に係合部を設ける必要
がなく、それだけ低コストに構成できる。
【0161】又、サイドギヤの凸部外周にワッシャの係
合部が形成されないから、凹部と凸部とによる両サイド
ギヤの支持性が向上する。
【0162】請求項6のデファレンシャル装置は、請求
項3の構成と同等の効果を得ると共に、ばね部材の両側
にワッシャを配置したことによって各ワッシャとサイド
ギヤとの2面で摺動抵抗が得られ、それだけイニシャル
トルクを大きくできる。
【0163】又、例えば、ワッシャ係合用の凹部をピニ
オンギヤの収容孔と連通するように設ければ、この収容
孔へのオイル供給効率が向上し、トルク感応型差動制限
機能が更に安定する。
【0164】請求項7のデファレンシャル装置は、請求
項3の構成と同等の効果を得ると共に、ワッシャとの係
合にピニオンギヤを利用したから、デフケ−スにワッシ
ャとの係合部を設ける必要がなく、それだけ低コストに
構成できる。
【0165】又、両ワッシャの凸部を隣り合ったピニオ
ンギヤの間に差し込む構成では、ワッシャの摺動面積を
広くし、それだけイニシャルトルクを大きくすることが
できる。
【0166】請求項8のデファレンシャル装置は、請求
項1乃至請求項7のいずれかと同等の効果を得ると共
に、ワッシャとばね部材とを一体にしたことによってば
ね部材が削減され、部品点数とコストがそれだけ低減す
る。
【0167】請求項9のデファレンシャル装置は、一対
のワッシャをこれらの間に配置した板状のばね部材で回
転不能に連結してイニシャルトルク付与手段を構成した
から、従来例と異なって、ばね部材は差動回転による摩
耗から解放され、イニシャルトルクの変動が防止され、
トルク感応型差動制限力を安定させる機能の変動が防止
される。
【0168】又、一対のワッシャを用いたことによって
2面で摺動抵抗が得られ、それだけイニシャルトルクを
大きくすることができる。
【0169】請求項10のデファレンシャル装置は、請
求項9の構成と同等の効果を得る。
【0170】請求項11のデファレンシャル装置は、請
求項9の構成と同等の効果を得ると共に、請求項8の構
成と同様に、ワッシャとばね部材とを一体にしたことに
よってばね部材が削減され、部品点数とコストがそれだ
け低減する。
【0171】請求項12のデファレンシャル装置は、請
求項1乃至請求項11のいずれかと同等の効果を得ると
共に、ワッシャと相手側部材との間に他のワッシャを配
置したことによって摺動面が1面増加し、イニシャルト
ルクがそれだけ強化される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態を示す断面図である。
【図2】図1の要部拡大図である。
【図3】図1のA−A断面図である。
【図4】第1実施形態のトルク性能曲線である。
【図5】本発明の第2実施形態を示す要部断面図であ
る。
【図6】本発明の第3実施形態を示す要部断面図であ
る。
【図7】本発明の第4実施形態を示す要部断面図であ
る。
【図8】本発明の第5実施形態を示す要部断面図であ
る。
【図9】本発明の第6実施形態を示す断面図である。
【図10】図9のB−B断面図である。
【図11】本発明の第7実施形態を示す断面図である。
【図12】図11のC−C断面図である。
【図13】従来例の断面図である。
【図14】他の従来例の要部断面図である。
【符号の説明】
1、105、115、127、149、161、187
デファレンシャル装置 3 デフケ−ス 15、17 出力側のヘリカルサイドギヤ 27 サイドギヤ15に設けられた円筒孔(凹部) 29 サイドギヤ17に設けられた凸部 35、107、117、129、151、173、21
3 イニシャルトルク付与手段 37 サイドギヤ17に係合したワッシャ 39 皿ばね(ばね部材) 41 凸部29に設けられた軸方向溝(係合部) 43、155 ワッシャ37とワッシャ153にそれぞ
れ設けられたラグ部(係合部) 47、49、189、191 収容孔 51、53、193、195 ヘリカルピニオンギヤ 55、61、197、205 第1ギヤ部 57、63、199、201、207、209 第2ギ
ヤ部 109 他のワッシャ 119 折り曲げ部121でサイドギヤ17のギヤ部に
係合したワッシャ 121 ワッシャ119に形成された折り曲げ部(係合
部) 131、133 皿ばね135によって連結されたワッ
シャ 135 ワッシャ131、133を連結した皿ばね(ば
ね部材) 153 ばね性の屈曲片157を形成してばね部材と一
体化したワッシャ 157 ワッシャ153に形成されたばね性の屈曲片 165、167 駆動軸(出力軸) 175 凸部177がデフケ−スの凹部179に係合し
たワッシャ 179 ワッシャ175の凸部177が係合したデフケ
−スの凹部 215 凸部217がピニオンギヤ193、195の間
に係合したワッシャ 217 ピニオンギヤ193、195の間に係合したワ
ッシャ215の凸部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 朝日 雅彦 栃木県栃木市大宮町2388番地 栃木富士産 業株式会社内

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エンジンの駆動力によって回転駆動され
    るデフケ−スと、デフケ−スの内部で回転自在に支承さ
    れ、それぞれが出力軸に連結された一対の出力側ヘリカ
    ルサイドギヤと、これらサイドギヤと各別に噛み合う第
    1ギヤ部及び互いに噛み合う第2ギヤ部を有する少なく
    とも一対のヘリカルピニオンギヤと、デフケ−スに形成
    され各ピニオンギヤを摺動回転自在に収容する収容孔
    と、両サイドギヤの間、又はサイドギヤとデフケ−スと
    の間に配置されたイニシャルトルク付与手段とを備え、
    前記イニシャルトルク付与手段が、サイドギヤ又はデフ
    ケ−スに移動自在に係合したワッシャと、ワッシャが係
    合した部材上に配置されワッシャを相手側部材に押圧し
    摩擦抵抗によってイニシャルトルクを与えるばね部材と
    からなることを特徴とするデファレンシャル装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の発明であって、ピニオン
    ギヤの第2ギヤ部が、両サイドギヤの軸方向外側に配置
    されていることを特徴とするデファレンシャル装置。
  3. 【請求項3】 請求項1又は請求項2記載の発明であっ
    て、イニシャルトルク付与手段が、サイドギヤ間に配置
    されていることを特徴とするデファレンシャル装置。
  4. 【請求項4】 請求項3記載の発明であって、両サイド
    ギヤが一方に形成された凹部と他方に形成された凸部と
    の係合によって互いを支持すると共に、ワッシャが、前
    記凸部に設けられた係合部に係合し、このサイドギヤ上
    に配置されたばね部材によって相手側サイドギヤに押圧
    されることを特徴とするデファレンシャル装置。
  5. 【請求項5】 請求項1乃至請求項3のいずれか一項に
    記載の発明であって、ワッシャが、係合部を介してサイ
    ドギヤのギヤ部に係合し、このサイドギヤ上に配置され
    たばね部材によって相手側部材に押圧されることを特徴
    とするデファレンシャル装置。
  6. 【請求項6】 請求項3記載の発明であって、ばね部材
    の両側にワッシャを配置すると共に、両ワッシャとデフ
    ケ−スの一方に形成された凸部と他方に形成された凹部
    との係合によってワッシャをデフケ−スに連結させたこ
    とを特徴とするデファレンシャル装置。
  7. 【請求項7】 請求項3記載の発明であって、ばね部材
    の両側にワッシャを配置すると共に、両ワッシャに形成
    された凸部を隣り合ったピニオンギヤの間に差し込む
    か、又は、両ワッシャに形成された凹部をピニオンギヤ
    に係合させることによってワッシャをデフケ−ス側に連
    結させたことを特徴とするデファレンシャル装置。
  8. 【請求項8】 請求項1乃至請求項7のいずれか一項に
    記載の発明であって、ワッシャにばね力を持った屈曲片
    を設けることによりワッシャとばね部材とを一体にした
    ことを特徴とするデファレンシャル装置。
  9. 【請求項9】 エンジンの駆動力によって回転駆動され
    るデフケ−スと、デフケ−スの内部で回転自在に支承さ
    れ、それぞれが出力軸に連結された一対の出力側ヘリカ
    ルサイドギヤと、これらサイドギヤと各別に噛み合う第
    1ギヤ部及び互いに噛み合う第2ギヤ部を有する少なく
    とも一対のヘリカルピニオンギヤと、デフケ−スに形成
    され各ピニオンギヤを摺動回転自在に収容する収容孔
    と、両サイドギヤの間、又はサイドギヤとデフケ−スと
    の間に配置されたイニシャルトルク付与手段とを備え、
    前記イニシャルトルク付与手段が、一対のワッシャと、
    これら両ワッシャを回転不能に連結すると共に、各ワッ
    シャを相手側部材に押圧し摩擦抵抗によってイニシャル
    トルクを与える板状のばね部材とからなることを特徴と
    するデファレンシャル装置。
  10. 【請求項10】 請求項9記載の発明であって、ばね部
    材が皿ばねであり、一方のワッシャの外周側に形成され
    た係合部に皿ばねの外周側を係合させ、他方のワッシャ
    の内周側に形成された係合部に皿ばねの内周側を係合さ
    せたことを特徴とするデファレンシャル装置。
  11. 【請求項11】 請求項9記載の発明であって、一方の
    ワッシャにばね力を持った屈曲片を設けることによりワ
    ッシャとばね部材とを一体にすると共に、この屈曲片を
    他方のワッシャに形成された屈曲部に係合させたことを
    特徴とするデファレンシャル装置。
  12. 【請求項12】 請求項1乃至請求項11のいずれか一
    項に記載の発明であって、ワッシャと相手側部材との間
    に他のワッシャを相対回転自在に配置したことを特徴と
    するデファレンシャル装置。
JP35131696A 1996-12-27 1996-12-27 デファレンシャル装置 Pending JPH10184851A (ja)

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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002340108A (ja) * 2001-05-18 2002-11-27 Kikuchi Co Ltd 歯車機構における中間部材用保持部材の取付構造
JP2009150498A (ja) * 2007-12-21 2009-07-09 Jtekt Corp 差動歯車装置
US9920825B2 (en) 2013-12-02 2018-03-20 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Device for measuring moving range of side gear
JP2020094681A (ja) * 2018-11-29 2020-06-18 株式会社ジェイテクト 車両用差動装置
WO2024057460A1 (ja) * 2022-09-14 2024-03-21 株式会社ジェイテクト 車両用差動装置

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