JPH08210464A - デファレンシャル装置 - Google Patents

デファレンシャル装置

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JPH08210464A
JPH08210464A JP1420795A JP1420795A JPH08210464A JP H08210464 A JPH08210464 A JP H08210464A JP 1420795 A JP1420795 A JP 1420795A JP 1420795 A JP1420795 A JP 1420795A JP H08210464 A JPH08210464 A JP H08210464A
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JP
Japan
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differential
gear
plate
pinion
pinion gear
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JP1420795A
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English (en)
Inventor
Sakuo Kurihara
作雄 栗原
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GKN Driveline Japan Ltd
Original Assignee
Tochigi Fuji Sangyo KK
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 小型、低コストで、イニシャルトルクを得
る。 【構成】 ケーシング本体31とカバー33とを有し、
エンジンに回転駆動されるデフケース25と、出力側の
ヘリカルサイドギヤ37,39と、カバー33側で互い
に噛み合うギヤ部65,71を有し、ギヤ37,39を
連結する複数組のヘリカルピニオンギヤ59,61と、
デフケース25に形成され各ギヤ59,61を摺動回転
自在に収納する収納孔55,57と、ギヤ部65,71
の端面とカバー33との間に配置され、ギヤ59と噛み
合う内歯歯車81を有する差動プレート75と、デフケ
ースと一体的に回転する摩擦プレート77を差動プレー
ト75に押圧し差動を制限する皿ばね79とを備えた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、車両のデファレンシ
ャル装置に関する。
【0002】
【従来の技術】特開平5−280596号公報に図10
のようなデファレンシャル装置201が記載されてい
る。このデファレンシャル装置201では、デフケース
203を回転させるエンジンの駆動力はヘリカルピニオ
ンギヤ205及びこれと噛み合った他のヘリカルピニオ
ンギヤから一対の出力側ヘリカルサイドギヤ207,2
09を介して左右の車軸211,213に伝達される。
ヘリカルピニオンギヤ205はデフケース203の収納
孔215に摺動回転自在に収納され、他のヘリカルピニ
オンギヤは他の収納孔に摺動回転自在に収納されてい
る。
【0003】トルクを伝達している間、各ピニオンギヤ
はサイドギヤ207,209との噛み合い反力により各
収納孔の壁面に押し付けられて摩擦抵抗が生じると共
に、ヘリカルギヤの噛み合いスラスト力によって各ギヤ
とデフケース203との間などで摩擦抵抗が生じ、これ
らの摩擦抵抗によって差動制限力が得られる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記のよう
にデファレンシャル装置201は、トルクを伝達してい
る間だけ差動制限力が生じる構成であり、イニシャルト
ルク(伝達トルクや差動回転数と無関係な差動制限トル
ク)が得られないから、これを用いた車両は左右車軸の
うち一方側が空転した場合の走破性が十分と言えない。
これに加えて、差動制限力(トランスファレシオ)を変
えるにはピニオンギヤの歯先径や各ギヤの歯すじの角
度、方向などを変える必要があり、コスト高である。
【0005】しかし、サイドギヤ207,209や車軸
211,213の回りには各ピニオンギヤが配置されて
いるから、これらとデフケース203との間には差動制
限機構を配置するスペースがなく、イニシャルトルクを
与え、トランスファレシオを変えることができない。
又、車載時に周辺部材との干渉を避け、車載性を損なわ
ないようにするためにはデファレンシャル装置はなるべ
く小型にしたい。
【0006】そこで、この発明は、イニシャルトルクが
得られトランスファレシオを変えることができる小型で
低コストのデファレンシャル装置の提供を目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1のデファレンシ
ャル装置は、エンジンの駆動力により回転駆動されるデ
フケースと、デフケース内部に回転自在に支承された一
対の出力側サイドギヤと、それぞれの第1ギヤ部が噛み
合うとともに、第2ギヤ部がサイドギヤと各別に噛み合
った第1と第2のピニオンギヤからなる少なくとも1組
のピニオンギヤ組と、デフケースに形成されピニオンギ
ヤを回転自在に支承する支承部と、前記ピニオンギヤ組
の一方のピニオンギヤのギヤ部と噛み合うギヤ部を有す
る差動プレートと、差動プレートに摺動するように配置
されたデフケース、他方のピニオンギヤ、又は他方のピ
ニオンギヤと噛み合うサイドギヤに回転方向に係合した
摩擦プレートと、差動プレートと摩擦プレートとの摺動
抵抗を発生させる押圧部材とを備えたことを特徴とす
る。
【0008】請求項2のデファレンシャル装置は、請求
項1記載のデファレンシャル装置であって、前記デフケ
ースはケーシング本体及びケーシング本体に固定された
カバーとからなり、前記ピニオンギヤ組は第1ギヤ部が
デフケース内部のカバー側で互いに噛み合い、前記差動
プレート,摩擦プレート及び押圧部材はカバーとピニオ
ンギヤ組の第1ギヤ部端面との間に配設され、一対のサ
イドギヤが左右の前車軸側にそれぞれ連結したことを特
徴とする。
【0009】請求項3のデファレンシャル装置は、請求
項1または2記載のデファレンシャル装置であって、前
記他方のピニオンギヤの端部に差動プレート又は摩擦プ
レートとの摺動部が設けられたことを特徴とする。
【0010】
【作用】請求項1のデファレンシャル装置は、押圧部材
により差動プレートと摩擦プレートとの間で摩擦抵抗が
発生し、これらの差動回転が制動され、この摩擦抵抗に
よってイニシャルトルクが得られる。こうして得られた
イニシャルトルクにより悪路などの走破性や脱出性が向
上する。これに加えて、押圧部材の強さを変えれば一対
の出力軸間のトランスファレシオを変えることができ、
従来例と異なって、ピニオンギヤを変えずに、低コスト
で差動制限特性を改善できる。
【0011】また、差動プレートを一方のピニオンギヤ
と噛み合い係合させるので、ピニオンギヤを係合部とし
て用いることができ、デフケースやサイドギヤに係合部
を新たに設ける必要がなく製造コストが低減できる。
【0012】又、この差動制限機構は差動プレートと摩
擦プレートと押圧部材で薄型に構成されているから、こ
の差動制限機構を配置したことによるデファレンシャル
装置の寸法増加は僅かである。
【0013】請求項2のデファレンシャル装置は、ケー
シング本体とカバーとから成るデフケースのカバー側で
ピニオンギヤ組の第1ギヤ部を互いに噛み合わせ、第1
ギヤ部端面とカバーとの間に差動プレート,摩擦プレー
ト,押圧部材を配置し、サイドギヤを左右の前車軸側に
それぞれ連結してフロントデフ(前輪側に配置されたデ
ファレンシャル装置)にした構成であり、請求項1のデ
ファレンシャル装置と同様に、イニシャルトルクが得ら
れ、トランスファレシオを変えることができ、低コスト
で差動制限特性を改善できる。
【0014】差動制限機構が薄型でデファレンシャル装
置の寸法増加は僅かであり、ピニオンギヤをデフケース
のカバー側だけで噛み合わせてデフケースのカバーの反
対側を小径にでき、フロントデフの配置スペースが狭い
前輪駆動車の動力伝達装置にも、例えばクラッチハウジ
ングとの干渉を起こさずに配置することができるので車
載性が向上する。
【0015】請求項3のデファレンシャル装置は、他方
のピニオンギヤの端部に差動プレートとの摺動部を設け
たものであり、請求項1又は2のデファレンシャル装置
と同様に、低コストでイニシャルトルクが得られ、トラ
ンスファレシオを変えることができ、大きな差動制限力
が得られる。又、デファレンシャル装置が小型でありデ
フケースがカバーの反対側で小径であるから、収納ケー
スとの干渉が避けられ、車載性が向上する。
【0016】これに加えて、他方のピニオンギヤの端部
と差動プレート又は摩擦プレートとの摺動により、差動
プレート及び他方のピニオンギヤの回転が制動され、イ
ニシャルトルクが強化される。
【0017】
【実施例】図1、2、3、4により本発明の一実施例を
説明する。この実施例は請求項1、2、3の特徴を備え
ている。図1はこの実施例の概略図を示し、図2はこの
実施例のデファレンシャル装置7の断面図を示す。図4
はこの実施例を用いた車両の動力系を示している。左右
の方向はこの車両及び図2での左右の方向である。
【0018】図4のように、この動力系はエンジン1、
クラッチ3、トランスミッション5、フロントデフ7
(前輪側に配置された図2のデファレンシャル装置)、
前車軸9,11、左右の前輪13,15、左右の後輪1
7,19などから構成されている。
【0019】フロントデフ7はトランスミッションケー
ス21とクラッチハウジング23との間に回転自在に配
置されている。フロントデフ7のデフケース25にはリ
ングギヤ27が固定されており、このリングギヤ27は
トランスミッション5の出力ギヤ29と噛み合ってい
る。
【0020】こうして、エンジン1の駆動力はクラッチ
3からトランスミッション5を介してデフケース25を
回転駆動する。なお、トランスミッションケース21内
にはミッションオイルのオイル溜りが形成されている。
【0021】図1,2(なお、この実施例の説明は図2
のデファレンシャル装置7を中心に説明する)のよう
に、デフケース25は、ケーシング本体31とカバー3
3とをボルト35で固定して形成されている。デフケー
ス25の内部には、ヘリカルギヤで構成された一対の出
力側サイドギヤである、左右のヘリカルサイドギヤ3
7,39が配置されている。
【0022】各サイドギヤ37,39は中空のボス部4
1,43でデフケース25の軸支部45,47に支承さ
れている。サイドギヤ37,39の間にはワッシャ49
が配置され、サイドギヤ37,39とデフケース25と
の間にはワッシャ51,53がそれぞれ配置されてい
る。左サイドギヤ37のボス部41は左の前車軸9にス
プライン連結され、右サイドギヤ39のボス部43は右
の前車軸11にスプライン連結されている。
【0023】デフケース25には長短の収納孔(支承
部)55,57が周方向等間隔に4組形成されており、
またカバー33にはギヤ受け部34が形成されており、
収納孔55,57及びギヤ受け部34には共にヘリカル
ギヤで構成された一方と他方のピニオンギヤであるそれ
ぞれ長短のヘリカルピニオンギヤ59,61が摺動回転
自在に支承収納されている。
【0024】長いピニオンギヤ59(一方のピニオンギ
ヤ)は、第1と第2のギヤ部63,65と、これらを連
結する小径の軸部67とからなり、第2ギヤ部65は右
のサイドギヤ39と噛み合っている。又、短いピニオン
ギヤ61(他方のピニオンギヤ)は第1と第2のギヤ部
69,71と、第1ギヤ部69の左端に設けられた摺動
部73とからなり、第2ギヤ部71は左のサイドギヤ3
7と噛み合い、第1ギヤ部69はピニオンギヤ59の第
1ギヤ部63と噛み合っている。
【0025】図1のように、ピニオンギヤ59,61の
左端とカバー33との間には、右から差動プレート75
と内周突部78がピニオンギヤ受け部34に係合し、デ
フケース25と一体的に回転する摩擦プレート77と皿
ばね79(押圧部材)とが配置されている。
【0026】図2のように、差動プレート75には内歯
歯車81(ギヤ部)が形成されており、この内歯歯車8
1は長いピニオンギヤ59の第1ギヤ部63と噛み合っ
ている。又、差動プレート75は第1ギヤ部63の各端
面72と短いピニオンギヤ61の摺動部73の各端面7
4と摺動可能である。
【0027】皿ばね79は摩擦プレート77を差動プレ
ート75に押圧し、差動プレート75はこの押圧力によ
りピニオンギヤ59の第1ギヤ部63の各端面72とピ
ニオンギヤ61の摺動部73の各端面74に押圧され
る。差動プレート75の回転はこれらの各端面及び摩擦
プレート77との摩擦抵抗により制動され、各ピニオン
ギヤ59,61の回転は差動プレート75との摩擦抵抗
により制動される。こうして、イニシャルトルクが得ら
れ、差動制限機構83が構成されている。
【0028】デフケース25のボス部85,87には螺
旋溝89,91が設けられており、又カバー33には開
口が設けられ、ケーシング本体31には開口93が設け
られている。フロントデフ7が回転するとトランスミッ
ションケース21のオイル溜りからリングギヤ27によ
ってオイルが撥ね上げられ、これらの螺旋溝89,91
や開口93などからデフケース25に流出入し、各ギヤ
の噛み合い部、収納孔55,57、差動制限機構83な
どの各摺動部を潤滑する。
【0029】デフケース25を回転させるエンジン1の
駆動力はピニオンギヤ59,61からサイドギヤ37,
39を介して左右の前輪13,15側に分配され、前輪
間に駆動抵抗差が生じるとピニオンギヤ59,61の自
転によってエンジン1の駆動力は左右各側に差動分配さ
れる。
【0030】トルクを伝達している間、ピニオンギヤ5
9,61はサイドギヤ37,39との噛み合い反力によ
り収納孔55,57の壁面に押しつけられて摩擦抵抗が
発生する。又、ヘリカルギヤの噛み合いスラスト力によ
り、ピニオンギヤ59,61とデフケース25との間
で、あるいは差動制限機構83を介してピニオンギヤ5
9,61とデフケース25との間で摩擦抵抗が発生す
る。又、ワッシャ49を介してサイドギヤ37,39の
間で、あるいはワッシャ51,53を介してサイドギヤ
37,39とデフケース25との間で摩擦抵抗が発生す
る。
【0031】伝達トルクに比例して増大するこれらの摩
擦抵抗によって、トルク感応型の差動制限機能が得られ
る。又、これらの摩擦抵抗はデフケース25がいずれの
方向に回転しても発生するから、車両の前進時と後進時
の両方でこのようなトルク感応型差動制限機能が得られ
る。
【0032】これに加えて、差動制限機構83のイニシ
ャルトルクによって、伝達トルクや差動回転数や車両の
進行方向などと無関係に一定の強さの差動制限力が得ら
れる。
【0033】又、差動プレート75の内歯歯車81をピ
ニオンギヤ59の第1ギヤ部と係合させているのでデフ
ケース25側に係合部を設ける必要がなく、製造コスト
が低減する。
【0034】又、差動プレート75のギヤ部を内歯歯車
81にしたから、外歯歯車より歯数が多く、ピニオンギ
ヤ59の差動回転数が同一の場合差動プレート75の回
転数が低くなってそれだけ差動トルクが大きくなり、特
に差動回転の開始時や停止時の差動プレート75の引っ
掛かりが低減され、円滑な差動機能が得られる。
【0035】さらに、左右の前車軸間に差動回転が生じ
た場合、差動プレート75の回転数はサイドギヤ回転数
に比べ低く、差動プレート75自体が持つ熱容量が低
い。つまり、差動プレート75をデフケース側に係合さ
せ、摩擦プレート77をサイドギヤ側に係合させ皿ばね
79により押圧し、イニシャルトルクを与えるといった
構造に比べ差動制限機構83の耐久性が向上する。
【0036】こうして、フロントデフ7が構成されてい
る。
【0037】図4の車両は、発進時や加速時のように大
きなトルクを掛けた時の車体の挙動が、フロントデフ7
のトルク感応型差動制限機能によって安定し、操縦性が
向上する。又、例えば悪路などで前輪13,15の一方
が空転しても差動制限機構83のイニシャルトルクによ
り他方の前輪に駆動力が送られて、悪路の走破性や脱出
性が向上する。
【0038】上記のように、フロントデフ7は差動制限
機構83でイニシャルトルクを得ているから、従来例と
異なって、ピニオンギヤを変えずに、低コストで差動制
限特性を改善することができる。この差動制限機構83
はフロントデフ7の軸を中心に回転する大径の差動プレ
ート75を制動するから、それだけ大きなイニシャルト
ルクが得られる。これに加えて、他方のピニオンギヤ6
1の端部に差動プレート75との摺動部73を設けたか
ら、ピニオンギヤ61の回転も制動されると共に、差動
プレート75の制動力も増大し、イニシャルトルクは更
に強化される。
【0039】又、皿ばね79の強さを変えれば差動制限
力を変えることができ、トルク感応型差動制限機能を含
めてフロントデフ7全体のトランスファレシオを調整す
ることができる。
【0040】更に、差動制限機構83は差動プレート7
5と摩擦プレート77と皿ばね79とで薄型に構成され
ているから、差動制限機構83を配置したことによるフ
ロントデフ7の寸法増加は僅かであると共に、ピニオン
ギヤ59,61の噛み合い部(第1ギヤ部63,69)
がデフケース25のカバー33側にあり、図2の破線9
5のようにデフケース25がカバー33の反対側で小径
になる。従って、図4のように、クラッチハウジング2
3との干渉が防止され、このように配置スペースの狭い
前輪駆動車のトランスミッションケース21内への配置
が可能になり、フロントデフ7の車載性が向上する。
【0041】次に、図5ないし図9によって本発明の他
の実施例を説明する。これらの実施例は前述した実施例
と同様、エンジンの駆動力により回転するデフケース内
に第1発明の特徴となる構成要素が配置され、デフケー
スの駆動力はピニオンギヤ組を介して一対の出力側サイ
ドギヤから出力される。
【0042】従って、これらの実施例においては差動プ
レート,摩擦プレートと押圧部材の配置及び関連を概略
的な図5ないし図9により説明する。
【0043】まず図5は、第1と第2のピニオンギヤ3
07,315がそれぞれ第1ギヤ部301,309、第
2ギヤ部303,311と摺動部305,313からな
る。差動プレート317は第1と第2のピニオンギヤ3
07,315の第2ギヤ部303,311に内歯歯車の
ギヤ部319によって連結している。摩擦プレート32
1はデフケース323に設けられたピニオンギヤ支承部
325に内周突起部327をデフケース323の回転方
向に係合し、皿ばね(押圧部材)329によって差動プ
レート317に押圧され摺動抵抗を与えられている。
【0044】差動プレート317,摩擦プレート32
1,押圧部材329はデフケース323の内部両端に配
設されている。第1と第2のピニオンギヤ307,31
5から成るピニオンギヤ組はデフケース323の中心側
で第1ギヤ部301,309同士が噛み合い、この外側
で第2ギヤ部303,311がそれぞれ一対の出力側サ
イドギヤ331,333と噛み合っている。
【0045】次に図6は、第1と第2のピニオンギヤ4
07,415が両端側の第1ギヤ部401,409、第
2ギヤ部403,411、摺動部405,413と第1
と第2のギヤ部401,403、409,411を連結
する軸部406,414から成る。差動プレート417
は第1と第2のピニオンギヤ407,415の一端の第
1ギヤ部401,409に内歯歯車のギヤ部419によ
って連結している。摩擦プレート421はデフケース4
23に設けられたピニオンギヤ支承部425に内周突起
部427をデフケース423の回転方向に係合し、皿ば
ね(押圧部材)429により差動プレート417に押圧
され、摺動抵抗を与えられている。
【0046】差動プレート417,摩擦プレート42
1,押圧部材429はデフケース423内部の両端側に
配設されている。第1と第2のピニオンギヤ407,4
15からなるピニオンギヤ組はデフケース423の両端
側で両端の第1ギヤ部401,409同士が噛み合いこ
の内側で第2ギヤ部403,411がそれぞれ一対の出
力側サイドギヤ431,433と噛み合っている。サイ
ドギヤ431,433は一端面側が対向配置されてい
る。
【0047】図5,図6の実施例においては、イニシャ
ルトルクを付与する部材がピニオンギヤの両端側に配置
されるので車両の旋回方向がいずれであっても等しいト
ルクがより確実に発生する。第1と第2のピニオンギヤ
307,315、407,415はそれぞれ本発明の一
方と他方のピニオンギヤになりうる。
【0048】次に図7においてピニオンギヤ組を構成す
る一方のピニオンギヤ507は、第1ギヤ部501、第
2ギヤ部503、これらのギヤ部を連結する軸部505
からなり、他方のピニオンギヤ515は第1ギヤ部50
9,第2ギヤ部511と摺動部513からなる。ピニオ
ンギヤ507の第1ギヤ部501には内歯歯車のギヤ部
519によって差動プレート517が連結されている。
【0049】摩擦プレート521は他方のピニオンギヤ
515と噛み合うサイドギヤ531の軸部532の凹部
530に係合部525をサイドギヤ531の回転方向に
係合し、皿ばね(押圧部材)529は一端をデフケース
に当接させ、他端により摩擦プレート521を押圧し、
摩擦プレート521と差動プレート517との間に摺動
抵抗を発生させている。
【0050】ピニオンギヤ組は前述した図1,図2のデ
ファレンシャル装置と同様、デフケース523のカバー
側で噛み合い、ピニオンギヤ組の端面とデフケース53
2との間に差動プレート517,摩擦プレート521,
皿ばね529が配置されている。
【0051】一対の出力側サイドギヤ531,533は
一端面側が対向配置されている。
【0052】次に図8においては、ピニオンギヤ組を構
成する一方のピニオンギヤ607は第1ギヤ部601,
第2ギヤ部603,第1ギヤ部601端面より延設され
デフケース623の壁面と当接する軸部606からな
り、他方のピニオンギヤ615は第1ギヤ部609,第
2ギヤ部611と第1と第2のギヤ部609,611を
連結する軸部614から成る。ピニオンギヤ607の第
1ギヤ部609には外歯歯車のギヤ部619によって差
動プレート617が連結している。摩擦プレート621
は、他方のピニオンギヤ615と噛み合うサイドギヤ6
31の軸部632の凹部630に係合部625をサイド
ギヤ631の回転方向に係合し、サイドギヤ631の端
面と摩擦プレート621との間に配置されたコイルばね
(押圧部材)629により摩擦プレート621と差動プ
レート617との間に摺動抵抗を発生させる。
【0053】一対の出力側サイドギヤ631,633は
一端面側が対向配置されている。
【0054】次に図9においては、ピニオンギヤ組を構
成する一方のピニオンギヤ607は第1ギヤ部601,
第2ギヤ部603,第1と第2のギヤ部601,603
と連結する軸部706と後述する摩擦プレート721と
他方のピニオンギヤ715の第1ギヤ部709との噛み
合い連結を避けるための切欠き部705とからなり、他
方のピニオンギヤ715は第1ギヤ部709,第2ギヤ
部711と摺動部713からなる。
【0055】ピニオンギヤ707の図上左方の第1ギヤ
部701には内歯歯車のギヤ部719によって差動プレ
ート717が連結されている。摩擦プレート721は他
方のピニオンギヤ715の第1ギヤ部709とギヤ部7
25で噛み合い連結し、ピニオンギヤ707の第1ギヤ
部端面とピニオンギヤ715の摺動部713の端面に当
接配置されている。皿ばね729は一端をデフケース7
23に、他端を差動プレート717に当接配置され差動
プレート717を摩擦プレート721に押圧し、これら
2部材間に摺動抵抗を付与している。
【0056】一対の出力側サイドギヤ731,733は
一端面側を対向配置されている。
【0057】以上のように図5ないし図9に示す各実施
例においても図1ないし図4で述べた実施例同様、押圧
部材329,429,529,629,729によって
差動プレート317,417,517,617,717
と摩擦プレート321,421,521,621,72
1との間の摺動摩擦抵抗により制動されデファレンシャ
ル装置はイニシャルトルクが得られる。こうして得られ
たイニシャルトルクによって悪路などの走破性や脱出性
が向上する。これに加え、押圧部材の強さを変えるとい
う簡単かつ低コストでトランスファレシオの変更が可能
となる。
【0058】また、図1ないし図8に示す各実施例にお
いては差動プレート75,317,417,517,6
17,717のギヤ部がピニオンギヤ59,307,3
15,407,415,507,607,707,71
5の他方のピニオンギヤと噛み合う第1のギヤ部または
サイドギヤと噛み合う第2のギヤ部に噛み合い係合され
ているため新たにギヤ部を設けたり、追加工したりしな
くてすむため、より低コストとなる。
【0059】各ギヤはヘリカルギヤでなくスパーギヤで
構成してもよい。
【0060】以上、フロントデフ7を例にして説明した
が、この発明のデファレンシャル装置はフロントデフに
限らず、リヤデフ(後輪側の車軸デフ)やセンターデフ
(前輪と後輪とに駆動力を分配するデファレンシャル装
置)にも用いられる。
【0061】また、デフケースに形成された支承部を軸
孔としてピニオンギヤ両端に支承軸を設けこの支承軸を
支承部で支承しても良い。
【0062】
【発明の効果】請求項1のデファレンシャル装置は、一
方のピニオンギヤを差動プレートと噛み合わせ、差動プ
レートと摺動する摩擦プレートをデフケース又は他方の
ピニオンギヤと噛み合うサイドギヤと、あるいは他方の
ピニオンギヤと回転方向に係合させ、これら両プレート
を押圧部材が押圧するので、両プレート間に生じる摩擦
抵抗により差動回転が制動され、イニシャルトルクが得
られる。又、押圧部材の強さを変えることによりトラン
スファレシオを変えることができ、従来例と異なって、
ピニオンギヤを変えずに、低コストで差動制限特性を改
善できる。
【0063】請求項2のデファレンシャル装置は、フロ
ントデフに用いたものであり、請求項1のデファレンシ
ャル装置と同様に、大きなイニシャルトルクが得られ、
トランスファレシオを変えることができ、低コストで差
動制限特性を改善できる。
【0064】又、差動制限機構が薄型でデファレンシャ
ル装置の寸法増加は僅かであり、デフケースのカバーの
反対側が小径に形成できるから、フロントデフの配置ス
ペースが狭い前輪駆動車の動力伝達装置にも、例えばク
ラッチハウジングとの干渉を起こさずに配置することが
でき、車載性が向上する。
【0065】請求項3のデファレンシャル装置は、他方
のピニオンギヤの端部に差動プレートとの摺動部を設け
たから、請求項1又は2のデファレンシャル装置と同様
に、大きなイニシャルトルクが得られ、トランスファレ
シオを変えることができ、低コストで差動制限特性を改
善できる。
【0066】これに加えて、他方のピニオンギヤの端部
と差動プレートとの摺動により、差動プレート及び他方
のピニオンギヤの回転が制動され、イニシャルトルクが
強化される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例の概略構成図である。
【図2】本発明の実施例の断面図である。
【図3】図2のX−X断面図である。
【図4】図2の実施例を用いた車両の動力系を示すスケ
ルトン機構図である。
【図5】本発明の他の実施例の概略構成図である。
【図6】本発明の他の実施例の概略構成図である。
【図7】本発明の他の実施例の概略構成図である。
【図8】本発明の他の実施例の概略構成図である。
【図9】本発明の他の実施例の概略構成図である。
【図10】従来例の断面図である。
【符号の説明】
7 フロントデフ(デファレンシャル装置) 25 デフケース 31 ケーシング本体 33 カバー 37,39 ヘリカルサイドギヤ(出力側サイドギヤ) 55,57 収納孔 59 一方のヘリカルピニオンギヤ 61 他方のヘリカルピニオンギヤ 63,69 第1ギヤ部 65,71 第2ギヤ部 73 摺動部 75 差動プレート 77 摩擦プレート(デフケース側部材) 79 皿ばね(押圧部材) 81 内歯歯車(ギヤ部)

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エンジンの駆動力により回転駆動される
    デフケースと、デフケース内部に回転自在に支承された
    一対の出力側サイドギヤと、それぞれの第1ギヤ部が互
    いに噛み合うとともに、第2ギヤ部がサイドギヤと各別
    に噛み合った第1と第2のピニオンギヤからなる少なく
    とも1組のピニオンギヤ組と、デフケースに形成されピ
    ニオンギヤを回転自在に支承する支承部と、前記ピニオ
    ンギヤ組の一方のピニオンギヤのギヤ部と噛み合うギヤ
    部を有する差動プレートと、差動プレートに摺動するよ
    うに配置されたデフケース、他方のピニオンギヤ、又は
    他方のピニオンギヤと噛み合うサイドギヤに回転方向に
    係合した摩擦プレートと、差動プレートと摩擦プレート
    との摺動抵抗を発生させる押圧部材とを備えたことを特
    徴とするデファレンシャル装置。
  2. 【請求項2】 前記デフケースはケーシング本体及びケ
    ーシング本体に固定されたカバーとからなり、前記ピニ
    オンギヤ組は第1ギヤ部がデフケース内部のカバー側で
    互いに噛み合い、前記差動プレート,摩擦プレート及び
    押圧部材はカバーとピニオンギヤ組の第1ギヤ部端面と
    の間に配設され、一対のサイドギヤが左右の前車軸側に
    それぞれ連結したことを特徴とする請求項1記載のデフ
    ァレンシャル装置。
  3. 【請求項3】 前記他方のピニオンギヤの端部に差動プ
    レート又は摩擦プレートとの摺動部が設けられたことを
    特徴とする請求項1又は2記載のデファレンシャル装
    置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005180510A (ja) * 2003-12-17 2005-07-07 Toyoda Mach Works Ltd 車両用差動歯車装置

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005180510A (ja) * 2003-12-17 2005-07-07 Toyoda Mach Works Ltd 車両用差動歯車装置
JP4701607B2 (ja) * 2003-12-17 2011-06-15 株式会社ジェイテクト 車両用差動歯車装置

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