JPH10184413A - 車両の制御装置 - Google Patents

車両の制御装置

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JPH10184413A
JPH10184413A JP8354518A JP35451896A JPH10184413A JP H10184413 A JPH10184413 A JP H10184413A JP 8354518 A JP8354518 A JP 8354518A JP 35451896 A JP35451896 A JP 35451896A JP H10184413 A JPH10184413 A JP H10184413A
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隆史 太田
Kunihiro Iwatsuki
邦裕 岩月
Kagenori Fukumura
景範 福村
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B60VEHICLES IN GENERAL
    • B60WCONJOINT CONTROL OF VEHICLE SUB-UNITS OF DIFFERENT TYPE OR DIFFERENT FUNCTION; CONTROL SYSTEMS SPECIALLY ADAPTED FOR HYBRID VEHICLES; ROAD VEHICLE DRIVE CONTROL SYSTEMS FOR PURPOSES NOT RELATED TO THE CONTROL OF A PARTICULAR SUB-UNIT
    • B60W2552/00Input parameters relating to infrastructure
    • B60W2552/15Road slope, i.e. the inclination of a road segment in the longitudinal direction

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  • Auxiliary Drives, Propulsion Controls, And Safety Devices (AREA)
  • Control Of Vehicle Engines Or Engines For Specific Uses (AREA)
  • Control Of Transmission Device (AREA)
  • Traffic Control Systems (AREA)
  • Instructional Devices (AREA)
  • Navigation (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 走行経路情報の検出精度に対応して車両の挙
動をきめ細かく制御することの可能な車両の制御装置を
提供する。 【解決手段】 車両の走行経路情報を検出するナビゲー
ションシステムと、走行経路情報に対応して設定された
制御パターンに基づいて車両の挙動を制御する自動変速
機とを備えた車両の制御装置において、走行経路情報の
精度を検出する精度検出手段と、走行経路情報の精度に
基づいて自動変速機の制御に適用される制御パターンを
変更する制御パターン変更手段(ステップ51,52)
とを備えている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、走行経路情報検
出装置により検出される走行経路情報に基づいて、車両
の挙動が制御される車両の制御装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】一般に、車両には原動機や変速機などの
挙動制御装置が搭載されており、挙動制御装置の制御に
適用される制御パターンは、運転者の操作により変更さ
れる場合と、各種のセンサにより検出される走行状態に
基づいて自動的に変更される場合とがある。
【0003】しかしながら、上記制御パターンの変更は
いずれも具体的な道路状況に遭遇してから実行されるた
め、道路状況に対する車両の挙動制御が後手に回りやす
く、ドライバビリティが低下する場合が生じる。
【0004】一方、近年は走行経路情報検出装置、例え
ばナビゲーションシステムの発達により、自車両の走行
経路の道路状況を事前に検出し、この検出結果に基づい
て原動機や自動変速機の制御パターンを変更すること
で、車両の挙動を所期の状態に制御する発明がなされて
いる。このような車両の制御装置の一例が特開平8−7
2591号公報に記載されている。
【0005】上記公報に記載された車両の制御装置は、
自車両の現在位置を検知する自車位置特定手段と、電子
地図を参照して数秒後の自車両の推定位置を求める走行
道路推定手段と、自車両の駆動系における現在の負荷状
態を求める走行抵抗測定手段と、電子地図の勾配情報に
基づいて、現在の負荷状態を補正して推定位置の必要駆
動力を求める駆動力予測手段と、必要駆動力に基づいて
エンジンと自動変速機の一方を先回り調整し、必要駆動
力に対応可能な範囲で燃料消費を抑制する駆動系制御手
段と、自車両の速度に関する情報を検知して電子地図に
記録蓄積する走行軌跡記録手段とを有する。
【0006】上記車両の制御装置によれば、走行道路推
定手段により求められる自車両の推定位置の道路状況に
応じた必要駆動力を設定することにより、道路状況に応
じた駆動状態が維持され、かつ、運転者の意図が駆動力
の制御に反映されて具体的な道路状況でのドライバビリ
ティの向上が図られている。
【0007】上記のような車両の制御装置においては、
人工衛星からの電波や各種のセンサに基づいて走行経路
情報が検出されているため、車両が電波を受信すること
が困難な場所を走行する場合や、各種のセンサに異常が
生じた場合には、正確な走行経路情報を検出できなくな
る可能性がある。その結果、道路状況と車両の駆動力と
が適合しなくなり、ドライバビリティが低下する問題が
あった。
【0008】この問題に対処する発明の一例が、特開平
5−262251号公報に記載されている。この公報に
記載された車両の制御装置は、車両の現在位置に関する
情報を出力する走行情報出力手段と、出力された走行情
報に基づいて車両の運動状態を制御する運動状態制御手
段とを備えている。また、この車両の制御装置は、運動
状態制御手段が用いる制御規則を、走行情報出力手段が
正常である場合と異常である場合とで変える制御規則変
更手段を備えている。このため、走行情報出力手段が異
常になっても、車両の運動制御の精度がそれほど低下せ
ずに済む効果がある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】ところで、走行経路出
力手段により出力される情報が異常でないとしても、一
定の範囲内で検出情報に誤差が生じる可能性がある。こ
のような状況下で、予め設定された運動状態の制御が実
行されれば、道路状況と車両の運動状態とが適合しなく
なり、ドライバビリティが低下する可能性がある。
【0010】しかしながら、特開平5−262251号
公報に記載された車両の制御装置では、走行情報出力手
段が正常か異常かで、運動制御手段に用いる制御規則が
画一的に変更される。このため、走行情報出力手段の機
能が低下して情報の精度不良が生じた場合でも、正常ま
たは異常のいずれか一方に偏った運動制御が行われるこ
とになり、上記事態に対処することが困難であった。
【0011】この発明は上記事情を背景としてなされた
もので、走行経路情報の検出精度に基づいて車両の挙動
をきめ細かく制御することの可能な車両の制御装置を提
供することを目的としている。
【0012】
【課題を解決するための手段およびその作用】上記目的
を達成するためこの発明は、車両の走行経路情報を検出
する走行経路情報検出装置と、前記走行経路情報に対応
して設定された制御パターンに基づいて前記車両の挙動
を制御する挙動制御装置とを備えた車両の制御装置にお
いて、前記走行経路情報の精度を検出する精度検出手段
と、前記走行経路情報の精度に基づいて前記制御パター
ンを変更する制御パターン変更手段とを備えていること
を特徴とする。
【0013】この発明の挙動制御装置には、車両の駆動
力源としてのエンジン、エンジンの燃料噴射を制御する
燃料噴射制御装置、エンジンの点火時期を制御する点火
時期制御装置、エンジンの出力を制御するエンジン用電
子制御装置、エンジンの出力側に配置された自動変速
機、自動変速機を制御する自動変速機用電子制御装置、
自動変速機の構成要素の動作や油圧を制御する油圧制御
装置、車両の制動力を制御するブレーキ装置、アクセル
ペダルを踏むことなく車速を自動的に制御する自動速度
制御装置、車体を保持する懸架装置、車両の走行方向を
制御する操舵装置などのシステムが含まれる。
【0014】また、制御パターンを変更する制御パター
ン変更手段には、走行経路に応じて設定されている制御
パターンの適用を禁止する機能と、走行経路情報の検出
精度の度合いに応じて制御パターンの度合いを変更する
機能と、走行経路に応じて設定されている制御パターン
をほかの制御パターンに置き換える機能とが含まれる。
【0015】この発明によれば走行経路情報検出装置に
より検出される走行経路情報の精度に対応して、挙動制
御装置の制御に適用される制御パターンが変更される。
したがって、走行経路の実態と車両の挙動との適合性を
きめ細かく制御することが可能になり、車両の操縦安定
性、動力性能、乗り心地、ドライバビリティなどの低下
を抑制することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】つぎにこの発明を図面に基づいて
より具体的に説明する。図1は、この発明が適用される
車両の全体的な制御系統を示すブロック図であり、駆動
力源としてのエンジン1の出力側には自動変速機2が連
結されている。エンジン1は、その出力を電気的に制御
するように構成されており、エンジン1の吸気管3に
は、サーボモータ4によって駆動される電子スロットル
バルブ5が設けられている。また、エンジン1は、燃焼
室1Aの燃料噴射量を制御するインジェクタ6Aを含む
燃料噴射制御装置6と、スパークプラグ7Aおよびディ
ストリビュータ7Bおよびイグニッションコイル7Cを
含む点火時期制御装置7とを備えている。
【0017】一方、エンジン1の出力を制御するための
アクセルペダル8の踏み込み量すなわちアクセル開度
は、アクセルペダルスイッチ9によって検出され、その
検出信号がエンジン用電子制御装置(E−ECU)10
に入力されている。このエンジン用電子制御装置10
は、中央演算処理装置(CPU)11、記憶装置(RA
M、ROM)12、入力インターフェース13、出力イ
ンターフェース14を主体とするマイクロコンピュータ
により構成されている。
【0018】このエンジン用電子制御装置10には、制
御のためのデータとして、エンジン(E/G)回転数N
e を検出するエンジン回転数センサ15の信号、吸入空
気量Qを検出する吸入空気量センサ16の信号、吸入空
気温度を検出する吸入空気温度センサ17の信号、電子
スロットルバルブ5の開度を検出するスロットルセンサ
18の信号などが入力されている。
【0019】さらにエンジン用電子制御装置10には、
自動変速機2の出力軸の回転数を検出する車速センサ1
9の信号、エンジン水温を検出するエンジン水温センサ
20の信号、ブレーキペダル21の踏み込み量を検出す
るブレーキスイッチ22からの信号などが入力されてい
る。
【0020】そしてエンジン用電子制御装置10によ
り、各種のセンサやスイッチにより検出されるデータを
演算処理することで車両の走行状態が判断され、この判
断結果に基づいて、電子スロットルバルブ5の開度、燃
料噴射制御装置6の燃料噴射量、点火時期制御装置7の
点火時期のうちの少なくとも1つが制御される。
【0021】また、エンジン用電子制御装置10は、後
述するナビゲーションシステムに対して相互にデータ通
信可能に接続されており、ナビゲーションシステムによ
り検出される走行経路情報に基づいて、電子スロットル
バルブ5の開度、燃料噴射制御装置6の燃料噴射量、点
火時期制御装置7の点火時期のうちの少なくとも1つを
制御することも可能である。
【0022】図2は上記の自動変速機2のギアトレーン
の一例を示すスケルトン図であり、図2においては、前
進5段・後進1段の変速段を設定する有段式の自動変速
機2が構成されている。すなわち、自動変速機2は、ト
ルクコンバータ23と、副変速部24と、主変速部25
とを備えている。トルクコンバータ23は、ポンプイン
ペラ26に一体化させたフロントカバー27と、タービ
ンランナ28を一体に取付けた部材、言い換えればハブ
29と、ロックアップクラッチ30とを有している。
【0023】フロントカバー27はエンジン1のクラン
クシャフト31に連結され、またタービンランナ28に
連結された入力軸32は、副変速部24を構成するオー
バドライブ用の遊星歯車機構33のキャリヤ34に連結
されている。
【0024】この遊星歯車機構33を構成するキャリヤ
34とサンギヤ35との間には、多板クラッチC0 と一
方向クラッチF0 とが設けられている。この一方向クラ
ッチF0 は、サンギヤ35がキャリヤ34に対して相対
的に正回転、つまり、入力軸32の回転方向に回転した
場合に係合するようになっている。そして、副変速部2
4の出力要素であるリングギヤ36が、主変速部25の
入力要素である中間軸37に接続されている。また、サ
ンギヤ35の回転を選択的に止める多板ブレーキB0 が
設けられている。
【0025】したがって副変速部24は、多板クラッチ
C0 もしくは一方向クラッチF0 が係合した状態で遊星
歯車機構33の全体が一体となって回転するため、中間
軸37が入力軸32と同速度で回転し、低速段となる。
またブレーキB0 を係合させてサンギヤ35の回転を止
めた状態では、リングギヤ36が入力軸32に対して増
速されて正回転し、高速段となる。
【0026】他方、主変速部25は三組の遊星歯車機構
38,39,40を備えており、それらの回転要素が以
下のように連結されている。すなわち第1遊星歯車機構
38のサンギヤ41と第2遊星歯車機構39のサンギヤ
42とが互いに一体的に連結されている。また、第1遊
星歯車機構38のリングギヤ43と、第2遊星歯車機構
39のキャリヤ44と、第3遊星歯車機構40のキャリ
ヤ45とが連結され、かつそのキャリヤ45に出力軸4
6が連結されている。さらに第2遊星歯車機構39のリ
ングギヤ47が、第3遊星歯車機構40のサンギヤ48
に連結されている。
【0027】この主変速部25の歯車列では後進段と前
進側の四つの変速段とを設定することができ、そのため
のクラッチおよびブレーキが以下のように設けられてい
る。先ずクラッチについて述べると、互いに連結されて
いるリングギヤ47およびサンギヤ48と、中間軸37
との間に第1クラッチC1 が設けられている。また、互
いに連結された第1遊星歯車機構38のサンギヤ49お
よび第2遊星歯車機構39のサンギヤ42と、中間軸3
7との間に第2クラッチC2 が設けられている。
【0028】つぎにブレーキについて述べると、第1ブ
レーキB1 はバンドブレーキであって、第1遊星歯車機
構38および第2遊星歯車機構39のサンギヤ49,4
2の回転を止めるように配置されている。またこれらの
サンギヤ49,42とケーシング50との間には、第1
一方向クラッチF1 と多板ブレーキである第2ブレーキ
B2 とが直列に配列されている。第1一方向クラッチF
1 はサンギヤ49,42が逆回転、つまり入力軸32の
回転方向とは反対方向に回転しようとする際に係合する
ようになっている。
【0029】多板ブレーキである第3ブレーキB3 が、
第1遊星歯車機構38のキャリヤ51とケーシング50
との間に設けられている。そして第3遊星歯車機構40
のリングギヤ52の回転を止めるブレーキとして、多板
ブレーキである第4ブレーキB4 と第2一方向クラッチ
F2 とが設けられている。第4ブレーキB4 および第2
一方向クラッチF2 は、ケーシング50とリングギヤ5
2との間に相互に並列に配置されている。なお、この第
2一方向クラッチF2 はリングギヤ52が逆回転しよう
とする際に係合するように構成されている。
【0030】上記のように構成された自動変速機2にお
いては、各クラッチやブレーキを図3の動作図表に示す
ように係合・解放することにより、前進5段・後進1段
の変速段を設定することができる。なお、図3において
○印は係合状態、●印はエンジンブレーキ時に係合状
態、△印は係合・解放のいずれでもよいこと、空欄は解
放状態をそれぞれ示す。
【0031】そして、この実施例では、シフトレバー5
3のマニュアル操作により、P(パーキング)レンジ、
R(リバース)レンジ、N(ニュートラル)レンジ、D
(ドライブ)レンジ、3レンジ、2レンジ、Lレンジの
各レンジを設定可能になっている。
【0032】そして、図1に示された油圧制御装置54
により、自動変速機2における変速段の設定または切り
換え制御、ロックアップクラッチ30の係合・解放やラ
イン圧の制御、摩擦係合装置の係合圧の制御などが行わ
れる。油圧制御装置54は電気的に制御されるもので、
自動変速機2の変速を実行するための第1ないし第3の
シフトソレノイドバルブS1 ,〜S3 と、エンジンブレ
ーキ状態を制御するための第4ソレノイドバルブS4 と
を備えている。
【0033】また、油圧制御装置54は、油圧回路のラ
イン圧を制御するためのリニアソレノイドバルブSLT
と、自動変速機2の変速過渡時におけるアキュームレー
タ背圧を制御するためのリニアソレノイドバルブSLN
と、ロックアップクラッチ30や所定の摩擦係合装置の
係合圧を制御するためのリニアソレノイドバルブSLUと
を備えている。
【0034】そして、油圧制御装置54には自動変速機
用電子制御装置(T−ECU)55が接続されており、
自動変速機用電子制御装置55から上記ソレノイドバル
ブに対して制御信号が入力され、自動変速機2の変速制
御、ライン圧の制御、アキュームレータ背圧の制御など
が行われる。この自動変速機用電子制御装置55は、中
央演算処理装置(CPU)56、記憶装置(RAM、R
OM)57、入力インターフェース58、出力インター
フェイス59を主体とするマイクロコンピュータにより
構成されている。
【0035】この自動変速機用電子制御装置55には、
制御のためのデータとしてスロットルセンサ18の信
号、車速センサ19の信号、エンジン水温センサ20の
信号、ブレーキスイッチ22の信号、シフトレバー53
のマニュアル操作を検出するシフトポジションセンサ6
0の信号、自動変速機2の制御に適用される制御パター
ンを切り換えるパターンセレクトスイッチ61の信号、
オーバドライブスイッチ62の信号、多板クラッチC0
の回転速度を検出する入力軸回転センサ63の信号、自
動変速機2の作動油温を検出する油温センサ64の信号
などが入力されている。
【0036】自動変速機用電子制御装置55とエンジン
用電子制御装置10とは、相互にデータ通信可能に接続
されており、エンジン用電子制御装置10から自動変速
機用電子制御装置55に対しては、1回転当たりの吸入
空気量(Q/Ne )などの信号が送信され、また自動変
速機用電子制御装置55からエンジン用電子制御装置1
0に対しては、各ソレノイドバルブに対する指示信号と
同等の信号および変速段を指示する信号などが送信され
ている。
【0037】すなわち自動変速機用電子制御装置55に
より、各種のセンサ及びスイッチから入力される信号に
基づいて車両の走行状態が判断され、この判断結果と予
め記憶している制御パターン、言い換えれば変速線図と
に基づいて、自動変速機2の変速段やロックアップクラ
ッチ30のON/OFF制御、ライン圧制御、摩擦係合
装置の係合圧の調圧レベルを判断する制御などが行われ
る。
【0038】また、自動変速機用電子制御装置55は、
後述するナビゲーションシステムに対して相互にデータ
通信可能に接続されており、ナビゲーションシステムに
より検出される走行経路情報に基づいて、自動変速機2
の構成要素を制御する機能を備えている。
【0039】さらに、自動変速機用電子制御装置55
は、上記各種のセンサやスイッチから入力される信号の
判断結果に基づいて、所定のソレノイドバルブに指示信
号を出力する機能と、各種のソレノイドバルブのフェー
ルの判断を実行し、フェールの判断結果に基づいて車両
の走行に支障が生じないように構成要素の状態を制御す
るフェールセーフ機能とを備えている。
【0040】図4には、自動変速機2の制御に適用され
る変速線図の一例が示されている。この変速線図はスロ
ットル開度と車速とを基準にして設定されており、図4
の例では第1速から第2速にアップシフトする際の変速
線を、エコノミーパターン、ノーマルパターン、パワー
パターンについて表している。エコノミーパターンの変
速線H1はノーマルパターンの変速線H2よりも低車速
側に設定され、パワーパターンの変速線H3はノーマル
パターンの変速線H2よりも高車速側に設定されてい
る。また、車両の発進時に第2速が設定されるスノーパ
ターン用の変速線図を設定することも可能である。
【0041】これらの変速線図の変更は、パターンセレ
クトスイッチ61の操作により実行される。また、後述
するナビゲーションシステムにより検出される走行経路
情報に基づいて変速線図を変更することも可能である。
変速線図を変更する手段には、自動変速機用電子制御装
置55に予め複数の変速線図を記憶しておき、その変速
線図を読み替える機能と、基準になる変速線図を演算処
理により補正する機能とが含まれる。
【0042】一方、この発明の車両制御装置は図1に示
すように、ブレーキ装置65、自動速度制御装置66、
懸架装置67、操舵装置68、照明装置69、ナビゲー
ションシステム70などのシステムを備えている。ブレ
ーキ装置65には図5に示されるように、運転者により
操作されるブレーキペダル21、ブレーキペダル21の
踏み込み量を検出するブレーキペダルスイッチ22、ブ
レーキペダル21の踏み込み力を油圧に変換するマスタ
ーシリンダ71が含まれる。また、ブレーキ装置65に
は、マスターシリンダ71から油圧が供給されるホイー
ルシリンダ72、ホイールシリンダ72に作用する油圧
を電気的に制御するソレノイドバルブ73、各車輪の回
転速度を別個に検出する車輪速度センサ74などの構成
要素のほか、これらの構成要素をブレーキペダル21の
操作や車両の走行状態に基づいて制御する電子制御装置
75が含まれる。
【0043】このブレーキ装置65は、ブレーキペダル
21の操作によりホイールシリンダ72に油圧が供給さ
れて制動力を生じる制動機能と、車輪速度センサ74に
より検出される信号に基づいて各ホイールシリンダ72
の油圧を制御して車輪のロックを抑制するアンチロック
ブレーキシステム機能とを備えている。
【0044】また、車両の走行状態に基づいてブレーキ
装置65のホイールシリンダ72に作用する油圧を制御
し、かつ、エンジン1の出力トルクを制御することによ
り、車両の発進時に過剰な駆動力で車輪がスピンするこ
とを抑制するトラクションコントロール機能を達成する
ことも可能である。
【0045】なお、ブレーキ装置65はナビゲーション
システム70に対してデータ通信可能に接続されてお
り、ナビゲーションシステム70により検出される走行
経路情報に基づいてホイールシリンダ72に作用する油
圧を制御し、ブレーキ装置65の制動力を走行経路の状
況に適合させることも可能である。
【0046】前記自動速度制御装置66は、エンジン1
および自動変速機2を制御して車両の速度を自動的に制
御するためのものである。自動速度制御装置66には、
車速を設定するためのコントロールスイッチ76、自動
速度制御を解除するための解除スイッチ77、車速を検
出する車速センサ19、吸気管3に設けられた電子スロ
ットルバルブ5、電子スロットルバルブ5の開閉を制御
するサーボモータ4などの構成要素と、各構成要素を設
定車速や車両の走行状態に基づいて制御する電子制御装
置78とが含まれる。
【0047】そして、自動速度制御装置66のコントロ
ールスイッチ76の操作信号がエンジン用電子制御装置
10および自動変速機用電子制御装置55に入力され、
アクセルペダル8を踏み込まなくても電子スロットルバ
ルブ5の開度が所定の状態に維持され、車速を自動的に
一定に制御することが可能である。また、定速走行制御
の実行中にアクセルペダル8、ブレーキペダル21、自
動変速機2のシフトレバー53などが操作された場合
は、定速走行制御が解除されるように構成されている。
【0048】なお、自動速度制御装置66はナビゲーシ
ョンシステム70に対してデータ通信可能に接続されて
おり、ナビゲーションシステム70により検出される走
行経路情報に基づいて、定速走行制御の設定または解除
を行うことも可能である。
【0049】前記懸架装置67は車体を支持し、かつ、
車体の振動や操縦安定性などの挙動を制御するためのも
のである。懸架装置67には、衝撃を吸収するショック
アブソーバ79、衝撃を吸収するエアスプリング80、
ショクアブソーバ79やエアスプリング80の減衰力を
制御するアクチュエータ81などの構成要素と、これら
の構成要素を制御する電子制御装置82とが含まれる。
【0050】この懸架装置67は、車両の走行状態に応
じてショックアブソーバ79の減衰力またはエアスプリ
ング80の減衰力が電子制御装置82で制御され、操縦
安定性、乗り心地の向上が図られる。また、懸架装置6
7はナビゲーションシステム70に対してデータ通信可
能に接続されており、ナビゲーションシステム70によ
り検出される走行経路情報に基づいて、ショックアブソ
ーバ79またはエアスプリング80の減衰力を制御する
ことも可能である。
【0051】車両の走行方向を制御する操舵装置68に
は、運転者により操作されるステアリングホイール8
3、ステアリングホイール83の回転をステアリングリ
ンク84に伝達するギヤボックス85、ギヤボックス8
5に油圧を供給するベーンポンプ86、ギヤボックス8
5に作用する油圧を電気的に制御するソレノイドバルブ
87などの構成要素のほか、各構成要素を制御する電子
制御装置88が含まれる。そして、車速センサ19によ
り検出される車速に応じてギヤボックス85の油圧が制
御され、ステアリングホイール83の操作性が向上され
る。
【0052】なお、操舵装置68はナビゲーションシス
テム70に対してデータ通信可能に接続されており、ナ
ビゲーションシステム70により検出される走行経路情
報に基づいてギヤボックス85の油圧を制御し、ステア
リングホイール83の操作性を向上させることも可能で
ある。
【0053】さらに、照明装置69には、車両の前部に
取り付けられたヘッドランプ89、車両の後部に取り付
けられたテールランプ90、ヘッドランプ89またはテ
ールランプ90を手動により点灯・消灯させるライトス
イッチ91、車両の周囲の照度を検出してヘッドランプ
89またはテールランプ90を自動的に点灯・消灯させ
る照度センサ92、ヘッドランプ89またはテールラン
プ90に接続された電気回路を開閉させるリレー93な
どの構成要素のほか、各構成要素を制御する制御回路9
4が含まれる。
【0054】一方、前記ナビゲーションシステム70は
車両の走行経路情報を検出するためのもので、ナビゲー
ションシステム70の具体的な構成例が図6に示されて
いる。すなわち、ナビゲーションシステム70には、電
子制御装置95、第1情報検出装置96、第2情報検出
装置97、プレーヤ98、マルチAVステーション9
9、スピーカ100が含まれる。
【0055】電子制御装置95は、中央演算処理装置
(CPU)101、記憶装置(RAM、ROM)10
2、入力インターフェース103、出力インターフェー
ス104を主体とするマイクロコンピュータにより構成
されている。プレーヤ98は、情報記録媒体105に記
憶されている情報を読み取るためのもので、情報記録媒
体105には、光ディスクや磁気ディスクなどが含まれ
る。
【0056】前記情報記録媒体105には車両の走行に
必要な情報、例えば地図、地名、道路、道路周辺の主要
建築物などが記憶されているとともに、具体的な道路状
況、例えば、直線路、カーブ、登坂、降坂、砂利路、砂
浜、河川敷、市街地、山間地、普通道路、高速道路、
川、海、未舗装路、凸凹路、各道路における道路標識、
交通法規などが記憶されている。
【0057】前記第1情報検出装置96は、自立航法に
より自車両の現在位置、走行経路の道路状況、他車両と
自車両との車間距離などを検出するためのものである。
第1情報検出装置96には、車両の走行する方位を検出
する地磁気センサ106、ジャイロコンパス107、ス
テアリングホイール83の舵角を検出するステアリング
センサ108、道路勾配を検出する勾配センサ109な
どが含まれる。
【0058】また、第1情報検出装置96には、先行車
両の認識や車間距離を検出するビデオカメラ110、レ
ーザークルーズ装置111、距離センサ112、各車輪
の回転速度を別個に検出する車輪速度センサ74、車両
の前後加速度または横加速度を検出する加速度センサ1
13、自動変速機2の出力軸46の回転速度を検出する
車速センサ19、車両の周囲の照度を検出する照度セン
サ92などが含まれる。
【0059】そして、第1情報検出装置96と電子制御
装置95とがデータ通信可能に接続されており、第1情
報検出装置96により検出されたデータが電子制御装置
95に送られる。
【0060】また、第2情報検出装置97は電波航法に
より自車両の現在位置、走行経路の道路状況、走行経路
の他車両、走行経路の障害物、走行経路の天候などを検
出するためのもので、第2情報検出装置97には、人工
衛星114からの電波を受信するGPSアンテナ11
5、GPSアンテナ115に接続されたアンプ11
6、、アンプ116に接続されたGPS受信機117が
含まれる。
【0061】さらに第2情報検出装置97には、他車両
に搭載されている発信機、路側に設置されているビーコ
ンやサインポスト、VICS(ビークル・インフォメー
ション&コミュニケーション・システム)、SSVS
(スーパー・スマート・ビークル・システム)などの地
上情報伝達システム118からの電波や光を受信するア
ンテナ119、アンテナ119に接続されたアンプ12
0、アンプ120に接続された地上情報受信機121な
どが含まれる。
【0062】そして、GPS受信機117および地上情
報受信機121が電子制御装置95にデータ通信可能に
接続されており、第2情報検出装置97により検出され
たデータが電子制御装置95に送られる。
【0063】また、マルチAVステーション99は、液
晶または陰極線管(CRT)により構成されたディスプ
レイ122と、各種のスイッチ123とを備えている。
マルチAVステーション99は、目的地までの走行予定
経路、走行予定経路の道路状況、自車両の現在位置、他
車両の存在およびその位置、障害物の有無やその位置な
どの情報を画像表示する機能を備えている。なお、各種
の情報がディスプレイ122に表示される動作に並行し
て、スピーカ100により情報を音声で出力することも
可能である。
【0064】そして、スイッチ123を操作することに
より、第1情報検出装置96または第2情報検出装置9
7の制御、目的地や走行予定経路の設定、走行予定経路
における現在位置の修正、地図の拡大や縮小、走行経路
の変更などを行うことが可能である。
【0065】上記構成のナビゲーションシステム70に
おいては、第1情報検出装置96により検出される走行
経路情報のデータと、第2情報検出装置97により検出
される走行経路情報のデータと、情報記録媒体105に
記憶されている地図データとが総合的に比較または評価
され、車両の走行経路における車両の現在位置や周囲の
道路状況が判断される。そして、この判断結果がマルチ
AVステーション99やスピーカ100により出力され
る。
【0066】ここで、第1情報検出装置96により検出
されるデータに基づいて現在位置を判断する場合、各セ
ンサなどに検出誤差が生じている可能性がある。そこ
で、マップマッチングにより誤差を吸収する制御が行わ
れている。マップマッチングとは、各種のセンサの信号
から検出される車両の走行軌跡と、情報記録媒体105
に記憶されている地図データとを比較して、車両の現在
位置を補正する制御である。
【0067】ここで、上記実施例に係る車両の制御装置
のハード構成と請求項1との対応関係を説明すれば、エ
ンジン1、自動変速機2、サーボモータ4、電子スロッ
トルバルブ5、燃料噴射制御装置6、点火時期制御装置
7、油圧制御装置54、ブレーキ装置65、自動速度制
御装置66、懸架装置67、操舵装置68などのシステ
ムが請求項1の挙動制御装置に相当し、ナビゲーション
システム70が請求項1の走行経路情報検出装置に相当
する。
【0068】上記ハード構成を有する車両の制御装置
は、ナビゲーションシステム70により検出される走行
経路情報に基づいて、各挙動制御装置のうちの少なくと
も一つのシステムの制御を行うことが可能である。走行
経路情報に対応して行われる各種の挙動制御装置の制御
パターンには、以下の内容が含まれる。
【0069】まず、自動変速機2においては、車両がカ
ーブ路やワインディング路を走行することが検出された
場合に自動変速機2をダウンシフトさせてエンジンブレ
ーキ力により車速を減少させる制御、車両が低摩擦係数
路から発進することが検出された場合に第2速を設定し
て駆動力を抑制し、車輪のスリップを抑制する制御など
を行うことが可能である。
【0070】また、自動変速機2では上記制御のほか、
車両が低摩擦係数路を走行することが検出された場合に
特定の変速段以下にダウンシフトされることを禁止し、
車輪のスリップを抑制する制御、車両がカーブ路を旋回
することが検出された場合に変速を禁止する制御、車両
が渋滞に進入することが検出された場合に、エンジンブ
レーキ力が強められる変速段を設定する制御などを行う
ことが可能である。
【0071】さらに、自動変速機2では上記制御のほ
か、車両が渋滞路で停車中であることが検出された場合
にニュートラル制御を実行する制御、車両が未舗装路や
山間地を走行することが検出された場合にパワーパター
ンを設定する制御、車両が高速道路や郊外を走行するこ
とが検出された場合にエコノミーパターンを設定する制
御、車両が登坂路や降坂路を走行することが検出された
場合に特定変速段にアップシフトされることを禁止する
制御などを行うことが可能である。
【0072】前記ブレーキ装置65においては、車両が
低摩擦係数路を走行することが検出された場合にホイー
ルシリンダ72に作用する油圧を抑制して、ブレーキペ
ダル21が踏み込まれた際に車輪がスリップすることを
抑制する制御、車両が急勾配の降坂路を走行することが
検出された場合にホイールシリンダ72に作用する油圧
を増大させて制動力を可及的に高める制御などを行うこ
とが可能である。
【0073】また、自動速度制御装置66においては、
車両が高速道路を走行することが検出された場合に自動
的に車速を設定する制御、車両の前方に渋滞などが検出
された場合に事前に定速走行状態を解除する制御などを
行うことが可能である。
【0074】さらに、懸架装置67においては、車両が
未舗装路や砂利路などを走行することが検出された場合
にショックアブソーバ79またはエアスプリング80の
減衰力を高めて車両の振動を抑制する制御、車両が直線
路からカーブ路に移る過渡状態であることが検出された
場合に、後輪側の減衰力を高めて車両の回頭性を向上さ
せる制御、車両が旋回途中であることが検出された場合
に、前輪側の減衰力を高めてアンダーステア傾向を強め
る制御などを行い、車両の操縦安定性や乗り心地を向上
させることが可能である。
【0075】さらに、操舵装置68においては、車両が
未舗装路や凸凹路などを走行することが検出された場合
に、ギヤボックス85に作用する油圧を増大させる制御
を行い、ステアリングホイール83の操作力を軽減して
車両の方向安定性を向上させることができる。
【0076】さらにまた、エンジン1においては、車両
が渋滞路に進入したことが検出された場合には、アクセ
ルペダル8の踏み込み量に関わらず電子スロットルバル
ブ5を全閉にし、かつ、燃料噴射制御装置6により燃料
噴射料を減少させて燃費の向上および触媒の過熱防止を
図ることができる。
【0077】ところで、ナビゲーションシステム70で
検出される走行経路情報と、走行経路の実態とが一致し
ない状態、言い換えればナビゲーションシステム70に
よる検出精度の低下や、異常、誤差が生じる場合があ
る。その理由は、人工衛星114からの電波が障害物で
遮られ、ナビゲーションシステム70により電波を受信
することが不可能になることがあるうえ、第1情報検出
装置96の構成要素が各々検出誤差を含むとともに、車
輪のスリップなどが生じた場合には各種のセンサーに検
出誤差が生じるからである。
【0078】ナビゲーションシステム70により検出さ
れる走行経路情報と、道路の実態とに相違が生じる道路
状況には、車両がY字路を走行する場合、車両がヘアピ
ンカーブを走行する場合、車両がビルなどの谷間を走行
する場合、車両がターンテーブル上で旋回する場合、車
両がトンネル内を走行する場合、車両が高架の下を走行
する場合、規格外のタイヤを使用した場合、車両が地図
データに存在しない道路を走行した場合、車両をフェリ
ーなどで運搬する場合などが含まれる。
【0079】また、各種の道路工事や埋め立て地の拡
張、あるいはトンネルの開通などにより、道路の実態と
情報記録媒体105に記憶されている地図データとの整
合性が損なわれる場合もある。
【0080】このため、走行経路情報の検出精度が低い
にもかかわらず、走行経路情報に応じて設定された制御
パターンにより挙動制御装置が制御されると、車両の挙
動と道路状況との適合性が損なわれる可能性がある。そ
の結果、車両の動力性能、操縦安定性、乗り心地、ドラ
イバビリティなどが低下する。そこで、この発明の車両
の制御装置は、ナビゲーションシステム70により検出
される走行経路情報の検出精度に対応して、挙動制御装
置の制御に適用される制御パターンを変更する制御パタ
ーン変更手段を備えている。
【0081】以下、この発明の車両制御装置において、
ナビゲーションシステム70により検出される走行経路
情報の検出精度を判断する制御例と、検出される走行経
路情報の精度に対応して、挙動制御装置の制御に適用さ
れる制御パターンを変更する制御例とを説明する。
【0082】図7ないし図11に示す制御例は、請求項
1に記載された精度検出手段を含むフローチャートであ
る。図7の制御例は、第1情報検出装置96、第2情報
検出装置97により検出される車両の現在位置のデータ
と、情報記録媒体105に記録されている地図データと
の整合性により、走行経路情報の検出精度を判断する場
合を示している。
【0083】まず、運転者がマルチAVステーション9
9のスイッチ123を操作して、目的地の設定や走行経
路の地図の表示が行われるとともに、第1情報検出装置
96、第2情報検出装置97により検出されるデータに
基づいて、車両の現在位置や道路状況が判断される(ス
テップ1)。
【0084】そして、ステップ1で判断された車両の現
在位置と、情報記録媒体105に記憶されている地図デ
ータとが照合され、判断された現在位置が物理的にあり
得ない場所、例えば地図上の海、川などのように、陸地
から所定距離以上離れた位置にあるか否かが判断される
(ステップ2)。
【0085】つまり、運転者が意図的にこのような場所
を走行している場合を除き、車両がこのような場所を走
行する事態は生じにくいため、情報記録媒体105に記
憶されている地図データを基準にして、第1情報検出装
置96、第2情報検出装置97により検出されるデータ
の精度が判断される。
【0086】ステップ2で否定判断された場合は、車両
の現在位置と、地図データの最寄りの道路との距離Lが
演算処理される(ステップ3)。そして、ステップ3で
演算処理された距離Lが、予め記憶されている所定値未
満であるか否かが判断される(ステップ4)。ステップ
4で否定判断された場合は走行経路情報の検出精度が所
定値以上に確保されていることになるため、第1情報検
出装置96、第2情報検出装置97の精度不良を示すフ
ラグがオフされ(ステップ5)、リターンされる。ま
た、ステップ2で肯定判断された場合、またはステップ
4で否定判断された場合は、情報記録媒体105に記録
されている地図データが優先的に評価され、第1情報検
出装置96、第2情報検出装置97により検出される情
報の精度不良を示すフラグがオンされ(ステップ6)、
リターンされる。
【0087】ここで、図7に示された機能的手段と請求
項1との対応関係を説明すれば、ステップ2,3,4,
5,6が請求項1の精度検出手段に相当する。
【0088】図8の制御例は、第1情報検出装置96に
より検出されるデータと、第2情報検出装置97により
検出されるデータまたは情報記録媒体105に記憶され
ているデータとの整合性により、第2情報検出装置97
により検出されるデータまたは情報記録媒体105に記
憶されているデータの精度を判断する場合を示してい
る。
【0089】まず、ステップ11では、図7のステップ
1と同様の制御が行われ、ステップ12では、第2情報
検出装置97または情報記録媒体105のデータによ
り、車両が曲線部、言い換えればカーブ路やワインディ
ング路を走行中であるか否かが判断される(ステップ1
2)。
【0090】ステップ12で肯定判断された場合は、ス
テアリングセンサ108により検出される操舵角が所定
値を超えているか否かが判断される(ステップ13)。
つまり、車両が実際に曲線部を走行すれば操舵角が必然
的に変化するため、ステアリング舵角センサ108によ
り検出されるデータを基準として、第2情報検出装置9
7または情報記録媒体105のデータの精度を判断する
ことが可能である。
【0091】ステップ13で否定判断された場合は、ス
テアリングセンサ108により検出されるデータと、第
2情報検出装置97または情報記録媒体105のデータ
とが整合していないことになり、第2情報検出装置97
または情報記録媒体105のデータの精度不良を示すフ
ラグがオンされる(ステップ14)。
【0092】また、ステップ12で否定判断された場合
は、ステアリングセンサ108により検出される操舵角
が所定値を超えているか否かが判断される(ステップ1
5)。ステップ15で肯定判断された場合は、車両が曲
線部を走行して操舵角が所定値を超えているのに対し
て、第2情報検出装置97または情報記録媒体105の
データが曲線部になっていないことになるため、ステッ
プ14に進む。
【0093】さらに、ステップ15で否定判断された場
合は、ステアリングセンサ108により検出される操舵
角と、第2情報検出装置97または情報記録媒体105
のデータとが整合していることになり、第2情報検出装
置97または情報記録媒体105のデータの精度不良を
示すフラグがオフされ(ステップ16)、リターンされ
る。また、ステップ13で肯定判断された場合は、車両
が緩やかなカーブ路を走行しているものと判断されステ
ップ16に進む。
【0094】ここで、図8に示された機能的手段と請求
項1との対応関係を説明すれば、ステップ12,13,
14,15,16が請求項1の精度検出手段に相当す
る。
【0095】なお、第1情報検出装置96により検出さ
れるデータと、第2情報検出装置97または情報記録媒
体105のデータとの整合性により、第2情報検出装置
97または情報記録媒体105のデータの精度を判断す
るほかの例としては、つぎの手段があげられる。
【0096】例えば、車両がカーブ路を走行した場合
は、加速度センサ113により検出される横加速度が所
定値を超え、車輪速度センサ74により検出される左右
輪の回転速度差が所定値を超えることになる。そこで、
加速度センサ117、車輪速度センサ74の検出データ
と、第2情報検出装置97または情報記録媒体105の
データとの整合性により、第2情報検出装置97または
情報記録媒体105のデータの精度を判断することが可
能になる。
【0097】また、車両が未舗装路や凹凸の多い悪路を
走行した場合は、車輪のスリップにより車輪速度センサ
74により検出されるデータや、車速センサ19により
検出されるデータが変動する。そこで、車輪速度センサ
74により検出されるデータまたは車速センサ19によ
り検出されるデータと、第2情報検出装置97または情
報記録媒体105のデータとの整合性により、第2情報
検出装置97または情報記録媒体105のデータの精度
を判断することが可能になる。
【0098】さらに、レーザークルーズ装置111によ
り検出される車線幅または車線数のデータと、情報記録
媒体105に記憶されている車線幅または車線数との整
合性により、情報記録媒体105に記憶されているデー
タの精度を判断することも可能である。
【0099】さらにまた、照明装置69の照度センサ9
2により検出される車両の周囲の照度に関するデータ
と、情報記録媒体105に記憶されている地図データと
の整合性により、地図データのトンネルの出入り口の精
度を判断することも可能である。
【0100】図9の制御例は、第2情報検出装置97に
より検出されるデータの精度を自己診断する場合を示し
ている。まず、GPS受信機117の受信信号が異常で
あるか否かが判断される(ステップ21)。この判断
は、GPS受信機117により受信される電波が発信さ
れている人工衛星114の数や、電波の受信状態に基づ
いて行われる。
【0101】ステップ21で否定判断された場合は、ナ
ビゲーションシステム70により、GPS受信機117
による電波受信に不適当な場所、例えばトンネルやビル
の谷間などを車両が走行中であるか否かが判断される
(ステップ22)。ステップ22で否定判断された場合
は、GPS受信機117により受信される電波の情報精
度が不良であることを示すフラグがオフされ(ステップ
23)、リターンされる。
【0102】また、ステップ21またはステップ22で
肯定判断された場合は、GPS受信機117により受信
される電波の情報精度が不良であることを示すフラグが
オンされ(ステップ24)、リターンされる。
【0103】ここで、図9に示された機能的手段と請求
項1との対応関係を説明すれば、ステップ21,22,
23,24が請求項1の精度検出手段に相当する。
【0104】図10の制御例は、情報記録媒体105に
記憶されているデータに基づいて、第1情報検出装置9
6、第2情報検出装置97により検出されるデータに精
度不良が生じる可能性があることを判断する場合を示し
ている。
【0105】ステップ31では、図7のステップ1と同
様の制御が行われ、ステップ32では情報記録媒体10
5のデータにより、車両の走行経路の所定距離内に平行
した道路が存在するか否かが判断される(ステップ3
2)。ステップ32で否定判断された場合は、第1情報
検出装置96、第2情報検出装置97で検出されるデー
タにより走行経路を判断したとしても、車両が走行する
道路自体の識別を判断を誤る可能性がないためステップ
33に進む。
【0106】ステップ33では、情報記録媒体105の
データにより、車両の走行経路の所定距離内に複数の交
差点が存在するか否かが判断される(ステップ33)。
ステップ33で否定判断された場合は、第1情報検出装
置96、第2情報検出装置97で検出されるデータによ
り走行経路の目標交差点を判断したとしても、車両が通
過する目標交差点とほかの交差点との識別判断を誤る可
能性がないため、第1情報検出装置96、第2情報検出
装置97のデータの精度不良を示すフラグがオフされ
(ステップ34)、リターンされる。
【0107】また、ステップ32で肯定判断された場合
は、第1情報検出装置96または第2検出装置97によ
り検出されるデータにより車両の走行経路を判断した場
合は、複数の道路のいずれを車両が走行しているかの判
断を誤る可能性があるため、第1情報検出装置96、第
2検出装置97により検出されるデータの検出精度不良
を示すフラグがオンされ(ステップ35)、リターンさ
れる。
【0108】さらに、ステップ33で肯定判断された場
合は、第1情報検出装置96、第2検出装置97により
検出されるデータにより目標交差点を判断した場合に
は、複数の交差点のいずれが目標交差点であるかの判断
を誤る可能性があるため、ステップ35に進む。
【0109】ここで、図10に示された機能的手段と請
求項1との対応関係を説明すれば、ステップ32,3
3,34,35が請求項1の精度検出手段に相当する。
【0110】図11の制御例は、ナビゲーションシステ
ム70により行われるマップマッチングの実行状態によ
り、走行経路情報の検出精度を判断する場合を示してい
る。まず、マップマッチングが実行されてから所定時間
が経過したか、または所定の走行距離を走行したか否か
が判断される(ステップ41)。
【0111】ステップ41で肯定判断された場合は、第
1情報検出装置96により検出されるデータと、情報記
録媒体105に記憶されているデータとの照合による現
在位置の補正が完了していると判断され、走行経路情報
の検出精度不良を示すフラグがオフされ(ステップ4
2)、リターンされる。
【0112】また、ステップ41で否定判断された場合
は、上記データの照合による現在位置の補正が完了して
いない可能性があるため、走行経路情報の検出精度不良
を示すフラグがオンされ(ステップ43)、リターンさ
れる。
【0113】ここで、図11に示された機能的手段と請
求項1との対応関係を説明すれば、ステップ41,4
2,43が請求項1の精度検出手段に相当する。上記図
7ないし図11の制御例のうち、少なくとも一つを実行
することにより、ナビゲーションシステム70により検
出される走行経路情報の検出精度を判断することが可能
になる。
【0114】図12ないし図19の制御例は、図7ない
し図11の制御例で判断された精度不良フラグに対応し
て、各挙動制御装置の制御パターンを変更する制御パタ
ーン変更手段を示すフローチャートである。
【0115】図12の制御例は、ナビゲーションシステ
ム70により車両の前方にコーナーが検出された場合
に、自動変速機用電子制御装置55により自動変速機2
の変速段を自動的にダウンシフトさせる制御を行うこと
が前提になる。
【0116】まず、ナビゲーションシステム70により
検出されるコーナー情報の精度不良を示すフラグがオン
されているか否かが判断される(ステップ52)。ステ
ップ52で否定判断された場合は、ナビゲーションシス
テム70により検出された走行経路情報の精度が所定の
値に確保されており、走行経路の前方にコーナー、例え
ば右折または左折が予定される交差点などが存在するこ
とになるため、車両が交差点に到達する前に自動変速機
2の変速段を自動的にダウンシフトする制御が行われ
(ステップ52)、リターンされる。
【0117】その結果、エンジンブレーキ力により車速
が減速されてコーナーを円滑に旋回することが可能にな
り、コーナーの旋回後にアクセルペダル8が踏み込まれ
ることにより充分な加速性が得られ、動力性能、操縦安
定性、ドライバビリティが向上する。
【0118】また、ステップ51で肯定判断された場合
は、車両の前方にコーナーが存在しないことになるた
め、自動変速機1のダウンシフトが行われずにリターン
される。ここで、図12に示された機能的手段と請求項
1との対応関係を説明すれば、ステップ51,52が請
求項1の制御パターン変更手段に相当する。
【0119】図13は、自動変速機2の制御パターンを
変更する場合のほかの制御例を示すフローチャートであ
る。図13の制御例は、ナビゲーションシステム70に
より車両の前方に降坂路が検出された場合に、自動変速
機用電子制御装置55により自動変速機2の変速段を特
定変速段にアップシフトされることを禁止する制御を行
うことが前提になっている。
【0120】まず、ナビゲーションシステム70により
検出される降坂路情報の精度不良を示すフラグがオンさ
れているか否かが判断される(ステップ61)。ステッ
プ61で否定判断された場合は、ナビゲーションシステ
ム70により検出された走行経路情報の精度が所定の値
に確保されており、走行経路の前方に降坂路が存在する
ことになるため、自動変速機2の変速段を特定変速段、
言い換えればエンジンブレーキ力の効きにくい変速段に
アップシフトされることを禁止する制御が行われ(ステ
ップ62)、リターンされる。
【0121】その結果、過不足のないエンジンブレーキ
力により車速が抑制された状態で車両が降坂路を走行す
ることが可能になり、ドライバビリティが向上する。
【0122】また、ステップ61で肯定判断された場合
は、車両の前方に降坂路が存在しないことになるため、
そのままリターンされる。ここで、図13に示された機
能的手段と請求項1との対応関係を説明すれば、ステッ
プ61,62が請求項1の制御パターン変更手段に相当
する。
【0123】図14は、自動変速機2の制御パターンを
変更する場合のほかの制御例を示すフローチャートであ
る。図14の制御例は、ナビゲーションシステム70に
より車両の前方に駆動力の増大が要求される道路、例え
ば登坂路が検出された場合に、自動変速機用電子制御装
置55により自動変速機2の変速パターンをパワーパタ
ーンに変更する制御を行うことが前提になっている。
【0124】まず、ナビゲーションシステム70により
検出される登坂路情報の精度不良を示すフラグがオンさ
れているか否かが判断される(ステップ71)。ステッ
プ71で否定判断された場合は、ナビゲーションシステ
ム70により検出された走行経路情報の精度が所定の値
に確保されており、走行経路の前方に登坂路が存在する
ことになるため、自動変速機2の変速パターンをパワー
パターンに変更する制御が行われ(ステップ72)、リ
ターンされる。
【0125】その結果、低車速側の変速段が使用されや
すくなり、車両の駆動力が勾配抵抗に応じて充分な値に
維持され、ドライバビリティが向上する。
【0126】また、ステップ71で肯定判断された場合
は、車両の前方に登坂路が存在しないことになるため、
そのままリターンされる。ここで、図14に示された機
能的手段と請求項1との対応関係を説明すれば、ステッ
プ71,72が請求項1の制御パターン変更手段に相当
する。
【0127】なお、この車両の制御装置により自動変速
機2の制御パターンを変更する例としては、車両がカー
ブ路を旋回することが検出された場合に変速を禁止する
制御、車両が渋滞に進入することが検出された場合に、
エンジンブレーキ力が強められる変速段を設定する制御
などがあげられる。
【0128】さらに、この車両の制御装置により自動変
速機2の制御パターンを変更する例としては、車両が渋
滞路で停車中であることが検出された場合にニュートラ
ル制御を実行する制御、車両が高速道路や郊外を走行す
ることが検出された場合にエコノミーパターンを設定す
る制御、車両が登坂路や降坂路を走行することが検出さ
れた場合に特定変速段にアップシフトされることを禁止
する制御などがあげられる。
【0129】図15の制御例は、ナビゲーションシステ
ム70により検出される走行経路情報の検出精度に基づ
いて、ブレーキ装置65の制御パターンを変更する場合
のほかの制御例を示すフローチャートである。図15の
制御例は、ナビゲーションシステム70により車両の前
方に降坂路が検出された場合に、勾配の程度に応じてホ
イールシリンダ72に作用する油圧を可及的に増大させ
る制御を行うことが前提になっている。
【0130】まず、ナビゲーションシステム70により
検出される降坂路の勾配情報の精度不良を示すフラグが
オンされているか否かが判断され(ステップ81)、ス
テップ81で否定判断された場合は、ナビゲーションシ
ステム70により検出された走行経路情報の精度が所定
の値に確保されており、走行経路の前方に存在する降坂
路の勾配が所定値以上であることになる。
【0131】そこで、ブレーキ装置の65のホイールシ
リンダ72の油圧を、ブレーキペダル21の踏み込み量
に対応する油圧よりも高い値まで増大させる制御が行わ
れ(ステップ82)、リターンされる。その結果、ブレ
ーキ装置65の制動力が降坂路の勾配に適合した値に制
御され、ドライバビリティが向上する。
【0132】また、ステップ81で肯定判断された場合
は、車両の前方に降坂路が存在しないか、または勾配程
度が所定値以下であることになるため、そのままリター
ンされる。ここで、図15に示された機能的手段と請求
項1との対応関係を説明すれば、ステップ81,82が
請求項1の制御パターン変更手段に相当する。
【0133】図16の制御例は、ナビゲーションシステ
ム70により検出される走行経路情報の検出精度に基づ
いて、自動速度制御装置66の制御パターンを変更する
場合を示すフローチャートである。図16の制御例は、
ナビゲーションシステム70により高速道路の渋滞が検
出された場合に、定速走行制御を解除する制御を行うこ
とが前提になっている。
【0134】図16の制御例では、高速道路などで自動
速度制御装置66の定速走行制御が行われている際に、
ナビゲーションシステム70により検出される渋滞情報
の精度不良を示すフラグがオンされているか否かが判断
される(ステップ91)。
【0135】ステップ91で否定判断された場合は、ナ
ビゲーションシステム70により検出された走行経路情
報の精度が所定の値に確保されており、走行経路の前方
に渋滞が存在することになる。そこで、自動速度制御装
置66による定速走行制御が解除され(ステップ9
2)、リターンされる。また、ステップ91で肯定判断
された場合は、リターンされて定速走行制御が継続され
る。ここで、図16に示された機能的手段と請求項1と
の対応関係を説明すれば、ステップ91,92が請求項
1の制御パターン変更手段に相当する。
【0136】図17の制御例は、ナビゲーションシステ
ム70により検出される走行経路情報の検出精度に基づ
いて、懸架装置67の制御パターンを変更する場合を示
すフローチャートである。図17の制御例は、ナビゲー
ションシステム70により未舗装路または凸凹路が検出
された場合に、懸架装置70のショックアブソーバ79
またはエアスプリング80の減衰力を増大、言い換えれ
ばハード化させる制御を行うことが前提になっている。
【0137】図17の制御例では、ナビゲーションシス
テム70により検出される未舗装路または凸凹路情報の
精度不良を示すフラグがオンされているか否かが判断さ
れる(ステップ101)。
【0138】ステップ101で否定判断された場合は、
ナビゲーションシステム70により検出された走行経路
情報の精度が所定の値に確保されており、走行経路の前
方に未舗装路または凸凹路が存在することになる。そこ
で、懸架装置67の減衰力を高める制御が行われ(ステ
ップ102)、リターンされる。その結果、車両が未舗
装路または凸凹路を通過する際の振動が抑制されて乗り
心地が向上する。
【0139】また、ステップ101で肯定判断された場
合は、リターンされて懸架装置67の減衰力がそのまま
の値に維持される。ここで、図17に示された機能的手
段と請求項1との対応関係を説明すれば、ステップ10
1,102が請求項1の制御パターン変更手段に相当す
る。
【0140】図18の制御例は、ナビゲーションシステ
ム70により検出される走行経路情報の検出精度に基づ
いて、操舵装置68の制御パターンを変更する場合を示
すフローチャートである。図18の制御例は、ナビゲー
ションシステム70により未舗装路または凸凹路が検出
された場合に、操舵装置68のギヤボックス86の油圧
を増大させる制御を行うことが前提になっている。
【0141】図18の制御例では、ナビゲーションシス
テム70により検出される未舗装路または凸凹路情報の
精度不良を示すフラグがオンされているか否かが判断さ
れる(ステップ111)。
【0142】ステップ111で否定判断された場合は、
ナビゲーションシステム70により検出された走行経路
情報の精度が所定の値に確保されており、走行経路の前
方に未舗装路または凸凹路が存在することになる。そこ
で、操舵装置86のギヤボックス86の油圧を増大させ
る制御が行われ(ステップ112)、リターンされる。
その結果、ステアリングホイール83に小さな操作力を
与えるだけで車両の方向安定性が確保され、操縦安定
性、ドライバビリティが向上する。
【0143】また、ステップ111で肯定判断された場
合は、走行経路が比較的平坦であることになるため、リ
ターンされる。ここで、図18に示された機能的手段と
請求項1との対応関係を説明すれば、ステップ111,
112が請求項1の制御パターン変更手段に相当する。
【0144】図19の制御例は、ナビゲーションシステ
ム70により検出される走行経路情報の検出精度に基づ
いて、エンジン1の出力制御パターンを変更する場合を
示すフローチャートである。具体的には、ナビゲーショ
ンシステム70により走行経路の渋滞が検出された場合
に、燃料噴射制御装置68により燃料噴射量の減少制御
が行われることが前提になっている。
【0145】図19の制御例では、ナビゲーションシス
テム70により検出される渋滞情報の精度不良を示すフ
ラグがオンされているか否かが判断される(ステップ1
21)。
【0146】ステップ121で否定判断された場合は、
ナビゲーションシステム70により検出された渋滞情報
の精度が所定の値に確保されており、車両が渋滞に進入
していることになる。そこで、アクセルペダル8の踏み
込み量に関わりなく電子スロットルバルブ5を全閉に
し、かつ、燃焼室1Aに対する燃料供給量を減少させる
制御が行われ(ステップ122)、リターンされる。そ
の結果、触媒の過熱防止と燃料の節約が図られる。
【0147】また、ステップ121で肯定判断された場
合は、車両が渋滞に進入する可能性がないことになるた
めリターンされる。ここで、図19に示された機能的手
段と請求項1との対応関係を説明すれば、ステップ12
1,122が請求項1の制御パターン変更手段に相当す
る。
【0148】なお、上記実施例において、図7ないし図
11に示された制御例のうちの複数の制御例と、図12
ないし図19に示された制御例のうちの複数の制御例と
を組み合わせて適用することも可能である。
【0149】以上のように、この発明の車両の制御装置
によれば、ナビゲーションシステム70により検出され
る走行経路情報に基づいて車両の挙動を制御するにあた
り、、図7ないし図11の制御例に示すように、ナビゲ
ーションシステム70により検出される走行経路情報の
検出精度を精度検出手段より判断し、かつ、精度検出手
段の判断結果に基づいて、図12ないし図19の制御例
に示すように各挙動制御装置の制御パターンが制御パタ
ーン変更手段により変更される。
【0150】したがって、走行経路の実態に適合しない
検出精度の低い走行経路情報が検出された場合は、検出
精度の低い走行経路情報に対応する挙動制御を行わない
ことで、実際の道路状況と車両の挙動制御との適合性を
きめ細かく調整することが可能になり、車両の操縦安定
性、動力性能、乗り心地、ドライバビリティなどの低下
を抑制できる。
【0151】なお、この発明において、ナビゲーション
システム70の走行経路情報の検出精度に対応して、各
挙動制御装置の制御パターンを変更する制御パターン変
更手段には、道路状況に応じて設定されている制御パタ
ーンの適用を禁止する機能と、道路状況の検出精度の度
合いに応じて制御パターンの制御の度合いを変更する機
能と、制御パターンをほかの制御パターンに置き換える
機能とが含まれる。
【0152】上記のように、道路状況の検出精度の度合
いに応じて制御パターンの制御の度合いを変更する機能
は、走行経路情報の検出精度を複数に区分し、かつ、検
出精度の複数の区分に対応して複数の判断基準を設定し
ておき、各判断基準に対応して内容の異なる制御を設定
しておくことにより実行可能である。具体例としては、
ナビゲーションシステムにより検出されるデータの検出
精度の度合いに応じて、自動変速機の変速制御の判断基
準になるしきい値を複数用意しておくことなどがある。
【0153】また、制御パターンを変更する制御パター
ン変更手段には、基準になる制御パターンを演算処理に
より補正する機能と、予め設定された複数の制御パター
ンを読み替える機能とが含まれる。
【0154】なお、この発明の車両の制御装置において
は、駆動力源として電動モータを適用することも可能で
あり、自動変速機として公知の無段変速機を適用するこ
とも可能である。また、自動変速機に代えて手動変速機
を適用することも可能である。
【0155】
【発明の効果】以上のようにこの発明によれば、走行経
路情報検出装置により検出される走行経路情報の精度に
対応して、挙動制御装置の制御に適用される制御パター
ンが変更される。したがって、走行経路の実態と車両の
挙動との適合性をきめ細かく制御することが可能にな
り、車両の操縦安定性、動力性能、乗り心地、ドライバ
ビリティなどの低下を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の車両の制御装置の概略構成を示すブ
ロック図である。
【図2】図1に示す自動変速機のギヤトレーンの一例を
示すスケルトン図である。
【図3】図2に示された自動変速機の摩擦係合装置の係
合・解放状態を示す動作図表である。
【図4】図1、図2に示された自動変速機の変速制御に
適用される変速線の一例を示す変速線図である。
【図5】図1に示された挙動制御装置の具体的な構成例
を示すブロック図である。
【図6】図1に示されたナビゲーションシステムの具体
的な構成例を示すブロック図である。
【図7】この発明の制御例を示すフローチャートであ
る。
【図8】この発明の制御例を示すフローチャートであ
る。
【図9】この発明の制御例を示すフローチャートであ
る。
【図10】この発明の制御例を示すフローチャートであ
る。
【図11】この発明の制御例を示すフローチャートであ
る。
【図12】この発明の制御例を示すフローチャートであ
る。
【図13】この発明の制御例を示すフローチャートであ
る。
【図14】この発明の制御例を示すフローチャートであ
る。
【図15】この発明の制御例を示すフローチャートであ
る。
【図16】この発明の制御例を示すフローチャートであ
る。
【図17】この発明の制御例を示すフローチャートであ
る。
【図18】この発明の制御例を示すフローチャートであ
る。
【図19】この発明の制御例を示すフローチャートであ
る。
【符号の説明】
1 エンジン 2 自動変速機 10 エンジン用電子制御装置 54 油圧制御装置 55 自動変速機用電子制御装置 65 ブレーキ装置 66 自動速度制御装置 67 懸架装置 68 操舵装置 70 ナビゲーションシステム
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI G09B 29/10 G09B 29/10 A

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車両の走行経路情報を検出する走行経路
    情報検出装置と、前記走行経路情報に対応して設定され
    た制御パターンに基づいて前記車両の挙動を制御する挙
    動制御装置とを備えた車両の制御装置において、 前記走行経路情報の精度を検出する精度検出手段と、前
    記走行経路情報の精度に基づいて前記制御パターンを変
    更する制御パターン変更手段とを備えていることを特徴
    とする車両の制御装置。
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