JPH10183493A - 紙の表面処理剤 - Google Patents
紙の表面処理剤Info
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- JPH10183493A JPH10183493A JP35985396A JP35985396A JPH10183493A JP H10183493 A JPH10183493 A JP H10183493A JP 35985396 A JP35985396 A JP 35985396A JP 35985396 A JP35985396 A JP 35985396A JP H10183493 A JPH10183493 A JP H10183493A
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Abstract
紙の離解性にも優れた表面処理剤を提供する。 【構成】カチオン性澱粉を含有する水溶液中において、
(a)アクリルアミド及び/又はメタアクリルアミド、
(b)前記(a)成分に共重合しうるアニオン性ビニル
モノマー及び(c)前記(a)成分と共重合しうるカチ
オン性ビニルモノマーから選ばれた少なくとも1種を主
成分とするビニルモノマー混合物を重合して得られたグ
ラフト澱粉重合体を有効成分とする紙の表面処理剤。
Description
関し、詳しくは、紙に特定のグラフト澱粉重合体からな
る紙の表面処理剤に関するものであって、紙の表面強
度、印刷適性等の向上に優れた効果を発揮すると共に、
紙の離解性にも優れていて損紙や故紙のリサイクルに好
適な表面処理剤を提供するものである。
化澱粉、ヒドロキシエチルエーテル化澱粉、自家製変性
澱粉などの澱粉類、ポリビニルアルコール、アクリルア
ミド系ポリマー、カルボキシメチルセルロース等のセル
ロース系ポリマー、スチレン−マレイン酸共重合体、ス
チレン−アクリル共重合体、ラテックス、酢ビポリマー
等が使用されている。この中で酸化澱粉、ポリビニルア
ルコール、アクリルアミド系ポリマー等が多用されてい
る。しかしながら、澱粉類、ポリビニルアルコールは使
用する際にクッキング工程が必要であり、作業性に問題
があり、又塗工時に発泡性、汚れ、澱粉の腐敗の問題が
あった。アクリルアミド系ポリマーは優れた紙力効果を
備えているので、使用量が増加する傾向があるが、高価
である為にその使用は経済的制約を受けている。又、ア
クリルアミド系ポリマーを塗工した印刷用紙は、損紙や
故紙の離解性を悪化させる傾向があり、紙のリサイクル
の観点から問題となる場合があった。
問題から再生紙の配合率の上昇、排水規制による抄紙マ
シンのクローズ化、生産性を向上させる為の抄紙マシン
の高速化、又印刷技術の発展は目覚ましく、印刷速度の
高速化、オフセット化、多色印刷化、印刷方法の多様
化、高品質化に伴い、紙の表面強度、印刷適性等の品質
向上が強く要求されている。特に印刷適性においては、
オフセット印刷における湿し水に対応するオフセット印
刷適性、又は、インクジェット記録における水性インキ
に対応するインクジェット印刷適性の改善が強く求めら
れている。これらの要求に対応する為に薬品を抄紙工程
のパルプスラリーに内添したり、紙の表面に塗工する外
添法が行われている。これらのうち内添は抄紙条件の悪
化により益々歩留りが低下しており、薬品を多量添加す
るとマシンの汚れ等のトラブルが発生する。これに対し
て紙の表面に塗工する外添法は、歩留りがほぼ100%
で、紙に直接付着することから、より有利なことが知ら
れている。しかし従来の表面処理剤は一応の表面強度、
印刷適性等の向上効果を発揮するものの必ずしも十分満
足できるものと言えず、より高性能の表面処理剤が求め
られていた。更に紙のリサイクルの観点から、損紙や故
紙の離解性に優れた表面処理剤が求められていた。
処理剤の改良を目指して鋭意研究を重ねた結果、カチオ
ン性澱粉を含有する水溶液中において、特定のビニルモ
ノマーをグラフト重合して得られる重合体が紙の表面強
度、印刷適性等の品質向上に顕著な効果を有し、かつ損
紙や故紙の離解性に優れていることを見いだし、本発明
の表面処理剤を完成させた。
0重量部を含有する水溶液中において(a)アクリルア
ミド及び/又はメタアクリルアミド(以下「(メタ)ア
クリルアミド」とする)、(b)前記a成分に共重合し
うるアニオン性ビニルモノマー及び(c)前記a成分に
共重合しうるカチオン性ビニルモノマーから選ばれた少
なくとも1種を主成分とするビニルモノマー混合物20
〜80重量部を重合して得られるグラフト澱粉重合体を
有効成分とする紙の表面サイズ剤である。
重量部を含有する水溶液中において、(メタ)アクリル
アミド20〜80重量部を重合して得られるグラフト澱
粉重合体を有効成分とする紙の表面処理剤である。
る。本発明に使用するカチオン性澱粉とは、澱粉及び/
又は変性澱粉に常法に従って、カチオン性基を導入した
ものである。具体例としては、トウモロコシ、小麦、馬
鈴薯、タピオカ、米などの原料とする各種澱粉及びその
変性物であるエーテル化、エステル化、酸化、酵素変性
澱粉などを挙げることができ、これらの1種あるいは2
種以上が用いられる。
度は、濃度30%で50〜1000cps(30℃)の
範囲が好ましい。
変性澱粉に第一級、第二級、第三級の各アミノ基及び第
四級アンモニウム基からなる群から選ばれる少なくとも
1種の塩基性窒素を含有させる。塩基性窒素の含有率は
0.1重量%以上であることが望ましい。具体的には、
澱粉及び/又は変性澱粉にジアルキルアミン又はトリア
ルキルアミンとエピクロヒドリンとの反応物によりなる
カチオン化剤などを反応せしめればよい。
で分解した変性澱粉を従来公知の方法でカチオン化した
ものや澱粉及び/又は変性澱粉をカチオン化剤を用いて
カチオン化したカチオン澱粉をアミラーゼ等の酵素で分
解することにより調製した低粘度のものが好ましい。
ドは、そのいずれかを単独で使用してもよく、両者を併
用してもよい。
マーとしては、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン
酸、無水マレイン酸、フマル酸、ビニルスルホン酸、ス
チレンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプ
ロパンスルホン酸等又はそれらのナトリウム、カリウ
ム、アンモニウム塩等が挙げられ、これらの1種を単独
で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
ーとしては、N.N−ジメチルアミノエチル(メタ)ア
クリレート、N.N−ジエチルアミノエチル(メタ)ア
クリレート、N.N−ジメチルアミノプロピル(メタ)
アクリレート、N.N−ジメチルアミノエチル(メタ)
アクリルアミド、N.N−ジメチルアミノプロピル(メ
タ)アクリルアミド、ビニルピリジン、ビニルイミダゾ
ール、アリールアミン、ジアリールアミン等の第3級ア
ミノ基を有するビニルモノマー、又はそれらの塩酸塩、
硫酸塩、ギ酸塩、酢酸塩、スルファミン酸塩が挙げら
れ、さらに、第3級アミノ基を含有するビニルモノマー
とメチルクロライド等のアルキルハライド、ベンジルブ
ロマイド等のアリールアルキルハライド、ジメチル硫
酸、ジエチル硫酸、エピクロヒドリン、3−クロロ−2
−ヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムクロライ
ド、グリシジルアルキルアンモニウムクロライド等の4
級化剤との反応によって得られる第4級アンモニウム塩
も使用可能であり、これらの1種を単独で使用してもよ
く、2種以上を併用してもよい。
アクリルアミド、(b)アニオン性ビニルモノマー及び
(c)カチオン性ビニルモノマーと共重合可能なビニル
モノマーを10モル%を越えない範囲で含有させること
ができる。この種のモノマーにはメチロール(メタ)ア
クリルアミド、ジメチルアクリルアミド、2官能性、3
官能性、4官能性等の各種架橋性ビニルモノマーの他、
ジイソプロピルアクリルアミド、スチレンアリルアルコ
ール、(メタ)アクリルエステル、アクリロニトリル、
酢酸ビニル、ヒドロキシル基含有(メタ)アクリル酸エ
ステル類、ビニルピロリドンなどが使用できる。
は、従来公知の各種方法により行うことができる。例え
ば、攪拌及び窒素ガス導入管を備えた反応容器に前記し
たカチオン性澱粉の水溶液と前記したモノマー成分
(a)と、前記したモノマー成分(b)及び前記したモ
ノマー成分(c)から選ばれた少なくとも1種と水とを
仕込み、重合開始剤として過酸化水素、過硫酸アンモニ
ウム、過硫酸カリウム、アンモニウムハイドロパーオキ
サイド等の過酸化物、又はこれらの過酸化物と重亜硫酸
塩等の還元剤とを組み合わせたレドックス開始剤、ある
いは2−2′アゾビス(2−アミノジプロパン)塩酸塩
等の水溶性アゾ系重合開始剤などを使用し、反応温度4
0〜80℃で1〜5時間反応させれば目的とするグラフ
ト澱粉重合体を得ることができる。
を製造するに際しては、カチオン性澱粉20〜80重量
部を含有する水溶液中において、(a)(メタ)アクリ
ルアミド50〜99モル%と(b)アニオン性ビニルモ
ノマー1〜30モル%と(c)カチオン性ビニルモノマ
ー1〜20モル%とからなるモノマー混合物、又は、
(a)(メタ)アクリルアミド80〜99モル%と
(b)アニオン性ビニルモノマー1〜20モル%とから
なるモノマー混合物、又は(メタ)アクリルアミド10
0モル%とから選ばれたモノマー成分を重合させること
が好ましい。なお、カチオン性澱粉が20重量部未満の
場合には、紙の離解性に問題があり、80重量部を越え
ると紙の表面強度、印刷適性が悪くなる。
常、固形分濃度約10〜40重量%程度の水性分散液の
形で得られる。
は、塗布原紙の吸液量(付着量)と紙の要求する品質に
より決定されるが、通常は固形分0.5〜10重量%、
塗工量は固形分0.05〜2g/m2である。
レス、ゲートロール、ブレードコータ、キャレンダー、
バーコーター、ナイフコーター、エアナイフコータなど
によって塗工することができる。その他スプレー法、含
浸法なども任意に採用される。
は、特に限定されず、パルプ、填料、内添サイズ剤、紙
力増強剤、歩留剤等に制限されない。
ことができ、例えば上質紙、中質紙、コート紙、新聞用
紙、加工原紙、ライナー、白板紙、PPC用紙、インク
ジェット用紙、感熱紙、特殊紙、トナープリンター用
紙、石膏ボード原紙等に使用できる。
サイズ剤、防腐剤、消泡剤、粘度調整剤、染料、澱粉
類、ポリビニルアルコールなどを添加することができ
る。
り詳細に説明するが本発明はこれらの実施例に限定され
るものではない。
30重量%水溶液、25℃の粘度350cps、置換度
(DS)0.05、窒素含有量0.4重量%)166.
7部、アクリルアミド44.94部、アクリル酸5.0
6部を混合し、水を加え全量を450部とした後、10
重量%の苛性カリを加え、pH5.0に調整した。全量
を攪拌機を付したフラスコ中に入れ、湯浴中で加温、内
温55℃で過硫酸アンモニウム、及び重亜硫酸ソーダの
各0.08部を添加、65〜70℃で3時間重合反応を
行った後冷却、水を加え全量を500部として、25℃
の粘度9500cpsを有する本発明のグラフト澱粉重
合体の固形分濃度20.5%水溶液を得た。
オン性澱粉の種類とビニルモノマーの重量割合、ビニル
モノマー成分の種類、その配合組成(モル%)を、表1
の通りに変え、過硫酸アンモニウム、重亜硫酸ソーダの
使用量を適宜変更した他は、実施例1と同様の方法でグ
ラフト澱粉重合体を得た。その性状を表1に併記する。
10に示す本発明に係る紙の表面処理剤及び比較例1〜
3に示す公知表面処理剤について性能評価を行った。
JIS法によるステキヒトサイズ度3秒の紙質を有する
酸性抄紙上質紙を塗工用原紙として使用した。
が固形分で0.5g/m2になるように水で希釈した塗
工液を、塗工用原紙にロールコーターを用いて両面塗工
し、回転ドライヤーで110℃、1分間乾燥して、表面
塗工を行った。そのテスト紙の表面処理剤の塗布量、紙
質評価は表2に示す通りである。
けを起こす加速度で表示。 使用試験機:熊谷理機工業(株)社製IGT印刷適性試
験機 使用インキ:東洋インキ(株)社製,墨インキTV15 条 件:印圧50kg/m2,テンション。 (b)RIテスト:RI印刷試験機(明製作所製)で印
刷テストを行い、紙むけの状態を5優〜劣1の5段階で
評価。 (c)インクジェット印刷物の耐水性:インクジェット
プリンターを使用して、インクジェット印刷を行った
後、印刷面に水滴を落とし、1分後吸取紙で吸取り、印
刷物の水によるにじみを判定(○優れる△普通×劣
る)。 (d)ワックスピック(A):デニソンワックスNo.
による表面強度を測定。 (e)離解性テスト:表面塗工紙を5mm角にカットし
た紙片1gを30℃の水100g中に入れ、高速攪拌機
(2000rpm)で5分間攪拌離解した。離解後のス
ラリーを手抄試験機で抄紙し、離解状態を5優〜劣1の
5段階で評価。
程のサイズプレス、ゲートロール、カレンダー塗工等で
用いられ、紙の表面強度、印刷適性、インクジェット印
刷適性等の向上に優れた効果を発揮するものであり、
又、紙の離解性に優れているので損紙や故紙のリサイク
ルに適したものである。
いと言える。
Claims (4)
- 【請求項1】カチオン性澱粉20〜80重量部を含有す
る水溶液中において(a)アクリルアミド及び/又はメ
タアクリルアミド、(b)前記a成分に共重合し得るア
ニオン性ビニルモノマー及び(c)前記a成分に共重合
し得るカチオン性ビニルモノマーから選ばれる少なくと
も1種とを主成分とするビニルモノマー混合物20〜8
0重量部を重合して得られるグラフト澱粉重合体を有効
成分とする紙の表面処理剤。 - 【請求項2】カチオン性澱粉20〜80重量部を含有す
る水溶液中において(a)アクリルアミド及び/又はメ
タアクリルアミド50〜99モル%と(b)前記a成分
に共重合し得るアニオン性ビニルモノマー1〜30モル
%と(c)前記a成分に共重合し得るカチオン性ビニル
モノマー1〜20モル%とからなるビニルモノマー混合
物20〜80重量部を重合して得られるグラフト澱粉重
合体を有効成分とする紙の表面処理剤。 - 【請求項3】カチオン性澱粉20〜80重量部を含有す
る水溶液中において(a)アクリルアミド及び/又はメ
タアクリルアミド80〜99モル%と(b)前記a成分
と共重合し得るアニオン性ビニルモノマー1〜20モル
%とからなるビニルモノマー混合物20〜80重量部を
重合して得られるグラフト澱粉重合体を有効成分とする
紙の表面処理剤。 - 【請求項4】カチオン性澱粉20〜80重量部を含有す
る水溶液中において(a)アクリルアミド及び/又はメ
タアクリルアミド20〜80重量部を重合して得られる
グラフト澱粉重合体を有効成分とする紙の表面処理剤。
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---|---|---|---|
JP35985396A JP3767058B2 (ja) | 1996-12-24 | 1996-12-24 | 紙の表面処理剤 |
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JPH10183493A true JPH10183493A (ja) | 1998-07-14 |
JP3767058B2 JP3767058B2 (ja) | 2006-04-19 |
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---|---|---|---|
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JP (1) | JP3767058B2 (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2000046264A1 (en) * | 1999-02-05 | 2000-08-10 | Raisio Chemicals Ltd | Polymer dispersion and method to produce the same |
WO2001086067A1 (en) * | 2000-04-18 | 2001-11-15 | Raisio Chemicals Ltd | Method for pretreatment of filler, modified filler with a hydrophobic polymer and use of the hydrophobic polymer |
JP2006082487A (ja) * | 2004-09-17 | 2006-03-30 | Yoshino Gypsum Co Ltd | 石膏ボードの製造方法 |
JP2016089313A (ja) * | 2014-11-10 | 2016-05-23 | 荒川化学工業株式会社 | 製紙用添加剤および該添加剤を用いて得られる紙 |
-
1996
- 1996-12-24 JP JP35985396A patent/JP3767058B2/ja not_active Expired - Fee Related
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US6753377B1 (en) | 1999-02-05 | 2004-06-22 | Raisio Chemicals, Ltd. | Polymer dispersion and method to produce the same |
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US7211608B2 (en) | 2000-04-18 | 2007-05-01 | Ciba Specialty Chemicals Corporation | Method for pretreatment of filler, modified filler with a hydrophobic polymer and use of the hydrophobic polymer |
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