JPH10182129A - 金属シリコンの精製方法 - Google Patents

金属シリコンの精製方法

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JPH10182129A
JPH10182129A JP34779996A JP34779996A JPH10182129A JP H10182129 A JPH10182129 A JP H10182129A JP 34779996 A JP34779996 A JP 34779996A JP 34779996 A JP34779996 A JP 34779996A JP H10182129 A JPH10182129 A JP H10182129A
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JP
Japan
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silicon
metal
refining
gas
metal silicon
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JP34779996A
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English (en)
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Yasuhiko Sakaguchi
泰彦 阪口
Masamichi Abe
正道 阿部
Hiroyuki Baba
裕幸 馬場
Naomichi Nakamura
尚道 中村
Yoshihide Kato
嘉英 加藤
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JFE Steel Corp
Original Assignee
Kawasaki Steel Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】金属シリコンを精整して太陽電池用シリコンを
製造する従来方法は途中で凝固精製を行うので工程が長
く、熱ロスも大きい。これは歩留低下を招来し、電力原
単位を増加させるという問題がある。本発明は、前記従
来技術の問題点を解決し、不純物含有量の低い高純度の
シリコンを、短時間に、安価に、大量に製造する技術を
提供することを目的とする。 【解決手段】金属シリコンを精製する方法において、該
金属シリコンを減圧溶解して真空精錬でPを除去し、次
いで凝固させることなく、不活性ガスに水蒸気とH2
スの混合ガスを添加してなるプラズマ・ガスでB,Cを
除去すると共に、Fe,Al,Ti,Caをも除去し、
さらにその後不活性ガス雰囲気で酸素を除去してから凝
固精製を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、金属シリコンの精
製方法に関し、主に太陽電池に用いる不純物含有量の低
い高純度シリコンの精製技術である。
【0002】
【従来の技術】太陽電池に使用するシリコン中のP,
B,C,Fe,Al,Ti,Oなどの不純物は、所要の
光電効率を確保するため、C,Oをそれぞれ5ppm以
下、Bを0.1〜0.3ppm,それら以外を0.1p
pm以下にする必要がある。また、太陽電池が広く利用
されるには、このシリコンを安価に量産する必要があ
る。
【0003】従来、太陽電池用のシリコンは、通常、直
接還元法、気相法又は金属シリコンを精製する方法によ
って製造されている。このうち、直接還元法は、高純度
のシリカSiO2 を高純度のCで還元してシリコンを溶
製し、その後脱Cして高純度シリコンを得る方法であ
る。気相法は、金属シリコンを出発原料に用い、該シリ
コンをHCl3 でシラン化した後、蒸留法で高純度化
し、析出法によってシリコンを精製する方法である。こ
れら直接還元法及び気相法は、いずれもシリコンの製造
コストが高く、太陽電池用のシリコンの製造方法として
は適切でなかった。
【0004】このような要請の下で、太陽電池用シリコ
ンの安価な製造法として金属シリコンを原料としてこれ
を精製する方法が多数提案されている。金属シリコンを
精製する従来の方法では、図2に示すように、減圧精製
(P除去工程2)の後、一方向凝固(凝固粗精製工程1
1)による金属不純物の除去を行い、再び溶解して酸化
精製(B、C除去工程3)を行い、次いで、凝固仕上げ
精製4を行い、2回の凝固を組み合わせて、高純度シリ
コンを得るものである。
【0005】太陽電池に用いられるシリコンの純度は、
C,Oを除き99.9999%以上が必要とされてい
る。従来、市販の金属シリコンの純度は99.5%程度
であり、これから上記高純度のシリコンを製造するに
は、Al、Fe、Ti等の金属不純物元素については固
液分配係数の小さいことを利用した2度の一方向凝固精
製により除去し、Cについては、SiCは凝固の際に表
面に析出させ、また固溶しているCをCOとして除去し
ている。Pは、その蒸気圧の高いことを利用して減圧除
去しており、Bについては、H2 O、CO2 あるいはO
2 を添加したプラズマ・ガスによる酸化精製により除去
する。
【0006】前記の製造方法によれば、各不純物元素の
除去方法がそれぞれ異なり、しかも凝固精製の工程が2
回必要であり、工程が煩雑になるばかりでなく、凝固塊
上部シリコンの切断による歩留まりの悪さなどの問題点
があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】以上のように、金属シ
リコンを精整して太陽電池用シリコンを製造する従来方
法は途中で凝固精製を行うので工程が長く、熱ロスも大
きい。これは歩留低下を招来し、電力原単位を増加させ
るという問題がある。本発明は前記従来技術の問題点を
解決し、不純物含有量の低い高純度のシリコンを、短時
間に、安価に、大量に製造する技術を提供することを目
的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】発明者は、上記目的を達
成するため、工程の短縮を検討した。そして、従来は凝
固精製でしか除去できなかった金属不純物元素(Fe,
Al,Ca,Ti)を、脱Cや脱Bの工程で同時に除去
することに着眼し,水素プラズマ・アーク溶解でそれが
可能という最近の技術報告(「電気製鋼」 第66巻
第4号、1995年10月)を思い出した。本発明は、
その技術報告を参考にして、鋭意研究を重ねた成果とし
て完成させたものである。
【0009】すなわち、本発明は、金属シリコンを精製
する方法において、該金属シリコンを減圧溶解して真空
精錬でPを除去し、次いで凝固させることなく、不活性
ガスに水蒸気とH2 ガスの混合ガスを添加してなるプラ
ズマ・ガスでB,Cを除去すると共に、Fe,Al,T
i,Caをも除去し、さらにその後不活性ガス雰囲気で
酸素を除去してから凝固精製を行なうことを特徴とする
金属シリコンの精製方法である。
【0010】また、本発明は、上記金属シリコンの真空
精錬と、プラズマ・ガスによるB,C、Fe,Al,T
i,Ca除去の順序を、溶湯を凝固させることなく逆に
することを特徴とする金属シリコンの精製方法である。
本発明では、金属シリコンの精製を、上記の構成で行な
うようにしたので、一回のみの凝固を行うことで、P、
B、Cばかりでなく、Fe,Al,Ca,Tiをも除去
できるようになる。その結果、従来の精製で生じていた
熱ロス、歩留低下、高電力原単位が解消され、不純物含
有量の低い高純度のシリコンを、短時間に、安価に、大
量に製造できるようになる。
【0011】
【発明の実施の形態】図1を参照して、本発明の実施の
形態について説明する。金属シリコン1を、溶解・P除
去工程2で溶解し、P除去を行う。この工程は、所謂真
空精練とし、例えば10-4torrより高真空下でP除
去する。従来は,ここで中断して、溶融状態にある金属
シリコン(以下、溶湯という)を凝固し、例えば一方向
凝固による金属不純物元素の粗精製工程11に移行して
いた。しかし、本発明では、溶融状態を維持したまま
で、引続き以下の工程を実行する。この工程は、例えば
空気中又は減圧下で、不活性ガスに水蒸気とH2 の混合
ガスを同時に混合してなるプラズマ・ガスを溶湯に吹き
付け(吹込みも可)、BやC、さらには金属不純物元素
であるFe,Ti,Al,Caを除去し、次いで不活性
ガス雰囲気で脱酸し、Oを除去する。その際、不活性ガ
スには、アルゴン・ガスや窒素ガスが利用される。また
溶湯の温度は、1470〜1700℃である。次いで、
最後に該溶湯を鋳型に注入して一方向凝固させ、金属不
純物の仕上精製を行うと共に、太陽電池用シリコン基板
を得るための鋳塊(インゴット)にする。
【0012】また、上記真空精錬と脱B,C,O等の工
程3とを逆順に行っても良い。本発明では、脱P工程と
脱B,C,O工程の間で金属シリコンを凝固させず、1
回の溶融と1回の一方向凝固により精整する。従って、
従来の方法に比べて、エネルギー・ロス、溶解ロス等を
減ずることができる。以上のようにして精整されたシリ
コンの鋳塊は、切断工程5を経てシリコン基板6とする
ことにより太陽電池の部材となる。また、切断前の太陽
電池用シリコン7を必要に応じ再溶解工程8、凝固工程
9による精整を行って基板10を得る。この工程は、上
記本発明工程と別ルートで行っても差支えない。
【0013】ところで、溶湯にH2 ガスを含む不活性ガ
スからなるプラズマを吹き付け、B,C,及び各種金属
不純物元素を除去できる理由は、前記技術報告でも明確
でない。現状では、実験的に母金属よりも蒸気圧の高い
金属不純物ほど除去され易い傾向にあること、水素濃度
の増加に伴い除去が促進されることが確認されている。
そして、除去の機構に関しては、下記式で示すように、
溶湯表面近傍のガス側境界層内での金属蒸気M(例え
ば、Fe)と活性水素(プラズマ内で解離)との一時的
なクラスタのような緩い結合(Hが金属蒸気を捕捉)に
より蒸発が促進すると考えられている。
【0014】xM(蒸気)+yH(プラズマ中)⇒
(Mx −Hy ) ⇒ xM(g,s)+(y/2)H2
【0015】
【実施例】
(実施例)真空精錬でPを除去され、まだ溶融状態にあ
る金属シリコン10kgに、水蒸気20Nリットル/分
及びH2 ガス100Nリットル/分を100Nリットル
/分のアルゴン・ガスに添加して形成したプラズマ・ガ
スを1時間吹き付け、脱B及び脱Cした。その際、H2
ガスの存在で、金属シリコン中の所謂不純物金属元素で
あるFe,Ti,Al,Caも同時に除去できた。そこ
で、脱酸後、該溶湯を鋳型に注入し、通常の一方向凝固
を行い、インゴットとした。該インゴットの上方20%
を切断除去後、残部から分析試料を採取して、分析結果
を表1に示す。
【0016】
【表1】
【0017】(比較例)実施例と同じ真空精錬でPを除
去した金属シリコン10kgに、水蒸気20Nリットル
/分をアルゴン・ガス200Nリットル/分からなるプ
ラズマ・ガスに添加したものを吹き付け、脱B及び脱C
を行った。その後、溶湯を脱酸してから鋳型に注入し、
一方向凝固でインゴットにした。そのインゴットから、
前記同様に分析試料を採取し、分析結果を表2に示す。
【0018】
【表2】
【0019】表1より、本発明では、真空精錬でPを除
いた後、不純物金属元素を除くための凝固精製を行って
いないのも拘らず、Fe,Ti,Al,Caが十分に除
去されていることが明らかである。また、B及びCも太
陽電池用シリコンとしての許容できる量にまで低下して
いる。一方、プラズマ・ガスにH2 ガスを添加していな
い表2の結果は、所謂不純物金属元素が除去されておら
ず、1回の凝固精製では不十分であることを示してい
る。
【0020】
【発明の効果】本発明によれば、金属シリコンの精整に
おいて、溶融と凝固とを繰り返す必要がなくなったの
で、工程省略により歩留向上、生産性向上を図ることが
できる。また、本発明により、安価な金属シリコンを出
発原料としてB含有量の低い高純度シリコンを短時間で
安価に量産することができ、従来の高価な半導体用シリ
コンを用いていた太陽電池の低コスト化が可能となる。
これによって太陽電池の利用を大きく進展させることが
でき、社会的にも多大の貢献をもたらす。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る金属シリコンの精製方法の実施例
を示すフロー・シートである。
【図2】従来技術のフロー・シートである。
【符号の説明】
1 金属シリコン(溶湯) 2 溶解・脱P工程 3 脱B,C,O工程 4 金属不純物元素の除去工程 5 切断 6 基板(ウエハ) 7 太陽電池用シリコン 8 再溶解 9 凝固 10 基板(ウエハ) 11 凝固粗精製
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 馬場 裕幸 千葉市中央区川崎町1番地 川崎製鉄株式 会社技術研究所内 (72)発明者 中村 尚道 千葉市中央区川崎町1番地 川崎製鉄株式 会社技術研究所内 (72)発明者 加藤 嘉英 千葉市中央区川崎町1番地 川崎製鉄株式 会社技術研究所内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属シリコンを精製する方法において、 該金属シリコンを減圧溶解して真空精錬でPを除去し、
    次いで凝固させることなく、不活性ガスに水蒸気とH2
    ガスの混合ガスを添加してなるプラズマ・ガスでB,C
    を除去すると共に、Fe,Al,Ti,Caをも除去
    し、さらにその後不活性ガス雰囲気で酸素を除去してか
    ら凝固精製を行なうことを特徴とする金属シリコンの精
    製方法。
  2. 【請求項2】 上記金属シリコンの真空精錬と、プラズ
    マ・ガスによるB,C、Fe,Al,Ti,Ca除去の
    順序を、溶湯を凝固させることなく逆にすることを特徴
    とする金属シリコンの精製方法。
JP34779996A 1996-12-26 1996-12-26 金属シリコンの精製方法 Withdrawn JPH10182129A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002029727A (ja) * 2000-07-21 2002-01-29 High Frequency Heattreat Co Ltd 太陽電池用シリコンの製造方法および装置
US7727502B2 (en) 2007-09-13 2010-06-01 Silicum Becancour Inc. Process for the production of medium and high purity silicon from metallurgical grade silicon
KR101188959B1 (ko) 2010-12-17 2012-10-08 주식회사 케이씨텍 원자층 증착 방법

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Effective date: 20040302