JPH10179652A - ベッド等における側柵兼用介助装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 通常の側柵としての機能と共に、移動の際、
立ち上がりの際の手掛かりに、さらにはベッドサイドで
テーブル板等を乗せて座って居られるようにする。 【解決手段】 患者がベッドに仰臥しているときは、変
位保持機構１８を作用させて可動把持枠２０と側柵本体
１５とを一直線状に保持して通常の側柵とする。移動の
際、立ち上がりの際は、可動把持枠２０を操作手段２１
を操作して、サイドフレーム１２に対して直交するよう
に、床部幅方向に突出するように動かし固定するように
しておく。さらに、かかる状態で、二つの可動把持枠２
０の内側横枠２０ｄ間にテーブル板２４を掛け渡せば、
患者は二つの可動把持枠２０の間のベッドサイドにて、
床面に足を付いた状態で座り、このテーブル板２４に身
体をもたられて座った姿勢を維持することができる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明が属する技術分野】本発明は、家庭用や病院用等
のベッド等の側面に装着するようにして、ベッド等の側
面に沿って保持することで通常の側柵として使用し、一
方、側柵の一部を回動調節可能に構成することで、ベッ
ド上で移動の際の手掛かりとして、また、立ち上がりの
際に、さらにはベッドサイドで テーブル板等を乗せて
座って居られるようにすることで寝たきりにならないよ
うにするための介助機能をもたらすことのできる、ベッ
ド等における側柵兼用介助装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来より、ベッドにおける側柵には、サ
イドフレームに差し込むだけの柵や、折り畳み式、回転
して下降する柵等、種々の構造を有するものがある。か
かる側柵は、布団等の落下防止や、患者のベッドからの
落下を防止する安全手段として有効である他、ベッドの
床部上を移動する際に掴んだり、ベッドの脇で身体を支
えるための手掛かりとするという、介助手段としての効
用もある。しかしながら、介助手段として利用するに
は、前記側柵では、患者が移動する際、側柵を掴もうと
すると無理な体勢となりやすく、機能的に不充分であ
り、また、ベッドサイドから車椅子等に乗り移る際に
は、側柵がベッドサイドに設けられているために邪魔に
なる。

【０００３】そこで、本出願人は、介助手段を兼ね備
え、乗り降りに際する障害を改善し、操作が簡便で、一
層側柵と、介助手段としての機能を発揮することができ
る側柵兼用介助装置を提案してきた(実願平４−４２３
４号)。すなわち図４に示すように、この側柵兼用介助
装置１は、ベッド等のサイドフレームの取り付け穴(図
示せず)に差し込んで固定するための支柱２、３と、側
柵本体４と可動把持枠５とから構成されるもので、前記
支柱２、３は、側柵本体４の偏心した位置に一体的に取
り付けられ、サイドフレームの取り付け穴(図示せず)に
差し込んだ際、ぐらつかないように固定するための締め
付け手段６を設ける構成としている。前記側柵本体４と
可動把持枠５とは、変位保持機構７および継手手段であ
るヒンジ８を介して連結されており、可動把持枠５は、
水平方向に回動させて任意の位置に固定保持されるよう
になっている。すなわち、これら変位保持機構７および
ヒンジ８は、それぞれ、可動把持枠５の変位を拘束する
拘束手段を有し、変位保持機構７は、変位保持機構７お
よびヒンジ８における拘束手段の作用／作用解除を連動
する操作手段９を有し、可動把持枠５を任意の位置にて
固定保持する構成となっている。かかる側柵兼用介助装
置１によれば、変位保持機構７を作用させて可動把持枠
５を側柵本体４に一直線上に保持して通常の側柵として
使用し、患者がベッド上で移動しようとするときや、体
位を変えようとするときは、変位保持機構７の操作手段
９を操作して可動把持枠５を患者の手が届きやすいよう
に、予めベッドの床部内側へ曲げておくことで、可動把
持枠５を掴んで容易に行うことができる。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、側柵兼
用介助装置１に対しては、さらに次のような要望がなさ
れている。 （１）立ち上がるとき、掴まる位置が近すぎて、立ち上
がりの補助としては不満あり。 （２）立ち上がりのためのグリップを高低２段階用意
し、段階的に立ち上がりたい。 （３）立ち上がり完了時の高さが低い。 （４）寝たきりにさせないため、ベッドサイドに座らせ
るようにしたい。 本発明はかかる要望を背景に、家庭用や病院用等のベッ
ド等の側面に装着するようにして、ベッド等の側面に沿
って保持することで通常の側柵として使用し、一方、側
柵の一部を回動調節可能に構成することで、ベッド上で
移動の際の手掛かりとして、また、立ち上がりの際に、
さらにはベッドサイドで テーブル板等を乗せて座って
居られるようにすることで寝たきりにならないようにす
るための介助機能をもたらすことのできる、さらに使い
やすい構造とした、側柵兼用介助装置を提供することを
目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上述した課題を解決する
ために、ベッド等における側柵兼用介助装置において、
ベッド等の床部側部の端部側に寄せるように設けた支柱
部によって支持した側柵本体を有し、この側柵本体は、
略中間部に変位保持機構および継手手段を介して水平方
向に変位可能に連結した可動把持枠を有し、前記変位保
持機構は、変位保持機構の拘束作用／作用解除を操作す
る操作手段を有し、前記可動把持枠は、外側に握り部と
しての外枠と、この外枠内側に、可動把持枠を屈曲させ
た際にテーブル板を置けるようにした保持枠とを有する
構成とした。

【０００６】

【発明の実施の態様】次に、本発明にかかるベッド等に
おける側柵兼用介助装置について、一つの実施の態様を
示し、添付の図面に基づいて以下説明する。図１に側柵
兼用介助装置１０を示し、この側柵兼用介助装置１０
は、ベッド１１のサイドフレーム１２の取り付け穴(図
示せず)に差し込んで固定するための第１、第２の支柱
１３、１４と、側柵本体１５とを有する。前記第１、第
２支柱１３、１４は、側柵本体１５の偏心した位置に一
体的に取り付けられる。すなわち、第１支柱１３は、図
中、側柵本体１５の左方外側縦枠１５ａに長手方向に突
出するように取り付けられると共に、先端側を鉛直下方
向に指向するように取付箇所近傍を湾曲させている。一
方、第２支柱１４は、側柵本体１５の下側横枠１５ｂの
中間部近傍に鉛直下方に指向するように取り付けられて
おり、前記第１支柱１３と第２支柱１４とは、平行状態
にある。そして、これら第１、第２支柱１３、１４の先
端側には、ベッド１１のヘッドボ−ド１６寄りのサイド
フレーム１２の取り付け穴(図示せず)に差し込んだ際、
ぐらつかないように固定するための締め付け手段１７が
設けられる。

【０００７】前記側柵本体１５は、略中間部に変位保持
機構１８および継手手段１９を介して水平方向に変位可
能に連結した可動把持枠２０を有している。前記側柵本
体１５は、縦枠１５ａおよび横枠１５ｂにより外形コ型
形状を呈し、上下横枠１５ｂ間に内側縦枠１５ｃを有し
ている。前記可動把持枠２０は、外形が側柵本体１５と
同形状のものであり、握り部としての縦枠２０ａ、上下
横枠２０ｂを有する。そして前記上下横枠２０ｂ間に内
側縦枠２０ｃを有し、さらにこの内側縦枠２０ｃに、水
平方向に前記側柵本体１５の内側縦枠１５ｃに指向し
て、Ｕ字型形状の内側横枠２０ｄが一体的に突設されて
いる。

【０００８】以上のような側柵本体１５と可動把持枠２
０とは、変位保持機構１８および継手手段１９（以下、
ヒンジ１９）を介して連結されており、可動把持枠２０
は、水平方向に回動させて任意の位置に固定保持される
ようになっている。すなわち、これら変位保持機構１８
およびヒンジ１９は、それぞれ、可動把持枠２０の変位
を拘束する拘束手段（後述）を有し、変位保持機構１８
は、変位保持機構１８およびヒンジ１９における拘束手
段の作用／作用解除を連動する操作手段２１を有し、可
動把持枠２０を任意の位置にて固定保持する構成となっ
ている。

【０００９】上記の構成において、変位保持機構１８に
おける拘束手段２２には、例えばクラッチ機構を採用し
ており、この拘束手段２２は、詳細は図示しないが側柵
本体１５の下側横枠１５ｂ先端部に設けられた固定噛み
合い部材と、可動把持枠２０の下横枠２０ｂ側に設けら
れた連動噛み合い部材とを有し、前記固定噛み合い部材
と連動噛み合い部材との噛み合い面には、互いに当接し
て噛み合う係止歯が形成されている。

【００１０】また、前記操作手段２１は、前記固定噛み
合い部材を介して連動噛み合い部材を貫通すると共に、
連動噛み合い部材に軸止めされた軸部材（図示省略）
と、この軸部材を上下動させることで、固定噛み合い部
材と連動噛み合い部材とを噛み合い状態を、断続する構
造を備えている。

【００１１】以上のように構成される側柵兼用介助装置
１０において、患者がベッドに仰臥しているときは、側
柵兼用介助装置１０は、変位保持機構１８を作用させて
可動把持枠２０と側柵本体１５とを一直線状に保持して
通常の側柵とする。この際、可動把持枠２０は、ベッド
１１のサイドフレーム１２のヘッドボ−ド１６側から、
サイドフレーム１２中間部まで延在し、患者の頭側から
胴側に至るまでカバ−することができる。また、側柵兼
用介助装置１０は、ベッド１１のサイドフレーム１２
に、ヘッドボ−ド１６側他、フットボード２３側寄りの
取り付け穴に装着することができる（図２参照）。かか
る状態において、可動把持枠２０を操作手段２１を操作
して、軸部材１６を連動して連動噛み合い部材を、固定
噛み合い部材から離脱させ、ヒンジ１９の嵌合状態を外
し、可動把持枠２０を回動自在とし、サイドフレーム１
２に対して直交するように、床部幅方向に突出するよう
に動かし、再び操作手段２１を操作して、可動把持枠２
０を固定するようにしておく。この際、双方の側柵兼用
介助装置１０における可動把持枠２０は、平行状態にあ
り、可動把持枠２０の縦枠２０ａは、サイドフレーム１
２から離隔するように突出し、逆に可動把持枠２０にお
ける内側横枠２０ｄは、先端側が床部中央側に指向する
ように位置する。

【００１２】以上のような状態で、患者がベッド上で移
動しようとするときや、体位を変えようとするときは、
可動把持枠２０の内側横枠２０ｄ先端側が床部中央側に
指向するように位置しているので、患者は内側横枠２０
ｄを手掛かりとして掴んで容易に行うことができる。そ
して、患者は、ベッドサイドにて、床面に足を付いた状
態で座り、前記可動把持枠２０の上横枠２０ｂを掴んで
立ち上がることができる。この際、可動把持枠２０の上
横枠２０ｂの高さは、現行の側柵兼用介助装置に比較し
て高さ位置が高く設定してあるので、立ち上がり完了の
際も、低すぎるということはない（図３参照）。

【００１３】さらに、前述のような状態で、二つの可動
把持枠２０の内側横枠２０ｄ間にテーブル板２４を掛け
渡せば、患者は二つの可動把持枠２０の間のベッドサイ
ドにて、床面に足を付いた状態で座り、このテーブル板
２４に身体をもたられて座った姿勢を維持することがで
きる。また、前記テーブル板２４を食卓として食事を採
ったり、本をおいて読書したり、積極的に患者に起き上
がるきっかけを与えることとなり、機能回復に大きな一
助となり得る。なお、前記テーブル板２４は、内側横枠
２０ｄの上下枠のいずれかに掛け渡すことができるの
で、より使いやすい高さにテーブル板２４を調節するこ
とができる。

【００１４】

【発明の効果】以上の通り、本発明によれば、可動把持
枠の操作は簡単化されたので、ベッド上での体位変換
や、ベッドサイドへ移動して車椅子等への乗り移りが、
患者自ら、容易に行うことができ、しかも、可動把持枠
を変位させておくことで、患者がベッドサイドに起座し
て乗り降りには、なんら支障はなく、患者に対して積極
的に起き上がるきっかけを与えることができ、寝たきり
状態を改善し、大きな回復訓練の一助とすることができ
る。また、側柵兼用介助装置をベッド側面の頭側、足側
に装着するようにすれば、可動把持枠間にテーブル板を
使いやすい高さに掛け渡して使用することができるの
で、使い勝手が大いに向上する。

【００１５】

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明にかかるベッド等における側柵兼用介助
装置の一つの実施の形態を示す全体側面図である。

【図２】図１に示す側柵兼用介助装置の使用状態の一例
を示す、平面説明図である。

【図３】図１に示す側柵兼用介助装置の使用状態の一例
を示す、側面説明図である。

【図４】現行のベッド等における側柵兼用介助装置の一
例を示す全体側面図である。

【符号の説明】

１０ 側柵兼用介助装置 １１ ベッド １２ サイドフレーム １３ 第１支柱 １４ 第２支柱 １５ 側柵本体 １５ａ、２０ａ 縦枠 １５ｂ、２０ｂ 横枠 １５ｃ、２０ｃ 内側縦枠 １６ ヘッドボ−ド １７ 締め付け手段 １８ 変位保持機構 １９ ヒンジ ２０ 可動把持枠 ２０ｄ 内側横枠 ２１ 操作手段 ２２ 拘束手段 ２３ フットボード ２４ テーブル板

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ベッド等における側柵兼用介助装置に
   おいて、ベッド等の床部側部の端部側に寄せるように設
   けた支柱部によって支持した側柵本体を有し、この側柵
   本体は、略中間部に変位保持機構および継手手段を介し
   て水平方向に変位可能に連結した可動把持枠を有し、前
   記変位保持機構は、変位保持機構の拘束作用／作用解除
   を操作する操作手段を有し、前記可動把持枠は、外側に
   握り部としての外枠と、この外枠内側に、可動把持枠を
   屈曲させた際にテーブル板を置けるようにした保持枠と
   を有することを特徴とするベッド等における側柵兼用介
   助装置。