JPH10178800A - ステッピングモ−タ駆動装置 - Google Patents

ステッピングモ−タ駆動装置

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JPH10178800A
JPH10178800A JP34003496A JP34003496A JPH10178800A JP H10178800 A JPH10178800 A JP H10178800A JP 34003496 A JP34003496 A JP 34003496A JP 34003496 A JP34003496 A JP 34003496A JP H10178800 A JPH10178800 A JP H10178800A
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voltage
stepping motor
motor
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drive
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JP34003496A
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English (en)
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Housen Chiyou
宝 泉 張
Masumi Nishikawa
川 増 美 西
Mutsumi Miyashiro
代 睦 己 宮
Takahiro Yamada
田 高 裕 山
Hideo Fukatsu
津 英 雄 深
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Aisin Corp
Original Assignee
Aisin Seiki Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 機械的位置追跡用のセンサを用いることな
く、ステッピングモ−タの脱調を検出する。脱調があっ
ても位置追跡エラ−を防止。過負荷時の損傷を回避。 【解決手段】 電圧指示値Va1,Vb1が高低sin
/cosする電圧指示PWMパルスを発生する指示手段
191;PWMパルスでチョッピングした電圧をモ−タ
171に印加するドライバ199a;モ−タ171の通
電流値ia1を検出する抵抗101A11,101A1
2;および、電圧指示PWMパルスでチョップした電圧
をモ−タ171に印加したときモ−タに流れる予定電流
値Ia1と、実際に流れた電流値ia1とを比較し、両
者の差Ea1が設定範囲Es1を外れると、脱調情報A
F=1を発生する脱調検出手段191;を備える。これ
はステアリングホイ−ルのチルト,テレスコ駆動に適用
され、脱調検出時には駆動が停止される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、物体を駆動するス
テッピングモ−タの脱調検出ならびに該物体の位置決め
制御に関する。
【0002】
【従来の技術】比較的に高精度の位置決めを要する物体
の駆動にステッピングモ−タが用いられることが多く、
例えば車両上エンジンのスロットルバルブの開閉駆動,
ステアリングホイ−ルのチルト駆動およびテレスコ−プ
(以下テレスコと略記する)駆動,シ−ト(座席の尻受
け)の上下駆動あるいはシ−トバック(座席の背もた
れ)の傾斜駆動に用いられている。例えばステアリング
ホイ−ルやシ−トの場合、使用者(例えば運転者)に対
して最適姿勢に調整可であり、最適姿勢をメモリに書込
んでおくことにより、例えばエンジンキ−をキ−シリン
ダに装着すると自動的に最適姿勢に駆動し、キ−を抜く
と自動的に退避姿勢に駆動することが行なわれている。
【0003】過負荷(負荷外乱)が無い場合、ステッピ
ングモ−タの電気的な駆動ステップ数をカウントするこ
とにより、被駆動物の移動量が分るので、電気的な駆動
ステップ数をカウントし、カウント値に基づいて被駆動
物の位置を認識し、被駆動物を所望位置に位置決めしう
る。したがって、別途位置センサ又は位置追跡用のロ−
タリエンコ−ダなどを用いることなく、被駆動物体の位
置を追跡しうる。
【0004】しかしながら、最適姿勢又は退避姿勢に駆
動中に、例えば物がつかえるとか、人に当るとかして駆
動負荷が増大した場合には、ステアリングホイ−ル又は
シ−トの駆動機構,ステッピングモ−タ,つかえた物あ
るいは人の損傷を回避するために駆動を停止する必要が
ある。過負荷により、ステッピングモ−タが脱調とな
る。脱調とは、電気的なステップ駆動に対して、実際の
モ−タ回転(物体駆動)が伴わない状態であるので、脱
調を生じその期間がステップ周期以上になると、電気的
な駆動ステップ数のカウント値と被駆動物体の位置とに
ずれを生じ、カウント値に基づいた位置決めはエラ−と
なる。
【0005】特開平4−364399号公報には、スロ
ットルバルブを開閉駆動するステッピングモ−タに回転
角センサを結合して、回転角センサの検出値をセ−ブし
てからステッピングモ−タを電気的な駆動ステップ数で
所定ステップ数正回転駆動しそして同じステップ数逆回
転駆動し、これを終えたときの回転角センサの検出値か
らセ−ブしている検出値を減算した差値をチェックし
て、それが設定範囲を越えていると脱調があると判定し
ている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】回転角センサを備える
ので、被駆動物体の位置追跡用の位置センサ又は位置追
跡用のロ−タリエンコ−ダなどを備える場合と同様に、
付加センサが必要であり、機構要素が増え、収納スペ−
スが大きくなり、しかもコストアップとなる。
【0007】本発明は、機械的位置追跡用のセンサを用
いることなく、ステッピングモ−タの脱調を検出するこ
とを第1の目的とする。ステッピングモ−タの電気的な
駆動ステップ数のカウント値に基づいて被駆動物体を正
確に位置決めすることを第2の目的とし、ステッピング
モ−タに脱調があっても該カウント値は被駆動物体の位
置を正しく表わすものとすることを第3の目的とし、被
駆動物体にものがつかえたり外力が加わったときの、駆
動機構,ステッピングモ−タ,つかえた物あるいは人の
損傷を回避することを第4の目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
(1)所定の周期で指示値(Va1,Vb1)が高低(sin,cos)す
る電圧指示信号(PA1,PB1の出力パルス)を発生するモ−
タ駆動指示手段(191);前記電圧指示信号に応答して、
該電圧指示信号が指定する電圧(Va1,Vb1)をステッピン
グモ−タ(171)に印加するモ−タドライバ(199a);前記
ステッピングモ−タ(171)の通電電流値(ia1,ib1)を検出
する電流検出手段(101A1,101A2,101B1,101B2);およ
び、前記電圧指示信号が指示する電圧を前記ステッピン
グモ−タ(171)に印加したときステッピングモ−タに流
れる予定電流値(Ia1,Ib1)と、該電圧指示信号に前記モ
−タドライバが応答してステッピングモ−タ(171)に電
圧を印加した結果ステッピングモ−タに流れて前記電流
検出手段(101A1,101A2,101B1,101B2)で検出された通電
電流値(ia1,ib1)とを比較し、両者の差(Ea1,Eb1)が設定
範囲(Es1)を外れると、脱調情報(AF=1)を発生する脱調
検出手段(191);を備えるステッピングモ−タ駆動装
置。
【0009】なお、理解を容易にするためにカッコ内に
は、図面に示し後述する実施例の対応要素又は対応事項
の記号を付記した。
【0010】これによれば、予定電流値(Ia1,Ib1)をス
テッピングモ−タ(171)に流すための電圧指示信号を出
力してから、それによって実際にステッピングモ−タ(1
71)に流れた電流値(ia1,ib1)が検出されたときに、目標
電流値である予定電流値(Ia1,Ib1)とフィ−ドバック値
である検出電流値(ia1,ib1)が比較される。脱調が実質
上無いときには、予定電流値(Ia1,Ib1)≒検出電流値(ia
1,ib1)である。
【0011】過負荷により脱調したときには、検出電流
値(ia1,ib1)が過負荷電流値となるので、両者の差=┃
予定電流値(Ia1,Ib1)−検出電流値(ia1,ib1)┃が大きく
なり、設定範囲(Es1)を外れる。このとき脱調検出手段
(191)が脱調情報(AF=1)を発生する。このように、機械
的位置追跡用のセンサを用いることなく、ステッピング
モ−タの脱調が検出される。
【0012】
【発明の実施の形態】
(2)物体の駆動を指示する移動指示手段(31);該指示
(31の開から閉)に応答して、所定の周期で指示値(Va1,V
b1)が高低(sin,cos)する電圧指示信号(PA1,PB1の出力パ
ルス)を発生するモ−タ駆動指示手段(191);前記電圧指
示信号に応答して、該電圧指示信号が指定する電圧(Va
1,Vb1)を、物体を駆動するステッピングモ−タ(171)に
印加するモ−タドライバ(199a);現在位置情報を保持
し、前記電圧指示信号の高底の一周期当り所定数現在位
置情報を更新する現在位置追跡手段(191);前記ステッ
ピングモ−タ(171)の通電電流値(ia1,ib1)を検出する電
流検出手段(101A1,101A2,101B1,101B2);および、前記
電圧指示信号が指示する電圧(Va1,Vb1)を前記ステッピ
ングモ−タ(171)に印加したときステッピングモ−タに
流れる予定電流値(Ia1,Ib1)と、該電圧指示信号に前記
モ−タドライバが応答してステッピングモ−タ(171)に
電圧を印加した結果ステッピングモ−タに流れて前記電
流検出手段(101A1,101A2,101B1,101B2)で検出された通
電電流値(ia1,ia2)とを比較し、両者の差(Ea1,Eb1)が設
定範囲(Es1)を外れると、前記モ−タドライバ(199a)を
介した前記ステッピングモ−タ(171)への電圧の印加を
停止する脱調検出手段(191);を備えるステッピングモ
−タ駆動装置。
【0013】これによれば、移動指示手段(31)が物体の
駆動を指示すると(31が開から閉に切換わると)、物体の
駆動が開始され、現在位置追跡手段(191)がステッピン
グモ−タ(171)の電気的なステップ駆動に同期して物体
の現在位置情報を更新する。これにより、物体の駆動中
の物体位置が分かる。この駆動中に、仮に┃予定電流値
(Ia1,Ib1)−検出電流値(ia1,ib1)┃が大きくなり、設定
範囲(Es1)を外れると、脱調検出手段(191)がモ−タドラ
イバ(199a)を介した前記ステッピングモ−タ(171)への
電圧の印加を停止するので、そこでステッピングモ−タ
(171)の駆動(電圧印加:電気付勢)が停止する。
【0014】これにより、現在位置追跡手段(191)の現
在位置情報の更新が停止するので、現在位置情報は物体
の停止位置を正しく表わすものに留まる。また、物体に
ものがつかえたり外力が加わっていた場合、更なる駆動
がないので、駆動機構,ステッピングモ−タ,つかえた
ものの損傷が回避される。
【0015】(3)目標位置情報を保持し、前記現在位
置情報が目標位置情報に合致すると前記モ−タドライバ
(199a)を介した前記ステッピングモ−タ(171)への電圧
の印加を停止する位置決め手段(191);を更に備える上
記(2)のステッピングモ−タ駆動装置。
【0016】これによれば、脱調検出手段(191)がステ
ッピングモ−タの脱調を検出しないと、物体が目標位置
に到達したときに自動的にステッピングモ−タの駆動が
停止する。
【0017】(4)物体の往駆動および復駆動を指示す
る移動指示手段(31);前記往駆動の指示(31の開から閉)
に応答して所定の周期で指示値(Va1,Vb1)が高低(sin,co
s)する往駆動用の電圧指示信号(PA1,PB1の出力パルス)
を発生し、前記復駆動の指示(31の閉から開)に応答して
所定の周期で指示値が高低する復駆動用の電圧指示信号
を発生するモ−タ駆動指示手段(191);前記電圧指示信
号に応答して、該電圧指示信号が指定する電圧を、物体
を駆動するステッピングモ−タ(171)に印加するモ−タ
ドライバ(199a);現在位置情報を保持し、前記電圧指示
信号の高底の一周期当り所定数現在位置情報を更新する
現在位置追跡手段(191);目標位置情報および原点位置
情報を保持し、前記往駆動の指示に対応して前記ステッ
ピングモ−タ(171)に往駆動用の電圧を印加していると
き前記現在位置情報が目標位置情報に合致すると往駆動
用の電圧の印加を停止し、前記往駆動の指示に対応して
それが発生したときの前記現在位置情報を目標位置情報
に設定しかつこの指示に対応して前記ステッピングモ−
タ(171)に復駆動用の電圧を印加しているとき前記現在
位置情報が原点位置情報に合致すると復駆動用の電圧の
印加を停止する位置決め手段(191);前記ステッピング
モ−タ(171)の通電電流値(ia1,ib1)を検出する電流検出
手段(101A1,101A2,101B1,101B2);および、前記電圧指
示信号が指示する電圧を所定の負荷の前記ステッピング
モ−タ(171)に印加したときステッピングモ−タ(171)に
流れる予定電流値(Ia1,Ib1)と、該電圧指示信号に前記
モ−タドライバが応答してステッピングモ−タ(171)に
電圧を印加した結果ステッピングモ−タ(171)に流れて
前記電流検出手段(101A1,101A2,101B1,101B2)で検出さ
れた通電電流値(ia1,ib1)とを比較し、両者の差(Ea1,Eb
1)が設定範囲(Es1)を外れると、前記モ−タドライバ(19
9a)を介した前記ステッピングモ−タ(171)への電圧の印
加を停止する脱調検出手段(191);を備えるステッピン
グモ−タ駆動装置。
【0018】これによれば、移動指示手段(31)が往駆動
を指示するとステッピングモ−タ(171)が正転駆動され
て物体が往移動し、脱調検出手段(191)がステッピング
モ−タの脱調を検出しないと、物体が目標位置に到達し
たときに自動的にステッピングモ−タの駆動が停止す
る。また、移動指示手段(31)が復駆動を指示するとステ
ッピングモ−タ(171)が逆転駆動されて物体が復移動
し、脱調検出手段(191)がステッピングモ−タの脱調を
検出しないと、物体が原点位置に到達したときに自動的
にステッピングモ−タの駆動が停止する。
【0019】本発明の他の目的および特徴は、図面を参
照した以下の実施例の説明より明らかになろう。
【0020】
【実施例】図1に、本発明の一実施例(図3)の駆動対
象のステアリング装置1の側面を、図2に縦断面を示
す。このステアリング装置1には、ステアリングホイ−
ルチルト機構およびテレスコ機構が装備されており、こ
れらチルト機構およびテレスコ機構の原動機であるステ
ッピングモ−タ171および181が、実施例(図3)
の駆動対象である。
【0021】ステアリング装置1は、車両の前輪を操舵
するものであり、チルト機構は、ステアリングホイール
(図示略)が上端(図面上で右端)に固着されるアッパ
シャフト16を、運転者に向けて到れるチルトダウン方
向(往方向)および起立して運転者から離れるチルトア
ップ方向(復方向)に駆動するものである。テレスコ機
構は、アッパシャフト16を、上がるテレスコアップ方
向(往方向)および下がるテレスコダウン(復方向)に
駆動するものである。
【0022】図1及び図2に示すように、このステアリ
ング装置1は、主に、固定コラム11(固定部材)と、
移動コラム12と、揺動コラム13と、ロアシャフト1
4と、センタシャフト15と、アッパシャフト16と、
チルト機構17と、テレスコ機構18と、本発明の一実
施例である電子制御装置(以下ECUという)19とを
備えている。
【0023】固定コラム11は、車両ボデー(図示せ
ず)に固定されている。移動コラム12は、車両上下方
向および車両前後方向(図示A方向)に固定コラム11
に対し移動可能に固定コラム11にピン20を介して支
持されている。このピン20により移動コラム12は固
定コラム11に対し回転規制されている。揺動コラム1
3は、移動コラム12に固定された枢支ピン21(図1
に図示)に車両略上下方向(図示B方向)に揺動可能に
枢支されている。
【0024】ロアシャフト14は、固定コラム11に回
転可能に支持され、図示左端は車両の前輪に連係されて
いる。ロアシャフト14の図示右端外周には、ロアシャ
フトの軸方向に延在するスプライン141が形成されて
いる。センタシャフト15は、移動コラム12内に回転
可能に配設され、ロアシャフト14と同軸上に並んでい
る。センタシャフト15は、図示左端に円筒部151を
有しており、この円筒部151の内周には、センタシャ
フト15の軸方向に延在するスプライン152が形成さ
れている。円筒部151には、ロアシャフト14の図示
右端が挿入され、ロアシャフト14のスプライン141
がスプライン152に係合している。このスプライン係
合により、センタシャフト15は、ロアシャフト14と
一体回転可能であり、ロアシャフト14に対し図示A方
向に移動可能になっている。アッパシャフト16は、揺
動コラム13に固定された円筒部材22に回転可能に支
持され、ロアシャフト14及びセンタシャフト15と同
軸上に並んでいる。アッパシャフト16の図示左端部
は、ボールジョイント23を介してセンタシャフト15
に連結され、このボールジョイント23によりアッパシ
ャフト16はセンタシャフト15と一体回転可能であ
り、センタシャフト15に対し図示B方向に揺動可能で
ある。このアッパシャフト16の先端(図面上右端)に
は、ステアリングホイール(図示せず)が固定されてい
る。
【0025】チルト機構17は、揺動コラム13を移動
コラム12のピン21に対し図示B方向に揺動させるた
めのものである。このチルト機構17は、後述するステ
ッピングモータ171と、ギヤ172と、スプラインシ
ャフト173と、スクリューシャフト174と、ナット
部材175とを備えている。
【0026】ステッピングモータ171は、固定コラム
11の側面に取り付けられる。ギヤ172は、固定コラ
ム11に支持され、ベルト(図示せず)を介してステッ
ピングモータ171の出力軸(図示せず)に連結されて
いる。スプラインシャフト173は、ギヤ172と一体
回転可能に且つギヤ172に対し図示A方向に移動可能
にギヤ172の内周部に係合しており、図示A方向に延
在している。スクリューシャフト174は、スプライン
シャフト173の図示右端にジョイント176を介して
一体回転可能に連結され、スプラインシャフト173と
同軸上に配置されている。ナット部材175は、スクリ
ューシャフト174の外周部に螺合され、結果、スクリ
ューシャフト174が回転した時にそれが図示A方向に
移動するようになっている。このナット部材175は、
2つの固定ピン177(1つのみ図1に図示)により揺
動コラム13に固定されている。
【0027】テレスコ機構18は、移動コラム13を固
定コラム11に対し車両前後方向に移動させるためのも
のである。このテレスコ機構18は、後述するステッピ
ングモータ181と、ギヤ(図示せず)と、スクリュー
シャフト(図示せず)と、ナット部材(図示せず)とを
備えている。
【0028】ステッピングモータ181は、固定コラム
11の側面にステッピングモータ171と並んで取り付
けられる。ギヤは、ステッピングモータ181の出力軸
(図示せず)に連結されている。スクリューシャフト
は、ギヤに一体回転可能に連結されている。ナット部材
は、スクリューシャフトの外周部に螺合され、結果、ス
クリューシャフトが回転した時にそれが図示A方向に移
動するようになっている。このナット部材は、ブラケッ
ト(図示せず)を介して移動コラム12に固定されてい
る。
【0029】上記構成のステアリング装置1の作動を説
明する。運転者がステアリングホイールを操作すると、
アッパシャフト16、センタシャフト15及びロアシャ
フト14が一体回転し、結果、車両の前輪が操舵され
る。後述するECU19によりチルト用のステッピング
モータ171が所定角度だけ駆動されると、ギヤ17
2,スプラインシャフト173及びスクリューシャフト
174が一体回転する。すると、スクリューシャフト1
74及びナット部材175間の螺合により、ナット部材
175が図示A方向に移動し、結果、揺動コラム13及
び円筒部材22が移動コラム12に対しピン21を支点
として図示B方向に揺動する。このとき、アッパシャフ
ト16はボールジョイント23を介してセンタシャフト
15に連結されているため、アッパシャフト16も揺動
コラム13と共にセンタシャフト15に対し図示B方向
に揺動する。これにより、ステアリングホイールが図示
B方向(車両上下方向)に移動し、チルト角の調整がな
される。
【0030】また、後述するECU19によりテレスコ
用のステッピングモータ181が所定角度だけ駆動され
ると、ギヤ及びスクリューシャフトが一体回転する。す
ると、スクリューシャフト及びナット部材間の螺合によ
り、ナット部材が図示A方向に移動し、結果、移動コラ
ム12が固定コラム11に対し図示A方向に移動する。
従って、移動コラム12に枢支ピン21を介して支持さ
れた揺動コラム13及び円筒部材22も図示A方向に一
体的に移動する。その結果、アッパシャフト16及びセ
ンタシャフト15も図示A方向に一体的に移動する。こ
れにより、ステアリングホイールが図示A方向(車両前
後方向)に移動し、突出し位置の調整がなされる。
【0031】図3に示すように、ECU19は、バスを
介して相互に接続された入力ポート192,出力ポート
193,プロセシングユニット(以下CPUと称す)1
94,リードオンリーメモリ(ROM)195,ランダ
ムアクセスメモリ(RAM)196及びタイマ197か
ら成るマイクロコンピュータ(以下マイコンと称す)1
91を備えている。このECU19には、キー挿入スイ
ッチ31,チルトアップスイッチ32,チルトダウンス
イッチ33,テレスコアップスイッチ34及びテレスコ
ダウンスイッチ35等が電気的に接続されている。
【0032】キー挿入スイッチ31は、イグニッション
キー(図示せず)を受けるキ−シリンダに装備されてお
り、キ−シリンダにイグニッションキ−が挿入された時
にOFF(開)からON(閉)に切り換わり、イグニッ
ションキー(図示せず)が抜かれた時にOFFに切り換
わる。チルトアップ,ダウンスイッチ32,33及びテ
レスコアップ,ダウンスイッチ34,35は、運転室内
に設置され、操作された時にONに切り換わり、操作が
解除された時にOFFに切り換わるプッシュスイッチで
ある。
【0033】これらの出力信号は、増幅回路198a〜
198eを介して夫々入力ポート192からCPU19
4に入力されるように構成されている。また、出力ポー
ト193からモ−タドライバ199a(チルト用)及び
199b(テレスコ用)に対しては、それぞれに、正転
駆動用又は逆転駆動用のPWMパルスが出力される。図
4に、モ−タドライバ199aの構成を示す。チルト機
構17のステッピングモ−タ171は2相4極であり、
A正相コイルを巻回したA正相ポ−ル,B正相の正相コ
イルを巻回したB正相ポ−ル,A逆相コイルを巻回した
A逆相ポ−ルおよびB逆相コイルを巻回したB逆相ポ−
ルが、90度ピッチで分布している。A相正相コイルと
A逆相コイルはポ−ルに対する巻回方向が逆であるの
で、これらのコイルに通電すると、A正相コイルを巻回
したポ−ル(A相)がN極に、A逆相コイルを巻回した
ポ−ル(Aにオ−バラインを付した相)がS極となる。
B相に関しても同様である。A相コイルにsin波状の
電圧を、B相コイルにcos波状の電圧を印加するとス
テッピングモ−タ171は正回転(図4上ではロ−タが
時計方向に回転)し、逆にA相にcos波状の電圧を、
B相にsin波状の電圧を印加すると逆回転(反時計方
向)する。
【0034】A正,逆相コイルにはバイポ−ラ励磁のス
イッチング回路Aが、B正,逆相コイルには同じくバイ
ポ−ラ励磁のスイッチング回路Bが接続されている。
【0035】出力ポ−トPA1からスイッチングドライ
バ100A1にA正相コイル通電用のPWMパルス(P
WMa1)が出力される。このPWMパルスの反転パルス
が、スイッチングドライバ100A2にA逆相コイル通
電用のPWMパルス(PWMa2)として与えられる。ス
イッチングドライバ100A1,100A2は、それに
与えられるPWMパルスの低レベルLから高レベルHへ
の立上り遅延回路を含み、PWMパルスがLからHに立
上ると、それから遅延時間の後にHをスイッチング回路
A,Bに与え、PWMパルスがHからLに立下るときに
はそれに同期して即座にスイッチング回路A,Bへの出
力をHからLに切換える。
【0036】スイッチング回路Aは、ドライバ100A
1の出力がHの間のみ、A正相コイルを電流検出用の抵
抗101A1に接続し、これによりA正相コイルに電流
が流れ、この電流値に比例する電圧が抵抗101A1に
発生する。スイッチング回路Aはまた、ドライバ100
A2の出力がHの間のみ、A逆相コイルを電流検出用の
抵抗101A2に接続し、これによりA逆相コイルに電
流が流れ、この電流値に比例する電圧が抵抗101A2
に発生する。
【0037】CPU194がその出力ポ−トPA1から
スイッチングドライバ100A1に出力するPWMパル
ス(PWMa1)のデュ−ティを、それによってA正相コ
イルに印加される電圧(VB×デュ−ティ)の時系列の
変化がsin波(機器ア−スレベルよりも下ピ−ク値が
高い、正バイアスされた第1sin波)を描くように時
系列で変更すると、スイッチングドライバ100A2に
はその反転パルス(PWMa2)が与えられるので、該反
転パルスPWMa2のデュ−ティは、ドライバ100A1
に与えられるパルスPWMa1のデュ−ティと逆対応する
デュ−ティとなり、このデュ−ティが第1sin波を1
80度分位相を遅らせた第2sin波を描くように時系
列で変化する。すなわち、CPU194がその出力ポ−
トPA1からスイッチングドライバ100A1に、A正
相コイルに時系列で第1sin波を描く脈流電圧を印加
するためのPWMパルス(PWMa1)を出力すると、自
動的に、スイッチングドライバ100A2には、第1s
in波を180度移相した第2sin波を描く脈流電圧
をA逆相コイルに印加するためのPWMパルス(PWM
a2)が与えられる。
【0038】以上の説明はステッピングモ−タ171を
正転(図4上で時計方向回転)駆動するときのものであ
り、逆転(反時計方向)駆動するときには、上記説明
の、「sin波」を「cos波」と読み替えたものとな
る。
【0039】B正相コイルおよびB逆相コイルに接続さ
れたスイッチング回路Bならびにその中のスイッチング
素子をオン/オフするスイッチングドライバ100B1
および100B2の構成は、上述のA正,逆相コイルに
接続されたものと同一である。CPU194がその出力
ポ−トPB1からスイッチングドライバ100B1に、
B正相コイルに時系列で第1cos波を描く脈流電圧を
印加するためのPWMパルス(PWMb1)を出力する
と、自動的に、スイッチングドライバ100B2には、
第1cos波を180度移相した第2cos波を描く脈
流電圧をB逆相コイルに印加するためのPWMパルス
(PWMb2)が与えられる。これは、ステッピングモ−
タ171を正転駆動するときであり、逆転駆動するとき
には、この説明の、「cos波」を「sin波」と読み
替えたものとなる。
【0040】抵抗101A1,101A2,101B1
および101B2は、それぞれA正相コイル,A逆相コ
イル,B正相コイルおよびB逆相コイルに流れる電流に
比例する電圧を発生する。それらの電圧は、ロ−パスフ
ィルタおよび増幅器を通して、上述のsin波又はco
s波の整流波(脈流)の変化を示すものに平滑化および
増幅されて、それぞれマイコン191のA/D変換入力
ポ−トia11,ia12,ib11およびib12に
印加される。
【0041】テレスコ機構18のステッピングモ−タ1
81は、上述のステッピングモ−タ171と同一構造お
よび同一規格のものであり、それに接続されたモ−タド
ライバ199bの構成と機能も、上述のモ−タドライバ
199aと同じである。このモ−タドライバ199bに
は、出力ポ−トPA2(PA1に対応),PB2(PB
1に対応)から、モ−タ181の各相コイルに第1si
n波,第2sin波,第1cos波又は第2のcos波
となる電圧を印加するためのPWMパルスが与えられ
る。モ−タドライバ199bにも、図示はしないが、モ
−タ181のA正相コイルの電流値ia21,A逆相コ
イルの電流値ia22,B正相コイルの電流値ib21
およびB逆相コイルの電流値ib22を検出する抵抗1
02A1(101A1対応のもの),102A2(10
1A2対応のもの),102B1(101B1対応のも
の)および(102B2)があり、これらの電圧(電流
検出信号)が、マイコン191のA/D変換入力ポ−ト
ia21,ia22,ib21およびib22に印加さ
れる。
【0042】再度図3を参照すると、ROM195は、
図5〜図8に示したフローチャートを含む種々の処理に
供するプログラムおよび参照デ−タを記憶し、CPU1
94は、当該プログラムを実行する。RAM196に
は、当該プログラムの実行に必要な、入,出力デ−タあ
るいは参照デ−タが書込まれる。図示は省略したが、E
CU19に給電する電源回路は、2系統あり、1つはイ
グニションキ−がキ−シリンダに差し込まれていないと
きにも、常にマイコン191,増幅器198aおよび電
源投入リレ−用の図示しないリレ−ドライバに、プログ
ラム実行(入力センス),メモリデ−タの保持およびリ
レ−ON(閉,接)をしうる動作電圧を与える常時給電
回路であり、もう1つは、イグニションキ−がキ−シリ
ンダに差し込まれている間のみ、電源投入リレ−を介し
てバッテリに接続されて増幅回路198b〜198eお
よびモ−タドライバ199a,199bに給電するキ−
差し込み時給電回路である。
【0043】図5に、マイコン191のCPU194
の、プログラムに従った制御動作の概要(メインル−チ
ン)を示す。マイコン191(のCPU194;以下同
様)は、それに電源が投入されると(すなわち、例えば
車両出荷直前に、車両に自動車用バッテリが搭載されそ
れに電源回路が接続され、常時給電回路が動作電圧を与
えると)、マイコン191は、出力ポ−トの信号レベル
を待機時のものに設定し、入,出力レジスタ,デ−タセ
−ブ用のレジスタ,状態レジスタ(メモリ上の一領
域),タイマ,カウンタ等を初期値(待機時用)に設定
する(ステップ1の初期化)。なお、この時点には、チ
ルト機構は機構の上限位置までチルトアップした機構原
点に、テレスコ機構は機構の下限位置まで縮退した機構
原点にあるものとする。なお、プログラムに組込まれて
いるチルト機構の制御上の原点位置およびテレスコ機構
の制御上の原点位置は、機構原点より少しチルトダウン
およびテレスコアップした位置(姿勢)である。
【0044】上述の初期化(ステップ1)により、チル
ト機構およびテレスコ機構に割り当てられた各現在位置
レジスタおよび各目標位置レジスタのデ−タはいずれも
0(機構原点)を示すものである。キ−シリンダにイグ
ニションキ−が差し込まれると、スイッチ31が閉じ、
これに応答してマイコン191がリレ−ドライバにON
指示信号を与え、リレ−ドライバが電源投入リレ−に通
電し、該リレ−がONになって、キ−差し込み時給電回
路がバッテリに接続されて、キ−差し込み時給電回路
が、増幅回路198b〜198eおよびモ−タドライバ
199a,199bに給電する。マイコン191は、イ
グニションキ−の差し込み(スイッチ31のON)を表
わす「1」をフラグレジスタRFに書込んで(ステップ
2〜4)、「目標位置に駆動」(ステップ5)を実行す
る。しかしここでは、前述のように、チルト機構および
テレスコ機構に割り当てられた各現在位置レジスタおよ
び各目標位置レジスタのデ−タはいずれも0(機構原
点)を示すものであり、現在位置と目標位置(各デ−
タ)が合致しているので、チルト機構およびテレスコ機
構のいずれも駆動しない。次の「32〜35の入力に応
答した駆動」(ステップ6)に進む。ここでスイッチ3
2〜35のONをセンスしないとステップ2に戻るの
で、以後イグニションキ−の差し込みがある間はステッ
プ2−3−6−2と循環して、スイッチ32〜35のO
Nに応答したチルトアップ,ダウン駆動,テレスコアッ
プ,ダウン駆動を、「32〜35の入力に応答した駆
動」(ステップ6)で行なう。
【0045】1.スイッチ32〜35によるステアリン
グホイ−ルの姿勢設定(ステップ6) 以下の説明の便利上、ここで、ある者が、スイッチ32
〜35を操作して彼に対して最適なチルト角度およびテ
レスコ(突出し)位置に、ステアリングホイ−ルの姿勢
を設定するとする。 チルトダウン:チルトダウンスイッチ33がONになる
とこのONが継続している間マイコン191は、時系列
でsin波状のレベル変化をもたらすPWMパルスPW
Ma1を、出力ポ−トPA1に出力すると共に、時系列で
cos波状のレベル変化をもたらすPWMパルスPWM
b1を出力ポ−トPB1に出力する。これによりステッピ
ングモ−タ171が正回転し、ステアリングホイ−ルが
チルトダウンする。このチルトダウンの間マイコン19
1は、sin波の1周期毎にチルト現在位置レジスタの
デ−タを1インクレメント(1カウントアップ)する。
スイッチ33がOFFに戻ると、マイコン191はこの
チルトダウン駆動を停止する。また、チルトダウン駆動
プログラム上に、チルト機構の機械的な下限位置よりも
少しアップ位置を示すチルト制御の上限位置デ−タが含
まれており、スイッチ33のONが継続していても、チ
ルト現在位置レジスタのデ−タが該チルト制御の上限位
置デ−タに合致すると、マイコン191はそこでチルト
ダウン駆動を停止する。なお、以下単に「チルト上限位
置」と表記した場合、これは上述のチルト制御の上限位
置デ−タが表わす位置(制御上のチルトダウン限界)を
意味する。
【0046】チルトアップ:チルトアップスイッチ32
がONになるとこのONが継続している間マイコン19
1は、時系列でcos波状のレベル変化をもたらすPW
MパルスPWMa1を出力ポ−トPA1に出力すると共
に、時系列でsin波状のレベル変化をもたらすPWM
パルスPWMb1を出力ポ−トPB1に出力する。これに
よりステッピングモ−タ171が逆回転し、ステアリン
グホイ−ルがチルトアップする。このチルトアップの間
マイコン191は、sin波の1周期毎にチルト現在位
置レジスタのデ−タを1デクレメント(1カウントダウ
ン)する。スイッチ32がOFFに戻ると、マイコン1
91はこのチルトアップ駆動を停止する。また、チルト
アップ駆動プログラム上に、チルト機構の機械的な上限
位置(機構原点)よりも少しダウン位置を示すチルト制
御の原点位置デ−タが含まれており、スイッチ32のO
Nが継続していても、チルト現在位置レジスタのデ−タ
が該チルト制御の原点位置デ−タに合致すると、マイコ
ン191はそこでチルトアップ駆動を停止する。なお、
以下単に「チルト原点位置」と表記した場合、これは上
述のチルト制御の原点位置デ−タが表わす位置を意味す
る。
【0047】テレスコアップ:テレスコアップスイッチ
34がONになるとこのONが継続している間マイコン
191は、時系列でsin波状のレベル変化をもたらす
PWMパルスPWMa2を出力ポ−トPA2に出力すると
共に、時系列でcos波状のレベル変化をもたらすPW
MパルスPWMb2を出力ポ−トPB2に出力する。これ
によりステッピングモ−タ181が正回転し、ステアリ
ングホイ−ルがテレスコアップする。このテレスコアッ
プの間マイコン191は、sin波の1周期毎にテレス
コ現在位置レジスタのデ−タを1インクレメントする。
スイッチ34がOFFに戻ると、マイコン191はこの
テレスコアップ駆動を停止する。また、テレスコアップ
駆動プログラム上に、テレスコ機構の機械的な上限位置
よりも少しダウン位置を示すテレスコ制御の上限位置デ
−タが含まれており、スイッチ34のONが継続してい
ても、テレスコ現在位置レジスタのデ−タが該テレスコ
制御の上限位置デ−タに合致すると、マイコン191は
そこでテレスコアップ駆動を停止する。なお、以下単に
「テレスコ上限位置」と表記した場合、これは上述のテ
レスコ制御の上限位置デ−タが表わす位置(制御上のテ
レスコアップ限界)を意味する。
【0048】テレスコダウン:テレスコダウンスイッチ
35がONになるとこのONが継続している間マイコン
191は、時系列でcos波状のレベル変化をもたらす
PWMパルスPWMa2を出力ポ−トPA2に出力すると
共に、時系列でsin波状のレベル変化をもたらすPW
MパルスPWMb2を出力ポ−トPB2に出力する。これ
によりステッピングモ−タ181が逆回転し、ステアリ
ングホイ−ルがテレスコダウンする。このテレスコダウ
ンの間マイコン191は、sin波の1周期毎にテレス
コ現在位置レジスタのデ−タを1デクレメントする。ス
イッチ35がOFFに戻ると、マイコン191はこのテ
レスコダウン駆動を停止する。また、テレスコダウン駆
動プログラム上に、テレスコ機構の機械的な下限位置
(機構原点)よりも少しアップ位置を示すテレスコ制御
の原点位置デ−タが含まれており、スイッチ35のON
が継続していても、テレスコ現在位置レジスタのデ−タ
が該テレスコ制御の原点位置デ−タに合致すると、マイ
コン191はそこでテレスコダウン駆動を停止する。な
お、以下単に「テレスコ原点位置」と表記した場合、こ
れは上述のテレスコ制御の原点位置デ−タが表わす位置
を意味する。
【0049】以上のように、スイッチ32〜35を操作
して、ステアリングホイ−ルを、操作者の希望する姿勢
に設定又は調整しうる。
【0050】2.イグニションキ−スイッチの抜きに応
答した退避駆動(ステップ8〜9) 所望の姿勢(以下単に最適姿勢)にステアリングホイ−
ルを設定した状態で、イグニションキ−がキ−シリンダ
から抜かれると、スイッチ31がONからOFFに転ず
る。これに応答してマイコン191は、チルト目標位置
レジスタにチルト現在位置レジスタのデ−タを書込み、
かつテレスコ目標位置レジスタにテレスコ現在位置レジ
スタのデ−タを書込んで(ステップ2−7−8)、フラ
グレジスタRFをクリアし(ステップ9)、そして「原
点位置に駆動」(ステップ10)を実行する。
【0051】この「原点位置に駆動」(ステップ10)
においてマイコン191は、上述のチルトアップ駆動と
同じ制御態様で、チルト現在位置レジスタのデ−タがチ
ルト原点位置を示すものになるまで、ステッピングモ−
タ171を逆転駆動して、ステアリングホイ−ルをチル
トアップ駆動する。実質上それと並行して、マイコン1
91は、上述のテレスコダウン駆動と同じ制御態様で、
テレスコ現在位置レジスタのデ−タがテレスコ原点位置
を示すものになるまで、ステッピングモ−タ181を逆
転駆動して、ステアリングホイ−ルをテレスコダウン駆
動する。そして、チルト原点位置およびテレスコ原点位
置への駆動が完了すると、リレ−ドライバへのON指示
信号をOFF指示レベルに反転する。これによりリレ−
ドライバが電源投入リレ−への通電を停止し、キ−差し
込み時電源回路がバッテリから遮断されて、増幅器19
8b〜198eおよびモ−タドライバ199a,199
bへの動作電圧の供給がなくなる。
【0052】以上により、ステアリングホイ−ルは退避
姿勢(チルト,テレスコ共に原点位置)となっており、
チルト,テレスコ目標位置レジスタには、前述の最適姿
勢でのチルト位置デ−タ,テレスコ位置デ−タが書込ま
れており、チルト,テレスコ現在位置レジスタのデ−タ
は、共に原点位置を示すものである。
【0053】3.イグニションキ−スイッチの差込みに
応答した 最適姿勢への駆動(ステップ5) キ−シリンダにイグニションキ−が差し込まれると、ス
イッチ31が閉じ、これに応答してマイコン191がリ
レ−ドライバにON指示信号を与え、リレ−ドライバが
電源投入リレ−に通電し、該リレ−がONになって、キ
−差し込み時給電回路がバッテリに接続されて、キ−差
し込み時給電回路が、増幅回路198b〜198eおよ
びモ−タドライバ199a,199bに給電する。マイ
コン191は、イグニションキ−の差し込み(スイッチ
31のON)を表わす「1」をフラグレジスタRFに書
込んで(ステップ2〜4)、「目標位置に駆動」(ステ
ップ5)を実行する。
【0054】図6〜図8に、「目標位置に駆動」(ステ
ップ5)の内容を示す。まず図6を参照するとここでは
まず制御演算周期を定めるための、Ts時限のTsタイ
マをスタ−トする(ステップ11)。そしてチルト出力
設定(COD),テレスコ出力設定(TOD)および脱
調判定(ステップ50:図7)を、Ts周期で繰返し、
この繰返しで、ステッピングモ−タ171および181
を正転駆動し、チルト位置が目標位置になったか、また
テレスコ位置が目標位置になったかをチェックして、目
標位置になるとモ−タ駆動を停止する。また、モ−タの
脱調を検出するとそこで該モ−タの駆動を停止する。チ
ルト駆動およびテレスコ駆動共に停止した時点で、「目
標位置に駆動」(ステップ5)を終了して、次のステッ
プ6(図5)に進む。
【0055】以下各ステップの内容を説明するが、ここ
で前提を整理しておくと、CPU194の基本クロック
は、発振器が発生する4MHzの信号であり、CPU1
94は、PWMパルスを生成するためにそれを1/Nに
分周してPWM計時パルスPa(Nカウントアップ情
報)を生成し、このパルスPa(Nカウントアップ情報
の発生回数)を1/bに分周してPWM周期パルスPb
(bカウントアップ情報)を生成する。パルスPbの一
周期がPWMパルスの一周期となる。PWM周期パルス
Pbが発生したとき、PWMパルス出力ポ−トにHを設
定してPWM計時パルスPaのカウントを開始し、カウ
ント値が出力すべきPWMパルスのH幅値に合致すると
PWMパルス出力ポ−トをLを設定してPWM周期パル
スPbの発生を待ち、パルスPbが発生するとまたPWM
パルス出力ポ−トにHを設定してPWM計時パルスPa
のカウントを開始するという処理を繰返すことにより、
PWMパルス出力ポ−トに実際の電気パルスが出力され
る。この処理を「PWMパルス出力」と称する。
【0056】PWM計時パルスPaの周期をTa、PWM
周期パルスPbの周期をTbとすると、b×Ta=Tb で
あり、与えるH幅値(パルスPaをカウントすべき数)
をHaとすると、出力パルスのデュ−ティは、 (Ha×Ta)/Tb=(Ha×Ta)/(b×Ta) =Ha/b であり、分周比1/Nに無関係な値となる。以上に示し
た各値の中の、Haはsin,cos波状の電圧をモ−
タコイルに印加するためにCPU194が操作する値で
あるが、他の値は、プログラム上設定された固定値であ
る。「PWMパルス出力」に、Ha値をロ−ドすること
又は「PWMパルス出力」に設定されているHaを変更
することを「PWM出力設定」と称す。
【0057】CPU194は、基本クロックを1/Cに
分周してステップパルスPc(cカウントアップ情報)
を生成し、このパルスPcを1/8000に分周してモ−タ
回転パルスPd(8000カウントアップ情報)を生成し、こ
のパルスPdをカウントアップ(インクレメント;正転
時),ダウン(デクレメント;逆転時)して現在位置デ
−タを更新する。すなわち、ステップパルスPcをカウ
ントアップして、カウント値が8000に達すると、モ
−タ正転駆動時には現在位置レジスタのデ−タを1イン
クレメントし逆転駆動時には現在位置レジスタのデ−タ
を1デクレメントして、ステップパルスPcのカウント
値をクリアし、ステップパルスPcの再度のカウントア
ップを開始する。この処理を「現在位置の更新」と称
す。
【0058】この実施例では、モ−タの1回転(360
度の回転)を8000ステップに分けており、1ステップの
分解能は360°/8000=0.045°であり、160ステ
ップがsin波の一周期(360°)に相当する。50周期
分のsin波を出力すると、ステップ数=50×160
=8000であって、モ−タのロ−タが1回転する。
【0059】上述の「PWMパルス出力」および「現在
位置の更新」は、モ−タ駆動開始時にCPU194が開
始し、モ−タ駆動停止時に停止する。次に、図6〜図8
の各ステップの処理内容を説明する。
【0060】図6のステップ12の「目標速度v1の計
算」は、それが実質上Ts周期で繰返し実行されること
により、チルト駆動速度を台形状に制御するものであ
る。この処理では、増減速レジスタのデ−タを参照して
それが0(増速未完)であると、チルト目標位置−チル
ト現在位置を算出して、それが減速駆動距離(固定値)
を越えるかをチェックして、越えていると、モ−タ速度
を台形状に立上げ、また立下げるのに参照するステップ
アップレジスタのデ−タ(ステップアップ数)を参照し
て、それが設定値M(設定高速値までのステップアップ
数:固定値)に達していないと、ステップアップレジス
タのデ−タを1インクレメントし、v1=ステップアッ
プ数×dVを算出する。dV=Vs/M、Vsは設定高
速値(固定値)である。そして、ステップアップレジス
タのデ−タが設定値Mに達したかをチェックして、達し
ていると増減速レジスタに1(増速完了)を書込む。増
減速レジスタの初期値は0である。以上が、モ−タ速度
をVsまで立上げる過程での処理である。
【0061】モ−タ速度をVsに立上げた後は、増減速
レジスタに1が書込まれているので、チルト目標位置−
チルト現在位置を算出して、それが減速駆動距離を越え
るかをチェックする。越えていると、ステップアップレ
ジスタのデ−タは更新せず、v1=ステップアップ数×
dV(前回値と同一)を目標速度値とする。これが定速
走行中の処理である。
【0062】減速駆動距離以下であったときには、ステ
ップアップレジスタのデ−タを参照して、それが0に戻
っていないと、ステップアップレジスタのデ−タを1デ
クレメントし、v1=ステップアップ数×dVを算出す
る。そして、ステップアップレジスタのデ−タが0に戻
ったかをチェックして、戻っていると増減速レジスタを
クリアする。以上が、モ−タ速度を速度0に立下げる過
程での処理である。
【0063】図6のステップ13の「分周比C計算」で
は、ステップ12で算出したv1に基づいて、分周比C
を、 C=4×106/(v1×8000) と算出する。
【0064】図6のステップ14では、ステップ13で
算出した分周比Cを、ステップ数カウンタのクロックと
なる分周タイマ−に設定する。
【0065】図6のステップ15では、パルスPcをカ
ウントする回転角レジスタθに書込む。
【0066】図6のステップ16では、目標電圧V1
を、 V1=In+1*×(R+LS) と算出する。In+1*はトルク目標値であり、この実施例
では、プログラム上に設定された固定値である。(R+
LS)はモ−タの各電気コイルのインピ−ダンス値であ
り、これもこの実施例では、プログラム上に設定された
固定値である。
【0067】図6のステップ17では、A相電気コイル
に印加すべき電圧の目標瞬時値Va1およびB相コイル
に印加すべき電圧の目標瞬時値Vb1を算出する。この
内容を図8に示す。
【0068】図8を参照すると、CPU194は、現在
の回転角デ−タθから前回(Ts前)の回転角デ−タθ
pを減算した角速度ω=θ−θpを算出する(ステップ
62)。CPU194は次に、逆起電力Vi=Ke・ω
を算出し(ステップ63)、目標速度v1をもたらすた
めのモ−タ印加電圧(コイル印加電圧)Vd=V1+V
iを算出し(64)、sin振幅テ−ブル(メモリの一
領域上の、0〜2πの範囲の、位相角レジスタ1の位相
角デ−タφ(0〜159)対応のサイン波振幅値デ−タ
群、ただしデ−タは下ピ−ク値が0より高い正バイアス
値)より、現在の位相角レジスタ1の位相角デ−タφに
対応するsin振幅デ−タSINを読出し(ステップ6
5)、cos振幅テ−ブル(メモリの一領域上の、0〜
2πの範囲の、位相角デ−タφ対応のコサイン波振幅値
デ−タ群、ただし、デ−タは下ピ−ク値が0より高い正
バイアス値)より、現在の位相角レジスタ1の位相角デ
−タφに対応するcos振幅デ−タCOSを読出す(ス
テップ66)。そしてモ−タ171のA正相コイルに印
加する電圧Va1=Vd・SINを算出し(ステップ6
7)、B正相コイルに印加する電圧Vb=Vd・COS
を算出する(ステップ68)。
【0069】なお、「PWMパルス出力」を実行してい
るとき(モ−タ171を駆動しているとき)、CPU1
94は、ステップパルスPcが発生す毎に位相角レジス
タ1のデ−タを1インクレメントして、その結果が16
0になるとそこで位相角レジスタ1をクリアする処理を
繰返す。これを「位相角デ−タの更新」と称す。この処
理により、位相角レジスタ1のデ−タφは、0〜159
の値の範囲内で、パルスPcの発生に同期して大きい値
を示すものに更新される。
【0070】図6のステップ18の「PWMa1出力設
定」では、上記のように算出した、A正相コイルに印加
する電圧Va1=Vd・SINを、A正相コイルに印加
するためのPWMパルスのH幅値Ha11に変換して、モ
−タ171のA正相コイル宛ての「PWMパルス出力」
のH幅Haに設定する。
【0071】図6のステップ19の「PWMa2出力設
定」では、上記のように算出した、B正相コイルに印加
する電圧Vb1=Vd・COSを、B正相コイルに印加
するためのPWMパルスのH幅値Ha12に変換して、モ
−タ171のB正相コイル宛ての「PWMパルス出力」
のH幅Haに設定する。
【0072】このステップ19の処理が初回であったと
きには、CPU194はここで出力ポ−トPA1,PB
1にHを設定して、「PWMパルス出力」,「位相角デ
−タの更新」および「現在位置の更新」を開始する。
【0073】図6のステップ20の「A相予定電流値I
a1の算出」では、A相コイルに上記ステップ18で算
出した電圧Va1を印加した場合に流れる予定の電流値
Ia1を、 Ia1=In+1*・SIN・R/(R+LS) と算出する。同様に憶6のステップ21の「B相予定電
流値Ib1の算出」では、B相コイルに上記ステップ1
9で算出した電圧Vb1を印加した場合に流れる予定の
電流値Ib1を、 Ib1=In+1*・COS・R/(R+LS) と算出する。
【0074】次にCPU194は、以上に説明したステ
ップ12〜21の「チルト出力設定」CODと同様な内
容の「テレスコ出力設定」TODを実行する。この内容
は、上述の「チルト出力設定」CODの説明を、ステッ
ピングモ−タ171宛てのものからステッピングモ−タ
181宛てのものに読み替えたものとなる。
【0075】図7を参照する。次にCPU194は、計
時を開始して、ステップ18,19の出力設定で定めた
出力電圧Va1,Va2をモ−タ171に印加してから
モ−タ電流値がそれらの電圧値対応の値となる遅れ時間
(電圧に対する電流の位相遅れ)が経過するのを待っ
て、経過すると、「脱調判定」(ステップ50)を実行
する。
【0076】この「脱調判定」(ステップ50)でCP
U194は、抵抗101A1,101A2,101B1
および101B2の電圧すなわちステッピングモ−タ1
71のA正相コイルの電流値ia11,A逆相コイルの
電流値ia12,B正相コイルの電流値ib11および
B逆相コイルの電流値ib12、ならびに、モ−タドラ
イバ199b内のコイル電流検出用の抵抗の電圧すなわ
ちステッピングモ−タ171のA正相コイルの電流値i
a21,A逆相コイルの電流値ia22,B正相コイル
の電流値ib21およびB逆相コイルの電流値ib2
2、を読込む(ステップ51)。
【0077】次にステッピングモ−タ171のA相コイ
ル電流値ia1およびB相コイル電流値ib1、ならび
に、ステッピングモ−タ181のA相コイル電流値ia
2およびB相コイル電流値ib2を次のように算出する
(ステップ52): ia1=|ia11−ia12|, ib1=|ib11−ib12|, ia2=|ia21−ia22|, ib2=|ib21−ib22|。
【0078】次にCPU194は、ステップ20,21
および「テレスコ出力設定」TODで算出した、ステッ
ピングモ−タ171のA相予定電流値Ia1およびB相
予定電流値Ib1ならびにステッピングモ−タ181の
A相予定電流値Ia2およびB相予定電流値Ib2に対
する、上述の電流値(検出値)ia1およびib1なら
びにia2およびib2の偏差Ea1およびEb1なら
びにEa2およびEb2を算出する(ステップ53)。
【0079】そして、ステッピングモ−タ171のA相
電流偏差Ea1とB相電流偏差Eb1の少くとも一方が
設定値Es1以上(予定電流値に対する検出電流値の差
が設定範囲±Es1を外れる)であると、チルト駆動の
過負荷(脱調)を表わす1をレジスタAF1に書込み、
チルト駆動を停止する(ステップ54,56)。すなわ
ち、出力ポ−トPA1およびPB1にLを設定する。ま
た、ステッピングモ−タ181のA相電流偏差Ea2と
B相電流偏差Eb2の少くとも一方が設定値Es2以上
(予定電流値に対する検出電流値の差が設定範囲±Es
2を外れる)であると、テレスコ駆動の過負荷(脱調)
を表わす1をレジスタAF2に書込み、テレスコ駆動を
停止する(ステップ55,57)。すなわち、出力ポ−
トPA2およびPB2にLを設定する。
【0080】なお、図示は省略したが、車両上の運転席
の略前方のインナ−パネルに装備されている表示パネル
ユニットのモニタマイコンにCPU194はモニタ信号
(AF1,AF2のデ−タを表わす信号)を送り、モニ
タマイコンはそれが過負荷(脱調)を示すものであると
きには、それを表示パネル上で報知する。モニタ信号が
過負荷を示さないものになると該報知をリセットする。
【0081】そして脱調でないと、チルト現在位置レジ
スタのデ−タがチルト目標位置レジスタのデ−タと合致
すると、ステッピングモ−タ171の駆動のためのPW
Mパルスの出力を停止とする(出力ポ−トPA1および
PB1をLとする。(ステップ58,59)。また、テ
レスコ現在位置レジスタのデ−タがテレスコ目標位置レ
ジスタのデ−タと合致すると、ステッピングモ−タ18
1の駆動のためのPWMパルスの出力を停止とする(出
力ポ−トPA2およびPB2をLとする)。(ステップ
58,59)。
【0082】ステッピングモ−タ171と181の少く
ともまだ駆動中(駆動要)である間は、Tsタイマがタ
イムオ−バすると、ステップ11に戻ってTsタイマを
再スタ−トして、駆動中のステッピングモ−タに関し
て、上述の「チルト出力設定」CODおよび又は「テレ
スコ出力設定」TOD以下を実行する。
【0083】両モ−タ171,181の上述の停止が完
了すると、「目標位置に駆動」(ステップ5)を終了
し、メインル−チン(図5)の「32〜35の入力に応
答した駆動」(ステップ6)に進む。このステップ6の
内容はすでに説明した通りである。
【0084】過負荷(脱調)検出により、あるいは目標
位置に到達したことにより、目標位置へのチルト駆動お
よびテレスコ駆動を停止すると、CPU194は図5の
「32〜35の入力に応答した駆動」(ステップ6)に
進むので、仮に、ステアリングホイ−ルが物又は人に当
って過負荷(脱調)検出により駆動を停止したか否かに
かかわらず、スイッチ32〜35を操作してステアリン
グホイ−ルを所望の姿勢に駆動又は調整しうる。
【0085】図7に示す「脱調判定」(ステップ50)
は、ステッピングモ−タ171と181の少くとも一方
を駆動している間、Ts周期で繰返えされる。
【0086】前述の、「原点位置に駆動」(ステップ1
0)および「32〜35の入力に応答した駆動」(ステ
ップ6)のいずれにおいても、CPU194は、「目標
位置に駆動」(ステップ5)と同様な処理を行なうの
で、ここで過負荷(脱調)が検出されると、そこで駆動
が停止する。そしてステップ2(図5)に戻るので、こ
の場合には、原点位置に戻らないでステアリングホイ−
ルの駆動が停止したままとなる。運転者がイグニション
キ−をキ−シリンダに再度差し込むと、ステップ2−3
4−5の実行により、ステップ4で異常情報はクリアさ
れ、最適姿勢への駆動が開始される(ステップ5)。
【0087】以上に説明した実施例では、PWMパルス
を利用してステッピングモ−タ171にsin波電圧と
cos波電圧を印加し、これらの電圧の目標瞬時値(P
WMパルスのデュ−ティ比)によってモ−タに流れる予
定電流値Ia1,Ib1と実際にモ−タに流れた電流値
ia1,ib1とを比較してステッピングモ−タ171
の脱調を判定する処理をTs周期で行なう。Ts×整数
m=sin波,cos波の一周期、又は、Ts×整数m
≒sin波,cos波の一周期、であり、sin波,c
os波の一周期の間に10回以上、脱調検出が行なわ
れ、脱調を生じてからそれを検出すまでの遅れ時間が短
い。そして脱調を検出するとモ−タ駆動を停止するの
で、sin波の50周期(モ−タの1回転)につき1カ
ウントアップ,ダウンする現在位置レジスタのデ−タ
は、脱調を生じても、実際の位置に対してずれのないも
のとなる。すなわち、正確にチルト機構の現在位置を追
跡しうる。位置センサ,角度センサなどをモ−タ171
又はチルト機構に結合する必要はない。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例の制御対象のステアリング
装置1の側面図である。
【図2】 図1に示すステアリング装置1の縦断面図で
ある。
【図3】 図1に示す、本発明の一実施例であるECU
19の構成概要を示すブロック図である。
【図4】 図3に示すモ−タドライバ199aの構成を
示すブロック図である。
【図5】 図3に示すCPU194の、ステアリングホ
イ−ルの姿勢制御の概要を示すフロ−チャ−トである。
【図6】 図5に示す「目標位置に駆動」(ステップ
5)の内容の一部を示すフロ−チャ−トである。
【図7】 図5に示す「目標位置に駆動」(ステップ
5)の内容の残部を示すフロ−チャ−トである。
【図8】 図6に示す「目標瞬時値Va1,Vb1の算出」
(ステップ17)の内容を示すフロ−チャ−トである。
【符号の説明】
1:ステアリング装置 11:アッパシャ
フト 12:移動コラム 13:揺動コラム 14:ロアシャフト 141:スプライ
ン 15:センタシャフト 151:円筒部 152:スプライン 16:アッパシャ
フト 17:チルト機構 171:ステッピ
ングモ−タ 172:ギヤ 173:スプライ
ンシャフト 174:スクリュ−シャフト 175:ナット部
材 176:ジョイント 18:テレスコ機
構 181:ステッピングモ−タ 19:電子制御装
置(ECUと略称) 198a〜198e:増幅器 199a,199
b:モ−タドライバ 20:ピン 21:ピン 22:円筒部材 23:ボ−ルジョ
イント 31:キ−差込みスイッチ 32:チルトアッ
プスイッチ 33:チルトダウンスイッチ 34:テレスコア
ップスイッチ 35:テレスコダウンスイッチ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI G05D 3/10 G05D 3/10 E (72)発明者 山 田 高 裕 愛知県刈谷市八軒町1丁目15番地 アイシ ン・エンジニアリング株式会社内 (72)発明者 深 津 英 雄 愛知県刈谷市八軒町1丁目15番地 アイシ ン・エンジニアリング株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】所定の周期で指示値が高低する電圧指示信
    号を発生するモ−タ駆動指示手段;前記電圧指示信号に
    応答して、該電圧指示信号が指定する電圧をステッピン
    グモ−タに印加するモ−タドライバ;前記ステッピング
    モ−タの通電電流値を検出する電流検出手段;および、 前記電圧指示信号が指示する電圧を前記ステッピングモ
    −タに印加したときステッピングモ−タに流れる予定電
    流値と、前記電圧指示信号に前記モ−タドライバが応答
    してステッピングモ−タに電圧を印加した結果ステッピ
    ングモ−タに流れて前記電流検出手段で検出された通電
    電流値とを比較し、両者の差が設定範囲を外れると、脱
    調情報を発生する脱調検出手段;を備えるステッピング
    モ−タ駆動装置。
  2. 【請求項2】物体の駆動を指示する移動指示手段;該指
    示に応答して、所定の周期で指示値が高低する電圧指示
    信号を発生するモ−タ駆動指示手段;前記電圧指示信号
    に応答して、該電圧指示信号が指定する電圧を、物体を
    駆動するステッピングモ−タに印加するモ−タドライ
    バ;現在位置情報を保持し、前記電圧指示信号の高底の
    一周期当り所定数現在位置情報を更新する現在位置追跡
    手段;前記ステッピングモ−タの通電電流値を検出する
    電流検出手段;および、 前記電圧指示信号が指示する電圧を前記ステッピングモ
    −タに印加したときステッピングモ−タに流れる予定電
    流値と、前記電圧指示信号に前記モ−タドライバが応答
    してステッピングモ−タに電圧を印加した結果ステッピ
    ングモ−タに流れて前記電流検出手段で検出された通電
    電流値とを比較し、両者の差が設定範囲を外れると、前
    記モ−タドライバを介した前記ステッピングモ−タへの
    電圧の印加を停止する脱調検出手段;を備えるステッピ
    ングモ−タ駆動装置。
  3. 【請求項3】目標位置情報を保持し、前記現在位置情報
    が目標位置情報に合致すると前記モ−タドライバを介し
    た前記ステッピングモ−タへの電圧の印加を停止する位
    置決め手段;を更に備える請求項2記載のステッピング
    モ−タ駆動装置。
  4. 【請求項4】物体の往駆動および復駆動を指示する移動
    指示手段;前記往駆動の指示に応答して所定の周期で指
    示値が高低する往駆動用の電圧指示信号を発生し、前記
    復駆動の指示に応答して所定の周期で指示値が高低する
    復駆動用の電圧指示信号を発生するモ−タ駆動指示手
    段;前記電圧指示信号に応答して、該電圧指示信号が指
    定する電圧を、物体を駆動するステッピングモ−タに印
    加するモ−タドライバ;現在位置情報を保持し、前記電
    圧指示信号の高底の一周期当り所定数現在位置情報を更
    新する現在位置追跡手段;目標位置情報および原点位置
    情報を保持し、前記往駆動の指示に対応して前記ステッ
    ピングモ−タに往駆動用の電圧を印加しているとき前記
    現在位置情報が目標位置情報に合致すると往駆動用の電
    圧の印加を停止し、前記往駆動の指示に対応してそれが
    発生したときの前記現在位置情報を目標位置情報に設定
    しかつこの指示に対応して前記ステッピングモ−タに復
    駆動用の電圧を印加しているとき前記現在位置情報が原
    点位置情報に合致すると復駆動用の電圧の印加を停止す
    る位置決め手段;前記ステッピングモ−タの通電電流値
    を検出する電流検出手段;および、 前記電圧指示信号が指示する電圧を前記ステッピングモ
    −タに印加したときステッピングモ−タに流れる予定電
    流値と、前記電圧指示信号に前記モ−タドライバが応答
    してステッピングモ−タに電圧を印加した結果ステッピ
    ングモ−タに流れて前記電流検出手段で検出された通電
    電流値とを比較し、両者の差が設定範囲を外れると、前
    記モ−タドライバを介した前記ステッピングモ−タへの
    電圧の印加を停止する脱調検出手段;を備えるステッピ
    ングモ−タ駆動装置。
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