JPH10210793A - ステッピングモ−タ駆動装置 - Google Patents

ステッピングモ−タ駆動装置

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JPH10210793A
JPH10210793A JP776097A JP776097A JPH10210793A JP H10210793 A JPH10210793 A JP H10210793A JP 776097 A JP776097 A JP 776097A JP 776097 A JP776097 A JP 776097A JP H10210793 A JPH10210793 A JP H10210793A
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JP
Japan
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deviation
stepping motor
voltage
magnetic field
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Application number
JP776097A
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English (en)
Inventor
Housen Chiyou
宝 泉 張
Mutsumi Miyashiro
代 睦 己 宮
Hideo Fukatsu
津 英 雄 深
Takahiro Yamada
田 高 裕 山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Aisin Corp
Original Assignee
Aisin Seiki Co Ltd
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Publication date
Application filed by Aisin Seiki Co Ltd filed Critical Aisin Seiki Co Ltd
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Publication of JPH10210793A publication Critical patent/JPH10210793A/ja
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
    • Y02T10/00Road transport of goods or passengers
    • Y02T10/10Internal combustion engine [ICE] based vehicles
    • Y02T10/40Engine management systems

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  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)
  • Control Of Position Or Direction (AREA)
  • Control Of Stepping Motors (AREA)
  • Control Of Throttle Valves Provided In The Intake System Or In The Exhaust System (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 機械的位置追跡用のセンサを用いることな
く、ステッピングモ−タの脱調を検出する。脱調があっ
ても位置追跡エラ−を防止。過負荷時の損傷を回避。 【解決手段】 所定の周期で高低(sin,cos)す
る電圧Va1,Vb1をステッピングモ−タ171に印
加するモ−タドライバ199a;モ−タ171の通電電
流値ia1,ib1を検出する手段101A1,101
A2,101B1,101B2;および、検出した各相
コイルの通電電流値ia1,ib1に基づいて、これら
の電流が発生する磁界/電界空間の磁界値iq1および
電界値id1を算出し、これらの各目標値に対する各偏
差Eiq,Eidを算出して、各偏差が設定範囲内か否
かを判定し、偏差が設定範囲Es1を外れると、脱調情
報AF=1を発生する脱調検出手段191;を備える。
ステアホイ−ルのチルト,テレスコ駆動に適用され、脱
調検出時には駆動が停止される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、物体を駆動するス
テッピングモ−タの脱調検出ならびに該物体の位置決め
制御に関する。
【0002】
【従来の技術】比較的に高精度の位置決めを要する物体
の駆動にステッピングモ−タが用いられることが多く、
例えば車両上エンジンのスロットルバルブの開閉駆動,
ステアリングホイ−ルのチルト駆動およびテレスコ−プ
(以下テレスコと略記する)駆動,シ−ト(座席の尻受
け)の上下駆動あるいはシ−トバック(座席の背もた
れ)の傾斜駆動に用いられている。例えばステアリング
ホイ−ルやシ−トの場合、使用者(例えば運転者)に対
して最適姿勢に調整可であり、最適姿勢をメモリに書込
んでおくことにより、例えばエンジンキ−をキ−シリン
ダに装着すると自動的に最適姿勢に駆動し、キ−を抜く
と自動的に退避姿勢に駆動することが行なわれている。
【0003】過負荷(負荷外乱)が無い場合、ステッピ
ングモ−タの電気的な駆動ステップ数をカウントするこ
とにより、被駆動物の移動量が分るので、電気的な駆動
ステップ数をカウントし、カウント値に基づいて被駆動
物の位置を認識し、被駆動物を所望位置に位置決めしう
る。したがって、別途位置センサ又は位置追跡用のロ−
タリエンコ−ダなどを用いることなく、被駆動物体の位
置を追跡しうる。
【0004】しかしながら、最適姿勢又は退避姿勢に駆
動中に、例えば物がつかえるとか、人に当るとかして駆
動負荷が増大した場合には、ステアリングホイ−ル又は
シ−トの駆動機構,ステッピングモ−タ,つかえた物あ
るいは人の損傷を回避するために駆動を停止する必要が
ある。過負荷により、ステッピングモ−タが脱調とな
る。脱調とは、電気的なステップ駆動に対して、実際の
モ−タ回転(物体駆動)が伴わない状態であるので、脱
調を生じその期間がステップ周期以上になると、電気的
な駆動ステップ数のカウント値と被駆動物体の位置とに
ずれを生じ、カウント値に基づいた位置決めはエラ−と
なる。
【0005】特開平4−364399号公報には、スロ
ットルバルブを開閉駆動するステッピングモ−タに回転
角センサを結合して、回転角センサの検出値をセ−ブし
てからステッピングモ−タを電気的な駆動ステップ数で
所定ステップ数正回転駆動しそして同じステップ数逆回
転駆動し、これを終えたときの回転角センサの検出値か
らセ−ブしている検出値を減算した差値をチェックし
て、それが設定範囲を越えていると脱調があると判定し
ている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】回転角センサを備える
ので、被駆動物体の位置追跡用の位置センサ又は位置追
跡用のロ−タリエンコ−ダなどを備える場合と同様に、
付加センサが必要であり、機構要素が増え、収納スペ−
スが大きくなり、しかもコストアップとなる。
【0007】本発明は、機械的位置追跡用のセンサを用
いることなく、ステッピングモ−タの脱調を検出するこ
とを第1の目的とする。ステッピングモ−タの電気的な
駆動ステップ数のカウント値に基づいて被駆動物体を正
確に位置決めすることを第2の目的とし、ステッピング
モ−タに脱調があっても該カウント値は被駆動物体の位
置を正しく表わすものとすることを第3の目的とし、被
駆動物体にものがつかえたり外力が加わったときの、駆
動機構,ステッピングモ−タ,つかえた物あるいは人の
損傷を回避することを第4の目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
(1)所定の周期で指示値(Va1,Vb1)が高低(sin,cos)す
る電圧指示信号(PA1,PB1の出力パルス)を発生するモ−
タ駆動指示手段(191);前記電圧指示信号に応答して、
該電圧指示信号が指定する電圧(Va1,Vb1)をステッピン
グモ−タ(171)に印加するモ−タドライバ(199a);前記
ステッピングモ−タ(171)の通電電流値(ia1,ib1)を検出
する電流検出手段(101A1,101A2,101B1,101B2);検出し
た各相コイルの通電電流値(ia1,ib1)に基づいて、これ
らの電流が発生する磁界電界空間の磁界値(iq1)及び電
界値(id1)を算出する磁界値電界値算出手段(191);これ
らの磁界値(iq1)及び電界値(id1)を夫々第1目標値(iq1
s)及び第2目標値(0)に一致させるようにフィ−ドバッ
ク制御を行うフィ−ドバック制御手段(191); 前記磁
界値及び前記第1目標値間の第1偏差(E1q)並びに前記
電界値及び前記第2目標値間の第2偏差(id)を算出する
偏差算出手段(191);および、前記第1偏差(E1q)及び第
2偏差(id)が夫々設定範囲(±Es1)内か否かを判定し、
少なくとも一方の偏差が設定範囲を外れると、脱調情報
(AF=1)を発生する脱調検出手段(191);を備えるステッ
ピングモ−タ駆動装置。
【0009】なお、理解を容易にするためにカッコ内に
は、図面に示し後述する実施例の対応要素又は対応事項
の記号を付記した。
【0010】各相コイルの通電電流値(ia1,ib1)によっ
て、ロ−タとステ−タとの間の空隙に加わる磁束ベクト
ルの、接線方向(ロ−タ回転方向)の成分に磁界値(iq
1)が対応し、ロ−タ半径方向の成分に電界値(id1)が対
応する。ステッピングモ−タが正常回転のときには、電
界値(id1)が0もしくは極く小さい値であり、磁界値(iq
1)および電界値(id1)を、それぞれ磁界目標値(iq1s)お
よび電界目標値(0)にフィ−ドバック制御することがで
きる。ところがモ−タ負荷が増大すると、各相コイルの
通電電流値(ia1,ib1)のバランスがくずれて、磁界値(iq
1)が低下し電界値(id1)が増えてモ−タトルクが低下す
る。フィ−ドバック制御がこれを抑制するように、すな
わち磁界値(iq1)を上げ電界値(id1)を下げるように各相
のコイル印加電圧を操作するが、負荷が大きいと磁界値
(iq1)がフィ−ドバック制御の制御範囲よりも低側に低
下し、電界値(id1)が高側に上昇する(脱調)。
【0011】本発明によれば、脱調検出手段(191)が各
相コイルの通電電流値(ia1,ib1)に基づいて磁界値(iq1)
および電界値(id1)を算出してそれらの、各目標値(iq1
s,0)に対する各偏差(Eiq,Eid)が設定範囲内か否かを判
定して、少くとも一方の偏差(Eiq/Eid)が設定範囲(Es
1)を外れると、脱調情報(AF=1)を発生する。このよう
に、機械的位置追跡用のセンサを用いることなく、ステ
ッピングモ−タの脱調が検出される。
【0012】
【発明の実施の形態】
(2)物体の駆動を指示する移動指示手段(31);該指示
(31の開から閉)に応答して、所定の周期で指示値(Va1,V
b1)が高低(sin,cos)する電圧指示信号(PA1,PB1の出力パ
ルス)を発生するモ−タ駆動指示手段(191);前記電圧指
示信号に応答して、該電圧指示信号が指定する電圧(Va
1,Vb1)を、物体を駆動するステッピングモ−タ(171)に
印加するモ−タドライバ(199a);現在位置情報を保持
し、前記電圧指示信号の高底の一周期当り所定数現在位
置情報を更新する現在位置追跡手段(191);前記ステッ
ピングモ−タ(171)の通電電流値(ia1,ib1)を検出する電
流検出手段(101A1,101A2,101B1,101B2);検出した各相
コイルの通電電流値(ia1,ib1)に基づいて、これらの電
流が発生する磁界電界空間の磁界値(iq1)及び電界値(id
1)を算出する磁界値電界値算出手段(191);これらの磁
界値(iq1)及び電界値(id1)を夫々第1目標値(iq1s)及び
第2目標値(0)に一致させるようにフィ−ドバック制御
を行うフィ−ドバック制御手段(191); 前記磁界
値及び前記第1目標値間の第1偏差(E1q)並びに前
記電界値及び前記第2目標値間の第2偏差(id)を算出す
る偏差算出手段(191);および、前記第1偏差(E1q)及び
第2偏差(id)が夫々設定範囲(±Es1)内か否かを判定
し、少なくとも一方の偏差が設定範囲を外れると、脱調
情報(AF=1)を発生する脱調検出手段(191);を備えるス
テッピングモ−タ駆動装置。
【0013】これによれば、移動指示手段(31)が物体の
駆動を指示すると(31が開から閉に切換わると)、物体の
駆動が開始され、現在位置追跡手段(191)がステッピン
グモ−タ(171)の電気的なステップ駆動に同期して物体
の現在位置情報を更新する。これにより、物体の駆動中
の物体位置が分かる。この駆動中に、磁界値(iq1)およ
び電界値(id1)の、各目標値に対する各偏差(Eiq,Eid)の
少くとも一方(Eiq/Eid)が設定範囲(Es1)を外れると、
脱調検出手段(191)がモ−タドライバ(199a)を介した前
記ステッピングモ−タ(171)への電圧の印加を停止する
ので、そこでステッピングモ−タ(171)の駆動(電圧印
加:電気付勢)が停止する。
【0014】これにより、現在位置追跡手段(191)の現
在位置情報の更新が停止するので、現在位置情報は物体
の停止位置を正しく表わすものに留まる。また、物体に
ものがつかえたり外力が加わっていた場合、更なる駆動
(通電)がないので、駆動機構,ステッピングモ−タ,
つかえたものの損傷が回避される。
【0015】(3)目標位置情報を保持し、前記現在位
置情報が目標位置情報に合致すると前記モ−タドライバ
(199a)を介した前記ステッピングモ−タ(171)への電圧
の印加を停止する位置決め手段(191);を更に備える上
記(2)のステッピングモ−タ駆動装置。
【0016】これによれば、脱調検出手段(191)がステ
ッピングモ−タの脱調を検出しないと、物体が目標位置
に到達したときに自動的にステッピングモ−タの駆動が
停止する。
【0017】(4)物体の往駆動および復駆動を指示す
る移動指示手段(31);前記往駆動の指示(31の開から閉)
に応答して所定の周期で指示値(Va1,Vb1)が高低(sin,co
s)する往駆動用の電圧指示信号(PA1,PB1の出力パルス)
を発生し、前記復駆動の指示(31の閉から開)に応答して
所定の周期で指示値が高低する復駆動用の電圧指示信号
を発生するモ−タ駆動指示手段(191);前記電圧指示信
号に応答して、該電圧指示信号が指定する電圧を、物体
を駆動するステッピングモ−タ(171)に印加するモ−タ
ドライバ(199a);現在位置情報を保持し、前記電圧指示
信号の高底の一周期当り所定数現在位置情報を更新する
現在位置追跡手段(191);目標位置情報および原点位置
情報を保持し、前記往駆動の指示に対応して前記ステッ
ピングモ−タ(171)に往駆動用の電圧を印加していると
き前記現在位置情報が目標位置情報に合致すると往駆動
用の電圧の印加を停止し、前記往駆動の指示に対応して
それが発生したときの前記現在位置情報を目標位置情報
に設定しかつこの指示に対応して前記ステッピングモ−
タ(171)に復駆動用の電圧を印加しているとき前記現在
位置情報が原点位置情報に合致すると復駆動用の電圧の
印加を停止する位置決め手段(191);前記ステッピング
モ−タ(171)の通電電流値(ia1,ib1)を検出する電流検出
手段(101A1,101A2,101B1,101B2);検出した各相コイル
の通電電流値(ia1,ib1)に基づいて、これらの電流が発
生する磁界電界空間の磁界値(iq1)及び電界値(id1)を算
出する磁界値電界値算出手段(191);これらの磁界値(iq
1)及び電界値(id1)を夫々第1目標値(iq1s)及び第2目
標値(0)に一致させるようにフィ−ドバック制御を行う
フィ−ドバック制御手段(191); 前記磁界値及び前記
第1目標値間の第1偏差(E1q)並びに前記電界値及び前
記第2目標値間の第2偏差(id)を算出する偏差算出手段
(191);および、前記第1偏差(E1q)及び第2偏差(id)が
夫々設定範囲(±Es1)内か否かを判定し、少なくとも一
方の偏差が設定範囲を外れると、脱調情報(AF=1)を発生
する脱調検出手段(191);を備えるステッピングモ−タ
駆動装置。
【0018】これによれば、移動指示手段(31)が往駆動
を指示するとステッピングモ−タ(171)が正転駆動され
て物体が往移動し、脱調検出手段(191)がステッピング
モ−タの脱調を検出しないと、物体が目標位置に到達し
たときに自動的にステッピングモ−タの駆動が停止す
る。また、移動指示手段(31)が復駆動を指示するとステ
ッピングモ−タ(171)が逆転駆動されて物体が復移動
し、脱調検出手段(191)がステッピングモ−タの脱調を
検出しないと、物体が原点位置に到達したときに自動的
にステッピングモ−タの駆動が停止する。
【0019】本発明の他の目的および特徴は、図面を参
照した以下の実施例の説明より明らかになろう。
【0020】
【実施例】図1に、本発明の一実施例(図3)の駆動対
象のステアリング装置1の側面を、図2に縦断面を示
す。このステアリング装置1には、ステアリングホイ−
ルチルト機構およびテレスコ機構が装備されており、こ
れらチルト機構およびテレスコ機構の原動機であるステ
ッピングモ−タ171および181が、実施例(図3)
の駆動対象である。
【0021】ステアリング装置1は、車両の前輪を操舵
するものであり、チルト機構は、ステアリングホイール
(図示略)が上端(図面上で右端)に固着されるアッパ
シャフト16を、運転者に向けて到れるチルトダウン方
向(往方向)および起立して運転者から離れるチルトア
ップ方向(復方向)に駆動するものである。テレスコ機
構は、アッパシャフト16を、上がるテレスコアップ方
向(往方向)および下がるテレスコダウン(復方向)に
駆動するものである。
【0022】図1及び図2に示すように、このステアリ
ング装置1は、主に、固定コラム11(固定部材)と、
移動コラム12と、揺動コラム13と、ロアシャフト1
4と、センタシャフト15と、アッパシャフト16と、
チルト機構17と、テレスコ機構18と、本発明の一実
施例である電子制御装置(以下ECUという)19とを
備えている。
【0023】固定コラム11は、車両ボデー(図示せ
ず)に固定されている。移動コラム12は、車両上下方
向および車両前後方向(図示A方向)に固定コラム11
に対し移動可能に固定コラム11にピン20を介して支
持されている。このピン20により移動コラム12は固
定コラム11に対し回転規制されている。揺動コラム1
3は、移動コラム12に固定された枢支ピン21(図1
に図示)に車両略上下方向(図示B方向)に揺動可能に
枢支されている。
【0024】ロアシャフト14は、固定コラム11に回
転可能に支持され、図示左端は車両の前輪に連係されて
いる。ロアシャフト14の図示右端外周には、ロアシャ
フトの軸方向に延在するスプライン141が形成されて
いる。センタシャフト15は、移動コラム12内に回転
可能に配設され、ロアシャフト14と同軸上に並んでい
る。センタシャフト15は、図示左端に円筒部151を
有しており、この円筒部151の内周には、センタシャ
フト15の軸方向に延在するスプライン152が形成さ
れている。円筒部151には、ロアシャフト14の図示
右端が挿入され、ロアシャフト14のスプライン141
がスプライン152に係合している。このスプライン係
合により、センタシャフト15は、ロアシャフト14と
一体回転可能であり、ロアシャフト14に対し図示A方
向に移動可能になっている。アッパシャフト16は、揺
動コラム13に固定された円筒部材22に回転可能に支
持され、ロアシャフト14及びセンタシャフト15と同
軸上に並んでいる。アッパシャフト16の図示左端部
は、ボールジョイント23を介してセンタシャフト15
に連結され、このボールジョイント23によりアッパシ
ャフト16はセンタシャフト15と一体回転可能であ
り、センタシャフト15に対し図示B方向に揺動可能で
ある。このアッパシャフト16の先端(図面上右端)に
は、ステアリングホイール(図示せず)が固定されてい
る。
【0025】チルト機構17は、揺動コラム13を移動
コラム12のピン21に対し図示B方向に揺動させるた
めのものである。このチルト機構17は、後述するステ
ッピングモータ171と、ギヤ172と、スプラインシ
ャフト173と、スクリューシャフト174と、ナット
部材175とを備えている。
【0026】ステッピングモータ171は、固定コラム
11の側面に取り付けられる。ギヤ172は、固定コラ
ム11に支持され、ベルト(図示せず)を介してステッ
ピングモータ171の出力軸(図示せず)に連結されて
いる。スプラインシャフト173は、ギヤ172と一体
回転可能に且つギヤ172に対し図示A方向に移動可能
にギヤ172の内周部に係合しており、図示A方向に延
在している。スクリューシャフト174は、スプライン
シャフト173の図示右端にジョイント176を介して
一体回転可能に連結され、スプラインシャフト173と
同軸上に配置されている。ナット部材175は、スクリ
ューシャフト174の外周部に螺合され、結果、スクリ
ューシャフト174が回転した時にそれが図示A方向に
移動するようになっている。このナット部材175は、
2つの固定ピン177(1つのみ図1に図示)により揺
動コラム13に固定されている。
【0027】テレスコ機構18は、移動コラム13を固
定コラム11に対し車両前後方向に移動させるためのも
のである。このテレスコ機構18は、後述するステッピ
ングモータ181と、ギヤ(図示せず)と、スクリュー
シャフト(図示せず)と、ナット部材(図示せず)とを
備えている。
【0028】ステッピングモータ181は、固定コラム
11の側面にステッピングモータ171と並んで取り付
けられる。ギヤは、ステッピングモータ181の出力軸
(図示せず)に連結されている。スクリューシャフト
は、ギヤに一体回転可能に連結されている。ナット部材
は、スクリューシャフトの外周部に螺合され、結果、ス
クリューシャフトが回転した時にそれが図示A方向に移
動するようになっている。このナット部材は、ブラケッ
ト(図示せず)を介して移動コラム12に固定されてい
る。
【0029】上記構成のステアリング装置1の作動を説
明する。運転者がステアリングホイールを操作すると、
アッパシャフト16、センタシャフト15及びロアシャ
フト14が一体回転し、結果、車両の前輪が操舵され
る。後述するECU19によりチルト用のステッピング
モータ171が所定角度だけ駆動されると、ギヤ17
2,スプラインシャフト173及びスクリューシャフト
174が一体回転する。すると、スクリューシャフト1
74及びナット部材175間の螺合により、ナット部材
175が図示A方向に移動し、結果、揺動コラム13及
び円筒部材22が移動コラム12に対しピン21を支点
として図示B方向に揺動する。このとき、アッパシャフ
ト16はボールジョイント23を介してセンタシャフト
15に連結されているため、アッパシャフト16も揺動
コラム13と共にセンタシャフト15に対し図示B方向
に揺動する。これにより、ステアリングホイールが図示
B方向(車両上下方向)に移動し、チルト角の調整がな
される。
【0030】また、後述するECU19によりテレスコ
用のステッピングモータ181が所定角度だけ駆動され
ると、ギヤ及びスクリューシャフトが一体回転する。す
ると、スクリューシャフト及びナット部材間の螺合によ
り、ナット部材が図示A方向に移動し、結果、移動コラ
ム12が固定コラム11に対し図示A方向に移動する。
従って、移動コラム12に枢支ピン21を介して支持さ
れた揺動コラム13及び円筒部材22も図示A方向に一
体的に移動する。その結果、アッパシャフト16及びセ
ンタシャフト15も図示A方向に一体的に移動する。こ
れにより、ステアリングホイールが図示A方向(車両前
後方向)に移動し、突出し位置の調整がなされる。
【0031】図3に示すように、ECU19は、バスを
介して相互に接続された入力ポート192,出力ポート
193,プロセシングユニット(以下CPUと称す)1
94,リードオンリーメモリ(ROM)195,ランダ
ムアクセスメモリ(RAM)196及びタイマ197か
ら成るマイクロコンピュータ(以下マイコンと称す)1
91を備えている。このECU19には、キー挿入スイ
ッチ31,チルトアップスイッチ32,チルトダウンス
イッチ33,テレスコアップスイッチ34及びテレスコ
ダウンスイッチ35等が電気的に接続されている。
【0032】キー挿入スイッチ31は、イグニッション
キー(図示せず)を受けるキ−シリンダに装備されてお
り、キ−シリンダにイグニッションキ−が挿入された時
にOFF(開)からON(閉)に切り換わり、イグニッ
ションキー(図示せず)が抜かれた時にOFFに切り換
わる。チルトアップ,ダウンスイッチ32,33及びテ
レスコアップ,ダウンスイッチ34,35は、運転室内
に設置され、操作された時にONに切り換わり、操作が
解除された時にOFFに切り換わるプッシュスイッチで
ある。
【0033】これらの出力信号は、増幅回路198a〜
198eを介して夫々入力ポート192からCPU19
4に入力されるように構成されている。また、出力ポー
ト193からモ−タドライバ199a(チルト用)及び
199b(テレスコ用)に対しては、それぞれに、正転
駆動用又は逆転駆動用のPWMパルスが出力される。図
4に、モ−タドライバ199aの構成を示す。チルト機
構17のステッピングモ−タ171は2相4極であり、
A正相コイルを巻回したA正相ポ−ル,B正相コイルを
巻回したB正相ポ−ル,A逆相コイルを巻回したA逆相
ポ−ルおよびB逆相コイルを巻回したB逆相ポ−ルが、
90度ピッチで分布している。 A相正相コイルとA逆
相コイルはポ−ルに対する巻回方向が逆であるので、こ
れらのコイルに通電すると、A正相コイルを巻回したポ
−ル(A相)がN極に、A逆相コイルを巻回したポ−ル
(Aにオ−バラインを付した相)がS極となる。B相に
関しても同様である。A相コイルにsin波状の電圧
を、B相コイルにcos波状の電圧を印加するとステッ
ピングモ−タ171は正回転(図4上ではロ−タが時計
方向に回転)し、逆にA相にcos波状の電圧を、B相
にsin波状の電圧を印加すると逆回転(反時計方向)
する。
【0034】A正,逆相コイルにはバイポ−ラ励磁のス
イッチング回路Aが、B正,逆相コイルには同じくバイ
ポ−ラ励磁のスイッチング回路Bが接続されている。
【0035】出力ポ−トPA1からスイッチングドライ
バ100A1にA正相コイル通電用のPWMパルス(P
WMa1)が出力される。このPWMパルスの反転パルス
が、スイッチングドライバ100A2にA逆相コイル通
電用のPWMパルス(PWMa2)として与えられる。ス
イッチングドライバ100A1,100A2は、それに
与えられるPWMパルスの低レベルLから高レベルHへ
の立上り遅延回路を含み、PWMパルスがLからHに立
上ると、それから遅延時間の後にHをスイッチング回路
A,Bに与え、PWMパルスがHからLに立下るときに
はそれに同期して即座にスイッチング回路A,Bへの出
力をHからLに切換える。
【0036】スイッチング回路Aは、ドライバ100A
1の出力がHの間のみ、A正相コイルを電流検出用の抵
抗101A1に接続し、これによりA正相コイルに電流
が流れ、この電流値に比例する電圧が抵抗101A1に
発生する。スイッチング回路Aはまた、ドライバ100
A2の出力がHの間のみ、A逆相コイルを電流検出用の
抵抗101A2に接続し、これによりA逆相コイルに電
流が流れ、この電流値に比例する電圧が抵抗101A2
に発生する。
【0037】CPU194がその出力ポ−トPA1から
スイッチングドライバ100A1に出力するPWMパル
ス(PWMa1)のデュ−ティを、それによってA正相コ
イルに印加される電圧(VB×デュ−ティ)の時系列の
変化がsin波(機器ア−スレベルよりも下ピ−ク値が
高い、正バイアスされた第1sin波)を描くように時
系列で変更すると、スイッチングドライバ100A2に
はその反転パルス(PWMa2)が与えられるので、該反
転パルスPWMa2のデュ−ティは、ドライバ100A1
に与えられるパルスPWMa1のデュ−ティと逆対応する
デュ−ティとなり、このデュ−ティが第1sin波を1
80度分位相を遅らせた第2sin波を描くように時系
列で変化する。すなわち、CPU194がその出力ポ−
トPA1からスイッチングドライバ100A1に、A正
相コイルに時系列で第1sin波を描く脈流電圧を印加
するためのPWMパルス(PWMa1)を出力すると、自
動的に、スイッチングドライバ100A2には、第1s
in波を180度移相した第2sin波を描く脈流電圧
をA逆相コイルに印加するためのPWMパルス(PWM
a2)が与えられる。
【0038】以上の説明はステッピングモ−タ171を
正転(図4上で時計方向回転)駆動するときのものであ
り、逆転(反時計方向)駆動するときには、上記説明
の、「sin波」を「cos波」と読み替えたものとな
る。
【0039】B正相コイルおよびB逆相コイルに接続さ
れたスイッチング回路Bならびにその中のスイッチング
素子をオン/オフするスイッチングドライバ100B1
および100B2の構成は、上述のA正,逆相コイルに
接続されたものと同一である。CPU194がその出力
ポ−トPB1からスイッチングドライバ100B1に、
B正相コイルに時系列で第1cos波を描く脈流電圧を
印加するためのPWMパルス(PWMb1)を出力する
と、自動的に、スイッチングドライバ100B2には、
第1cos波を180度移相した第2cos波を描く脈
流電圧をB逆相コイルに印加するためのPWMパルス
(PWMb2)が与えられる。これは、ステッピングモ−
タ171を正転駆動するときであり、逆転駆動するとき
には、この説明の、「cos波」を「sin波」と読み
替えたものとなる。
【0040】抵抗101A1,101A2,101B1
および101B2は、それぞれA正相コイル,A逆相コ
イル,B正相コイルおよびB逆相コイルに流れる電流に
比例する電圧を発生する。それらの電圧は、ロ−パスフ
ィルタおよび増幅器を通して、上述のsin波又はco
s波のの変化を示すものに平滑化および増幅されて、そ
れぞれマイコン191のA/D変換入力ポ−トia1
1,ia12,ib11およびib12に印加される。
【0041】テレスコ機構18のステッピングモ−タ1
81は、上述のステッピングモ−タ171と同一構造お
よび同一規格のものであり、それに接続されたモ−タド
ライバ199bの構成と機能も、上述のモ−タドライバ
199aと同じである。このモ−タドライバ199bに
は、出力ポ−トPA2(PA1に対応),PB2(PB
1に対応)から、モ−タ181の各相コイルに第1si
n波,第2sin波,第1cos波又は第2のcos波
となる電圧を印加するためのPWMパルスが与えられ
る。モ−タドライバ199bにも、図示はしないが、モ
−タ181のA正相コイルの電流値ia21,A逆相コ
イルの電流値ia22,B正相コイルの電流値ib21
およびB逆相コイルの電流値ib22を検出する抵抗1
02A1(101A1対応のもの),102A2(10
1A2対応のもの),102B1(101B1対応のも
の)および(102B2)があり、これらの電圧(電流
検出信号)が、マイコン191のA/D変換入力ポ−ト
ia21,ia22,ib21およびib22に印加さ
れる。
【0042】再度図3を参照すると、ROM195は、
図5〜図8に示したフローチャートを含む種々の処理に
供するプログラムおよび参照デ−タを記憶し、CPU1
94は、当該プログラムを実行する。RAM196に
は、当該プログラムの実行に必要な、入,出力デ−タあ
るいは参照デ−タが書込まれる。図示は省略したが、E
CU19に給電する電源回路は、2系統あり、1つはイ
グニションキ−がキ−シリンダに差し込まれていないと
きにも、常にマイコン191,増幅器198aおよび電
源投入リレ−用の図示しないリレ−ドライバに、プログ
ラム実行(入力センス),メモリデ−タの保持およびリ
レ−ON(閉,接)をしうる動作電圧を与える常時給電
回路であり、もう1つは、イグニションキ−がキ−シリ
ンダに差し込まれている間のみ、電源投入リレ−を介し
てバッテリに接続されて増幅回路198b〜198eお
よびモ−タドライバ199a,199bに給電するキ−
差し込み時給電回路である。
【0043】図5に、マイコン191のCPU194
の、プログラムに従った制御動作の概要(メインル−チ
ン)を示す。マイコン191(のCPU194;以下同
様)は、それに電源が投入されると(すなわち、例えば
車両出荷直前に、車両に自動車用バッテリが搭載されそ
れに電源回路が接続され、常時給電回路が動作電圧を与
えると)、CPU194は、出力ポ−トの信号レベルを
待機時のものに設定し、入,出力レジスタ,デ−タセ−
ブ用のレジスタ,状態レジスタ(メモリ上の一領域),
タイマ,カウンタ等を初期値(待機時用)に設定する
(ステップ1の初期化)。なお、この時点には、チルト
機構は機構の上限位置までチルトアップした機構原点
に、テレスコ機構は機構の下限位置まで縮退した機構原
点にあるものとする。なお、プログラムに組込まれてい
るチルト機構の制御上の原点位置およびテレスコ機構の
制御上の原点位置は、機構原点より少しチルトダウンお
よびテレスコアップした位置(姿勢)である。
【0044】上述の初期化(ステップ1)により、チル
ト機構およびテレスコ機構に割り当てられた各現在位置
レジスタおよび各目標位置レジスタのデ−タはいずれも
0(機構原点)を示すものである。キ−シリンダにイグ
ニションキ−が差し込まれると、スイッチ31が閉じ、
これに応答してCPU194がリレ−ドライバにON指
示信号を与え、リレ−ドライバが電源投入リレ−に通電
し、該リレ−がONになって、キ−差し込み時給電回路
がバッテリに接続されて、キ−差し込み時給電回路が、
増幅回路198b〜198eおよびモ−タドライバ19
9a,199bに給電する。CPU194は、イグニシ
ョンキ−の差し込み(スイッチ31のON)を表わす
「1」をフラグレジスタRFに書込んで(ステップ2〜
4)、「目標位置に駆動」(ステップ5)を実行する。
しかしここでは、前述のように、チルト機構およびテレ
スコ機構に割り当てられた各現在位置レジスタおよび各
目標位置レジスタのデ−タはいずれも0(機構原点)を
示すものであり、現在位置と目標位置(各デ−タ)が合
致しているので、チルト機構およびテレスコ機構のいず
れも駆動しない。次の「32〜35の入力に応答した駆
動」(ステップ6)に進む。ここでスイッチ32〜35
のONをセンスしないとステップ2に戻るので、以後イ
グニションキ−の差し込みがある間はステップ2−3−
6−2と循環して、スイッチ32〜35のONに応答し
たチルトアップ,ダウン駆動,テレスコアップ,ダウン
駆動を、「32〜35の入力に応答した駆動」(ステッ
プ6)で行なう。
【0045】1.スイッチ32〜35によるステアリン
グホイ−ルの姿勢設定(ステップ6)以下の説明の便利
上、ここで、ある者が、スイッチ32〜35を操作して
彼に対して最適なチルト角度およびテレスコ(突出し)
位置に、ステアリングホイ−ルの姿勢を設定するとす
る。 チルトダウン:チルトダウンスイッチ33がONになる
とこのONが継続している間CPU194は、時系列で
sin波状のレベル変化をもたらすPWMパルスPWM
a1を、出力ポ−トPA1に出力すると共に、時系列でc
os波状のレベル変化をもたらすPWMパルスPWMb1
を出力ポ−トPB1に出力する。これによりステッピン
グモ−タ171が正回転し、ステアリングホイ−ルがチ
ルトダウンする。このチルトダウンの間CPU194
は、sin波の1周期毎にチルト現在位置レジスタのデ
−タを1インクレメント(1カウントアップ)する。ス
イッチ33がOFFに戻ると、CPU194はこのチル
トダウン駆動を停止する。また、チルトダウン駆動プロ
グラム上に、チルト機構の機械的な下限位置よりも少し
アップ位置を示すチルト制御の上限位置デ−タが含まれ
ており、スイッチ33のONが継続していても、チルト
現在位置レジスタのデ−タが該チルト制御の上限位置デ
−タに合致すると、CPU194はそこでチルトダウン
駆動を停止する。なお、以下単に「チルト上限位置」と
表記した場合、これは上述のチルト制御の上限位置デ−
タが表わす位置(制御上のチルトダウン限界)を意味す
る。
【0046】チルトアップ:チルトアップスイッチ32
がONになるとこのONが継続している間CPU194
は、時系列でcos波状のレベル変化をもたらすPWM
パルスPWMa1を出力ポ−トPA1に出力すると共に、
時系列でsin波状のレベル変化をもたらすPWMパル
スPWMb1を出力ポ−トPB1に出力する。これにより
ステッピングモ−タ171が逆回転し、ステアリングホ
イ−ルがチルトアップする。このチルトアップの間CP
U194は、sin波の1周期毎にチルト現在位置レジ
スタのデ−タを1デクレメント(1カウントダウン)す
る。スイッチ32がOFFに戻ると、CPU194はこ
のチルトアップ駆動を停止する。また、チルトアップ駆
動プログラム上に、チルト機構の機械的な上限位置(機
構原点)よりも少しダウン位置を示すチルト制御の原点
位置デ−タが含まれており、スイッチ32のONが継続
していても、チルト現在位置レジスタのデ−タが該チル
ト制御の原点位置デ−タに合致すると、CPU194は
そこでチルトアップ駆動を停止する。なお、以下単に
「チルト原点位置」と表記した場合、これは上述のチル
ト制御の原点位置デ−タが表わす位置を意味する。
【0047】テレスコアップ:テレスコアップスイッチ
34がONになるとこのONが継続している間CPU1
94は、時系列でsin波状のレベル変化をもたらすP
WMパルスPWMa2を出力ポ−トPA2に出力すると共
に、時系列でcos波状のレベル変化をもたらすPWM
パルスPWMb2を出力ポ−トPB2に出力する。これに
よりステッピングモ−タ181が正回転し、ステアリン
グホイ−ルがテレスコアップする。このテレスコアップ
の間CPU194は、sin波の1周期毎にテレスコ現
在位置レジスタのデ−タを1インクレメントする。スイ
ッチ34がOFFに戻ると、CPU194はこのテレス
コアップ駆動を停止する。また、テレスコアップ駆動プ
ログラム上に、テレスコ機構の機械的な上限位置よりも
少しダウン位置を示すテレスコ制御の上限位置デ−タが
含まれており、スイッチ34のONが継続していても、
テレスコ現在位置レジスタのデ−タが該テレスコ制御の
上限位置デ−タに合致すると、CPU194はそこでテ
レスコアップ駆動を停止する。なお、以下単に「テレス
コ上限位置」と表記した場合、これは上述のテレスコ制
御の上限位置デ−タが表わす位置(制御上のテレスコア
ップ限界)を意味する。
【0048】テレスコダウン:テレスコダウンスイッチ
35がONになるとこのONが継続している間CPU1
94は、時系列でcos波状のレベル変化をもたらすP
WMパルスPWMa2を出力ポ−トPA2に出力すると共
に、時系列でsin波状のレベル変化をもたらすPWM
パルスPWMb2を出力ポ−トPB2に出力する。これに
よりステッピングモ−タ181が逆回転し、ステアリン
グホイ−ルがテレスコダウンする。このテレスコダウン
の間CPU194は、sin波の1周期毎にテレスコ現
在位置レジスタのデ−タを1デクレメントする。スイッ
チ35がOFFに戻ると、CPU194はこのテレスコ
ダウン駆動を停止する。また、テレスコダウン駆動プロ
グラム上に、テレスコ機構の機械的な下限位置(機構原
点)よりも少しアップ位置を示すテレスコ制御の原点位
置デ−タが含まれており、スイッチ35のONが継続し
ていても、テレスコ現在位置レジスタのデ−タが該テレ
スコ制御の原点位置デ−タに合致すると、CPU194
はそこでテレスコダウン駆動を停止する。なお、以下単
に「テレスコ原点位置」と表記した場合、これは上述の
テレスコ制御の原点位置デ−タが表わす位置を意味す
る。
【0049】以上のように、スイッチ32〜35を操作
して、ステアリングホイ−ルを、操作者の希望する姿勢
に設定又は調整しうる。
【0050】2.イグニションキ−スイッチの抜きに応
答した退避駆動(ステップ8〜9) 所望の姿勢(以下単に最適姿勢)にステアリングホイ−
ルを設定した状態で、イグニションキ−がキ−シリンダ
から抜かれると、スイッチ31がONからOFFに転ず
る。これに応答してCPU194は、チルト目標位置レ
ジスタにチルト現在位置レジスタのデ−タを書込み、か
つテレスコ目標位置レジスタにテレスコ現在位置レジス
タのデ−タを書込んで(ステップ2−7−8)、フラグ
レジスタRFをクリアし(ステップ9)、そして「原点
位置に駆動」(ステップ10)を実行する。
【0051】この「原点位置に駆動」(ステップ10)
においてCPU194は、上述のチルトアップ駆動と同
じ制御態様で、チルト現在位置レジスタのデ−タがチル
ト原点位置を示すものになるまで、ステッピングモ−タ
171を逆転駆動して、ステアリングホイ−ルをチルト
アップ駆動する。実質上それと並行して、CPU194
は、上述のテレスコダウン駆動と同じ制御態様で、テレ
スコ現在位置レジスタのデ−タがテレスコ原点位置を示
すものになるまで、ステッピングモ−タ181を逆転駆
動して、ステアリングホイ−ルをテレスコダウン駆動す
る。そして、チルト原点位置およびテレスコ原点位置へ
の駆動が完了すると、リレ−ドライバへのON指示信号
をOFF指示レベルに反転する。これによりリレ−ドラ
イバが電源投入リレ−への通電を停止し、キ−差し込み
時電源回路がバッテリから遮断されて、増幅器198b
〜198eおよびモ−タドライバ199a,199bへ
の動作電圧の供給がなくなる。
【0052】以上により、ステアリングホイ−ルは退避
姿勢(チルト,テレスコ共に原点位置)となっており、
チルト,テレスコ目標位置レジスタには、前述の最適姿
勢でのチルト位置デ−タ,テレスコ位置デ−タが書込ま
れており、チルト,テレスコ現在位置レジスタのデ−タ
は、共に原点位置を示すものである。
【0053】3.イグニションキ−スイッチの差込みに
応答した 最適姿勢への駆動(ステップ5)キ−シリンダにイグニ
ションキ−が差し込まれると、スイッチ31が閉じ、こ
れに応答してCPU194がリレ−ドライバにON指示
信号を与え、リレ−ドライバが電源投入リレ−に通電
し、該リレ−がONになって、キ−差し込み時給電回路
がバッテリに接続されて、キ−差し込み時給電回路が、
増幅回路198b〜198eおよびモ−タドライバ19
9a,199bに給電する。CPU194は、イグニシ
ョンキ−の差し込み(スイッチ31のON)を表わす
「1」をフラグレジスタRFに書込んで(ステップ2〜
4)、「目標位置に駆動」(ステップ5)を実行する。
【0054】図6〜図8に、「目標位置に駆動」(ステ
ップ5)の内容を示す。まず図6を参照するとここでは
まず制御演算周期を定めるための、Ts時限のTsタイ
マをスタ−トする(ステップ11)。そしてチルト出力
設定(COD),テレスコ出力設定(TOD)および目
標位置停止制御(ステップ51〜54:図7)を、Ts
周期で繰返し、この繰返しで、ステッピングモ−タ17
1および181を正転駆動し、チルト位置が目標位置に
なったか、またテレスコ位置が目標位置になったかをチ
ェックして、目標位置になるとモ−タ駆動を停止する。
また、モ−タの脱調を検出するとそこで該モ−タの駆動
を停止する。チルト駆動およびテレスコ駆動共に停止し
た時点で、「目標位置に駆動」(ステップ5)を終了し
て、次のステップ6(図5)に進む。
【0055】以下各ステップの内容を説明するが、ここ
で前提を整理しておくと、CPU194の基本クロック
は、発振器が発生する4MHzの信号であり、CPU1
94は、PWMパルスを生成するためにそれを1/Nに
分周してPWM計時パルスPa(Nカウントアップ情
報)を生成し、このパルスPa(Nカウントアップ情報
の発生回数)を1/bに分周してPWM周期パルスPb
(bカウントアップ情報)を生成する。パルスPbの一
周期がPWMパルスの一周期となる。PWM周期パルス
Pbが発生したとき、PWMパルス出力ポ−トにHを設
定してPWM計時パルスPaのカウントを開始し、カウ
ント値が出力すべきPWMパルスのH幅値に合致すると
PWMパルス出力ポ−トにLを設定してPWM周期パル
スPbの発生を待ち、パルスPbが発生するとまたPWM
パルス出力ポ−トにHを設定してPWM計時パルスPa
のカウントを開始するという処理を繰返すことにより、
PWMパルス出力ポ−トに実際の電気パルスが出力され
る。この処理を「PWMパルス出力」と称する。
【0056】PWM計時パルスPaの周期をTa、PWM
周期パルスPbの周期をTbとすると、b×Ta=Tb で
あり、与えるH幅値(パルスPaをカウントすべき数)
をHaとすると、出力パルスのデュ−ティは、 (Ha×Ta)/Tb=(Ha×Ta)/(b×Ta) =Ha/b であり、分周比1/Nに無関係な値となる。以上に示し
た各値の中の、Haはsin,cos波状の電圧をモ−
タコイルに印加するためにCPU194が操作する値で
あるが、他の値は、プログラム上設定された固定値であ
る。「PWMパルス出力」に、Ha値をロ−ドすること
又は「PWMパルス出力」に設定されているHaを変更
することを「PWM出力設定」と称す。
【0057】CPU194は、基本クロックを1/Cに
分周してステップパルスPc(cカウントアップ情報)
を生成し、このパルスPcを1/8000に分周してモ−タ
回転パルスPd(8000カウントアップ情報)を生成し、こ
のパルスPdをカウントアップ(インクレメント;正転
時),ダウン(デクレメント;逆転時)して現在位置デ
−タを更新する。すなわち、ステップパルスPcをカウ
ントアップして、カウント値が8000に達すると、モ
−タ正転駆動時には現在位置レジスタのデ−タを1イン
クレメントし逆転駆動時には現在位置レジスタのデ−タ
を1デクレメントして、ステップパルスPcのカウント
値をクリアし、ステップパルスPcの再度のカウントア
ップ又はダウンを開始する。この処理を「現在位置の更
新」と称す。
【0058】この実施例では、モ−タの1回転(360
度の回転)を8000ステップに分けており、1ステップの
分解能は360°/8000=0.045°であり、160ステ
ップがsin波の一周期(電気角360°)に相当する。5
0周期分のsin波を出力すると、ステップ数=50×
160=8000であって、モ−タのロ−タが1回転する。
上述の「PWMパルス出力」および「現在位置の更
新」は、モ−タ駆動開始時にCPU194が開始し、モ
−タ駆動停止時に停止する。次に、図6〜図8の各ステ
ップの処理内容を説明する。
【0059】図6のステップ12の「目標速度v1の計
算」は、それが実質上Ts周期で繰返し実行されること
により、チルト駆動速度を台形状に制御するものであ
る。この処理では、増減速レジスタのデ−タを参照して
それが0(増速未完)であると、チルト目標位置−チル
ト現在位置を算出して、それが減速駆動距離(固定値)
を越えるかをチェックして、越えていると、モ−タ速度
を台形状に立上げ、また立下げるのに参照するステップ
アップレジスタのデ−タ(ステップアップ数)を参照し
て、それが設定値M(設定高速値までのステップアップ
数:固定値)に達していないと、ステップアップレジス
タのデ−タを1インクレメントし、v1=ステップアッ
プ数×dVを算出する。dV=Vs/M、Vsは設定高
速値(固定値)である。そして、ステップアップレジス
タのデ−タが設定値Mに達したかをチェックして、達し
ていると増減速レジスタに1(増速完了)を書込む。増
減速レジスタの初期値は0である。以上が、モ−タ速度
をVsまで立上げる過程での処理である。
【0060】モ−タ速度をVsに立上げた後は、増減速
レジスタに1が書込まれているので、チルト目標位置−
チルト現在位置を算出して、それが減速駆動距離を越え
るかをチェックする。越えていると、ステップアップレ
ジスタのデ−タは更新せず、v1=ステップアップ数×
dV(前回値と同一)を目標速度値とする。これが定速
走行中の処理である。
【0061】減速駆動距離以下であったときには、ステ
ップアップレジスタのデ−タを参照して、それが0に戻
っていないと、ステップアップレジスタのデ−タを1デ
クレメントし、v1=ステップアップ数×dVを算出す
る。そして、ステップアップレジスタのデ−タが0に戻
ったかをチェックして、戻っていると増減速レジスタを
クリアする。以上が、モ−タ速度を速度0に立下げる過
程での処理である。
【0062】図6のステップ13の「分周比C計算」で
は、ステップ12で算出したv1に基づいて、分周比C
を、 C=4×106/(v1×8000) と算出する。
【0063】図6のステップ14では、ステップ13で
算出した分周比Cを、ステップ数カウンタのクロックと
なる分周タイマ−に設定する。
【0064】図6のステップ15では、回転角レジスタ
θのデ−タ(前回のステップ数)を前回回転角レジスタ
θpに書込み、そしてパルスPcをカウントするステッ
プ数カウンタのデ−タ(ステップ数)を回転角レジスタ
θに書込む。
【0065】図6のステップ16では、ステッピングモ
−タ171の回転角速度ω(=θ−θp;Ts間のステ
ップ数)を算出する。
【0066】図6のステップ17では、sin振幅テ−
ブル(メモリの一領域上の、0〜2πの範囲の、位相角
レジスタ1の位相角デ−タφ(0〜159)対応のサイ
ン波振幅値デ−タ群、ただしデ−タは下ピ−ク値が0よ
り高い正バイアス値)より、現在の位相角レジスタ1の
位相角デ−タφに対応するsin振幅デ−タSINを読
出す。
【0067】図6のステップ18では、cos振幅テ−
ブル(メモリの一領域上の、0〜2πの範囲の、位相角
デ−タφ対応のコサイン波振幅値デ−タ群、ただし、デ
−タは下ピ−ク値が0より高い正バイアス値)より、現
在の位相角レジスタ1の位相角デ−タφに対応するco
s振幅デ−タCOSを読出す。
【0068】なお、「PWMパルス出力」を実行してい
るとき(モ−タ171を駆動しているとき)、CPU1
94は、ステップパルスPcが発生す毎に位相角レジス
タ1のデ−タを1インクレメントして、その結果が16
0になるとそこで位相角レジスタ1をクリアする処理を
繰返す。これを「位相角デ−タの更新」と称す。この処
理により、位相角レジスタ1のデ−タφは、0〜159
の値の範囲内で、パルスPcの発生に同期して大きい値
を示すものに更新される。
【0069】ステップ19では、抵抗101A1,10
1A2,101B1および101B2の電圧すなわちス
テッピングモ−タ171のA正相コイルの電流値ia1
1,A逆相コイルの電流値ia12,B正相コイルの電
流値ib11およびB逆相コイルの電流値ib12を読
込む。そしてステップ20で、ステッピングモ−タ17
1のA相コイル電流値ia1およびB相コイル電流値i
bを次のように算出する: ia1=|ia11−ia12| ib1=|ib11−ib12|。
【0070】図6のステップ21では、A相電気コイル
に印加すべき電圧の目標瞬時値Va1およびB相コイル
に印加すべき電圧の目標瞬時値Vb1を算出する。この
内容を図8に示す。
【0071】図8を参照すると、まずステップ61で、
A相コイルおよびB相コイルに流れる電流ia1,ib
1を、それによってステッピングモ−タ171のロ−タ
とステ−タの間に発生する磁束ベクトルの、ロ−タの接
線方向(回転方向)の成分(有効磁束)をもたらす成分
(以下において磁界成分あるいは磁界値と称す)iq1
と、ロ−タの半径方向の成分(無効磁束)をもたらす成
分(以下において電界成分あるいは電界値と称す)id
1に分解する。すなわち、電流ia1,ib1を磁界電
界空間座標上の値に変換する。
【0072】次のステップ62で、定数,係数テ−ブル
(メモリ上の一領域)から、トルク指令値(固定値であ
り、目標磁界値)iq1sを読出し、ステップ63でこの
目標磁界値iq1sに対する、検出電流値に基づいて算出
した値(現在値)iq1の偏差Eiq=iq1s−iq1を算
出して、ステップ64で、磁界算出値iq1を目標値iq
1sとするための電圧(磁界成分宛ての値)Vq1を、P
I(比例,積分)演算で算する。
【0073】同様に、ステップ65で目標電界値0に対
する算出値id1の偏差Eid=0−id1を算出して、ス
テップ66で、電界算出値id1を目標値0とするため
の電圧(電界成分宛ての値)Vd1を、PI演算で算出
する。
【0074】ロ−タが回転することによりステ−タコイ
ルすなわち各相電気コイルに電圧が誘起される。すなわ
ち各相電気コイルには速度起電力があり、これを打消す
電圧を各相電気コイルに印加する必要がある。この速度
起電力を上述の磁界電界空間座標上の値に変換すると、
その磁界成分Vqoと、電界成分Vdqは、 Vqoa=−ω(Φf1+L・id1) Vdoa= ω・L・iq1 である。ここでωは回転角速度である。Lは電気コイル
のインダクタンス,Φf1はVqoaとVdoaを誘起さ
せる、界磁の相電機子巻線鎖交磁束数の最大値であり、
これらはモ−タによって定まる定数である。Vqoaおよ
びVdqaは検出又は測定できるものではないが、上記式
に基づいて算出しうる。
【0075】図8のステップ67で、上述の速度起電力
の磁界成分Vqoaに相当する補償量Vqo=ω(Φf1+L・
id1)を算出し、ステップ68で、上述の速度起電力
の電界成分Vdoaに相当する補償量Vdo=−ωL・id1
を算出し、これらの補償量を加えて、磁界対応出力電圧
Vq=Vq1+Vqoおよび電界対応出力電圧Vd=Vd1+
Vdoを算出する(ステップ69,70)。
【0076】そしてこれらの値を、A相コイル印加電圧
Va1およびB相コイル印加電圧Vb1に逆変換する(ス
テップ69,70)。そして次のステップ22(図6)
に進む。
【0077】再度図6を参照する。ステップ22でCP
U194は、磁界偏差値Eiqおよび電界偏差値Eidの各
絶対値が、脱調判定用のしきい値Es1以上(脱調)か
否かをチェックする。そして両者がしきい値Es1未満
であると、ステップ23の「PWMa1出力設定」で、
上記のように算出した、A正相コイルに印加する電圧V
a1を、A正相コイルに印加するためのPWMパルスの
H幅値Ha11に変換して、モ−タ171のA正相コイル
宛ての「PWMパルス出力」のH幅Haに設定する。ま
た、ステップ24の「PWMa2出力設定」で、上記の
ように算出した、B正相コイルに印加する電圧Vb1
を、B正相コイルに印加するためのPWMパルスのH幅
値Ha12に変換して、モ−タ171のB正相コイル宛て
の「PWMパルス出力」のH幅Haに設定する。
【0078】なお、これらのステップ23,24の処理
が初回であったときには、CPU194はここで出力ポ
−トPA1,PB1にHを設定して、「PWMパルス出
力」,「位相角デ−タの更新」および「現在位置の更
新」を開始する。
【0079】磁界偏差値Eiqおよび電界偏差値Eidの各
絶対値の少くとも一方が脱調判定用のしきい値Es1以
上であると、チルト駆動の過負荷(脱調)を表わす1を
レジスタAF1に書込み、チルト駆動を停止する(ステ
ップ25,26)。すなわち、出力ポ−トPA1および
PB1にLを設定する。
【0080】次にCPU194は、以上に説明したステ
ップ12〜26の「チルト出力設定」CODと同様な内
容の「テレスコ出力設定」TODを実行する(図7)。
この内容は、上述の「チルト出力設定」CODの説明
を、ステッピングモ−タ171宛てのものからステッピ
ングモ−タ181宛てのものに読み替えたものとなる。
この「テレスコ出力設定」TODにおいても、上述の脱
調判定と同様に、ステッピングモ−タ181の磁界偏差
値Eiqおよび電界偏差値Eidの各絶対値の少くとも一方
が脱調判定用のしきい値Es2以上であると、テレスコ
駆動の過負荷(脱調)を表わす1をレジスタAF2に書
込み、テレスコ駆動を停止する。すなわち、出力ポ−ト
PA2およびPB2にLを設定する。
【0081】なお、図示は省略したが、車両上の運転席
の略前方のインナ−パネルに装備されている表示パネル
ユニットのモニタマイコンにCPU194はモニタ信号
(AF1,AF2のデ−タを表わす信号)を送り、モニ
タマイコンはそれが過負荷(脱調)を示すものであると
きには、それを表示パネル上で報知する。モニタ信号が
過負荷を示さないものになると該報知をリセットする。
【0082】図7を参照する。脱調でないとCPU19
4は、チルト現在位置レジスタのデ−タがチルト目標位
置レジスタのデ−タと合致すると、ステッピングモ−タ
171の駆動のためのPWMパルスの出力を停止とする
(出力ポ−トPA1およびPB1をLとする(ステップ
51,52)。また、テレスコ現在位置レジスタのデ−
タがテレスコ目標位置レジスタのデ−タと合致すると、
ステッピングモ−タ181の駆動のためのPWMパルス
の出力を停止とする(出力ポ−トPA2およびPB2を
Lとする)(ステップ51,52)。
【0083】ステッピングモ−タ171と181の少く
とも一方がまだ駆動中(駆動要)である間は、Tsタイ
マがタイムオ−バすると、ステップ11に戻ってTsタ
イマを再スタ−トして、駆動中のステッピングモ−タに
関して、上述の「チルト出力設定」CODおよび又は
「テレスコ出力設定」TOD以下を実行する。
【0084】両モ−タ171,181の上述の停止が完
了すると、「目標位置に駆動」(ステップ5)を終了
し、メインル−チン(図5)の「32〜35の入力に応
答した駆動」(ステップ6)に進む。このステップ6の
内容はすでに説明した通りである。
【0085】過負荷(脱調)検出により、あるいは目標
位置に到達したことにより、目標位置へのチルト駆動お
よびテレスコ駆動を停止すると、CPU194は図5の
「32〜35の入力に応答した駆動」(ステップ6)に
進むので、仮に、ステアリングホイ−ルが物又は人に当
って過負荷(脱調)検出により駆動を停止したか否かに
かかわらず、スイッチ32〜35を操作してステアリン
グホイ−ルを所望の姿勢に駆動又は調整しうる。
【0086】「チルト出力設定」CODはステッピング
モ−タ171を駆動している間Ts周期で繰返えされ、
「テレスコ出力設定」TODはステッピングモ−タ18
1を駆動している間Ts周期で繰返えされる。したがっ
てそれらの中の「脱調判定」(ステップ22,25,2
6)は、Ts周期で繰返えされる。
【0087】前述の、「原点位置に駆動」(ステップ1
0)および「32〜35の入力に応答した駆動」(ステ
ップ6)のいずれにおいても、CPU194は、「目標
位置に駆動」(ステップ5)と同様な処理を行なうの
で、ここで過負荷(脱調)が検出されると、そこで駆動
が停止する。そしてステップ2(図5)に戻るので、こ
の場合には、原点位置に戻らないでステアリングホイ−
ルの駆動が停止したままとなる。運転者がイグニション
キ−をキ−シリンダに再度差し込むと、ステップ2−3
4−5の実行により、ステップ4で異常情報はクリアさ
れ、最適姿勢への駆動が開始される(ステップ5)。
【0088】以上に説明した実施例では、PWMパルス
を利用してステッピングモ−タ171にsin波電圧と
cos波電圧を印加し、これらの電圧の印加によってモ
−タのA相コイルとB相コイルに流れる電流値ia1,
ib1を検出し検出電流値ia1,ib1に基づいてス
テッピングモ−タ171の脱調を判定する処理をTs周
期で行なう。Ts×整数m=sin波,cos波の一周
期、又は、Ts×整数m≒sin波,cos波の一周
期、であり、sin波,cos波の一周期の間に10回
以上、脱調検出が行なわれ、脱調を生じてからそれを検
出するまでの遅れ時間が短い。そして脱調を検出すると
モ−タ駆動を停止するので、sin波の50周期(モ−
タの1回転)につき1カウントアップ,ダウンする現在
位置レジスタのデ−タは、脱調を生じても、実際の位置
に対してずれのないものとなる。すなわち、正確にチル
ト機構の現在位置を追跡しうる。位置センサ,角度セン
サなどをモ−タ171又はチルト機構に結合する必要は
ない。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例の制御対象のステアリング
装置1の側面図である。
【図2】 図1に示すステアリング装置1の縦断面図で
ある。
【図3】 図1に示す、本発明の一実施例であるECU
19の構成概要を示すブロック図である。
【図4】 図3に示すモ−タドライバ199aの構成を
示すブロック図である。
【図5】 図3に示すCPU194の、ステアリングホ
イ−ルの姿勢制御の概要を示すフロ−チャ−トである。
【図6】 図5に示す「目標位置に駆動」(ステップ
5)の内容の一部を示すフロ−チャ−トである。
【図7】 図5に示す「目標位置に駆動」(ステップ
5)の内容の残部を示すフロ−チャ−トである。
【図8】 図6に示す「目標瞬時値Va1,Vb1の算出」
(ステップ21)の内容を示すフロ−チャ−トである。
【符号の説明】
1:ステアリング装置 11:アッパシャ
フト 12:移動コラム 13:揺動コラム 14:ロアシャフト 141:スプライ
ン 15:センタシャフト 151:円筒部 152:スプライン 16:アッパシャ
フト 17:チルト機構 171:ステッピ
ングモ−タ 172:ギヤ 173:スプライ
ンシャフト 174:スクリュ−シャフト 175:ナット部
材 176:ジョイント 18:テレスコ機
構 181:ステッピングモ−タ 19:電子制御装
置(ECUと略称) 198a〜198e:増幅器 199a,199
b:モ−タドライバ 20:ピン 21:ピン 22:円筒部材 23:ボ−ルジョ
イント 31:キ−差込みスイッチ 32:チルトアッ
プスイッチ 33:チルトダウンスイッチ 34:テレスコア
ップスイッチ 35:テレスコダウンスイッチ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山 田 高 裕 愛知県刈谷市八軒町1丁目15番地 アイシ ン・エンジニアリング株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】所定の周期で指示値が高低する電圧指示信
    号を発生するモ−タ駆動指示手段;前記電圧指示信号に
    応答して、該電圧指示信号が指定する電圧をステッピン
    グモ−タに印加するモ−タドライバ;前記ステッピング
    モ−タの各相コイルの通電電流値を検出する電流検出手
    段;検出した各相コイルの通電電流値に基づいて、これ
    らの電流が発生する磁界電界空間の磁界値及び電界値を
    算出する磁界値電界値算出手段;これらの磁界値及び電
    界値を夫々第1目標値及び第2目標値に一致させるよう
    にフィ−ドバック制御を行うフィ−ドバック制御手段;
    前記磁界値及び前記第1目標値間の第1偏差並びに前記
    電界値及び前記第2目標値間の第2偏差を算出する偏差
    算出手段;および、 前記第1偏差及び第2偏差が夫々設定範囲内か否かを判
    定し、少なくとも一方の偏差が設定範囲を外れると、脱
    調情報を発生する脱調検出手段;を備えるステッピング
    モ−タ駆動装置。
  2. 【請求項2】物体の駆動を指示する移動指示手段;該指
    示に応答して、所定の周期で指示値が高低する電圧指示
    信号を発生するモ−タ駆動指示手段;前記電圧指示信号
    に応答して、該電圧指示信号が指定する電圧を、物体を
    駆動するステッピングモ−タに印加するモ−タドライ
    バ;現在位置情報を保持し、前記電圧指示信号の高底の
    一周期当り所定数現在位置情報を更新する現在位置追跡
    手段;前記ステッピングモ−タの通電電流値を検出する
    電流検出手段;検出した各相コイルの通電電流値に基づ
    いて、これらの電流が発生する磁界電界空間の磁界値及
    び電界値を算出する磁界値電界値算出手段;これらの磁
    界値及び電界値を夫々第1目標値及び第2目標値に一致
    させるようにフィ−ドバック制御を行うフィ−ドバック
    制御手段;前記磁界値及び前記第1目標値間の第1偏差
    並びに前記電界値及び前記第2目標値間の第2偏差を算
    出する偏差算出手段;および、 前記第1偏差及び第2偏差が夫々設定範囲内か否かを判
    定し、少なくとも一方の偏差が設定範囲を外れると、脱
    調情報を発生する脱調検出手段;を備えるステッピング
    モ−タ駆動装置。
  3. 【請求項3】目標位置情報を保持し、前記現在位置情報
    が目標位置情報に合致すると前記モ−タドライバを介し
    た前記ステッピングモ−タへの電圧の印加を停止する位
    置決め手段;を更に備える請求項2記載のステッピング
    モ−タ駆動装置。
  4. 【請求項4】物体の往駆動および復駆動を指示する移動
    指示手段;前記往駆動の指示に応答して所定の周期で指
    示値が高低する往駆動用の電圧指示信号を発生し、前記
    復駆動の指示に応答して所定の周期で指示値が高低する
    復駆動用の電圧指示信号を発生するモ−タ駆動指示手
    段;前記電圧指示信号に応答して、該電圧指示信号が指
    定する電圧を、物体を駆動するステッピングモ−タに印
    加するモ−タドライバ;現在位置情報を保持し、前記電
    圧指示信号の高底の一周期当り所定数現在位置情報を更
    新する現在位置追跡手段;目標位置情報および原点位置
    情報を保持し、前記往駆動の指示に対応して前記ステッ
    ピングモ−タに往駆動用の電圧を印加しているとき前記
    現在位置情報が目標位置情報に合致すると往駆動用の電
    圧の印加を停止し、前記往駆動の指示に対応してそれが
    発生したときの前記現在位置情報を目標位置情報に設定
    しかつこの指示に対応して前記ステッピングモ−タに復
    駆動用の電圧を印加しているとき前記現在位置情報が原
    点位置情報に合致すると復駆動用の電圧の印加を停止す
    る位置決め手段;前記ステッピングモ−タの通電電流値
    を検出する電流検出手段;検出した各相コイルの通電電
    流値に基づいて、これらの電流が発生する磁界電界空間
    の磁界値及び電界値を算出する磁界値電界値算出手段;
    これらの磁界値及び電界値を夫々第1目標値及び第2目
    標値に一致させるようにフィ−ドバック制御を行うフィ
    −ドバック制御手段;前記磁界値及び前記第1目標値間
    の第1偏差並びに前記電界値及び前記第2目標値間の第
    2偏差を算出する偏差算出手段;および、 前記第1偏差及び第2偏差が夫々設定範囲内か否かを判
    定し、少なくとも一方の偏差が設定範囲を外れると、脱
    調情報を発生する脱調検出手段;を備えるステッピング
    モ−タ駆動装置。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN104579056A (zh) * 2014-12-19 2015-04-29 永州市亿达自动化机械有限公司 一种补偿步进电机位置误差的方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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