JPH10176023A - プロピレンのブロック共重合体の製造方法 - Google Patents

プロピレンのブロック共重合体の製造方法

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JPH10176023A
JPH10176023A JP8338379A JP33837996A JPH10176023A JP H10176023 A JPH10176023 A JP H10176023A JP 8338379 A JP8338379 A JP 8338379A JP 33837996 A JP33837996 A JP 33837996A JP H10176023 A JPH10176023 A JP H10176023A
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propylene
polymerization
transition metal
metal catalyst
titanium
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JP8338379A
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English (en)
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Tadashi Asanuma
浅沼  正
Shigeru Kimura
茂 木村
Tadahiro Sunaga
忠弘 須永
Shigeru Harima
殖 播摩
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Mitsui Chemicals Inc
Original Assignee
Mitsui Chemicals Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】物性の優れたプロピレンのブロック共重合体を
効率よく製造する方法を提供する。 【解決手段】重合槽を2槽以上に連結した反応機を用い
る塊状重合法により、マグネシウムとチタンとを含む遷
移金属触媒成分であって平均粒径が5〜200μm、比
表面積が100〜400m2/g、細孔容積が0.05
〜0.30cc/gであるものと有機アルミニウム化合
物と電子供与性化合物とからなる触媒を用いて、初めに
プロピレンを重合して全重合体の40〜80wt%とな
るようにプロピレンの単独重合体を製造し、ついでプロ
ピレンとエチレンを共重合して全重合体の20〜60w
t%となるようにプロピレンとエチレンの共重合体を製
造することによってプロピレンのブロック共重合体を製
造する方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はプロピレンのブロッ
ク共重合体の製造方法に関する。詳しくは、特定の触媒
を用いて重合するプロピレンのブロック共重合体の製造
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】プロピレンのブロック共重合体を製造す
る方法としては種々の方法が知られており、基本的には
不活性媒体の存在下に重合する溶媒重合法、液状の単量
体の存在下に重合を行う塊状重合法、液状の媒体の存在
しない気相重合法などで、初めにプロピレン単独で重合
するか或いは少量の他のオレフィンと共重合し、ついで
エチレンとプロピレンとを共重合することで製造され
る。重合に使用する触媒としても種々のものが使用でき
ることは良くしられており、プロピレンを立体規則的に
重合するハロゲン化チタン系触媒、2つの配位子が結合
した構造のメタロセン系触媒などが利用できるが特に、
マグネシウムとチタンとを含む遷移金属触媒成分と有機
アルミニウム化合物とからなる触媒系は安価で高性能で
あることから広く用いられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】マグネシウムとチタン
とを含む遷移金属触媒成分と有機アルミニウム化合物と
からなる触媒系と塊状重合法あるいは気相重合法を組み
合わせる方法は優れており、触媒当たり高活性で物性の
良好なブロック共重合体が得られる。塊状重合法はその
触媒活性と反応機の容積当たりの生産性で優れるのに対
し気相重合法は塊状重合法に比べ生産性では劣るものの
得られるブロック共重合体の物性、特に耐衝撃性が良好
なものを効率良く製造することが可能である。従って塊
状重合法で、気相重合で得られたブロック共重合体の物
性に匹敵する物性を有するブロック重合体が得られる方
法を開発することは、生産性と得られる重合体の物性を
両立させることになり極めて重要な意義がある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題を
解決した重合方法について鋭意検討し本発明を完成し
た。
【0005】即ち本発明は、2槽以上の重合槽を連結し
た反応機を用い、プロピレン自身を液状媒体とする塊状
重合法で、マグネシウムとチタンとを含む遷移金属触媒
成分と有機アルミニウム化合物と電子供与性化合物とか
らなる触媒を用いて初めにプロピレンを重合して全重合
体の40〜80重量%となるようにプロピレンの単独重
合体を製造し、ついでプロピレンとエチレンとを共重合
して全重合体の20〜60重量%となるようにプロピレ
ンとエチレンの共重合体を製造してプロピレンのブロッ
ク共重合体を製造する方法において、マグネシウムとチ
タンとを含む遷移金属触媒成分として平均粒径が5〜2
00μm、比表面積が100〜400m 2/g、細孔容
積が0.05〜0.30cc/gであるものを用いるこ
とを特徴とするプロピレンのブロック共重合体の製造方
法である。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明において重要なのは、使用
する立体規則性触媒として特定の物理的性質を有するマ
グネシウムとチタンとを含む遷移金属触媒成分を利用す
ることにある。
【0007】マグネシウムとチタンとを含む遷移金属触
媒成分としては、種々の方法で製造でき、遷移金属触媒
成分が製造される際に金属マグネシウム、酸化マグネシ
ウムなどから生成したものであってもよいマグネシウム
の塩、特にハロゲン化マグネシウムと、遷移金属触媒成
分が製造される際に生成したものであってもよいチタン
の塩、特にハロゲン化チタンを含有するものが例示でき
る。ここでハロゲン化マグネシウムとしては塩化マグネ
シウム、特に無水塩化マグネシウムが例示され、ハロゲ
ン化チタンとしては少なくとも1つのハロゲン原子を有
するハロゲン化チタンあるいはアルコキシハロゲン化チ
タン、特に好ましくは塩化チタン、特に四塩化チタンが
例示される。マグネシウムとチタンとを含む遷移金属触
媒成分を製造するに際し、電子供与性化合物を併用する
ことが可能であり、電子供与性化合物としては、通常エ
ーテル、エステル、オルソエステル、アルコキシ珪素化
合物などの含酸素化合物、あるいはアミン、アミドなど
の含窒素化合物が好ましく例示でき、電子供与性化合物
としてはさらにアルコール、アルデヒド、水なども使用
可能である。特に好ましくは、芳香族ジカルボン酸のエ
ステル、エーテルが利用できる。
【0008】エーテルとしては種々の構造のものが利用
できるが、分子内に2個のエーテル結合を有する化合
物、特に2個のエーテルの間に炭素が3個存在するよう
な脂肪族エーテルが好ましい。具体的には、2,2−ジ
イソブチル−1,3−ジメトキシプロパン、2−イソプ
ロピル−2−イソペンチル−1,3−ジメトキシプロパ
ン、2,2−ジシクロヘキシル−1,3−ジメトキシプ
ロパン、2,2−ビス(シクロヘキシルメチル)−1,
3−ジメトキシプロパン、2−シクロヘキシル−2−イ
ソプロピル−1,3−ジメトキシプロパン、2−イソプ
ロピル−2−s−ブチル−1,3−ジメトキシプロパ
ン、2,2−ジフェニル−1,3−ジメトキシプロパ
ン、2−シクロペンチル−2−イソプロピル−1,3−
ジメトキシプロパンなどが例示される。
【0009】芳香族ジカルボン酸のジエステルとしては
フタル酸のジエステルが特に好ましく、具体的には、フ
タル酸と炭素数1〜12のアルコールとのエステルが好
ましく利用でき、フタル酸ジメチル、フタル酸ジエチ
ル、フタル酸ジプロピル、フタル酸ジブチル、フタル酸
ジオクチル、フタル酸ジデシル、フタル酸ジフェニル、
フタル酸ジベンジル、フタル酸ジ−2−エチルヘキシル
などの他に2つのエステル結合を形成するアルコールが
異なるフタル酸ブチルベンジル、フタル酸エチルヘキシ
ルなどのジエステルも利用できる。
【0010】マグネシウムとチタンとを含む遷移金属触
媒成分を製造する最も簡便な方法は、種々の方法で活性
化されたかあるいはされていないハロゲン化マグネシウ
ムにハロゲン化チタンを遷移金属触媒成分が活性化され
る条件下に担持することである。具体的な方法として
は、得られた遷移金属触媒成分が平均粒径が5〜200
μm、比表面積が100〜400m2/g、細孔容積が
0.05〜0.30cc/gであるという特性を有する
ものである限り特に制限はなく、ハロゲン化マグネシウ
ムとハロゲン化チタン、必要に応じ電子供与性化合物を
共粉砕する方法、あるいはさらに不活性溶媒で加熱処理
する方法、あるいはハロゲン化マグネシウムと必要に応
じ電子供与性化合物とを有機溶剤に溶解し、ついでハロ
ゲン化チタンなどを添加することによってハロゲン化マ
グネシウムを析出させ、必要に応じさらにハロゲン化チ
タンを担持する方法、あるいはハロゲン化マグネシウム
と電子供与性化合物を混合造粒し、ついでハロゲン化チ
タンを担持する方法などが例示できる。上記の遷移金属
触媒成分の特性を有するものを効率良く製造する方法と
しては、アルコールなどの電子供与性化合物とハロゲン
化マグネシウムの錯体を造粒し、ついでルイス酸で処理
するか処理することなくフタル酸のジエステルとかエー
テルなどの電子供与性化合物とハロゲン化チタンを担持
する方法が例示される。本発明において肝要なのは、遷
移金属触媒成分として平均粒径が5〜200μm、比表
面積が100〜400m2/g、細孔容積が0.05〜
0.30cc/gの特性を有するものを用いることであ
る。
【0011】ここで平均粒径は例えば日機装社製のマイ
クロトラックで測定されたものであり、比表面積および
細孔容積はマイクロメディティックス社製のASAP2
400で測定される。平均粒径が前記範囲より小さいと
重合槽壁に付着するなどの問題があり、また大きいと撹
拌が困難であるなどの問題がある。平均粒径は5〜20
0μm、好ましくは10〜100μmである。比表面積
が前記範囲より小さいと触媒の活性が小さくなる問題が
あり、また前記範囲より大きくてもより活性が向上する
訳ではなく触媒粒子の強度が劣るという問題があり好ま
しくない。比表面積は100〜400m2/g、好まし
くは150〜300m2/gである。細孔容積が前記範
囲より小さいと共重合の際ポリマー粒子同士が付着して
団塊化し除熱が困難になるので重合が継続できないとい
う問題があり、前記範囲より大きいと触媒粒子の強度が
劣り重合に際して触媒粒子が崩壊し微粒化して同様に除
熱が困難になるので重合が継続できないという問題があ
る。細孔容積としては0.05〜0.30cc/g、好
ましくは0.08〜0.20cc/gである。
【0012】有機アルミニウム化合物としては、トリア
ルキルアルミニウム、ジアルキルアルミニウムハライ
ド、アルキルアルミニウムセスキハライド、アルキルア
ルミニウムジハライドが使用でき、アルキル基としては
メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル
基などが例示され、ハライドとしては塩素、臭素、ヨウ
素が例示される。特に好ましくはトリアルキルアルミニ
ウムである。
【0013】本発明において用いる電子供与性化合物と
しては、含酸素化合物または含窒素化合物が好ましく利
用でき、特にアルコキシシラン、エーテル化合物、エス
テル化合物、ヒンダードアミン、なかでもアルコキシシ
ランあるいは上記のエーテル化合物が好ましく利用でき
る。アルコキシシラン化合物としては、1〜3個のアル
コキシ基と1〜3個の炭素数1〜12の炭化水素残基が
珪素に結合した構造のものが例示できる。炭素数1〜1
2の炭化水素残基としてはアルキル基、シクロアルキル
基、フェニル基、置換フェニル基などが例示でき、特に
アルキル基、シクロアルキル基が好ましく例示される。
アルキル基としてはメチル、エチル、プロピル、ブチ
ル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル基など
が、シクロアルキル基としては、シクロペンチル、シク
ロヘキシル、メチルシクロヘキシル、メチルシクロペン
チル、ノルボルニルなどが例示できる。またアルコキシ
基としてはメトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキ
シ、ペントキシ、フェノキシ基等が例示できる。複数個
のアルキル基、アルコキシ基としては同じでも異なって
も良い。
【0014】具体的にはエチルトリエトキシシラン、プ
ロピルトリメトキシシラン、ブチルトリメトキシシラ
ン、ブチルトリエトキシシラン、ジエチルジエトキシシ
ラン、ジプロピルジメトキシシラン、ジプロピルジエト
キシシラン、ジブチルジメトキシシラン、ジブチルジエ
トキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、ヘキシル
トリエトキシシラン、ジヘキシルジメトキシシラン、ジ
ヘキシルジエトキシシラン、ジシクロヘキシルジメトキ
シシラン、ジシクロヘキシルジエトキシシラン、ジシク
ロヘキシルジプロポキシシラン、ジシクロヘキシルジブ
トキシシラン、ジシクロヘキシルメトキシエトキシシラ
ン、ジシクロヘキシルメトキシプロポキシシランなどが
例示される。
【0015】ここで遷移金属触媒成分のチタンとマグネ
シウムの割合は、1:100から1:3(原子比)程度
であるのが一般的であり、また電子供与性化合物とチタ
ンの割合としては1000:1から1:1(分子対原子
比)程度が一般的である。また遷移金属触媒成分中のチ
タンに対して電子供与性化合物と有機アルミニウム化合
物の使用割合としては1:1:1から1:1000:1
000(原子対分子比)程度、電子供与性化合物と有機
アルミニウム化合物の割合としては1:1から1:10
0(分子比)程度とするのが一般的である。
【0016】重合はプロピレン単独での重合、プロピレ
ンとエチレンの共重合ともに塊状重合法で行うことが必
要であり、こうすることで重合機の容積効率が極めて良
好となる。また共重合を行う重合槽に後述のアルキレン
グリコール類を利用することでプロピレンとエチレンの
共重合体の割合を厳密に制御し、極めて物性バランスの
優れたものとすることができる。
【0017】本発明において採用される液状のプロピレ
ン自身を溶媒とする塊状重合法の好ましい重合条件とし
ては、重合温度は常温〜90℃であり、また重合圧力
は、重合条件下にプロピレンが液状を保てる圧力であ
り、通常気相部が存在するように設定されるため、他の
モノマーなど重合系に存在する化合物の量などで自動的
に定まる。
【0018】本発明方法の好ましい態様としては、ま
ず、1槽以上好ましくは2槽以上の重合槽を連結した反
応機で実質的にプロピレンの単独重合が塊状重合法で行
われる。ここで実質的にプロピレン単独とは、まったく
の単独重合かあるいはエチレン、ブテン、ヘキセン等の
他のオレフィンと共重合する場合には、最終重合体の剛
性が十分であるように、通常共重合されるオレフィンの
含量が6wt%以下となるように重合するという意味で
ある。この実質的にプロピレン単独の重合は、プロピレ
ンの単独重合体が、通常、全重合体の40〜80重量%
となるように行われる。80重量%を越えると耐衝撃性
の改良が不充分であり、また40重量%に満たないとポ
リプロピレンに特有の剛性が失われるので好ましくな
い。
【0019】本発明においては、さらに、上記単独重合
を行った重合槽の最終槽から共重合を行う重合槽にスラ
リーが移送されプロピレンとエチレンの共重合が行われ
る。共重合は回分的に行っても連続的に行っても良いが
連続的に行うのがより効率的である。プロピレンとエチ
レンの共重合体の割合は全重合体の20〜60重量%で
あることが必要である。
【0020】回分的に共重合を行う場合には、回分重合
槽での重合はエチレンとプロピレンの反応比としてモル
比で15/85〜95/5の範囲でおこなわれる。エチ
レンの一部をブテン、ペンテン、ヘキセンなどの他のα
―オレフィンに代替することもできる。反応比がこの範
囲を外れると耐衝撃性の改良効果が不充分である。もち
ろん共重合を反応比、あるいは分子量を変え多段に行う
ことも容易にできる。
【0021】より好ましい態様である共重合を連続的に
行う場合には、共重合は1槽以上好ましくは2槽以上の
重合槽を連結して行うのが得られるポリマーの物性の点
で好ましい。
【0022】またプロピレンとエチレンの共重合を行う
に際しては、共重合を行う重合槽の少なくとも最初の槽
にポリアルキレングリコールを添加するのがより好まし
い。ここでポリアルキレングリコールとしては、ポリエ
チレングリコール、ポリプロピレングリコールなどのポ
リアルキレングリコール類あるいはその誘導体(片末端
または、両末端をエーテル、エステル結合とする等)で
ある。共重合を行う各槽での重合条件は上記回分重合で
行った条件と同様である。
【0023】本発明の特に好ましい態様は、共重合を行
う重合槽にポリアルキレングリコールを添加して連続的
に共重合を行うことである。ポリアルキレングリコール
の添加量としては遷移金属触媒成分中のチタン1原子に
対し0.01〜1000分子程度、好ましくは1〜10
0分子である。
【0024】本発明の方法で得られるポリプロピレンは
射出成形、押出成形、ブロー成形など種々の用途に好適
に利用される。
【0025】プロピレンの実質的な単独重合を行う重合
槽、エチレンとプロピレンの共重合を行う重合槽で生成
する重合体の分子量については特に制限はないが、13
5℃テトラリン溶液で測定した極限粘度数が単独重合を
行う重合槽で生成する重合体で0.5〜3dl/g程
度、共重合を行う重合槽で生成する重合体で0.5〜2
0dl/g程度であり、ブロック共重合体として、23
0℃で2.3kg加重で測定したメルトフローインデッ
クス(以下、MIと略記する)が0.1〜200g/1
0min程度とするのが好ましい。
【0026】
【実施例】以下に実施例を示し本発明をさらに説明す
る。なお、実施例及び比較例において、ポリマーの物性
は、以下のように測定した。
【0027】重合で得られた製品パウダーにフェノール
系安定剤0.1重量%とステアリン酸カルシウム0.1
重量%を加えてへンシェルミキサーで混合した後,50
mmφの単軸押出機でシリンダー温度240℃でぺレッ
ト化した。得られたぺレットを型締め圧100tの射出
成形機(日本製鋼所社製、Jl00E型機)で射出温度
270℃、金型温度50℃で試験片を作成した。各物性
の測定は以下の様にして実施した。
【0028】メルトフローインデックス(g/10mi
n):ASTM Dl238(230℃) 引張降伏強度(kgf/cm2):ASTM D638
(23℃) アイゾット(ノッチ付)衝撃強度(kgf・cm/c
m):ASTM D256−56(23℃、−10℃) デュポン衝撃強度(kgf・cm/1/2”φ):JI
S K6718(23℃、―10℃) に基づきMIは2.16kgの加重で測定した。また極
限粘度数は135℃テトラリン溶液で、エチレン含有率
は赤外線吸収スペクトル法により測定した。
【0029】実施例1 (遷移金属触媒成分Aの製造)精灯油1.5リットルに
塩化マグネシウム75g、エタノール109g、エマゾ
ール320(花王(株)製、ソルビタンジステアレー
ト)10gを混合し125℃で加熱溶解させた。この溶
液をオートクレーブ中にいれ、125℃に保持しながら
10kg/cm2の窒素で加圧して―20℃に保持した
精灯油中に装入して造粒した。こうして得られた粒子状
の担体7.5gを精灯油15mlと四塩化チタン20g
の混合溶液にいれ、さらにフタル酸ジイソブチル1.3
gを加え120℃で1時間撹拌処理した後、静置して上
澄みを除去し、さらに四塩化チタン10gとn−ヘプタ
ン10mlを加え80℃で1時間処理した。静置して上
澄みを除去した後、固形分をn−ヘプタンで繰り返し洗
浄して遷移金属触媒成分とした。この遷移金属触媒成分
の物性値は、平均粒径が25μm、比表面積が230m
2/g、細孔容積が0.195cc/gであった。 (遷移金属触媒成分Aの前処理)上記の遷移金属触媒成
分Al00g、トリエチルアルミニウム12.9g、ヘ
プタン100リットルを内容積200リットルのオート
クレーブに装入し、ついで内温を10℃に保ちつつプロ
ピレンを1000g装入し30分間撹件後、四塩化チタ
ン7.1gを装入して前処理触媒成分スラリーとした。 (重合反応)内容積1000リットルの第1重合槽にプ
ロピレンを128kg/時間、触媒として上記前処理を
施した遷移金属触媒成分Aを1.2g/時間とトリエチ
ルアルミニウム21.0g/時間とシクロヘキシルメチ
ルジメトキシシラン2.1g/時間を連続的に供給し、
重合して得たスラリーは内容積500リットルの第2重
合槽ヘ連続的に送り、さらに重合した。第1重合槽の温
度は75℃、水素を気相部の水素濃度が0.25モル%
になるように供給した。第2重合槽にはプロピレンを4
1kg/時間で供給し、温度は72.5℃、水素を気相
部の水素濃度が0.6モル%になるように調節して供給
した。
【0030】第1段階の重合が終了した時点での、平均
反応量は36400g/g遷移金属触媒成分であった。
第2重合槽のスラリーをサンプリングし、ポリマーの極
限粘度数(以下〔η〕と略記)を測定したところ1.4
8dl/gであった。第2重合槽を出たスラリーは、内
容積500リットルの第3重合槽ヘ供給した。
【0031】第3重合槽にはエーテルとしてジエチレン
グリコールエチルアセテートを遷移金属触媒成分中のT
i1原子あたり25モルの割合で添加した。
【0032】第3重合槽の温度は50℃、プロピレンを
20kg/時間で供給し、重合圧力が29.7kg/c
2−G、水素濃度が1.0モル%になるようにエチレ
ンと水素を供給して重合した。第3重合槽を出たスラリ
ーは、内容積500リットルの第4重合槽ヘ供給した。
第4重合槽の温度は50℃、プロピレンを15kg/時
間で供給し、圧力が30.1kg/cm2−G、水素農
度が1.0モル%になる様にエチレンと水素を供給して
重合した。第4重合槽をでたスラリーはアルコールを添
加して脱活され、ついで未反応のモノマーを除去した
後、重合パウダーを回収した。パウダーは105kg/
時間で得られた。得られたパウダーを80℃、70mm
Hgで10時間乾燥して製品とした。製品の〔η〕は
2.08dl/g、エチレン含量は24.0wt%であ
った。このパウダーの嵩比重は0.39g/ccであり
流動性は良好であった。パウダー中のマグネシウムの分
析値から算出したプロピレンとエチレンの共重合体の割
合は58%であった。このパウダーにフェノール系の安
定剤(パウダーに対して1/1000)を加え加熱溶融
造粒した後、物性を測定したところ、メルトフローイン
デックス(g/10min)は3.6、引張降伏強度
(kgf/cm2)は141、アイゾット(ノッチ付)
衝撃強度(kgf・cm/cm)は23℃、−10℃と
もに不破壊であった。
【0033】比較例1 (遷移金属触媒成分Bの製造)直径12mmの鋼球9k
gの入った内容積4リットルの粉砕用ポットを4個装備
した振動ミルを用意する。各ポットに窒素雰囲気中で塩
化マグネシウム300g、フタル酸ジイソブチル115
ml、四塩化チタン60mlを加え40時間粉砕した。
上記共粉砕物5gを200リットルのフラスコに入れト
ルエン100mlを加えて114℃で30分間撹拌処理
し、次いで、静置して上澄液を除去した。次いで、20
℃においてn−ヘプタン100mlで3回、固形分を洗
浄し、さらに100mlのn−ヘプタンに分散して遷移
金属触媒成分スラリーとした。得られた遷移金属触媒成
分Bはチタンを1.8wt%含有しフタル酸ジイソブチ
ルを18wt%含有していた。この遷移金属触媒成分の
物性値は平均粒径が18μm、比表面積が125m2
g、細孔容積が0.035cc/gであった。
【0034】遷移金属触媒成分として上記遷移金属触媒
成分Bを用いた他は実施例1と同様にしたところ、第4
重合槽(共重合第2)ではスラリーの流動性が悪く運転
不能であった。また、第3重合槽でもスラリーの性状が
不良であった。第3重合槽からぬき出されたポリマーの
〔η〕は2.22dl/g、エチレン含量は10.1w
t%であった。このパウダーの嵩比重は0.26g/c
cであり流動性は不良であった。
【0035】実施例2 担体の造粒の際の条件を変更して、平均粒径が45μ
m、比表面積が280m 2/g、細孔容積が0.140
cc/gの物性を有する遷移金属触媒成分を得た。この
触媒成分を用いた他は実施例1と同様にしてブロック共
重合体を得た。但し、第3重合槽で添加するジエチレン
グリコールエチルアセテートの量を遷移金属触媒成分中
のTi1原子あたり42モルの割合としたところパウダ
ーが68kg/時間で得られた。製品の〔η〕は1.8
0dl/g、エチレン含量は14.5wt%、嵩比重は
0.40g/ccであり流動性は良好であった。パウダ
ー中のマグネシウムの分析値から算出したプロピレンと
エチレンの共重合体の割合は34%であった。このパウ
ダーを同様に造粒し、物性を測定したところ、メルトフ
ローインデックス(g/10min)は9.1、引張降
伏強度(kgf/cm 2)は196、アイゾット(ノッ
チ付)衝撃強度(kgf・cm/cm)は23℃では不
破壊、―10℃では10.9であった。
【0036】
【発明の効果】本発明の方法を実施することによりエチ
レン含量の多いブロック共重合体を効率良く製造するこ
とが可能であり工業的に極めて価値がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の理解を助けるためのフローチャート図
である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 播摩 殖 大阪府高石市高砂1丁目6番地 三井東圧 化学株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 2槽以上の重合槽を連結した反応機を用
    い、プロピレン自身を液状媒体とする塊状重合法で、マ
    グネシウムとチタンとを含む遷移金属触媒成分と有機ア
    ルミニウム化合物と電子供与性化合物とからなる触媒を
    用いて初めにプロピレンを重合して全重合体の40〜8
    0重量%となるようにプロピレンの単独重合体を製造
    し、ついでプロピレンとエチレンとを共重合して全重合
    体の20〜60重量%となるようにプロピレンとエチレ
    ンの共重合体を製造してプロピレンのブロック共重合体
    を製造する方法において、マグネシウムとチタンとを含
    む遷移金属触媒成分として平均粒径が5〜200μm、
    比表面積が100〜400m2/g、細孔容積が0.0
    5〜0.30cc/gであるものを用いることを特徴と
    するプロピレンのブロック共重合体の製造方法。
  2. 【請求項2】 マグネシウムとチタンとを含む遷移金属
    触媒成分がハロゲン化マグネシウムにハロゲン化チタン
    を担持したものである請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】 プロピレンとエチレンの共重合を行う重
    合槽の少くとも最初の槽にポリアルキレングリコールを
    添加して連続的共重合を行う請求項1に記載の方法。
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