JPH05320244A - 超高分子量ポリエチレンの製造方法 - Google Patents

超高分子量ポリエチレンの製造方法

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JPH05320244A
JPH05320244A JP17143192A JP17143192A JPH05320244A JP H05320244 A JPH05320244 A JP H05320244A JP 17143192 A JP17143192 A JP 17143192A JP 17143192 A JP17143192 A JP 17143192A JP H05320244 A JPH05320244 A JP H05320244A
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ether
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weight polyethylene
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JP17143192A
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Takeichi Shiraishi
武市 白石
Mitsuo Okamoto
光雄 岡本
Kazuo Matsuura
一雄 松浦
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Nippon Oil Corp
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08FMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED BY REACTIONS ONLY INVOLVING CARBON-TO-CARBON UNSATURATED BONDS
    • C08F110/00Homopolymers of unsaturated aliphatic hydrocarbons having only one carbon-to-carbon double bond
    • C08F110/02Ethene

Abstract

(57)【要約】 【目的】 流動性に優れ、かさ密度が高く、粒径が小さ
く、粒径分布が狭く、粗大粒子の生成が実質的にない超
高分子量ポリエチレンを製造する方法を提供する。 【構成】 固体触媒成分と有機金属化合物とを触媒とし
て、超高分子量ポリエチレンを製造する方法において、
該固体触媒成分として、[A]ハロゲン化マグネシウム
と一般式 Ti(OR (ここで、Rは炭素数1〜20の
炭化水素残基を示す)で表される化合物との反応生成
物、及び[B]ハロゲン化アルミニウムと一般式R
(ここで、R及びRは、炭素数1〜20の炭化
水素基を示し、R及びRはそれぞれ同一でも異なっ
てもよい)で表される化合物との反応生成物を相互に接
触させて得られる物質を用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、超高分子量ポリエチレ
ンの製造方法に関する。更に詳しくは、本発明は特定の
固体触媒成分と有機金属化合物を用いることにより、流
動性に優れ、かさ密度が高く、粒径が小さく、粒径分布
が狭く、粗大粒子の生成が実質的にない超高分子量ポリ
エチレンを製造する方法に関する。
【0002】
【従来技術及び発明が解決しようとする課題】超高分子
量ポリエチレンは、耐衝撃性、耐摩耗性、自己潤滑性等
に優れ、各種成形品分野や高強度材料として用いられて
いる。これらの用途においては、原料樹脂としての超高
分子量ポリエチレンは、一般に粒径が小さいことや粒径
分布が狭いことが要求される場合が多い。
【0003】超高分子量ポリエチレンの製造には、ハロ
ゲン化マグネシウム、酸化マグネシウム、水酸化マグネ
シウム等の各種無機マグネシウム化合物を担体として、
これにチタン又はバナジウム等の遷移金属化合物を担持
させた触媒を用いることが、数多く知られている。
【0004】しかしながら、これらの公知技術において
は、得られる超高分子量ポリエチレンのかさ密度は一般
に小さく、また粒径分布が広く、しかも粗大粒子の生成
が認められることが多い。従って、このような従来の製
造方法による超高分子量ポリエチレンを各種成形用途に
用いる場合、ポリマーの充填むらを起こし、強度の低
下、表面あれ等の問題を生じることがあった。また、超
高分子量ポリエチレンの製造工程においても、生産性の
低下、ポリマー抜き出しラインの閉塞の発生等の問題点
があった。
【0005】本発明者らは、従来からかかる問題点につ
いて鋭意検討し、既に特定触媒を用いて超高分子量ポリ
エチレンを製造することにより、平均粒径が小さく、粒
径分布が狭く、比較的球形の自由流動性の改良された超
高分子量ポリエチレンが、得られることを見出したが
(特開平1−129006号、特開平2−70710
号、特開平2−50510号)、更に改良された超高分
子量ポリエチレンが要求されていた。
【0006】
【課題を解決するための手段】以上のような実状に鑑
み、本発明者らは鋭意検討した結果、驚くべきことに下
記の如きの特定の固体触媒成分と有機金属化合物を用い
て、超高分子量ポリエチレンを製造することにより、従
来技術の欠点が解決されることを見い出したものであ
る。
【0007】即ち、本発明は固体触媒成分と有機金属化
合物とを触媒として、超高分子量ポリエチレンを製造す
る方法において、該固体触媒成分が、[A]ハロゲン化
マグネシウムと一般式
【化2】 (ここで、Rは炭素数1〜20の炭化水素残基を示
す)で表される化合物との反応生成物、及び[B]ハロ
ゲン化アルミニウムと一般式ROR(ここで、R
及びRは、炭素数1〜20の炭化水素基を示し、R
及びRは、それぞれ同一でも異なってもよい)で表さ
れる化合物との反応生成物を相互に接触させて得られる
物質であることを特徴とする、超高分子量ポリエチレン
の製造方法に関する。
【0008】本発明の特定の触媒を用いて超高分子量ポ
リエチレンを製造することにより、平均粒径が小さく、
粒径分布が狭く粗大粒子の生成が実質的になく、しかも
自由流動性に極めて優れ、更にかさ密度の高い等の特徴
を有する超高分子量ポリエチレンを得ることができる。
【0009】以下、本発明について詳細に説明する。本
発明におけるハロゲン化マグネシウムとしては、実質的
に無水のものが用いられ、例えばフッ化マグネシウム、
塩化マグネシウム、臭化マグネシウム、ヨウ化マグネシ
ウム及びこれらの混合物が具体例として挙げられ、特に
塩化マグネシウムが好ましく用いられる。
【0010】一般式
【化3】 で表されるチタン化合物としては、式中のRが炭素数
1〜20、好ましくは炭素数1〜8の炭化水素残基、好
ましくは炭化水素基である。かかる炭化水素残基として
は、メチル基、エチル基、プロピル基、iso−プロピ
ル基、ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル
基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基等のアルキル
基、フェニル基、トリル基、キシリル基等のアリール
基、ベンジル基等のアラルキル基等が挙げられる。これ
らのチタン化合物において、具体的にはテトラメトキシ
チタン、テトラエトキシチタン、テトラプロポキシチタ
ン、テトラiso−プロポキシチタン、テトラブトキシ
チタン、テトラsec−ブトキシチタン、テトラter
t−ブトキシチタン、テトラペントキシチタン、テトラ
ヘキシルオキシチタン、テトラオクチルオキシチタン、
テトラフェノキシチタン、テトラトリルオキシチタン、
テトラキシリルオキシチタン等が挙げられ、中でもテト
ラエトキシチタン、トトラプロポキシチタン、テトラブ
トキシチタン等が好ましく、またこれらチタン化合物を
2種以上混合して用いることもできる。
【0011】ハロゲン化マグネシウムとチタン化合物と
の反応条件は、特に限定されるものではないが、不活性
炭化水素溶媒(例えば、ヘキサン、ヘプタン、トルエ
ン、シクロヘキサン等)の存在下又は不存在下で、両者
を20〜200℃、好ましくは50〜200℃の温度で
5分〜10時間、好ましくは10分〜2時間混合加熱反
応させる方法が好ましい。もちろん、これらの操作は不
活性ガス(例えば窒素、ヘリウム等)中で行うべきであ
り、また湿気は可能な限り避けるべきである。
【0012】ハロゲン化マグネシウムとチタン化合物と
の反応割合は、Mg/Ti(モル比)が0.05〜1
0、好ましくは0.1〜5の範囲が望ましい。
【0013】ハロゲン化合物アルミニウムとしては、実
質的に無水ものが用いられ、フッ化アルミニウム、塩化
アルミニウム、臭化アルミニウム、ヨウ化アルミニウム
及びこれらの混合物等が具体的に挙げられ、特に塩化ア
ルミニウムが好ましく用いられる。
【0014】一般式RORで表される化合物として
は、式中のR及びRが炭素数1〜20、好ましくは
炭素数1〜8の炭化水素基である。かかる炭化水素基と
しては、メチル基、エチル基、プロピル基、iso−プ
ロピル基、ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブ
チル基、ペンチル基、iso−ペンチル基、neo−ペ
ンチル基、ヘキシル基、オクチル基等のアルキル基、フ
ェニル基、トリル基、キシリル基等のアリール基、ベン
ジル基等のアラルキル基、アリル基、プロペニル基等の
アルケニル基等が挙げられる。また、式中のR及びR
は同一でも異なってもどちらでもよく、また通常R
及びRは、互いに結合して環を形成していないことが
望ましい。
【0015】これらの一般式RORで表される化合
物(以下、エーテル類という)としは、具体的には、ジ
メチルエーテル、メチルエチルエーテル、メチルプロピ
ルエーテル、メチルiso−プロピルエーテル、メチル
ブチルエーテル、メチルtert−ブチルエーテル、メ
チルヘキシルエーテル、メチルn−オクチルエーテル、
ジエチルエーテル、エチルプロピルエーテル、エチルi
so−プロピルエーテル、エチルブチルエーテル、エチ
ルtert−ブチルエーテル、エチルヘキシルエーテ
ル、エチルn−オクチルエーテル、ジプロピルエーテ
ル、メチルプロピルエーテル、プロピルiso−プロピ
ルエーテル、プロピルブチルエーテル、プロピルter
t−ブチルエーテル、プロピルヘキシルエーテル、プロ
ピルn−オクチルエーテル、ジiso−プロピルエーテ
ル、iso−プロピルブチルエーテル、iso−プロピ
ルtert−ブチルエーテル、iso−プロピルヘキシ
ルエーテル、iso−プロピルn−オクチルエーテル、
ジブチルエーテル、ブチルtert−ブチルエーテル、
ブチルヘキシルエーテル、ブチルn−オクチルエーテ
ル、ジtert一ブチルエーテル、tert−ブチルヘ
キシルエーテル、tert−ブチルn−オクチルエーテ
ル、ジオクチルエーテル、オクチルヘキシルエーテル、
ジフェニルエーテル、フェニルメチルエーテル、フェニ
ルエチルエーテル、フェニルプロピルエーテル、フェニ
ルiso−プロピルエーテル、フェニルブチルエーテ
ル、フェニルtert−ブチルエーテル、アリルヘキシ
ルエーテル、アリルオクチルエーテル、ジアリルエーテ
ル、アリルメチルエーテル、アリルエチルエーテル、ア
リルプロピルエーテル、アリルiso−プロピルエーテ
ル、アリルブチルエーテル、アリルtert−ブチルエ
ーテル、アリルヘキシルエーテル、アリルオクチルエー
テル、アリルフェニルエーテル、ジアミルエーテル、ジ
イソアミルエーテル等が挙げられ、ジエチルエーテル、
ジブチルエーテル等が特に好ましい。
【0016】ハロゲン化アルミニウムとエーテル類との
反応は、特に限定されるものではないが、不活性炭化水
素溶媒(例えば、ヘキサン、ヘプタン、トルエン、シク
ロヘキサン等)中で、両者を−10〜200℃、好まし
くは0〜200℃の温度で5分〜10時間、好ましくは
10分〜2時間混合加熱反応させる方法が好ましい。も
ちろん、これらの操作は不活性ガス(例えば、窒素、ヘ
リウム等)中で行うべきであり、また湿気は可能な限り
避けるべきである。ハロゲン化アルミニウムとエーテル
類との反応割合は、A1/ROR(モル比)が0.
01〜10、好ましくは0.1〜5の範囲が望ましい。
【0017】本発明の固体触媒成分は、これらの[A]
ハロゲン化マグネシウムと一般式
【化4】 で表されるチタン化合物との反応生成物、及び[B]ハ
ロゲン化アルミニウムと一般式RORで表されるエ
ーテル類との反応生成物を交互に接触させて得られる
が、そのための反応順序としては、成分[A]中に成分
[B]を添加し、接触する方法、あるいは成分[B]中
に成分[A]を添加し、接触させる方法のどちらでもよ
く、好ましくは成分[B]中に成分[A]を添加し、接
触させる方法が望ましい。
【0018】成分[A]と成分[B]の接触方法として
は、特に制限はないが、不活性炭化水素溶媒(例えば、
ヘキサン、ヘプタン、トルエン、シクロヘキサン等)中
で両者を−20〜200℃、好ましくは−10〜200
℃の温度で5分〜10時間、好ましくは10分〜2時間
加熱混合した後、不活性炭化水素溶媒で洗浄する方法が
好ましい。もちろん、これらの操作は不活性ガス(例え
ば窒素、ヘリウム等)中で行うべきであり、また湿気は
可能な限り避けるべきである。
【0019】本発明において用いる成分[B]の使用量
は、成分[A]1gに対して0.01〜10g、好まし
くは0.5〜5gが望ましい。かくして得られる固体触
媒成分を有機金属化合物と組み合わせて、超高分子量ポ
リエチレンの製造に使用する。
【0020】本発明に用いる有機金属化合物としては、
チグラー型触媒の一成分として知られている周期律表I
〜W族の有機金属化合物を使用できるが、特に有機アル
ミニウム化合物及び有機亜鉛化合物が望ましい。具体的
な例としては、一般式RAl、RAlX、RAlX
、RAlOR、RAl(OR)X、及びRAl
で示される有機アルミニウム化合物(但し、Rは炭
素数1〜20のアルキル基またはアリール基等の炭化水
素基、Xはハロゲン原子(塩素、臭素、ヨウ素等)を示
し、Rは同一でもまた異なっていてもよい。)または、
一般式RZn(但し、Rは炭素数1〜20のアルキル
基であり、同一でもまた異なっていてもよい。)で示さ
れる有機亜鉛化合物があり、より具体的な例としては、
トリエチルアルミニウム、トリイソプロピルアルミニウ
ム、トリイソブチルアルミニウム、トリsec−ブチル
アルミニウム、トリtert−ブチルアルミニウム、ト
リヘキシルアルミニウム、トリオクチルアルミニウム、
ジエチルアルミニウムクロリド、ジイソプロピルアルミ
ニウムクロリド、ジエチルアルミニウムエトキシド、エ
チルアルミニウムセスキクロリド、ジエチル亜鉛及びこ
れらの混合物などが挙げられる。好ましくは、トリエチ
ルアルミニウムが望ましい。
【0021】有機金属化合物の使用量は特に制限はない
が、通常チタン化合物に対して、0.1〜1000mo
l倍使用することができる。
【0022】本発明においては、有機金属化合物成分
は、前記有機金属化合物と有機酸エステルとの混合物、
もしくは付加化合物として用いることができる。
【0023】有機金属化合物と有機酸エステルを混合物
として用いる場合には、有機金属化合物1モルに対して
有機酸エステルを通常0.1〜1モル、好ましくは0.
2〜0.5モル使用する。また、有機金属化合物と有機
酸エステルとの付加化合物として用いる場合は、有機金
属化合物:有機酸エステルのモル比が、2:1〜1:2
のものが好ましい。
【0024】この時に用いられる有機酸エステルとは、
炭素数が1〜24の飽和もしくは不飽和の一塩基性ない
し二塩基性の有機カルボン酸と炭素数1〜30のアルコ
ールとのエステルである。
【0025】具体的には、ギ酸メチル、酢酸エチル、酢
酸アミル、酢酸フェニル、酢酸オクチル、メタクリル酸
メチル、ステアリン酸エチル、安息香酸メチル、安息香
酸エチル、安息香酸n−プロピル、安息香酸イソープロ
ピル、安息香酸ブチル、安息香酸ヘキシル、安息香酸シ
クロペンチル、安息香酸シクロヘキシル、安息香酸フェ
ニル、安息香酸−4−トリル、サリチル酸メチル、サリ
チル酸エチル、p−オキシ安息香酸エチル、サリチル酸
フェニル、p−オキシ安息香酸シクロヘキシル、サリチ
ル酸ベンジル、o−レゾルシン酸エチル、アニス酸メチ
ル、アニス酸フェニル、アニス酸ベンジル、p−エトキ
シ安息香酸メチル、p−トルイル酸メチル、p−トルイ
ル酸エチル、p−トルイル酸フェニル、o−トルイル酸
エチル、m−トルイル酸エチル、p−アミノ安息香酸メ
チル、p−アミノ安息香酸エチル、安息香酸ビニル、安
息香酸アリル、安息香酸ベンジル、ナフトエ酸メチル、
ナフトエ酸エチル等が挙げることができる。これらの中
でも特に好ましいのは、安息香酸、o−又はp−トルイ
ル酸又はアニス酸のアルキルエステルであり、特にこれ
らのメチルエステル、エチルエステルが好ましい。
【0026】本発明の触媒を使用しての超高分子量ポリ
エチレンの重合は、スラリー重合、溶液重合又は気相重
合にて行うことができる。特に本発明の触媒は、スラリ
ー重合に好適に用いることができ、重合反応は通常のチ
グラー型触媒によるオレフィンの重合反応と同様にして
行われる。即ち、反応はすべて実質的に酸素、水等を絶
った状態で不活性炭化水素の存在下、水素濃度0〜20
モル%、好ましくは0〜10モル%でエチレンを重合さ
せ、超高分子量ポリエチレンを生成させる。この時の重
合条件は、温度は0ないし120℃、好ましくは20な
いし100℃であり、圧力は0ないしは70kg/cm
G、好ましくは0ないしは60kg/cmGで実施
する。不活性炭化水素としては、ブタン、ペンタン、ヘ
キサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサン等の飽和
炭化水素や、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族
炭化水素等を挙げることができ、更に得られる超高分子
量ポリエチレンの成形加工の必要によってはデカリン、
テトラリン、デカン、灯油等高沸点の有機溶媒も挙げる
ことができる。
【0027】分子量の調節は重合温度、触媒のモル比等
の重合条件を変えることによってもある程度調節できる
が、重合系中に水素を添加することにより、効果的に行
われる。もちろん、本発明の触媒を用いて、水素濃度、
重合温度等重合条件の異なった2段階ないしそれ以上の
多段の重合反応も何ら故障なく実施できる。
【0028】このような本発明の方法により、135
℃、デカリン中における極限粘度が6〜50dl/g、
好ましくは8〜30dl/gで、分子量60万〜120
0万、好ましくは90万〜600万に相当する超高分子
量ポリエチレンが得られるものである。
【0029】また、本発明の超高分子量ポリエチレンの
改質を目的として、α−オレフィン類又はジエン類との
共重合も好ましく行われる。この時用いられるα−オレ
フィンとしては、例えばプロピレン、ブテン−1、ヘキ
セン−1、4−メチルペンテン−1等を挙げることがで
きる。また、ジェンとしては、例えばブタジェン、1,
4ヘキサジェン、エチルノルボルネン、ジシクロペンタ
ジェン等を挙げられる。
【0030】
【発明の効果】以上のような本発明の方法により、平均
粒径が小さく、粒径分布が狭く、自由流動性が良好であ
り、且つ粗大粒子の生成がなく、かさ密度の高い超高分
子量ポリエチレンを得ることができる。
【0031】
【実施例】以下実施例によって本発明を具体的に説明す
るが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0032】実施例1 (イ)固体触媒成分の製造 充分に乾燥した100mlのフラスコに、窒素雰囲気下
でMgCl1.9gとテトラブトキシチタン13.6
mlを入れ、攪拌しながら90℃で2時間反応させた、
この反応成分を[A]とする。次に、充分に乾燥した3
00mlのフラスコに、窒素雰囲気下でAlCl20
gとn−ヘプタン10mlを入れ、攪拌しながらジエチ
ルエーテル30mlを滴下し、40℃に昇温し、2時間
反応させたのち、この反応物を成分[B]とする。成分
[B]を40℃で攪拌しながら、成分[B]中に成分
[A]を滴下した。滴下終了後、室温に戻し、上澄みを
デカンテーションで除き、ヘキサン200mlで5回洗
浄して、固体触媒成分を得た。この固体触媒成分には、
チタンが1.6wt%が含まれていた。
【0033】(ロ)エチレンの重合 窒素雰囲気下、室温で2Lオートクレーブにヘキサン1
000ml、トリエチルアルミニウム1mmol、及び
上記固体触媒成分5mgをこの順序で加えた後、65℃
に昇温し、エチレンを圧入して全圧を10kg/cm
Gに保って、1時間重合を行った。超高分子量ポリエチ
レンを得た。触媒活性は、5,000gポリエチレン/
g固体触媒・Hr・C圧であった。
【0034】(ハ)物性評価 生成した超高分子量ポリエチレンについては、常法によ
り物性評価した結果、かさ密度0.368g/cm
極限粘度(135℃、デカリン中)16.1dl/g、
粒径分布曲線より、平均粒径200μm、粒径分布は非
常に狭く、また600μm以上の粒子は、0.3wt%
であった。しかも、自由流動性は良好であった。これら
物性評価結果を表1に記載した。
【0035】実施例2 実施例1において、成分[B]のAlCl量を10g
に変えた以外は同様に行い、得られたポリエチレンの物
性評価結果を表1に記載した。
【0036】実施例3 実施例1において、成分[B]のジエチルエーテルをジ
ブチルエーテル40mlに変えた以外は同様に行った。
得られたポリエチレンの物性評価結果を表1に記載し
た。
【0037】実施例4 実施例1において、成分[B]のジエチルエーテルをエ
チルブチルエーテル35mlに変えた以外は同様に行っ
た。得られたポリエチレンの物性評価結果を表1に記載
した。
【0038】実施例5 実施例1において、成分[A]のテトラブトキシチタン
量を25mlに変えた以外は実施例1と同様に行い、得
られたポリエチレンの物性評価結果を表1に記載した。
【0039】実施例6 実施例5において、成分[A]のテトラブトキシチタン
をテトラiso−プロポキシチタンに変えた以外は実施
例5と同様に行った。得られたポリエチレンの物性評価
結果を表1に記載した。
【0040】実施例7 実施例6において、成分[A]のテトラiso−プロポ
キシチタンをテトラヘキシルオキシチタンに、成分
[B]のジエチルエーテル量を10mlとして、さらに
ジフェニルエーテルを30ml加えた以外は、実施例6
と同様に行った。得られたポリエチレンの物性評価結果
を表1に記載した。
【0041】比較例1 実施例1において、成分[B]のジエチルエーテルをS
i(OEt)40mlに変えた以外は、実施例1と同
様に行った。得られたポリエチレンの物性評価結果を表
1に記載した。
【0042】比較例2 実施例1において、成分[A]のMgClを添加せ
ず、テトラブトキシチタン13.6mlを単独で使用し
たこと以外は、実施例1と同様に行った。得られたポリ
エチレンの物性評価結果を表1に記載した。
【0043】比較例3 実施例1において、成分[B]のAlClとn−ヘプ
タンを添加せず、ジエチルエーテル30mlを単独で使
用した以外は、同様に行った。得られたポリエチレンの
物性評価結果を表1に記載した。
【0044】比較例4 実施例1において、成分[B]のジエチルエーテルをヘ
キシルアルコール30mlに変えた以外は、実施例1と
同様に行った。得られたポリエチレンの物性評価結果を
表1に記載した。
【0045】比較例5 (イ)固体触媒の調整 充分に乾燥した400mlのステンレス製ボールミリン
グポットに窒素雰囲気下、MgClを10gとTiC
を1ml入れ、16時間ボールミリング粉砕し、固
体成分を得た。得られた固体成分10gをヘキサンスラ
リーにし、40℃で攪拌しながら実施例1の成分[B]
を滴下した。滴下終了後、室温にて上澄みをデカンテー
ションで除き、ヘキサン200mlで5回洗浄して、固
体触媒成分を得た。この触媒成分にはチタンが3.2w
t%含まれていた。 (ロ)エチレンの重合 実施例1において、上記固体触媒成分を用いたこと以外
は、同様に行った。得られたポリエチレンの物性評価結
果を表1に記載した。
【0046】比較例6 実施例1において、成分[A]のMgClをMgOに
変えた以外は、同様に行った。得られたポリエチレンの
物性評価結果を表1に記載した。
【0047】比較例7 実施例1において、成分[B]のジエチルエーテルを添
加しないこと以外は、同様に行った。得られたポリエチ
レンの物性評価結果を表1に記載した。
【0048】
【表1】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明で用いる触媒の製造工程を示すフローチ
ャートである。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 固体触媒成分と有機金属化合物とを触媒
    として、超高分子量ポリエチレンを製造する方法におい
    て、該固体触媒成分が、 [A]ハロゲン化マグネシウムと一般式 【化1】 (ここで、Rは炭素数1〜20の炭化水素残基を示
    す)で表される化合物との反応生成物、及び [B]ハロゲン化アルミニウムと一般式ROR(こ
    こで、R及びRは、炭素数1〜20の炭化水素基を
    示し、R及びRは、それぞれ同一でも異なってもよ
    い)で表される化合物との反応生成物を相互に接触させ
    て得られる物質であることを特徴とする、超高分子量ポ
    リエチレンの製造方法。
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