JPH0813854B2 - 超高分子量ポリエチレンの製造方法 - Google Patents

超高分子量ポリエチレンの製造方法

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JPH0813854B2
JPH0813854B2 JP16887788A JP16887788A JPH0813854B2 JP H0813854 B2 JPH0813854 B2 JP H0813854B2 JP 16887788 A JP16887788 A JP 16887788A JP 16887788 A JP16887788 A JP 16887788A JP H0813854 B2 JPH0813854 B2 JP H0813854B2
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武市 白石
亘 内田
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日本石油株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本発明は超高分子量ポリエチレンの製造方法に関す
る。さらに詳しくは、本発明は特定の固体触媒成分と有
機金属化合物を用いることにより、流動性にすぐれ、フ
イブリルの生成がなく溶剤に溶解し易い超高分子量ポリ
エチレンを製造する方法に関する。
〈従来の技術および発明が解決しようとする課題〉 従来、超高分子量ポリエチレンの製造には、ハロゲン
化マグネシウム、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウ
ムなどの各種無機マグネシウム化合物を担体としてこれ
にチタンまたはバナジウムなどの遷移金属化合物を担持
させた触媒を用いることが数多く知られている。しかし
ながら、これらの公知技術においては、得られる超高分
子量ポリエチレンのかさ密度は一般に小さく、また粒径
分布が広く、しかも粒子にフイブリルが生成し溶剤に溶
解し難い等の問題点がある。さらに、近年要求の高まつ
ているゲル紡糸法による超高分子量ポリエチレン繊維の
製造には、溶剤に溶解し易く、かつ、均一なゲルとなる
超高分子量ポリエチレンが必要不可欠である。
そこで、前述の問題点を解決した新しい製造法の開発
が望まれていた。
〈課題を解決するための手段〉 以上のような実状に鑑み、本発明者らは鋭意検討を行
つた結果、驚くべきことに下記の如きの特定の固体触媒
成分と有機金属化合物を用いて超高分子量ポリエチレン
を製造することにより、従来品の欠点が解決されること
を見いだしたものである。
すなわち、本発明は固体触媒成分と有機金属化合物と
を触媒として超高分子量ポリエチレンを製造する方法に
おいて、該固体触媒成分が、 (1)ハロゲン化マグネシウム、 (2)一般式Al(OR)(式中、Rは炭素数1〜4のア
ルキル基を示す)で表わされる有機アルミニウム化合
物、および (3)4価のチタン化合物 からなる成分を共粉砕し、液状電子供与体化合物に溶解
させたのち、不活性炭化水素溶媒により沈澱および/ま
たは析出させることによつて得られる物質であることを
特徴とする超高分子量ポリエチレンの製造方法に関す
る。
本発明の特定の触媒を用いて超高分子量ポリエチレン
を製造することにより下記の如き優れた特長を有する超
高分子量ポリエチレンを得ることができる。
(1)平均粒径が小さく、粒径分布が狭く比較的球径で
自由流動性の良好な超高分子量ポリエチレンが高活性に
得られる。
(2)粒子にフイブリルの生成がなく溶剤に溶解しやす
い超高分子量ポリエチレンが得られる。
(3)上記(1)、(2)の特長を有することから、ゲ
ル紡糸法により超高分子量ポリエチレン繊維を製造する
にあたり、溶剤の必要量が少なく、しかも均一なゲルを
製造するのに好適である。
以下、本発明について詳述する。
本発明に使用されるハロゲン化マグネシウムとしては
実質的に無水のものが用いられフツ化マグネシウム、塩
化マグネシウム、臭化マグネシウム、ヨウ化マグネシウ
ムがあげられるがとくに塩化マグネシウムが好ましい。
本発明に使用される一般式Al(OR)(ここでRは炭
素数1〜4のアルキル基である)で表わされる化合物と
しては、アルミニウムトリメトキシド、アルミニウムト
リエトキシド、アルミニウムトリn−プロポキシド、ア
ルミニウムトリイソプロポキシド、アルミニウムトリn
−ブトキシド、アルミニウムトリsec−ブトキシド、ア
ルミニウムトリt−ブトキシドがあげられるがとくにア
ルミニウムトリメトキシド、アルミニウムトリエトキシ
ドが好ましい。
本発明に使用される4価のチタン化合物としては具体
的には一般式Ti(OR)nX4-n(ここでRは炭素数1〜20の
アルキル基、アリール基またはアラルキル基を示し、X
はハロゲン原子を示す。nは0≦n≦4である。)で示
されるものが好ましく、具体的には四塩化チタン、四臭
化チタン、四ヨウ化チタン、モノメトキシトリクロロチ
タン、ジメトキシジクロロチタン、トリメトキシモノク
ロロチタン、テトラメトキシチタン、モノエトキシトリ
クロロチタン、ジエトキシジクロロチタン、トリエトキ
シモノクロロチタン、テトラエトキシチタン、モノイソ
プロポキシトリクロロチタン、ジイソプロポキシジクロ
ロチタン、トリイソプロポキシモノクロロチタン、テト
ライソプロポキシチタン、モノブトキシトリクロロチタ
ン、ジブトキシジクロロチタン、モノペントキシトリク
ロロチタン、モノフエノキシトリクロロチタン、ジフエ
ノキシジクロロチタン、トリフエノキシモノクロロチタ
ン、テトラフエノキシチタン等を挙げることができる。
本発明においては、これらの成分を共粉砕したのち、
電子供与体化合物に溶解させ、ついで不活性有機溶媒に
より沈澱および/または析出させることによつて得られ
る物質を固体触媒成分として用いる。
共粉砕は、ハロゲン化マグネシウム、上記アルミニウ
ム化合物および4価のチタン化合物を同時に粉砕しても
よいし、ハロゲン化マグネシウムとアルミニウム化合物
を共粉砕し、しかるのち4価のチタン化合物を加えて粉
砕してもよい。もちろんこれらの操作は非活性ガス雰囲
気中で行なうのが望ましく、また湿気はできる限り避け
るのが好ましい。
ハロゲン化マグネシウムとアルミニウム化合物との混
合割合は、アルミニウム化合物の量が余りに少なすぎて
もまた逆にあまりにも多すぎても重合活性は低下する傾
向にあり、通常Mg/Alモル比が1/0.01〜1/1の範囲内であ
り、好ましくは1/0.05〜1/0.5の範囲が望ましい。
またTi化合物の量は生成固体中に含まれるTi量が0.5
〜10重量%の範囲内になるように調節するのが最も好ま
しく、1〜8重量%の範囲がとくに望ましい。共粉砕に
用いる装置はとくに限定はされないが、通常ボールミ
ル、振動ミル、ロツドミル、衝撃ミルなどが使用されそ
の粉砕方式に応じての混合順序、粉砕時間、粉砕温度な
どの条件は当業者にとつて容易に定められるものであ
る。
また、本発明における電子供与体化合物としては、ハ
ロゲン化マグネシウム化合物、有機アルミニウム化合
物、4価のチタン化合物とが全て可溶な液体の有機化合
物が用いられる。
これらの電子供与体化合物としては、アルコール、エ
ーテル、ケトン、アルデヒド、有機酸、有機酸エステ
ル、酸ハライド、酸アミド、アミン、ニトリル等を挙げ
ることができる。これらの具体例は、以下のものが例示
される。
アルコールとしては、メチルアルコール、エチルアル
コール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコ
ール、アリルアルコール、n−ブチルアルコール、イソ
ブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、t−ブチ
ルアルコール、n−アミルアルコール、n−ヘキシルア
ルコール、シクロヘキシルアルコール、デシルアルコー
ル、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、セチ
ルアルコール、ステアリルアルコール、オレイルアルコ
ール、ベンジルアルコール、ナフチルアルコール、フエ
ノール、クレゾール等の炭素数1〜18のアルコールがあ
げられる。
エーテルとしては、ジメチルエーテル、ジエチルエー
テル、ジブチルエーテル、イソアミルエーテル、アニソ
ール、フエネトール、ジフエニルエーテル、フエニルア
リルエーテル、ベンゾフラン、テトラハイドロフランな
どの炭素数2〜20のエーテルがあげられる。
ケトンとしてはアセトン、メチルエチルケトン、メチ
ルイソブチルケトン、メチルフエニルケトン、エチルフ
エニルケトン、ジフエニルケトンなどの炭素数3〜18の
ケトンをあげることができる。
アルデヒドとしては、アセトアルデヒド、プロピオン
アルデヒド、オクチルアルデヒド、ベンズアルデヒド、
ナフトアルデヒドなどの炭素数2〜15のアルデヒドをあ
げることができる。
有機酸としては、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、
吉草酸、ピバリン酸、カプロン酸、カプリル酸、ステア
リン酸、シユウ酸、マロン酸、コハク酸、アジピン酸、
メタクリル酸、安息香酸、トルイル酸、アニス酸、オレ
イン酸、リノール酸、リノレン酸などの炭素数1〜24の
有機酸をあげることができる。
有機酸エステルとしては、ギ酸メチル、酢酸メチル、
酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸オクチル、プロピオン
酸エチル、酪酸メチル、吉草酸エチル、メタクリル酸メ
チル、安息香酸メチル、安息香酸エチル、安息香酸プロ
ピル、安息香酸オクチル、安息香酸フエニル、安息香酸
ベンジル、o−メトキシ安息香酸エチル、p−メトキシ
安息香酸エチル、p−エトキシ安息香酸ブチル、p−ト
ルイル酸メチル、p−トルイル酸エチル、p−エチル安
息香酸エチル、サリチル酸メチル、サリチル酸フエニ
ル、ナフトエ酸メチル、ナフトエ酸エチル、アニス酸エ
チルなどの炭素数2〜30の有機酸エステルがあげられ
る。
酸ハライドとしては、アセチルクロリド、ベンジルク
ロリド、トルイル酸クロリド、アニス酸クロリドなどの
炭素数2〜15の酸ハライドがあげられる。
酸アミドとしては、酢酸アミド、安息香酸アミド、ト
ルイル酸アミドなどがあげられる。
アミンとしては、メチルアミン、エチルアミン、ジエ
チルアミン、トリブチルアミン、ピペリジン、トリベン
ジルアミン、アニリン、ピリジン、ピコリン、テトラメ
チレンジアミンなどのアミン類があげられる。
ニトリルとしては、アセトニトリル、ベンゾニトリ
ル、トルニトリルなどのニトリル類があげられる。
これらの電子供与体は1種あるいは2種以上用いるこ
とができる。
これらの電子供与体の中では、有機酸エステルまたは
エーテルが特に好ましい。
溶解方法は特に制限されなく、電子供与体中に共粉砕
物を加えてもよく、また、共粉砕物中に電子供与体を加
えてもよい。
溶解時における共粉砕物と電子供与体との量比は、通
常、共粉砕物1gに対して電子供与体0.1〜300ml好ましく
は1〜150mlである。また、溶解時における温度は通常
−10〜300℃、好ましくは0〜150℃であり、また、溶解
時間は、共粉砕物がすべて溶解する条件下である限り何
ら制限されないが、通常1分〜50時間、好ましくは5分
〜10時間が望ましい。
共粉砕物を溶解した電子供与体の溶液より、固体触媒
成分を沈澱および/または析出させる際に用いられる不
活性炭化水素溶媒としては、通常、炭素数4〜12の飽和
脂肪族炭化水素が用いられ、それらの具体例としては、
n−ペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オク
タン、n−デカン等が挙げられる。これらの中でn−ヘ
キサン、n−オクタンが特に好ましい。
固体触媒成分を沈澱および/または析出させる方法
は、特に限定されるものではなく、共粉砕物を溶解した
電子供与体の溶液を不活性炭化水素溶媒に加えてもよ
く、また、不活性炭化水素溶媒を該溶液に加えてもよ
い。その際、用いられる不活性炭化水素溶媒の量は、共
粉砕混合物1gに対し、通常0.1〜1000ml、好ましくは1
〜500mlである。
固体触媒成分を沈澱および/または析出させる際の温
度は通常−20〜300℃、好ましくは−10〜150℃であり、
また、その際の時間は1分〜50時間、好ましくは5分〜
10時間が望ましい。
ついで、不活性炭化水素溶媒により沈澱および/また
は析出させることによつて得られた固体触媒成分を、前
記不活性炭化水素溶媒により繰り返し洗浄し、しかるの
ち、60〜130℃の温度範囲で10分〜2時間真空乾燥する
ことが望ましい。あるいは、ジエチルアルミニウムクロ
ライド等を加え、常法により処理する方法も好ましく用
いられる。
かくして得られる固体触媒成分を有機金属化合物と組
合せて超高分子量ポリエチレンの製造に使用する。
本発明に用いる有機金属化合物としては、チグラー型
触媒の一成分として知られている周期律表I〜IV族の有
機金属化合物を使用できるが、とくに有機アルミニウム
化合物および有機亜鉛化合物が好ましい。具体的な例と
しては、一般式R3Al、R2AlX、RAlX2、R2AlOR、RAl(O
R)XおよびR3Al2X3の有機アルミニウム化合物(ただし
Rは炭素数1〜20のアルキル基またはアリール基、Xは
ハロゲン原子を示し、Rは同一でもまた異なつていても
よい。)または一般式R2Zn(ただしRは炭素数1〜20の
アルキル基であり二者同一でもまた異なつていてもよ
い。)の有機亜鉛化合物で示されるもので、トリエチル
アルミニウム、トリイソプロピルアルミニウム、トリイ
ソブチルアルミニウム、トリsec−ブチルアルミニウ
ム、トリtert−ブチルアルミニウム、トリヘキシルアル
ミニウム、トリオクチルアルミニウム、ジエチルアルミ
ニウムクロリド、ジイソプロピルアルミニウムクロリ
ド、ジエチルアルミニウムエトキシド、エチルアルミニ
ウムセスキクロリド、ジエチル亜鉛およびこれらの混合
物等があげられる。好ましくは、トリエチルアルミニウ
ムとジエチルアルミニウムクロリドとの併用が望まし
い。
有機金属化合物の使用量はとくに制限はないが通常チ
タン化合物に対して0.1〜1000mol倍使用することができ
る。
本発明においては、有機金属化合物成分は、前記有機
金属化合物と有機酸エステルとの混合物もしくは付加化
合物として用いることができる。
有機金属化合物と有機酸エステルを混合物として用い
る場合には、有機金属化合物1モルに対して、有機酸エ
ステルを通常0.1〜1モル、好ましくは0.2〜0.5モル使
用する。また、有機金属化合物と有機酸エステルとの付
加化合物として用いる場合は、有機金属化合物:有機酸
エステルのモル比が2:1〜1:2のものが好ましい。
この時に用いられる有機酸エステルとは、炭素数が1
〜24の飽和もしくは不飽和の一塩基性ないし二塩基性の
有機カルボン酸と炭素数1〜30のアルコールとのエステ
ルである。具体的には、ギ酸メチル、酢酸エチル、酢酸
アミル、酢酸フエニル、酢酸オクチル、メタクリル酸メ
チル、ステアリン酸エチル、安息香酸メチル、安息香酸
エチル、安息香酸n−プロピル、安息香酸イソ−プロピ
ル、安息香酸ブチル、安息香酸ヘキシル、安息香酸シク
ロペンチル、安息香酸シクロヘキシル、安息香酸フエニ
ル、安息香酸−4−トリル、サリチル酸メチル、サリチ
ル酸エチル、p−オキシ安息香酸メチル、p−オキシ安
息香酸エチル、サリチル酸フエニル、p−オキシ安息香
酸シクロヘキシル、サリチル酸ベンジル、α−レゾルシ
ン酸エチル、アニス酸メチル、アニス酸エチル、アニス
酸フエニル、アニス酸ベンジル、p−エトキシ安息香酸
メチル、p−トルイル酸メチル、p−トルイル酸エチ
ル、p−トルイル酸フエニル、o−トルイル酸エチル、
m−トルイル酸エチル、p−アミノ安息香酸メチル、p
−アミノ安息香酸エチル、安息香酸ビニル、安息香酸ア
リル、安息香酸ベンジル、ナフトエ酸メチル、ナフトエ
酸エチルなどを挙げることができる。
これらの中でも特に好ましいのは安息香酸、o−また
はp−トルイル酸またはアニス酸のアルキルエステルで
あり、とくにこれらのメチルエステル、エチルエステル
が好ましい。
本発明は上記触媒を用い超高分子量ポリエチレンを次
の通り製造する。なお、本発明で製造する超高分子量ポ
リエチレンとは、分子量60万〜1200万、好ましくは90万
〜600万、さらに好ましくは120万〜500万のものであ
り、135℃デカリン中における極限粘度が6〜50dl/g、
好ましくは8〜30dl/g、さらに好ましくは9〜28dl/gに
相当するものである。
本発明において超高分子量ポリエチレンを得るための
重合はスラリー重合、溶液重合または気相重合にて行う
ことができる。特に本発明の触媒はスラリー重合に好適
に用いることができ、重合反応は通常のチグラー型触媒
によるオレフインの重合反応と同様にして行われる。す
なわち反応はすべて実質的に酸素、水などを絶つた状態
で不活性炭化水素の存在下、水素濃度0〜20モル%、好
ましくは0〜10モル%のエチレンを重合させ、超高分子
量ポリエチレンを生成させる。このときの重合条件は温
度は0ないし120℃、好ましくは20ないし100℃であり、
圧力は0ないし70kg/cm2・G好ましくは0ないし60kg/c
m2・Gで実施する。不活性炭化水素としては、ブタン、
ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキ
サン等の飽和炭化水素や、ベンゼン、トルエン、キシレ
ン等の芳香族炭化水素などを挙げることができ、さら
に、得られる超高分子量ポリエチレンの成形加工の必要
によつてはデカリン、テトラリン、デカン、灯油等高沸
点の有機溶媒も挙げることができる。
分子量の調節は重合温度、触媒のモル比などの重合条
件を変えることによつてもある程度調節できるが重合系
中に水素を添加することにより効果的に行なわれる。も
ちろん、本発明の触媒を用いて、水素濃度、重合温度な
ど重合条件の異なつた2段階ないしそれ以上の多段階の
重合反応も何ら支障なく実施できる。
また、本発明の超高分子量ポリエチレンの改質を目的
として、α−オレフイン類またはジエン類との共重合を
行うこともできる。このとき用いられるα−オレフイン
としては、例えばプロピレン、ブテン−1、ヘキセン−
1、4−メチルペンテン−1等を挙げることができる。
また、ジエンとしては、例えば、ブタジエン、1,4−ヘ
キサジエン、エチリノルボルネン、ジシクロペンタジエ
ン等が挙げられる。
〈発明の効果〉 以上のような本発明の方法により、平均粒径が小さ
く、粒径分布が狭く、自由流動性が良好であり、かつ粒
子にフイブリルの生成がなく、溶剤に溶解し易い超高分
子量ポリエチレンを得ることができる。
〈実施例〉 以下実施例によつて本発明を具体的に説明するが、本
発明はこれらに限定されるものではない。
実施例 1 (イ)触媒の製造 市販の無水塩化マグネシウム(HCl気流下中350℃20hr
処理した)9.5g(0.1mol)、アルミニウムエトキシド4.
1g(0.025mol)および四塩化チタン0.83gを1/2インチ直
径を有するステンレススチール製ボールが25個入つた内
容積400mlのステンレススチール製ポツトに入れ、窒素
雰囲気下で室温で16時間ボールミリングを行つた。ボー
ルミリング後得られた白色固体粉末1gはチタンを42.1mg
担持していた。
窒素雰囲気下で上記白色粉末2gを三口フラスコに入
れ、テトラハイドロフラン(THF)20mlを加えて30℃に
て1時間攪拌し白色粉末を溶解した。窒素雰囲気下で別
の三口フラスコにヘキサン100mlを加えて攪拌下にTHFに
溶解した白色粉末の全量をヘキサン中に滴下し30℃にて
攪拌を30分行ない固体触媒成分を析出させた後、ヘキサ
ン50mlで4回洗浄をくりかえした。ヘキサン洗浄後上澄
ヘキサンを除き120℃で1時間真空乾燥を行ない固体触
媒成分を得た。
(ロ)エチレンの重合 窒素雰囲気下、室温で2lオートクレーブにヘキサン10
00ml、トリエチルアルミニウム10mmol、および上記固体
触媒成分10mgをこの順で加えた後、65℃に昇温しエチレ
ンを圧入して全圧を10kg/cm2・Gに保つて1時間重合を
行なつた。超高分子量ポリエチレンを得た。触媒活性
は、2500gポリエチレン/g固体触媒・hr・C2H4圧であつ
た。
(ハ)物性評価 生成した超高分子量ポリエチレンについて常法により
物性評価した結果、かさ密度0.32g/cm3、極限粘度(135
℃、デカリン中)16.1dl/g、平均粒径260μmでしか
も、自由流動性が良好であり、電子顕微鏡3000倍により
観察した結果、フイブリルは何ら認められなかつた。
なお、有機溶媒に対する溶解性は、デカリン中135℃
におけるポリマーの極限粘度のバラつきをもつて評価し
た。すなわち得られた重合体0.02gをデカリン20mlに加
え、さらに酸化防止剤としてジターシヤリーブチルヒド
ロキシトルエンを重合体に対して0.25wt%の割合で加
え、140℃の恒温槽で3時間保持し、その後135℃の粘度
測定用恒温槽で1時間保持した後135℃で粘度を測定し
た。粘度測定は、粘度計にポリマー溶液20mlを移し落下
秒数を3回測定しその後デカリンを10ml加え同様の操作
をくり返した後、更にデカリンを10ml加え同様の操作を
くり返した。その後新たなポリマー溶液に交換し、再び
同様の方法で落下秒数を測定した。この操作を5回くり
返し、落下秒数の平均値より各回の〔η〕を算出しその
バラつきの度合として標準偏差/平均値(CV値%)を算
出した。これにより算出したCV値は2.5%であり、溶解
性は極めて良好であつた。
これらの物性評価結果を表1に記載した。
実施例 2 実施例1においてアルミニウムエトキシド量4.1gを1.
0gかえ、溶媒のTHF量10mlを100mlにかえた以外は同様に
実験を行なつた。得られたポリエチレンの物性評価結果
を表1に記載した。
実施例 3 実施例1においてアルミニウムエトキシド4.1gをアル
ミニウムメトキシド2.0gにかえて、溶媒のTHFを酢酸エ
チル50mlに変え、不活性炭化水素溶媒のヘキサン量100m
lを200mlにかえた以外は同様に実験を行なつた。得られ
たポリエチレンの物性評価結果を表1に記載した。
実施例 4. (イ)触媒の製造 市販の無水塩化マグネシウム9.5g、アルミニウムエト
キシド2.0gおよびテトラエトキシチタン2gを1/2インチ
直径を有するステンレススチール製ボールが25個入つた
内容積400mlのステンレススチール製ポツトに入れ、窒
素雰囲気下で室温で16時間ボールミリングを行つた。ボ
ールミリング後得られた白色固体粉末1gはTiを42.1mg担
持していた。
窒素雰囲気下で上記白色粉末2gを三口フラスコに入
れ、THF50mlを加えて30℃にて1時間攪拌し白色粉末を
溶解した。窒素雰囲気下で別の三口フラスコにヘプタン
100mlを加えて攪拌下にTHFに溶解した白色粉末を全量を
ヘキサン中に滴下し30℃にて攪拌を30分行ない固体触媒
成分を析出させた後、ヘキサン50mlで4回洗浄をくりか
えした。ヘキサン洗浄後上澄ヘキサンを除き120℃で1
時間真空乾燥を行ない固体触媒成分を得た。
(ロ)エチレンの重合 窒素雰囲気下、室温で2lオートクレーブにヘキサン10
00ml、トリエチルアルミニウム1.0mmol、ジエチルアル
ミニウムモノクロライド1.0mmol、および上記固体触媒
成分10mgをこの順で加えた後、85℃に昇温しエチレンを
圧入して全圧を10kg/cm2・Gに保つて1時間重合を行つ
た。超高分子量ポリエチレンを得た。触媒活性は、2000
gポリエチレン/g固体触媒・hr・C2H4圧であつた。
(ハ)物性評価 生成した超高分子量ポリエチレンについて、実施例1
と同様に特性評価した結果を表1に記載した。
実施例 5. 実施例1において、アルミニウムエトキシドをアルミ
ニウムセカンダリーブトキシド1gにかえ、四塩化チタン
量を1.6gにかえ、不活性炭化水素溶媒のヘキサン量を50
mlにかえた以外は同様に実験を行なつた。得られたポリ
エチレンの物性評価結果を表1に記載した。
実施例 6. 実施例1において、アルミニウムエトキシド量を0.5g
にかえ、不活性炭化水素溶媒のヘキサン量を20mlにか
え、重合温度を55℃にかえた以外は同様に実験を行なつ
た。得られたポリエチレンの物性評価結果を表1に記載
した。
比較例 1. 実施例1において、固体触媒成分を溶解、析出させな
いこと以外は同様に実験を行なつた。得られたポリエチ
レンの物性評価結果を表1に記載した。
比較例 2. 実施例1において、アルミニウムエトキシドを加えな
いこと以外は同様に実験を行なつた。得られたポリエチ
レンの物性評価結果を表1に記載した。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の触媒成分の調製工程を示すフローチヤ
ート図である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】固体触媒成分と有機金属化合物とを触媒と
    して、超高分子量ポリエチレンを製造する方法におい
    て、該固体触媒成分が (1)ハロゲン化マグネシウム、 (2)一般式Al(OR)(式中、Rは炭素数1〜4のア
    ルキル基を示す)で表わされる有機アルミニウム化合
    物、および (3)4価のチタン化合物 からなる成分を共粉砕し、液状電子供与体化合物に溶解
    させたのち、不活性炭化水素溶媒により沈澱および/ま
    たは析出させることによつて得られる物質であることを
    特徴とする超高分子量ポリエチレンの製造方法。
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