JPH10175901A - 含フッ素エーテル化合物及びそれからなるゲル化剤 - Google Patents

含フッ素エーテル化合物及びそれからなるゲル化剤

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JPH10175901A
JPH10175901A JP9283650A JP28365097A JPH10175901A JP H10175901 A JPH10175901 A JP H10175901A JP 9283650 A JP9283650 A JP 9283650A JP 28365097 A JP28365097 A JP 28365097A JP H10175901 A JPH10175901 A JP H10175901A
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靖之 藤井
Hideko Tamura
英子 田村
Shinji Yano
真司 矢野
Hisakazu Furugaki
久和 古垣
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 フッ素の有する機能を持ち、しかも各種条件
下において安定で、他の溶剤等との相溶性にも優れた、
溶剤、化粧料、洗浄剤、乳化剤、表面処理剤、潤滑剤、
さらには半導体/エレクトロニクス分野などの潤滑剤あ
るいは油剤として広範囲に使用可能な新規含フッ素化合
物の提供。 【解決手段】 一般式(1)で表される含フッ素エーテ
ル化合物及びそれからなるゲル化剤。 Rf-(CH2)n-O-R1 (1) (式中、Rfは直鎖又は分岐の炭素数1〜20のパーフルオ
ロアルキル基を示し、R1は直鎖又は分岐の炭素数11〜20
のアルキル基を示す。nは1〜8の数を示す。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規含フッ素エー
テル化合物及びそれからなるゲル化剤に関する。さらに
詳しくは、溶剤、化粧料、洗浄剤、乳化剤、表面処理
剤、潤滑剤、さらには半導体/エレクトロニクス分野な
どの潤滑剤あるいは油剤として広範囲に使用可能な新規
含フッ素エーテル化合物及びそれからなる油や有機溶剤
のゲル化剤に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来、
化粧料、洗浄剤、潤滑剤等の油剤として汎用されている
液体油剤としては、動植物あるいは化学合成によって得
られるエステル類(油脂等)、炭化水素類が知られてい
る。このような汎用液体油剤が持つべき理想的な性質と
して、 (1) 臭い、色がないこと (2) 経時的に着色したり、変臭しないこと (3) 感触が優れていること (4) 粘度が適度に低いこと 等が挙げられる。しかし、エステル類については、水と
接触すると加水分解を生じたり、また感触的にも油性感
があって好ましくなく、炭化水素類は安定性に優れてい
るが、多分岐構造を有するのがほとんどであり、そのた
め粘度が高く好ましくない。このように、現在まで知ら
れている液体油剤中では前記の性質をすべて満足するも
のは見当たらない。
【0003】一方、フッ素原子を含有する有機化合物
が、フッ素の有する機能、例えば、撥水撥油性、低吸水
性、電気絶縁性等を有するために、化粧料、洗浄剤、潤
滑剤等の油剤として知られている。これらの中で、例え
ば、エステル結合を有するものは、耐加水分解性に問題
があり、またポリオキシアルキレン鎖を有するものや水
素原子がすべてフッ素原子に置換されたパーフルオロポ
リエーテル類は、他の溶剤等との相溶性に問題がある。
【0004】従って、本発明の目的は、フッ素の有する
機能を持ち、しかも各種条件下において安定で、他の溶
剤等との相溶性にも優れた、溶剤、化粧料、洗浄剤、乳
化剤、表面処理剤、潤滑剤、さらには半導体/エレクト
ロニクス分野などの潤滑剤あるいは油剤として広範囲に
使用可能な新規含フッ素化合物を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決すべく鋭意研究の結果、新規含フッ素エーテル化
合物を見いだし本発明を完成するに到った。すなわち、
本発明は、一般式(1)で表される含フッ素エーテル化
合物及びそれからなるゲル化剤を提供するものである。
【0006】Rf-(CH2)n-O-R1 (1) (式中、Rfは直鎖又は分岐の炭素数1〜20のパーフルオ
ロアルキル基を示し、R1は直鎖又は分岐の炭素数11〜20
のアルキル基を示す。nは1〜8の数を示す。)
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を詳細
に説明する。
【0008】本発明の前記一般式(1)で表される含フ
ッ素エーテル化合物において、Rfは直鎖又は分岐の炭素
数1〜20のパーフルオロアルキル基を示すが、直鎖又は
分岐の炭素数4〜20のパーフルオロアルキル基が好まし
く、特に直鎖又は分岐の炭素数8〜20のパーフルオロア
ルキル基が好ましい。またR1は直鎖又は分岐の炭素数11
〜20のアルキル基を示すが、直鎖又は分岐の炭素数12〜
18のアルキル基が好ましい。またnは1〜8の数を示す
が、1〜6が好ましく、更に1〜4、特に2が好まし
い。
【0009】本発明の前記一般式(1)で表される含フ
ッ素エーテル化合物は、一般式(2) Rf-(CH2)n-O-H (2) (式中、Rf及びnは前記の意味を示す。)で表される含
フッ素ヒドロキシ化合物と、一般式(3)
【0010】
【化1】
【0011】(式中、R2及びR3は同一又は異なって、水
素原子又は炭素数1〜20のアルキル基を示す。但し、R2
とR3の合計炭素数は10〜19である。)で表されるカルボ
ニル化合物又はその重合体を触媒存在下、水素雰囲気中
で反応させることにより製造することができる。
【0012】一般式(2)で表される含フッ素ヒドロキ
シ化合物としては、炭素数1〜20の直鎖又は分岐のアル
キル基の水素原子の少なくとも1つがフッ素原子で置換
されたパーフルオロアルキル基を有する炭素数1〜8の
直鎖アルコールが挙げられ、これらの具体例としては、
2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロパノール、2
−(パーフルオロヘキシル)エタノール、2−(パーフ
ルオロオクチル)エタノール、2−(パーフルオロデシ
ル)エタノール、6−(パーフルオロエチル)ヘキサノ
ール、6−(パーフルオロブチル)ヘキサノール、6−
(パーフルオロヘキシル)ヘキサノール、6−(パーフ
ルオロオクチル)ヘキサノール、2,2,3,4,4,
4−ヘキサフルオロブタノール、2,2,3,3−テト
ラフルオロプロパノール、1H,1H,5H−オクタフ
ルオロペンタノール、1H,1H,7H−ドデカフルオ
ロヘプタノール、1H,1H,9H−ヘキサデカフルオ
ロノナノール等の直鎖含フッ素アルコール類、2−(パ
ーフルオロ−3−メチルブチル)エタノール、2−(パ
ーフルオロ−5−メチルヘキシル)エタノール、2−
(パーフルオロ−7−メチルオクチル)エタノール、2
−(パーフルオロ−9−メチルドデシル)エタノール、
6−(パーフルオロ−1−メチルエチル)ヘキサノー
ル、2−(パーフルオロ−3−メチルブチル)ヘキサノ
ール、6−(パーフルオロ−5−メチルヘキシル)ヘキ
サノール、6−(パーフルオロ−7−メチルオクチル)
ヘキサノール等の分岐含フッ素アルコール類などが挙げ
られるが、必ずしもこれらに限定されるものではない。
これらの含フッ素ヒドロキシル化合物の中では2−(パ
ーフルオロヘキシル)エタノール、2−(パーフルオロ
オクチル)エタノール、2−(パーフルオロデシル)エ
タノールが好ましい。
【0013】また、一般式(3)で表されるカルボニル
化合物とは、カルボニル基を有する化合物の他、酸や加
熱により容易にカルボニル基を有する化合物となるもの
も包含する。本発明に用いられる一般式(3)で表され
るカルボニル化合物としては、ウンデシルアルデヒド、
ドデシルアルデヒド、オクタデシルアルデヒド、エイコ
シルアルデヒド等が挙げられるが、必ずしもこれらに限
定されるものではない。
【0014】上記の製造法において、含フッ素ヒドロキ
シ化合物とカルボニル化合物の仕込み比は、特に限定さ
れないが、通常、含フッ素ヒドロキシ化合物/カルボニ
ル化合物(モル比)=30/1〜1/30が好ましく、特に
20/1〜1/20、更に特に10/1〜1/10が好ましい。
含フッ素ヒドロキシ化合物が低分子量で容易に除去でき
るものであれば、含フッ素ヒドロキシ化合物を過剰に用
いてカルボニル化合物をすべて反応させるのが好まし
い。また、含フッ素ヒドロキシ化合物が分子量が大き
く、さらには常温等で固化するものであれば、カルボニ
ル化合物を過剰に用い、除去しにくい含フッ素ヒドロキ
シ化合物をすべて反応させるのが好ましい。含フッ素ヒ
ドロキシ化合物/カルボニル化合物のモル比が上記範囲
以外でも収率にはそれほど影響を与えないが、経済的で
はない。
【0015】本発明において、含フッ素ヒドロキシ化合
物とカルボニル化合物を反応させる際に用いられる触媒
としては、水素化能を有するものであれば特に限定され
ないが、パラジウム触媒;水酸化パラジウム、酸化パラ
ジウム等のパラジウム化合物;ルテニウム、ロジウムあ
るいは白金触媒;酸化ルテニウム、酸化ロジウム、酸化
白金等が挙げられる。また、イリジウム、オスミウム、
レニウム等の触媒も用いることができる。これらの触媒
は、カーボン、アルミナ、シリカアルミナ、シリカ、ゼ
オライト等の担体に適度に担持されていてもよい。これ
らの触媒の中で、好ましくはパラジウム系触媒、更に好
ましくはカーボン、アルミナ、シリカアルミナ、シリカ
もしくはゼオライトに担持されたパラジウム触媒、水酸
化パラジウム又は酸化パラジウムであり、特にカーボン
に担持されたパラジウム触媒が好ましい。
【0016】本発明において触媒は、通常カーボン、ア
ルミナ等の担体に対して2〜10重量%の割合で担持して
使用するが、担体に担持せずにそのまま使用しても構わ
ない。また、20〜60重量%程度の含水品であっても構わ
ない。触媒は、例えば担体に対して5重量%担持された
ものであれば、使用する含フッ素ヒドロキシ化合物ある
いはカルボニル化合物に対して 0.1〜10重量%使用する
のが好ましい。 0.1重量%より少なくても反応は進行す
るが、反応は遅く好ましくない。また、10重量%より多
く用いても反応は速いが、逆に副反応も進行し好ましく
ない。さらに好ましくは0.5 〜5重量%である。触媒は
すべてのpH領域で使用できるが、好ましくはpH8〜
2、更に好ましくはpH 7.5〜3の触媒がよい。ここで
いう触媒のpHとは、イオン交換水30gに触媒粉末2g
を分散させた時の水溶液のpHをいう。
【0017】本発明においては、含フッ素ヒドロキシ化
合物とカルボニル化合物を水素雰囲気中で反応させる
が、水素圧は特に限定されず、加圧下又は大気圧下のい
ずれでもよく、1(大気圧)〜300kg/cm2 が好ましく、
1(大気圧)〜200kg/cm2 が特に好ましい。尚、カルボ
ニル化合物がアルデヒド類の時は、アルデヒド類を反応
系に滴下しながら反応させることが好ましい。アルデヒ
ド類を反応系に滴下しながら反応させることにより、ア
ルデヒド類の副反応(アルドール化)を避けることがで
き、高収率で含フッ素エーテル化合物を得ることができ
る。またアルデヒド類の添加量を減少させることがで
き、通常含フッ素ドロキシル化合物に対して1〜2倍当
量で反応を完結させることができる。
【0018】アルデヒド類を反応系に滴下する方法は特
に限定されないが、0.5 〜20時間で連続的及び/又は断
続的に反応系に滴下することが好ましい。アルデヒド類
の滴下速度は反応のスケールに応じ適宜選べばよいが、
例えば 0.5リットルのスケールでは、 0.1〜180 g/hr
が好ましく、 0.6〜60g/hrが更に好ましい。
【0019】また、本発明において、含フッ素ヒドロキ
シ化合物とカルボニル化合物を反応させる際の反応温度
は特に限定されないが、10〜200 ℃が好ましく、30〜18
0 ℃が特に好ましい。反応時間は、反応温度、水素圧、
触媒量などによって適宜選べばよいが、通常1〜24時
間、好ましくは1〜12時間である。
【0020】本反応においては、目的とする含フッ素エ
ーテル化合物とともに等モルの水を生成するが、この生
成した水を除去しながら反応を行うと、反応が促進され
好ましい。具体的に水を除去する方法としては、脱水剤
の存在下に反応を行うことにより水を除去する方法、水
素等の気体を流通させながら水を除去する方法、共沸脱
水等により水を留去する方法等の方法が挙げられる。こ
れらの方法の中では脱水剤の存在下に反応を行うことに
より水を除去する方法、あるいは水素を流通させながら
水を除去する方法が好ましく、特に脱水管を備えた反応
装置を用い水素を流通させながら反応により副生する水
を系外に除去し、かつ未反応原料のみを系内に戻す方法
が好ましい。
【0021】脱水剤の存在下に反応を行うことにより水
を除去する方法において、用いられる脱水剤の具体例と
しては、無水硫酸マグネシウム、無水硫酸ナトリウム、
無水硫酸カルシウム、無水塩化カルシウム、モレキュラ
ーシーブ等が挙げられるが、この中で無水硫酸マグネシ
ウム、無水硫酸ナトリウムが好ましく、無水硫酸マグネ
シウムが最も好ましい。脱水剤の量は使用する脱水剤の
種類により異なるが、例えば無水硫酸マグネシウムを用
いた場合、含フッ素ヒドロキシ化合物に対して、0.05〜
2倍モルが、さらには 0.1〜1倍モルが好ましい。
【0022】また、水素を流通させながら水を系外に除
去する方法において、水素の流通量は、反応スケールに
応じて適宜選べばよいが、例えば、70ミリリットルのス
ケールでは 0.7〜2100ミリリットル/min が好ましく、
0.7〜700 ミリリットル/minが更に好ましい。また、水
素の流通は反応中連続的に行ってもよいし、断続的に行
ってもよいが、反応をスムースに進行させるためには連
続的な流通が好ましい。また、反応系内に流通させた水
素はそのまま大気中へ放出しても構わないが、水素を有
効に使用するためには、系外に出た水素を循環ライン等
で再度系内に戻して流通させ、循環させながら反応に利
用するのが効率的で好ましい。更に、水と共に未反応原
料が同時に系外に除去される場合には、未反応原料のみ
を系内に再び戻すことが好ましい。
【0023】また、本発明の反応においては、場合によ
っては反応に全く悪影響を及ぼさない溶媒を用いて反応
を行ってもよい。反応に全く悪影響を及ぼさない溶媒と
しては、ヘキサン、ヘプタン、オクタン等の炭化水素系
溶媒が挙げられるが、必ずしもこれらに限定されるもの
ではない。反応に全く悪影響を及ぼさない溶媒を用いる
場合の溶媒の使用量は、特に限定されないが、反応液に
対して 0.5〜2倍容量が好ましい。
【0024】本発明の含フッ素エーテル化合物は、フッ
素油等との相溶性が良好で、ゲル化能に優れる。またエ
ーテル化合物であるため耐加水分解性もあり、かつフッ
素の有する機能も兼ね備えており、溶剤、化粧料、洗浄
剤、乳化剤、表面処理剤、潤滑剤、さらには半導体/エ
レクトロニクス分野などの潤滑剤あるいは油剤等として
広範囲に使用可能である。また、本発明の含フッ素エー
テル化合物は、化粧品に用いられるエタノール等の有機
溶剤や、エステル油、シリコーン油等の油剤のゲル化
能、特にファンデーション等に配合するフッ素油剤のゲ
ル化能に優れている。従って、本発明の含フッ素エーテ
ル化合物は、ゲル化剤として特に有用である。
【0025】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明をより詳細に説
明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるもので
はない。
【0026】実施例1 下記式(4)で表されるドデシル{2−(パーフルオロ
オクチル)エチル}エーテルの製造
【0027】
【化2】
【0028】水素ガス導入管及び攪拌装置を備えた70ml
のオートクレーブに2−(パーフルオロオクチル)エタ
ノール13.9g(0.03モル)、ドデシルアルデヒド22.1g
(0.12モル)、触媒として5%Pd−C(pH 6.8) 0.
30g、脱水剤として無水硫酸マグネシウム1.20g(0.01
モル)を仕込み、水素圧10kg/cm2下、150 ℃で7時間攪
拌を行った。
【0029】反応終了後、濾過により触媒および硫酸マ
グネシウムを除去し、減圧にて過剰のドデシルアルデヒ
ドを除去することにより、目的のドデシル{2−(パー
フルオロオクチル)エチル}エーテル18.0g(0.028 モ
ル)を、無色透明な液体として得た。単離収率は95%で
あった。
【0030】1H−NMR(δ:ppm ,CDCl3) 0.70 (3重線,3H:a) 0.90〜1.25(幅広い1重線,18H:b) 1.25〜1.50(複雑な多重線,2H:c) 2.05〜2.44(複雑な多重線,2H:d) 3.26 (3重線,2H:e) 3.52 (3重線,2H:f) bp 130 ℃/0.4Torr 実施例2 下記式(5)で表されるドデシル{2−(パーフルオロ
デシル)エチル}エーテルの製造
【0031】
【化3】
【0032】2−(パーフルオロオクチル)エタノール
の代わりに2−(パーフルオロデシル)エタノール16.9
g(0.03モル)を用い、5%Pd−C(pH 6.8) の添
加量を 0.34 gとする以外は実施例1と同様にして反応
させて、目的のドデシル{2−(パーフルオロデシル)
エチル}エーテル21.1g(0.029 モル)を白色固体とし
て得た。単離収率は96%であった。
【0033】1H−NMR(δ:ppm ,CDCl3) 0.70 (3重線,3H:a) 0.90〜1.25(幅広い1重線,18H:b) 1.27〜1.50(複雑な多重線,2H:c) 2.05〜2.40(複雑な多重線,2H:d) 3.28 (3重線,2H:e) 3.54 (3重線,2H:f) bp 149 ℃/0.4Torr mp 40℃ 実施例3 下記式(6)で表されるドデシル{2−(パーフルオロ
ヘキシル)エチル}エーテルの製造
【0034】
【化4】
【0035】水素ガス導入管及び攪拌装置を備えた70ml
のオートクレーブに2−(パーフルオロヘキシル)エタ
ノール18.2g(0.05モル)、触媒として5%Pd−C
(pH7.2)1.5 gを仕込み、大気圧下、ドデシルアル
デヒド13.8g(0.075 モル)を6時間かけて滴下し、か
つ水素を15ml/minで連続的に流通しながら 105℃で8時
間攪拌を行った。反応終了後、濾過により触媒を除去
し、減圧にて過剰のドデシルアルデヒドを除去すること
により、目的のドデシル{2−(パーフルオロヘキシ
ル)エチル}エーテル25.3g(0.048 モル)を、無色透
明な液体として得た。単離収率は、95%であった。
【0036】1H−NMR(δ:ppm ,CDCl3) 0.70 (3重線,3H:a) 0.90〜1.25(幅広い1重線,18H:b) 1.25〜1.50(複雑な多重線,2H:c) 2.05〜2.48(複雑な多重線,2H:d) 3.25 (3重線,2H:e) 3.50 (3重線,2H:f) bp 109 ℃/0.4Torr 実施例4 下記式(7)で表されるオクタデシル{2−(パーフル
オロデシル)エチル}エーテルの製造
【0037】
【化5】
【0038】水素ガス導入管及び攪拌装置を備えた70ml
のオートクレーブに2−(パーフルオロデシル)エタノ
ール16.9g(0.03モル)、触媒として5%Pd−C(p
H 7.2)0.85gを仕込み、水素圧 1.5kg/cm2下、オクタ
デシルアルデヒド12.1g(0.045 モル)を6時間かけて
滴下し、かつ水素を15ml/minで連続的に流通しながら15
0℃で9時間攪拌を行った。反応終了後、濾過により触
媒を除去し、減圧にて過剰のオクタデシルアルデヒドを
除去することにより、目的のオクタデシル{2−(パー
フルオロデシル)エチル}エーテル22.8g(0.028 モ
ル)を、白色固体として得た。単離収率は、93%であっ
た。
【0039】1H−NMR(δ:ppm ,CDCl3) 0.80 (3重線,3H:a) 1.10〜1.35(幅広い1重線,30H:b) 1.35〜1.60(複雑な多重線,2H:c) 2.15〜2.50(複雑な多重線,2H:d) 3.38 (3重線,2H:e) 3.63 (3重線,2H:f) mp 61℃ 応用例 実施例1〜4で得られた本発明の含フッ素エーテル化合
物について、表1に示す各種有機溶剤及び油剤のゲル化
能を下記方法で評価した。また。下記に示す比較品1〜
3についても同様にゲル化能を評価した。結果を表1に
示す。
【0040】<ゲル化能の評価方法>各種含フッ素エー
テル化合物を、10重量%濃度で溶剤又は油剤に溶解後、
室温に1時間放置して目視にて溶液状態を観察した。
【0041】<比較品> 比較品1:デシル{2−(パーフルオロオクチル)エチ
ル}エーテル 比較品2:エチル{2−(パーフルオロヘキシル)エチ
ル}エーテル 比較品3:パーフルオロポリエーテル(商品名:フォン
ブリンHC-04 、アウジモント(株)製)
【0042】
【表1】
【0043】注) *1 エステル油:商品名エステモールN-01、日清製油
(株)製 *2 シリコーン油:商品名SH200C-6CS、東レ・ダウコー
ニングシリコーン(株)製 *3 フッ素油:商品名フォンブリンHC-04 、アウジモン
ト(株)製
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C10M 105/54 C10M 105/54 131/10 131/10 C11D 1/66 C11D 1/66 (72)発明者 古垣 久和 和歌山県和歌山市湊1334 花王株式会社研 究所内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(1)で表される含フッ素エーテ
    ル化合物。 Rf-(CH2)n-O-R1 (1) (式中、Rfは直鎖又は分岐の炭素数1〜20のパーフルオ
    ロアルキル基を示し、R1は直鎖又は分岐の炭素数11〜20
    のアルキル基を示す。nは1〜8の数を示す。)
  2. 【請求項2】 Rfが直鎖又は分岐の炭素数4〜20のパー
    フルオロアルキル基であり、nが1〜6の数である請求
    項1記載の含フッ素エーテル化合物。
  3. 【請求項3】 Rfが直鎖又は分岐の炭素数8〜20のパー
    フルオロアルキル基であり、nが1〜4の数である請求
    項1又は2記載の含フッ素エーテル化合物。
  4. 【請求項4】 nが2である請求項1〜3のいずれか一
    項に記載の含フッ素エーテル化合物。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれか一項に記載の含
    フッ素エーテル化合物からなるゲル化剤。
JP28365097A 1996-10-17 1997-10-16 含フッ素エーテル化合物及びそれからなるゲル化剤 Expired - Fee Related JP3202667B2 (ja)

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