JPH10175537A - 車体速度推定装置 - Google Patents

車体速度推定装置

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JPH10175537A
JPH10175537A JP35329796A JP35329796A JPH10175537A JP H10175537 A JPH10175537 A JP H10175537A JP 35329796 A JP35329796 A JP 35329796A JP 35329796 A JP35329796 A JP 35329796A JP H10175537 A JPH10175537 A JP H10175537A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 精度の高い車体速度を推定し得る車体速度推
定装置を提供する。可能とする。 【解決手段】 車両の前後方向加速度を検出する前後G
検出手段と、車両の横方向加速度を検出する横G検出手
段と、車両のヨーレートを検出するヨーレート検出手段
と、前記前後方向加速度、横方向加速度、ヨーレートに
基づいて車体のスリップ角を演算する車体スリップ角演
算手段と、該車体スリップ角演算手段、前記前後G検出
手段及び前記横G検出手段の出力に基づいて旋回中の車
両の旋回円の接線方向の加速度を求める接線方向加速度
演算手段と、該接線方向加速度演算手段の出力値に基づ
いて車速を演算する車速演算手段とを備えたことを特徴
とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両制動時に車輪
がロックするのを防止するアンチロックブレーキ制御装
置(ABS)や、急発進の際に駆動輪が空転するのを防
止する加速スリップ制御装置(TCL)等に用いる車体
推定速度を演算する為の車体速度推定装置に係り、特
に、車体のスリップ角、前後加速度、横加速度に基づい
て車体速度を求める車体速度推定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】例えばアンチロックブレーキ制御では、
車輪速度を車体速度に対して20%前後のスリップ率に
制御しつつ制動を行うが、アンチロックブレーキ制御中
の車体速度を推定する必要があり、従来、種々の推定技
術が採用されていた。こうした従来の車体速度の推定技
術としては、車輪の前後Gを検出し、制動開始時の車体
速度と前後Gの積分値とから車体速度を推定する技術が
知られていた(特開平57―111149号公報)。ま
た、特開平2―306865号公報記載の様に、アンチ
ロックブレーキ制御において、制動による減速中はGセ
ンサーで検出した車体減速度に0.3Gのオフセットを
加えた値を積分した車体速度を求め、制動力を弱めて車
体速度が復帰する間は加速度=1.0Gを積分して車体
速度を求めるという技術も提案された。さらに、特開平
3―54058号公報に記載された様に、車体速度は原
則として車輪速度に基づいて推定するものの、推定車体
速度は所定の加速度上限値(0.5G)と減速度上限値
(1.0G)との間になる様に、上限及び下限ガードを
設けて推定するという技術も提案されている。さらに
又、特開平6−107142号公報に記載された様に、
水平面内の2軸方向の加速度を検出し、それらを合成し
て水平方向速度を求め、車体速度推定を行う技術も提案
されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】一般に、車体の旋回中
の車体減速度は、図1に示すように旋回中の車体の旋回
円の接線方向の減速度(Gox)である。しかしながら、こ
の車体減速度を車体前後方向の加速度(Gx)のみで検出す
ると、GxはGoxに対して小さな値となるため、図11に
示すような問題が生じる。
【0004】例えば図11(A)において、アンチロッ
クブレーキ制御に用いる推定車体速度は、検出した減速
度Gx がGoxに対して小さい値であるために実車体速度よ
り高く演算されてしまい、所望の減速度が得られない。
また、図11(B)において、トラクション制御に用い
る推定車体速度は、検出した加速度Gx がGoxに対して小
さな値であるために実車体速度より低く演算されてしま
い、所望の加速度が得られない。これらを補正するため
に、特開平6−107142号のような方法もあるが、
この方式では、車体のスリップ角βが大きい場合(図1
0(A))や、スリップ角βが小さいかゼロの場合でも
横加速度Gyが小さい場合(図10(B))には前後方向
の加速度Gxと横方向加速度Gyの合成ベクトルGxy をほぼ
接線方向の加速度と近似できるが、図10(C)に示す
ように、スリップ角が小さいかゼロの場合でも横方向加
速度Gyが大きい場合は、合成ベクトルGxy は接線方向の
加速度より大きな値となるため、図12に示すような問
題が生じる。
【0005】例えば、図12(A)において、アンチロ
ックブレーキ制御に用いる推定車体速度は、推定に用い
る減速度Gxy がGxより大きな値であるため実車体速度よ
りもかなり低く演算されてしまい、スリップ量が大きく
なってしまうため、所望の性能が得られない。また、図
12(B)において、トラクション制御に用いる推定車
体速度は、推定に用いる加速度Gxy がGxより大きな値で
あるため実車体速度よりもかなり高く演算されてしま
い、スリップ量が大きくなってしまうため、所望の性能
が得られない。
【0006】本発明の目的は、アンチロックブレーキ制
御や、加速スリップ制御を行う際に必要な精度の高い車
体速度を推定し得る車体速度推定装置を提供することに
ある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明は、次のように構成したものである。請求項
1記載の発明は、車両の前後方向加速度を検出する前後
G検出手段と、車両の横方向加速度を検出する横G検出
手段と、車両のヨーレートを検出するヨーレート検出手
段と、前記前後方向加速度、横方向加速度、ヨーレート
に基づいて車体のスリップ角を演算する車体スリップ角
演算手段と、該車体スリップ角演算手段、前記前後G検
出手段及び前記横G検出手段の出力に基づいて旋回中の
車両の旋回円の接線方向の加速度を求める接線方向加速
度演算手段と、該接線方向加速度演算手段の出力値に基
づいて車速を演算する車速演算手段とを備えたことを特
徴とする。
【0008】請求項2記載の発明は、請求項1記載の車
体速度推定装置において、前記車体スリップ角演算手段
及び前記接線方向加速度演算手段は各演算を繰り返し実
行するように構成され、前記車体スリップ角演算手段
は、前記前後G検出手段と、前記ヨーレート検出手段
と、前記車体スリップ角演算手段の前回の演算結果と、
前記車速演算手段の前回の演算結果とから車体スリップ
角速度を演算する車体スリップ角速度演算手段を有し、
前記車体スリップ角速度演算手段の出力に基づいて車体
スリップ角を演算するように構成されたことを特徴とす
る。
【0009】請求項3記載の発明は、請求項1又は2記
載の車体速度推定装置において、前記車体スリップ角演
算手段の出力に基づいて車体の向いている方向の速度を
出力する基準車体速度出力手段を備えたことを特徴とす
る。請求項4記載の発明は、請求項1乃至3いずれかに
記載の車体速度推定装置において、タイヤの切れ角を検
出する操舵角検出手段と、旋回時の前後方向の車輪回転
速度差を演算する前後車輪速差演算手段と、旋回時の内
輪と外輪の車輪回転速度差を演算する内外車輪速差演算
手段と、前記車体速度演算手段の出力と、前記車体スリ
ップ角演算手段の出力とに基づいて各車輪に対応する速
度を出力する基準車輪速出力手段を備えたことを特徴と
する車体速度推定装置である。
【0010】次にかかる発明を図1に基づいて詳細に説
明する。図1(A)は本発明の作用説明図、図1(B)
はその要素ブロック図である。図1(A)において、G
xは前後加速度で、前後加速度センサから求める。ここ
で、前後加速度Gxを車輪速度検出手段の出力から演算に
より求めてもいい。Gyは横加速度で、横加速度センサよ
り求める。YAWはヨーレート(角速度)で、ヨーレー
トセンサよりも求める。車体速度V及び車体スリップ角
βは夫々直前値(一回前の演算で得られた値)を用い
る。尚、車体速度V及び車体スリップ角βは最初の時点
では初期値V=Vweel,β=0を用いる。さて、上記ス
リップ角速度βの演算式は図1(A)において、次式
1),2),3)の関係により導く。ωは車体の公転速
度、β1はβの微分値である。
【0011】 YAW=β1+ω……1) Goy=V・ω β1=YAW−ω β1=YAW−(Goy/V) Goy=−Gx・sinβ+Gy・cosβ β1=YAW−{(−Gx・sinβ+Gy・cosβ)/V}……2) β=∫β1・dt……3)
【0012】 Goy=−Gx・sinβ+Gy・cosβ Gox=Gy・sinβ+Gx・cosβ……4) V=V0+∫t0 Gox・dt……5) Goy:求心方向の加速度(減速度) Gox:接線方向の加速度(減速度) V :推定車体速度 V0 :車体初速度(推定開始時点の車両速度、例えば
実車輪速度)
【0013】図1(B)は前記した作用をブロック図化
した要素ブロック図であり、前後加速度センサ5、横加
速度センサ6、ヨーレートセンサ9より、Gx、Gy、
YAWを検出し、及び車体速度V及び車体スリップ角β
は夫々直前値(一回前の演算で得られた値)から得る事
が出来、(車体速度V及び車体スリップ角βは最初の時
点では初期値V=Vweel,β=0を用いる。) 従って前記既知データより前記2)式より車体スリップ
角速度β1を更に車体スリップ角速度β1を前記3)式に
示すように積分することにより車体スリップ角βを求め
る事が出来る。
【0014】次に前記演算したスリップ角β、前記Gx、
Gyに基づいて前記4)式より旋回中の車両の旋回円の接
線方向の加速度Goxを求めることが出来る。更に前記接
線方向加速度演算手段の出力値Goxと車体初速度V0を既
知として、前記5)式に基づいて推定車体速度Vを演算
することにより車体の旋回中の車体速度を精度よく推定
する事が出来る。
【0015】従って、本発明によれば、前後G(Gx)検
出手段5、横G(Gy)検出手段6、ヨーレート(YA
W)検出手段9、前記Gx、Gy、YAWに基づいて車体の
スリップ角βを演算する車体スリップ角演算手段20
と、該Gx、Gy、βに基づいて旋回中の車両の旋回円の接
線方向の加速度を求める接線方向加速度演算手段25よ
りの接線方向加速度Gox と、車輪速検出手段26よりの
車輪速Vweelに基づいて車速を演算する車体速度演算手
段27を備えることにより本発明の目的が達成される。
また、前記車体スリップ角演算手段20及び前記接線方
向加速度演算手段25は各演算を繰り返し実行するよう
に構成され、前記車体スリップ角演算手段20は、車体
スリップ角速度β1演算手段21と、前記β1に基づいて
車体スリップ角βを演算する演算手段22からなる。
【0016】更に請求項3記載の発明によれば、特にA
BS制御時やTCL制御時にスリップ角βが存在する場
合、前記推定車体速度Vとスリップ角βを用いて車体の
向いている方向の速度である基準車体速度をV・cos
βを前記ABS、TCL制御に用いることにより、車体
の向いている方向を基準にスリップ制御を行う事が出来
る。
【0017】請求項4記載の発明は、ハンドル角検出手
段28の検出出力θからタイヤの切れ角θ0 を求め、又
旋回内外輪の車輪速差及び旋回時の前後輪の車輪速度差
を求める演算手段29を設ける事により、各車輪それぞ
れの位置における旋回半径が異なることによる速度差と
各車輪の進行方向とを考慮した速度である基準車輪速度
を各車輪毎に出力し、前記ABS制御、TCL制御に用
いるため、スリップコントロールを一層精度良く行うこ
とが出来る。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の好
適な実施例を例示的に詳しく説明する。但しこの実施例
に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相
対的配置等は特に特定的な記載がないかぎりは、この発
明の範囲をそれに限定する趣旨ではなく、単なる説明例
にすぎない。まず、図2乃至図10は本発明の実施例に
係る車体速度推定装置の一実施の形態を示し、図2は本
発明に係る車両のコントロールシステムを示すシステム
構成図、図3はコントロールシステムのメインフローを
示すフローチャート図、図4乃至図6は図3の詳細な制
御内容を示すフローチャート図、図7はABS制御に用
いる減速度を示す図、図8はABS制御における推定車
体速度、実車体速度及び車輪速との関係を示す図、図9
は同じく推定車体速度、実車体速度及び車輪速との関係
を示す図である。
【0019】本発明の実施例に係る車両のコントロール
システムは、図2に示されるようにシステム制御装置と
して車両のトラクション等の制御の為にエンジン出力等
の制御を行うエンジンコントロール装置1、油圧ブレー
キの油圧力を制御して車輪2の制動力を調節しながらA
BS制御を行う油圧制御ユニット3及びこれらエンジン
コントロール装置1及び油圧制御ユニット3に、車両の
運転状態に基づく制御信号を入力する中央制御装置4を
備え、また、車両運転状態の検出装置として、車両の前
後方向加速度を検出する前後G検出センサ5、車体の横
加速度を検出する横Gセンサ6、車輪速を検出する車輪
速検出センサ7、車体の進行方向を決定するハンドルの
切れ角を検出するハンドル角センサ8、車両のヨーレー
ト(角速度)を検出するヨーレート検出センサ9を備え
ている。
【0020】そして上記中央制御装置4は、ROM、R
AM、I/O、CPU(MPU)及び電源回路、バック
アップ電源回路等を備えたマイクロコンピュータから構
成され、上記前後G検出センサ5、横Gセンサ6、車輪
速検出センサ7及びハンドル角センサ8は、その入力を
上記I/Oを介して上記中央制御装置4に入力するよう
に構成されている。上記中央制御装置4の制御を図3に
基づいて詳述すれば、まず、ステップS1でキースイッ
チ(図示せず)のONにより上記駆動回路の電源がON
となると、ステップS2に進んで、各種制御に用いる設
定値(カウンタ類、各種フラグ類等)をイニシャライズ
を行い、更にステップS3に進んで上記各センサ5,
6,7,8が出力した各種信号のセンサ信号処理を行
う。このセンサ信号処理を終えると、ステップS4で車
体スリップ角演算処理を、ステップS5で車体減速度の
演算処理を行った後、ステップS6で本発明に対応する
車体速度の推定演算処理を行い、そしてブレーキが踏ま
れた場合、ステップS6で推定された推定車体速度を用
いて、ステップS7でアンチロックブレーキ制御(AB
S制御)を行う。次にステップS8に進んで、フリーラ
ンニングタイマの経過時間tが制御周期時間TL以上か
否かを判定し、制御周期時間TL未満のときは、制御周
期時間TL以上となるまでステップS6で推定された推
定車体速度を用いて制御を行い、そして、フリーランニ
ングタイマの経過時間tが制御周期時間TL 以上となっ
たとき、再び、ステップS3に戻りステップS3〜ステ
ップS7の制御を繰り返して次の推定車体速度の推定処
理を行う。
【0021】以下、各処理の内容を具体的に詳述する。 (車体スリップ角演算処理)ステップ4の車体スリップ
角演算処理を図4に基づいて詳述すれば、まず、ステッ
プS10で上記ハンドル角センサ8の出力又はヨーレー
ト検出センサ9の出力に基づいて車体の旋回方向が判定
前の旋回方向と同じか否かを判定する。旋回方向が同じ
ならばステップS11に進み、異なる場合は、ステップ
S20に進んでスリップ角βを初期値0にリセットして
次工程のステップ5(車体減速度演算)に移行する。ス
テップS11では、車体速度Vが、V>Aか否かを判定
する。V≦Aのときは、車輪速が車体速度よりも大きい
場合を除きスリップが生じ得ない速度であるとし、ステ
ップS20に進んで車体スリップ角βをβ=0として次
工程のステップ5(車体減速度演算)に移行する。
【0022】ステップS11で車体速度Vが、V>Aの
とき、スリップが生じ得る状態と判定してステップS1
2に進み、直前の車体スリップ角β(n-1)でβ(n-1)
≧0かの判定を行い、加・減速旋回運動(スリップがあ
る場合)と等速旋回運動(スリップがない場合)とに分
けてスリップ角速度β1の演算を行う。ステップS12
で一回前のスリップ角β(n-1)の判定が加・減速旋回
運動のときは、ステップS13に進んで、ヨーレートY
AW、前後Gx、横Gy、車体速度Vから車体スリップ角速
度β1を求める。この場合、スリップ角速度β1は、前記
2)式の β1=YAW−{(−Gx・sinβ+Gy・cosβ)/V}……2) の演算より求める。ここで、Gx、Gy、YAWは上記Gセ
ンサ5、6、ヨーレート検出センサ9の各センサから入
力される値であり、βは基本的に一回前の演算により得
る値である(制御開始時はβには初期値0を用いる)。
【0023】ステップS12で一回前のスリップ角β
(n-1)の判定が等速旋回運動のとき、ステップS14
に進み、ヨーレートYAW、横方向加速度Gx、車体速度
Vから車体スリップ角速度β1を求める。この場合のス
リップ角速度β1は、 β1=YAW−(−Gx)/V の演算より求める。ステップS13、又はステップ14
でスリップ角速度β1を得ると次にステップS15以降
に進み、スリップ角βの演算を行う。スリップ角βの演
算は、β=∫β1・dt ……3)で得られる。
【0024】具体的には、先ず、ステップS15でスリ
ップ角速度β1 >Bか否かにより、現在の旋回運動がス
リップ角速度の大きい運動か否かを判定する。スリップ
角速度β1>Bのとき、すなわち、スリップ角速度が大
きいときは、ステップS16に進んで、3’)式に示す
ようにスリップ角速度β1に制御周期時間TL で乗し、
一回前のスリップ角β(n-1)に加算する。 β(n)=β(n-1)+β1・TL ……3’) これを現在のスリップ角とする。スリップ角速度β1
Bのとき、すなわち、スリップ角速度の値が小さく、セ
ンサの誤差等で発生しうる程度の値である場合には、ス
テップS17に進んで、今度は、現在の旋回運動が安定
状態にあるかを判定する。ステップS17の判定が、ス
リップ角速度β1≧Bのときは、現在の旋回運動は十分
に安定していないと判定、スリップ角β(n-1)を現在
のスリップ角速度としてステップS21に進み、現在の
フリーランニングタイマt(n)の値を0にリセットし
て車体スリップ角演算処理フローを抜け出し次の処理工
程に移行する。
【0025】ステップS17の判定がスリップ角速度β
1 <Cのときは、現在の旋回運動は安定していると判定
して、ステップS18に進み、安定した旋回運動の継続
時間を測るためにフリーランニングタイマt(n)を t(n)=t(n-1)+TL に設定する。そして次のステップS20に進んで、t>
Dtか否かを判定する。ステップS20の判定がt≦D
tの場合は次の処理へ行き、t>Dtの場合は車体スリ
ップ角βをβ=0にリセットして次の処理工程のステッ
プ5へ進む。
【0026】(車体減速度の演算処理)次に上記ステッ
プS5の車体減速度の演算を図5に基づいて詳述する。
まず、ステップ25で図4のフローで求めた車体のスリ
ップ角βがβ≧0か否かを判定する。β≧0のとき、即
ち車体の向きが旋回円の接線方向に対して内向きの場合
はステップ26に進んで Gox=Gy・sinβ+Gx・cosβ……4) の演算処理にて車体減速度を求める。ここで、4)式に
おいて、右辺第2項のcosβ=1として演算を行なっ
ても良い。β<0のときは、ステップ26に進んで前後
加速度センサよりの検出信号をそのまま取込み(Gox=G
x )により車体減速度を設定する。
【0027】(車体速度推定処理)上記ステップS6の
車体速度推定処理を図6に基づいて詳述する。この推定
では、まず、ステップS30で上記車輪速センサ7が検
出した左右夫々のVFL,VFR,VRL,VRRから車輪速度
Vselを演算し、続くステップS31で減速度Gsp(直
前減速度),Gslp(現減速度)を演算する。この場
合、Vselはf(VFL,VFR,VRL,VRR)の関数から
求めるが、ここでは四輪の中から一つ、例えばVFLを選
択してもよい。また、減速度Gsp,Gslpは、ABSの
場合図7に示されるように、Gsep=f1(Gx),Gsl
p=f2(Gx)から求める。ステップS31で減速度G
sp,Gslpを求めた後、ステップ32以降に進み車体速
度の推定を開始する。
【0028】まず、ステップS32でd/dt・Vsel
<Gspか否かを判定する。ABSの場合車輪にロックが
かかっていると、d/dt・Vsel<Gspの状態とな
り、言換えればABS制御の為の車体速度推定の開始条
件となる。そこで、d/dt・Vsel<Gspのとき、ス
テップS33に進んで車体速度推定の状態を示す推定フ
ラグをONし、次にステップ34に進んで該推定フラグ
がONかOFFかの判定を行う。d/dt・Vsel≧Gs
pのときは、ステップ33をジャンプしてステップ34
に進み推定フラグがONか否かを判定する。ステップ3
4で推定フラグがONのときは、d/dt・Vsel≧Gs
pであってもABS制御の為の車体速度推定が行われて
いる状態を示し、ステップ35に進む。
【0029】ステップ35では、 VB=V0+∫t0 Gslp・dt V0:車体速度推定開始時点の車体初速度 により、車体速度VBを演算し、ステップ36で前記演
算したVBが車輪速度Vsel以下か否かを判定する。前記
VB がVselより大きい場合は、VBを車体速度とし、次
の処理例えば図3のステップ7で示すABS制御を行
う。ステップ36でVsel≧VBのときは推定フラグをO
FFとし、ステップS38に進んでVB=Vselとする。
ステップ37及び34で推定フラグがOFFのときステ
ップ38に進んでVB=Vselとして、次のステップ7の
処理に移行する。
【0030】(ABS制御、TCL制御)ステップ7で
は車両旋回時、特にスリップ角βの存在するABS制御
やTCL制御においては、まず、上記図6に示す車体速
度推定で推定した推定車体速度VBとスリップ角βを用
い、基準車体速度VB・cosβを制御に用いることに
より、車体の向いている方向、すなわち、前後加速度G
x方向を基準にスリップ制御を行う。
【0031】更に詳細には、ハンドル角センサの操舵角
θ からタイヤの切れ角θ0と、旋回内外輪の車輪速差及
び旋回時の前後輪の車輪速差を考慮して、前外輪、前内
輪、後外輪及び後内輪に対応する基準車輪速度VBf0
VBfi,VBr0,VBriは、それぞれ次のように設定す
る。 VBf0=VB・cos(β+θ0)+Vf0 VBfi=VB・cos(β+θ0)−Vfi VBr0=VB・cosβ+Vr0 VBri=VB・cosβ−Vri
【0032】但し、Vf0,Vfi,Vr0,Vriは、ホイー
ルベース、トレッド、重心位置及び上記スリップ角βと
に基づく演算により求める補正値である。
【0033】かかる実施例によれば、例えば図8におい
て、アンチロックブレーキ制御の場合において点線で示
す実車体速度と、実線で示す推定車体速度がほぼ一致す
るか、推定車体速度を実車体速度より僅かに小にする事
が出来、これにより精度よいブレーキ制御を行う事が出
来る。また図9において、加速スリップ制御の場合にお
いて点線で示す実車体速度と、実線で示す推定車体速度
がほぼ一致するか、推定車体速度を実車体速度より僅か
に大にする事が出来、加速性能を向上できる。
【0034】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、ア
ンチロックブレーキ制御や加速スリップ制御を行うに際
に必要な精度の高い車体速度を推定し得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)は本発明の作用説明図、(B)はその要
素ブロック図である。
【図2】本発明に係る車両のコントロールシステムを示
すシステム構成図である。
【図3】中央制御装置のメインフローを示すフローチャ
ート図である。
【図4】中央制御装置の車体スリップ角演算処理の内容
を示すフローチャート図である。
【図5】中央制御装置の車体減速度の演算の内容を示す
フローチャート図である。
【図6】中央制御装置の車体速度推定の内容を示すフロ
ーチャート図である。
【図7】ABS制御に用いる推定減速度を示す図であ
る。
【図8】ABS制御における推定車体速度、実車体速度
及び車輪速との関係を示す図である。
【図9】TCL制御における推定車体速度、実車体速度
及び車輪速との関係を示す図である。
【図10】車両が旋回しているときの前後方向の加速度
Gxと横方向の加速度Gyとの合成ベクトルGxyを示
し、(a)は車体のスリップ角βが大きく横加速度Gy
が小さい場合、(b)はスリップ角βが小さいかゼロの
場合で横加速度Gyが小さい場合、(c)は、スリップ
角βが小さいかゼロの場合で横方向の加速度Gyが大き
い場合を示す。
【図11】(A)はアンチロックブレーキ制御の場合に
おいて点線で示す実車体速度より、実線で示す推定車体
速度が低くなった場合の車輪速度を一点鎖線で示す。
(B)は加速スリップ制御の場合において点線で示す実
車体速度より、実線で示す推定車体速度が低くなった場
合の車輪速度を一点鎖線で示す。
【図12】(A)は従来のABS制御における推定車体
速度、実車体速度及び車輪速との関係を示す図である。
(B)は従来のTCL制御における推定車体速度、実車
体速度及び車輪速との関係を示す図である。
【符号の説明】
1 エンジンコントロール装置 2 車輪 3 油圧制御ユニット 4 中央制御装置 5 前後G検出センサ 6 横G検出センサ 7 車輪速検出センサ 8 ハンドル角センサ 9 ヨーレート検出センサ

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車両の前後方向加速度を検出する前後G
    検出手段と、 車両の横方向加速度を検出する横G検出手段と、 車両のヨーレートを検出するヨーレート検出手段と、 前記前後方向加速度、横方向加速度、ヨーレートに基づ
    いて車体のスリップ角を演算する車体スリップ角演算手
    段と、 該車体スリップ角演算手段、前記前後G検出手段及び前
    記横G検出手段の出力に基づいて旋回中の車両の旋回円
    の接線方向の加速度を求める接線方向加速度演算手段
    と、 該接線方向加速度演算手段の出力値に基づいて車体速度
    を演算する車体速度演算手段と、 を備えたことを特徴とする車体速度推定装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の車体速度推定装置におい
    て、 前記車体スリップ角演算手段及び前記接線方向加速度演
    算手段は各演算を繰り返し実行するように構成され、 前記車体スリップ角演算手段は、前記前後G検出手段
    と、前記ヨーレート検出手段と、前記車体スリップ角演
    算手段の前回の演算結果と、前記車速演算手段の前回の
    演算結果とから車体スリップ角速度を演算する車体スリ
    ップ角速度演算手段を有し、 前記車体スリップ角速度演算手段の出力に基づいて車体
    スリップ角を演算するように構成された、 ことを特徴とする車体速度推定装置。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載の車体速度推定装置
    において、 前記車体速度演算手段の出力と、 前記車体スリップ角演算手段の出力とに基づいて、 車体の向いている方向の速度を出力する基準車体速度出
    力手段を備えたことを特徴とする車体速度推定装置。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至3のいずれかに記載の車体
    速度推定装置において、 タイヤの切れ角を検出する操舵角検出手段と、 旋回時の前後方向の車輪回転速度差を演算する前後車輪
    速差演算手段と、 旋回時の内輪と外輪の車輪回転速度差を演算する内外車
    輪速差演算手段とを備え、 前記車体速度演算手段の出力と、前記車体スリップ角演
    算手段の出力と、前記操舵角検出手段の出力と、前記前
    後車輪速差演算手段の出力と、前記内外車輪速差演算手
    段の出力とに基づいて各車輪に対応する速度を出力する
    基準車輪速度出力手段とを備えたことを特徴とする車体
    速度推定装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003118558A (ja) * 2001-10-11 2003-04-23 Honda Motor Co Ltd 車体ヨーレイト推定装置
US7292925B1 (en) 2006-03-08 2007-11-06 Yamaha Hatsudoki Kabushiki Kaisha Acceleration estimation device and vehicle
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KR100991435B1 (ko) 2005-11-01 2010-11-03 주식회사 만도 차량 전복 방지 방법
CN102295002A (zh) * 2011-06-09 2011-12-28 华南理工大学 基于车轮切向加速度曲线获取车轮转动信号特征量的方法

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