JP2004203061A - 操舵角補正装置 - Google Patents

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Takao Miyamoto
隆夫 宮本
Toshiki Ezoe
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Abstract

【課題】積み荷の状態、タイヤの状態、あるいは連結されるトレーラの状態が変更され、操舵角(δ)の零点補正を実行する必要がある場合に、走行開始後にすぐに直線走行ができない路面状況である場合にも、適正に操舵角(δ)の零点補正を実行するための姿勢制御装置を提供する。
【解決手段】ヨーレイト・センサで観測されるヨーレイト(ω)、車速センサで観測される車速(V)から、その時点の操舵角(δ)を公知の数式により演算し、その車両に設けられた操舵角センサの出力を前記操舵角(δ)と対応させることにより、前記操舵角センサの零点補正を実行する。また、その車両の左右輪にそれぞれ設けられた回転センサに検出される回転速度およびその回転速度により走行したトレッドから、その車両に発生するヨーレイト(ω)を演算し、この値を利用してその時点の操舵角(δ)を同じく公知の数式により演算し、操舵角センサの出力と対応させる。
【選択図】図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は自動車の姿勢制御装置に利用する。本発明は、姿勢制御装置の入力情報として利用される操舵角情報の零点補正に関する。本発明は、車両がある角度に操舵された状態のまま発進する場合にも、初期状態における車両の操舵角の零点補正を有効に実行することができる装置に関する。本発明はヨーレイトを検出することにより姿勢制御を行う装置の改良に関する。本発明は、連結車両の姿勢制御装置に利用するために開発された装置であるが、連結車両に限らず広く車両の姿勢制御装置に利用することができる。
【0002】
【従来の技術】
プログラム制御装置を利用して、ヨーレイトを含む車両の走行パラメタを入力信号とする車両の姿勢制御装置が普及している。この姿勢制御装置の原理的な構成を簡単に説明すると、車両の重心近傍にヨーレイトセンサを設置する。そしてこのヨーレイトセンサにより観測されるヨーレイト(ω)が、車両走行中の車速(V)、操舵角(δ)、その他の要素から演算されるヨーレイトに対して、設定された条件を越えて増大しているときに車両が横転傾向にあるものと判定する。車両が横転傾向にあると判定されると、その度合いに応じて、警報を発生する、あるいはその横転傾向を引き戻すように一部の車輪に自動的にブレーキをかける、その他の制御を自動的に実行するように構成されている。
【0003】
このような姿勢制御装置の入力情報として、操舵角(δ)の情報は重要な要素である。実用的な装置では、この操舵角(δ)は操舵装置、とくにステアリング・ホイールの回転軸にロータリ・エンコーダを設けて、そのロータリ・エンコーダからのディジタル情報を入力する構成のものが広く利用されている。一般に車両の操舵装置は、ステアリング・ホイールと車輪の操舵系との間にバックラッシュが設けられているなど、操舵輪と車輪の操舵角との間には完全に一対一の関係になるように設定されていない。これは、走行中の操舵の安定性を向上するため、あるいは運転者の疲労を防止するため、その他の理由による。また、前輪のタイヤの状態や積み荷の状態によっても、操舵輪の回転角度と操舵角との関係は変動する。
【0004】
したがって、姿勢制御装置の入力情報とする操舵角(δ)の情報は、走行を開始する都度、ロータリ・エンコーダの発生する角度情報に対して零点補正を実行するように構成されている。そして多くの従来装置では、車両が走行を開始して直線的な走行状態に入ったことを自動的に検出して、そのときの操舵角をある時間にわたり取込み、これを平均化して零点とするなどの自動的に零点補正を実行する装置が利用されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
姿勢制御装置は、連結車両に発生するいわゆるジャックナイフ現象を防止するために、連結車両に実施してきわめて有用であることが理解されるようになった。本願発明者らは、連結車両の姿勢制御についてさらに高度の制御を実行するための装置の開発を担当しているが、上述のような従来装置では、車両が直線走行の状態に入るまで操舵角の零点補正が正しく確定しない場合があることに注目した。一般に、操舵輪と車輪の操舵角との間の関係は、それほど急に変化するものではない。したがって車両が直線走行の状態に入るまでは、その前の零点補正の値を利用することができる。あるいは車両が直線走行の状態に入るまでは標準的な零点を利用する構成とすることができる。または新しい零点補正が実行されるまで一時的に、かりに零点補正に誤差が発生していても制御が安全側に行われるように設定する、などにより相応の対応措置を採ることが考えられる。
【0006】
一般に連結車両では、貨物の積み下ろしにより、積み荷による負荷が大きく変化することがある。またトラクタ(牽引車)に連結されるトレーラ(被牽引車)車体のつなぎ換えが行われる場合もある。このような場合には、新しい操舵角の零点補正が求められることになる。しかし、走行開始後にカーブの多い貨物の積み下ろし場を通行する間などは、操舵角(δ)が所定時間にわたり実質的に零になることがなく、新しい零点補正が実行されるまでに時間を要することになる場合があることがわかった。
【0007】
本発明はこのような背景に行われたものであって、操舵角の零点補正の精度を向上した姿勢制御装置を提供することを目的とする。とくに本発明は、走行を開始した時点で、貨物の積み下ろし場を通行するなど、適当な直線走行が実行されない場合にも、操舵角の零点補正を相応に正しく実行することができる装置を提供することを目的とする。本発明は、車両がどのような状態で走行を開始しても、合理的に操舵角の零点補正を実行することができる装置を提供することを目的とする。本発明は、従来から装備されている装置に新たなハードウェアを追加する必要がなく、経済的に実施することができる装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の第一は、車両に装備されている姿勢制御装置のヨーレイトセンサを利用するものである。すなわち、走行を開始した直後に車両がカーブを走行して操舵角の零点補正ができない場合に、ヨーレイトセンサの出力情報から既知の数式を利用して操舵角を推定演算する。そして、この推定演算された操舵角と操舵角センサの出力とを比較し、その差分を零点補正の補正値として利用するものである。
【0009】
本発明の第二は、車両に装備されている左右車輪の車輪速センサを利用するものである。すなわち、走行を開始した直後に車両がカーブを走行していて操舵角の零点補正ができない場合に、前軸(または後軸)の両輪にそれぞれ設けた車輪速センサの出力情報を利用して、その両輪の回転速度差および走行トレッドから車両に発生するヨーレイトを推定する。そしてこの推定されたヨーレイトにより発生するはずの操舵角(δ)を演算し、これを操舵角センサに観測されている操舵角と比較することにより操舵角センサの零点補正を実行するものである。
【0010】
数式を用いて説明すると、第一の発明は、車両の走行時(望ましくは走行開始時)に、その車両に設けられたヨーレイトセンサで観測されるヨーレイト(ω)、車速センサで観測される車速(V)から、その時点の操舵角(δ)を
δ=(1+KV )Lω/V (1)
(ただし、Kはスタビリティファクタ、Lはホイールベース)として演算し、その車両に設けられた操舵角センサの出力を前記操舵角(δ)と対応させることにより、前記操舵角センサの零点補正を実行する手段を備えたことを特徴とする。上記スタビリティファクタKおよびホイールベースLはそれぞれ車両毎に定まる定数である。
【0011】
前記ヨーレイト(ω)、前記車速(V)および前記車両に設けられた操舵角センサの出力について、所定の短い時間t(例えば1秒程度)にわたる平均値を利用するように構成することが望ましい。
【0012】
上記手段により零点補正を実行するには、前記所定の短い時間tに、1)後退走行がなかった、2)ブレーキペダルが踏まれなかった、3)悪路が検出されなかった、4)前記ヨーレイトセンサの零点補正が完了している、5)前記ヨーレイトセンサに瞬断がなかった、6)前記ヨーレイト(ω)が所定値(例:±10deg/s)以下であった、7) 前記車速(V)が所定値(例:10km/h)以上であった、8)前記操舵角の速度(dδ/dt)が所定値(例:150deg/s)以下であったことを条件とすることが望ましい。この短い時間tに上記1)ないし8)に示す事象がなかったという条件は、いずれも零点補正を正しく実行するための条件である。この条件を満たさないことがあると、かりに零点補正が実行されたとしても誤った値に補正される可能性があるから、むしろ零点補正を実行しない構成とすることがよい。とくに前記「1)後退走行がなかった」については、操舵角が零でない状態で前記時間tの経過中に意図的にあるいは偶然に後退走行があると、後退走行の期間だけヨーレイトの極性が反対に評価されることになるから、零点補正を実行することによりかえって誤差を拡大させる結果になる。
【0013】
本発明の第二の発明は、車両の走行時(走行開始時)に、その車両の左右輪にそれぞれ設けられた回転センサに所定の短い時間t(例えば1秒程度)にわたり検出される回転速度およびその回転速度により走行したトレッド(距離)から、その車両に発生する平均的なヨーレイト(ω)を
ω(rad*m /s) =左右輪の回転速度(rad/s)差/トレッド(m) (2)
として演算する手段と、このヨーレイト(ω)を利用してその時点の操舵角(δ)を
δ=(1+KV )Lω/V (1)
(ただし、Kはスタビリティファクタ、Lはホイールベース)として演算し、その車両に設けられた操舵角センサの出力を前記操舵角(δ)と対応させることにより、前記操舵角センサの零点補正を実行する手段とを備えたことを特徴とする。
【0014】
この第二の発明についても、上記手段により零点補正を実行するには、前記所定の短い時間tに、1)後退走行がなかった、2)ブレーキペダルが踏まれなかった、3)悪路が検出されなかった、4)前記ヨーレイトセンサの零点補正が完了している、5)前記ヨーレイトセンサに瞬断がなかった、6)前記ヨーレイト(ω)が所定値(例:±10deg/s )以下であった、7)前記車速(V)が所定値(例:10km/h) 以上であった、8)前記操舵角の角速度(dδ/dt)が所定値(例:150deg/s)以下であったことを条件とすることが望ましい。
【0015】
上記構成により、操舵角センサの零点補正を必要とするときに、車両が直線走行をする場面がなくとも、操舵角センサの零点補正を合理的に実行することができる。上記構成はいずれの場合にも、従来例装置に新たなハードウェアを追加する必要がなく、ソフトウェアを追加することにより実施することができる。
【0016】
本発明を実施した姿勢制御装置においても、車両が直線走行の状態に入り操舵角センサの零点補正を物理的に実施することが可能な状態になったときに、本発明による操舵角センサの零点補正値を廃棄して、あらためて直線走行状態における操舵角センサの零点補正を実行するように構成することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
本発明実施例装置について図面を参照して説明する。図1は本発明を連結車両に実施する場合の配置構造を説明する図である。トラクタ1にはトレーラ2が連結器3を介して連結される。本発明の実施例装置は、原則的にトラクタ1に装備される。これにより、トレーラ2は運用の都合に応じて、適合する複数の機種のものを任意につなぎ換えて運行することができることになる。本発明の実施例装置の主要部ハードウェアは、トラクタ1の運転席背後に設けられた制御装置4に実装される。この制御装置4は、トラクタ1の車体に望ましくはその重心付近に固定されたセンサ箱5と電気的に接続される。また、このトラクタ1のステアリング・ホイール6には、その回転軸にその回転角度をディジタル信号として検出するロータリ・エンコーダ7が取付けられ、このロータリ・エンコーダ7の検出出力は配線により制御装置4に接続される。
【0018】
図2は本発明実施例装置のブロック構成図である。センサ箱5には、ヨーレイト・センサ8および横方向加速度センサ9が実装される。このヨーレイト・センサ8の出力、横方向加速度センサ9の出力、およびステアリング・ホイール6の回転角度を検出するロータリ・エンコーダ7からの信号は、この車両の姿勢制御を実行する姿勢制御装置10に制御入力情報として供給される。この姿勢制御装置10の制御出力は、ブレーキ制御装置15に与えられる。ブレーキ制御装置15には、運転席のブレーキ・ペダルの踏み込み量にしたがって供給するブレーキ圧力を調節する、いわゆるサービス・ブレーキに係る装置が設けられているが、ここでは図面が複雑になるので表示を省略する。
【0019】
ブレーキ制御装置15は、ABS(Antilock Breaking System) 用の制御装置であり、前後両輪11、12、13、および14に供給されるブレーキ空気圧を各車輪に設けられた回転センサ16、17、18、および19の検出出力により選択的にかつ断続的に制御することができる。すなわち前輪用の空気圧タンク27の空気圧は、前輪プロポーショナル制御用の電磁弁20を介して、さらに左前輪については電磁弁23を介して、右前輪については電磁弁24を介して、それぞれのブレーキ・シリンダ(図示せず)に供給される。後輪用の空気圧タンク28の空気圧は、後輪プロポーショナル制御用の電磁弁21を介して、さらに左後輪については電磁弁25を介して、右後輪については電磁弁26を介して、それぞれのブレーキ・シリンダに供給される。トレーラ用の空気圧タンク29の空気圧は、トレーラ制御用の電磁弁22を経由し、連結管路30を介して、トレーラのブレーキ・シリンダに供給される。ブレーキ制御装置15はエンジン制御装置(エンジンECU)31と通信バスにより接続されている。
【0020】
このように構成された装置では、姿勢制御装置10が車両の走行中にヨーレイト・センサ8および横方向加速度センサ9の出力を監視しつづけていて、車輪回転速から得られる車速、およびロータリ・エンコーダ7に得られるその時点のステアリング・ホイール6の回転角に対して、車両姿勢が不安定になる傾向を検出するときに、その車両姿勢を正常な方向に引き戻すように、一部の車輪に断続的にブレーキを作用させる。たとえば、ステアリング・ホイール6が左に操作され、車両が左カーブを走行しているときに、横方向加速度センサ9に検出される左方向の加速度が増大し、ヨーレイト・センサ8に左方向へのヨーが合理的な範囲を越えて増大する状態になると、車両が左方向に横転する傾向にあるものと判定して、選択的に右後輪14のブレーキ・シリンダにのみブレーキ圧力を供給する。このような制御により、横転傾向にある車両を運転者の操作によらずに自動的に引き戻すことができる。この車両姿勢の制御論理については、すでにさまざまな技術が知られているので、ここでは詳しい説明を省略する。
【0021】
ここで本発明の特徴とするところは、ステアリング・ホイール6の回転軸に設けられたロータリ・エンコーダ7の出力情報に対する零点補正のプロセスにある。すなわち、車両が直線走行を行うことができるステアリング・ホイール6の零点は、タイヤの状態、積み荷の状態、連結車両からの負荷その他により変動する。したがって、このような装置を合理的に動作させるには、ロータリ・エンコーダ7の出力情報に対する零点補正を状態が変化する毎に実行して、つねにその零点を正しく設定しておくことが必要である。この実施例装置でも、車両が直線走行を継続しているときに、そのロータリ・エンコーダ7の出力値を零点として設定することができる。しかし積み荷の変更や連結されるトレーラの交換などが実行されたあと、かならずしも直線走行を継続できる路面を走行することになるとはかぎらない。本発明の装置はこの場合に次のような論理を利用して、ステアリング・ホイール6の零点補正を実行する。
【0022】
(第一実施例)
車両が積み荷を変更して走行を開始したときなどに、操舵角センサ(この例ではロータリ・エンコーダ7)の零点補正を実行する。このとき車両に設けられたヨーレイト・センサ8で観測されるヨーレイト(ω)、回転センサ16〜19で観測される回転速度の平均値を車速(V)として、そのときの操舵角(δ)を
δ=(1+KV )Lω/V (1)
として演算する。ここに、Kはスタビリティファクタ、Lはホイールベースであり、この値は車両毎に定まる定数である。そして上記(1)式により演算された操舵角(δ)をその車両に設けられたロータリ・エンコーダ7の出力に表れる操舵角と対応させることにより、操舵角センサの零点補正を実行する。
【0023】
上記演算には、前記ヨーレイト(ω)、前記車速(V)および前記車両に設けられた操舵角センサの出力について、所定の短い時間t(この実施例では1秒間)にわたる平均値を利用する。
【0024】
このようにして操舵角センサの零点補正を実行するには、前記所定の短い時間t(1秒間)に、1)後退走行がなかった、2)ブレーキペダルが踏まれなかった、3)悪路が検出されなかった、4)前記ヨーレイトセンサの零点補正が完了している、5)前記ヨーレイトセンサに瞬断がなかった、6)前記ヨーレイト(ω)が所定値(例:±10deg/s )以下であった、7) 前記車速(V)が所定値(例:10km/h) 以上であった、8)前記操舵角の速度(dδ/dt)が所定値(例:150deg/s)以下であったことを条件とする。もしこの条件の一つが欠けるときには、新たに所定の短い時間tを設定して観測と演算を再度実行する。
【0025】
上記条件の1)後退走行がなかったことについては、便宜的には変速機が後退に投入されなかったこと、さらに具体的にはバックランプか点灯しなかったことを検出して代えることもできるが、実質的に操舵を行った状態で後退走行がなかったことを検出する構成とすることが望ましい。この実施例装置では、前車輪の速度差の値とヨーレイト・センサの出力値を乗算し、この乗算結果の正負を判定することにより、後退走行がなかったを検出する構成とした。すなわち前進走行の場合には操舵方向とヨーレイトが生じる方向とは同一であり、前記乗算結果は正になるが、後退走行の場合には操舵方向に対してヨーレイトは逆方向に生じるから、前記乗算結果は負になる。したがって、この乗算結果の正負を判定することにより、実質的に問題になる後退走行が行われたか否かを正しく判定することができる。
【0026】
このような観測および演算は、姿勢制御装置10に設定されたソフトウェアにより実行する。図3にこのソフトウェアの本発明に係る要部フローチャートを示す。
【0027】
図5に本発明実施例装置による零点補正が実行される様子を、シミュレーションにより実行した場合の動作を表示する。図5の横軸は経過時間であり、縦軸は操舵角(δ)を示す。時間零のスタート時点で、かりにステアリング・ホイール6の零点が約1回転(360°)として設定した。走行を開始してS字状カーブを数回通過するうちに、操舵角センサの零点補正が実行されたことがわかる。
【0028】
(第二実施例)
車両が積み荷の条件その他を変更してから走行を開始したときに、その車両の左右輪にそれぞれ設けられた回転センサに所定の短い時間t(ここでは1秒間)にわたり検出される回転速度およびその回転速度により走行したトレッド(距離)から、その車両に発生する平均的なヨーレイト(ω)を
ω(rad*m /s) =左右輪の回転速度(rad/s)差/トレッド(m) (2)
として演算する。左右輪の回転速度差=左輪の回転速度−右輪の回転速度である。トレッドはこの短い時間tにタイヤが走行した距離である。
【0029】
このヨーレイト(ω)を利用してその時点の操舵角(δ)を
δ=(1+KV )Lω/V (1)
として演算する。ここに、Kはスタビリティファクタ、Lはホイールベースであり、ともにその車両についての定数である。そして上記(1)式により演算された操舵角(δ)をその車両に設けられた操舵角センサの出力と対応させることにより、操舵角センサの零点補正を実行することができる。
【0030】
この第二実施例についても、上記手段により零点補正を実行するには、前記所定の短い時間tにわたり、上記第一実施例で説明した1)〜8)が成立していることを条件とする。前記所定の短い時間tにわたり1)〜8)で示す条件の一つが成立しないことがあったときには、この観測および演算を繰り返し実行する。これは同様に姿勢制御装置10のソフトウェアにより実行するものである。このソフトウェアの要部フローチャートを図4に示す。
【0031】
【発明の効果】
本発明により、積み荷の状態や連結されるトレーラの状態が変更されてから、再び走行を開始する時点で、直線走行を行う機会がない場合にも、操舵角の零点補正を合理的かつ適正に行う姿勢制御装置を提供することができる。本発明は、従来から装備されている装置に新たなハードウェアを追加する必要がなく、すべてソフトウェアの追加変更により実施することができるから経済的に実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明実施例装置の車両における配置構造を説明する図。
【図2】本発明実施例装置のブロック構成図。
【図3】本発明実施例装置の要部制御フローチャート(第一実施例)。
【図4】本発明実施例装置の要部制御フローチャート(第二実施例)。
【図5】本発明実施例装置による零点補正の動作説明図。
【符号の説明】
1 トラクタ
2 トレーラ
3 連結器
4 制御装置
5 センサ箱
6 ステアリング・ホイール
7 ロータリ・エンコーダ
8 ヨ−レイト・センサ
9 横方向加速度センサ
10 姿勢制御装置
11 左前輪
12 右前輪
13 左後輪
14 右後輪
15 ブレーキ制御装置
16 回転センサ(左前輪)
17 回転センサ(右前輪)
18 回転センサ(左後輪)
19 回転センサ(右後輪)
20 電磁弁(前輪プロポーショナル制御)
21 電磁弁(後輪プロポーショナル制御)
22 電磁弁(トレーラ制御)
23 電磁弁(左前輪制御)
24 電磁弁(右前輪制御)
25 電磁弁(左後輪制御)
26 電磁弁(右後輪制御)
27 空気圧タンク(前輪用)
28 空気圧タンク(後輪用)
29 空気圧タンク(トレーラ用)
30 連結管路
31 エンジン制御装置

Claims (5)

  1. 車両の走行時に、その車両に設けられたヨーレイトセンサで観測されるヨーレイト(ω)、車速センサで観測される車速(V)から、その時点の操舵角(δ)を
    δ=(1+KV )Lω/V (1)
    (ただし、Kはスタビリティファクタ、Lはホイールベース)として演算し、その車両に設けられた操舵角センサの出力を前記操舵角(δ)と対応させることにより、前記操舵角センサの零点補正を実行する手段を備えたことを特徴とする操舵角補正装置。
  2. 前記ヨーレイト(ω)、前記車速(V)および前記車両に設けられた操舵角センサの出力について、所定の短い時間tにわたる平均値が利用される請求項1記載の操舵角補正装置。
  3. 前記所定の短い時間tにわたり、1)後退走行がなかった、2)ブレーキペダルが踏まれなかった、3)悪路が検出されなかった、4)前記ヨーレイトセンサの零点補正が完了している、5)前記ヨーレイトセンサに瞬断がなかった、6)前記ヨーレイト(ω)が所定値以下であった、7)前記車速(V)が所定値以上であった、8)前記操舵角の速度(dδ/dt)が所定値以下であったことを条件とする請求項2記載の操舵角補正装置。
  4. 車両の走行時に、その車両の左右輪にそれぞれ設けられた回転センサに所定の短い時間tにわたり検出される回転速度およびその回転速度により走行したトレッドから、その車両に発生するヨーレイト(ω)を
    ω=左右輪の回転速度差/トレッド (2)
    として演算する手段と、このヨーレイト(ω)を利用してその時点の操舵角(δ)を
    δ=(1+KV )Lω/V (1)
    (ただし、Kはスタビリティファクタ、Lはホイールベース)として演算し、その車両に設けられた操舵角センサの出力を前記操舵角(δ)と対応させることにより、前記操舵角センサの零点補正を実行する手段とを備えたことを特徴とする操舵角補正装置。
  5. 前記所定の短い時間tにわたり、1)後退走行がなかった、2)ブレーキペダルが踏まれなかった、3)悪路が検出されなかった、4)前記ヨーレイトセンサの零点補正が完了している、5)前記ヨーレイトセンサに瞬断がなかった、6)前記ヨーレイト(ω)が所定値以下であった、7)前記車速(V)が所定値以上であった、8)前記操舵角の速度(dδ/dt)が所定値以下であったことを条件とする請求項4記載の操舵角補正装置。
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