JPH1017497A - 徐放性製剤およびその製造方法 - Google Patents

徐放性製剤およびその製造方法

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JPH1017497A
JPH1017497A JP17210896A JP17210896A JPH1017497A JP H1017497 A JPH1017497 A JP H1017497A JP 17210896 A JP17210896 A JP 17210896A JP 17210896 A JP17210896 A JP 17210896A JP H1017497 A JPH1017497 A JP H1017497A
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JP
Japan
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sustained
weight
release
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hydroxypropylmethylcellulose
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Application number
JP17210896A
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English (en)
Inventor
Shinji Omori
真治 大森
Tadashi Makino
正 槙野
Junichi Kikuta
潤一 菊田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Takeda Pharmaceutical Co Ltd
Original Assignee
Takeda Chemical Industries Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ヒドロキシプロピルメチルセルロースを含有
する製剤において、粉体の流動性及び圧縮成形性を改善
し、水溶性薬物などの活性成分を徐放化する。 【解決手段】 活性成分、ヒドロキシプロピルメチルセ
ルロース(HPMC)、無水リン酸水素カルシウム、お
よび必要により結晶セルロースを含む粉体成分を打錠
し、徐放性製剤を得る。活性成分には塩酸フェニルプロ
パノールアミンなどの水溶性活性成分も含まれる。HP
MCのメトキシ基含量は19〜24重量%,ヒドロキシ
プロポキシ基含量は4〜12重量%程度であってもよ
い。各成分の割合は、HPMC100重量部に対して無
水リン酸水素カルシウム5〜100重量部、結晶セルロ
ース1〜50重量部である。徐放性製剤は、徐放部と速
放部とで構成してもよい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ヒドロキシプロピ
ルメチルセルロースを基剤とする徐放性固形製剤および
その製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】徐放性製剤は、投与回数を低減でき、か
つ血中での薬物濃度をコントロールして、薬効を持続で
きる有用性の高い製剤である。例えば、徐放性製剤は、
生体内の消失半減期が短く、1日当り3回服用すること
が必要な薬物(例えば、イブプロフェン:消失半減期2
時間、塩酸フェニルプロパノールアミン:消失半減期4
時間)を1日2回の服用にしたり、薬物の血中での最小
有効濃度と副作用発現濃度の幅(すなわち有効治療域)
の狭い薬物(例えば、テオフィリンなど)の血中濃度を
所定の濃度にコントロールして、薬効を持続させること
ができる。徐放性固形製剤として、水との接触によりゲ
ルを形成する水溶性高分子を用い、製剤からの薬物放出
を持続させるマトリックス型徐放製剤については多くの
研究および報告がなされている(D.A.Alderman, Int.
J. Pharm. Tech. & Prod.Mfr., 5, 1-9 (1984))。こ
のマトリックス型徐放製剤は、リザーバー型徐放製剤に
比べて、製造が簡単で安価である。また、水溶性高分子
として代表的なヒドロキシプロピルメチルセルロース
(HPMC)を用いたマトリックス型徐放性製剤は、そ
の薬物の溶出が、生体内での環境、例えばpHなどに影
響されないことに加えて、熱に影響されないため、溶出
の経時安定性が優れることなどの多くの利点を有してい
る。しかし、多くの長所をもちながら、マトリックス型
徐放性製剤は、水溶性の高い薬物を徐放化する場合に
は、リザーバー型徐放製剤に比べて、徐放化基剤を多量
に必要とするため、製剤が大型化する。そのため、実用
化された例はリザーバー型徐放製剤に比べて少ない。
【0003】HPMCを担体として用いた徐放性製剤に
関し、特開昭62−149632号公報、特公平5−9
413号公報、特公平7−57726号公報には、ヒド
ロキシプロポキシ基含量9〜12重量%、メトキシ基含
量28〜30重量%のHPMCを担体として用いた徐放
性製剤が開示されている。特開昭61−165337号
公報には、ヒドロキシプロポキシ基置換度0.05〜
3.0、メトキシ基置換度0.8〜2.5のHPMCと
可塑剤とで構成された熱可塑性水溶性ゲルと、このゲル
の可塑剤中に分散された活性成分とで構成された徐放性
マトリックスが開示されている。特公平7−8809号
公報には、少なくとも50重量%が100メッシュスク
リーンを通過するヒドロキシプロピルセルロースエーテ
ル(HPC)の微粒子と、ヒドロキシプロポキシ基含量
4〜12重量%、メトキシ基含量19〜30重量%、2
%水溶液粘度400〜100,000cpsのHPMC
とを含む持効性組成物が開示されている。この文献に
は,HPMCの量が、ポリマー混合物(HPCおよびH
PMC)の総量に対して5〜75重量%であり、HPC
と組合せて錠剤の90重量%までの範囲で使用できるこ
とも開示されている。
【0004】特公平4−15208号公報には、薬物と
徐放材料としてのHPMCとの混合物を圧縮成形した徐
放性製剤において、水との接触により高い粘度のゼラチ
ン状の塊を形成し、メトキシ基含量16〜24重量%、
ヒドロキシプロポキシ基含量4〜32重量%、少なくと
も50000の数平均分子量を有するHPMCを5〜2
5重量%含む製剤が開示されている。特開平6−305
982号公報には、メトキシ基含量19〜30重量%、
ヒドロキシプロポキシ基含量4〜12重量%、2%水溶
液粘度が1000cp以上のHPMCを5〜90重量%
含む徐放性製剤が開示されている。薬物、特に水溶性の
大きな薬物を徐放化するためには、錠剤中のHPMC濃
度を高めることが有用である。しかし、従来の錠剤では
HPMCの濃度を25重量%以上とするのは困難であ
る。すなわち、予め調製した粒剤を含む製剤成分を打錠
して錠剤を製造する場合、湿式造粒法により粒剤を調製
すると、基剤が水との接触によりゲル化膨潤するため適
当な造粒ができない。一方、乾式造粒により粒剤を製造
する場合は、圧縮によるHPMCの結合性が低下し、製
錠時にキャッピングやラミネーションという打錠障害が
生じる。そのため、HPMCを用いたマトリックス錠の
製造には、HPMCを直接打錠する方法が成形性の面か
ら有利である。しかし、HPMCは、繊維状の粒子であ
り、比容積が高く、流動性の低い粉体であるため、直接
打錠法においても、粉末の流動性を確保できず、一定の
重量の錠剤(特に小型化した錠剤)を効率よく製造する
ことが困難である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、ヒドロキシプロピルメチルセルロースを含むにも拘
らず、粉体の流動性および圧縮成形性が高く、薬物を徐
放する上で有用な徐放性製剤およびその製造方法を提供
することにある。本発明の他の目的は、多量のヒドロキ
シプロピルメチルセルロースを含有でき、水溶性薬物で
あっても有効に徐放化できる徐放性製剤およびその製造
方法を提供することにある。本発明のさらに他の目的
は、薬物徐放性の高い徐放部と速効性の高い速効部とを
有する徐放性製剤およびその製造方法を提供することに
ある。本発明の別の目的は、多量のヒドロキシプロピル
メチルセルロースを含有していても打錠障害がなく、円
滑に製剤化できるとともに、徐放性を簡単な操作で付与
できる徐放性製剤の製造方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記目的
を達成するため鋭意検討の結果、活性成分と組合せる担
体として、特定のヒドロキシプロピルメチルセルロース
と、(無水)リン酸水素カルシウムと、必要により結晶
セルロースとで構成された担体を用いると、ヒドロキシ
プロピルメチルセルロースの含有量が多くても、粉粒体
の流動性、圧縮成形性(打錠性)を大きく改善できると
もに、高い徐放性を付与できることを見いだし、本発明
を完成した。すなわち、本発明の徐放性製剤は、活性成
分、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、および(無
水)リン酸水素カルシウムを含んでいる。(無水)リン
酸水素カルシウムの割合は、ヒドロキシプロピルメチル
セルロース100重量部に対して5〜100重量部程度
である。徐放性製剤はさらに結晶セルロースを含有して
いてもよい。結晶セルロースの含有量は、ヒドロキシプ
ロピルメチルセルロース100重量部に対して1〜50
重量部程度である。また、上記担体を利用すると、活性
成分が塩酸フェニルプロパノールアミンなどの水溶性活
性成分であっても有効に徐放性を付与できる。徐放性製
剤は活性成分と担体とで構成された少くとも1つの徐放
部および速放部を有する固形製剤であってもよい。この
徐放部は、活性成分、ヒドロキシプロピルメチルセルロ
ース、および(無水)リン酸水素カルシウムを含み、徐
放部に対するヒドロキシプロピルメチルセルロースの含
有量が30〜90重量%であってもよい。製剤全体に対
するヒドロキシプロピルメチルセルロースの含有量は2
6〜90重量%であってもよい。
【0007】本発明の徐放性製剤には、塩酸フェニルプ
ロパノールアミン、および製剤全体に対して26〜90
重量%のヒドロキシプロピルメチルセルロースを含む徐
放性製剤も含まれる。本発明の方法では、活性成分、ヒ
ドロキシプロピルメチルセルロース、および(無水)リ
ン酸水素カルシウムを含む粉体成分を打錠することによ
り徐放性製剤を製造する。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明の徐放性製剤は、活性成分
と担体とで構成され、この担体は、ヒドロキシプロピル
メチルセルロースと、(無水)リン酸水素カルシウム
と、必要により結晶セルロースとで構成されている。 [活性成分]活性成分は、水難溶性活性成分、親水性又
は水溶性活性成分のいずれであってもよい。活性成分
は、医薬品、医薬部外品などのヒト用医薬成分;動物薬
成分;殺菌剤、殺虫剤、除草剤、殺鼠剤、忌避剤、植物
成長調整剤などの農薬成分;アミノ酸、ペプチド、核
酸、有機酸などの食品に含まれる成分であってもよい。
医薬活性成分としては、例えば、解熱鎮痛消炎剤、催眠
鎮静剤、精神神経用剤、末梢神経用剤などの中枢神経用
薬;骨格筋弛緩剤、自律神経剤などの末梢神経用薬;強
心剤、不整脈用剤、利尿剤、血管拡張剤などの循環器用
薬;気管支拡張剤、鎮咳剤などの呼吸器官用薬;消化
剤、整腸剤、制酸剤などの消化器官用薬;ホルモン剤;
抗ヒスタミン剤;ビタミン剤などの代謝性医薬;抗潰瘍
剤;抗生物質;化学療法剤;生薬エキス剤などが挙げら
れる。
【0009】本発明において、薬効の持続性が必要とさ
れる活性成分である限り、医薬活性成分の種類は特に制
限されない。持続性が要求される活性成分には、例え
ば、かぜ薬用活性成分や鼻炎用活性成分などが含まれ、
かぜ薬用活性成分には、例えば、解熱鎮痛消炎剤、気管
支拡張剤、抗ヒスタミン剤、鎮咳剤、去啖剤、鎮咳去啖
剤、ビタミン類、漢方薬エキスなどが含まれ、鼻炎用活
性成分には、例えば、交感神経興奮剤、副交感神経遮断
薬、抗アレルギー・抗炎症薬などが含まれる。解熱鎮痛
消炎剤としては、例えば、アセトアミノフェン、フェナ
セチン、塩酸レフェタミンなどのアニリン誘導体;サリ
チル酸メチル、サリチル酸フェニル、サリチル酸ナトリ
ウム、サリチル酸コリン、アスピリン、アスピリンアル
ミニウム、エテンザミド、サザピリンなどのサリチル酸
誘導体;イソプロピルアンチピリン、スルピリン、フェ
ニルブタゾン、ケトフェニルブタゾン、アンチピリン、
アミノピリンなどのピラゾロン誘導体;イブプロフェ
ン、ケトプロフェン、ナプロキセン、オキサシプロジ
ン、フェノプロフェンカルシウム、チアプロフェン酸な
どのプロピオン酸誘導体;フェンブフェン、ジクロフェ
ナクナトリウム、アンフェナクナトリウムどのフェニル
酢酸誘導体;インドメタシン、インドメタシンファルネ
シル、マレイン酸プログルメタシン、トルメチンナトリ
ウムなどのインドール酢酸誘導体;メフェナム酸、フル
フェナム酸、トルフェナム酸などのアントラニル酸誘導
体;ピロキシカム、アンピロキシカム、テノキシカムな
どのオキシカム誘導体;塩酸ベンジダミン、エピリゾー
ル(メピリゾール)、塩酸チアラミド、塩酸チノリジン
などが含まれる。さらに解熱鎮痛消炎剤には、消炎酵素
剤[セラペプターゼ[セラチオペプチダーゼ(商品
名)]、塩化リゾチームなど]なども含まれる。これら
の解熱鎮痛消炎剤は、一種又は二種以上組み合わせて使
用できる。
【0010】気管支拡張剤には、例えば、塩酸エフェド
リン、dl−塩酸メチルエフェドリン、dl−メチルエ
フェドリンサッカリネート、塩酸イソプレナリン、硫酸
イソプロテレノール、塩酸メトキシフェナミン、硫酸オ
ルシプレナリン、塩酸クロルプレナリン、塩酸トリメト
キノール、硫酸サルブタモール、硫酸テルブタリン、硫
酸ヘキソプレナリン、フマル酸フォルモテロール、臭化
水素酸フェノテロール、塩酸プロカテロール、塩酸プル
ブテロール、塩酸クレンブテロール、塩酸マブテロー
ル;アミノフィリン、テオフィリン、ジプロフィリン、
プロキシフィリンなどのキサンチン誘導体;臭化イプラ
トロピウム、臭化フルトロピウム、臭化オキシトロピウ
ムなどの抗コリン剤などが含まれる。抗ヒスタミン剤に
は、例えば、ジフェンヒドラミン又はその塩(例えば、
塩酸塩など)などのエタノールアミン系抗ヒスタミン
剤;dl−マレイン酸クロルフェニラミン、d−マレイ
ン酸クロルフェニラミンなどのプロピルアミン系抗ヒス
タミン剤;酒石酸アリメマジン、塩酸イソチペンジル、
塩酸プロメタジン、メキタジンなどのフェノチアジン系
抗ヒスタミン剤;ジフェニルピラリン又はその塩(例え
ば、塩酸塩、テオクル酸塩など)、マレイン酸カルビノ
キサミン、フマル酸クレマスチン、塩酸イプロヘプチ
ン、塩酸ホモクロルシクリジン、塩酸シプロヘプタジ
ン、マレイン酸ジメチンデン、塩酸トリプロリジンなど
が挙げられる。
【0011】鎮咳剤としては、例えば、コデイン類(例
えば、リン酸コデイン、リン酸ジヒドロコデインな
ど)、臭化水素酸デキストロメトルファン、クロペラス
チン又はその塩(塩酸塩、フェンジゾ酸塩など)、ノス
カピン又はその塩(塩酸塩など)、ジメモルファン又は
その塩(例えば、リン酸塩、硫酸塩など)、オキセラジ
ン又はその塩(例えば、タンニン酸塩、クエン酸塩な
ど)、クエン酸ペントキシベリン、塩酸エプラジノン、
塩酸クロブチノール、クエン酸イソアミニル、塩酸ホミ
ノベン、塩酸クロフェダノール、リン酸ベンプロペリ
ン、ジブナートナトリウム、ヒドロコタルニンなどが挙
げられる。去痰剤には、グアヤコールスルホン酸カリウ
ム;カルボシステイン、塩酸L−エチルシステイン、塩
酸L−メチルシステイン、アセチルシステインなどのシ
ステイン誘導体;ブロムヘキシン又はその塩(塩酸塩な
ど)、塩酸アンブロキソールなどが含まれる。
【0012】鎮咳去痰剤には、例えば、グアイフェネシ
ン、チペピジン又はその塩(ヒベンズ酸塩、クエン酸塩
など)、オキシメテバノール、塩酸アロクラミド、フェ
ン酸カルベタペンタン、塩酸トリメトキノール、塩酸メ
トキシフェナミンなどが含まれる。なお、上記鎮咳剤、
去痰剤、鎮咳去痰剤として例示した薬効成分は、鎮咳作
用及び/又は去痰作用を複合的に示す場合がある。ビタ
ミン類としては、例えば、ビタミンB1 若しくはその誘
導体又はそれらの塩(例えば、フルスルチアミン、塩酸
フルスルチアミン、プロスルチアミン、オクトチアミ
ン、チアミンジスルフィド、ビスベンチアミン、ビスブ
チチアミン、ビスイブチアミン、ベンフォチアミン、塩
酸セトチアミンなど)、ビタミンB2若しくはその誘導
体又はそれらの塩(例えば、リボフラビン、リン酸リボ
フラビンナトリウム、フラビンアデニンジヌクレオチド
ナトリウム、酪酸リボフラビンなど)、ビタミンCなど
が挙げられる。
【0013】漢方薬エキスとしては、例えば、甘草、柴
胡、桂皮、葛根、キョウニン、半夏、生姜、人参、陳皮
などが例示できる。鼻炎薬を構成する交感神経興奮剤
(α受容体刺激剤)としては、うっ血除去剤、例えば、
塩酸フェニルプロパノールアミン、塩酸シュードエフェ
ドリン、塩酸フェニレフリンなどが含まれる。副交感神
経遮断薬には、例えば、ベラドンナ総アルカロイドなど
が含まれ、抗アレルギー・抗炎症薬には、例えば、トラ
ネキサム酸などが含まれる。これらの活性成分は、同系
統又は異系統の群から適当に選択し、単独で又は二種以
上組合せて使用できる。前記活性成分は、必要に応じ
て、カフェイン類(例えば、無水カフェイン、安息香酸
ナトリウムカフェイン、カフェインサイレート、カフェ
イン(1水和物)など)、制酸剤又は粘膜保護剤[例え
ば、水酸化マグネシウム、酸化マグネシウム、炭酸マグ
ネシウム、ケイ酸マグネシウム、硫酸アルミニウム、合
成ケイ酸アルミニウム、合成ヒドロタルサイト[例え
ば、アルカマック(商品名)]、ジヒドロアルミニウム
・アミノ酢酸塩、水酸化アルミニウムゲル、メタケイ酸
アルミン酸マグネシウム、水酸化アルミニウム・炭酸水
素ナトリウム共沈物[例えば、クムライト(商品
名)]、スクラルファートなど]、ミネラル、アミノ酸
類などと併用してもよい。
【0014】本発明は水溶性活性成分(特に高い水溶性
の活性成分)を徐放化するのに有利である。水溶性活性
成分は、無機酸塩(例えば、塩酸、硫酸、硝酸、臭化水
素酸などとの塩)や有機酸塩(例えば、酢酸、トリフル
オロ酢酸などとの塩)、特に無機酸塩である場合が多
い。水溶性活性成分は、水に対する溶解度(温度20
℃)が1mg/ml以上(例えば、5〜900mg/m
l)、好ましくは10mg/ml以上(例えば、30〜
800mg/ml)、さらに好ましくは50mg/ml
以上(例えば、50〜700mg/ml)程度である。
本発明は、水に対する溶解度(温度37℃)が405m
g/ml程度の塩酸フェニルプロパノールアミンなどで
あっても、有効に徐放化できる。活性成分の使用量は、
徐放性製剤の構造、サイズ、投与単位などにより変化す
るが、例えば、徐放性製剤全体の0.01〜30重量
%、好ましくは0.1〜20重量%、特に0.1〜15
重量%程度である場合が多い。
【0015】[HPMC]本発明の徐放性製剤は、基剤
としてヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPM
C)を含んでいる。HPMCのメトキシ基含量は、例え
ば、19〜30重量%(例えば、20〜29重量%)程
度の範囲から選択でき、ヒドロキシプロポキシ基含量
は、例えば、4〜12重量%(例えば、5〜10重量
%)程度の範囲から選択できる。より具体的には、HP
MCとしては、日局ヒドロキシプロピルメチルセルロー
ス2208[メトキシ基含量19〜24重量%(メトキ
シ基の平均置換度約1.1〜2.0)およびヒドロキシ
プロポキシ基含量4〜12重量%(ヒドロキシプロポキ
シ基の平均置換度約0.1〜0.34)程度]、日局ヒ
ドロキシプロピルメチルセルロース2906[メトキシ
基含量27〜30重量%、ヒドロキシプロポキシ基含量
4〜7.5重量%]、日局ヒドロキシプロピルメチルセ
ルロース2910[メトキシ基含量28〜30重量%、
ヒドロキシプロポキシ基含量7〜12重量%程度]など
か例示できる。これらのHPMCは単独で又は二種以上
組合せて使用できる。
【0016】HPMCとしては、メトキシ基含量19〜
24重量%(メトキシ基の平均置換度約1.1〜2.
0)、ヒドロキシプロポキシ基含量4〜12重量%(ヒ
ドロキシプロポキシ基の平均置換度約0.1〜0.3
4)のヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPM
C,日局ヒドロキシプロピルメチルセルロース220
8)を用いることができる。HPMCの2重量%水溶液
粘度(cp)は、20℃において、10〜100000
cps、好ましくは100〜30000cps(例え
ば、1000〜30000cps)程度であり、100
〜10000cps程度のHPMCを用いる場合が多
い。前記HPMCは粉粒状であり、例えば、100メッ
シュのシーブの通過量が50重量%以上(例えば、60
〜100重量%)、好ましくは70〜100重量%程度
である。
【0017】さらに、HPMCの1%(W/V)の水溶
液のpHは、5〜8程度である。HPMCは、慣用の方
法、例えば、アルカリセルロースに塩化メチルとプロピ
レンオキサイドとを反応させることにより調製できる。
HPMCの含有量は、徐放性製剤の構造により異なるの
で一概に決定できないが、例えば、製剤が単層状の徐放
性製剤である場合、製剤全体に対して26〜90重量
%、好ましくは30〜80重量%、さらに好ましくは3
5〜75重量%程度である。また、HPMCの含有量
は、前記HPMC,リン酸水素カルシウムおよび結晶セ
ルロースで構成される担体全体に対して40〜90重量
%、好ましくは45〜85重量%、さらに好ましくは5
0〜80重量%程度である場合が多い。
【0018】このようなHPMCは流動性および圧縮成
形性が低く、高い徐放性を有効に付与することが困難で
ある。そのため、本発明では、HPMCと、流動性の高
い賦形剤としての(無水)リン酸水素カルシウムと、必
要により結合性の高い賦形剤としての結晶セルロースと
を組合せて担体を構成する。このような組合せにより、
高い流動性を粉末に付与できるとともに、圧縮性成形を
大きく改善して打錠障害を解消することができる。しか
も、HPMCの含有量を高めることができるため、製剤
に高い徐放性を付与できる。なお、前記HPMCを用い
ると、水溶性の交感神経興奮剤(特に塩酸フェニルプロ
パノールアミン)を有効に徐放化できる。そのため、本
発明は、塩酸フェニルプロパノールアミンと、HPMC
とを含む組成物で構成された徐放性製剤をも提供する。
この徐放性製剤組成物において、HPMCの含有量は、
製剤全体に対して26〜90重量%(好ましくは30〜
85重量%、さらに好ましくは35〜80重量%)程度
である。このような組成物で構成された徐放性製剤は、
単層錠に限らず、後述するように、前記組成物で構成さ
れた徐放部(徐放層)を備えた積層錠や有核剤などであ
ってもよい。
【0019】[(無水)リン酸水素カルシウム](無
水)リン酸水素カルシウムには、リン酸水素カルシウム
および無水リン酸水素カルシウムが含まれ、(無水)リ
ン酸水素カルシウムは、リン酸二水素カルシウムCa
(H2PO42、第二リン酸カルシウムCaHPO4のい
ずれであってもよい。賦形剤としての無水リン酸水素カ
ルシウムは、例えば、噴霧乾燥造粒品(富士化学工業
(株)製,商品名「フジカリン」)として入手できる。
リン酸水素カルシウムと無水リン酸水素カルシウムは併
用してもよい。リン酸水素カルシウム又は無水リン酸水
素カルシウムの使用量は、前記HPMC100重量部に
対して5〜100重量部、好ましくは10〜80重量
部、さらに好ましくは15〜60重量部(例えば、20
〜60重量部)程度である。
【0020】[結晶セルロース]さらに結晶セルロース
を含む粉体成分を用いると、打錠性をさらに改善でき
る。結晶セルロースの種類は特に制限されず、例えば、
結晶セルロース(旭化成(株)製、アビセルなど)など
の種々の結晶セルロースが使用できる。好ましい結晶セ
ルロースは、スコットボリュームメーターにて測定した
見かけ密度が0.13〜0.23g/cm3程度であ
る。このような結晶セルロースは、例えば、旭化成
(株)から商品名「アビセルAX−1」として入手でき
る。結晶セルロースの使用量は、前記HPMC100重
量部に対して1〜50重量部、好ましくは2〜40重量
部(例えば、3〜30重量部)、さらに好ましくは2〜
25重量部(例えば、3〜20重量部)程度である。
【0021】本発明の徐放性製剤は、他の成分、例え
ば、賦形剤[例えば、コーンスターチなどのデンプン
類、乳糖、粉糖、グラニュウ糖、ブドウ糖、マンニトー
ル、軽質無水ケイ酸、タルク、炭酸マグネシウム、炭酸
カルシウムなど]、結合剤[例えば、ショ糖、ゼラチ
ン、アラビアゴム末、メチルセルロース、ヒドロキシプ
ロピルセルロース(例えば、日本曹達(株)製、HPC
−L)、カルボキシメチルセルロース、結晶セルロース
・カルボキシメチルセルロースナトリウム(例えば、旭
化成(株)製、アビセルRC)、ポリビニルピロリド
ン、プルラン、デキストリン、トラガント、アルギン酸
ナトリウム、α化デンプンなど]、崩壊剤[例えば、カ
ルボキシメチルセルロースカルシウム(例えば、ニチリ
ン化学(株)製、ECG505)、クロスカルメロース
ナトリウム(例えば、旭化成(株)製、アクジゾル)、
架橋化ポリビニルピロリドン(例えば、BASF社製、
コリドンCL)、低置換度ヒドロキシプロピルセルロー
ス(例えば、信越化学(株)製、L−HPC)、デンプ
ン類など]、滑沢剤(例えば、ステアリン酸マグネシウ
ム、タルク、ステアリン酸、ステアリン酸カルシウムな
ど)、流動化剤(例えば、軽質無水ケイ酸など)、界面
活性剤(例えば、アルキル硫酸ナトリウムなどのアニオ
ン系界面活性剤、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸
エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステルおよびポ
リオキシエチレンヒマシ油誘導体などの非イオン系界面
活性剤など)、脂質(例えば、炭化水素、ワックス類、
高級脂肪酸とその塩、高級アルコール、脂肪酸エステ
ル、硬化油など)、着色剤(例えば、タール色素、カラ
メル、ベンガラ、酸化チタンなど)、矯味剤(例えば、
甘味剤、香料など)、充填剤、増量剤、吸着剤、防腐剤
などの保存剤、緩衝剤、湿潤剤、帯電防止剤、崩壊延長
剤などを含んでいてもよい。
【0022】本発明の徐放性製剤は、細粒剤、顆粒剤な
どの形態であってもよいが、直接打錠により効率よく固
形製剤を得るため、錠剤の形態であるのが好ましい。錠
剤は単層錠であってもよく、複数の層で構成された積層
錠や有核錠(圧縮被包錠)であってもよい。積層錠や有
核錠は少くとも1つの徐放層(徐放部)を有する限り特
に制限されないが、活性成分と前記担体とで構成された
少くとも1つの徐放部および速放部を有する固形製剤で
あるのが有効である。すなわち、少くとも1つの徐放層
(徐放部)と少くとも1つの速放層(速放部)とを組合
せると、薬効を速やかに発現させることができるだけで
なく、薬効を持続させるのに有効である。前記徐放層
(徐放部)は前記と同様の徐放性製剤の成分で構成でき
る。
【0023】固形製剤がかぜ薬用錠剤や鼻炎用錠剤であ
る場合、徐放層(徐放部)および速放層(速放部)のか
ぜ薬用活性成分として、それぞれ、解熱鎮痛消炎剤、気
管支拡張剤、抗ヒスタミン剤、鎮咳剤、去啖剤、鎮咳去
啖剤、ビタミン類、漢方薬エキスから選ばれた少くとも
一種の水溶性活性成分を用いたり、鼻炎用活性成分とし
て、交感神経興奮剤、副交感神経遮断薬、抗アレルギー
・抗炎症薬などから選択された少くとも一種の水溶性活
性成分を用いることにより、速効性と徐放性とを備えた
固形製剤を得ることができる。より具体的には、徐放層
(徐放部)の鼻炎用活性成分として、交感神経興奮薬
(例えば、塩酸フェニルプロパノールアミンなど)を用
い、速放層(速放部)の鼻炎用活性成分(例えば、鼻炎
用薬)として、例えば、抗ヒスタミン剤(例えば、d−
マレイン酸クロルフェニラミン、dl−マレイン酸クロ
ルフェニラミンなど)、交感神経興奮薬(例えば、塩酸
フェニルプロパノールアミンなど)、副交感神経遮断薬
(例えば、ベラドンナ総アルカロイドなど)、抗アレル
ギー・抗炎症薬(例えば、トラネキサム酸など)、カフ
ェイン類(カフェインあるいは無水カフェインなど)な
どを速放成分として使用できる。
【0024】なお、速放層(速放部)は、通常の製剤成
分、すなわち前記HPMCを用いることなく、前記賦形
剤、結合剤、崩壊助剤などの製剤成分で構成した担体を
用いることにより形成できる。徐放性製剤が積層錠や有
核錠などのように徐放部(徐放層)と非徐放部(非徐放
層)とで構成されている場合、HPMCの含有量は、徐
放部(徐放層)に対して26〜90重量%(例えば、3
0〜90重量%)、好ましくは30〜85重量%(例え
ば、35〜85重量%)、さらに好ましくは35〜80
重量%(40〜80重量%)程度であり、製剤全体に対
して26〜80重量%(好ましくは27〜75重量部
(例えば、30〜75重量%)、さらに好ましくは28
〜60重量%(例えば、30〜60重量%)程度であ
る。
【0025】本発明の徐放性製剤には、必要に応じてコ
ーティング層を形成し、矯味などにより服用感を向上さ
せたり安定性を向上させてもよい。コーティング錠に
は、例えば、シュガーコーティング錠やフィルムコーテ
ィング錠が含まれ、コーティング層は、炭酸カルシウ
ム、ショ糖、リン酸カルシウム、タルク、アラビアゴ
ム、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリエチレ
ングリコール、ポリオキシエチレン[105]ポリオキ
シプロピレン[5]グリコール、ポリオキシエチレン
[160]ポリオキシプロピレン[30]グリコール、
グリコール、腸溶性ポリマー(例えば、ヒドロキシプロ
ピルメチルセルロースフタレート、セルロースアセテー
トフタレート、カルボキシメチルエチルセルロースな
ど)、着色剤(酸化チタン、黄色ベンガラ、三二酸化
鉄、食用色素など)などで構成されたコーティング組成
物を用い、慣用の方法で形成することができる。
【0026】[徐放性製剤の製造方法]前記徐放性製剤
は、活性成分、HPMC、および(無水)リン酸水素カ
ルシウムを含む粉体成分を打錠することにより得ること
ができる。前記粉体成分はさらに結晶セルロースを含ん
でいてもよい。前記粉体成分は粉末の流動性および圧縮
成形性が高いため、造粒することなく前記成分を混合
し、混合物を直接打錠して圧縮成形するという簡単な方
法で徐放性製剤又は徐放部を形成できる。なお、積層錠
や有核錠における非徐放部(速放部など)は、非徐放部
を構成する成分を混合し、上記と同様に直接打錠するこ
とにより形成してもよく、予め湿式又は乾式造粒された
造粒物を含む打錠成分を打錠して形成してもよい。打錠
圧は、例えば、300〜3000kg/cm2 程度の範
囲から適当に選択できる。また、積層錠の打錠では、各
層の密着性を高めるため、順次打錠圧を高めて打錠する
場合が多い。
【0027】本発明の徐放性製剤が錠剤である場合、錠
剤のサイズは特に制限されず、例えば、1錠当りの徐放
部が50〜500mg程度であってもよい。
【0028】
【発明の効果】本発明は、HPMCとリン酸水素カルシ
ウムと必要により結晶セルロースとを組合せているた
め、HPMCを含むにも拘らず、粉体の流動性および圧
縮成形性が高く、高い薬物徐放性を有する徐放性製剤を
得ることができる。また、多量のヒドロキシプロピルメ
チルセルロースを含有でき、水溶性薬物であっても有効
に徐放化できる。さらに、薬物徐放性の高い徐放部と速
放部とを有する固形製剤では、活性成分による薬効を、
速やかに発現できるとともに持続させることができる。
本発明の方法では、多量のヒドロキシプロピルメチルセ
ルロースを含有していても打錠障害がなく、円滑に製剤
化できるとともに、直接打錠という簡単な操作で徐放性
を付与できる。
【0029】
【実施例】以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細
に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるも
のではない。 実施例1 下記の速放部用混合末及び徐放部用混合末を以下のよう
にして調製した。すなわち、速放部用の混合末は、下記
の速放部の処方に従って、d−マレイン酸クロルフェニ
ラミン25.0g、塩酸プロパノールアミン125.0
g、トラネキサム酸2625.0g、無水カフェイン6
25.0g、コーンスターチ552.2gをバーチカル
グラニュレーター(FM−G−25型、(株)パウレッ
ク製)を用いて混合した後、ベラドンナ総アルカロイド
のアルコール溶液を添加して、練合した。練合物に、微
量の黄色色素5号を溶解させたヒドロキシプロピルセル
ロース(以下、HPC−Lと略記する)水溶液を添加し
た後、さらに練合した。得られた練合物を真空乾燥機で
40℃16時間乾燥し、パワーミル(P−3型、(株)
昭和化学機械工作所製)を用い、1.5mmφのパンチ
ングスクリーンで解砕し、整粒末とした。
【0030】整粉末3784.0gに、低置換度ヒドロ
キシプロピルセルロース(以下、L−HPCと略記す
る)200.0g、ステアリン酸マグネシウム16.0
gをタンブラー混合機を用いて混合し、速放部用の混合
末を得た。徐放部用の混合末は、徐放部処方に従って、
塩酸フェニルプロパノールアミン400g、HPMC
(信越化学工業(株)製,メトローズ90SH400
0,メトキシ基含有量23.3重量%,ヒドロキシプロ
ポキシ基含有量7.3重量%,2重量%水溶液粘度45
30センチストークス)2,400g、無水リン酸水素
カルシウムの噴霧乾燥造粒品(富士化学工業(株)製,
商品名「フジカリンSG」)1,000g、結晶セルロ
ース(旭化成(株)製,商品名「アビセルAX−1」)
120g、軽質無水ケイ酸(富士シリシア化学(株)
製,サイリシア320)40.0g、ステアリン酸マグ
ネシウム40.0gを、タンブラー混合機(TM−60
S型、(株)昭和化学機械工作所製)を用い、15rp
mで3分間混合し、徐放部用の混合末を得た。
【0031】 [速放部の処方] d−マレイン酸クロルフェニラミン 1.0mg 塩酸フェニルプロパノールアミン 5.0mg トラネキサム酸 105.0mg 無水カフェイン 25.0mg コーンスターチ 22.1mg 軽質無水ケイ酸(サイリシア 320) 25.0mg ベラドンナ総アルカロイド 0.1mg HPC−L 6.0mg 黄色色素5号 微量 L−HPC 10.0mg ステアリン酸マグネシウム 0.8mg 計 200.0mg [徐放部の処方] 塩酸フェニルプロパノールアミン 20.0mg HPMC(メトローズ 90SH4000) 120.0mg 無水リン酸水素カルシウム(フジカリン SG) 50.0mg 結晶セルロース(アビセルAX−1) 6.0mg 軽質無水ケイ酸(サイリシア 320) 2.0mg ステアリン酸マグネシウム 2.0mg 計 200.0mg 得られた速放部用混合末、徐放部用混合末を用いて、錠
剤機(小型特殊打錠機、(株)菊水製作所製)にて、速
放部を1層目(打錠圧50kg/杵)、徐放部を2層目
(打錠圧600kg/杵)として2層錠を製錠した。重
量は、徐放部、速放部と共に200mgとした。
【0032】そして、得られた2層錠を用い、第十二改
正日本薬局方解説書に記載のパドル法(100回転)に
従って、塩酸フェニルプロパノールアミンの溶出率を測
定した。なお、溶出試験には、液量900mlの水を用
い、溶出された薬物量は高速液体クロマトグラフィー
(HPLC)法により測定した。結果を表1に示す。
【0033】
【表1】
【0034】実施例2 速放部用混合末及び徐放部用混合末を、それぞれ、下記
の速放部処方および徐放部処方に従って、前記実施例1
と同様にして調製した。また、錠剤機を用い、実施例1
と同様に速放部用混合末、徐放部用混合末を打錠するこ
とにより2層錠を製錠した。 [速放部の処方] d−マレイン酸クロルフェニラミン 1.0mg 塩酸フェニルプロパノールアミン 5.0mg トラネキサム酸 105.0mg 無水カフェイン 25.0mg コーンスターチ 22.3mg 軽質無水ケイ酸(サイリシア 320) 25.0mg ベラドンナ総アルカロイド 0.1mg HPC−L 6.0mg 黄色色素5号 微量 L−HPC 10.0mg ステアリン酸マグネシウム 0.6mg 計 200.0mg [徐放部の処方] 塩酸フェニルプロパノールアミン 20.0mg HPMC(メトローズ 90SH4000) 120.0mg 無水リン酸水素カルシウム(フジカリン SG) 35.0mg 結晶セルロース(アビセルAX-1) 20.0mg 軽質無水ケイ酸(サイリシア 320) 2.5mg ステアリン酸マグネシウム 2.5mg 計 200.0mg 実施例3 下記の処方に従って、各成分をタンブラー混合機(TM
−60S型、(株)昭和化学機械工作所製)を用い、1
5rpmで3分間混合し、徐放製製剤用の混合末を得
た。この混合末を用いて、錠剤機(小型特殊打錠機、
(株)菊水製作所製)にて、打錠圧600kg/杵で打
錠し、単層錠(200mg)を製錠した。
【0035】 塩酸フェニルプロパノールアミン 20.0mg HPMC(メトローズ 90SH4000) 120.0mg 無水リン酸水素カルシウム(フジカリン SG) 50.0mg 結晶セルロース(アビセルAX-1) 6.0mg 軽質無水ケイ酸(サイリシア 320) 2.0mg ステアリン酸マグネシウム 2.0mg 計 200.0mg そして、得られた錠剤を用い、第十二改正日本薬局方解
説書に記載のパドル法(100回転)に従って、塩酸フ
ェニルプロパノールアミンの溶出率を測定したところ、
表2に示す結果を得た。
【0036】
【表2】
【0037】実施例4 下記の処方成分を用いる以外、実施例3と同様にして徐
放性単層錠(200mg)を製錠した。 塩酸フェニルプロパノールアミン 15.0mg HPMC(メトローズ 90SH4000) 140.0mg 無水リン酸水素カルシウム(フジカリン SG) 31.0mg 結晶セルロース(アビセルAX-1) 10.0mg 軽質無水ケイ酸(サイリシア 320) 2.0mg ステアリン酸マグネシウム 2.0mg 計 200.0mg

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 活性成分、ヒドロキシプロピルメチルセ
    ルロース、および(無水)リン酸水素カルシウムを含む
    徐放性製剤。
  2. 【請求項2】 ヒドロキシプロピルメチルセルロースの
    メトキシ基含量が19〜24重量%、ヒドロキシプロポ
    キシ基含量が4〜12重量%である請求項1記載の徐放
    性製剤。
  3. 【請求項3】 (無水)リン酸水素カルシウムの割合
    が、ヒドロキシプロピルメチルセルロース100重量部
    に対して5〜100重量部である請求項1記載の徐放性
    製剤。
  4. 【請求項4】 活性成分が水溶性活性成分である請求項
    1記載の徐放性製剤。
  5. 【請求項5】 活性成分が、塩酸フェニルプロパノール
    アミンである請求項1記載の徐放性製剤。
  6. 【請求項6】 さらに、結晶セルロースを含む請求項1
    記載の徐放性製剤。
  7. 【請求項7】 結晶セルロースの割合が、ヒドロキシプ
    ロピルメチルセルロース100重量部に対して1〜50
    重量部である請求項6記載の徐放性製剤。
  8. 【請求項8】 活性成分と担体とで構成された少くとも
    1つの徐放部および速放部を有する固形製剤であって、
    前記徐放部が、活性成分、ヒドロキシプロピルメチルセ
    ルロース、および(無水)リン酸水素カルシウムを含
    み、徐放部に対するヒドロキシプロピルメチルセルロー
    スの含有量が30〜90重量%である請求項1記載の徐
    放性製剤。
  9. 【請求項9】 ヒドロキシプロピルメチルセルロースの
    含有量が、製剤全体に対して26〜90重量%である請
    求項1記載の徐放性製剤。
  10. 【請求項10】 塩酸フェニルプロパノールアミン、お
    よび製剤全体に対して26〜90重量%のヒドロキシプ
    ロピルメチルセルロースを含む徐放性製剤。
  11. 【請求項11】 活性成分、ヒドロキシプロピルメチル
    セルロース、および(無水)リン酸水素カルシウムを含
    む粉体成分を打錠する徐放性製剤の製造方法。
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