JP2006335771A - 徐放性製剤およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】ヒドロキシプロピルメチルセルロースを含有する製剤において、粉体の流動性及び圧縮成形性を改善し、水溶性薬物などの活性成分を徐放化する。
【解決手段】活性成分、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、無水リン酸水素カルシウムの噴霧乾燥造粒品、および必要により結晶セルロースを含む粉体成分を打錠し、徐放性製剤を得る。活性成分には塩酸フェニルプロパノールアミンなどの水溶性活性成分も含まれる。HPMCのメトキシ基含量は19〜24重量%,ヒドロキシプロポキシ基含量は4〜12重量%程度であってもよい。各成分の割合は、HPMC100重量部に対して無水リン酸水素カルシウム5〜100重量部、結晶セルロース1〜50重量部である。徐放性製剤は、徐放部と速放部とで構成してもよい。
【選択図】なし
【解決手段】活性成分、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、無水リン酸水素カルシウムの噴霧乾燥造粒品、および必要により結晶セルロースを含む粉体成分を打錠し、徐放性製剤を得る。活性成分には塩酸フェニルプロパノールアミンなどの水溶性活性成分も含まれる。HPMCのメトキシ基含量は19〜24重量%,ヒドロキシプロポキシ基含量は4〜12重量%程度であってもよい。各成分の割合は、HPMC100重量部に対して無水リン酸水素カルシウム5〜100重量部、結晶セルロース1〜50重量部である。徐放性製剤は、徐放部と速放部とで構成してもよい。
【選択図】なし
Description
本発明は、ヒドロキシプロピルメチルセルロースを基剤とする徐放性固形製剤およびその製造方法に関する。
徐放性製剤は、投与回数を低減でき、かつ血中での薬物濃度をコントロールして、薬効を持続できる有用性の高い製剤である。例えば、徐放性製剤は、生体内の消失半減期が短く、1日当り3回服用することが必要な薬物(例えば、イブプロフェン:消失半減期2時間、塩酸フェニルプロパノールアミン:消失半減期4時間)を1日2回の服用にしたり、薬物の血中での最小有効濃度と副作用発現濃度の幅(すなわち有効治療域)の狭い薬物(例えば、テオフィリンなど)の血中濃度を所定の濃度にコントロールして、薬効を持続させることができる。
徐放性固形製剤として、水との接触によりゲルを形成する水溶性高分子を用い、製剤からの薬物放出を持続させるマトリックス型徐放製剤については多くの研究および報告がなされている(D.A.Alderman, Int. J. Pharm. Tech. & Prod. Mfr., 5, 1-9 (1984)、非特許文献1)。このマトリックス型徐放製剤は、リザーバー型徐放製剤に比べて、製造が簡単で安価である。また、水溶性高分子として代表的なヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)を用いたマトリックス型徐放性製剤は、その薬物の溶出が、生体内での環境、例えばpHなどに影響されないことに加えて、熱に影響されないため、溶出の経時安定性が優れることなどの多くの利点を有している。しかし、多くの長所をもちながら、マトリックス型徐放性製剤は、水溶性の高い薬物を徐放化する場合には、リザーバー型徐放製剤に比べて、徐放化基剤を多量に必要とするため、製剤が大型化する。そのため、実用化された例はリザーバー型徐放製剤に比べて少ない。
HPMCを担体として用いた徐放性製剤に関し、特開昭62−149632号公報(特許文献1)、特公平5−9413号公報(特許文献2)、特公平7−57726号公報(特許文献3)には、ヒドロキシプロポキシ基含量9〜12重量%、メトキシ基含量28〜30重量%のHPMCを担体として用いた徐放性製剤が開示されている。
特開昭61−165337号公報(特許文献4)には、ヒドロキシプロポキシ基置換度0.05〜3.0、メトキシ基置換度0.8〜2.5のHPMCと可塑剤とで構成された熱可塑性水溶性ゲルと、このゲルの可塑剤中に分散された活性成分とで構成された徐放性マトリックスが開示されている。
特公平7−8809号公報(特許文献5)には、少なくとも50重量%が100メッシュスクリーンを通過するヒドロキシプロピルセルロースエーテル(HPC)の微粒子と、ヒドロキシプロポキシ基含量4〜12重量%、メトキシ基含量19〜30重量%、2%水溶液粘度400〜100,000cpsのHPMCとを含む持効性組成物が開示されている。この文献には,HPMCの量が、ポリマー混合物(HPCおよびHPMC)の総量に対して5〜75重量%であり、HPCと組合せて錠剤の90重量%までの範囲で使用できることも開示されている。
特公平4−15208号公報(特許文献6)には、薬物と徐放材料としてのHPMCとの混合物を圧縮成形した徐放性製剤において、水との接触により高い粘度のゼラチン状の塊を形成し、メトキシ基含量16〜24重量%、ヒドロキシプロポキシ基含量4〜32重量%、少なくとも50000の数平均分子量を有するHPMCを5〜25重量%含む製剤が開示されている。特開平6−305982号公報(特許文献7)には、メトキシ基含量19〜30重量%、ヒドロキシプロポキシ基含量4〜12重量%、2%水溶液粘度が1000cp以上のHPMCを5〜90重量%含む徐放性製剤が開示されている。
薬物、特に水溶性の大きな薬物を徐放化するためには、錠剤中のHPMC濃度を高めることが有用である。しかし、従来の錠剤ではHPMCの濃度を25重量%以上とするのは困難である。すなわち、予め調製した粒剤を含む製剤成分を打錠して錠剤を製造する場合、湿式造粒法により粒剤を調製すると、基剤が水との接触によりゲル化膨潤するため適当な造粒ができない。一方、乾式造粒により粒剤を製造する場合は、圧縮によるHPMCの結合性が低下し、製錠時にキャッピングやラミネーションという打錠障害が生じる。そのため、HPMCを用いたマトリックス錠の製造には、HPMCを直接打錠する方法が成形性の面から有利である。しかし、HPMCは、繊維状の粒子であり、比容積が高く、流動性の低い粉体であるため、直接打錠法においても、粉末の流動性を確保できず、一定の重量の錠剤(特に小型化した錠剤)を効率よく製造することが困難である。
特開昭62−149632号公報
特公平5−9413号公報
特公平7−57726号公報
特開昭61−165337号公報
特公平7−8809号公報
特公平4−15208号公報
特開平6−305982号公報
D.A.Alderman, Int. J. Pharm. Tech. & Prod. Mfr., 5, 1-9 (1984)
従って、本発明の目的は、ヒドロキシプロピルメチルセルロースを含むにも拘らず、粉体の流動性および圧縮成形性が高く、薬物を徐放する上で有用な徐放性製剤およびその製造方法を提供することにある。
本発明の他の目的は、多量のヒドロキシプロピルメチルセルロースを含有でき、水溶性薬物であっても有効に徐放化できる徐放性製剤およびその製造方法を提供することにある。
本発明のさらに他の目的は、薬物徐放性の高い徐放部と速効性の高い速効部とを有する徐放性製剤およびその製造方法を提供することにある。
本発明の別の目的は、多量のヒドロキシプロピルメチルセルロースを含有していても打錠障害がなく、円滑に製剤化できるとともに、徐放性を簡単な操作で付与できる徐放性製剤の製造方法を提供することにある。
本発明者らは、前記目的を達成するため鋭意検討の結果、活性成分と組合せる担体として、特定のヒドロキシプロピルメチルセルロースと、(無水)リン酸水素カルシウムと、必要により結晶セルロースとで構成された担体を用いると、ヒドロキシプロピルメチルセルロースの含有量が多くても、粉粒体の流動性、圧縮成形性(打錠性)を大きく改善できるともに、高い徐放性を付与できることを見いだし、本発明を完成した。
すなわち、本発明の徐放性製剤は、活性成分、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、および無水リン酸水素カルシウム又はリン酸水素カルシウムの噴霧乾燥造粒品を含んでいる。ヒドロキシプロピルメチルセルロースのメトキシ基含量は19〜24重量%、ヒドロキシプロポキシ基含量は4〜12重量%であってもよい。無水リン酸水素カルシウム又はリン酸水素カルシウムの割合は、ヒドロキシプロピルメチルセルロース100重量部に対して5〜100重量部程度である。活性成分は水溶性活性成分であってもよい。徐放性製剤はさらに結晶セルロースを含有していてもよい。結晶セルロースの含有量は、ヒドロキシプロピルメチルセルロース100重量部に対して1〜50重量部程度である。ヒドロキシプロピルメチルセルロースの含有量は、製剤全体に対して26〜90重量%であってもよく、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、無水リン酸水素カルシウム又はリン酸水素カルシウムの噴霧乾燥造粒品、および結晶セルロースで構成される担体全体に対して40〜90重量%であってもよい。また、上記担体を利用すると、活性成分が塩酸フェニルプロパノールアミンなどの水溶性活性成分であっても有効に徐放性を付与できる。徐放性製剤は活性成分と担体とで構成された少くとも1つの徐放部および速放部を有する固形製剤であってもよい。この徐放部は、活性成分、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、および無水リン酸水素カルシウム又はリン酸水素カルシウムの噴霧乾燥造粒品を含んでいてもよい。徐放部に対するヒドロキシプロピルメチルセルロースの含有量は26〜90重量%であってもよく、製剤全体に対するヒドロキシプロピルメチルセルロースの含有量は26〜90重量%であってもよい。
本発明の方法では、活性成分、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、および無水リン酸水素カルシウム又はリン酸水素カルシウムの噴霧乾燥造粒品を含む粉体成分を打錠することにより徐放性製剤を製造する。
なお、無水リン酸水素カルシウム及びリン酸水素カルシウムを単に(無水)リン酸水素カルシウムと記載する場合がある。
本発明は、HPMCと(無水)リン酸水素カルシウムと必要により結晶セルロースとを組合せているため、HPMCを含むにも拘らず、粉体の流動性および圧縮成形性が高く、高い薬物徐放性を有する徐放性製剤を得ることができる。また、多量のヒドロキシプロピルメチルセルロースを含有でき、水溶性薬物であっても有効に徐放化できる。さらに、薬物徐放性の高い徐放部と速放部とを有する固形製剤では、活性成分による薬効を、速やかに発現できるとともに持続させることができる。
本発明の方法では、多量のヒドロキシプロピルメチルセルロースを含有していても打錠障害がなく、円滑に製剤化できるとともに、直接打錠という簡単な操作で徐放性を付与できる。
本発明の徐放性製剤は、活性成分と担体とで構成され、この担体は、ヒドロキシプロピルメチルセルロースと、(無水)リン酸水素カルシウムと、必要により結晶セルロースとで構成されている。
[活性成分]
活性成分は、水難溶性活性成分、親水性又は水溶性活性成分のいずれであってもよい。活性成分は、医薬品、医薬部外品などのヒト用医薬成分;動物薬成分;殺菌剤、殺虫剤、除草剤、殺鼠剤、忌避剤、植物成長調整剤などの農薬成分;アミノ酸、ペプチド、核酸、有機酸などの食品に含まれる成分であってもよい。
活性成分は、水難溶性活性成分、親水性又は水溶性活性成分のいずれであってもよい。活性成分は、医薬品、医薬部外品などのヒト用医薬成分;動物薬成分;殺菌剤、殺虫剤、除草剤、殺鼠剤、忌避剤、植物成長調整剤などの農薬成分;アミノ酸、ペプチド、核酸、有機酸などの食品に含まれる成分であってもよい。
医薬活性成分としては、例えば、解熱鎮痛消炎剤、催眠鎮静剤、精神神経用剤、末梢神経用剤などの中枢神経用薬;骨格筋弛緩剤、自律神経剤などの末梢神経用薬;強心剤、不整脈用剤、利尿剤、血管拡張剤などの循環器用薬;気管支拡張剤、鎮咳剤などの呼吸器官用薬;消化剤、整腸剤、制酸剤などの消化器官用薬;ホルモン剤;抗ヒスタミン剤;ビタミン剤などの代謝性医薬;抗潰瘍剤;抗生物質;化学療法剤;生薬エキス剤などが挙げられる。
本発明において、薬効の持続性が必要とされる活性成分である限り、医薬活性成分の種類は特に制限されない。持続性が要求される活性成分には、例えば、かぜ薬用活性成分や鼻炎用活性成分などが含まれ、かぜ薬用活性成分には、例えば、解熱鎮痛消炎剤、気管支拡張剤、抗ヒスタミン剤、鎮咳剤、去啖剤、鎮咳去啖剤、ビタミン類、漢方薬エキスなどが含まれ、鼻炎用活性成分には、例えば、交感神経興奮剤、副交感神経遮断薬、抗アレルギー・抗炎症薬などが含まれる。
解熱鎮痛消炎剤としては、例えば、アセトアミノフェン、フェナセチン、塩酸レフェタミンなどのアニリン誘導体;サリチル酸メチル、サリチル酸フェニル、サリチル酸ナトリウム、サリチル酸コリン、アスピリン、アスピリンアルミニウム、エテンザミド、サザピリンなどのサリチル酸誘導体;イソプロピルアンチピリン、スルピリン、フェニルブタゾン、ケトフェニルブタゾン、アンチピリン、アミノピリンなどのピラゾロン誘導体;イブプロフェン、ケトプロフェン、ナプロキセン、オキサシプロジン、フェノプロフェンカルシウム、チアプロフェン酸などのプロピオン酸誘導体;フェンブフェン、ジクロフェナクナトリウム、アンフェナクナトリウムどのフェニル酢酸誘導体;インドメタシン、インドメタシンファルネシル、マレイン酸プログルメタシン、トルメチンナトリウムなどのインドール酢酸誘導体;メフェナム酸、フルフェナム酸、トルフェナム酸などのアントラニル酸誘導体;ピロキシカム、アンピロキシカム、テノキシカムなどのオキシカム誘導体;塩酸ベンジダミン、エピリゾール(メピリゾール)、塩酸チアラミド、塩酸チノリジンなどが含まれる。さらに解熱鎮痛消炎剤には、消炎酵素剤[セラペプターゼ[セラチオペプチダーゼ(商品名)]、塩化リゾチームなど]なども含まれる。これらの解熱鎮痛消炎剤は、一種又は二種以上組み合わせて使用できる。
気管支拡張剤には、例えば、塩酸エフェドリン、dl−塩酸メチルエフェドリン、dl−メチルエフェドリンサッカリネート、塩酸イソプレナリン、硫酸イソプロテレノール、塩酸メトキシフェナミン、硫酸オルシプレナリン、塩酸クロルプレナリン、塩酸トリメトキノール、硫酸サルブタモール、硫酸テルブタリン、硫酸ヘキソプレナリン、フマル酸フォルモテロール、臭化水素酸フェノテロール、塩酸プロカテロール、塩酸プルブテロール、塩酸クレンブテロール、塩酸マブテロール;アミノフィリン、テオフィリン、ジプロフィリン、プロキシフィリンなどのキサンチン誘導体;臭化イプラトロピウム、臭化フルトロピウム、臭化オキシトロピウムなどの抗コリン剤などが含まれる。
抗ヒスタミン剤には、例えば、ジフェンヒドラミン又はその塩(例えば、塩酸塩など)などのエタノールアミン系抗ヒスタミン剤;dl−マレイン酸クロルフェニラミン、d−マレイン酸クロルフェニラミンなどのプロピルアミン系抗ヒスタミン剤;酒石酸アリメマジン、塩酸イソチペンジル、塩酸プロメタジン、メキタジンなどのフェノチアジン系抗ヒスタミン剤;ジフェニルピラリン又はその塩(例えば、塩酸塩、テオクル酸塩など)、マレイン酸カルビノキサミン、フマル酸クレマスチン、塩酸イプロヘプチン、塩酸ホモクロルシクリジン、塩酸シプロヘプタジン、マレイン酸ジメチンデン、塩酸トリプロリジンなどが挙げられる。
鎮咳剤としては、例えば、コデイン類(例えば、リン酸コデイン、リン酸ジヒドロコデインなど)、臭化水素酸デキストロメトルファン、クロペラスチン又はその塩(塩酸塩、フェンジゾ酸塩など)、ノスカピン又はその塩(塩酸塩など)、ジメモルファン又はその塩(例えば、リン酸塩、硫酸塩など)、オキセラジン又はその塩(例えば、タンニン酸塩、クエン酸塩など)、クエン酸ペントキシベリン、塩酸エプラジノン、塩酸クロブチノール、クエン酸イソアミニル、塩酸ホミノベン、塩酸クロフェダノール、リン酸ベンプロペリン、ジブナートナトリウム、ヒドロコタルニンなどが挙げられる。
去痰剤には、グアヤコールスルホン酸カリウム;カルボシステイン、塩酸L−エチルシステイン、塩酸L−メチルシステイン、アセチルシステインなどのシステイン誘導体;ブロムヘキシン又はその塩(塩酸塩など)、塩酸アンブロキソールなどが含まれる。
咳去痰剤には、例えば、グアイフェネシン、チペピジン又はその塩(ヒベンズ酸塩、クエン酸塩など)、オキシメテバノール、塩酸アロクラミド、フェン酸カルベタペンタン、塩酸トリメトキノール、塩酸メトキシフェナミンなどが含まれる。
なお、上記鎮咳剤、去痰剤、鎮咳去痰剤として例示した薬効成分は、鎮咳作用及び/又は去痰作用を複合的に示す場合がある。
ビタミン類としては、例えば、ビタミンB1若しくはその誘導体又はそれらの塩(例えば、フルスルチアミン、塩酸フルスルチアミン、プロスルチアミン、オクトチアミン、チアミンジスルフィド、ビスベンチアミン、ビスブチチアミン、ビスイブチアミン、ベンフォチアミン、塩酸セトチアミンなど)、ビタミンB2若しくはその誘導体又はそれらの塩(例えば、リボフラビン、リン酸リボフラビンナトリウム、フラビンアデニンジヌクレオチドナトリウム、酪酸リボフラビンなど)、ビタミンCなどが挙げられる。
漢方薬エキスとしては、例えば、甘草、柴胡、桂皮、葛根、キョウニン、半夏、生姜、人参、陳皮などが例示できる。
鼻炎薬を構成する交感神経興奮剤(α受容体刺激剤)としては、うっ血除去剤、例えば、塩酸フェニルプロパノールアミン、塩酸シュードエフェドリン、塩酸フェニレフリンなどが含まれる。副交感神経遮断薬には、例えば、ベラドンナ総アルカロイドなどが含まれ、抗アレルギー・抗炎症薬には、例えば、トラネキサム酸などが含まれる。
これらの活性成分は、同系統又は異系統の群から適当に選択し、単独で又は二種以上組合せて使用できる。
前記活性成分は、必要に応じて、カフェイン類(例えば、無水カフェイン、安息香酸ナトリウムカフェイン、カフェインサイレート、カフェイン(1水和物)など)、制酸剤又は粘膜保護剤[例えば、水酸化マグネシウム、酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、ケイ酸マグネシウム、硫酸アルミニウム、合成ケイ酸アルミニウム、合成ヒドロタルサイト[例えば、アルカマック(商品名)]、ジヒドロアルミニウム・アミノ酢酸塩、水酸化アルミニウムゲル、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、水酸化アルミニウム・炭酸水素ナトリウム共沈物[例えば、クムライト(商品名)]、スクラルファートなど]、ミネラル、アミノ酸類などと併用してもよい。
本発明は水溶性活性成分(特に高い水溶性の活性成分)を徐放化するのに有利である。水溶性活性成分は、無機酸塩(例えば、塩酸、硫酸、硝酸、臭化水素酸などとの塩)や有機酸塩(例えば、酢酸、トリフルオロ酢酸などとの塩)、特に無機酸塩である場合が多い。水溶性活性成分は、水に対する溶解度(温度20℃)が1mg/ml以上(例えば、5〜900mg/ml)、好ましくは10mg/ml以上(例えば、30〜800mg/ml)、さらに好ましくは50mg/ml以上(例えば、50〜700mg/ml)程度である。本発明は、水に対する溶解度(温度37℃)が405mg/ml程度の塩酸フェニルプロパノールアミンなどであっても、有効に徐放化できる。
活性成分の使用量は、徐放性製剤の構造、サイズ、投与単位などにより変化するが、例えば、徐放性製剤全体の0.01〜30重量%、好ましくは0.1〜20重量%、特に0.1〜15重量%程度である場合が多い。
[HPMC]
本発明の徐放性製剤は、基剤としてヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)を含んでいる。HPMCのメトキシ基含量は、例えば、19〜30重量%(例えば、20〜29重量%)程度の範囲から選択でき、ヒドロキシプロポキシ基含量は、例えば、4〜12重量%(例えば、5〜10重量%)程度の範囲から選択できる。より具体的には、HPMCとしては、日局ヒドロキシプロピルメチルセルロース2208[メトキシ基含量19〜24重量%(メトキシ基の平均置換度約1.1〜2.0)およびヒドロキシプロポキシ基含量4〜12重量%(ヒドロキシプロポキシ基の平均置換度約0.1〜0.34)程度]、日局ヒドロキシプロピルメチルセルロース2906[メトキシ基含量27〜30重量%、ヒドロキシプロポキシ基含量4〜7.5重量%]、日局ヒドロキシプロピルメチルセルロース2910[メトキシ基含量28〜30重量%、ヒドロキシプロポキシ基含量7〜12重量%程度]などか例示できる。これらのHPMCは単独で又は二種以上組合せて使用できる。
本発明の徐放性製剤は、基剤としてヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)を含んでいる。HPMCのメトキシ基含量は、例えば、19〜30重量%(例えば、20〜29重量%)程度の範囲から選択でき、ヒドロキシプロポキシ基含量は、例えば、4〜12重量%(例えば、5〜10重量%)程度の範囲から選択できる。より具体的には、HPMCとしては、日局ヒドロキシプロピルメチルセルロース2208[メトキシ基含量19〜24重量%(メトキシ基の平均置換度約1.1〜2.0)およびヒドロキシプロポキシ基含量4〜12重量%(ヒドロキシプロポキシ基の平均置換度約0.1〜0.34)程度]、日局ヒドロキシプロピルメチルセルロース2906[メトキシ基含量27〜30重量%、ヒドロキシプロポキシ基含量4〜7.5重量%]、日局ヒドロキシプロピルメチルセルロース2910[メトキシ基含量28〜30重量%、ヒドロキシプロポキシ基含量7〜12重量%程度]などか例示できる。これらのHPMCは単独で又は二種以上組合せて使用できる。
HPMCとしては、メトキシ基含量19〜24重量%(メトキシ基の平均置換度約1.1〜2.0)、ヒドロキシプロポキシ基含量4〜12重量%(ヒドロキシプロポキシ基の平均置換度約0.1〜0.34)のヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC,日局ヒドロキシプロピルメチルセルロース2208)を用いることができる。
HPMCの2重量%水溶液粘度(cp)は、20℃において、10〜100000cps、好ましくは100〜30000cps(例えば、1000〜30000cps)程度であり、100〜10000cps程度のHPMCを用いる場合が多い。
前記HPMCは粉粒状であり、例えば、100メッシュのシーブの通過量が50重量%以上(例えば、60〜100重量%)、好ましくは70〜100重量%程度である。
さらに、HPMCの1%(W/V)の水溶液のpHは、5〜8程度である。HPMCは、慣用の方法、例えば、アルカリセルロースに塩化メチルとプロピレンオキサイドとを反応させることにより調製できる。
HPMCの含有量は、徐放性製剤の構造により異なるので一概に決定できないが、例えば、製剤が単層状の徐放性製剤である場合、製剤全体に対して26〜90重量%、好ましくは30〜80重量%、さらに好ましくは35〜75重量%程度である。また、HPMCの含有量は、前記HPMC,リン酸水素カルシウムおよび結晶セルロースで構成される担体全体に対して40〜90重量%、好ましくは45〜85重量%、さらに好ましくは50〜80重量%程度である場合が多い。
このようなHPMCは流動性および圧縮成形性が低く、高い徐放性を有効に付与することが困難である。そのため、本発明では、HPMCと、流動性の高い賦形剤としての(無水)リン酸水素カルシウムと、必要により結合性の高い賦形剤としての結晶セルロースとを組合せて担体を構成する。このような組合せにより、高い流動性を粉末に付与できるとともに、圧縮性成形を大きく改善して打錠障害を解消することができる。しかも、HPMCの含有量を高めることができるため、製剤に高い徐放性を付与できる。
なお、前記HPMCを用いると、水溶性の交感神経興奮剤(特に塩酸フェニルプロパノールアミン)を有効に徐放化できる。そのため、本発明は、塩酸フェニルプロパノールアミンと、HPMCとを含む組成物で構成された徐放性製剤をも提供する。この徐放性製剤組成物において、HPMCの含有量は、製剤全体に対して26〜90重量%(好ましくは30〜85重量%、さらに好ましくは35〜80重量%)程度である。このような組成物で構成された徐放性製剤は、単層錠に限らず、後述するように、前記組成物で構成された徐放部(徐放層)を備えた積層錠や有核剤などであってもよい。
[(無水)リン酸水素カルシウム]
(無水)リン酸水素カルシウムには、リン酸水素カルシウムおよび無水リン酸水素カルシウムが含まれ、(無水)リン酸水素カルシウムは、リン酸二水素カルシウムCa(H2PO4)2、第二リン酸カルシウムCaHPO4のいずれであってもよい。賦形剤としての無水リン酸水素カルシウムは、例えば、噴霧乾燥造粒品(富士化学工業(株)製,商品名「フジカリン」)として入手できる。リン酸水素カルシウムと無水リン酸水素カルシウムは併用してもよい。
(無水)リン酸水素カルシウムには、リン酸水素カルシウムおよび無水リン酸水素カルシウムが含まれ、(無水)リン酸水素カルシウムは、リン酸二水素カルシウムCa(H2PO4)2、第二リン酸カルシウムCaHPO4のいずれであってもよい。賦形剤としての無水リン酸水素カルシウムは、例えば、噴霧乾燥造粒品(富士化学工業(株)製,商品名「フジカリン」)として入手できる。リン酸水素カルシウムと無水リン酸水素カルシウムは併用してもよい。
リン酸水素カルシウム又は無水リン酸水素カルシウムの使用量は、前記HPMC100重量部に対して5〜100重量部、好ましくは10〜80重量部、さらに好ましくは15〜60重量部(例えば、20〜60重量部)程度である。
[結晶セルロース]
さらに結晶セルロースを含む粉体成分を用いると、打錠性をさらに改善できる。結晶セルロースの種類は特に制限されず、例えば、結晶セルロース(旭化成ケミカルズ(株)製、アビセルなど)などの種々の結晶セルロースが使用できる。好ましい結晶セルロースは、スコットボリュームメーターにて測定した見かけ密度が0.13〜0.23g/cm3程度である。このような結晶セルロースは、例えば、旭化成ケミカルズ(株)から商品名「セオラスKG801」として入手できる。
さらに結晶セルロースを含む粉体成分を用いると、打錠性をさらに改善できる。結晶セルロースの種類は特に制限されず、例えば、結晶セルロース(旭化成ケミカルズ(株)製、アビセルなど)などの種々の結晶セルロースが使用できる。好ましい結晶セルロースは、スコットボリュームメーターにて測定した見かけ密度が0.13〜0.23g/cm3程度である。このような結晶セルロースは、例えば、旭化成ケミカルズ(株)から商品名「セオラスKG801」として入手できる。
結晶セルロースの使用量は、前記HPMC100重量部に対して1〜50重量部、好ましくは2〜40重量部(例えば、3〜30重量部)、さらに好ましくは2〜25重量部(例えば、3〜20重量部)程度である。
本発明の徐放性製剤は、他の成分、例えば、賦形剤[例えば、コーンスターチなどのデンプン類、乳糖、粉糖、グラニュウ糖、ブドウ糖、マンニトール、軽質無水ケイ酸、タルク、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウムなど]、結合剤[例えば、ショ糖、ゼラチン、アラビアゴム末、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース(例えば、日本曹達(株)製、HPC−L)、カルボキシメチルセルロース、結晶セルロース・カルボキシメチルセルロースナトリウム(例えば、旭化成ケミカルズ(株)製、アビセルRC)、ポリビニルピロリドン、プルラン、デキストリン、トラガント、アルギン酸ナトリウム、α化デンプンなど]、崩壊剤[例えば、カルボキシメチルセルロースカルシウム(例えば、ニチリン化学(株)製、ECG505)、クロスカルメロースナトリウム(例えば、旭化成ケミカルズ(株)製、アクジゾル)、架橋化ポリビニルピロリドン(例えば、BASF社製、コリドンCL)、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース(例えば、信越化学(株)製、L−HPC)、デンプン類など]、滑沢剤(例えば、ステアリン酸マグネシウム、タルク、ステアリン酸、ステアリン酸カルシウムなど)、流動化剤(例えば、軽質無水ケイ酸など)、界面活性剤(例えば、アルキル硫酸ナトリウムなどのアニオン系界面活性剤、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステルおよびポリオキシエチレンヒマシ油誘導体などの非イオン系界面活性剤など)、脂質(例えば、炭化水素、ワックス類、高級脂肪酸とその塩、高級アルコール、脂肪酸エステル、硬化油など)、着色剤(例えば、タール色素、カラメル、ベンガラ、酸化チタンなど)、矯味剤(例えば、甘味剤、香料など)、充填剤、増量剤、吸着剤、防腐剤などの保存剤、緩衝剤、湿潤剤、帯電防止剤、崩壊延長剤などを含んでいてもよい。
本発明の徐放性製剤は、細粒剤、顆粒剤などの形態であってもよいが、直接打錠により効率よく固形製剤を得るため、錠剤の形態であるのが好ましい。錠剤は単層錠であってもよく、複数の層で構成された積層錠や有核錠(圧縮被包錠)であってもよい。
積層錠や有核錠は少くとも1つの徐放層(徐放部)を有する限り特に制限されないが、活性成分と前記担体とで構成された少くとも1つの徐放部および速放部を有する固形製剤であるのが有効である。すなわち、少くとも1つの徐放層(徐放部)と少くとも1つの速放層(速放部)とを組合せると、薬効を速やかに発現させることができるだけでなく、薬効を持続させるのに有効である。前記徐放層(徐放部)は前記と同様の徐放性製剤の成分で構成できる。
固形製剤がかぜ薬用錠剤や鼻炎用錠剤である場合、徐放層(徐放部)および速放層(速放部)のかぜ薬用活性成分として、それぞれ、解熱鎮痛消炎剤、気管支拡張剤、抗ヒスタミン剤、鎮咳剤、去啖剤、鎮咳去啖剤、ビタミン類、漢方薬エキスから選ばれた少くとも一種の水溶性活性成分を用いたり、鼻炎用活性成分として、交感神経興奮剤、副交感神経遮断薬、抗アレルギー・抗炎症薬などから選択された少くとも一種の水溶性活性成分を用いることにより、速効性と徐放性とを備えた固形製剤を得ることができる。より具体的には、徐放層(徐放部)の鼻炎用活性成分として、交感神経興奮薬(例えば、塩酸フェニルプロパノールアミンなど)を用い、速放層(速放部)の鼻炎用活性成分(例えば、鼻炎用薬)として、例えば、抗ヒスタミン剤(例えば、d−マレイン酸クロルフェニラミン、dl−マレイン酸クロルフェニラミンなど)、交感神経興奮薬(例えば、塩酸フェニルプロパノールアミンなど)、副交感神経遮断薬(例えば、ベラドンナ総アルカロイドなど)、抗アレルギー・抗炎症薬(例えば、トラネキサム酸など)、カフェイン類(カフェインあるいは無水カフェインなど)などを速放成分として使用できる。
なお、速放層(速放部)は、通常の製剤成分、すなわち前記HPMCを用いることなく、前記賦形剤、結合剤、崩壊助剤などの製剤成分で構成した担体を用いることにより形成できる。
徐放性製剤が積層錠や有核錠などのように徐放部(徐放層)と非徐放部(非徐放層)とで構成されている場合、HPMCの含有量は、徐放部(徐放層)に対して26〜90重量%(例えば、30〜90重量%)、好ましくは30〜85重量%(例えば、35〜85重量%)、さらに好ましくは35〜80重量%(40〜80重量%)程度であり、製剤全体に対して26〜80重量%(好ましくは27〜75重量部(例えば、30〜75重量%)、さらに好ましくは28〜60重量%(例えば、30〜60重量%)程度である。
本発明の徐放性製剤には、必要に応じてコーティング層を形成し、矯味などにより服用感を向上させたり安定性を向上させてもよい。コーティング錠には、例えば、シュガーコーティング錠やフィルムコーティング錠が含まれ、コーティング層は、炭酸カルシウム、ショ糖、リン酸カルシウム、タルク、アラビアゴム、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリエチレングリコール、ポリオキシエチレン[105]ポリオキシプロピレン[5]グリコール、ポリオキシエチレン[160]ポリオキシプロピレン[30]グリコール、グリコール、腸溶性ポリマー(例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、セルロースアセテートフタレート、カルボキシメチルエチルセルロースなど)、着色剤(酸化チタン、黄色ベンガラ、三二酸化鉄、食用色素など)などで構成されたコーティング組成物を用い、慣用の方法で形成することができる。
[徐放性製剤の製造方法]
前記徐放性製剤は、活性成分、HPMC、および(無水)リン酸水素カルシウムを含む粉体成分を打錠することにより得ることができる。前記粉体成分はさらに結晶セルロースを含んでいてもよい。前記粉体成分は粉末の流動性および圧縮成形性が高いため、造粒することなく前記成分を混合し、混合物を直接打錠して圧縮成形するという簡単な方法で徐放性製剤又は徐放部を形成できる。
前記徐放性製剤は、活性成分、HPMC、および(無水)リン酸水素カルシウムを含む粉体成分を打錠することにより得ることができる。前記粉体成分はさらに結晶セルロースを含んでいてもよい。前記粉体成分は粉末の流動性および圧縮成形性が高いため、造粒することなく前記成分を混合し、混合物を直接打錠して圧縮成形するという簡単な方法で徐放性製剤又は徐放部を形成できる。
なお、積層錠や有核錠における非徐放部(速放部など)は、非徐放部を構成する成分を混合し、上記と同様に直接打錠することにより形成してもよく、予め湿式又は乾式造粒された造粒物を含む打錠成分を打錠して形成してもよい。
打錠圧は、例えば、300〜3000kg/cm2程度の範囲から適当に選択できる。また、積層錠の打錠では、各層の密着性を高めるため、順次打錠圧を高めて打錠する場合が多い。
本発明の徐放性製剤が錠剤である場合、錠剤のサイズは特に制限されず、例えば、1錠当りの徐放部が50〜500mg程度であってもよい。
本発明は、ヒドロキシプロピルメチルセルロースを基剤とする徐放性固形製剤に利用できる。
以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
実施例1
下記の速放部用混合末及び徐放部用混合末を以下のようにして調製した。
下記の速放部用混合末及び徐放部用混合末を以下のようにして調製した。
すなわち、速放部用の混合末は、下記の速放部の処方に従って、d−マレイン酸クロルフェニラミン25.0g、塩酸プロパノールアミン125.0g、トラネキサム酸2625.0g、無水カフェイン625.0g、コーンスターチ552.2gをバーチカルグラニュレーター(FM−G−25型、(株)パウレック製)を用いて混合した後、ベラドンナ総アルカロイドのアルコール溶液を添加して、練合した。練合物に、微量の黄色色素5号を溶解させたヒドロキシプロピルセルロース(以下、HPC−Lと略記する)水溶液を添加した後、さらに練合した。得られた練合物を真空乾燥機で40℃16時間乾燥し、パワーミル(P−3型、(株)昭和化学機械工作所製)を用い、1.5mmφのパンチングスクリーンで解砕し、整粒末とした。
整粉末3784.0gに、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース(以下、L−HPCと略記する)200.0g、ステアリン酸マグネシウム16.0gをタンブラー混合機を用いて混合し、速放部用の混合末を得た。
徐放部用の混合末は、徐放部処方に従って、塩酸フェニルプロパノールアミン400g、HPMC(信越化学工業(株)製,メトローズ90SH4000,メトキシ基含有量23.3重量%,ヒドロキシプロポキシ基含有量7.3重量%,2重量%水溶液粘度4530センチストークス)2,400g、無水リン酸水素カルシウムの噴霧乾燥造粒品(富士化学工業(株)製,商品名「フジカリンSG」)1,000g、結晶セルロース(旭化成ケミカルズ(株)製,商品名「セオラスKG801」)120g、軽質無水ケイ酸(富士シリシア化学(株)製,サイリシア320)40.0g、ステアリン酸マグネシウム40.0gを、タンブラー混合機(TM−60S型、(株)昭和化学機械工作所製)を用い、15rpmで3分間混合し、徐放部用の混合末を得た。
[速放部の処方]
d−マレイン酸クロルフェニラミン 1.0mg
塩酸フェニルプロパノールアミン 5.0mg
トラネキサム酸 105.0mg
無水カフェイン 25.0mg
コーンスターチ 22.1mg
軽質無水ケイ酸(サイリシア 320) 25.0mg
ベラドンナ総アルカロイド 0.1mg
HPC−L 6.0mg
黄色色素5号 微量
L−HPC 10.0mg
ステアリン酸マグネシウム 0.8mg
計 200.0mg
[徐放部の処方]
塩酸フェニルプロパノールアミン 0.0mg
HPMC(メトローズ 90SH4000) 120.0mg
無水リン酸水素カルシウム(フジカリン SG ) 50.0mg
結晶セルロース(セオラスKG801) 6.0mg
軽質無水ケイ酸(サイリシア 320) 2.0mg
ステアリン酸マグネシウム 2.0mg
計 200.0mg
得られた速放部用混合末、徐放部用混合末を用いて、錠剤機(小型特殊打錠機、(株)菊水製作所製)にて、速放部を1層目(打錠圧50kg/杵)、徐放部を2層目(打錠圧600kg/杵)として2層錠を製錠した。重量は、徐放部、速放部と共に200mgとした。
d−マレイン酸クロルフェニラミン 1.0mg
塩酸フェニルプロパノールアミン 5.0mg
トラネキサム酸 105.0mg
無水カフェイン 25.0mg
コーンスターチ 22.1mg
軽質無水ケイ酸(サイリシア 320) 25.0mg
ベラドンナ総アルカロイド 0.1mg
HPC−L 6.0mg
黄色色素5号 微量
L−HPC 10.0mg
ステアリン酸マグネシウム 0.8mg
計 200.0mg
[徐放部の処方]
塩酸フェニルプロパノールアミン 0.0mg
HPMC(メトローズ 90SH4000) 120.0mg
無水リン酸水素カルシウム(フジカリン SG ) 50.0mg
結晶セルロース(セオラスKG801) 6.0mg
軽質無水ケイ酸(サイリシア 320) 2.0mg
ステアリン酸マグネシウム 2.0mg
計 200.0mg
得られた速放部用混合末、徐放部用混合末を用いて、錠剤機(小型特殊打錠機、(株)菊水製作所製)にて、速放部を1層目(打錠圧50kg/杵)、徐放部を2層目(打錠圧600kg/杵)として2層錠を製錠した。重量は、徐放部、速放部と共に200mgとした。
そして、得られた2層錠を用い、第十二改正日本薬局方解説書に記載のパドル法(100回転)に従って、塩酸フェニルプロパノールアミンの溶出率を測定した。なお、溶出試験には、液量900mlの水を用い、溶出された薬物量は高速液体クロマトグラフィー(HPLC)法により測定した。結果を表1に示す。
実施例2
速放部用混合末及び徐放部用混合末を、それぞれ、下記の速放部処方および徐放部処方に従って、前記実施例1と同様にして調製した。また、錠剤機を用い、実施例1と同様に速放部用混合末、徐放部用混合末を打錠することにより2層錠を製錠した。
速放部用混合末及び徐放部用混合末を、それぞれ、下記の速放部処方および徐放部処方に従って、前記実施例1と同様にして調製した。また、錠剤機を用い、実施例1と同様に速放部用混合末、徐放部用混合末を打錠することにより2層錠を製錠した。
[速放部の処方]
d−マレイン酸クロルフェニラミン 1.0mg
塩酸フェニルプロパノールアミン 5.0mg
トラネキサム酸 105.0mg
無水カフェイン 25.0mg
コーンスターチ 22.3mg
軽質無水ケイ酸(サイリシア320) 25.0mg
ベラドンナ総アルカロイド 0.1mg
HPC−L 6.0mg
黄色色素5号 微量
L−HPC 10.0mg
ステアリン酸マグネシウム 0.6mg
計 200.0mg
[徐放部の処方]
塩酸フェニルプロパノールアミン 20.0mg
HPMC(メトローズ90SH4000) 120.0mg
無水リン酸水素カルシウム(フジカリンSG) 35.0mg
結晶セルロース(セオラスKG801) 20.0mg
軽質無水ケイ酸(サイリシア 320) 2.5mg
ステアリン酸マグネシウム 2.5mg
計 200.0mg
実施例3
下記の処方に従って、各成分をタンブラー混合機(TM−60S型、(株)昭和化学機械工作所製)を用い、15rpmで3分間混合し、徐放製製剤用の混合末を得た。この混合末を用いて、錠剤機(小型特殊打錠機、(株)菊水製作所製)にて、打錠圧600kg/杵で打錠し、単層錠(200mg)を製錠した。
d−マレイン酸クロルフェニラミン 1.0mg
塩酸フェニルプロパノールアミン 5.0mg
トラネキサム酸 105.0mg
無水カフェイン 25.0mg
コーンスターチ 22.3mg
軽質無水ケイ酸(サイリシア320) 25.0mg
ベラドンナ総アルカロイド 0.1mg
HPC−L 6.0mg
黄色色素5号 微量
L−HPC 10.0mg
ステアリン酸マグネシウム 0.6mg
計 200.0mg
[徐放部の処方]
塩酸フェニルプロパノールアミン 20.0mg
HPMC(メトローズ90SH4000) 120.0mg
無水リン酸水素カルシウム(フジカリンSG) 35.0mg
結晶セルロース(セオラスKG801) 20.0mg
軽質無水ケイ酸(サイリシア 320) 2.5mg
ステアリン酸マグネシウム 2.5mg
計 200.0mg
実施例3
下記の処方に従って、各成分をタンブラー混合機(TM−60S型、(株)昭和化学機械工作所製)を用い、15rpmで3分間混合し、徐放製製剤用の混合末を得た。この混合末を用いて、錠剤機(小型特殊打錠機、(株)菊水製作所製)にて、打錠圧600kg/杵で打錠し、単層錠(200mg)を製錠した。
塩酸フェニルプロパノールアミン 20.0mg
HPMC(メトローズ90SH4000) 120.0mg
無水リン酸水素カルシウム(フジカリンSG) 50.0mg
結晶セルロース(セオラスKG801) 6.0mg
軽質無水ケイ酸(サイリシア320) 2.0mg
ステアリン酸マグネシウム 2.0mg
計 200.0mg
そして、得られた錠剤を用い、第十二改正日本薬局方解説書に記載のパドル法(100回転)に従って、塩酸フェニルプロパノールアミンの溶出率を測定したところ、表2に示す結果を得た。
HPMC(メトローズ90SH4000) 120.0mg
無水リン酸水素カルシウム(フジカリンSG) 50.0mg
結晶セルロース(セオラスKG801) 6.0mg
軽質無水ケイ酸(サイリシア320) 2.0mg
ステアリン酸マグネシウム 2.0mg
計 200.0mg
そして、得られた錠剤を用い、第十二改正日本薬局方解説書に記載のパドル法(100回転)に従って、塩酸フェニルプロパノールアミンの溶出率を測定したところ、表2に示す結果を得た。
実施例4
下記の処方成分を用いる以外、実施例3と同様にして徐放性単層錠(200mg)を製錠した。
下記の処方成分を用いる以外、実施例3と同様にして徐放性単層錠(200mg)を製錠した。
塩酸フェニルプロパノールアミン 15.0mg
HPMC(メトローズ90SH4000) 140.0mg
無水リン酸水素カルシウム(フジカリンSG) 31.0mg
結晶セルロース(セオラスKG801) 10.0mg
軽質無水ケイ酸(サイリシア320) 2.0mg
ステアリン酸マグネシウム 2.0mg
計 200.0mg
HPMC(メトローズ90SH4000) 140.0mg
無水リン酸水素カルシウム(フジカリンSG) 31.0mg
結晶セルロース(セオラスKG801) 10.0mg
軽質無水ケイ酸(サイリシア320) 2.0mg
ステアリン酸マグネシウム 2.0mg
計 200.0mg
Claims (10)
- 活性成分、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、および無水リン酸水素カルシウム又はリン酸水素カルシウムの噴霧乾燥造粒品を含む徐放性製剤。
- ヒドロキシプロピルメチルセルロースのメトキシ基含量が19〜24重量%、ヒドロキシプロポキシ基含量が4〜12重量%である請求項1記載の徐放性製剤。
- 無水リン酸水素カルシウム又はリン酸水素カルシウムの割合が、ヒドロキシプロピルメチルセルロース100重量部に対して5〜100重量部である請求項1記載の徐放性製剤。
- 活性成分が水溶性活性成分である請求項1記載の徐放性製剤。
- さらに、結晶セルロースを含む請求項1記載の徐放性製剤。
- 結晶セルロースの割合が、ヒドロキシプロピルメチルセルロース100重量部に対して1〜50重量部である請求項5記載の徐放性製剤。
- ヒドロキシプロピルメチルセルロースの含有量が、製剤全体に対して26〜90重量%であり、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、無水リン酸水素カルシウム又はリン酸水素カルシウムの噴霧乾燥造粒品、および結晶セルロースで構成される担体全体に対して40〜90重量%である請求項5記載の徐放性製剤。
- 活性成分と担体とで構成された少くとも1つの徐放部および速放部を有する固形製剤であって、前記徐放部が、活性成分、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、および無水リン酸水素カルシウム又はリン酸水素カルシウムの噴霧乾燥造粒品を含む請求項1記載の徐放性製剤。
- 徐放部に対するヒドロキシプロピルメチルセルロースの含有量が26〜90重量%である請求項8記載の徐放性製剤。
- 活性成分、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、および無水リン酸水素カルシウム又はリン酸水素カルシウムの噴霧乾燥造粒品を含む粉体成分を打錠する徐放性製剤の製造方法。
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WO2018159593A1 (ja) * | 2017-02-28 | 2018-09-07 | Dowaエレクトロニクス株式会社 | 銀ナノワイヤインク |
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-
2006
- 2006-09-22 JP JP2006256766A patent/JP2006335771A/ja not_active Withdrawn
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