JPH10170356A - 荷重計 - Google Patents

荷重計

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JPH10170356A
JPH10170356A JP8442597A JP8442597A JPH10170356A JP H10170356 A JPH10170356 A JP H10170356A JP 8442597 A JP8442597 A JP 8442597A JP 8442597 A JP8442597 A JP 8442597A JP H10170356 A JPH10170356 A JP H10170356A
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康弘 湯浅
Shuichi Tanaka
秀一 田中
Nobuyuki Akatsu
伸行 赤津
Kazuya Sakamoto
和也 坂元
Hiroshi Sakamoto
宏 坂本
Akio Yamamoto
明男 山本
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  • Measurement Of Length, Angles, Or The Like Using Electric Or Magnetic Means (AREA)
  • Transmission And Conversion Of Sensor Element Output (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 小型かつシンプルな構造を持つ直線位置検出
装置を用いて、荷重計を提供する。 【解決手段】 検出対象たる荷重が加えられるボール部
304と、このボール部304を回転自在に保持するボ
ール保持部302と、前記ボール保持部302を弾性的
に支持する支持部303と、巻線部10及びこの巻線部
10に対して相対的に直線変位する磁気応答部材22を
含み、該巻線部10と磁気応答部材22の一方が前記ボ
ール保持部302に連動して直線変位するように配置し
てなる検出部300とを具え、前記荷重に応答する変位
を検出する出力信号を前記巻線部10から得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、荷重計に関し、特
に、1相の交流信号による励磁に基づき複数相の振幅関
数特性を示す出力交流信号を検出対象直線位置に応じて
誘導出力する誘導型直線位置検出装置を利用したものに
関する。
【0002】
【従来の技術】従来より知られた誘導型直線位置検出装
置としては差動トランスがある。差動トランスは、1つ
の1次巻線を1相で励磁し、差動接続された2つの2次
巻線の各配置位置において検出対象位置に連動する鉄心
コアの直線位置に応じて差動的に変化するリラクタンス
を生ぜしめ、その結果として得られる1相の誘導出力交
流信号の電圧振幅レベルが鉄心コアの直線位置を示すよ
うにしたものである。この差動トランスにおいては、誘
導電圧が差動的に変化するように設けられた2つの2次
巻線が設けられた範囲において、該誘導電圧値が対直線
位置に関して直線性を示す範囲でしか、直線位置を検出
することができないものであり、該誘導電圧値の対直線
位置の変化の関数が周期関数(例えばサイン関数のよう
な三角関数)の1サイクルにわたって変化することはな
い。従って、検出可能範囲を拡張するには巻線長とコア
長を長くするしかなく、自ずと限度があると共に、装置
の大型化をもたらす。また、検出対象直線位置に相関す
る電気的な位相を示す出力を得ることが不可能である。
また、誘導出力信号の電圧振幅レベルは、鉄心コアの直
線位置のみならず、温度変化等の周辺環境の影響を受け
やすいので、精度に難点がある。
【0003】これに対して、検出対象直線位置に相関す
る電気的位相角を持つ交流信号を出力するようにした位
相シフトタイプの誘導型直線位置検出装置も知られてい
る。例えば、特開昭49−107758号、特開昭53
−106065号、特開昭55−13891号、実公平
1−25286号などに示されたものがある。この種の
従来知られた位相タイプの誘導型直線位置検出装置にお
いては、検出対象位置に連動する可動鉄心コアの直線変
位方向に関して互いにずらして配置された例えば2つの
1次巻線を互いに電気的位相のずれた2相の交流信号
(例えばsin ωtとcos ωt)でそれぞれ励磁し、各1
次巻線による2次側誘導信号を合成して1つの2次出力
信号を生成するようにしている。励磁用の交流信号に対
するこの2次出力信号における電気的位相ずれが、検出
対象位置に連動する鉄心コアの直線位置を示している。
また、実公平1−25286号に示されたものにおいて
は、複数の鉄心コアを所定ピッチで断続的に繰り返し設
け、1次及び2次巻線が設けられた範囲よりも広い範囲
にわたる直線位置検出を可能にしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上述した従来の位相シ
フトタイプの誘導型直線位置検出装置は、差動トランス
に比べて多くの点で利点を持っているが、少なくとも2
相の交流信号(例えばsin ωtとcos ωt)を用意しな
ければならないため、励磁回路の構成が複雑になるとい
う問題点があった。また、温度変化等によって1次及び
2次巻線のインピーダンスが変化すると、2次出力信号
における電気的位相ずれに誤差が生じるという欠点もあ
った。更に、複数の鉄心コアを所定ピッチで断続的に繰
り返し設け、1次及び2次巻線が設けられた範囲よりも
広い範囲にわたる直線位置検出を可能にした場合におい
て、1次及び2次巻線を設ける範囲を可動鉄心コアの1
ピッチの長さよりも長い範囲で設けねばならないため、
巻線アセンブリ全体のサイズが大きくなってしまい、検
出装置の小型化に限度があった。すなわち、鉄心コアの
1ピッチの長さをPとすると、4相タイプの場合、各相
巻線の配置間隔を最小でも「3P/4」としなければな
らず、全体ではその4倍の「4×(3P/4)=3P」
の配置領域が必要であり、従って最小でも可動鉄心コア
の3ピッチ分の長さの範囲にわたって巻線アセンブリを
設けなければならない。
【0005】本発明は上述の点に鑑みてなされたもの
で、小型かつシンプルな構造を持つと共に、広い範囲に
わたって直線位置検出の可能であり、かつ微小範囲にお
いても高検出分解能な誘導型直線位置検出装置を提供
し、このような誘導型直線位置検出装置を使用した荷重
計を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明に係る荷重計は、
検出対象たる荷重が加えられるボール部と、このボール
部を回転自在に保持するボール保持部と、前記ボール保
持部を弾性的に支持する支持部と、巻線部及びこの巻線
部に対して相対的に直線変位する磁気応答部材を含み、
該巻線部と磁気応答部材の一方が前記ボール保持部に連
動して直線変位するように配置してなる検出部とを具
え、前記荷重に応答する変位を検出する出力信号を前記
巻線部から得るようにしたことを特徴とするものであ
る。
【0007】本発明に係る2極型位置センサは、1相の
交流信号によって励磁される少なくとも1つの1次巻線
及び該1次巻線の近傍において互いに所定距離離隔して
配置された第1及び第2の2次巻線とを含む巻線部と、
検出対象たる直線的な又は曲線的な変位に応答して前記
巻線部に対して相対的に変位される磁気応答部材であっ
て、この磁気応答部材の前記巻線部に対する相対的変位
に応じた誘導出力信号が前記2つの2次巻線から夫々出
力されるようにしたものと、各2次巻線からの前記誘導
出力信号の振幅関数の位相ずれ成分を測定するための手
段とを具え、前記2つの2次巻線からの前記誘導出力信
号の振幅関数の位相ずれ成分が略90度以内の限られた
範囲で変化することを特徴とするものである。
【0008】上記荷重計において利用することができる
誘導型直線位置検出装置は、1相の交流信号によって励
磁される1次巻線及び直線変位方向に関して異なる位置
に配置された複数の2次巻線を含む巻線部と、検出対象
たる直線位置に連動して前記巻線部に対して相対的に変
位されるものであり、かつ、所定の磁気応答特性を持つ
磁気応答部材を直線変位方向に沿って所定のピッチで複
数繰り返して設けて成り、前記相対的変位に応じて前記
部材の前記巻線部に対する対応位置が変化することによ
り前記1次巻線と各2次巻線間の磁気結合が前記検出対
象直線位置に応じて変化され、これにより、該検出対象
直線位置に応じて振幅変調された誘導出力交流信号を、
各2次巻線の配置のずれに応じて異なる振幅関数特性
で、各2次巻線に誘起させる可変磁気結合手段とを具備
し、前記各2次巻線に誘起される各誘導出力交流信号
は、その電気的位相が同相であり、その振幅関数が前記
磁気応答部材の繰り返しピッチを1サイクルとして周期
的にそれぞれ変化することを特徴とするものである。上
記構成によれば、1相の交流信号によって励磁する構成
であるため、励磁回路の構成が簡単である、という利点
を有する。また、可変磁気結合手段において、所定の磁
気応答特性を持つ磁気応答部材を直線変位方向に沿って
所定のピッチで複数繰り返して設けて成るので、2次巻
線に誘起される誘導出力交流信号として、該磁気応答部
材の繰り返しピッチを1サイクルとして周期的に変化す
る信号を得ることができ、検出可能範囲を拡大すること
ができるものである。また、1ピッチ内のアブソリュー
ト位置を高分解能で検出することができるので、微小変
位の高精度な検出が可能である。
【0009】この直線位置検出装置の一実施形態におい
ては、4つの前記2次巻線が設けられており、それぞれ
の誘導出力交流信号の振幅関数が、サイン関数、コサイ
ン関数、逆サイン関数、逆コサイン関数、にそれぞれ相
当し、サイン関数と逆サイン関数の誘導出力交流信号を
合成してサイン関数の振幅関数を持つ第1の出力交流信
号を出力し、コサイン関数と逆コサイン関数の誘導出力
交流信号を合成してコサイン関数の振幅関数を持つ第2
の出力交流信号を出力する。上記構成によれば、回転型
位置検出装置である従来知られたレゾルバにおいて得ら
れるのと同様の、2つの出力交流信号(サイン出力とコ
サイン出力)を直線位置検出装置において得ることがで
きる。従って、そのような本発明に係る直線位置検出装
置においては、前記第1の出力交流信号と第2の出力交
流信号を入力し、両信号の振幅値に相当する前記サイン
関数とコサイン関数の位相値を検出する位相検出回路を
更に具備することができる。このような位相検出回路と
しては、レゾルバ用の位相検出回路として従来知られた
R−D(レゾルバ−ディジタル)コンバータを使用する
ことができるし、その他の方式の位相検出回路を用いる
こともできる。このようなレゾルバタイプの位相検出回
路を使用することができることは、従来の位相シフトタ
イプの誘導型直線位置検出装置が持っていたような、温
度変化等によって1次及び2次巻線のインピーダンスが
変化することにより2次出力信号における電気的位相ず
れに誤差が生じるという欠点を除去することができるの
で、好都合である。
【0010】上記の直線位置検出装置の一実施形態にお
いては、前記複数の2次巻線が、前記磁気応答部材の1
ピッチの範囲内において所定の間隔で配置されるように
することができる。また、前記1次巻線及び2次巻線の
巻軸方向が前記直線変位方向に略一致しており、その巻
線内に前記可変磁気結合手段が挿入されて成るように配
置するとよい。更に、同相の前記交流信号によって励磁
される複数の前記1次巻線が前記2次巻線の中間の位置
に分離して配置されるようにするとよい。これらのよう
な巻線配置は、検出装置全体の構成を小型化しつつ、か
つ十分な検出精度を確保するのに、十分に寄与する。す
なわち、複数の2次巻線が、磁気応答部材の1ピッチの
範囲内において所定の間隔で配置されるようにすること
により、巻線部全体のサイズを磁気応答部材の1ピッチ
の範囲に略対応する比較的小さなサイズに収めることが
でき、検出装置全体の構成を小型化することに役立つ。
また、同相の前記交流信号によって励磁される複数の前
記1次巻線が前記2次巻線の中間の位置に分離して配置
されるようにすることは、各1次巻線によって発生する
磁界を個別の2次巻線に対して有効に及ぼし、かつ磁気
応答部材による磁場への影響を有効に及ぼすことができ
るので、十分な検出精度を確保することに役立つ。
【0011】前記磁気応答部材としてスプリングピンの
ような金属片を用いると、かしめ止め加工作業も楽にな
り、しかも安価であるから、極めて有利である。また、
前記金属片として略円形乃至楕円形の金属片を使用して
もよく、略円形乃至楕円形の形状により、直線位置に応
じた磁気結合係数の変化を三角関数に近似した理想的な
ものにし易くなるので、有利である。勿論、これに限ら
ず、磁気応答部材は、メッキ、エッチング、焼き付け、
レーザ加工等の表面加工処理技術を用いて形成してもよ
い。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照してこの発
明の実施の形態を詳細に説明しよう。図1は、本発明に
係る荷重計の一実施例を示す断面図である。この荷重計
301は、検出対象たる荷重が加えられるボール部30
4と、このボール部304を回転自在に保持するボール
保持部302と、前記ボール保持部302を弾性的に支
持する支持部303(例えばベルビルスプリングを使用
する)と、巻線部10及びこの巻線部10に対して相対
的に直線変位する磁気応答部材22を含み、該巻線部1
0と磁気応答部材22の一方が前記ボール保持部302
に連動して直線変位するように配置してなる検出部30
0とを具え、前記荷重に応答する変位を検出する出力信
号を前記巻線部10から得るようにしたことを特徴とす
るものである。ボール保持部302の一端は、ロッド状
の可動部20に接続されており、この可動部20におい
て、後述するように磁気応答部材22が設けられてい
る。これによって、ボール部304に加わる荷重に応じ
てボール保持部302が直線適に変位し、これに伴って
可動部20及び磁気応答部材22が直線変位する。該可
動部20つまり磁気応答部材22の直線位置に対応する
出力信号が巻線部10から出力され、該出力信号を荷重
検出信号として利用することができる。なお、荷重が加
えられるボール部302においては、図のように1個の
ボールを設ければよいが、必要とあらば、複数個のボー
ルを設けてもよい。実施にあたっては、上記構成の荷重
計301を、必要な荷重測定点に夫々設定すればよい。
その場合、後述するディジタル位相測定回路は、共通す
るハードウェアを複数の荷重計301によって時分割共
用することができる。
【0013】検出部300としては、図2以降に示すよ
うな誘導型の直線位置検出装置を使用することができ
る。なお、図2に示すような誘導型の直線位置検出装置
を、圧力計用の検出部300として使用する場合は、磁
気応答部材22の配列の1ピッチpを短くして、検出分
解能の精密な、超微小変位検出を可能とするように構成
するとよい。次に、図2以降を参照して、上記検出部3
00として応用可能な直線位置検出装置の一実施例につ
き説明する。なお、上記検出部300としは、以下で説
明するような直線位置検出装置に限らず、これを適宜設
計変更したものや、差動トランス型リニアセンサあるい
は、2相交流励磁1相出力の従来技術の項で述べたよう
な位相シフト型のリニアセンサなど、その他適宜のリニ
アセンサを使用することもできる。しかし、以下説明す
る新規な直線位置検出装置に基づくものを使用すると、
構成の簡素化及び精度の向上、コスト低減等の種々の点
で有利である。
【0014】図2に示す直線位置検出装置つまり検出部
300は、巻線部10と可変磁気結合部として機能する
可動部20とを含む。可変磁気結合部として機能する可
動部20がボール保持部302に連結されて、該ボール
保持部302の変位に連動して直線的にかつ往復的に変
位可能であり、これに対して、巻線部10の配置は適宜
に固定される。かくして、可変磁気結合部として機能す
る可動部20が検出対象たるボール保持部302の直線
位置に連動して巻線部10に対して相対的に直線的に変
位する。勿論、その逆に、巻線部10を検出対象たるボ
ール保持部302に連動して変位させ、可変磁気結合部
つまりつまり後述する磁気応答部材22の方を固定する
ようにしてもよい。要するに、この検出部300におい
ては、巻線部10に対する可変磁気結合部つまり磁気応
答部材22の相対的な直線位置を検出する。この相対的
な直線変位の方向は、図において符号Xを伴う矢印で示
されている。
【0015】巻線部10は、1相の交流信号によって励
磁される1次巻線PW1〜PW5と、直線変位方向Xに関
して異なる位置に配置された複数の2次巻線SW1〜S
W4とを含む。これらの1次及び2次巻線構成を明示す
るために、図2では巻線部10は断面を含んで示されて
いるが、実際は、点線で補って示されているように、ロ
ッド状の可動部20の周囲にて適宜のギャップを空け
て、巻線コイルが巻回された状態を成している。1相の
交流信号によって共通に励磁されるが故に、1次巻線P
W1〜PW5の数は、1又は適宜の複数であってよく、そ
の配置も適宜であってよい。しかし、複数の1次巻線P
W1〜PW5を適宜に分離して、例えば図2に示されるよ
うに各2次巻線SW1〜SW4をそれぞれの間に挟むよう
に、配置することは、1次巻線によって発生する磁界を
個別の2次巻線SW1〜SW4に対して有効に及ぼし、か
つ可動部20の磁気応答部材22による磁場への影響を
有効に及ぼすことができるので、好ましい。
【0016】線状又はロッド状の可動部20は、基部で
あるロッド21において、所定の磁気応答特性を持つ磁
気応答部材22を直線変位方向に沿って所定のピッチp
で複数繰り返して設けて成るものである。既に知られて
いるように、磁気応答部材22の材質を鉄またはニッケ
ルなどのような磁性体、あるいは銅またはアルミニウム
などのような非磁性の導電体とすることにより、透磁率
あるいは磁気抵抗あるいは渦電流損失などの所定の磁気
応答特性を持たせることができるので、そのように適宜
の材質を用いて磁気応答部材22を構成してよい。基部
であるロッド21の材質も、磁性体又は非磁性体又は導
電体など適宜の材質を用いてよく、どのような材質を用
いるかは、磁気応答部材22の材質及び/又は形状等と
の兼ね合いによって定まる。要するに、磁気応答部材2
2が存在する箇所とそうでない箇所との間では、巻線部
10に及ぼす磁気的応答特性が異なるようになっていれ
ばよいものである。また、ロッド21に対する磁気応答
部材22の形成法も、貼り付け、接着、かしめ止め、切
削、めっき、蒸着、焼き付け、など適宜の手法を用いて
よい。ロッド21は、必ずしも剛体に限らず、ワイヤ線
のようなフレキシブルな素材からなっていてよい。この
例では、可動部20の側に磁気応答部材22を設けて可
変磁気結合手段として構成しているので、以下、可動部
20を可変磁気結合部20と証して説明を進める。
【0017】検出対象たる直線位置の変化に応じて、可
変磁気結合部20の磁気応答部材22の巻線部10に対
する対応位置が変化することにより、1次巻線PW1〜
PW5と各2次巻線SW1〜SW4間の磁気結合が該検出
対象直線位置に応じて変化され、これにより、該検出対
象直線位置に応じて振幅変調された誘導出力交流信号
が、各2次巻線SW1〜SW4の配置のずれに応じて異な
る振幅関数特性で、各2次巻線SW1〜SW4に誘起され
る。各2次巻線SW1〜SW4に誘起される各誘導出力交
流信号は、1次巻線PW1〜PW5が1相の交流信号によ
って共通に励磁されるが故に、その電気的位相が同相で
あり、その振幅関数が磁気応答部材22の繰り返しピッ
チの1ピッチpに相当する変位量を1サイクルとして周
期的にそれぞれ変化する。
【0018】4つの2次巻線SW1〜SW4は、磁気応答
部材22の繰り返しピッチの1ピッチpの範囲内におい
て所定の間隔で配置され、各2次巻線SW1〜SW4に生
じる誘導出力交流信号の振幅関数が、所望の特性を示す
ように設定される。例えば、レゾルバタイプの位置検出
装置として構成する場合は、各2次巻線SW1〜SW4に
生じる誘導出力交流信号の振幅関数が、サイン関数、コ
サイン関数、マイナス・サイン関数、マイナス・コサイ
ン関数、にそれぞれ相当するように設定する。例えば図
2に示されるように、1ピッチpの範囲を4分割し、p
/4づつずれた各分割位置に配列する。これにより、各
2次巻線SW1〜SW4に生じる誘導出力交流信号の振幅
関数が、サイン関数、コサイン関数、マイナス・サイン
関数、マイナス・コサイン関数、にそれぞれ相当するよ
うに設定することができる。勿論、種々の条件によっ
て、各巻線の配置は微妙に変わり得るので、希望の関数
特性が得られるように各巻線配置を適宜調整したり、あ
るいは2次出力レベルを電気的増幅によって調整して、
希望の振幅関数特性が最終的に得られるようにする。
【0019】例えば、2次巻線SW1の出力がサイン関
数(図でsを付記する)に対応するとすると、これに対
してp/2だけずれて配置された2次巻線SW3の出力
はマイナス・サイン関数(図で/s(sバー)を付記す
る)に対応し、この両者の出力を差動的に合成すること
によりサイン関数の振幅関数を持つ第1の出力交流信号
が得られる。また、サイン関数出力に対応する2次巻線
SW1からp/4ずれて配置された2次巻線SW2の出力
はコサイン関数(図でcを付記する)に対応し、これに
対してp/2だけずれて配置された2次巻線SW4の出
力はマイナス・コサイン関数(図で/c(cバー)を付
記する)に対応し、この両者の出力を差動的に合成する
ことによりコサイン関数の振幅関数を持つ第2の出力交
流信号が得られる。。なお、明細書中では、表記の都合
上、反転を示すバー記号は「/(スラッシュ)」で記載
するが、これは、図中のバー記号に対応している。
【0020】図3は巻線部10の回路図であり、1次巻
線PW1〜PW5には共通の励磁交流信号(説明の便宜
上、sinωtで示す)が印加される。この1次巻線PW1
〜PW5の励磁に応じて、可変磁気結合部20の磁気応
答部材22の巻線部10に対する対応位置に応じた振幅
値を持つ交流信号が各2次巻線SW1〜SW4に誘導され
る。夫々の誘導電圧レベルは検出対象直線位置xに対応
して2相の関数特性sinθ,cosθ及びその逆相の関数特
性−sinθ,−cosθを示す。すなわち、各2次巻線SW
1〜SW4の誘導出力信号は、検出対象直線位置xに対応
して2相の関数特性sinθ,cosθ及びその逆相の関数特
性−sinθ,−cosθで振幅変調された状態で夫々出力さ
れる。なお、θはxに比例しており、例えば、θ=2π
(x/p)のような関係である。説明の便宜上、巻線の
巻数等、その他の条件に従う係数は省略し、2次巻線S
W1をサイン相として、その出力信号を「sinθ・sinω
t」で示し、2次巻線SW2をコサイン相として、その
出力信号を「cosθ・sinωt」で示す。また、2次巻線
SW3をマイナス・サイン相として、その出力信号を
「−sinθ・sinωt」で示し、2次巻線SW4をマイナス
・コサイン相として、その出力信号を「−cosθ・sinω
t」で示す。サイン相とマイナス・サイン相の誘導出力
を差動的に合成することによりサイン関数の振幅関数を
持つ第1の出力交流信号(2sinθ・sinωt)が得られ
る。また、コサイン相とマイナス・コサイン相の誘導出
力を差動的に合成することによりコサイン関数の振幅関
数を持つ第2の出力交流信号(2cosθ・sinωt)が得
られる。なお、表現の簡略化のために、係数「2」を省
略して、以下では、第1の出力交流信号を「sinθ・sin
ωt」で表わし、第2の出力交流信号を「cosθ・sinω
t」で表わす。
【0021】こうして、検出対象直線位置xに対応する
第1の関数値sinθを振幅値として持つ第1の出力交流
信号A=sinθ・sinωtと、同じ検出対象直線位置xに
対応する第2の関数値cosθを振幅値として持つ第2の
出力交流信号B=cosθ・sinωtとが出力される。この
ような巻線構成によれば、回転型位置検出装置である従
来知られたレゾルバにおいて得られるのと同様の、同相
交流であって2相の振幅関数を持つ2つの出力交流信号
(サイン出力とコサイン出力)を直線位置検出装置にお
いて得ることができることが理解できる。従って、本発
明の直線位置検出装置において得られる2相の出力交流
信号(A=sinθ・sinωtとB=cosθ・sinωt)は、従
来知られたレゾルバの出力と同様の使い方をすることが
できる。また、上記のように、4つの2次巻線SW1〜
SW4を磁気応答部材22の繰り返しピッチの1ピッチ
pの範囲内において所定の間隔で配置した構成は、巻線
部10全体のサイズを磁気応答部材22の1ピッチの範
囲に略対応する比較的小さなサイズに収めることができ
るので、直線位置検出装置全体の構成を小型化すること
に役立つ。
【0022】可変磁気結合部20の一実施形態として、
基部であるロッド21としてフレキシブルなワイヤ線又
はピアノ線等を使用し、磁気応答部材22として所定の
金属片を使用し、該ワイヤ線又はピアノ線等からなるロ
ッド21の周囲に、磁気応答部材22としての該金属片
を所定のピッチで複数繰り返して配置してそれぞれの金
属片をかしめ止めすることによって、該所定のピッチで
繰り返し配置した磁気応答部材22を構成するようにす
るとよい。このような可変磁気結合部20の構成は、単
に、所望の長さのワイヤ線又はピアノ線と所望の数の金
属片とを用意し、該金属片を所望のピッチで該ワイヤ線
又はピアノ線にかしめ止めすることだけで、製造するこ
とができるので、構成が極めて簡単であり、かつ製造が
極めて容易であり、製造コストも極めて安価にすること
ができるので、かなり有意義である。しかも、可変磁気
結合部20つまり可動コア部の径は、ワイヤ線又はピア
ノ線(ロッド21)の径に金属片(磁気応答部材22)
の厚みを足した程度の小さなものとなり、これに伴い、
巻線部10の各巻線の径もかなり小さくすることができ
るので、全体としてかなり小型化された直線位置検出装
置を提供することができる。また、芯部であるロッド2
1をワイヤ線又はピアノ線で構成するため、強靭であり
ながら軽量かつフレキシビリティに富むものであり、強
度、重量、柔軟性の全ての点で有利であり、特に長尺に
わたる直線変位の検出が可能な直線位置検出装置を構成
するのに際して有利であり、かつ、安価でもある。な
お、ロッド21として使用するワイヤ線は、既存のステ
ンレス製多芯撚り線を使用することができる。
【0023】更にその場合、磁気応答部材22としての
前記金属片として、既存のスプリングピンを用いてもよ
く、そのようスプリングピンを用いると、かしめ止め加
工作業も極めて容易になり、かつ、かしめ止めも確実に
なり、しかも安価であるから、極めて有利である。ま
た、磁気応答部材22を形成するための前記金属片とし
て展開状態では長方形のものを使用すると、これをロッ
ド21(ワイヤ線)の周りにかしめ止めしたとき、図2
に示すように、磁気応答部材22は略円筒形状となる。
しかし、これに限らず、磁気応答部材22を形成するた
めの前記金属片として展開状態では略円形乃至楕円形の
金属片22’を使用してもよく、これをロッド21(ワ
イヤ線)の周りにかしめ止めすると、図4に示すよう
に、ロッド21の周囲をカバーする磁気応答部材22の
面積が連続的に変化するものとなり、直線位置の変化に
応じた磁気結合係数の変化を三角関数に近似した理想的
なものにし易くなるので、有利である。また、図5に示
すように、所定サイズの金属片22aを所望の1乃至複
数個連続してロッド21(ワイヤ線)の周囲にかしめ止
めするようにすれば、磁気応答部材22の繰り返し配列
の所定の1ピッチpの長さが任意に変化できるので、本
発明に従って異なる仕様の直線位置検出装置を製造する
に際して、どの場合でも同じ金属片22aを利用できる
ことにより、材料の共用化を図ることができる。
【0024】小型化、低コスト、高感度、フレキシビリ
ティ、強度、及び耐久性といういくつもの利点を兼ね備
えた構成としては、ステンレススチール製多芯撚り線か
らなるワイヤ線によってロッド部21の基部を作成し、
鉄製のスプリングピンによって磁気応答部材22を作成
するのが、有利である。すなわち、そのようなワイヤ線
は、非磁性であるから、磁性のスプリングピンからなる
磁気応答部材22の有無に応答する検出感度は、ピアノ
線を用いる場合よりも高感度となる。また、多芯撚り線
であることにより、フレキシビリティ、強度、及び耐久
性に優れている。また、既存のワイヤ線とスプリングピ
ンを材料に使用するので、低コストに製造できる。ま
た、ロッド部21としてワイヤ線を使用するので、小径
とすることができ、検出装置全体を小型化するのに寄与
する。その場合、例えば、ワイヤ線は直径0.8mm前
後の小径のものを用いることができ、この周囲に適宜サ
イズのスプリングピンをかしめて配置し、さらにその上
から表面保護用の非磁性及び非導電性の樹脂等のコーテ
ィングを全体的に適宜施したとしても、その全体のサイ
ズは2乃至3mm程度の小径とすることができる。これ
に対して、その周囲に配置する巻線部10の内径を3.
5mm程度として、その外径を6乃至8mm程度として
も、検出装置全体の径方向サイズとして、10mm前後
の超小型化した装置を提供することができる。勿論、リ
ニア方向の検出ピッチpも、10mm前後の微小サイズ
とすることができる。ワイヤ線を基部に使用したロッド
部21は、巻き取りに適したものであるから、巻線部1
0を固定し、ワイヤ線のロッド部21は適宜のリールに
巻き取ったり、そこから繰り出しするようにして、検出
対象位置の変位に連動して変位するように配置すること
ができる。他方、巻線部10が検出対象位置の変位に連
動して変位するように配置する場合は、ロッド部21の
ワイヤ線を適宜に張設して固定すればよい。
【0025】図6は可変磁気結合部20の別の実施形態
を示すもので、磁気応答部材22として磁性体からなる
所定径の球22bを1乃至複数個連続して配置し、次い
で非磁性体からなる所定径の球23を1乃至複数個連続
して配置して、所望の1ピッチpの長さを確定し、この
ような磁性体球22bと非磁性体23の所定ピッチの繰
り返しを、ワイヤ線21aに沿って多数形成してなるも
のである。この場合、各球22b,23の中心軸にはワ
イヤ線21aの挿入を許す孔が穿ってあり、該孔にワイ
ヤ線21aを挿入して多数の上記所定配置の球22b,
23を密接して設けることにより可変磁気結合部20が
構成される。この構成も、磁気応答部材22の繰り返し
配列の所定の1ピッチpの長さが任意に変化できるの
で、本発明に従って異なる仕様の直線位置検出装置を製
造するに際して、どの場合でも同じ球22b,23を利
用できることにより、材料の共用化を図ることができ
る。また、単に球22b,23の孔にワイヤ線21aを
差し込むだけでよいので、製造が極めて簡単である。
【0026】図7は可変磁気結合部20の更に別の実施
形態を示すもので、非磁性及び非導電性すなわち非磁気
応答性物体からなる筒部24の中に、磁気応答部材22
として磁性体からなる所定径の球22bを1乃至複数個
連続して配置し、次いで非磁性体からなる所定径の球2
3を1乃至複数個連続して配置して、所望の1ピッチp
の長さを確定し、このような磁性体球22bと非磁性体
23の所定ピッチの繰り返しを多数形成してなるもので
ある。この場合も、磁気応答部材22の繰り返し配列の
所定の1ピッチpの長さが任意に変化できるので、本発
明に従って異なる仕様の直線位置検出装置を製造するに
際して、どの場合でも同じ球22b,23を利用できる
ことにより、材料の共用化を図ることができる。また、
単に筒部24の中に球22b,23を入れるだけでよい
ので、製造が極めて簡単である。
【0027】なお、図6及び図7のどちらの場合も、磁
気応答部材22としての球22bは、磁性体に限らず、
導電体からなるものであってもよい。また、一方の球2
2b(又は23)を磁性体とし、他方の球23(又は2
2b)を導電体としてもよい。また、図6及び図7のど
ちらの場合も、球22b,23に代えて、楕円球あるい
は円柱などの任意の形状の物体を使用することができる
ことは容易に理解できるであろう。例えば、図8は、そ
ろばん玉のような断面略菱形のテーパ部材25(又は2
つの台形を逆向きにくっつけたもの)の長さを1ピッチ
pとして、これを複数個連続して非磁気応答性物体から
なる筒部24の中に配置することにより、可変磁気結合
部20を構成した例を示している。この場合も、筒部2
4を使用せずに、テーパ部材25の中心軸に孔を穿ち、
ワイヤ線(21)を差し込むようにしてもよい。テーパ
部材25は、磁性体又は導電体からなり、これが磁気応
答部材22に相当する。勿論、テーパ部材25の傾斜は
直線的なものに限らず曲線的でもあってもよい。
【0028】図9は、巻線部10における巻線配置の別
の実施形態を示す。図9の例では、4つの2次巻線SW
1〜SW4の配置は、1ピッチPの範囲を4分割した位置
に配置され点で図1と同じであるが、各2次巻線間に1
次巻線が介在していないことにより、各2次巻線SW1
〜SW4のコイル長が図1の例よりも長い。この場合、
1次巻線PW1,PW2は、2次巻線SW1〜SW4に比べ
て大径であり、2次巻線SW1〜SW4の外側に巻かれる
格好になっている。ここで、隣接する2つの2次巻線S
W1,SW2の丁度中間位置に対応してその外側に1つの
1次巻線PW1が巻回された配置となっており、また、
別の隣接する2つの2次巻線SW3,SW4の丁度中間位
置に対応してその外側にもう1つの1次巻線PW2が巻
回された配置となっている。各1次巻線PW1,PW2の
コイル長は適宜であってよいが、2つの1次巻線PW
1,PW2はくっつくことなく、分離されていることが望
ましい。このように1次巻線を分離して個別の2次巻線
に対して必要な範囲でのみ磁界を及ぼすことができるよ
うにした巻線配置は、図2の場合と同様に、1次巻線に
よって発生する磁界を個別の2次巻線SW1〜SW4に対
して有効に及ぼし、かつ可変磁気結合部20の磁気応答
部材22による磁場への影響を有効に及ぼすことができ
るので、好ましい。
【0029】なお、図2及び図9のどちらの巻線配置に
おいても、隣接する各巻線の境界に磁気シールド用の磁
性体金属を介在させると、クロストークを改善すること
ができ、個別の各2次巻線SW1〜SW4毎の誘導出力信
号における所望の振幅関数特性が改善される。勿論、巻
線部10の構成は図2及び図9に図示の例に限らず、そ
の他の設計変更が可能である。また、図10に示すよう
に、巻線部10の端部寄りに位置する2次巻線SW1,
SW4の誘導出力特性を良好にするために、該巻線部1
0の両端において適宜の間隔を空けて更に1次巻線PW
6,PW7をそれぞれ付加するとよい。
【0030】図11(a)は巻線部10の別の配置例を
示す図で、各相の巻線を4つの極11,12,13,1
4に分離して配置したものである。各極11,12,1
3,14は、それぞれの鉄心(図示せず)に1次巻線及
び2次巻線を同軸状に巻回してなるもので、ロッド状の
可変磁気結合部20の円周方向に適当な間隔を置いて、
かつ、直線変位方向(矢印X方向)に所定の間隔で(1
ピッチpを4等分した間隔で)、配置される。図11
(b)は、可変磁気結合部20の磁気応答部材22の1
ピッチに対する各極11,12,13,14の配置関係
を示す展開図である。図2との対応関係を示すと、例え
ば、極11をサイン相(s)とすると、この極11には
1次巻線PW1と2次巻線SW1を同軸状に巻回し、極1
2をコサイン相(c)とすると、この極12には1次巻
線PW2と2次巻線SW2を同軸状に巻回し、極13をマ
イナス・サイン相(/s)とすると、この極13には1
次巻線PW3と2次巻線SW3を同軸状に巻回し、極14
をマイナス・コサイン相(/c)とすると、この極14
には1次巻線PW4と2次巻線SW4を同軸状に巻回する
ようにすればよい。図示を省略しているが、各極11〜
14の鉄心は共通の基部に固定され、所定の相互配置関
係が固定される。
【0031】図11(a)のような配置は、可変磁気結
合部20の基部を成すロッド210の径が比較的大きい
場合に有効である。そのような大径のロッド210を、
図2に示すようにコイル内空間に挿入するように巻線部
10を構成したとすると、各巻線の径が大きくなるので
巻線部10が大型化してしまう。これに対して、図11
(a)のような配置は、各極11〜14に設ける巻線は
小径のものでよいので、巻線部10の構成が大型化しな
いので有利である。しかも、各極11〜14の配置を円
周方向にずらしていることにより、1ピッチpの長さが
微小であっても、各極11〜14の巻線が互いにぶつか
りあわないように配置することができるので、有利であ
る。なお、図11(a)は、ロッド210が鉄等の磁性
体からなっており、そこにリング状の凹部21aを所定
幅で繰返し形成する加工を施すことにより、磁性体の凸
部からなる磁気応答部材22が所定幅で繰返し形成され
るような例を示している。勿論、各極11〜14の端部
とロッド210の表面とは、非接触で対向しており、各
極11〜14の端部が凹部21aに対向するときと凸部
22に対向するときとではその間のギャップが異なるこ
とにより、磁気結合の相違が生じる。
【0032】上述の通り、本発明に係る誘導型直線位置
検出装置によれば、リニアタイプの位置検出装置であり
ながら、回転型レゾルバと同様の2相の出力交流信号
(A=sinθ・sinωtとB=cosθ・sinωt)を巻線部1
0の2次巻線SW1〜SW4から出力することができるよ
うになる。従って、適切なディジタル位相検出回路を適
用して、前記サイン関数sinθとコサイン関数cosθの位
相値θをディジタル位相検出によって検出し、これに基
づき直線位置xの位置検出データを得るようにすること
ができる。
【0033】例えば、図12は、公知のR−D(レゾル
バ−ディジタル)コンバータを適用した例を示す。巻線
部10の2次巻線SW1〜SW4から出力されるレゾルバ
タイプの2相の出力交流信号A=sinθ・sinωtとB=c
osθ・sinωtが、それぞれアナログ乗算器30,31に
入力される。順次位相発生回路32では位相角φのディ
ジタルデータを発生し、サイン・コサイン発生回路33
から該位相角φに対応するサイン値sinφとコサイン値c
osφのアナログ信号を発生する。乗算器30では、サイ
ン相の出力交流信号A=sinθ・sinωtに対してサイン
・コサイン発生回路33からのコサイン値cosφを乗算
し、「cosφ・sinθ・sinωt」を得る。もう一方の乗算
器31では、コサイン相の出力交流信号B=cosθ・sin
ωtに対してサイン・コサイン発生回路33からのサイ
ン値sinφを乗算し、「sinφ・cosθ・sinωt」を得る。
引算器34で、両乗算器30,31の出力信号の差を求
め、この引算器34の出力によって順次位相発生回路3
2の位相発生動作を次のように制御する。すなわち、順
次位相発生回路32の発生位相角φを最初は0にリセッ
トし、以後順次増加していき、引算器34の出力が0に
なったとき増加を停止する。引算器34の出力が0にな
るのは、「cosφ・sinθ・sinωt」=「sinφ・cosθ・sin
ωt」が成立したときであり、すなわち、φ=θが成立
し、順次位相発生回路32から位相角φのディジタルデ
ータが出力交流信号A,Bの振幅関数の位相角θのディ
ジタル値に一致している。従って、任意のタイミングで
周期的にリセットトリガを与えて順次位相発生回路32
の発生位相角φを0にリセットして、該位相角φのイン
クリメントを開始し、引算器34の出力が0になったと
き、該インクリメントを停止し、位相角θのディジタル
データを得る。なお、順次位相発生回路32をアップダ
ウンカウンタ及びVCOを含んで構成し、引算器34の
出力によってVCOを駆動してアップダウンカウンタの
アップ/ダウンカウント動作を制御するようにすること
が知られており、その場合は、周期的なリセットトリガ
は不要である。
【0034】温度変化等によって巻線部10の1次及び
2次巻線のインピーダンスが変化することにより2次出
力交流信号における電気的交流位相ωtに誤差が生じる
が、上記のような位相検出回路においては、sinωtの
位相誤差は自動的に相殺されるので、好都合である。こ
れに対して、従来知られた2相交流信号(例えばsinω
tとcosωt)で励磁することにより1相の出力交流信
号に電気的位相シフトが生じるようにした方式では、そ
のような温度変化等に基づく出力位相誤差を除去するこ
とができない。ところで、上記のような従来のR−Dコ
ンバータからなる位相検出回路は、追従比較方式である
ため、φを追従カウントするときのクロック遅れが生
じ、応答性が悪い、という問題がある。そこで、本発明
者等は、以下に述べるような新規な位相検出回路を開発
したので、これを使用すると好都合である。
【0035】図13は、本発明に係る誘導形直線位置検
出装置に適用される新規な位相検出回路の一実施形態を
示している。図13において、検出回路部41では、カ
ウンタ42で所定の高速クロックパルスCKをカウント
し、そのカウント値に基づき励磁信号発生回路43から
励磁用の交流信号(例えばsinωt)を発生し、巻線部
10の1次巻線PW1〜PW5に与える。カウンタ42の
モジュロ数は、励磁用の交流信号の1周期に対応してお
り、説明の便宜上、そのカウント値の0は、基準のサイ
ン信号sinωtの0位相に対応しているものとする。例
えば、カウンタ42のカウント値が0から最大値まで1
巡する間で、基準のサイン信号sinωtの0位相から最
大位相までの1周期が発生されると、これに対応して励
磁用の交流信号sinωtが、励磁信号発生回路43から
発生される。巻線部10の2次巻線SW1〜SW4から出
力される2相の出力交流信号A=sinθ・sinωtとB=c
osθ・sinωtは、検出回路部41に入力される。
【0036】検出回路部41において、第1の交流出力
信号A=sinθ・sinωtが位相シフト回路44に入力さ
れ、その電気的位相が所定量位相シフトされ、例えば9
0度進められて、位相シフトされた交流信号A’=sin
θ・cosωtが得られる。また、検出回路部41において
は加算回路45と減算回路46とが設けられており、加
算回路45では、位相シフト回路44から出力される上
記位相シフトされた交流信号A’=sinθ・cosωtと巻
線部10の2次巻線SW1〜SW4から出力され第2の交
流出力信号B=cosθ・sinωtとが加算され、その加算
出力として、B+A’=cosθ・sinωt+sinθ・cosωt
=sin(ωt+θ)なる略式で表わせる第1の電気的交
流信号Y1が得られる。減算回路46では、上記位相シ
フトされた交流信号A’=sinθ・cosωtと上記第2の
交流出力信号B=cosθ・sinωtとが減算され、その減
算出力として、B−A’=cosθ・sinωt−sinθ・cosω
t=sin(ωt−θ)なる略式で表わせる第2の電気的
交流信号Y2が得られる。このようにして、検出対象位
置(x)に対応して正方向にシフトされた電気的位相角
(+θ)を持つ第1の電気的交流信号Y1=sin(ωt
+θ)と、同じ前記検出対象位置(x)に対応して負方
向にシフトされた電気的位相角(−θ)を持つ第2の電
気的交流信号Y2=sin(ωt−θ)とが、電気的処理
によって夫々得られる。
【0037】加算回路45及び減算回路46の出力信号
Y1,Y2は、夫々ゼロクロス検出回路47,48に入
力され、それぞれのゼロクロスが検出される。ゼロクロ
スの検出の仕方としては、例えば、各信号Y1,Y2の
振幅値が負から正に変化するゼロクロスつまり0位相を
検出する。各回路47,48で検出したゼロクロス検出
パルスつまり0位相検出パルスは、ラッチパルスLP
1,LP2として、ラッチ回路49,50に入力され
る。ラッチ回路49,50では、カウンタ42のカウン
ト値を夫々のラッチパルスLP1,LP2のタイミング
でラッチする。前述のように、カウンタ42のモジュロ
数は励磁用の交流信号の1周期に対応しており、そのカ
ウント値の0は基準のサイン信号sinωtの0位相に対
応しているものとしたので、各ラッチ回路49,50に
ラッチしたデータD1,D2は、それぞれ、基準のサイ
ン信号sinωtに対する各出力信号Y1,Y2の位相ず
れに対応している。各ラッチ回路49,50の出力は誤
差計算回路51に入力されて、「(D1+D2)/2」
の計算が行なわれる。なお、この計算は、実際は、「D
1+D2」のバイナリデータの加算結果を1ビット下位
にシフトすることで行われるようになっていてよい。
【0038】ここで、巻線部10と検出回路部41間の
配線ケーブル長の長短による影響や、巻線部10の各1
次及び2次巻線において温度変化等によるインピーダン
ス変化が生じていることを考慮して、その出力信号の位
相変動誤差を「±d」で示すと、検出回路部41におけ
る上記各信号は次のように表わされる。 A=sinθ・sin(ωt±d) A’=sinθ・cos(ωt±d) B=cosθ・sin(ωt±d) Y1=sin(ωt±d+θ) Y2=sin(ωt±d−θ) D1=±d+θ D2=±d−θ
【0039】すなわち、各位相ずれ測定データD1,D
2は、基準のサイン信号sinωtを基準位相に使用して
位相ずれカウントを行なうので、上記のように位相変動
誤差「±d」を含む値が得られてしまう。そこで、誤差
計算回路51において、「(D1+D2)/2」の計算
を行なうことにより、 (D1+D2)/2={(±d+θ)+(±d−θ)}/2 = ±2d/2 = ±d により、位相変動誤差「±d」を算出することができ
る。
【0040】誤差計算回路51で求められた位相変動誤
差「±d」のデータは、減算回路52に与えられ、一方
の位相ずれ測定データD1から減算される。すなわち、
減算回路52では、「D1−(±d)」の減算が行なわ
れるので、 D1−(±d)=±d+θ−(±d)=θ となり、位相変動誤差「±d」を除去した正しい検出位
相差θを示すディジタルデータが得られる。このよう
に、本発明によれば、位相変動誤差「±d」が相殺され
て、検出対象位置xに対応する正しい位相差θのみが抽
出されることが理解できる。
【0041】この点を図14を用いて更に説明する。図
14においては、位相測定の基準となるサイン信号sin
ωtと前記第1及び第2の交流信号Y1,Y2の0位相
付近の波形を示しており、同図(a)は位相変動誤差が
プラス(+d)の場合、(b)はマイナスの場合(−
d)を示す。同図(a)の場合、基準のサイン信号sin
ωtの0位相に対して第1の信号Y1の0位相は「θ+
d」だけ進んでおり、これに対応する位相差検出データ
D1は「θ+d」に相当する位相差を示す。また、基準
のサイン信号sinωtの0位相に対して第2の信号Y2
の0位相は「−θ+d」だけ遅れており、これに対応す
る位相差検出データD2は「−θ+d」に相当する位相
差を示す。この場合、誤差計算回路51では、 (D1+D2)/2={(+d+θ)+(+d−θ)}/2 = +2d/2 = +d により、位相変動誤差「+d」を算出する。そして、減
算回路52により、 D1−(+d)=+d+θ−(+d)=θ が計算され、正しい位相差θが抽出される。
【0042】図14(b)の場合、基準のサイン信号si
nωtの0位相に対して第1の信号Y1の0位相は「θ
−d」だけ進んでおり、これに対応する位相差検出デー
タD1は「θ−d」に相当する位相差を示す。また、基
準のサイン信号sinωtの0位相に対して第2の信号Y
2の0位相は「−θ−d」だけ遅れており、これに対応
する位相差検出データD2は「−θ−d」に相当する位
相差を示す。この場合、誤差計算回路51では、 (D1+D2)/2={(−d+θ)+(−d−θ)}/2 = −2d/2 = −d により、位相変動誤差「−d」を算出する。そして、減
算回路52により、 D1−(−d)=−d+θ−(−d)=θ が計算され、正しい位相差θが抽出される。なお、減算
回路52では。「D2−(±d)」の減算を行なうよう
にしてもよく、原理的には上記と同様に正しい位相差θ
を反映するデータ(−θ)が得られることが理解できる
であろう。
【0043】また、図14からも理解できるように、第
1の信号Y1と第2の信号Y2との間の電気的位相差は
2θであり、常に、両者における位相変動誤差「±d」
を相殺した正確な位相差θの2倍値を示していることに
なる。従って、図13におけるラッチ回路49,50及
び誤差計算回路51及び減算回路52等を含む回路部分
の構成を、信号Y1,Y2の電気的位相差2θをダイレ
クトに求めるための構成に適宜変更するようにしてもよ
い。例えば、ゼロクロス検出回路47から出力される第
1の信号Y1の0位相に対応するパルスLP1の発生時
点から、ゼロクロス検出回路48から出力される第2の
信号Y2の0位相に対応するパルスLP2の発生時点ま
での間を適宜の手段でゲートし、このゲート期間をカウ
ントすることにより、位相変動誤差「±d」を相殺し
た、電気的位相差(2θ)に対応するディジタルデータ
を得ることができ、これを1ビット下位にシフトすれ
ば、θに対応するデータが得られる。
【0044】ところで、上記実施例では、+θをラッチ
するためのラッチ回路49と、−θをラッチするための
ラッチ回路50とでは、同じカウンタ42の出力をラッ
チするようにしており、ラッチしたデータの正負符号に
ついては特に言及していない。しかし、データの正負符
号については、本発明の趣旨に沿うように、適宜の設計
的処理を施せばよい。例えば、カウンタ42のモジュロ
数が4096(10進数表示)であるとすると、そのデ
ィジタルカウント0〜4095を0度〜360度の位相
角度に対応させて適宜に演算処理を行なうようにすれば
よい。最も単純な設計例は、カウンタ42のカウント出
力の最上位ビットを符号ビットとし、ディジタルカウン
ト0〜2047を+0度〜+180度に対応させ、ディ
ジタルカウント2048〜4095を−180度〜−0
度に対応させて、演算処理を行なうようにしてもよい。
あるいは、別の例として、ラッチ回路50の入力データ
又は出力データを2の補数に変換することにより、ディ
ジタルカウント4095〜0を−360度〜−0度の負
の角度データ表現に対応させるようにしてもよい。
【0045】ところで、検出対象位置xが静止状態のと
きは特に問題ないのであるが、検出対象位置xが時間的
に変化するときは、それに対応する位相角θも時間的に
変動することになる。その場合、加算回路45及び減算
回路46の各出力信号Y1,Y2の位相ずれ量θが一定
値ではなく、移動速度に対応して時間的に変化する動特
性を示すものとなり、これをθ(t)で示すと、各出力信
号Y1,Y2は、 Y1=sin{ωt±d+θ(t)} Y2=sin{ωt±d−θ(t)} となる。すなわち、基準信号sinωtの周波数に対し
て、進相の出力信号Y1は+θ(t)に応じて周波数が高
くなる方向に周波数遷移し、遅相の出力信号Y2は−θ
(t)に応じて周波数が低くなる方向に周波数遷移する。
このような動特性の下においては、基準信号sinωtの
1周期毎に各信号Y1,Y2の周期が互いに逆方向に次
々に遷移していくので、各ラッチ回路49,50におけ
る各ラッチデータD1,D2の計測時間基準が異なって
くることになり、両データD1,D2を単純に回路5
1,52で演算するだけでは、正確な位相変動誤差「±
d」を得ることができない。
【0046】このような問題を回避するための最も簡単
な方法は、図13の構成において、検出対象位置xが時
間的に動いているときの出力を無視し、静止状態のとき
の出力のみを用いて、静止時における検出対象位置xを
測定するように装置の機能を限定することである。すな
わち、そのような限定された目的のために本発明を実施
するようにしてもよいものである。しかし、検出対象位
置xが時間的に変化している最中であっても時々刻々の
該検出対象直線位置xに対応する位相差θを正確に検出
できるようにすることが望ましい。そこで、上記のよう
な問題点を解決するために、検出対象直線位置xが時間
的に変化している最中であっても時々刻々の該検出対象
位置xに対応する位相差θを検出できるようにした改善
策について図15を参照して説明する。
【0047】図15は、図13の検出回路部41におけ
る誤差計算回路51と減算回路52の部分の変更例を抽
出して示しており、他の図示していない部分の構成は図
13と同様であってよい。検出対象直線位置xが時間的
に変化している場合における該位置xに対応する位相差
θを、+θ(t)および−θ(t)で表わすと、各出力
信号Y1,Y2は前記のように表わせる。そして、夫々
に対応してラッチ回路49,50で得られる位相ずれ測
定値データD1,D2は、 D1=±d+θ(t) D2=±d−θ(t) となる。この場合、±d+θ(t) は、θの時間的変化に
応じて、プラス方向に0度から360度の範囲で繰り返
し時間的に変化してゆく。また、±d−θ(t) は、θの
時間的変化に応じて、マイナス方向に360度から0度
の範囲で繰り返し時間的に変化してゆく。従って、±d
+θ(t) ≠ ±d−θ(t) のときもあるが、両者の変化
が交差するときもあり、そのときは±d+θ(t) = ±
d−θ(t) が成立する。このように、±d+θ(t) =
±d−θ(t) が成立するときは、各出力信号Y1,Y2
の電気的位相が一致しており、かつ、夫々のゼロクロス
検出タイミングに対応するラッチパルスLP1,LP2
の発生タイミングが一致していることになる。
【0048】図15において、一致検出回路53は、各
出力信号Y1,Y2ののゼロクロス検出タイミングに対
応するラッチパルスLP1,LP2の発生タイミング
が、一致したことを検出し、この検出に応答して一致検
出パルスEQPを発生する。一方、時変動判定回路54
では、適宜の手段により(例えば一方の位相差測定デー
タD1の値の時間的変化の有無を検出する等の手段によ
り)、検出対象位置xが時間的に変化するモードである
ことを判定し、この判定に応じて時変動モード信号TM
を出力する。誤差計算回路51と減算回路52との間に
セレクタ55が設けられており、上記時変動モード信号
TMが発生されていないとき、つまりTM=“0”すな
わち検出対象直線位置xが時間的に変化していないと
き、セレクタ入力Bに加わる誤差計算回路51の出力を
選択して減算回路52に入力する。このようにセレクタ
55の入力Bが選択されているときの図15の回路は、
図13の回路と等価的に動作する。すなわち、検出対象
直線位置xが静止しているときは、誤差計算回路51の
出力データがセレクタ55の入力Bを介して減算回路5
2に直接的に与えられ、図13の回路と同様に動作す
る。
【0049】一方、上記時変動モード信号TMが発生さ
れているとき、つまりTM=“1”すなわち検出対象位
置xが時間的に変化しているときは、セレクタ55の入
力Aに加わるラッチ回路56の出力を選択して減算回路
52に入力する。上記時変動モード信号TMが“1”
で、かつ前記一致検出パルスEQPが発生されたとき、
アンドゲート57の条件が成立して、該一致検出パルス
EQPに応答するパルスがアンドゲート57から出力さ
れ、ラッチ回路56に対してラッチ命令を与える。ラッ
チ回路56は、このラッチ命令に応じてカウンタ42の
出力カウントデータをラッチする。ここで、一致検出パ
ルスEQPが生じるときは、カウンタ42の出力をラッ
チ回路49,50に同時にラッチすることになるので、
D1=D2であり、ラッチ回路56にラッチするデータ
は、D1又はD2(ただしD1=D2)に相当してい
る。
【0050】また、一致検出パルスEQPは、各出力信
号Y1,Y2のゼロクロス検出タイミングが一致したと
き、すなわち「±d+θ(t) = ±d−θ(t)」が成立し
たとき、発生されるので、これに応答してラッチ回路5
6にラッチされるデータは、D1又はD2(ただしD1
=D2)に相当しているが故に、 (D1+D2)/2 と等価である。このことは、 (D1+D2)/2=[{±d+θ(t)}+{±d−θ(t)}]/2 =2(±d)/2=±d であることを意味し、ラッチ回路56にラッチされたデ
ータは、位相変動誤差「±d」を正確に示しているもの
であることを意味する。
【0051】こうして、検出対象直線位置xが時間的に
変動しているときは、位相変動誤差「±d」を正確に示
すデータが一致検出パルスEQPに応じてラッチ回路5
6にラッチされ、このラッチ回路56の出力データがセ
レクタ55の入力Aを介して減算回路52に与えられ
る。従って、減算回路52では、位相変動誤差「±d」
を除去した検出対象位置xのみに正確に応答するデータ
θ(時間的に変動する場合はθ(t) )を得ることができ
る。なお、図15において、アンドゲート57を省略し
て、一致検出パルスEQPを直接的にラッチ回路56の
ラッチ制御入力に与えるようにしてもよい。また、ラッ
チ回路56には、カウンタ42の出力カウントデータに
限らず、図15で破線で示すように誤差計算回路51の
出力データ「±d」をラッチするようにしてもよい。そ
の場合は、一致検出パルスEQPの発生タイミングに対
して、それに対応する誤差計算回路51の出力データの
出力タイミングが、ラッチ回路49,50及び誤差計算
回路51の回路動作遅れの故に、幾分遅れるので、適宜
の時間遅れ調整を行なった上で、誤差計算回路51の出
力をラッチ回路56にラッチするようにするとよい。ま
た、動特性のみを考慮して検出回路部41を構成する場
合は、図15の回路51及びセレクタ55と図2の一方
のラッチ回路49又は50を省略してもよいことが、理
解できるであろう。
【0052】図16は、位相変動誤差「±d」を相殺す
ることができる位相差検出演算法についての別の実施例
を示す。巻線部10の2次巻線SW1〜SW4から出力さ
れるレゾルバタイプの前記第1及び第2の交流出力信号
A,Bは、検出回路部60に入力され、図13の例と同
様に、第1の交流出力信号A=sinθ・sinωtが位相シ
フト回路44に入力され、その電気的位相が所定量位相
シフトされて、位相シフトされた交流信号A’=sinθ・
cosωtが得られる。また、減算回路46では、上記位
相シフトされた交流信号A’=sinθ・cosωtと上記第
2の交流出力信号B=cosθ・sinωtとが減算され、そ
の減算出力として、B−A’=cosθ・sinωt−sinθ・c
osωt=sin(ωt−θ)なる略式で表わせる電気的交
流信号Y2が得られる。減算回路46の出力信号Y2は
ゼロクロス検出回路48に入力され、ゼロクロス検出に
応じてラッチパルスLP2が出力され、ラッチ回路50
に入力される。
【0053】図16の実施例が図13の実施例と異なる
点は、検出対象位置に対応する電気的位相ずれを含む交
流信号Y2=sin(ωt−θ)から、その位相ずれ量θ
を測定する際の基準位相が相違している点である。図1
3の例では、位相ずれ量θを測定する際の基準位相は、
基準のサイン信号sinωtの0位相であり、これは、位
置センサ10に入力されるものではないので、温度変化
等による巻線インピーダンス変化やその他の各種要因に
基づく位相変動誤差「±d」を含んでいないものであ
る。そのために、図13の例では、2つの交流信号Y1
=sin(ωt+θ)及びY2=sin(ωt−θ)を形成
し、その電気的位相差を求めることにより、位相変動誤
差「±d」を相殺するようにしている。これに対して、
図16の実施例では、巻線部10から出力される第1及
び第2の交流出力信号A,Bを基にして、位相ずれ量θ
を測定する際の基準位相を形成し、該基準位相そのもの
が上記位相変動誤差「±d」を含むようにすることによ
り、上記位相変動誤差「±d」を排除するようにしてい
る。
【0054】すなわち、検出回路部60において、巻線
部10から出力された前記第1及び第2の交流出力信号
A,Bがゼロクロス検出回路61,62に夫々入力さ
れ、それぞれのゼロクロスが検出される。なお、ゼロク
ロス検出回路61,62は、入力信号A,Bの振幅値が
負から正に変化するゼロクロス(いわば0位相)と正か
ら負に変化するゼロクロス(いわば180度位相)のど
ちらにでも応答してゼロクロス検出パルスを出力するも
のとする。これは信号A,Bの振幅の正負極性を決定す
るsinθとcosθがθの値に応じて任意に正又は負となる
ため、両者の合成に基づき360度毎のゼロクロスを検
出するためには、まず180度毎のゼロクロスを検出す
る必要があるためである。両ゼロクロス検出回路61,
62から出力されるゼロクロス検出パルスがオア回路6
3でオア合成され、該オア回路63の出力が適宜の1/
2分周パルス回路64(例えばT−フリップフロップの
ような1/2分周回路とパルス出力用アンドゲートを含
む)に入力されて、1つおきに該ゼロクロス検出パルス
が取り出され、360度毎のゼロクロスすなわち0位相
のみに対応するゼロクロス検出パルスが基準位相信号パ
ルスRPとして出力される。この基準位相信号パルスR
Pは、カウンタ65のリセット入力に与えられる。カウ
ンタ65は所定のクロックパルスCKを絶えずカウント
するものであるが、そのカウント値が、前記基準位相信
号パルスRPに応じて繰返し0にリセットされる。この
カウンタ65の出力がラッチ回路50に入力され、前記
ラッチパルスLP2の発生タイミングで、該カウント値
が該ラッチ回路50にラッチされる。ラッチ回路50に
ラッチしたデータDが、検出対象位置xに対応した位相
差θの測定データとして出力される。
【0055】巻線部10から出力される第1及び第2の
交流出力信号A,Bは、それぞれ、A=sinθ・sinω
t、B=cosθ・sinωt、であり、電気的位相は同相で
ある。従って、同じタイミングでゼロクロスが検出され
るはずであるが、振幅係数がサインsinθ及びコサインc
osθで変動するので、どちらかの振幅レベルが0か又は
0に近くなる場合があり、そのような場合は、一方につ
いては、事実上、ゼロクロスを検出することができな
い。そこで、この実施例では、2つの交流出力信号A=
sinθ・sinωt、B=cosθ・sinωtのそれぞれについて
ゼロクロス検出処理を行ない、両者のゼロクロス検出出
力をオア合成することにより、どちらか一方が振幅レベ
ル小によってゼロクロス検出不能であっても、他方の振
幅レベル大の方のゼロクロス検出出力信号を利用できる
ようにしたことを特徴としている。
【0056】図16の例の場合、巻線部10の巻線イン
ピーダンス変化等による位相変動誤差が、例えば「−
d」であるとすると、減算回路46から出力される交流
信号Y2は、図17の(a)に示すように、Y2=sin
(ωt−d−θ)となる。この場合、巻線部10の出力
信号A,Bは、角度θに応じた振幅値sinθ及びcosθを
夫々持ち、図17の(b)に例示するように、A=sin
θ・sin(ωt−d)、B=cosθ・sin(ωt−d)、と
いうように位相変動誤差分を含んでいる。従って、この
ゼロクロス検出に基づいて図17の(c)のようなタイ
ミングで得られる基準位相信号パルスRPは、本来の基
準のサイン信号sinωtの0位相から位相変動誤差−d
だけずれたものである。従って、この基準位相信号パル
スRPを基準として、減算回路46の出力交流信号Y2
=sin(ωt−d−θ)の位相ずれ量を測定すれば、位
相変動誤差−dを除去した正確な値θが得られることに
なる。
【0057】なお、巻線部10の配線長等の装置条件が
定まると、そのインピーダンス変化は主に温度に依存す
ることになる。そうすると、上記位相変動誤差±dは、
この直線位置検出装置が配備された周辺環境の温度を示
すデータに相当する。従って、図13の実施例のような
位相変動誤差±dを演算する回路51を有するものにお
いては、そこで求めた位相変動誤差±dのデータを温度
検出データとして適宜出力することができる。従って、
そのような本発明の構成によれば、1つの位置検出装置
によって検出対象の位置を検出することができるのみな
らず、周辺環境の温度を示すデータをも得ることができ
る、という優れた効果を有するものであり、今までにな
い多用途タイプのセンサを提供することができるもので
ある。勿論、温度変化等によるセンサ側のインピーダン
ス変化や配線ケーブル長の長短の影響を受けることな
く、検出対象位置に応答した高精度の検出が可能とな
る、という優れた効果をも奏するものである。また、図
13や図16の例は、交流信号における位相差を測定す
る方式であるため、図12のような検出法に比べて、高
速応答性にも優れた検出を行なうことができる、という
優れた効果を奏する。
【0058】上記例では、各出力信号Y1,Y2の位相
データD1,D2をディジタル演算し、位置検出データ
θをディジタル値で出力するようにしているが、これに
限らず、位置検出データθをアナログ値で出力するよう
にしてもよい。そのためには、求めた位置検出データθ
をD/A変換すればよい。別の例としては、図20
(a)に示すような回路によって、アナログ演算によっ
てアナログの位置検出データθを直接求めるようにして
もよい。ゼロクロス検出回路80は、励磁用の1次交流
信号sinωtのゼロクロス(0度位相)を検出し、ゼ
ロクロス検出パルスZPを発生する。位相ずれ検出回路
81は、出力信号Y1=sin(ωt+θ)のゼロクロ
ス検出パルス(ラッチパルス)LP1と上記ゼロクロス
検出パルスZPの発生時間差+θ(詳しくは+θ±d)
に相当する時間幅のゲートパルスを出力する。このゲー
トパルスを電圧変換回路83に入力し、そのパルス時間
幅に相当する積分電圧+Vθ(つまり位相量+θ±dに
相当するアナログ電圧)を出力する。もう一方の位相ず
れ検出回路82は、上記ゼロクロス検出パルスZPと出
力信号Y2=sin(ωt−θ)のゼロクロス検出パル
ス(ラッチパルス)LP2との発生時間差−θ(詳しく
は−θ±d)に相当する時間幅のゲートパルスを出力す
る。このゲートパルスを電圧変換回路84に入力し、そ
のパルス時間幅に相当する積分電圧−Vθ(つまり位相
量−θ±dに相当するアナログ電圧)を出力する。両電
圧+Vθ,−Vθを加算器85で加算し、その出力を割
算器86で1/2として、その商を引算器87で+Vθ
から引けば、これらのアナログ演算器によって図13の
演算器49〜52と同様の演算が行われることになり、
その結果として、アナログの位置検出データθを得るこ
とができる。
【0059】図18(a)の回路は、図18(b)のよ
うに簡略化することもできる。図18(b)では、出力
信号Y1=sin(ωt+θ)のゼロクロス検出パルス
(ラッチパルス)LP1と出力信号Y2=sin(ωt
−θ)のゼロクロス検出パルス(ラッチパルス)LP2
との発生時間差2θに相当する時間幅のゲートパルスを
位相差検出回路88から出力する。このゲートパルスを
電圧変換回路89に入力し、そのパルス時間幅に相当す
る積分電圧(つまり位相量2θに相当するアナログ電
圧)を出力する。このようにして求めたアナログ電圧
は、温度等による誤差±dを除去したものであり、θに
も対応(比例)しているので、位置検出データθとして
そのまま利用することができる。
【0060】上記各実施例では、磁気応答部材22の1
ピッチpの範囲内における直線位置xをアブソリュート
値で検出することができるものである。この1ピッチp
を越える直線位置xのアブソリュート値は、検出対象位
置が該1ピッチを越える毎に、適宜のカウンタにおいて
そのピッチ数を増減カウントすることによって求めるこ
とができる。この増減カウントは、巻線部10の出力信
号が1ピッチ範囲で1巡する毎に、可変磁気結合部20
の移動方向に応じてプラス1またはマイナス1カウント
することにより行える。別の例として、1ピッチpの長
さの異なる2つの検出部を1つの可動部つまりロッド状
の可変磁気結合部20の両側に設け、バーニア原理に基
づいて1ピッチを越える直線位置xのアブソリュート値
を検出するようにしてもよい。勿論、検出対象の全移動
範囲が1ピッチpの範囲内に収まる場合は、磁気応答部
材22は1ピッチ(1サイクル)分のみ設けるだけでも
よい。
【0061】更に別の実施例として、図19に示すよう
に、図2に示したような巻線部10とは別に、第2の巻
線部として軸方向に長い巻線90,91,92を所定の
長い範囲L(磁気応答部材22の1ピッチpよりも長
い)にわたって設け、これらの巻線によって該範囲Lに
わたるアブソリュート位置を検出を行うようにしてもよ
い。この巻線構成は、1つの1次巻線90と、2つの2
次巻線91,92とからなっている。図の例では、1次
巻線90の外側に2次巻線91が巻かれ、2次巻線91
の外側に2次巻線92が巻かれているが、この順序はこ
れに限らない。2つの2次巻線91,92は、同じ巻線
長Lからなっていて、同じ範囲Lをカバーしている。以
下説明するように、この範囲Lが、これらの巻線90,
91,92によるアブソリュート位置検出可能範囲であ
る。磁気応答部材22を所定ピッチpで繰り返し設けた
ロッド21は、この範囲Lに侵入し、検出対象位置の動
きに連動して移動する。なお、この場合、ロッド21は
エンドレスではなく、図示のように所定長を持ち、その
端部から巻線90,91,92の範囲に侵入するような
格好となるものとする。明らかなように、この範囲Lに
おける磁気応答部材22を搭載したロッド21の侵入量
に応じて、巻線90,91,92の磁気結合度が変化
し、該ロッド21の侵入量すなわち検出対象位置に対応
する出力信号を2次巻線91,92から得ることができ
る。
【0062】明らかなように、1つの2次巻線91(又
は92)からは、磁気応答部材22を搭載したロッド2
1の侵入量、すなわち範囲L内の検出対象位置に対応す
るピーク電圧レベルを持つ交流信号が出力される。最も
単純には、この1つの2次巻線91(又は92)の出力
信号のピーク電圧レベルを測定して、これを該範囲Lに
わたるアブソリュート位置検出情報としてよい。そのよ
うな簡易なロング・アブソリュート位置検出情報を得る
ためには、2次巻線91,92は2個設ける必要は無
く、1つのみでよい。そのような簡易な実施の形態も、
勿論、本発明の範囲に含まれる。しかし電圧レベル値を
位置検出情報とする方式では、温度変化等によって電圧
レベル値が変動するので、誤差が出易いという欠点があ
る。そのような欠点を改善するために、1次巻線90に
対応して2つの2次巻線91,92を設け、これらの各
2次巻線91,92に対応してバランス用巻線部93,
94を夫々設け、各2次巻線91,92の出力信号に違
いが出るようにして、電気的位相の測定に基づくロング
・アブソリュート位置検出ができるようにしている。な
お、巻線部10及び各巻線90〜94は、筒状のセンサ
ヘッド95内に配置されており、該ヘッド95の一端部
95aが開口していて、ロッド21が侵入及び退出し得
るようになっている。
【0063】図20は、図19の各巻線の接続例を示す
回路図である。各バランス用巻線部93,94は、夫々
1次巻線93p,94pと2次巻線93s,94sの対
からなる。各1次巻線93p,94pは1次巻線90と
同相接続され、所定の交流信号(例えばsinωtとす
る)によって励磁される。検出対象範囲Lにわたって設
けられた一方の2次巻線91に対応するバランス用巻線
部93の2次巻線93sは、該2次巻線91とは逆相に
接続される。他方の2次巻線92に対応するバランス用
巻線部94の2次巻線94sも、該2次巻線92とは逆
相に接続される。検出対象範囲Lにわたって設けられた
各2次巻線91,92の巻き数は同じであり、一方、バ
ランス用の2次巻線93s,94sは、夫々適切に巻き
数が異なるように設定される。なお、バランス用巻線部
93,94の位置までは、ロッド21(すなわち磁気応
答部材22)の先端は侵入しない。
【0064】以上の構成により、検出範囲Lにおける巻
線91,92への磁性体(すなわちロッド21に搭載さ
れた磁気応答部材22)の侵入量に応じて、各2次巻線
91,92の出力信号O1,O2のレベルが互いに90
度位相のずれた三角関数特性の一部範囲の特性(概ね9
0度範囲の特性)を示すように、バランス用の2次巻線
93s,94sの設定によって、調整することができ
る。例えば、巻線91と93sの差動出力信号O1はサ
イン関数特性を示し(これを便宜上、sinα・sin
ωtで示す)、巻線92と94sの差動出力信号O2は
コサイン関数特性を示す(これを便宜上、cosα・s
inωtで示す)ように設定することができる。ただ
し、検出対象範囲Lに対応する角度αの範囲は、ほぼ9
0度程度の範囲である。これは、構造上、360度全部
の変化は得られないためである。なお、設定の仕方によ
っては、検出対象範囲Lに対応する角度αの範囲を、9
0度以上の範囲に拡大することもできなくはないが、9
0度程度の範囲に設定するのが確実である。更に、検出
可能な90度の範囲のうち、安定した検出が可能な90
度未満のより狭い角度範囲に検出対象範囲Lを対応づけ
て検出処理をするようにしてもよい。なお、αは検出対
象範囲Lにおける検出対象の現在位置に対応することは
言うまでもない。このような構成によって、各2次巻線
91,92から出力される信号O1,O2は、ちょう
ど、公知のレゾルバの出力のような2相の信号となる。 O1=sinα・sinωt O2=cosα・sinωt
【0065】明らかなように、この出力信号O1,O2
は、前述の巻線部10の2つの出力交流信号A=sin
θ・sinωt,B=cosθ・sinωtと同じフォ
ームとなり、図12乃至図16に示した位相検出タイプ
の検出回路部を使用して、上記αを電気的位相角として
デイジタル測定することができる。そのための検出回路
部の図示と説明は、同じものの繰り返しになるので省略
する。なお、この場合、θのための検出回路部と、αの
ための検出回路部が別々に必要であるが、各検出回路部
のハードウェア回路において共用できるものは共用し
て、時分割処理によって夫々のディジタル測定を行うよ
うにすることも可能であるのは勿論である。勿論、αを
アナログ値で求めてもよい。
【0066】こうして、検出対象範囲Lにおけるロッド
21の現在位置を示すアブソリュートデータを位相角α
の測定によって求めることができる。勿論、長い範囲L
がほぼ90度の角度範囲に対応しているので、巻線部1
0の出力信号A,Bに基づく、短い範囲pが360度角
度範囲に対応しているθの位相測定に基づく検出データ
よりは、検出分解能は粗いものとなる。しかし、短い範
囲p内での精密なアブソリュート位置検出分解能は巻線
部10の出力信号A,Bに基づき前述の通り得られるの
で、各2次巻線91,92から出力される信号O1,O
2に基づき得られる長い範囲L内でのアブソリュート位
置検出分解能は粗いものであってさしつかえない。すな
わち、複数個の磁気応答部材22の配設ピッチの1ピッ
チ分の長さpを単位とするアブソリュート位置検出デー
タを得ることができればよい。
【0067】これによって、巻線部10から得られるθ
に対応するディジタルアブソリュート位置検出データ
と、追加の巻線90,91,92から得られるαに対応
するディジタルアブソリュート位置検出データとの組み
合わせによって、長い範囲にわたるアブソリュート位置
検出データを精密に得ることができる。なお、磁気応答
部材22はロッド21に沿って断続的に設けられている
ので、検出範囲Lにおける巻線91,92へのロッド2
1の侵入に伴う巻線90,91,92のインダクタンス
変化(結合係数変化)は、きれいなサインカーブ又はコ
サインカーブとはならず、多少凹凸を伴うが、これは出
力波形を適宜なまらせる処理をすれば問題ないし、ま
た、そのような処理をしなくても、αの測定精度は上述
の通り粗いものであってさしつかえないので、一向に問
題のない測定を行うことができる。
【0068】なお、精密な検出分解能を要求しない場合
は、図19の例において、巻線部10を省略し、長い巻
線90,91,92とそれに対応するバランス用巻線部
93,94のみを設けるようにしてもよい。図21は、
その場合の一例を示す。その場合、所定ピッチpの磁気
応答部材22を繰り返し設ける必要はなく、ロッド21
そのものが1つの磁気応答部材(22)であってよい。
すなわち、ロッド21として磁性体金属を使用すれば、
それがそのまま1つの磁気応答部材(22)となる。図
21では、巻線部10が省略された分だけ、各巻線9
0,91,92の長さL’が図23の例よりも長くなっ
ている。その動作は、図19,図20を参照して説明し
たものと同じである。この構成は、長い範囲の位置検出
に限らず、短い範囲の位置検出にも適用できる。つま
り、図21の長さL’の範囲が、図2の例の1ピッチp
と同程度の短い範囲であってもよい。長さL’を微小に
した場合も、図21の構成を採用する場合は、磁気応答
部材22のサイズを精密に形成する必要がないため、メ
リットが大きい。
【0069】図21のような巻線配置では、得られるイ
ンダクタンス変化がサイン関数にたとえると0度〜90
度の範囲に限定されるので、位置検出分解能は、上述の
通り、粗いものとなる。図22は、この点を改善し、長
い範囲Lでのアブソリュート位置を1個の検出部を用い
て精密な分解能で検出することができる例を示す。勿
論、この場合も、上記と同様、検出範囲Lは、必ず長く
する必要はなく、図2の例の1ピッチpと同程度の短い
範囲であってもよい。上記と同様に、長さLを微小にし
た場合も、図22〜図24の構成を採用する場合は、磁
気応答部材22のサイズを精密に形成する必要がないた
め、メリットが大きい。図22において、センサヘッド
95は巻線部10を含み、その巻線部10の構成は、後
述するような所定の配置からなる複数の1次及び2次巻
線を所定の検出範囲Lにわたって含んでいるものであ
る。ロッド96は、検出範囲Lと同程度の所定長を持
ち、その端部から検出範囲L内に進入したり、退出した
りするもので、磁性体からなっている(又は導電体でも
よい)。ロッド96はそれ自体が上記磁気応答部材22
に相当し、従って図1の可動部20に相当する。センサ
ヘッド95においては、所定の検出範囲Lに対応して、
所望の三角関数の1周期(0度〜360度)にわたるイ
ンダクタンス変化がロッド96の先端の進入位置に応じ
て得られるように、複数の巻線が、その巻数と巻方向が
適宜制御されて、設けられている。図23(a)〜
(d)はサイン関数特性のインダクタンス変化を得る例
を示し、図24(a)〜(d)はコサイン関数特性のイ
ンダクタンス変化を得る例を示す。換言すれば、このよ
うなインダクタンス変化は、ロッド96の一方的な進入
度合いに従う累積的なインダクタンスを示す(正方向巻
きのインダクタンス分は加算され、逆方向巻きのインダ
クタンス分は減算される)。
【0070】図23(a)は、所望のサイン出力信号A
=sinθ・sinωtの出力電圧レベルを示し、横軸
は、ロッド96の先端の進入位置Xを示し、前述と同様
に、θはXに対応する(比例する)。図23(b)は、
横軸正方向への磁性体の進入に伴い、図23(a)のよ
うなサイン特性の合成インダクタンス特性を累積的に得
ることができるような、Lの範囲における各点でのコイ
ル巻数を縦軸にプロットした一例を示す。xマークのプ
ロット位置は巻数N、oマークのプロット位置は巻数N
/2である。勿論、プロット位置は、(b)に図示した
関数線に沿う位置のどこでもよく、また、巻数もそのプ
ロット位置に対応した巻数であってよい。なお、このプ
ロット例は、理論値ではなく、経験値である、従って、
所望するインダクタンス変化(sinθやcosθ)
が、累積的に得られるように、試行錯誤的に、任意の位
置で任意の巻数としてよい。図23(c)は、巻数Nの
4つの2次巻線101,102,103,104を図2
3(b)のxマークの各プロットに対応してLの範囲内
で分散して配置してセンサヘッド95を構成する例を示
している。各巻線101〜104の出力は加算的に合成
されて、所望のサイン出力信号A=sinθ・sinω
tが得られる。−Nの“マイナス”は巻方向が逆である
ことを示す。磁性体からなるロッド96の先端が、一番
左側の2次巻線101から順に右方向に移動していく
と、2次巻線101から順に、102,103,104
と磁性体が進入していくので、累積的に出力信号が得ら
れ、図23(a)のようなLの範囲で1回転するサイン
特性の出力信号A=sinθ・sinωtが得られる。
図23(d)は、2次巻線の配置をより密にして、出力
信号A=sinθ・sinωtのサインカーブがより滑
らかになるように、センサヘッド95を構成する例を示
している。すなわち、xマークのプロット点に対応して
巻数Nの2次巻線を配置し、oマークのプロット点に対
応して巻数N/2の2次巻線を配置する。勿論、これら
の巻数NやN/2は、厳密なものではなく、所望する理
想的なインダクタンス変化(sinθやcosθ)が、
累積的に得られるように、試行錯誤的に、これらの巻数
を適宜増減してよい。
【0071】図24(a)〜(d)は、所望のコサイン
出力信号B=cosθ・sinωtを得るための、2次
巻線配置を説明するものであり、図23(a)〜(d)
の例に比べて90度(すなわちL/4の距離だけ)ずれ
て配置されている。図24(c)は、図23(c)と同
様に巻数Nの4つの2次巻線201,202,203,
204を配置する例を示し、図24(d)は、図23
(d)と同様に2次巻線の配置をより密にして、出力信
号B=cosθ・sinωtのコサインカーブがより滑
らかになるようにした例を示す。なお、実際は、図24
(c)の最左側に示すように補助の2次巻線205を付
加するものとする。この補助の2次巻線205は、0度
の位置(原点)でのコサイン特性のインダクタクンスの
立上りを補償するものである。勿論、この補助巻線20
5は1個に限らず、xマークとoマークのプロット位置
にほぼ対応して複数設けてよい。ところで、図23
(c)と図24(c)の巻線配置を採用した場合は、サ
イン出力用2次巻線101〜104とコサイン出力用2
次巻線201〜204が同じ位置に来ることになるが、
これは2重巻きにすればよい。あるいは、所定の位置に
サイン出力用2次巻線101〜104を配置し、その両
側に密接してそれぞれ2分割したコサイン出力用2次巻
線201〜204を配置すればよい。
【0072】センサヘッド95には、サイン出力用の2
次巻線101〜104とコサイン出力用の2次巻線20
1〜204が夫々配置され、更に、適当な配置で(例え
ば各2次巻線に対応して)励磁用の1次巻線を配置して
1相の交流信号sinωtで励磁する。これによって、
図2の例と同様に、サイン、コサインのレゾルバタイプ
の2相出力信号A=sinθ・sinωt、B=cos
θ・sinωtがセンサヘッド95から得られる。この
2相出力信号A,Bから検出対象位置Xに対応する位相
角θのデータを求めるやり方は、上述と同様であってよ
い。なお、前述と同様に、同相励磁される複数の1次巻
線を各2次巻線の中間に介在させて配置すると、非常に
精度の良い検出が行えることが実験的に確かめられてい
る。例えば、図23,図24の(d)の例の場合、N/
2,N,N/2の3つの2次巻線を例にとると、それぞ
れの中間に2個と両側に2個の、合計4個の1次巻線を
配置すると、励磁による磁界の分布が均一になり、検出
精度が良くなる。
【0073】こうして、図22〜図24の例によれば、
長い範囲Lでのアブソリュート位置を1個の検出部(セ
ンサヘッド95とロッド96)を用いて精密な分解能で
(Lの範囲を1回転分の位相変化に相当する分解能で)
検出することができる。ロッド96は、柔軟性のない金
属棒で構成してもよい。あるいは、検出装置を超小型化
して構成する場合は、上述したように、ピアノ線のよう
な細い磁性体ワイヤを使用するとよい。なお、図22の
例はセンサヘッド95におけるリング状の巻線空間内に
ロッド96が挿入されるような構造(つまり、各巻線の
軸方向がロッド96の直線変位方向Xに一致している)
である。しかし、これに限らず、各巻線の軸方向が可変
磁気結合部20の変位方向Xに直交するような関係であ
ってもよい。
【0074】なお、上記各実施例において、巻線部10
と磁気応答部材22による検出部の構成を、公知の位相
シフトタイプ位置検出器のように構成してもよい。例え
ば、図1に示された巻線部10において、1次巻線と2
次巻線の関係を逆にして、サイン相の巻線SW1とマイ
ナス・サイン相の巻線SW3を互いに逆相のサイン信号
sinωt,−sinωtによって励磁し、コサイン相
の巻線SW2とマイナス・コサイン相の巻線SW4を互い
に逆相のコサイン信号cosωt,−cosωtによっ
て励磁し、巻線PW1〜PW5から検出対象位置xに応じ
た電気的位相シフトθを含む出力信号sin(ωt−
θ)を得るようにしてもよい。
【0075】また、本発明に係る誘導型直線位置検出装
置におけるハードウェア面での新規な構成を採用して、
上述したレゾルバタイプとは別のタイプの検出方式、例
えば複数位相励磁タイプ(位相のずれた複数相の1次交
流信号で励磁するタイプ)や電圧検出タイプなど、で位
置検出処理を行うようにしてもよい。例えば、可変磁気
結合部20についての新規な各構造は、どのようなタイ
プの検出方式を採用するものにおいても応用することが
できる。そのほか、上記実施例で示した新規かつ有意義
な構成の一部を選択的に採用して位置検出装置を構成し
てもよい。勿論、可変磁気結合部20の形状はロッド状
に限らず、どのような形状でもよい。また、位相検出回
路は、個別回路を組み合わせて構成するものに限らず、
CPUを使用してソフトウェア処理するようにしたもの
であってもよい。
【0076】
【発明の効果】以上の通り、本発明によれば、小型かつ
シンプルな構造を持つと共に、広い範囲にわたって直線
位置検出が可能であるのみならず、微小範囲においても
高検出分解能である誘導型直線位置検出装置を提供し、
このような誘導型直線位置検出装置を使用して、高精度
な荷重計を提供することができる。また、検出部を1相
の交流信号によって励磁する構成とすることにより、励
磁回路の構成が簡単である、という利点を有する。ま
た、可変磁気結合部において、所定の磁気応答特性を持
つ磁気応答部材を直線変位方向に沿って所定のピッチで
複数繰り返して設けて成るので、2次巻線に誘起される
誘導出力交流信号として、該磁気応答部材の繰り返しピ
ッチを1サイクルとして周期的に変化する信号を得るこ
とができ、検出可能範囲を拡大することができる、とい
う効果を奏する。また、1ピッチの直線変位を360度
フル回転の位相変化に換算して検出するため、微小変位
を高分解能で検出できる、という効果を奏する。
【0077】また、本発明によれば、回転形の検出装置
として従来知られたレゾルバにおいて得られるのと同様
の、2つの出力交流信号(サイン出力とコサイン出力)
を直線位置検出装置において得ることができる。従っ
て、そのような本発明に係る直線位置検出装置において
は、前記第1の出力交流信号と第2の出力交流信号を入
力し、両信号の振幅値に相当する前記サイン関数とコサ
イン関数の位相値を検出する位相検出回路を更に具備す
ることができ、そのようなレゾルバタイプの位相検出回
路を使用することにより、従来の位相シフトタイプの誘
導型直線位置検出装置が持っていたような、温度変化等
によって1次及び2次巻線のインピーダンスが変化する
ことにより2次出力信号における電気的位相ずれに誤差
が生じるという欠点を除去することができるので、極め
て有利である。
【0078】また、本発明によれば、複数の2次巻線
が、磁気応答部材の1ピッチの範囲内において所定の間
隔で配置されるようにすることにより、巻線部全体のサ
イズを磁気応答部材の1ピッチの範囲に略対応する比較
的小さなサイズに収めることができ、検出装置全体の構
成を小型化することに役立つ。また、同相の前記交流信
号によって励磁される複数の前記1次巻線が前記2次巻
線の中間の位置に分離して配置されるようにすることに
より、各1次巻線によって発生する磁界を個別の2次巻
線に対して有効に及ぼし、かつ磁気応答部材による磁場
への影響を有効に及ぼすことができるので、十分な検出
精度を確保することに役立つ。更に、実施例に示された
ような位相差検出演算手段を具備する発明においては、
上述したような種々の新規かつ優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る荷重計の一実施例を示す縦断面
図。
【図2】 図1の荷重計の検出部として適用できる誘導
型直線位置検出装置の一実施例を示す一部切欠き斜視
図。
【図3】 図2における巻線部の構成例を示す回路図。
【図4】 図2における可変磁気結合部の変更例を示す
斜視図。
【図5】 図2における可変磁気結合部の別の変更例を
示す斜視図。
【図6】 図2における可変磁気結合部の更に別の変更
例を示す側面略図。
【図7】 図2における可変磁気結合部の更に別の変更
例を示す側面略図。
【図8】 図2における可変磁気結合部の更に別の変更
例を示す一部断面側面略図。
【図9】 図2における巻線部の巻線配置の別の例を示
す略図。
【図10】 図2における巻線部の巻線配置の更に別の
例を示す略図。
【図11】 (a)は本発明に係る誘導型直線位置検出
装置における巻線部の別の配置例を示す概略斜視図、
(b)は(a)における巻線部の各極の配置関係を示す
展開図。
【図12】 本発明に係る誘導型直線位置検出装置に適
用可能な位相検出タイプの測定回路の一例を示すブロッ
ク図。
【図13】 本発明に係る誘導型直線位置検出装置に適
用可能な位相検出タイプの測定回路の別の例を示すブロ
ック図。
【図14】 図13の動作説明図。
【図15】 図13の回路に付加される変更例を示すブ
ロック図。
【図16】 本発明に係る誘導型直線位置検出装置に適
用可能な位相検出タイプの測定回路の更に別の例を示す
ブロック図。
【図17】 図16の動作説明図。
【図18】 本発明に係る誘導型直線位置検出装置に適
用可能な位相検出タイプの測定回路の別の例として、ア
ナログ演算によってアナログの位置検出データを求める
構成例を示すブロック図。
【図19】 本発明に係る誘導型直線位置検出装置にお
いて磁気応答部材の1ピッチを超える長い範囲の位置を
アブソリュートで検出するための別の実施例を示す軸方
向断面略図。
【図20】 図19における各巻線の接続例を示す回路
図。
【図21】 比較的長い範囲にわたるアブソリュート位
置を検出しうるようにした、本発明に係る誘導型直線位
置検出装置の別の実施例を示す軸方向断面略図。
【図22】 比較的長い範囲にわたるアブソリュート位
置を比較的高分解能で検出しうるようにした、本発明に
係る誘導型直線位置検出装置の更に別の実施例を示す概
略斜視図。
【図23】 図22のセンサヘッド内に設けるサイン関
数特性の出力信号を生じるための2次巻線の配置例と巻
数例を示す図。
【図24】 図22のセンサヘッド内に設けるコサイン
関数特性の出力信号を生じるための2次巻線の配置例と
巻数例を示す図。
【符号の説明】
10 巻線部 PW1〜PW5 1次巻線 SW1〜SW4 2次巻線 11〜14 極 101〜104 サイン用2次巻線 201〜204,205 コサイン用2次巻線 20 可動部(可変磁気結合部) 21,210,96 ロッド(又はワイヤ線) 22 磁気応答部材 21a 凹部 41,60 検出回路部 95 センサヘッド 300 検出部 301 荷重計 302 ボール保持部 303 支持部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 赤津 伸行 東京都東大和市新堀2−1453−43 (72)発明者 坂元 和也 東京都羽村市川崎1丁目1番5号、MAC 羽村コートII−405 (72)発明者 坂本 宏 埼玉県川越市山田896−8 (72)発明者 山本 明男 東京都国立市西1−13−29 KMハイツ 101

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 検出対象たる荷重が加えられるボール部
    と、 このボール部を回転自在に保持するボール保持部と、 前記ボール保持部を弾性的に支持する支持部と、 巻線部及びこの巻線部に対して相対的に直線変位する磁
    気応答部材を含み、該巻線部と磁気応答部材の一方が前
    記ボール保持部に連動して直線変位するように配置して
    なる検出部とを具え、前記荷重に応答する変位を検出す
    る出力信号を前記巻線部から得るようにしたことを特徴
    とする荷重計。
  2. 【請求項2】 前記検出部において、 前記巻線部は、1相の交流信号によって励磁される1次
    巻線及び直線変位方向に関して異なる位置に配置された
    複数の2次巻線を含み、直線変位方向に沿う所定の範囲
    内で各巻線が配置されており、 前記磁気応答部材は、直線変位方向に沿って所定のピッ
    チで繰り返し設けられて成り、少なくとも前記巻線部の
    配置された範囲内に1ピッチ分の該磁気応答部材が設け
    られており、 前記ボール保持部の変位に応じて該磁気応答部材の前記
    巻線部に対する対応位置が変化することにより前記1次
    巻線と各2次巻線間の磁気結合が前記弁シャフトの直線
    位置に応じて変化され、これにより、該ボール保持部の
    変位に応じて振幅変調された誘導出力交流信号が、各2
    次巻線の配置のずれに応じて異なる振幅関数特性で、各
    2次巻線に誘起され、 前記各2次巻線に誘起される各誘導出力交流信号は、そ
    の電気的位相が同相であり、その振幅関数が前記磁気応
    答部材の繰り返しピッチを1サイクルとして周期的にそ
    れぞれ変化することを特徴とする請求項1に記載の荷重
    計。
  3. 【請求項3】 4つの前記2次巻線が設けられており、
    それぞれの誘導出力交流信号の振幅関数が、サイン関
    数、コサイン関数、マイナス・サイン関数、マイナス・
    コサイン関数、にそれぞれ相当し、サイン関数とマイナ
    ス・サイン関数の誘導出力交流信号を合成してサイン関
    数の振幅関数を持つ第1の出力交流信号を出力し、コサ
    イン関数とマイナス・コサイン関数の誘導出力交流信号
    を合成してコサイン関数の振幅関数を持つ第2の出力交
    流信号を出力するものであり、 前記第1の出力交流信号と第2の出力交流信号を入力
    し、両信号の振幅値に相当する前記サイン関数とコサイ
    ン関数の位相値を検出する位相検出回路を更に具備して
    なる請求項2に記載の荷重計。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009534675A (ja) * 2006-04-26 2009-09-24 ソエンル プロフェッショナル ゲーエムベーハー アンド カンパニー カーゲー ロードゲージ
CN110216717A (zh) * 2019-06-05 2019-09-10 中国计量大学 一种协作机器人表面覆盖式触觉传感装置
JP2021001790A (ja) * 2019-06-21 2021-01-07 三菱電機株式会社 誘導位置センサ

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