JP4651540B2 - 相対回転位置検出装置 - Google Patents

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Description

この発明は2軸間の相対的回転位置を検出する装置に関し、例えば自動車のパワーステアリング軸に負荷されるねじり負荷を検出するためのトルクセンサとしての用途に適したものである。
相対的に回転可能な2軸のねじれ量を検出するやりかたとして、トーションバーを介して結合された入力軸及び出力軸にポテンショメータあるいはレゾルバ装置のような検出装置を設けることが従来からよく知られている。ポテンショメータを用いるものにあっては、入力軸に摺動子を設け、出力軸に抵抗を設けることで、摺動子の抵抗に対する接触位置が入力軸と出力軸の相対的回転位置に応じて変化し、これに対応するアナログ電圧を得るようになっている。レゾルバ装置を用いるものにあっては、入力軸と出力軸の両軸にレゾルバ装置を設け、これら両レゾルバ装置からの角度信号に基づいて相対回転量(ねじれ量)を検出する。一方、相対的に回転可能な2軸の回転ずれを検出するものとして、誘導コイルを用いたパワーステアリング用非接触トルクセンサーも開発されている(特許文献1)。
特開平6−174570 特開2000−55610 特開2002−48508 特開2002−107110 特開2002−310816
上記各特許文献2〜5に示された発明は、いずれも、上述の先行技術の欠点を改善するために提案されたものであり、コイル部と磁気応答部材(磁性体あるいは導電体)とを用いた非接触式の誘導又は可変磁気結合型のセンサを使用しており、また、位相検出方式によって精度の良い検出を行うことに適している。
ポテンショメータを用いるタイプの従来技術にあっては、機械的接触構造を持つため、接触不良や故障の問題が常につきまとう。また、温度変化によって抵抗のインピーダンス変化が起こるため、温度ドリフト補償を適切に行なわねばならない。また、従来の誘導コイルを用いたパワーステアリング用非接触トルクセンサとして知られたような回転ずれ検出装置は、微小な回転ずれに応じて生じるアナログ電圧レベルを測定する構成であり、その検出分解能において劣るものである。また、コイルの温度ドリフト特性を補償する必要があるのみならず、相対回転位置に応じてコイルに対する磁気結合を変化させる磁性体のリラクタンスや導電体の渦電流損にも温度ドリフト特性があり、これを適切に補償する必要がある。また、トルクセンサへの応用にあたっては、微小な回転角度を精密に検出する必要があり、そのため、上述の各特許文献に示されたような非接触式の誘導又は可変磁気結合型のセンサを使用するものにあっては、センサコイルの出力電圧レベルを十分にとれるようにすることが望まれる。
この発明は上述の点に鑑みてなされたもので、位相検出方式によって精度の良い検出を行うことに適したタイプの検出装置において、センサコイルの出力電圧レベルのゲインを十分にとることができるようにすることで、微小な回転角度でも精密に検出することができるようにした相対回転位置検出装置を提供しようとするものである。
本発明に従う相対回転位置検出装置は、相対的に回転可能な第1及び第2の軸の相対的回転位置を検出する相対回転位置検出装置であって、前記第1の軸の回転に連動して回転するように設けられた第1の磁性体部と、前記第2の軸の回転に連動して回転するように設けられた第2の磁性体部とを備え、前記第1の磁性体部と第2の磁性体部は、互いにギャップを介して対向するリング状の可変磁気結合境界部を少なくとも2つ構成するものであり、第1及び第2の軸の相対的回転位置の変化に応じて前記各境界部の各磁気結合が変化し、その磁気結合の変化の位相が前記各境界部間でずれており、前記各境界部に対応してそれぞれ設けられた検出用のコイルを具備するコイル部を更に備え、前記第1及び第2の磁性体部は、円周方向に沿って不等ピッチの複数の磁性歯を有する円筒部材からそれぞれなっており、前記複数の磁性歯は、前記複数の境界部の夫々に対応するグループを成しており、各磁性体部においては各グループ毎に歯の軸方向の長さが異なっており、前記第1及び第2の磁性体部における同一グループの歯同士がそれぞれ対向することにより当該グループに対応する前記境界部を構成し、これにより、前記各境界部が軸方向にオフセットされた配置で構成されるようにしてなることを特徴とする
これによれば、第1及び第2の軸の相対的回転に応じて相対的に回転する第1の磁性体部と第2の磁性体部は、互いにギャップを介して対向するリング状の可変磁気結合境界部が少なくとも2つ構成され、かつ、該各境界部間でその磁気結合の変化の位相がずれるようにされるので、位相検出原理に適した相対回転位置検出装置を提供することができる。磁気結合検出用のコイルは、第1及び第2の磁性体部におけるリング状の可変磁気結合境界部の全体を覆うように配置できるので、出力電圧レベルのゲインを十分にとることができる。従って、微小な回転角度でも精密に検出することができるようになる。
好ましくは、前記コイル部の各コイルの出力信号を合成して、前記第1及び第2の軸の相対的回転位置に応じて基準交流信号を位相シフトした出力交流信号を生ずる回路を更に備える。
また、好ましくは、1つの前記境界部は、第1及び第2の軸の相対的回転位置の変化に応じてサイン特性の磁気結合変化を示し、別の前記境界部は、第1及び第2の軸の相対的回転位置の変化に応じてコサイン特性の磁気結合変化を示す。
本発明の第2の観点に従えば相対的に回転可能な第1及び第2の軸の相対的回転位置を検出する相対回転位置検出装置であって、前記第1の軸の回転に連動して回転するように設けられた第1の磁性体部と、前記第2の軸の回転に連動して回転するように設けられた第2の磁性体部とを備え、前記第1の磁性体部と第2の磁性体部は、互いにギャップを介して対向するリング状の可変磁気結合境界部を少なくとも2つ構成するものであり、第1及び第2の軸の相対的回転位置の変化に応じて前記各境界部の磁気結合が変化し、その磁気結合の変化の位相が各境界部間でずれており、前記各境界部に対応してそれぞれ設けられた検出用のコイルを具備するコイル部を更に備え、前記第1の磁性体部は、軸方向に離隔して配置された複数の第1の磁性体リングを含み、前記第2の磁性体部は、軸方向に離隔して配置された複数の第2の磁性体リングを含み、前記複数の第2の磁性体リングの各々は、前記複数の第1の磁性体リングの間にそれぞれ配置され、かつ、各第2の磁性体リングが前記第2の軸と一緒に回転するように連結手段を介して連結されており、隣接する前記第1の磁性体リングと第2の磁性体リングの間で前記境界部が形成されるように、該第1の磁性体リングと第2の磁性体リングのそれぞれの対向面が磁性体の増減パターンをなしていることを特徴とする。この場合、複数の隣接する前記第1の磁性体リングと第2の磁性体リングの間で4つの前記境界部が形成され、第1の境界部が第1及び第2の軸の相対的回転位置の変化に応じてサイン特性の磁気結合変化を示し、第2の境界部が第1及び第2の軸の相対的回転位置の変化に応じてコサイン特性の磁気結合変化を示し、第3の境界部が第1及び第2の軸の相対的回転位置の変化に応じてマイナスサイン特性の磁気結合変化を示し、第4の境界部が第1及び第2の軸の相対的回転位置の変化に応じてマイナスコサイン特性の磁気結合変化を示すように構成してもよい。
本発明の第1の観点に従う相対回転位置検出装置の一実施例を示す側断面略図、及びその第1及び第2の磁性体部を抽出して示す側面略図。 図1の実施例における第1及び第2の磁性体部の各磁性歯の構成とそれに対応するコイルの配置関係を示す展開図。 図1における相対回転位置検出装置(トルク検出装置)のコイル部に関連する電気回路例を示す図。 同相対回転位置検出装置の出力をマイクロコンピュータに接続してなる検出システムの一例を示すブロック図。 同相対回転位置検出装置の出力をマイクロコンピュータに接続してなる検出システムの別の構成例を示すブロック図。 図3の検出回路構成によって検出データの温度ドリフト補償が行えることを説明するタイミング図。 第1及び第2の磁性体部の各磁性歯の先端部の具体的構成例を示す略図。 本発明の第1の観点に従う相対回転位置検出装置の別の実施例を示す側断面略図、及びその第1及び第2の磁性体部を抽出して示す側面略図。 図8の実施例における第1及び第2の磁性体部の各磁性歯の構成とそれに対応するコイルの配置関係を示す展開図。 図8における相対回転位置検出装置(トルク検出装置)のコイル部に関連する電気回路例を示す図。 本発明の第1の観点に従う相対回転位置検出装置の更に別の実施例を示す側断面略図、及びその第1及び第2の磁性体部を抽出して示す側面略図。 図11の実施例における第1及び第2の磁性体部の各磁性歯の構成とそれに対応するコイルの配置関係を示す展開図。 図11における相対回転位置検出装置(トルク検出装置)のコイル部に関連する電気回路例を示す図。 第1及び第2の磁性体部の各磁性歯についての各種の改善・工夫を施した具体的構成例を示す略図。 本発明の第2の観点に従う相対回転位置検出装置の一実施例を示す側断面略図。 図15における相対回転位置検出装置(トルク検出装置)の第1及び第2の磁性体部を組み立てた状態を抽出して示す斜視図。 図16の分解斜視図。 図16又は図17に示された各磁性体リングとそれに対応するコイルの配置関係を示す展開図。 図15における相対回転位置検出装置(トルク検出装置)のコイル部に関連する電気回路例を示す図。 図15におけるハンドル角検出装置の一実施例を示す正面略図。
以下、添付図面を参照してこの発明の実施の形態を詳細に説明する。
図1(a)は、本発明の第1の観点に従う相対回転位置検出装置の一実施例を示す側面一部断面概略図である。この実施例に係る相対回転位置検出装置は、自動車のハンドル(ステアリング)に連結されるステアリングシャフトのトーションバー3にかかるねじれトルク検出のためのトルク検出装置4として構成されている。なお、図1(a)及び添付図面におけるその他の断面又は一部断面概略図においては、図示の簡略化のために、断面にハッチングを付していないことに注意されたい。
図1(a)において、入力軸1及び出力軸2はトーションバー3によって連結されており、該トーションバー3によるねじれ変形の許す限りの限られた角度範囲(例えば最大でも+7度〜−7度程度の範囲)で相対的に回転しうる。このようなトーションバー3によって連結された2軸(入力軸1と出力軸2)の構造は、自動車のパワーステアリング機構において知られるものである。なお、本実施例に係る相対回転位置検出装置(トルク検出装置4)はパワーステアリング機構のトーションバー3に負荷されるトルクを検出するためのトルクセンサとして応用されるものとしているが、これに限らず、本発明に係る相対回転位置検出装置は、あらゆる用途の相対回転位置検出において適用することができるのはもちろんである。
本実施例に係る相対回転位置検出装置(トルク検出装置4)は、入力軸1の回転に連動して回転するように設けられた第1の磁性体部(別名、入力軸ロータ)10と、出力軸2の回転に連動して回転するように設けられた第2の磁性体部(別名、出力軸ロータ)20と、コイル部30とで構成される。第1の磁性体部(入力軸ロータ)10と第2の磁性体部(出力軸ロータ)20は適宜のエアギャップを介して非接触的に対向する。
図1(b)は第1の磁性体部(入力軸ロータ)10と第2の磁性体部(出力軸ロータ)20とを抽出して示す側面略図である。第1の磁性体部(入力軸ロータ)10は、円周方向に沿って不等ピッチの複数の磁性歯1a,1b,1c,1d,・・・を有する円筒部材からなっている。同様に、第2の磁性体部(出力軸ロータ)20も、円周方向に沿って不等ピッチの複数の磁性歯2a,2b,2c,2d,・・・を有する円筒部材からなっている。第1の磁性体部(入力軸ロータ)10は入力軸1に取り付けられ、該入力軸1と共に回転する。第2の磁性体部(出力軸ロータ)20は出力軸2に取り付けられ、該出力軸2と共に回転する。第1の磁性体部(入力軸ロータ)10における複数の磁性歯1a,1b,1c,1d,・・・は4つのグループa〜dを成しており、各グループ毎に歯の軸方向の長さが異なっている。一方、第2の磁性体部(出力軸ロータ)20における複数の磁性歯2a,2b,2c,2d,・・・も同様の4つのグループa〜dを成しており、各グループ毎に歯の軸方向の長さが異なっている。なお、図1(b)及び添付図面におけるその他の側面略図においては、面の違いを明らかにするために、面毎に異なるパターンの斜線を付しているが、これらの斜線は断面を示すものではないことに注意されたい。
第1の磁性体部(入力軸ロータ)10の各磁性歯1a,1b,1c,1d,・・・と、それに対向する第2の磁性体部(出力軸ロータ)20の各磁性歯2a,2b,2c,2d,・・・は、相補的な歯の長さを持つことで、いずれの歯も所定のエアギャップを介して対向するようになる。すなわち、4つの各グループa〜dの歯の長さが、便宜上、「1」、「2」、「3」、「4」の4種の長さのいずれかに分類されるとすると、第1の磁性体部(入力軸ロータ)10のグループaの磁性歯1aの長さが「3」ならば、それに対向する第2の磁性体部(出力軸ロータ)20のグループaの磁性歯2aの長さは「2」とされる。また、グループbについては、磁性歯1bの長さが「4」ならば、それに対向する磁性歯2bの長さは「1」とされる。また、グループcについては、磁性歯1cの長さが「1」ならば、それに対向する磁性歯2cの長さは「4」とされる。また、グループdについては、磁性歯1dの長さが「2」ならば、それに対向する磁性歯2dの長さは「3」とされる。
このような4つのグループa〜dをなした各磁性歯1a,1b,1c,1d,・・・,2a,2b,2c,2d,・・・の長さの違いにより、第1の磁性体部10と第2の磁性体部20との間で、各グループa〜dに対応する4つの可変磁気結合境界部が形成され、これらの各グループa〜dに対応する可変磁気結合境界部は軸方向に互いにオフセットされた配置をとる。
コイル部30は、第1及び第2の磁性体部10,20の各グループa〜d毎の磁性歯1a,1b,1c,1d,・・・,2a,2b,2c,2d,・・・の間で形成された上記4つの可変磁気結合境界部の周りにそれぞれ巻設される4つのコイルL1,L2,L3,L4からなる。すなわち、各コイルL1〜L4は各境界部のオフセットの間隔に対応して軸方向に離隔して配置され、第1及び第2の磁性体部10,20の各磁性歯1a,1b,1c,1d,・・・,2a,2b,2c,2d,・・・の間で形成された上記4つの境界部の各々が対応するコイルL1〜L4の内部空間内に挿入される格好となっている。
ここで、図2(a)〜(c)の展開図に示されるように、第1及び第2の磁性体部10,20における各磁性歯1a,1b,1c,1d,・・・,2a,2b,2c,2d,・・・の歯並び(ピッチ)の不等性は、相対的回転位置に応じて各境界部に生じる磁気結合の変化の位相が所定の関係となるように、所定の規則性を持つものとされる。すなわち、入力軸1と出力軸2の相対的回転位置の変化に伴って、第1及び第2の磁性体部10,20の各磁性歯の対応が変化するとき、各グループa〜dに対応する各境界部での磁気結合度合いの変化の位相がそれぞれ次のように異なるものとなる。なお、図2(a)〜(c)及び添付図面におけるその他の展開図においては、上記図1(b)の場合と同様に、面の違いを明らかにするために、面毎に異なるパターンの斜線を付しているが、これらの斜線は断面を示すものではないことに注意されたい。
例えば、図2(a)は、入力軸1の出力軸2に対する時計方向のずれ量(相対的回転位置)が最大(例えば+7度)のときの、第1の磁性体部10の磁性歯1a,1b,1c,1d,・・・と第2の磁性体部20の磁性歯2a,2b,2c,2d,・・・の対応例を示す。また、図2(b)は、入力軸1の出力軸2に対するずれ量(相対的回転位置)が0(中立位置)のときの、第1の磁性体部10の磁性歯1a,1b,1c,1d,・・・と第2の磁性体部20の磁性歯2a,2b,2c,2d,・・・の対応例を示す。更に、図2(c)は、入力軸1の出力軸2に対する反時計方向のずれ量(相対的回転位置)が最大(例えば−7度)のときの、第1の磁性体部10の磁性歯1a,1b,1c,1d,・・・と第2の磁性体部20の磁性歯2a,2b,2c,2d,・・・の対応例を示す。
例えば、時計方向の最大ずれに対応する図2(a)において、グループaに関する第1の磁性体部10の複数の磁性歯1aと第2の磁性体部20の複数の磁性歯2aとの間に形成される境界部のように、ギャップを介して対向する磁性歯1a,2aがちょうど一致している(ぴったり重なっている)とき、その境界部における磁気結合度は最大値を示し、例えば正弦関数値に換算するとsin90°の値に相当する。また、図2(a)におけるグループcに関する第1の磁性体部10の複数の磁性歯1cと第2の磁性体部20の複数の磁性歯2cとの間に形成される境界部のように、ギャップを介して対向する磁性歯1c,2cが歯の横幅分だけ丁度ずれている(つまり重なっていない)とき、その境界部における磁気結合度は最小値を示し、例えば正弦関数値に換算するとsin270°すなわち−sin90°の値に相当する。このように、グループaに関する第1及び第2の磁性体部10,20の磁性歯1a,2aの境界部の磁気結合変化と、グループcに関する第1及び第2の磁性体部10,20の磁性歯1c,2cの境界部の磁気結合変化とは、逆相関係となっている。また、図2(a)におけるグループbに関する第1の磁性体部10の複数の磁性歯1bと第2の磁性体部20の複数の磁性歯2bとの間に形成される境界部のように、ギャップを介して対向する磁性歯1b,2bがちょうど歯の横幅の1/2だけ重なっているとき、その境界部における磁気結合度は最大値と最小値の中間の値を示し、例えば正弦関数値に換算するとcos90°の値に相当する。また、図2(a)におけるグループdに関する第1の磁性体部10の複数の磁性歯1dと第2の磁性体部20の複数の磁性歯2dとの間に形成される境界部のように、ギャップを介して対向する磁性歯1d,2dが上記とは逆相に歯の横幅の1/2だけ重なっているとき、その境界部における磁気結合度は最大値と最小値の中間の値を示し、例えば正弦関数値に換算すると−cos90°の値に相当する。
中立位置に対応する図2(b)においては、グループaに関する第1及び第2の磁性体部10,20の磁性歯1a,2aは歯の横幅の略3/4だけ重なっており、その境界部の磁気結合度は正弦関数値に換算するとsin45°の値に対応付けることができる。そのとき、グループcに関する第1及び第2の磁性体部10,20の磁性歯1c,2cは歯の横幅の略1/4だけ重なっており、その境界部の磁気結合度は正弦関数値に換算すると−sin45°の値に対応付けることができる。また、この中立位置においては、グループbに関する第1及び第2の磁性体部10,20の磁性歯1b,2bは歯の横幅の略3/4だけ重なっており、その境界部の磁気結合度は正弦関数値に換算するとcos45°の値に対応付けることができる。そのとき、グループdに関する第1及び第2の磁性体部10,20の磁性歯1d,2dは歯の横幅の略1/4だけ重なっており、その境界部の磁気結合度は正弦関数値に換算すると−cos45°の値に対応付けることができる。
また、反時計方向の最大ずれに対応する図2(c)において、グループaに関する第1及び第2の磁性体部10,20の磁性歯1a,2aは歯の横幅の1/2だけ重なっており、その境界部の磁気結合度は正弦関数値に換算するとsin0°の値に対応付けることができる。そのとき、グループcに関する第1及び第2の磁性体部10,20の磁性歯1c,2cは上記とは逆相で歯の横幅の1/2だけ重なっており、その境界部の磁気結合度は正弦関数値に換算すると−sin0°の値に対応付けることができる。また、この位置においては、グループbに関する第1及び第2の磁性体部10,20の磁性歯1b,2bは丁度一致しており、その境界部の磁気結合度は正弦関数値に換算するとcos0°の値に対応付けることができる。そのとき、グループcに関する第1及び第2の磁性体部10,20の磁性歯1c,2cは歯の横幅分だけ丁度ずれており(つまり重なっていない)、その境界部の磁気結合度は正弦関数値に換算すると−cos0°の値に対応付けることができる。
こうして、入力軸1と出力軸2との間の反時計方向の最大ずれ(約−7度)から時計方向の最大ずれ(約+7度)までの約14度の範囲にわたる相対的回転位置(トーションバー3のねじれ量)が、正弦関数値に換算して、sin0°からsin90°まで(又は−sin0°から−sin90まで、あるいはcos0°からcos90°まで、あるいは−cos0°から−cos90°まで)の略90度の範囲の磁気結合変化として出現する。よって、この磁気結合変化をコイル部30で測定することで、相対的回転位置(トーションバー3のねじれ量)を検出することができる。
コイル部30の各コイルL2,L1,L4,L3は共通の基準交流信号(例えばsinωtとする)で励磁される。入力軸1と出力軸2の相対的回転位置の変化によって、第1及び第2の磁性体部10,20の各グループa〜dの境界部の磁気結合度が変化すると、各境界部(つまりグループa〜d)に対応する各コイルL2,L1,L4,L3のインピーダンスが変化する。このインピーダンス変化は、図2の例では、上述のように、約14度の範囲にわたる相対的回転位置(トーションバー3のねじれ量)に関して、正弦関数値に換算して略90度の範囲で表現される。従って、この相対的回転位置(トーションバー3のねじれ量)に応じたインピーダンス変化の正弦関数値の位相値θを検出することで、相対的回転位置つまりねじれ量のアブソリュート検出を行うことができる。
このインピーダンス変化を、略90度の角度範囲における角度変数θを用いて下記のように表すことができる。上記グループaの境界部の磁気結合に応答する出力を生ずるコイルL1に生じる理想的なサイン関数特性のインピーダンス変化A(θ)を示すと、
A(θ)=P+Psinθ
のような式で等価的に表せる。インピーダンス変化は負の領域に入らないため、上記式で、オフセット定数Pは振幅係数Pよりも大きく(P≧P)、「P+Psinθ」は負の値をとらない。
また、上記グループbの境界部の磁気結合に応答する出力を生ずるコイルL2に生じる理想的なインピーダンス変化B(θ)は、
B(θ)=P+Pcosθ
のようなコサイン関数特性の式で等価的に表せる。
また、上記グループcの境界部の磁気結合に応答する出力を生ずるコイルL3に生じる理想的なインピーダンス変化C(θ)は、
C(θ)=P−Psinθ
のようなマイナスサイン関数特性の式で等価的に表せる。
更に、上記グループdの境界部の磁気結合に応答する出力を生ずるコイルL4に生じる理想的なインピーダンス変化D(θ)は、
D(θ)=P−Pcosθ
のようなマイナスコサイン関数特性の式で等価的に表せる。なお、Pは1とみなして省略しても説明上不都合はないので、以下の説明ではこれを省略する。
図3は、図1に示された相対位置検出装置(トルク検出装置4)に適用される電気回路例を示す。図3において、各コイルL1〜L4は可変インダクタンス要素として等価的に示されている。各コイルL1〜L4は、基準交流信号源40から与えられる所定の高周波交流信号(便宜上、これをsinωtで示す)によって1相で励磁される。各コイルL1〜L4に生じる電圧Va,Vb,Vc,Vdは、等価的に、下記のように、検出対象たる回転位置に対応する前記角度変数θに応じた上記磁性歯の各グループa〜d毎のインピーダンス値に応じた大きさを示す。
Va=(P+sinθ)sinωt
Vb=(P+cosθ)sinωt
Vc=(P−sinθ)sinωt
Vd=(P−cosθ)sinωt
アナログ演算器31は、下記のように、サイン相に相当するコイルL1の出力電圧Vaと、それに対して差動変化するマイナスサイン相に相当するコイルL3の出力電圧Vcとの差を求め、角度変数θのサイン関数特性の振幅係数を持つ交流出力信号を生成する。
Va−Vc
=(P+sinθ)sinωt−(P−sinθ)sinωt
= 2sinθsinωt
アナログ演算器32は、下記のように、コサイン相に相当するコイルL2の出力電圧Vbと、それに対して差動変化するマイナスコサイン相に相当するコイルL4の出力電圧Vdとの差を求め、角度変数θのコサイン関数特性の振幅係数を持つ交流出力信号を生成する。
Vb−Vd
=(P+cosθ)sinωt−(P−cosθ)sinωt
= 2cosθsinωt
こうして、検出対象たる相対回転位置に相関する角度変数θを含む2つの周期的振幅関数(sinθとcosθ)によってそれぞれ振幅変調された2つの交流出力信号「2sinθsinωt」と「2cosθsinωt」が得られる(以下、係数の「2」は省略する。)。これは、従来からレゾルバとして知られた検出器のサイン相出力信号sinθsinωt及びコサイン相出力信号cosθsinωtと同等のものである。なお、サイン相及びコサイン相という呼び名、及び2つの交流出力信号の振幅関数のサイン、コサインの表わし方は便宜的なものであり、一方がサインで他方がコサインでありさえすれば、どちらをサインと言ってもよい。すなわち、Va−Vc=cosθsinωtで、Vb−Vd=sinθsinωtである、と表現してもよい。
図2(d)は、上記のようにしてアナログ演算器31,32で得られる各交流出力信号のサイン関数特性の振幅係数つまり振幅関数(sinθ)とコサイン関数特性の振幅係数つまり振幅関数(cosθ)のグラフである。図2(e)は、図2(d)に示すような振幅関数を持つ各交流出力信号に基づきその位相θ(略90度の範囲の値を持つ)を測定することにより、相対的回転位置(トーションバー3のねじれ量つまりトルク)を検出することを模式的に示すグラフである。
ここで、温度ドリフト特性の補償について説明すると、温度に応じて各コイルL1〜L4のインピーダンスが変化し、その出力電圧Va〜Vdも変動する。しかし、これらを演算合成したサイン及びコサイン関数特性の交流出力信号sinθsinωt及びcosθsinωtにおいては、「Va−Vc」及び「Vb−Vd」の演算によって、コイルの温度ドリフト誤差が補償されるので、温度ドリフトによるコイルインピーダンス変化の影響を受けないものとなる。従って、精度のよい検出が可能である。また、その他の回路部分例えば基準交流信号発振回路40等での温度ドリフト特性も、後述するように自動的に補償される。
本実施例においては、演算器31、32から出力される2つの交流出力信号sinθsinωt及びcosθsinωtに基づき、位相検出方式で回転位置検出を行う。この場合の位相検出方式としては、例えば特開平9−126809号公報に示された技術を適宜用いるとよい。例えば、一方の交流出力信号sinθsinωtをシフト回路33で電気的に90度シフトすることで、交流信号sinθcosωtを生成し、これと他方の交流出力信号cosθsinωtをアナログ加算器34で加算合成することで、sin(ωt+θ)なる、θに応じてプラス方向(進相)に位相シフトされた交流信号(位相成分θを交流位相ずれに変換した信号)を生成する。そして、進相シフトされた交流検出信号sin(ωt+θ)のゼロクロスをフィルタ及びコンパレータ35で検出し、ゼロクロス検出パルスLpを生成する。
一方、シフト回路33から出力される交流信号sinθcosωtsと他方の交流出力信号cosθsinωtとをアナログ引算器36で引算合成することで、sin(ωt−θ)なる、θに応じてマイナス方向(遅相)に位相シフトされた交流信号(位相成分θを交流位相ずれに変換した信号)を生成する。そして、遅相シフトされた交流検出信号sin(ωt−θ)のゼロクロスをフィルタ及びコンパレータ37で検出し、ゼロクロス検出パルスLmを生成する。
コンパレータ35から出力される進相シフトのゼロクロス検出パルスLpは、進相シフトされた交流検出信号sin(ωt+θ)における位相シフト量θつまり入力軸1と出力軸2との間の相対的回転位置を、基準交流信号sinωtのゼロ位相時点に対する進み時間位置で示すタイミング信号に相当する。
また、コンパレータ37から出力される遅相シフトのゼロクロス検出パルスLmは、遅相シフトされた交流検出信号sin(ωt−θ)における位相シフト量θつまり入力軸1と出力軸2との間の相対的回転位置を、基準交流信号sinωtのゼロ位相時点からの遅れ時間位置で示すタイミング信号に相当する。
このように、進相シフトのゼロクロス検出パルスLpと遅相シフトのゼロクロス検出パルスLmのどちらもが、入力軸1と出力軸2との間の相対的回転位置に相当する位相シフト量θを、時間位置で示す検出データである。従って、原理的には、進相シフトのゼロクロス検出パルスLpと遅相シフトのゼロクロス検出パルスLmのどちらか一方を、相対的回転位置の検出信号として出力するようにすればよい。しかし、後述するように温度ドリフト補償した検出データを得るためには、両方を用いるのがよい。そこで、回路ユニット7においては、進相の検出パルスLpと遅相の検出パルスLmとのを時間差Δtに対応するパルス幅を持つ可変パルス幅信号PWMを形成するPWM変換回路71が更に設けられている。このPWM変換回路71で形成された該時間差Δtに対応するパルス幅を持つ可変パルス幅信号PWMは、1本の出力ライン7cを介して出力される。
図3に示された各回路31〜37、40、71は1つの回路基板上にユニット化して収容されて回路ユニット7としてまとめられる。そして、該回路ユニット7が、図1に示すように、検出装置4のセンサ部(第1及び第2の磁性体部10,20とコイル部30)と一体的にセンサケース41内に収納される。こうして、ケース41内に検出装置4のセンサ部(10,20,30)と回路ユニット7がコンパクトに収められる。図4は、ケース41内に収納された図1,図3に示す実施例に係る検出装置4を、その検出出力を利用するためのマイクロコンピュータ8に接続してなるシステム構成例を示す。マイクロコンピュータ8と図3実施例の検出装置4との間は、少なくとも電源供給ラインと1本の出力ライン7cで接続されるだけでよい。マイクロコンピュータ8は、PWM信号キャプチャ用の入力ポートを有しており、この入力ポートに上記出力ライン7cを接続する。マイクロコンピュータ8は該入力ポートに接続されたライン7cからのPWM信号のパルス時間幅Δtをカウントすることで、入力軸1と出力軸2間の相対回転位置をデジタル的に測定する。測定した相対回転位置データは、トーションバー3のねじれ角検出データとして、パワーステアリング制御のために利用される。この回路構成例においては、出力ライン7cが1本で済むので、構成を簡素化できる。
なお、マイクロコンピュータ8では、ライン7cから与えられるPWM信号のパルス時間幅Δt(つまりパルスLpとLmの時間差Δt)をカウントするだけでよく、検出装置で使用されている基準交流信号sinωtのゼロ位相時点を知る必要がない。よって、コンピュータの側での時間測定のための処理・構成が簡素化される。一方、検出装置では、アナログ発振回路により又はサイン波関数発生器などからなる基準交流信号発振回路40により、内部で基準交流信号sinωtするだけでよく、これを同期化のための参照信号としてマイクロコンピュータ8に与える必要がないので、この意味でも外部端子の構成を簡素化できる。
ここで、再び温度ドリフト特性の補償について説明する。温度ドリフト特性によって、例えば基準交流信号発振回路40で発生する交流信号の周波数や振幅レベルに変動が起きたり、その他の回路要素や信号線路でのインピーダンスが変動した場合、検出される前記進相シフトのゼロクロス検出パルスLpと遅相シフトのゼロクロス検出パルスLmにおけるそれぞれの位相シフト値θには温度ドリフト特性による誤差εが含まれることになる。しかし、この誤差εは両検出パルスLp,Lmにおいて同値同一方向(同値同一符号)で現われるので、2つの検出パルスLp,Lm(タイミング信号)の時間差Δtにおいては、自動的に誤差εが相殺されることになる。従って、温度ドリフトによる回路等のインピーダンス変化の影響を受けず、高精度な検出が可能となる。
図6は、この温度補償の様子を模式的に示すタイミング図である。(a)は温度ドリフトによる誤差εがない場合の検出パルスLp,Lm(タイミング信号)の発生タイミング例を示し、時間差Δtは、理論的には2θであり、正確な相対回転位置を示す。(b)は温度ドリフトによる誤差εがある場合の検出パルスLp,Lm(タイミング信号)の発生タイミング例を示す。この場合、進相の検出パルスLpは、基準交流信号のゼロ位相時点に対して、誤差εを含む「+θ−ε」に相当する進み時間だけ先行して発生し、遅相の検出パルスLmは、基準交流信号のゼロ位相時点に対して、誤差εを含む「−θ−ε」に相当する遅れ時間だけ遅れて発生する。しかし、2つの検出パルスLp,Lm(タイミング信号)のそれぞれがこのように誤差εを含んでいても、両者の時間差Δtにおいては、自動的に誤差εが相殺され、正確な相対回転位置を示す理論値2θに対応している。このように、温度ドリフト補償が達成されている。
図5は、回路ユニット7内に搭載する回路構成の別の例を示す。図5の例では、2本の出力ライン7a,7bを介して、上述の進相シフトのゼロクロス検出パルスLpと遅相シフトのゼロクロス検出パルスLmがそれぞれ出力される。マイクロコンピュータ8は、タイミング信号キャプチャ用の入力ポートを複数有しており、この入力ポートに上記出力ライン7a,7bをそれぞれ接続する。マイクロコンピュータ8は該入力ポートに接続されたライン7a,7bから与えられる2つのタイミング信号(パルスLpとLm)の時間差Δtをカウントすることで、入力軸1と出力軸2間の相対回転位置をデジタル的に測定する。測定した相対回転位置データは、前述と同様に、トーションバー3のねじれ角検出データとして、パワーステアリング制御のために利用される。
図7は、第1及び第2の磁性体10,20の各グループa〜d毎の磁性歯1a〜1d,2a〜2dの間で形成される可変磁気結合境界部の磁気応答感度を向上させるための工夫例を示す。図7(a)は、各磁性歯1a,2aの先端部(エアギャップ側の端部)1aA,2aAの厚みをその他の部分よりも増すようにした例を示す側面図であり、先端部とその他の部分の厚みが同じ場合よりも磁気応答感度を向上させることができる。図7(b)は、各磁性歯1a,2aの先端部(エアギャップ側の端部)1aB,2aBを磁性体で構成し、他の部分を非磁性体で構成するようにした例を示す側面図であり、先端部とその他の部分を同じ磁性体とする場合よりも磁気応答感度を向上させることができる。図7(c)は、各磁性歯1a,2aの先端部(エアギャップ側の端部)1aA,2aA又は1aB,2aBの横幅とその他の部分の横幅を略同じとした例を示す平面図である。図7(d)は、各磁性歯1a,2aの先端部(エアギャップ側の端部)1aA,2aA又は1aB,2aBの横幅よりもその他の部分の横幅を細くした例を示す平面図であり、(c)の例よりも磁気応答感度を向上させることができる。
次に、図1の実施例よりも簡素化した構造からなる本発明の実施例を図8に示す。図8(a)は、本実施例に係る検出装置401の側断面略図、(b)は本実施例における第1の磁性体部(入力軸ロータ)101と第2の磁性体部(出力軸ロータ)201とを抽出して示す側面略図である。第1の磁性体部101は、2つのグループs,cに対応する複数の磁性歯1s,1c,・・・を円周方向に沿って不等ピッチで有する円筒部材からなっている。同様に、第2の磁性体部(出力軸ロータ)201も、2つのグループs,cに対応する複数の磁性歯2s,2c,・・・を円周方向に沿って不等ピッチで有する円筒部材からなっている。上述と同様に、第1の磁性体部(入力軸ロータ)101の各磁性歯1s,1c,・・・と、それに対向する第2の磁性体部(出力軸ロータ)201の各磁性歯2s,2c,・・・は、相補的な歯の長さを持つ。すなわち、2つの各グループs,cの歯の長さが、便宜上、「1」、「2」の2種の長さのいずれかに分類されるとすると、第1の磁性体部(入力軸ロータ)10のグループsの磁性歯1sの長さが「1」ならば、それに対向する第2の磁性体部(出力軸ロータ)201のグループsの磁性歯2sの長さは「2」とされる。また、グループcについては、磁性歯1cの長さが「2」ならば、それに対向する磁性歯2cの長さは「1」とされる。
図8の実施例において、コイル部301は、第1及び第2の磁性体部101,201のグループsの複数の磁性歯1s,2sの間で形成される可変磁気結合境界部の周りに巻設されるコイルL1と、もう1つのグループcの複数の磁性歯1c,2cの間で形成される可変磁気結合境界部の周りに巻設されるコイルL2とで構成される。
このように、図8の実施例は、図1の例に比べて、第1及び第2の磁性体部101,201の磁性歯1s,1c,・・・,2s,2c,・・・の構成が簡素化され、また、コイル部301のコイル数が合計2個と簡素化されている。
図9(a)〜(c)の展開図に示されるように、第1及び第2の磁性体部101,201における各磁性歯1s,1c,・・・,2s,2c,・・・の歯並び(ピッチ)の不等性は、前述と同様に、相対的回転位置に応じて各境界部に生じる磁気結合の変化の位相が所定の関係となるように、所定の規則性を持つものとされる。すなわち、入力軸1と出力軸2の相対的回転位置の変化に伴って、第1及び第2の磁性体部10,20の各磁性歯の対応が変化するとき、各グループs,cに対応する各境界部での磁気結合度合いの変化の位相がそれぞれ次のように異なるものとなる。
例えば、図9(a)は、入力軸1の出力軸2に対する時計方向のずれ量(相対的回転位置)が最大(例えば+7度)のときの、第1の磁性体部101の磁性歯1s,1cと第2の磁性体部201の磁性歯2s,2cの対応例を示す。また、図9(b)は、入力軸1の出力軸2に対するずれ量(相対的回転位置)が0(中立位置)のときの、第1の磁性体部101の磁性歯1s,1cと第2の磁性体部201の磁性歯2s,2cの対応例を示す。更に、図9(c)は、入力軸1の出力軸2に対する反時計方向のずれ量(相対的回転位置)が最大(例えば−7度)のときの、第1の磁性体部101の磁性歯1s,1cと第2の磁性体部201の磁性歯2s,2cの対応例を示す。
例えば、時計方向の最大ずれに対応する図9(a)において、グループsに関する第1の磁性体部101の複数の磁性歯1sと第2の磁性体部201の複数の磁性歯2sとの間に形成される境界部のように、ギャップを介して対向する磁性歯1s,2sがちょうど一致している(ぴったり重なっている)とき、その境界部における磁気結合度は最大値を示し、例えば正弦関数値に換算するとsin90°の値に対応付けることができる。また、図9(a)におけるグループcに関する第1の磁性体部101の複数の磁性歯1cと第2の磁性体部201の複数の磁性歯2cとの間に形成される境界部のように、ギャップを介して対向する磁性歯1c,2cが歯の横幅分だけ丁度ずれている(つまり重なっていない)とき、その境界部における磁気結合度は最小値を示し、例えば正弦関数値に換算するとcos90°の値に対応付けることができる。このように、グループsに関する第1及び第2の磁性体部101,201の磁性歯1s,2sの境界部の磁気結合変化と、グループcに関する第1及び第2の磁性体部101,201の磁性歯1c,2cの境界部の磁気結合変化とは、位相の90度ずれたサインとコサインの関係に対応付けることができる。
中立位置に対応する図9(b)においては、グループsに関する第1及び第2の磁性体部101,201の磁性歯1s,2sは歯の横幅の略1/2だけ重なっており、その境界部の磁気結合度は正弦関数値に換算するとsin45°の値に対応付けることができる。そのとき、グループcに関する第1及び第2の磁性体部101,201の磁性歯1c,2cは上記とは逆相で歯の横幅の略1/2だけ重なっており、その境界部の磁気結合度は正弦関数値に換算するとcos45°の値に対応付けることができる。
また、反時計方向の最大ずれに対応する図9(c)において、グループsに関する第1及び第2の磁性体部101,201の磁性歯1s,2sは歯の横幅分だけ丁度ずれており(つまり重なっていない)、その境界部の磁気結合度は正弦関数値に換算するとトニミ0°の値に対応付けることができる。そのとき、グループcに関する第1及び第2の磁性体部101,201の磁性歯1c,2cは丁度一致しており、その境界部の磁気結合度は正弦関数値に換算するとcos0°の値に対応付けることができる。
こうして、入力軸1と出力軸2との間の反時計方向の最大ずれ(約−7度)から時計方向の最大ずれ(約+7度)までの約14度の範囲にわたる相対的回転位置(トーションバー3のねじれ量)が、正弦関数値に換算して、sin0°からsin90°まで(あるいはcos0°からcos90°まで)の略90度の範囲の磁気結合変化として出現する。よって、この磁気結合変化をコイル部301で測定することで、相対的回転位置(トーションバー3のねじれ量)を検出することができる。
コイル部301の各コイルL1,L2は共通の基準交流信号(例えばsinωtとする)で励磁される。入力軸1と出力軸2の相対的回転位置の変化によって、第1及び第2の磁性体部101,201の各グループs,cの境界部の磁気結合度が変化すると、各境界部(つまりグループs,c)に対応する各コイルL1,L2のインピーダンスが変化する。このインピーダンス変化は、図9の例では、上述のように、約14度の範囲にわたる相対的回転位置(トーションバー3のねじれ量)に関して、正弦関数値に換算して略90度の範囲で表現される。従って、前述と同様に、この相対的回転位置(トーションバー3のねじれ量)に応じたインピーダンス変化の正弦関数値の位相値θを検出することで、相対的回転位置つまりねじれ量のアブソリュート検出を行うことができる。
このインピーダンス変化を、略90度の角度範囲における角度変数θを用いて下記のように表すことができる。上記グループsの境界部の磁気結合に応答する出力を生ずるコイルL1に生じる理想的なサイン関数特性のインピーダンス変化A(θ)を示すと、前述と同様に、
A(θ)=P+Psinθ
また、上記グループcの境界部の磁気結合に応答する出力を生ずるコイルL2に生じる理想的なインピーダンス変化B(θ)は、
B(θ)=P+Pcosθ
のようなコサイン関数特性の式で等価的に表せる。前述のとおり、Pは以下省略する。
図10は、図8に示された相対位置検出装置(トルク検出装置401)に適用される電気回路例を示す。図8において、各コイルL1,L2は可変インダクタンス要素として等価的に示されている。各コイルL1,L2は、基準交流信号源40から与えられる所定の高周波交流信号(sinωt)によって1相で励磁される。各コイルL1,L2に生じる電圧Vs,Vcは、等価的に、下記のように、検出対象たる回転位置に対応する前記角度変数θに応じた上記磁性歯の各グループs,c毎のインピーダンス値に応じた大きさを示す。
Vs=(P+sinθ)sinωt
Vc=(P+cosθ)sinωt
図10の回路においては、所定の交流基準電圧Vrを発生するための分圧抵抗R1,R2が設けられている。アナログ演算器31は、下記のように、サイン相に相当するコイルL1の出力電圧Vsから交流基準電圧Vrを引き算し、角度変数θのサイン関数特性の振幅係数を持つ交流出力信号を生成する。なお、Vrは「Psinωt」に相当するものとする。
Vs−Vr
=(P+sinθ)sinωt−Vr
= sinθsinωt
アナログ演算器32は、下記のように、コサイン相に相当するコイルL2の出力電圧Vcから交流基準電圧Vrを引き算し、角度変数θのコサイン関数特性の振幅係数を持つ交流出力信号を生成する。
Vc−Vr
=(P+cosθ)sinωt−Vr
= cosθsinωt
こうして、図8〜図10の実施例においても、図1〜図3の実施例と同様に、検出対象たる相対回転位置に相関する角度変数θを含む2つの周期的振幅関数(sinθとcosθ)によってそれぞれ振幅変調された2つの交流出力信号「sinθsinωt」と「cosθsinωt」が得られる。図9(d)は、図2(d)と同様に、上記のようにしてアナログ演算器31,32で得られる各交流出力信号のサイン関数特性の振幅係数つまり振幅関数(sinθ)とコサイン関数特性の振幅係数つまり振幅関数(cosθ)のグラフである。また、図9(e)は、図2(e)と同様に、図9(d)に示すような振幅関数を持つ各交流出力信号に基づきその位相θ(略90度の範囲の値を持つ)を測定することにより、相対的回転位置(トーションバー3のねじれ量つまりトルク)を検出することを模式的に示すグラフである。図10におけるその他の回路は図3に示したものと同様であり、検出対象たる相対回転位置に相関する位相角θを示す進相の検出パルスLpと遅相の検出パルスLmとを夫々生成し、また、両者の時間差Δtに対応するパルス幅を持つ可変パルス幅信号PWMを生成する。なお、交流基準電圧Vrを発生する手段は、図示のような分圧抵抗R1,R2によるものに限らず、インピーダンス一定の(つまりθに応じてインピーダンスが変化しない)コイルを用いる(勿論sinωtで交流励磁する)ようにしてもよい。つまり抵抗R1を定電圧発生用のコイルで置き換えてもよい。
更に、図8〜図10に示す実施例の変形例として、図11〜図13に示す実施例を示す。図11〜図13の実施例において、図8〜図10の実施例との相違は、コイル部302において、各グループs,c毎の境界部に対応してそれぞれ2つのコイルL1とLs及びL2とLcが設けられている点であり、他は図8〜図10の実施例と同一構成である。つまり、グループsの境界部に対応して2つのコイルL1とLcが二重に巻設され、また、グループcの境界部に対応して2つのコイルL2とLsが二重に巻設されている。各グループs,cの境界部では当該グループに対応するメインのコイルL1,L2がそれぞれ巻設され、その外側に他のグループに対応するサブのコイルLc,Lsがそれぞれ巻設される。
グループsについてはコイルL1とLsが対をなし、図12(a)から(c)までの最大移動範囲に対応して、そのインピーダンス変化が略90度の範囲のサイン関数特性を示すように、それぞれのコイル巻数(インダクタンス)が設定される。また、グループcについてはコイルL2とLcが対をなし、図12(a)から(c)までの最大移動範囲に対応して、そのインピーダンス変化が略90度の範囲のコサイン関数特性を示すように、それぞれのコイル巻数(インダクタンス)が設定される。メインのコイルL1,L2の巻数(インダクタンス)は等しく(L1=L2)、また、サブのコイルLs,Lcの巻数(インダクタンス)も等しく(Ls=Lc)、メインとサブとの間では巻数(インダクタンス)が異なっている。
例えば、図9(a)と同様に入力軸1の出力軸2に対する時計方向の最大ずれ(例えば+7度)に対応する図12(a)の例において、グループsに関する第1の磁性体部101の複数の磁性歯1sと第2の磁性体部201の複数の磁性歯2sとの間に形成される境界部では、ギャップを介して対向する磁性歯1s,2sがちょうど一致しており(ぴったり重なっている)、その境界部における磁気結合度は最大値を示し、例えば正弦関数値に換算するとsin90°の値に対応付けることができるので、これに対応するメインのコイルL1のインピーダンスがsin90°に相当する値(例えば「2a+b」とする)をとるようにコイル巻数Nを設定する。そのとき、図12(a)におけるグループcに関する第1の磁性体部101の複数の磁性歯1cと第2の磁性体部201の複数の磁性歯2cとの間に形成される境界部では、ギャップを介して対向する磁性歯1c,2cが歯の横幅分だけ丁度ずれており(つまり重なっていない)、その境界部における磁気結合度は最小値を示し、これに対応するメインのコイルL2のインピーダンスがcos90°に相当する値(例えば「a+b」とする)をとるようにコイル巻数Nを設定する。一方、グループcの磁性歯1c,2cによる境界部に対応付けて設けられたグループsのサブのコイルLsは、磁気結合度が最小値のときに、そのインピーダンスが−sin90°に相当する値(例えば「b」とする)をとるようにコイル巻数nを設定する。同様に、グループsの磁性歯1s,2sによる境界部に対応付けて設けられたグループcのサブのコイルLcは、磁気結合度が最大値のときに、そのインピーダンスが−cos90°に相当する値(例えば「a+b」)をとるようにコイル巻数nを設定する。
これをまとめると、メインのコイルL1,L2の巻数Nは、最大磁気結合でインピーダンス「2a+b」(sin90°=cos0°に相当)、最小磁気結合でインピーダンス「a+b」(cos90°=sin0°に相当)となるように設定し、サブのコイルLs,Lcの巻数nは、最大磁気結合でインピーダンス「a+b」(−cos90°=−sin0°に相当)、最小磁気結合でインピーダンス「b」(−sin90°=−cos0°に相当)となるように設定する。
このインピーダンス変化を、0度から90度までの略90度の角度範囲における角度変数θを用いて下記のように表すことができる。まず、グループsの境界部の磁気結合に応答する出力を生ずるメインのコイルL1に生じる理想的なサイン関数特性のインピーダンス変化A(θ)を示すと、前述と同様に、
A(θ)=P+Psinθ
と表わすことができる。また、上記グループcの境界部の磁気結合に応答する出力を生ずるコイルL2に生じる理想的なコサイン関数特性のインピーダンス変化B(θ)は、
B(θ)=P+Pcosθ
と表わすことができる。また、グループsに対応付けられるサブのコイルLsに生じる理想的なサイン関数特性のインピーダンス変化C(θ)は、
C(θ)=P−Psinθ
と表わすことができる。また、グループcに対応付けられるサブのコイルLcに生じる理想的なコサイン関数特性のインピーダンス変化D(θ)は、
D(θ)=P−Pcosθ
と表わすことができる。ここで、Pは上記「a+b」に相当し、Pは上記「a」に相当すると考えてよい。
図13は、図11に示された相対位置検出装置(トルク検出装置402)に適用される電気回路例を示すもので、実質的に図3と同様な回路構成からなる。図3におけるコイルL3,L4が、図13ではサブコイルLs,Lcに置き換えられているが、上述のように、理論的にはどちらの場合も同様の特性のインピーダンス変化C(θ)、D(θ)を示すものとしているので、図3で行なった説明はそのまま図13にも適用される。こうして、図11〜図13の実施例においても、図1〜図3の実施例と同様に、検出対象たる相対回転位置に相関する角度変数θを含む2つの周期的振幅関数(sinθとcosθ)によってそれぞれ振幅変調された2つの交流出力信号「sinθsinωt」と「cosθsinωt」が得られ、これにもとづき、検出対象たる相対回転位置に相関する位相角θを示す進相の検出パルスLpと遅相の検出パルスLmとが夫々生成され、また、両者の時間差Δtに対応するパルス幅を持つ可変パルス幅信号PWMが生成される。
勿論、図7に示した第1及び第2の磁性体部(入力軸ロータ,出力軸ロータ)10,20の各磁性歯に関する改良・工夫は、他の実施例(図8,図11)にも適用可能出でる。更に、各実施例(図1,図8,図11)における第1及び第2の磁性体部(入力軸ロータ,出力軸ロータ)10,20,101,201の各磁性歯の対向によって可変磁気結合境界部を形成するための、各磁性歯の対向構造としては、図14に例示するように、種々の態様がある。
図14(a)の例では、一方の磁性歯1aの先端が平坦であり、他方の磁性歯2aの先端がサインカーブのような曲線をなしている。これにより、両者1a,2aが図で横方向に相対的に変位するときに得られる磁気結合度の変化(インピーダンス変化)として、サインカーブ(コサインカーブ)に近いものを容易に得ることができる。
図14(b)の例では、双方の磁性歯1a,2aの先端が斜めになっていて、互いに対向している。この場合、両者1a,2aが図で横方向に相対的に変位するとき、斜め先端間のギャップ距離が変化することで、磁気結合度の変化(インピーダンス変化)が得られる。対向する磁性歯1a,2aの先端面の斜め形状により、ギャップを介して対向する先端面の面積を大きくすることができるので、磁束量を増大させて磁気応答感度を向上させることができる。その場合、図14(c)に示すように、第1及び第2の磁性体部(入力軸ロータ,出力軸ロータ)101,201の各磁性歯1a,2a,1b,2bの傾きは逆になる。
図14(d)の例では、対向する磁性歯1a,2aの平面が重なることなく、側面においてギャップを介して対向する。この場合、両者1a,2aが図で横方向に相対的に変位するとき、側面間のギャップ距離が変化することで、磁気結合度の変化(インピーダンス変化)が得られる。側面の厚みを或る程度厚くすることで、ギャップを介して対向する先端面の面積を大きくすることができるので、磁束量を増大させて磁気応答感度を向上させることができる。
図14(e)の例では、対向する磁性歯1a,2aの平面が一定距離のギャップを介して重なる構成である。この場合、両者1a,2aが図で横方向に相対的に変位するとき、磁性歯1a,2aが重なって対向する平面の面積が変化することで、磁気結合度の変化(インピーダンス変化)が得られる。重複する面積を大きくすることで、磁束量を増大させて磁気応答感度を向上させることができる。
次に、本発明の第2の観点に従う実施例について図15〜図20を参照して説明する。
図15は、本発明の第2の観点に従う相対回転位置検出装置の一実施例を示す側断面概略図である。この実施例においては、自動車のハンドル(ステアリング)に関連して、異なる2つの機能の検出装置、つまり、ステアリングシャフトのトーションバーにかかるねじれトルク検出機能を有するトルク検出装置4Aと、ハンドル切れ角(ステアリングシャフト回転)センサとしての機能を有するハンドル角検出装置4Bとを、インテグレートして円筒形状の外部ケース41内に一体的に収納してなる新規な検出システムが示されている。このうち、本発明に係る相対回転位置検出装置の一実施例は、トルク検出装置4Aである。なお、図15に示した実施例では図示の簡略化のために側断面の上半分のみを図示しているが、残りの下半分は図示されたものと対称のものが図15下方に現れる。符号CLは、軸の中心線である。ただし、後述するようなハンドル角検出装置4Bの複数のギアG1〜G3及びステータ部100及びロータ部200等からなるハンドル角検出装置4Bは少なくとも1箇所のみに構成してあればよい。勿論、トルク検出装置4Aとハンドル角検出装置4Bとを外部ケース41内に一体的に構成することに限らず、それぞれを別々に構成するようにしてもよい。また、相対回転位置検出装置(トルク検出装置4A)としての本発明の実施にあたっては、ハンドル角検出装置4Bの存在は必須ではない。
図15に示された相対回転位置検出装置(トルク検出装置4A)は、上記実施例と同様に、入力軸1の回転に連動して回転するように設けられた第1の磁性体部10と、出力軸2の回転に連動して回転するように設けられた第2の磁性体部20と、コイル部30とで構成される。入力軸1に取付リング5が結合され、この取付リング5に第1の磁性体部10が取り付けられる。また、出力軸2に取付リング6が結合され、この取付リング6に第2の磁性体部20が取り付けられる。
図16は、取付リング5及び6に第1及び第2の磁性体部10,20を取り付けた状態を抽出して示す組立斜視図である。図17は、図16の分解斜視図である。
第1の磁性体部10は、軸方向に離隔して配置された複数(図の例では2個)第1の磁性体リング11,12で構成される。記第2の磁性体部20は、軸方向に離隔して配置された複数(図の例では3個)の第3の磁性体リング21,22,23で構成される。一方の各磁性体リング11,12の各々が他方の各磁性体リング21,22,23の間にそれぞれ配置されるような関係で、一方の取付リング6のスリーブ部分6aに挿入される。出力軸2とともに回転すべき第2の磁性体部20の各磁性体リング21,22,23は、後述するような所定の相互関係で取付リング6に固定される。
一方、入力軸1に結合される取付リング5には、図17に示されるように、磁性体リング11,12を連結するための複数のピン51,52,53,54が軸方向に延びて設けられている。組立て時には、該取付リング5のスリーブ部分5aが、他方の取付リング6のスリーブ部分6aの内側に入り込むように、組み立てられる。出力軸2側の各磁性体リング21,22,23には、組立てた状態において入力軸1側の取付リング5の連結ピン51〜54を自由に逃すように、所定個所毎に、円周方向に長い透孔SHがそれぞれ穿たれている。一方、入力軸1側の各磁性体リング11,12には、後述するような所定の相互関係で入力軸1側の取付リング5の連結ピン51〜54をぴったりと嵌め込むことができるように、所定個所毎に、孔Hがそれぞれ穿たれている。
この構成により、出力軸2側の取付リング6に固定された各磁性体リング21,22,23の間に配置された各磁性体リング11,12が、連結ピン51〜54を介して入力軸1の取付リング5に連結され、入力軸1とともに回転する。すなわち、入力軸1の磁性体リング11,12は、出力軸2の取付リング6のスリーブ部分6aに対して自由に回転しうる。一方、出力軸2の各磁性体リング21,22,23は、出力軸2の取付リング6に固定され、出力軸2とともに回転する。このとき、入力軸1の取付リング5に設けられた連結ピン51〜54が出力軸2の各磁性体リング21,22,23の透孔SHを緩く貫通しているが、該透孔SHは円周方向に長いため、入力軸1の回転に伴う連結ピン51〜54の回転動を逃すように作用し、両軸1,2が連結ピン51〜54によってロックされることはない。勿論、透孔SHによる逃し角度は、トーションバー3による最大ねじれ角度よりも大きいように設定される。
各磁性体リング11,12,21,22,23は、1円周にわたり複数個(図示例では8個)の磁性体の凹凸歯が繰り返される形状(つまり、磁性体の増減パターン)をなしている。この凹凸歯つまり磁性体の増減パターンの存在によって、組み立てられた状態において、ギャップを介して隣接する第1の磁性体リングと第2の磁性体リングの間で可変磁気結合境界部が形成される。3つの第2の磁性体リング21,22,23と2つの第1の磁性体リング11,12との間に4つの境界があるので、この可変磁気結合境界部は4つできる。
コイル部30は、図16に示すように組み立てられた状態の各磁性体リング21,11,22,12,23間の各境界部の周りに巻設される4つのコイルL1,L2,L3,L4からなる。すなわち、各コイルL1,L2,L3,L4は軸方向に適宜の間隔で離隔して配置され、各磁性体リング21,11,22,12,23間の4つの境界部の各々が対応するコイルL1〜L4の内部空間内に挿入される格好となっている。
図18は、各磁性体リング21,11,22,12,23の展開図である。出力軸2とともに回転する第2の磁性体部20の各磁性体リング21,22,23の配置について説明すると、両側の磁性体リング21,23の凹凸歯の繰り返し周期の位相は互いに一致しており、中央の磁性体リング22の凹凸歯の繰り返し周期の位相は磁性体リング21,23の繰り返し位相に対して1/4サイクルずれるように配置されている。これらの各磁性体リング21,22,23は、この相互関係で取付リング6に固定されるので、出力軸2が回転してもこの所定の相互関係を常に維持する。一方、入力軸1とともに回転する第1の磁性体部10の各磁性体リング11,12の配置は、凹凸歯の繰り返し周期の1/2サイクルずれる(つまり逆相となる)ような相互関係となっている。これらの各磁性体リング11,12は、この相互関係を維持して入力軸1とともに回転する。
このような配置のずれによって、入力軸1と出力軸2の相対的回転位置の変化に伴って、隣接する第1の磁性体リングと第2の磁性体リングの凹凸歯の対応が変化するとき、4つの各境界部での変化の位相がそれぞれ次のように異なるものもとなる。
例えば図18の磁性体リング21と11の境界部のように、ギャップを介して隣接する磁性体リングの凹凸歯がちょうど一致しているとき、その境界部における磁気結合度は最大値を示し、例えば正弦関数値に換算するとsin90°の値に相当する。また、図4の磁性体リング12と23の境界部のように、ギャップを介して隣接する磁性体リングの凹凸歯がちょうど1/2サイクルずれているとき、その境界部における磁気結合度は最小値を示し、例えば正弦関数値に換算するとsin270°すなわち−sin90°の値に相当する。このように、磁性体リング21,11の境界部の磁気結合変化と、磁性体リング12,23の境界部の磁気結合変化とは、逆相関係となっている。また、図4の磁性体リング11と22の境界部のように、ギャップを介して隣接する磁性体リングの凹凸歯がちょうど1/4サイクルずれているとき、その境界部における磁気結合度は最大値と最小値の中間の値を示し、例えば正弦関数値に換算するとcos90°の値に相当する。また、図18の磁性体リング22と12の境界部のように、ギャップを介して隣接する磁性体リングの凹凸歯が上記とは逆相に1/4サイクルずれているとき、その境界部における磁気結合度は最大値と最小値の中間の値を示し、例えば正弦関数値に換算すると−cos90°の値に相当する。
コイル部30の各コイルL1〜L4は共通の基準交流信号(例えばsinωtとする)で励磁される。入力軸1と出力軸2の相対的回転位置の変化によって、前記各磁性体リングの境界部の磁気結合度が変化すると、各境界部に対応する各コイルL1〜L4のインピーダンスが変化する。このインピーダンス変化は、磁性体リング11〜23の凹凸歯の1ピッチに相当する回転変位を1サイクルとして生じる。図示の例では、磁性体リング11〜23の凹凸歯の1ピッチに相当する回転範囲は、360度/16=約22度強である。前述のように、トーションバー3によるねじれ変形の最大角度範囲は約12度程度であるので、磁性体リング11〜23の凹凸歯の1ピッチの範囲内での絶対的回転角度を検出することで、ねじれ量の絶対値検出を問題なく行うことができる。
このインピーダンス変化を、入力軸1と出力軸2との相対的回転位置を凹凸歯の1ピッチ幅(例えば約22度)を360度とする高分解能スケールの角度表現による角度変数θを用いて下記のように表すことができる。磁性体リング21と11の境界部の磁気結合に応答する出力を生ずるコイルL1に生じる理想的なサイン関数特性のインピーダンス変化A(θ)を示すと、前述と同様に、
A(θ)=P+Psinθ
前述のように、前記各磁性体リングの境界部の磁気結合の変化は、1/4サイクルづつ順にずれる。よって、磁性体リング11と22の境界部の磁気結合に応答する出力を生ずるコイルL2に生じる理想的なインピーダンス変化B(θ)は、
B(θ)=P+Pcosθ
のようなコサイン関数特性の式で等価的に表せる。
また、磁性体リング12と23の境界部の磁気結合に応答する出力を生ずるコイルL3に生じる理想的なインピーダンス変化C(θ)は、
C(θ)=P−Psinθ
のようなマイナスサイン関数特性の式で等価的に表せる。
更に、磁性体リング22と12の境界部の磁気結合に応答する出力を生ずるコイルL4に生じる理想的なインピーダンス変化D(θ)は、
D(θ)=P−Pcosθ
のようなマイナスコサイン関数特性の式で等価的に表せる。
図19は、図15に示された相対位置検出装置(トルク検出装置4A)に適用される電気回路例を示し、実質的に図3と同様の構成であるから、その詳細説明は省略する。こうして、図15〜図19の実施例においても、図1〜図3の実施例と同様に、検出対象たる相対回転位置に相関する角度変数θを含む2つの周期的振幅関数(sinθとcosθ)によってそれぞれ振幅変調された2つの交流出力信号「sinθsinωt」と「cosθsinωt」が得られ、これにもとづき、検出対象たる相対回転位置に相関する位相角θを示す進相の検出パルスLpと遅相の検出パルスLmとが夫々生成され、また、両者の時間差Δtに対応するパルス幅を持つ可変パルス幅信号PWMが生成される。
図15に示した実施例にかかわる検出システムは、パワーステアリング機構のトーションバー3に負荷されるトルクを検出するトルク検出装置4Aのみならず、ハンドルの回転操作量に応じたハンドル角と操舵輪との対応関係のずれを補正する等の目的のために、ハンドルの回転位置に応じたハンドル角を検出するハンドル角検出装置4Bの機能も一体的に具備している。勿論、図1〜図13に示す実施例においても、トルク検出装置4に加えて、このようなハンドル角検出装置4Bの機能をも一体的に具備するようにしてもよい。
図15におけるハンドル角検出装置4Bについて説明すると、外部ケース41内の所定位置に、複数のギアG1〜G3と、ステータ部100と、磁気応答部材300を含むロータ部200とからなる。複数のギアG1〜G3はハンドルに連結された入力軸2の回転を段階的に減少させてロータ部200を回転するためのギアリング機構であって、例えば出力軸2が5回転するとロータ部200を1回転するなどの比率で出力軸2の回転を減少してロータ部200に出力軸2の回転を伝達し、ハンドル(ステアリングシャフト)の多回転にわたる回転位置を1回転型アブソリュートセンサで検出しうるようにしている。
図20はハンドル角検出装置4Bの一実施例を示す概略図であって、ステータ部100のコイルC1〜C4とロータ部200の表面上に形成された磁気応答部材300との物理的配置関係の一例を正面略図によって示したものである。ロータ部200の表面上には所定形状(例えば偏心形状)の磁気応答部材300が形成されており、該磁気応答部材300はロータ部200の回転に合わせて回転する。ステータ部100は検出用コイルとして4つのコイルC1〜C4(図20参照)を含んでおり、各コイルC1〜C4内を通る磁束が軸線方向を指向する。ステータ部100とロータ部200とは、ステータ部100の各コイルC1〜C4のコイルコア(例えば鉄心などの磁性体コア)の端面とロータ部200表面上に形成された磁気応答部材300とが所定の間隔を空けた状態で、すなわち各コイルC1〜C4のコイルコアの端面とロータ部200の磁気応答部材300の表面との間に空隙が形成されるようにして互いに対向する位置に配置されており、ロータ部200はステータ部100に対して非接触で回転する。磁気応答部材300と向き合う各コイルC1〜C4のコイルコアの端面の面積がロータ部200の回転位置に応じて変化することによって、出力軸2の回転角度、つまりハンドル角を検出することができるように構成されている。
この実施例に示すハンドル角検出装置4Bは、図20に示したような電磁誘導方式の1回転型アブソリュート位置検出センサと、各々が順次に噛み合わされたギア比の異なる複数のギアG1〜G3と、ステータ部100と、ロータ部200とを含む。複数のギアG1〜G3は、ステアリングシャフトの出力軸2の回転を段階的に減少させてロータ部200を回転するための減速機構である。ギアG1は出力軸2に結合して同じように回転し、ギアG1に対して減速用のギアG2が噛み合わされ、更に、このギアG2に対して減速用のギアG3が噛み合わされる。このギアG3には例えば円盤状に形成されたロータ部200が設置されており、ギアG3が回転することでロータ部200が軸中心線CLを中心として回転するようになっている。このようにして、出力軸2の回転を減速してロータ部200の回転として伝達する構成となっている。
ロータ部200の表面上には所定形状、図20に示すような例えば偏心リング形状の磁気応答部材300が取り付けられる。該磁気応答部材300は鉄等の磁性体からなるもの、あるいは銅等の導電体からなるもの、あるいは磁性体と導電体との組み合わせからなるものなど、磁気結合係数を変化させる材質からなるものであればどのようなものであってもよい。こうしたロータ部200に対してスラスト方向に向き合うような形でステータ部100が配置される。
ロータ部200表面上に形成される磁気応答部材300の所定の形状は、各コイルC1〜C4から理想的なサイン、コサイン、マイナスサイン、マイナスコサインのカーブが得られるように適切に設計される。例えば、コイルC1に生じるインピーダンス変化がサイン関数に相当するものとすると、コイルC2に生じるインピーダンス変化はマイナスサイン関数、コイルC3に生じるインピーダンス変化はコサイン関数、コイルC4に生じるインピーダンス変化はマイナスコサイン関数に、それぞれ相当するよう、各コイルC1〜C4の配置や磁気応答部材300の形状を設定することができる。ロータ部200の1回転において、コイルC1のインピーダンスは0度から360度の範囲にわたるサイン関数で変化し、コイルC2のインピーダンスは0度から360度の範囲にわたるコサイン関数で変化し、コイルC3のインピーダンスは0度から360度の範囲にわたるマイナスサイン関数で変化し、コイルC4のインピーダンスは0度から360度の範囲にわたるマイナスコサイン関数で変化するように設定される。このようにサイン関数及びコサイン関数における0度から360度の範囲内の関数値変化に略々なぞらえることができるので、よって、ロータ部200の1回転を、360度の位相角範囲の変化に換算して測定することができることになる。
この構成によって、コイルC1,C3の対のインピーダンスが差動的に変化し、両出力の差動合成によってサイン関数sinθを振幅係数として持つ交流出力信号sinθsinωtが得られる。また、コイルC2,C4の対のインピーダンスが差動的に変化し、両出力の差動合成によってコサイン関数cosθを振幅係数として持つ交流出力信号cosθsinωtが得られる。このようなレゾルバと同様の出力信号に基づき、θ分だけ位相シフトされた交流信号を合成し、その位相シフト値θを測定することで、ロータ部200の回転位置を検出できる。こうして、多回転(例えば2.5〜3回転程度)にわたるハンドルの回転角度が、ロータ部200の1回転内のアブソリュート回転位置に換算されてアブソリュートで検出される。
なお、ロータ部200の回転に応じて所定角度範囲でのサイン、コサイン、マイナスサイン、マイナスコサインの関数カーブがそれぞれ得られるようにするには、磁気応答部材300の形状としては上記したように偏心リング形状のものに限らず、コイルやコイルコアの配置や形状等の設計条件に応じて螺旋形状あるいはハート型に類似した形状など、適宜の形状に形成したものであってもよい。この磁気応答部材300の形状をいかに設計するかは本発明の目的ではなく、かつ、公知/未公知のこの種の可変磁気抵抗型回転検出器で採用されている磁気応答部材300の形状を採用してよいので、磁気応答部材300の形状についてのこれ以上の言及は差し控える。
なお、ハンドル角度検出装置4Bは、上記の構成に限らず、他の適宜の構成を採用してよい。例えば、ギヤG1〜G3による減速機構を省略し、ロータ部200を出力軸2(又は入力軸1)に1対1の回転比で結合するようにしてもよい。その場合は、1回転以内のハンドル角度をアブソリュートで検出し、1回転を超えるハンドル角度は回転数カウントによって検出するようにすればよい。また、ハンドル角度検出装置4Bを設けなくてもよい。
なお、上述したトルク検出装置4及び4A及び/又はハンドル角検出装置4Bにおいて、磁気応答部材とこれに対応するコイルの配置パターンや、数、サイズ等については、上述したものに限定されるものではなく、種々の配置パターン等が有り得るものであって、要するに、コイル部からサイン相及びコサイン相の2相の出力信号を生ぜしめることができるようになっていれば、どのような構成のものであってもよい。勿論、ここで言うサイン相やコサイン相は便宜的な呼称であり、どちらをサイン相またはコサイン相と称してもよい。
また、位相シフトタイプの回転位置検出手段の構成は、上述したものに限らず、どのような構成からなっていてもよい。例えば、1次コイルのみからなるタイプのものに限らず、1次及び2次コイルを有するタイプのものであってもよく、あるいはレゾルバ方式を用いてもよいし、あるいは基準交流信号としてサイン波sinωtとコサイン波cosωtの2相交流信号を用いる励磁方式であってもよい。
図15〜図20の実施例において、各磁性体リング11〜23の凹凸歯数(1回転あたりのピッチ数)は、上述例のような8ピッチに限らない。また、多歯タイプに限らず、1回転あたり1ピッチ(1サイクル)の磁気結合変化(コイルのインピーダンス変化)を生ぜしめるようなタイプであってもよい。また、回転に応じて磁気結合を増減変化させるための構成は、図示例のような凹凸歯からなるものに限らず、波状など、その他適宜の形状からなるものであってよい。また、磁性体部10,20すなわち各磁性体リング11〜23の材質は、磁性体のみからなるものに限らず、磁性体の凹部(磁気結合を減少させる個所)に反磁性体(銅のような非磁性良導電体)を埋込配置するようにした磁性・反磁性のハイブリッドタイプであってもよい。なお、取付リング5,6など、磁気応答性を持つべきでない構成要素の素材は、合成樹脂等のしかるべき非磁気応答性素材で構成されるのは言うまでもない。勿論、図1〜図14の実施例においても同様に、磁性体部10,20,101,201,102,202の形状、材質等は、上述と同様に種々に変形可能である。

Claims (8)

  1. 相対的に回転可能な第1及び第2の軸の相対的回転位置を検出する相対回転位置検出装置であって、
    前記第1の軸の回転に連動して回転するように設けられた第1の磁性体部と、
    前記第2の軸の回転に連動して回転するように設けられた第2の磁性体部と
    を備え、前記第1の磁性体部と第2の磁性体部は、互いにギャップを介して対向するリング状の可変磁気結合境界部を少なくとも2つ構成するものであり、第1及び第2の軸の相対的回転位置の変化に応じて前記各境界部の磁気結合が変化し、その磁気結合の変化の位相が各境界部間でずれており、
    前記各境界部に対応してそれぞれ設けられた検出用のコイルを具備するコイル部を
    更に備え
    前記第1及び第2の磁性体部は、円周方向に沿って不等ピッチの複数の磁性歯を有する円筒部材からそれぞれなっており、前記複数の磁性歯は、前記複数の境界部の夫々に対応するグループを成しており、各磁性体部においては各グループ毎に歯の軸方向の長さが異なっており、前記第1及び第2の磁性体部における同一グループの歯同士がそれぞれ対向することにより当該グループに対応する前記境界部を構成し、これにより、前記各境界部が軸方向にオフセットされた配置で構成されるようにしてなることを特徴とする相対回転位置検出装置。
  2. 前記コイル部の各コイルの出力信号を合成して、前記第1及び第2の軸の相対的回転位置に応じて基準交流信号を位相シフトした出力交流信号を生ずる回路を更に備える請求項1に記載の相対回転位置検出装置。
  3. 1つの前記境界部は、第1及び第2の軸の相対的回転位置の変化に応じてサイン特性の磁気結合変化を示し、別の前記境界部は、第1及び第2の軸の相対的回転位置の変化に応じてコサイン特性の磁気結合変化を示す請求項1又は2に記載の相対回転位置検出装置。
  4. 相対的に回転可能な第1及び第2の軸の相対的回転位置を検出する相対回転位置検出装置であって、
    前記第1の軸の回転に連動して回転するように設けられた第1の磁性体部と、
    前記第2の軸の回転に連動して回転するように設けられた第2の磁性体部と
    を備え、前記第1の磁性体部と第2の磁性体部は、互いにギャップを介して対向するリング状の可変磁気結合境界部を少なくとも2つ構成するものであり、第1及び第2の軸の相対的回転位置の変化に応じて前記各境界部の磁気結合が変化し、その磁気結合の変化の位相が各境界部間でずれており、
    前記各境界部に対応してそれぞれ設けられた検出用のコイルを具備するコイル部を
    更に備え、
    前記第1の磁性体部は、軸方向に離隔して配置された複数の第1の磁性体リングを含み、
    前記第2の磁性体部は、軸方向に離隔して配置された複数の第2の磁性体リングを含み、
    前記複数の第2の磁性体リングの各々は、前記複数の第1の磁性体リングの間にそれぞれ配置され、かつ、各第2の磁性体リングが前記第2の軸と一緒に回転するように連結手段を介して連結されており、
    隣接する前記第1の磁性体リングと第2の磁性体リングの間で前記境界部が形成されるように、該第1の磁性体リングと第2の磁性体リングのそれぞれの対向面が磁性体の増減パターンをなしていることを特徴とす相対回転位置検出装置。
  5. 複数の隣接する前記第1の磁性体リングと第2の磁性体リングの間で4つの前記境界部が形成され、第1の境界部が第1及び第2の軸の相対的回転位置の変化に応じてサイン特性の磁気結合変化を示し、第2の境界部が第1及び第2の軸の相対的回転位置の変化に応じてコサイン特性の磁気結合変化を示し、第3の境界部が第1及び第2の軸の相対的回転位置の変化に応じてマイナスサイン特性の磁気結合変化を示し、第4の境界部が第1及び第2の軸の相対的回転位置の変化に応じてマイナスコサイン特性の磁気結合変化を示すことを特徴とする請求項に記載の相対回転位置検出装置。
  6. 前記コイル部の各コイルは、所定の基準交流信号によって励磁される1個のコイルからなり、それに対応する前記境界部の磁気結合に応じて該1個のコイルのインピーダンスが定まり、該インピーダンスに応じた振幅有する出力交流信号を生ずるものである請求項1乃至のいずれかに記載の相対回転位置検出装置。
  7. 前記第1及び第2の軸はトーションバーで連結されており、前記第1及び第2の軸の間のねじれ量を相対回転位置として検出する請求項1乃至のいずれかに記載の相対回転位置検出装置。
  8. 前記第1及び第2の軸は自動車のパワーステアリングの入力軸と出力軸である請求項1乃至のいずれかに記載の相対回転位置検出装置。
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