JP2001235377A - 相対的回転位置検出装置 - Google Patents
相対的回転位置検出装置Info
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Abstract
の検出可能化。 【解決手段】 交流信号で励磁される少なくとも1つの
コイルL1を持つ。磁性体又は導電体等からなる1対の
磁気応答部材11,12の相対的位置が入力軸2及び出
力軸3の相対的回転位置に応じて変化する。この相対的
位置に応じてコイルL1のインダクタンスが変化し、該
コイルに生じる電圧が漸増(又は漸減)変化する。アナ
ログ演算回路では、コイルの電圧Vxを取り出し、該電
圧を基準電圧Va,Vbと演算することにより、検出対
象の相対的回転位置に応じてサイン及びコサイン関数特
性に従う振幅をそれぞれ示す2つの交流出力信号sin
θsinωt及びcosθsinωtを生成する。この
サイン及びコサイン関数特性の振幅係数における位相値
θを検出することで、相対的回転位置を検出する。
Description
コイルと、このコイルに対して磁気的に結合し、相対的
に回転変位する1対の磁性体又は導電体とを含んで構成
される相対的回転位置検出装置に関し、相対的に回転可
能な2軸のねじれ量や回転ずれなどの相対的回転位置の
検出に適したものであり、特に、1相の交流で励磁され
る1次コイルのみを使用して複数相の振幅関数特性を示
す出力交流信号を検出対象たる相対的回転位置に応じて
生成するものに関する。
出するものとしては、従来からよく知られたものとし
て、トーションバーを介して結合された入力軸と出力軸
の両軸にレゾルバ装置を設け、これら両レゾルバ装置か
らの角度信号に基づいて相対回転量(ねじれ量)を検出
するものがある。また、相対的に回転可能な2軸の回転
ずれを検出するものとして、誘導型電動パワーステアリ
ング用非接触トルクセンサーも開発されている。
検出装置は、トーションバーで結合された入力軸と出力
軸の両方にレゾルバ装置を設けなくてはならないため、
装置全体が大型化し、コスト的にも高価になるという難
がある。また従来の誘導型電動パワーステアリング用非
接触トルクセンサーとして知られたような回転ずれ検出
装置は、微小な回転ずれに応じて生じるアナログ電圧レ
ベルを測定する構成であり、その検出分解能において劣
るものである。
で、小型かつシンプルな構造を持つ相対的回転位置検出
装置を提供しようとするものである。また、検出対象の
相対的回転変位が微小でも高分解能での検出が可能であ
り、温度特性の補償も容易な、相対的回転位置検出装置
を提供しようとするものである。
位置検出装置は、相対的に回転可能な第1及び第2の軸
の相対的回転位置を検出する相対的回転位置検出装置で
あって、交流信号で励磁される少なくとも1つのコイル
を配置してなるコイル部と、前記第1及び第2の軸に配
置された第1及び第2の磁気応答部材であって、前記コ
イル部に対して磁気的に結合し、前記相対的回転位置に
応じて該第1及び第2の磁気応答部材の相対的位置が変
化し、これに応じて前記コイルのインピーダンスを変化
させ、このインピーダンス変化に基づき前記相対的位置
が所定の範囲にわたって変化する間で前記コイルに生じ
る電圧が変化するようにしたものと、交流信号からなる
少なくとも1つの基準電圧を発生する回路と、前記コイ
ルに生じる電圧を取り出し、前記基準電圧と演算するこ
とで、所定の周期的振幅関数を振幅係数として持つ交流
出力信号を少なくとも2つ生成する演算回路であって、
前記各交流出力信号の前記周期的振幅関数はその周期特
性において所定位相だけ異なっているものとを具えたも
のである。
答部材は、典型的には、磁性体及び導電体の少なくとも
一方を含んでなるものである。第1及び第2の磁気応答
部材が磁性体からなる場合は、第1及び第2の軸の相対
的回転位置に応じて相対的位置が変化することでコイル
に対する磁気結合の度合いが変化する。第1及び第2の
磁気応答部材のコイルに対する磁気結合の度合いが増す
ほど、該コイルのインダクタンスが増加して、該コイル
の電気的インピーダンスが増加し、該コイルに生じる電
圧すなわち端子間電圧が増加する。反対に、第1及び第
2の磁気応答部材のコイルに対する磁気結合の度合いが
減少するほど、該コイル部のインダクタンスが減少し
て、該コイル部の電気的インピーダンスが減少する。こ
うして、検出対象の相対的回転に伴い、コイル部に対す
る第1及び第2の磁気応答部材の相対的回転位置が所定
の回転角度範囲にわたって変化する間で該コイルの端子
間電圧は、漸増(又は漸減)変化することとなる。
は、所定ピッチの凹凸又はパターンを有し、前記第1及
び第2の軸の相対的回転位置に応じて該第1及び第2の
磁気応答部材の前記凹凸又はパターンの対応関係が変化
し、これに応じて前記コイルの自己インダクタンスすな
わちインピーダンスが変化するようにしたものである。
このインピーダンスに対応する振幅レベルを持つ交流電
圧が1個のコイルに生じる。
の相対的位置が所定の範囲にわたって変化する間で該コ
イルに生じる電圧が示す漸増変化カーブは、サイン関数
における0度から90度までの範囲の関数値変化になぞ
らえることができる。ここで、交流信号成分をsinω
tで示し、コイルの端子間電圧が示す漸増変化カーブに
おける適当な区間の始まりの位置に対応して得られるコ
イル出力電圧Vxの振幅係数レベル値をPaとすると、
該区間の始まりの位置に対応するコイル出力電圧Vx
は、Pa sinωtと表わせる。そして、該区間の終わ
りの位置に対応して得られるコイル出力電圧Vxの振幅
係数レベル値をPbとすると、該区間の終わりの位置に
対応するコイル出力電圧は、Pb sinωtと表わせ
る。ここで、始まりの位置に対応するコイル出力電圧V
xの値Pa sinωtと同じ値の交流電圧を基準電圧V
aと定めて、これをコイル出力電圧Vxから減算する
と、コイル出力電圧Vxの振幅係数を関数A(x)で示
すと、 Vx−Va=A(x) sinωt−Pa sinωt ={A(x) −Pa }sinωt …式(1) となる。前記区間の始まりの位置では、A(x)=Pa
であることから、この演算結果の振幅係数「A(x) −
Pa 」は「0」となる。一方、前記区間の終わり位置で
は、A(x)=Pbであることから、この演算結果の振
幅係数「A(x)−Pa 」は「Pb −Pa 」となる。よっ
て、この演算結果の振幅係数「A(x)−Pa 」は、前記
区間の範囲内において、「0」から「Pb −Pa 」まで
漸増する関数特性を示す。ここで、「Pb −Pa 」は最
大値であるから、これを等価的に「1」と考えると、前
記式(1)に従う交流信号の振幅係数「A(x) −Pa」
は、前記区間の範囲内において、「0」から「1」まで
変化することになり、この振幅係数の関数特性は、サイ
ン関数の第1象限(つまり0度から90度の範囲)の特
性になぞらえることができる。よって、前記式(1)に
従う交流信号の振幅係数「A(x) −Pa 」は、等価的
にsinθ(ただし、大体、0°≦θ≦90°)と表わ
せる。
1つのコイルを配置してなり、前記所定の基準電圧を発
生する回路は、第1及び第2の基準電圧を発生し、前記
演算回路は、前記1つのコイルから取り出した電圧と前
記第1及び第2の基準電圧とを用いて所定の第1の演算
及び第2の演算をそれぞれ行うことで、第1の振幅関数
を振幅係数として持つ第1の交流出力信号と、第2の振
幅関数を振幅係数として持つ第2の交流出力信号とをそ
れぞれ生成するものである。この場合、コイル部は、た
だ1つのコイルを持つだけでよいので、構成を最小限に
簡略化することができる。上記第1の基準電圧として上
記Vaを使用することで、上記第1の振幅関数として、
サイン関数のほぼ第1象限(つまり0度から90度の範
囲)の特性を持つものを得ることができる。
コイル出力電圧Vxの値Pb sinωtと同じ値の交流
電圧を第2の基準電圧Vbと定め、これとコイル出力電
圧Vxとの差を求めると、 Vb−Vx=Pb sinωt−A(x) sinωt ={Pb −A(x) }sinωt …式(2) となる。前記区間の始まりの位置では、A(x)=Pa
であることから、この演算結果の振幅係数「Pb −A
(x) 」は「Pb −Pa 」となる。一方、前記区間の終
わり位置では、A(x)=Pbであることから、この演
算結果の振幅係数「Pb −A(x) 」は「0」となる。
よって、この演算結果の振幅係数「Pb −A(x) 」
は、前記区間の範囲内において、「Pb −Pa 」から
「0」まで漸減する関数特性を示す。前記と同様に、
「Pb −Pa 」を等価的に「1」と考えると、前記式
(2)に従う交流信号の振幅係数「Pb −A(x) 」
は、前記区間の範囲内において、「1」から「0」まで
変化することになり、この振幅係数の関数特性は、コサ
イン関数の第1象限(つまり0度から90度の範囲)の
特性になぞらえることができる。よって、前記式(2)
に従う交流信号の振幅係数「Pb −A(x) 」は、等価
的にcosθ(ただし、大体、0°≦θ≦90°)と表
わせる。なお、式(2)の減算は「Vx−Vb」であっ
てもよい。
を用いるだけで、検出対象たる相対的回転位置に応じて
サイン及びコサイン関数特性に従う振幅をそれぞれ示す
2つの交流出力信号を生成することができる。例えば、
検出対象たる相対的回転位置を所定の検出可能範囲を3
60度分の位相角に換算した場合の位相角θにて示す
と、概ね、サイン関数特性を示す振幅を持つ交流出力信
号は、sinθsinωtで示すことができるものであ
り、コサイン関数特性を示す振幅を持つ交流出力信号
は、cosθsinωtで示すことができるものであ
る。これは、レゾルバといわれる位置検出器の出力信号
の形態と同様のものであり、極めて有用なものである。
例えば、前記演算回路で生成された前記2つの交流出力
信号を入力し、該2つの交流出力信号における振幅値の
相関関係から該振幅値を規定する前記サイン及びコサイ
ン関数における位相値を検出し、検出した位相値に基づ
き前記検出対象の位置検出データを生成する振幅位相変
換部を具備するようにするとよい。なお、上記サイン及
びコサイン関数は、ほぼ1象限分(90度)の範囲の特
性を示すので、検出可能な位置範囲がほぼ90度の範囲
の位相角に換算されて検出されることになる。
のコイルを配置してなり、検出対象の変位に応じて前記
磁気応答部材に対する各コイルの相対的位置が逆特性で
変化し、これに応じて前記各コイルのインピーダンスが
逆特性で変化し、前記所定の基準電圧を発生する回路
は、1つの基準電圧を発生し、前記演算回路は、前記各
コイルから取り出した電圧と前記基準電圧とを用いて所
定の第1の演算及び第2の演算をそれぞれ行うことで、
第1の振幅関数を振幅係数として持つ第1の交流出力信
号と、第2の振幅関数を振幅係数として持つ第2の交流
出力信号とをそれぞれ生成するものである。
材の相対的位置が所定の範囲にわたって変化する間で第
1のコイルの端子間電圧が示す漸増変化カーブは、サイ
ン関数における0度から90度までの範囲の関数値変化
になぞらえることができる。すなわち、適当な区間の始
まりの位置に対応して得られるコイル出力電圧VxはP
a sinωtと表わすことができ、これは最小値に相当
する。この始まりの位置を基準電圧Vaで設定できる。
基準電圧Va=Pa sinωtを用いて上記(式1)と
同じ演算を行うことにより、 Vx−Va={A(x) −Pa }sinωt となり、前述と同様に、この振幅係数「A(x) −Pa
」の関数特性として、サイン関数の第1象限(つまり
0度から90度の範囲)の特性、つまり等価的にsin
θ(ただし、大体、0°≦θ≦90°)になぞらえるこ
とができる。
とは逆特性の漸減変化カーブを示し、前記区間の始まり
の位置に対応して得られる第2のコイル出力電圧Vyを
仮りにPa' sinωtと表わすと、これは最大値に相
当する。上記基準電圧Vaを第2コイル出力電圧Vyか
ら減算すると、コイル出力電圧Vyの振幅係数を関数A
(y)で示すと、 Vy−Va=A(y) sinωt−Pa sinωt ={A(y) −Pa }sinωt …式(3) となる。前記区間の始まりの位置では、A(y)=Pa'
であることから、この演算結果の振幅係数「A(y) −
Pa 」は「Pa' −Pa 」であり、「最大値−最小値」
であるから、等価的に「1」とみなせる最大値、とな
る。一方、前記区間の終わり位置では、A(y)=Pa
であることから、この演算結果の振幅係数「A(y) −
Pa 」は「0」となる。よって、この演算結果の振幅係
数「A(y) −Pa 」は、前記区間の範囲内において、
最大値「Pa' −Pa 」(つまり「1」)から「0」ま
で漸減する関数特性を示し、この振幅係数の関数特性
は、コサイン関数の第1象限(つまり0度から90度の
範囲)の特性になぞらえることができる。よって、前記
式(3)に従う交流信号の振幅係数「A(y) −Pa 」
は、等価的にcosθ(ただし、大体、0°≦θ≦90
°)と表わせる。
を用いる場合も、検出対象たる相対的回転位置に応じて
サイン及びコサイン関数特性に従う振幅をそれぞれ示す
2つの交流出力信号(sinθsinωtとcosθs
inωt)を生成することができる。この場合も、上記
サイン及びコサイン関数は、ほぼ1象限分(90度)の
範囲の特性を示すので、検出可能な位置範囲がほぼ90
度の範囲の位相角に換算されて検出されることになる。
また、前述と同様に、基準電圧Vaを可変することによ
り、検出可能な位置範囲を可変設定することができ、検
出分解能を調整することができる。
導電体を使用した場合は、渦電流損によってコイルの自
己インダクタンスが減少し、磁気応答部材のコイルに対
する近接に伴い該コイルの端子間電圧が漸減することに
なる。この場合も、上記と同様に検出することが可能で
ある。また、磁気応答部材として、磁性体と導電体を組
合わせたハイブリッドタイプのものを用いてもよい。別
の実施形態として、磁気応答部材として永久磁石を含
み、コイルは磁性体コアを含むようにしてもよい。この
場合は、コイルの側の磁性体コアにおいて永久磁石の接
近に応じて対応する箇所が磁気飽和又は過飽和となり、
該磁気応答部材すなわち永久磁石のコイルに対する相対
的変位に応じて該コイルの端子間電圧が漸減することに
なる。
のみを設ければよく、2次コイルは不要であるため、小
型かつシンプルな構造の位置検出装置を提供することが
できる。また、1つのコイルと2つの基準電圧を用いる
だけで、あるいは2つのコイルと1つの基準電圧を用い
ることにより、検出対象位置に応じて所定の周期関数特
性に従う振幅をそれぞれ示す複数の交流出力信号(例え
ばサイン及びコサイン関数特性に従う振幅をそれぞれ示
す2つの交流出力信号)を容易に生成することができ、
利用可能な位相角範囲として少なくともほぼ1象限(9
0度)分をとることができる。従って、少ないコイルで
ありながら比較的広い位相角範囲で検出を行うことがで
き、検出分解能を向上させることができる。また、検出
対象の変位が微小でも高分解能での相対的位置検出が可
能である。更に、基準電圧を発生する回路として、検出
用のコイルと同等の温度特性を示す回路(例えばコイ
ル)を使用すれば、演算回路におけ減算演算によって、
温度ドリフト特性が自動的に補償されることとなり、温
度変化の影響を排除した位置検出を容易に行うことがで
きる。勿論、基準電圧を発生する回路は、コイルに限ら
ず、抵抗等、その他適宜の構成からなる電圧生成回路を
使用してよい。なお、コイルと基準電圧の数は1又は2
に限定されず、それ以上であってもよく、これに伴い、
利用可能な位相角範囲を、ほぼ1象限(90度)分に限
らず、更に拡大することも可能である。
明の実施の形態を説明する。図1(A)はこの発明の一
実施の形態に係る相対的回転位置検出装置の構造を示す
外観斜視図であって、コイル部10については断面で示
したものである。同図(B)はその軸方向断面略図、
(C)は同装置におけるコイルに関連する電気回路図で
ある。この相対的回転位置検出装置は、トーションバー
1を介して連結された入力軸(第1の軸)2及び出力軸
(第2の軸)3の間のねじれ角を検出するものであり、
コイル部10と、各軸2,3の端部にそれぞれ設けられ
ていて非接触的に対向している1対の(第1及び第2
の)磁気応答部材11,12とを含んで構成されてい
る。コイル部10は、断面C字型のリング状の磁性体ケ
ース10a内に収納された1個のコイルL1を含んでお
り、このコイルL1は磁気応答部材11,12の対向箇
所における後述する凹凸歯若しくはパターンの箇所をカ
バーしている。
系(図示せず)に連結されており、入力軸2の回転に連
動して出力軸3が回転し、そのトルクの大きさに応じて
トーションバー1を介して入力軸2と出力軸3の間にね
じれが生じる。このねじれによって、入力軸2と出力軸
3との間に回転誤差(回転ずれ)が生じる。例えば、自
動車のパワーステアリングに適用する場合、入力軸2は
ステアリングホイールに連結され、出力軸3はステアリ
ングギア機構に連結される。第1及び第2の磁気応答部
材11,12は、例えば円筒状の鉄のような磁性体から
なり、コイルL1と磁気的に結合する。第1及び第2の
磁気応答部材11,12の対向端部には、入力軸2と出
力軸3との相対的回転量に応じてコイル部10に対する
磁気結合を変化させる可変磁気結合部としての凸部11
a,12aが複数設けられている。この実施の形態で
は、凸部11a,12aを方形歯状に形成し、該凸部1
1a,12aを第1及び第2の磁気応答部材11,12
の回転方向(周方向)に沿って所定ピッチPで繰り返し
設けている。
れる所定の1相の交流信号(仮にsinωtで示す)に
よって定電圧又は定電流で励磁される。コイルL1から
発生した磁界は、図1(B)で破線で示すように、第1
および第2の磁気応答部材11,12を通る磁気回路Φ
を形成する。
的回転位置の変化に応じた、第1および第2の磁気応答
部材11,12における凹凸歯の対応関係の変化を示す
展開図である。図2(c)は、相対的回転位置0(つま
り捩じれ量0)のときの凹凸歯の対応関係を示す。この
状態では、それぞれの磁気応答部材11,12の凸部1
1a,12aと凹部11b,12bが半々で対応してお
り(磁気応答部材11,12の凹凸歯が1/4ピッチず
れている)、該磁気応答部材11,12を通るコイルl
1の磁気回路Φの磁気結合度合いは中間値をとる。
の磁気応答部材11が第2の磁気応答部材12に対して
相対的に矢印CW方向(時計回り方向)に1/4ピッチ
だけ回転した状態を示す。この状態では、それぞれの磁
気応答部材11,12の凸部11a,12a同士及び凹
部11b,12b同士が丁度一致しており(磁気応答部
材11,12の凹凸歯のずれがない)、該磁気応答部材
11,12を通るコイルl1の磁気回路Φの磁気結合度
合いは最大値をとる。
の磁気応答部材11が第2の磁気応答部材12に対して
相対的に矢印CCW方向(反時計回り方向)に1/4ピ
ッチだけ回転した状態を示す。この状態では、それぞれ
の磁気応答部材11,12の凸部11a,12aと凹部
11b,12bが逆に対応しており(磁気応答部材1
1,12の凹凸歯が1/2ピッチずれている)、該磁気
応答部材11,12を通るコイルL1の磁気回路Φの磁
気結合度合いは最小値をとる。
的回転位置に応じて第1及び第2の磁気応答部材11,
12の凹凸歯11a,11b,12a,12bの相対的
位置が変化することでコイルL1の磁気回路Φにおける
磁気結合の度合いが変化し、該コイルL1の自己インダ
クタンスが変化し、電気的インピーダンスが変化する。
する。よって、このインピーダンスに応じてコイルL1
に生じる電圧(端子間電圧)は、検出対象たる相対的回
転位置に対応するものとなる。
置(横軸x)に対応してコイルL1に生じる電圧(たて
軸)を例示するグラフである。横軸xに記したa,c,
bは図2の(a),(c),(b)に示す各位置に対応
しており、上述のように、図2(a)に対応する位置a
では、インピーダンス最小のため、コイルL1に生じる
電圧は最小レベル(最小振幅係数)であ。また、図2
(b)に対応する位置bでは、インピーダンス最大のた
め、コイルL1に生じる電圧は最大レベル(最大振幅係
数)である。
の磁気応答部材11,12の相対的位置がaからbまで
動く間で、最小値から最大値まで漸増変化する。この位
置aにおいて最小値をとるコイルL1の出力電圧Vxが
Pa sinωtであるとすると(Paは最小インピーダ
ンス)、これを第1の基準電圧Vaとして設定する。す
なわち、 Va=Pa sinωt である。また、位置bにおいて最大値をとるコイルL1
の出力電圧VxがPb sinωtであるとすると(Pb
は最大インピーダンス)、これを第2の基準電圧Vbと
して設定する。すなわち、 Vb=Pb sinωt である。
a,Vbを発生するための回路として、コイルLr1,
Lr2が設けられており、これらも交流発生源30から
の交流信号によって駆動される。演算回路31Aは、検
出用コイルL1の出力電圧Vxから第1の基準電圧Va
を減算するもので、前記式(1)のように、コイル出力
電圧Vxの振幅係数を関数A(x)で示すと、 なる演算を行う。第1基準電圧Vaによって設定した検
出対象区間の始まりの位置aでは、A(x)=Paであ
ることから、この演算結果の振幅係数「A(x)−Pa 」
は「0」となる。一方、該検出対象区間の終わりの位置
bでは、A(x)=Pbであることから、この演算結果
の振幅係数「A(x) −Pa 」は「Pb−Pa 」となる。
よって、この演算結果の振幅係数「A(x) −Pa 」
は、該検出対象区間の範囲内において、「0」から「P
b −Pa 」まで漸増する関数特性を示す。ここで、「P
b −Pa 」は最大値であるから、これを等価的に「1」
と考えると、前記式に従う交流信号の振幅係数「A(x)
−Pa 」は、検出対象区間の範囲内において、図3
(B)に示すように、「0」から「1」まで変化するこ
とになり、この振幅係数の関数特性は、図3(C)に示
すようなサイン関数sinθの第1象限(つまり0度か
ら90度の範囲)の特性になぞらえることができる。よ
って、前記式に従う交流信号の振幅係数「A(x) −Pa
」は、等価的にsinθ(ただし、大体、0°≦θ≦
90°)を用いて表わせる。なお、図3(B)、(C)
では、位置xに対するサイン関数特性の振幅係数のカー
ブsinθのみを示しているが、実際の演算回路31A
の出力はこの振幅係数sinθに対応する振幅レベルを
持つ交流信号sinθsinωtである。
力電圧Vxと第2の基準電圧Vbとの差を求めるもの
で、前記式(2)のように、 なる演算を行う。検出対象区間の始まりの位置aでは、
A(x)=Paであることから、この演算結果の振幅係
数「Pb −A(x) 」は「Pb −Pa 」となる。一方、
第2の基準電圧Vbによって設定した該区間の終わりの
位置bでは、A(x)=Pbであることから、この演算
結果の振幅係数「Pb −A(x) 」は「0」となる。よ
って、この演算結果の振幅係数「Pb −A(x) 」は、
該検出対象区間の範囲内において、「Pb −Pa 」から
「0」まで漸減する関数特性を示す。前記と同様に、
「Pb −Pa 」を等価的に「1」と考えると、前記式に
従う交流信号の振幅係数「Pb −A(x) 」は、検出対
象区間の範囲内において、図3(B)に示すように、
「1」から「0」まで変化することになり、この振幅係
数の関数特性は、図3(C)に示すようなコサイン関数
の第1象限(つまり0度から90度の範囲)の特性にな
ぞらえることができる。よって、前記式に従う交流信号
の振幅係数「Pb −A(x) 」は、等価的にcosθ
(ただし、大体、0°≦θ≦90°)を用いて表わせ
る。この場合も、図2(B)では、位置xに対するコサ
イン関数特性の振幅係数のカーブcosθのみを示して
いるが、実際の演算回路31Bの出力はこの振幅係数c
osθに対応する振幅レベルを持つ交流信号cosθs
inωtである。なお、演算回路31Bでの減算は「V
x−Vb」であってもよい。
及びコサイン関数特性に従う振幅をそれぞれ示す2つの
交流出力信号sinθsinωtとcosθsinωt
を生成することができる。これは一般にレゾルバといわ
れる位置検出器の出力信号の形態と同様のものであり、
有効に活用することができる。例えば、演算回路31
A,31Bで生成されたレゾルバタイプの2つの交流出
力信号を位相検出回路(若しくは振幅位相変換手段)3
2に入力し、該2つの交流出力信号における振幅値の相
関関係から該振幅値を規定する前記サイン及びコサイン
関数sinθ及びcosθの位相値θを計測すること
で、検出対象位置をアブソリュートで検出することがで
きる。この位相検出回路32としては、例えば本出願人
の出願に係る特開平9−126809号公報に示された
技術を用いて構成するとよい。例えば、第1の交流出力
信号sinθsinωtを電気的に90度シフトするこ
とで、交流信号sinθcosωtを生成し、これと第
2の交流出力信号cosθsinωtを加減算合成する
ことで、sin(ωt+θ)およびsin(ωt−θ)
なる、θに応じて進相および遅相方向に位相シフトされ
た2つの交流信号(位相成分θを交流位相ずれに変換し
た信号)を生成し、その位相θを測定することで、スト
ローク位置検出データを得ることができる。位相検出回
路32は、専用回路(例えば集積回路装置)で構成して
もよいし、プログラム可能なプロセッサまたはコンピュ
ータを使用して所定のソフトウェアを実行することによ
り位相検出処理を行うようにしてもよい。あるいは、公
知のレゾルバ出力を処理するために使用されるR−Dコ
ンバータを、この位相検出回路32として使用するよう
にしてもよい。また、位相検出回路32における位相成
分θの検出処理は、ディジタル処理に限らず、積分回路
等を使用したアナログ処理で行ってもよい。また、ディ
ジタル位相検出処理によって回転位置θを示すディジタ
ル検出データを生成した後、これをアナログ変換して回
転位置θを示すアナログ検出データを得るようにしても
よい。勿論、位相検出回路32を設けずに、演算回路3
1A,31Bの出力信号sinθsinωt及びcos
θsinωtをそのまま出力するようにしてもよい。
びコサイン関数特性の交流出力信号sinθsinωt
及びcosθsinωtにおける振幅特性は、位相角θ
と検出対象位置xとの対応関係が線形性を持つものとす
ると、図3(C)に示すような真のサイン及びコサイン
関数特性を示していない。しかし、位相検出回路32で
は、見かけ上、この交流出力信号sinθsinωt及
びcosθsinωtをそれぞれサイン及びコサイン関
数の振幅特性を持つものとして位相検出処理する。その
結果、検出した位相角θは、検出対象位置xに対して、
線形性を示さないことになる。しかし、位置検出にあた
っては、そのように、検出出力データ(検出した位相角
θ)と実際の検出対象位置との非直線性はあまり重要な
問題とはならない。つまり、所定の反復再現性をもって
位置検出を行なうことができればよいのである。また、
必要とあらば、位相検出回路32の出力データを適宜の
データ変換テーブルを用いてデータ変換することによ
り、検出出力データと実際の検出対象位置との間に正確
な線形性を持たせることが容易に行なえる。よって、本
発明でいうサイン及びコサイン関数の振幅特性とは、真
のサイン及びコサイン関数特性を示していなければなら
ないものではなく、図3(B)に示されるように、実際
は三角波形状のようなものであってよいものであり、要
するに、そのような傾向を示していればよい。つまり、
サイン等の三角関数に類似した関数であればよい。な
お、図3(B)の例では、観点を変えて、その横軸の目
盛をθと見立ててその目盛が所要の非線形目盛からなっ
ているとすれば、横軸の目盛をxと見立てた場合には見
かけ上三角波形状に見えるものであっても、θに関して
はサイン関数又はコサイン関数ということができる。
説明する。温度に応じて検出用コイルL1のインピーダ
ンスが変化しても、基準電圧Va,Vbもこれと同様の
温度ドリフト特性を持つものとすれば、演算回路31
A,31Bにおける差演算によって、温度ドリフト分が
相殺されることになり、温度ドリフト特性が補償さるこ
とになる。そのためには、基準電圧発生用に、検出用コ
イルL1と同等の特性のコイルLr1,Lr2を使用
し、これらのコイルLr1,Lr2と検出用コイルL1
と同様の温度環境に置く(つまり検出用コイルL1の比
較的近くに配置する)のがよい。図4はその一例を示す
ものである。これらの基準電圧発生用コイルLr1,L
r2は、磁気応答部材11,12の凹凸歯11a,11
b,12a,12bをカバーしておらず、これらの相対
的変位によるインピーダンス変化を受けない。その代わ
りに、所定の基準電圧Va,Vbを定電圧で発生し得る
ようにするために、鉄のような磁性体又は銅のような導
電体若しくはそれらのハイブリッド構造からなる適宜の
マスキング部材17,18をこれらの基準電圧発生用コ
イルLr1,Lr2に施して、そのインダクタンスすな
わちインピーダンスを設定する。よって、各マスキング
部材17,18の材質は異なり、それぞれ所定の最小値
電圧Va及び最大値電圧Vbに対応する第1及び第2の
基準電圧が発生されるように調整される。
r2の特性を検出用コイルL1と同等の特性とすること
は好ましいが、必須の要素ではなく、付加抵抗の調整等
によって実質的に同等の温度ドリフト特性を持たせるよ
うに構成することが可能である。また、基準電圧発生用
回路は、コイルLr1,Lr2に限らず、抵抗その他の
適当な定電圧発生回路を使用してもよい。
軸線は回転軸2,3の軸線と同じ方向(スラスト方向)
であるが、これに限らず、コイルL1の軸線の方向が回
転軸2,3のラジアル方向になるようにしてもよい。図
5はその一例を示すもので、コイルL1の軸線方向が回
転軸のラジアル方向を指向するように設置されており、
かつ、コイルL1の直径は磁気応答部材11,12の凹
凸歯11a,11b,12a,12bの1/2ピッチ程
度かそれ以下のサイズとしている。
出装置の別の実施例を示すもので、コイル部10におい
て2つのコイルL1,L2を設け、1つの基準電圧Va
だけを使用する例を示している。図6(A)は、コイル
部10と磁気応答部材11,12との物理的配置関係の
一例を側面略図によって示すもの、同図(B)は該コイ
ル部10に関連する電気回路の一例を示す図である。図
6では、図5と同様に各コイルL1,L2の軸線方向が
回転軸のラジアル方向を指向するように設置されてお
り、かつ、各コイルL1,L2の直径は磁気応答部材1
1,12の凹凸歯11a,11b,12a,12bの1
/2ピッチ程度かそれ以下のサイズとしている。そし
て、コイルL1とL2が逆相となるように配置されてい
る(例えば、コイルL1が凸部11aにフルに対応する
とき、コイルL2が凹部11bにフルに対応するような
配置)。
11b,12a,12bに対するコイルL1とL2の対
応関係が逆相となるように配置されていることにより、
検出対象の変位に応じて磁気応答部材11,12の凹凸
歯11a,11b,12a,12bに対する各コイルL
1,L2の相対的位置が逆特性で変化し、これに応じて
各コイルL1,L2のインピーダンスが逆特性で変化す
る。図7(A)は、検出対象位置(横軸x)に対するコ
イルL1及びL2の出力電圧(たて軸)を例示するグラ
フである。
11,12の相対的位置がaからbまで動く間で、最小
値Vaから最大値Vbまで漸増変化する。一方、コイル
L2の端子間電圧は、磁気応答部材11,12の相対的
位置がaからbまで動く間で、最大値Vbから最小値V
aまで漸減変化する。図6(B)に示すように、検出用
のコイルL1及びL2は、交流発生源30から発生され
る所定の1相の交流信号(仮にsinωtで示す)によ
って定電圧又は定電流で励磁される。前述の通り、各コ
イルL1,L2のインダクタンスは、検出対象位置に応
じて可変であるため、図では等価的に可変インダクタン
スとして図示してある。また、基準電圧Vaを発生する
ための回路として、コイルLr1が設けられており、こ
れも交流発生源30からの交流信号によって駆動され
る。
と同様に、検出用コイルL1の出力電圧Vxから基準電
圧Vaを減算するもので、前記式(1)と同様に、 なる演算を行う。よって、前述と同様に、演算回路31
Cの出力交流信号における振幅係数の関数特性は、図7
(B)に示すように、サイン関数の第1象限(つまり0
度から90度の範囲)の特性になぞらえることができ
る。
ルL2の出力電圧Vyと基準電圧Vaとの差を求めるも
ので、前記式(3)のように、 なる演算を行う。図7(A)から理解できるように、コ
イルL2の端子間電圧Vyは、コイルL1の端子間電圧
Vxとは逆特性の漸減変化カーブを示し、区間Rの始ま
りの位置に対応して得られる該コイル出力電圧Vyを仮
りにPa' sinωtと表わすと、これは最大値に相当
する。このように区間Rの始まりの位置では、A(y)
=Pa' であることから、演算回路31Dの出力交流信
号の振幅係数「A(y) −Pa 」は「Pa' −Pa 」であ
り、「最大値−最小値」であるから、等価的に「1」と
みなせる最大値、となる。一方、該区間Rの終わり位置
では、A(y)=Paであることから、この演算結果の
振幅係数「A(y) −Pa 」は「0」となる。よって、
演算回路31Dの出力交流信号の振幅係数「A(y)−P
a 」は、検出対象区間Rの範囲内において、最大値「P
a' −Pa 」(つまり「1」)から「0」まで漸減する
関数特性を示し、この振幅係数の関数特性は、コサイン
関数の第1象限(つまり0度から90度の範囲)の特性
になぞらえることができる。よって、演算回路31Dの
出力交流信号の振幅係数「A(y) −Pa 」は、図7
(B)に示すように、等価的にcosθ(ただし、大
体、0°≦θ≦90°)で表わせる。
と1つの基準電圧Vaを用いる場合も、検出対象位置に
応じてサイン及びコサイン関数特性に従う振幅をそれぞ
れ示す2つの交流出力信号(sinθsinωtとco
sθsinωt)を生成することができる。この場合
も、上記サイン及びコサイン関数は、ほぼ1象限分(9
0度)の範囲の特性を示すので、検出可能な位置範囲つ
まり検出対象区間Rがほぼ90度の範囲の位相角θに換
算されて検出されることになる。また、前述と同様に、
基準電圧Vaを可変することにより、検出可能な位置範
囲つまり検出対象区間Rを可変設定することができ、検
出分解能を調整することができる。また、図1の実施例
と同様に、図6の実施例でも、温度ドリフト特性の補償
を行うことができる。
図8は、1つの基準電圧VNだけを使用する実施例を示
す。この場合、磁気応答部材11,12の凹凸歯の1/
2ピッチに対応する有効検出範囲の位相変化幅は、90
度未満となる。図11(A)の例では、ダミーコイルL
Nは、磁気応答部材11,12の変位の影響を受ける検
出用コイルL1に直列に接続されているが、該磁気応答
部材11,12の変位の影響を受けないようになってお
り、コイルL1から得られる最大電圧Vbと同じ定電圧
VNを基準電圧として常時発生する。よって、コイルL
1から出力される検出電圧Vxと基準電圧VNとは同等
の温度特性をもつ。これにより、磁気応答部材11,1
2の相対的変位に応じたコイルL1の端子間電圧Vxと
ダミーコイルLNの端子間電圧VNとは、図8(B)の
ように生成される。演算回路318はこれら電圧Vx,
VNを所定の演算式に従って演算し、例えば図8(C)
に示すように、「Vx+VN」なる演算によってサイン
関数特性の交流出力信号sinθsinωtを生成し、
「Vx−VN」なる演算によってコサイン関数特性の交
流出力信号cosθsinωtを生成する。これは、図
8(D)に示すように或る90度未満の幅の角度範囲に
おける特性に対応づけることができる。よって、これら
の交流出力信号を位相検出回路32に入力することによ
り、該当する90度未満の幅の角度範囲における位相角
θをアブソリュート検出することができる。なお、図8
(A)のような直列接続に限らず、図8(E)のよう
に、ダミーコイルLNを検出用コイルL1に並列に接続
するようにしてもよい。
ルLNに代えて抵抗素子R1を用いて基準電圧を発生す
るものである。同図(A)に示すように、コイルL1に
直列に抵抗素子R1を接続してなる。これにより、磁気
応答部材11,12の相対的変位に応じてコイルL1の
端子間電圧Vxの振幅成分が図9(B)に示すように漸
増変化すると、これに応じて抵抗素子R1の端子間の電
圧降下VRの振幅成分が図9(B)に示すように漸減変
化する。抵抗素子R1の端子間電圧VRをサイン関数特
性の交流出力信号sinθsinωtとみなし、コイル
L1の端子間電圧Vxをコサイン関数特性の交流出力信
号cosθsinωtとみなせば、図9(C)に示すよ
うにサイン関数とコサイン関数とがクロスする或る90
度未満の幅の角度範囲における特性に対応づけることが
できる。よって、これらの交流出力信号を位相検出回路
32に入力することにより、該当する90度未満の幅の
角度範囲における位相角θをアブソリュート検出するこ
とができる。
材11,12として、磁性体の代わりに、銅のような非
磁性良導電体を使用してもよい。その場合は、渦電流損
によってコイルのインダクタンスが減少し、磁気応答部
材11,12の凸部11a,12aの近接に応じてコイ
ルの端子間電圧が減少することになる。この場合も、上
記と同様に位置検出動作することが可能である。また、
磁気応答部材として、磁性体と導電体を組合わせたハイ
ブリッドタイプのものを用いてもよい。例えば、凸部1
1a,12aを磁性体とし、凹部11b,12bのギャ
ップを導電体で埋める。また、磁気応答部材11,12
は凹凸歯形状からなるものに限らず、適宜の漸減又は漸
増形状であってよく、また所定の基材の表面上にめっき
等で適宜の漸減又は漸増形状からなるパターンを形成し
たものであってもよい。
磁石を含み、コイル部10のコイルには鉄心コアを含む
ようにしてもよい。永久磁石が、コイルに接近するとそ
の近接箇所に対応する鉄心コアが部分的に磁気飽和ない
し過飽和状態となり、該コイルの端子間電圧が低下す
る。これにより、磁気応答部材11,12の相対的変位
に応じたコイルの端子間電圧の漸減(又は漸増)変化を
引き起こさせることができる。
ねじり量検出装置に限らず、例えば、エンジンオーバー
ヘッドカムの相対的な回転角度を検出するエンジン噴射
タイミング制御用センサにも応用することができる。そ
の他、要するに、回転可能な2軸の所定角度範囲にわた
るねじれ量や回転ずれなどの相対的回転位置の検出セン
サとして好適なものである。
コイルのみを設ければよく、2次コイルは不要であるた
め、小型かつシンプルな構造の相対的回転位置検出装置
を提供することができる。また、第1及び第2の軸の相
対的回転位置に応じて第1及び第2の磁気応答部材の相
対的位置が変化する間に生じるコイルの電圧の漸増(又
は漸減)変化特性を利用し、これを基準電圧と演算して
組み合わせることにより、検出対象の相対的回転位置に
応じて所定の周期関数特性に従う振幅をそれぞれ示す複
数の交流出力信号(例えばサイン及びコサイン関数特性
に従う振幅をそれぞれ示す2つの交流出力信号)を容易
に生成することができる。また、温度ドリフト特性を自
動的に補償し、温度変化の影響を排除した相対的回転位
置検出を容易に行うことができる。更に、これら複数の
交流出力信号における振幅値の相関関係から該振幅値を
規定する所定周期関数(例えばサイン及びコサイン関
数)における位相値を検出することで、検出対象の変位
が微小でも高分解能での相対的回転位置検出が可能であ
る。
装置の構造例を示すもので、(A)は外観斜視図、
(B)は同装置の軸方向断面図、(C)は同装置のコイ
ルに関連る電気回路図。
材の相対的位置の関係を示す図。
実施例を示す軸方向断面略図。
別の実施例を示す側面略図。
他の実施例を示すもので、(A)は側面略図、(B)は
電気回路図。
他の実施例を示すもので、(A)はコイル部に関連する
電気回路図、(B)は各コイルの出力例を示す図、
(C)は各コイル出力の演算合成例を示す図、(D)は
演算合成出力に基づく検出原理を説明するための図、
(E)はコイル接続の変更例を示す回路図。
他の実施例を示すもので、(A)はコイル部に関連する
電気回路図、(B)はコイルの出力例を示す図、(C)
はコイル出力に基づく検出原理を説明する図。
Claims (7)
- 【請求項1】 相対的に回転可能な第1及び第2の軸の
相対的回転位置を検出する相対的回転位置検出装置であ
って、 交流信号で励磁される少なくとも1つのコイルを配置し
てなるコイル部と、 前記第1及び第2の軸に配置された第1及び第2の磁気
応答部材であって、前記コイル部に対して磁気的に結合
し、前記相対的回転位置に応じて該第1及び第2の磁気
応答部材の相対的位置が変化し、これに応じて前記コイ
ルのインピーダンスを変化させ、このインピーダンス変
化に基づき前記相対的位置が所定の範囲にわたって変化
する間で前記コイルに生じる電圧が変化するようにした
ものと、 交流信号からなる少なくとも1つの基準電圧を発生する
回路と、 前記コイルに生じる電圧を取り出し、前記基準電圧と演
算することで、所定の周期的振幅関数を振幅係数として
持つ交流出力信号を少なくとも2つ生成する演算回路で
あって、前記各交流出力信号の前記周期的振幅関数はそ
の周期特性において所定位相だけ異なっているものとを
具えた相対的回転位置検出装置。 - 【請求項2】 前記コイル部は、1つのコイルを配置し
てなり、 前記基準電圧を発生する回路は、第1及び第2の基準電
圧を発生し、 前記演算回路は、前記1つのコイルから取り出した電圧
と前記第1及び第2の基準電圧とを用いて所定の第1の
演算及び第2の演算をそれぞれ行うことで、第1の振幅
関数を振幅係数として持つ第1の交流出力信号と、第2
の振幅関数を振幅係数として持つ第2の交流出力信号と
をそれぞれ生成するものである請求項1に記載の位置検
出装置。 - 【請求項3】 前記第1及び第2の基準電圧は、前記第
1及び第2の交流出力信号における前記第1及び第2の
振幅関数の周期特性における特定の位相区間を定めるも
のであり、この第1及び第2の基準電圧を可変すること
で、該特定の位相区間と前記相対的位置の変化範囲との
対応関係を可変できることを特徴とする請求項2に記載
の位置検出装置。 - 【請求項4】 前記コイル部は、2つのコイルを配置し
てなり、検出対象の変位に応じて前記磁気応答部材に対
する各コイルの相対的位置が逆特性で変化し、これに応
じて前記各コイルのインピーダンスが逆特性で変化し、 前記基準電圧を発生する回路は、1つの基準電圧を発生
し、 前記演算回路は、前記各コイルから取り出した電圧と前
記基準電圧とを用いて所定の第1の演算及び第2の演算
をそれぞれ行うことで、第1の振幅関数を振幅係数とし
て持つ第1の交流出力信号と、第2の振幅関数を振幅係
数として持つ第2の交流出力信号とをそれぞれ生成する
ものである請求項1に記載の位置検出装置。 - 【請求項5】 前記基準電圧を発生する回路は、前記磁
気応答部材の変位の影響を受けないように配置された所
定インピーダンスのコイルを含む請求項1乃至4のいず
れかに記載の位置検出装置。 - 【請求項6】 前記第1及び第2の基準電圧を発生する
回路は、前記磁気応答部材の変位の影響を受けないよう
に配置された所定の第1及び第2インピーダンスの第1
及び第2のコイルを含み、該第1及び第2のコイルの一
方を少なくとも磁性体を用いてマスキングし、他方を少
なくとも導電体を用いてマスキングすることで前記所定
の第1及び第2インピーダンスの調整を行うようにした
請求項2又は3に記載の位置検出装置。 - 【請求項7】 前記第1及び第2の磁気応答部材は、所
定ピッチの凹凸又はパターンを有し、前記第1及び第2
の軸の相対的回転位置に応じて該第1及び第2の磁気応
答部材の前記凹凸又はパターンの対応関係が変化し、こ
れに応じて前記コイルのインピーダンスが変化するよう
にした請求項1乃至6のいずれかに記載の位置検出装
置。
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