JP4573417B2 - 荷重センサ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、荷重センサに関し、特に、1相の交流信号による励磁に基づき複数相の振幅関数特性を示す出力交流信号を検出対象位置に応じて出力するタイプの位置検出装置を利用した荷重センサに関し、さらに詳しくはセンサ用コイルを含む検出部の構成を簡単化したものに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より知られた誘導型直線位置検出装置としては差動トランスがある。差動トランスは、1つの1次巻線を1相で励磁し、差動接続された2つの2次巻線の各配置位置において検出対象位置に連動する鉄心コアの直線位置に応じて差動的に変化するリラクタンスを生ぜしめ、その結果として得られる1相の誘導出力交流信号の電圧振幅レベルが鉄心コアの直線位置を示すようにしたものである。この差動トランスにおいては、誘導電圧が差動的に変化するように設けられた2つの2次巻線が設けられた範囲において、該誘導電圧値が対直線位置に関して直線性を示す範囲でしか、直線位置を検出することができないものであり、該誘導電圧値の対直線位置の変化の関数が周期関数(例えばサイン関数のような三角関数)の1サイクルにわたって変化することはない。従って、検出可能範囲を拡張するには巻線長とコア長を長くするしかなく、自ずと限度があると共に、装置の大型化をもたらす。また、検出対象直線位置に相関する電気的な位相を示す出力を得ることが不可能である。また、誘導出力信号の電圧振幅レベルは、鉄心コアの直線位置のみならず、温度変化等の周辺環境の影響を受けやすいので、精度に難点がある。
【0003】
これに対して、検出対象直線位置に相関する電気的位相角を持つ交流信号を出力するようにした位相シフトタイプの誘導型直線位置検出装置も知られている。例えば、特開昭49−107758号、特開昭53−106065号、特開昭55−13891号、実公平1−25286号などに示されたものがある。この種の従来知られた位相タイプの誘導型直線位置検出装置においては、検出対象位置に連動する可動鉄心コアの直線変位方向に関して互いにずらして配置された例えば2つの1次巻線を互いに電気的位相のずれた2相の交流信号(例えばsin ωtとcos ωt)でそれぞれ励磁し、各1次巻線による2次側誘導信号を合成して1つの2次出力信号を生成するようにしている。励磁用の交流信号に対するこの2次出力信号における電気的位相ずれが、検出対象位置に連動する鉄心コアの直線位置を示している。また、実公平1−25286号に示されたものにおいては、複数の鉄心コアを所定ピッチで断続的に繰り返し設け、1次及び2次巻線が設けられた範囲よりも広い範囲にわたる直線位置検出を可能にしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上述した従来の位相シフトタイプの誘導型直線位置検出装置は、差動トランスに比べて多くの点で利点を持っているが、少なくとも2相の交流信号(例えばsin ωtとcos ωt)を用意しなければならないため、励磁回路の構成が複雑になるという問題点があった。また、温度変化等によって1次及び2次巻線のインピーダンスが変化すると、2次出力信号における電気的位相ずれに誤差が生じるという欠点もあった。更に、複数の鉄心コアを所定ピッチで断続的に繰り返し設け、1次及び2次巻線が設けられた範囲よりも広い範囲にわたる直線位置検出を可能にした場合において、1次及び2次巻線を設ける範囲を可動鉄心コアの1ピッチの長さよりも長い範囲で設けねばならないため、巻線アセンブリ全体のサイズが大きくなってしまい、検出装置の小型化に限度があった。すなわち、鉄心コアの1ピッチの長さをPとすると、4相タイプの場合、各相巻線の配置間隔を最小でも「3P/4」としなければならず、全体ではその4倍の「4×(3P/4)=3P」の配置領域が必要であり、従って最小でも可動鉄心コアの3ピッチ分の長さの範囲にわたって巻線アセンブリを設けなければならない。
【0005】
上述した従来の装置は検出器の構成が複雑であった。この問題を解決するために本出願人は位置検出装置を利用した荷重センサとして、特開平10−170356号に係わる特許出願をすでに行った。しかし、この先願に示された荷重センサにおいては位置検出装置のコイル構成として1次コイル及び2次コイルの両方が必要であったため、小型化を促進するためにはさらに改善の余地があった。また、コイル出力電圧が温度変化に従って変動してしまう温度ドリフト対策が十分とはいえなかった。
【0006】
本発明は上述の点に鑑みてなされたもので、小型かつシンプルな構造を持つと共に、温度特性の補償も容易な、荷重センサを提供することを目的とする。また、検出対象の変位が微小でも高分解能での検出が可能な、荷重センサを提供しようとするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る荷重センサは、検出対象たる荷重を受けて変位する荷重受け部と、交流信号で励磁されるセンサ用コイルを配置してなるコイル部及び該コイル部に対して相対的に変位する磁気応答部材を含み、該コイル部に対する該磁気応答部材の相対的位置が前記荷重受け部の変位に連動して変位する検出部と、前記センサ用コイルに直列接続された温度補償用コイルと、前記センサ用コイルと前記温度補償用コイルとの接続点より、前記センサ用コイルのインピーダンス変化に基づき変化する該センサ用コイルの出力電圧を取り出す回路と、交流信号からなる基準電圧を発生する回路と、前記センサ用コイルの出力電圧と前記基準電圧と演算することで、サイン関数及びコサイン関数を振幅係数として持つ交流出力信号を少なくとも2つ生成する演算回路であって、前記サイン関数及びコサイン関数の前記振幅係数が前記荷重受け部の変位すなわち前記検出対象たる荷重にそれぞれ相関しているものとを具え、前記演算回路によって生成された前記交流出力信号が持つ前記振幅係数に基づき前記検出対象たる荷重を示す情報を得ることを特徴とする
【0008】
磁気応答部材は、典型的には、磁性体(強磁性体)及び非磁性・良導電体(反磁性体)の少なくとも一方を含んでなるものであってよい。磁気応答部材が磁性体からなる場合は、該部材のセンサ用コイルに対する近接の度合いが増すほど、該コイルの自己インダクタンスが増加して、該コイルの電気的インピーダンスが増加し、該センサ用コイルに生じる電圧、つまり端子間電圧(若しくは電圧降下)、が増加する。反対に、該磁気応答部材のコイルに対する近接の度合いが減少するほど、該センサ用コイルのインダクタンスが減少して、該センサ用コイルの電気的インピーダンスが減少し、該コイルに生じる電圧、つまり端子間電圧、が減少する。こうして、検出対象の変位に伴い、センサ用コイルに対する磁気応答部材の相対的位置が所定の範囲にわたって変化する間で該コイルに生じる電圧、つまり端子間電圧は、増加若しくは減少変化することになる。
【0009】
本発明においては、センサ用コイルに直列接続された温度補償用コイルを具備し、前記センサ用コイルと前記温度補償用コイルとの接続点より、前記センサ用コイルのインピーダンス変化に基づき変化する該センサ用コイルの出力電圧を取り出すようにしているので、同じコイルであることにより温度ドリフトを適正に相殺し、温度ドリフト補償済みの出力電圧を取り出すことができる。よって、温度ドリフト補償した圧力検出データを容易に得ることができる。
【0010】
本発明の別の観点に従う荷重センサは、検出対象たる荷重を受けて変位する荷重受け部と、交流信号で励磁されるセンサ用コイルを配置してなるコイル部及び該コイル部に対して相対的に変位する磁気応答部材を含み、該コイル部に対する該磁気応答部材の相対的位置が前記荷重受け部の変位に連動して変位する検出部と、交流信号からなる基準電圧を発生する回路と、前記センサ用コイルの出力電圧と前記基準電圧と演算することで、サイン関数及びコサイン関数を振幅係数として持つ交流出力信号を少なくとも2つ生成する演算回路であって、前記サイン関数及びコサイン関数の前記振幅係数が前記荷重受け部の変位すなわち前記検出対象たる荷重にそれぞれ相関しているものとを具え、前記演算回路によって生成された前記交流出力信号が持つ前記振幅係数に基づき前記検出対象たる荷重を示す情報を得ることを特徴とする
【0011】
例えば、典型的には、磁気応答部材の相対的位置が所定の範囲にわたって変化する間で該コイルに生じる電圧が示す漸増変化カーブは、サイン関数における0度から90度までの範囲の関数値変化になぞらえることができる。ここで、交流信号成分をsinωtで示し、センサ用コイルの端子間電圧が示す漸増変化カーブにおける適当な区間の始まりの位置に対応して得られるセンサ用コイル出力電圧Vxの振幅係数レベル値をPaとすると、該区間の始まりの位置に対応するコイル出力電圧Vxは、Pa sinωtと表わせる。そして、該区間の終わりの位置に対応して得られるセンサ用コイル出力電圧Vxの振幅係数レベル値をPbとすると、該区間の終わりの位置に対応するセンサ用コイル出力電圧は、Pb sinωtと表わせる。ここで、始まりの位置に対応するコイル出力電圧Vxの値Pa sinωtと同じ値の交流電圧を基準電圧Vaと定めて、これをセンサ用コイル出力電圧Vxから減算すると、センサ用コイル出力電圧Vxの振幅係数を関数A(x)で示すと、
Figure 0004573417
となる。前記区間の始まりの位置では、A(x)=Paであることから、この演算結果の振幅係数「A(x) −Pa 」は「0」となる。一方、前記区間の終わりの位置では、A(x)=Pbであることから、この演算結果の振幅係数「A(x)−Pa 」は「Pb −Pa 」となる。よって、この演算結果の振幅係数「A(x) −Pa 」は、前記区間の範囲内において、「0」から「Pb −Pa 」まで漸増する関数特性を示す。ここで、「Pb −Pa 」は最大値であるから、これを等価的に「1」と考えると、前記式(1)に従う交流信号の振幅係数「A(x) −Pa 」は、前記区間の範囲内において、「0」から「1」まで変化することになり、この振幅係数の関数特性は、サイン関数の第1象限(つまり0度から90度の範囲)の特性になぞらえることができる。よって、前記式(1)に従う交流信号の振幅係数「A(x) −Pa 」は、等価的にsinθ(ただし、大体、0°≦θ≦90°)と表わせる。
【0012】
好ましい一実施形態は、前記基準電圧を発生する回路は、第1及び第2の基準電圧を発生し、前記演算回路は、前記センサ用コイルの出力電圧と前記第1及び第2の基準電圧とを用いて所定の第1の演算及び第2の演算をそれぞれ行うことで、第1の振幅関数を振幅係数として持つ第1の交流出力信号と、第2の振幅関数を振幅係数として持つ第2の交流出力信号とをそれぞれ生成するものである。この場合、コイル部は、1次コイルのみでよいので、構成を最小限に簡略化することができる。上記第1の基準電圧として上記Vaを使用することで、上記第1の振幅関数として、サイン関数のほぼ第1象限(つまり0度から90度の範囲)の特性を持つものを得ることができる。
【0013】
また、前記区間の終わりの位置に対応するコイル出力電圧Vxの値Pb sinωtと同じ値の交流電圧を第2の基準電圧Vbと定め、これとコイル出力電圧Vxとの差を求めると、
Figure 0004573417
となる。前記区間の始まりの位置では、A(x)=Paであることから、この演算結果の振幅係数「Pb −A(x) 」は「Pb −Pa 」となる。一方、前記区間の終わり位置では、A(x)=Pbであることから、この演算結果の振幅係数「Pb −A(x) 」は「0」となる。よって、この演算結果の振幅係数「Pb −A(x) 」は、前記区間の範囲内において、「Pb −Pa 」から「0」まで漸減する関数特性を示す。前記と同様に、「Pb −Pa 」を等価的に「1」と考えると、前記式(2)に従う交流信号の振幅係数「Pb −A(x) 」は、前記区間の範囲内において、「1」から「0」まで変化することになり、この振幅係数の関数特性は、コサイン関数の第1象限(つまり0度から90度の範囲)の特性になぞらえることができる。よって、前記式(2)に従う交流信号の振幅係数「Pb −A(x) 」は、等価的にcosθ(ただし、大体、0°≦θ≦90°)と表わせる。なお、式(2)の減算は「Vx−Vb」であってもよい。
【0014】
こうして、2次コイルを用いることなく、検出対象たる荷重に応じた変位に応じてサイン及びコサイン関数特性に従う振幅をそれぞれ示す2つの交流出力信号を生成することができる。例えば、検出対象たる荷重に応じた変位を所定の検出可能範囲を360度分の位相角に換算した場合の位相角θにて示すと、概ね、サイン関数特性を示す振幅を持つ交流出力信号は、sinθsinωtで示すことができるものであり、コサイン関数特性を示す振幅を持つ交流出力信号は、cosθsinωtで示すことができるものである。これは、レゾルバといわれる位置検出器の出力信号の形態と同様のものであり、極めて有用なものである。例えば、前記演算回路で生成された前記2つの交流出力信号を入力し、該2つの交流出力信号における振幅値の相関関係から該振幅値を規定する前記サイン及びコサイン関数における位相値を検出し、検出した位相値に基づき前記検出対象の位置検出データを生成する振幅位相変換部を具備するようにするとよい。なお、上記サイン及びコサイン関数は、ほぼ1象限分(90度)の範囲の特性を示すので、検出可能な位置範囲がほぼ90度の範囲の位相角に換算されて検出されることになる。
【0015】
一例として、前記基準電圧を発生する回路は、交流信号が印加されるように直列接続された2つのコイルを含み、該コイルの接続点より前記基準電圧を取り出すようにしたものである。これにより、基準電圧の温度ドリフト補償も行なうことができ、出力電圧及び基準電圧が共に温度ドリフト補償された正確なアナログ演算を行なうことができる。
【0016】
なお、磁気応答部材として、銅のような良導電体を使用した場合は、渦電流損によってコイルの自己インダクタンスが減少し、磁気応答部材のコイルに対する近接に伴い該コイルの端子間電圧が漸減することになる。この場合も、上記と同様に検出することが可能である。なお、磁性体(強磁性体)と非磁性・良導電体(反磁性体)とを組み合わせたハイブリッドタイプであってもよい。
【0017】
別の実施形態として、磁気応答部材として永久磁石を含み、コイルは磁性体コアを含むようにしてもよい。この場合は、コイルの側の磁性体コアにおいて永久磁石の接近に応じて対応する箇所が磁気飽和又は過飽和となり、該磁気応答部材すなわち永久磁石のコイルに対する相対的変位に応じて該コイルの端子間電圧が漸減することになる。
【0018】
かくして、この発明によれば、1次コイルのみを設ければよく、2次コイルは不要であるため、小型かつシンプルな構造の位置検出装置を提供することができる。また、出力電圧及び基準電圧が共に温度ドリフト補償された正確なアナログ演算を行なうことができ、温度変化の影響を排除した相対的位置検出を容易に行うことができる。勿論、基準電圧を発生する回路は、コイルに限らず、抵抗等、その他適宜の構成からなる電圧生成回路を使用してよい。なお、コイルと基準電圧の数は1又は2に限定されず、それ以上であってもよく、これに伴い、利用可能な位相角範囲を、ほぼ1象限(90度)分に限らず、更に拡大することも可能である。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照してこの発明の実施の形態を詳細に説明しよう。
図1(A)は、本発明に係わる荷重センサの一実施例を示す断面図である。図1(B)は、この荷重センサを、荷重受け部301の側から見た斜視図である。図1(C)は、この荷重センサにおける検出部100の拡大図である。
荷重センサは、全体として円形状のロードセル300と、該ロードセル300の所定箇所に配置された検出部100とを含む。ロードセル300は、中央に開孔304があり、その周囲がリング状の荷重受け部301となっていて、外周はリング形状の固定部302となっており、荷重受け部301と固定部302との間が可撓部303となっている。使用時においてこのロードセル300を荷重測定しようとする場所に設置する場合、固定部302を該場所にねじ等を介して取り付ける。固定部302の厚みは、中央の荷重受け部301の厚みよりも厚い。よって、ロードセル300をフラットな面に設置した場合、中央の荷重受け部301は浮いた状態となり、負荷される荷重に応じて変位しうる。ロードセル300の材質それ自体は剛性のある金属等からなり、荷重に応じた荷重受け部301の変位量は小さな変位でしかない。このようなロードセル300それ自体の構造は、公知の荷重計のロードセルと同様のものであってよい。公知の荷重計においてはロードセル300の可撓部303にストレインゲージが貼付られ、その歪に応じた出力をストレインゲージから得るようになっている。それに対して、本実施例では、固定部302と可撓部303との間に検出部100を設けている。荷重受け部301に対して図示の矢印P方向に加わる荷重の大きさに応じて該荷重受け部301が機械的に変位し、これに伴い可撓部303が固定部302に対して変位し、この微小な機械的変位量を検出部100で検出することで、加わった荷重の大きさを等価的に検出するデータを得る。
【0020】
検出部100は、ロードセル300の固定部302の側に片持ち支持された支持部材101と、この支持部材101の開放端側に配置された1個のセンサ用コイルL1と、ロードセル300の可撓部303に配置された磁気応答部材11とを含む。例えば、磁気応答部材11は棒状又は針状の短い突起からなり、センサ用コイルL1に非接触的に近接配置され、可撓部303の変位つまり荷重受け部301の変位に応じて、センサ用コイルL1の空間内に非接触的に侵入しうるようになっている。
磁気応答部材11は、例えば鉄のような磁性体(強磁性体)からなり、該磁気応答部材11のセンサ用コイルL1に対する侵入量(若しくは近接の度合い)が増すほど、該コイルL1の自己インダクタンスが増加して、該コイルL1の電気的インピーダンスが増加し、該センサ用コイルL1に生じる電圧、つまり端子間電圧(若しくは電圧降下)、が増加する。反対に、該磁気応答部材11のコイルL1に対する侵入量(若しくは近接の度合い)が減少するほど、該センサ用コイルL1のインダクタンスが減少して、該センサ用コイルL1の電気的インピーダンスが減少し、該コイルL1に生じる電圧、つまり端子間電圧、が減少する。こうして、検出対象の変位(つまり荷重の大きさ)に伴い、センサ用コイルL1に対する磁気応答部材11の相対的位置が所定の範囲にわたって変化する間で該コイルL1に生じる電圧、つまり端子間電圧は、増加若しくは減少変化することになる。
【0021】
検出部100においては、センサ用コイルL1の近傍に温度補償用コイルL2が設けられるが、両コイルは磁気的にシールドして、磁気応答部材11の変位の影響が温度補償用コイルL2に及ぼされないようにする。
図2に示すように、センサ用コイルL1は、交流発生源30から発生される所定の1相の交流信号(仮にsinωtで示す)によって定電圧又は定電流で励磁される。上述のように、センサ用コイルL1のインダクタンスは可撓部303の位置xに応じた磁気応答部材11の変位に応じて変化するため、図2の回路では等価的に可変インダクタンス要素として示している。温度補償用コイルL2がセンサ用コイルL1に直列接続されており、その接続点からセンサ用コイルL1の出力電圧Vxが取り出される。前述のとおり、温度補償用コイルL2は、磁気応答部材11の変位には応答せず、一定のインピーダンス(インダクタンス)を示すものであるので、図2の回路では等価的に固定インダクタンス要素として示している。温度補償用コイルL2は、できるだけセンサ用コイルL1と同等の温度ドリフト特性を示すように、センサ用コイルL1とできるだけ同一条件のコイル素子であることが好ましく、また、できるだけ同一環境下に配置されることが好ましい。センサ用コイルL1と温度補償用コイルL2の分圧比により、センサ用コイルL1の出力電圧Vxが取り出されるので、両コイルL1,L2の温度ドリフト特性が相殺され、センサ用コイルL1の出力電圧Vxは正確に温度補償されたものとなる。
【0022】
図3(A)は、検出対象たる荷重に応じた荷重受け部301の変位つまり可撓部303の変位(横軸x)に対応してセンサ用コイルL1に生じる電圧(たて軸)を例示するグラフである。横軸xに記したa,bは、検出可能範囲の始まりと終わりの位置に対応している。荷重受け部301つまり可撓部303の変位量は微小であるため、この検出可能範囲は例えば1乃至数mm程度の非常に僅かな範囲である。位置aは、可撓部303がセンサ用コイルL1から最も離れた位置であり、この位置ではセンサ用コイルL1のインピーダンスが最小のため、コイルL1に生じる電圧は最小レベル(最小振幅係数)である。位置bは、可撓部303ががセンサ用コイルL1から最も近づいた位置であり、この位置ではセンサ用コイルL1のインピーダンスが最大のため、コイルL1に生じる電圧は最大レベル(最大振幅係数)である。
【0023】
このように、センサ用コイルL1に生じる電圧は、可撓部303つまり磁気応答部材11が位置aからbまで動く間で、最小値から最大値まで漸増変化する。位置aにおいて最小値をとるコイルL1の出力電圧VxがPa sinωtであるとすると(Paは最小インピーダンス)、これを第1の基準電圧Vaとして設定する。すなわち、
Va=Pa sinωt
である。また、位置bにおいて最大値をとるコイルL1の出力電圧VxがPb sinωtであるとすると(Pbは最大インピーダンス)、これを第2の基準電圧Vbとして設定する。すなわち、
Vb=Pb sinωt
である。なお、各基準電圧Va,Vbは可変設定できる。これによって、検出対象範囲a〜bを可変設定できる。
【0024】
図2において、各基準電圧Va,Vbを発生するための回路として、2つのコイルLa1,La2を直列接続した回路と、2つのコイルLb1,Lb2を直列接続した回路とが設けられており、これらは交流発生源30からの交流信号によって駆動される。基準電圧VaはコイルLa1,La2の接続点から取り出され、基準電圧VbはコイルLb1,Lb2の接続点から取り出される。コイルLa1,La2,コイルLb1,Lb2の各対は、所望の基準電圧Va,Vbが得られるように、そのインピーダンス(インダクタンス)が適切に調整される。コイルLa1,La2の分圧比により基準電圧Vaが取り出されるので、コイルLa1,La2の温度ドリフト特性が相殺され、基準電圧Vaは正確に温度補償されたものとなる。同様に、コイルLb1,Lb2の分圧比により基準電圧Vbが取り出されるので、コイルLb1,Lb2の温度ドリフト特性が相殺され、基準電圧Vbは正確に温度補償されたものとなる。
【0025】
演算回路31Aは、センサ用コイルL1の出力電圧Vxから第1の基準電圧Vaを減算するもので、前記式(1)のように、コイルの出力電圧の振幅係数を関数A(x)で示すと、
Figure 0004573417
なる演算を行う。第1の基準電圧Vaによって設定した検出対象区間の始まりの位置aでは、A(x)=Paであることから、この演算結果の振幅係数「A(x)−Pa 」は「0」となる。一方、該検出対象区間の終わりの位置bでは、A(x)=Pbであることから、この演算結果の振幅係数「A(x) −Pa 」は「Pb−Pa 」となる。よって、この演算結果の振幅係数「A(x) −Pa 」は、該検出対象区間の範囲内において、「0」から「Pb −Pa 」まで漸増する関数特性を示す。ここで、「Pb −Pa 」は最大値であるから、これを等価的に「1」と考えると、前記式に従う交流信号の振幅係数「A(x) −Pa 」は、検出対象区間の範囲内において、図3の(B)に示すように、「0」から「1」まで変化することになり、この振幅係数の関数特性は、図3の(C)に示すようなサイン関数sinθの第1象限(つまり0度から90度の範囲)の特性になぞらえることができる。よって、前記式に従う交流信号の振幅係数「A(x) −Pa 」は、等価的にsinθ(ただし、大体、0°≦θ≦90°)を用いて表わせる。なお、図3(B),(C)では、位置xに対するサイン関数特性の振幅係数のカーブsinθのみを示しているが、実際の演算回路31Aの出力はこの振幅係数sinθに対応する振幅レベルを持つ交流信号sinθsinωtである。
【0026】
演算回路31Bは、センサ用コイルL1の出力電圧Vxと第2の基準電圧Vbとの差を求めるもので、前記式(2)のように、
Figure 0004573417
なる演算を行う。検出対象区間の始まりの位置aでは、A(x)=Paであることから、この演算結果の振幅係数「Pb −A(x) 」は「Pb −Pa 」となる。一方、第2の基準電圧Vbによって設定した該区間の終わり位置bでは、A(x)=Pbであることから、この演算結果の振幅係数「Pb −A(x) 」は「0」となる。よって、この演算結果の振幅係数「Pb −A(x) 」は、該検出対象区間の範囲内において、「Pb −Pa 」から「0」まで漸減する関数特性を示す。前記と同様に、「Pb −Pa 」を等価的に「1」と考えると、前記式に従う交流信号の振幅係数「Pb −A(x) 」は、検出対象区間の範囲内において、図3(B)に示すように、「1」から「0」まで変化することになり、この振幅係数の関数特性は、図3(C)に示すようなコサイン関数の第1象限(つまり0度から90度の範囲)の特性になぞらえることができる。よって、前記式に従う交流信号の振幅係数「Pb −A(x) 」は、等価的にcosθ(ただし、大体、0°≦θ≦90°)を用いて表わせる。この場合も、図3(B),(C)では、位置xに対するコサイン関数特性の振幅係数のカーブcosθのみを示しているが、実際の演算回路31Bの出力はこの振幅係数cosθに対応する振幅レベルを持つ交流信号cosθsinωtである。なお、演算回路31Bでの減算は「Vx−Vb」であってもよい。
【0027】
こうして、可撓部303の変位つまり検出対象位置xに応じてサイン及びコサイン関数特性に従う振幅をそれぞれ示す2つの交流出力信号sinθsinωtとcosθsinωtを生成することができる。これは一般にレゾルバといわれる位置検出器の出力信号の形態と同様のものであり、有効に活用することができる。例えば、演算回路31A,31Bで生成されたレゾルバタイプの2つの交流出力信号を位相検出回路(若しくは振幅位相変換手段)32に入力し、該2つの交流出力信号における振幅値の相関関係から該振幅値を規定する前記サイン及びコサイン関数sinθ及びcosθの位相値θを計測することで、検出対象位置をアブソリュートで検出することができる。この位相検出回路32としては、例えば本出願人の出願に係わる特開平9−126809号公報に示された技術を用いて構成するとよい。例えば、第1の交流出力信号sinθsinωtを電気的に90度位相シフトすることで、交流信号sinθcosωtを生成し、これと第2の交流出力信号cosθsinωtを加減算合成することで、sin(ωt+θ)およびsin(ωt−θ)なる、θに応じて進相および遅相方向に位相シフトされた2つの交流信号(位相成分θを交流位相ずれに変換した信号)を生成し、その位相θを測定することで、ストローク位置検出データを得ることができる。位相検出回路32は、専用回路(例えば集積回路装置)で構成してもよいし、プログラム可能なプロセッサまたはコンピュータを使用して所定のソフトウェアを実行することにより位相検出処理を行うようにしてもよい。あるいは、公知のレゾルバ出力を処理するために使用されるR−Dコンバータを、この位相検出回路32として使用するようにしてもよい。また、位相検出回路32における位相成分θの検出処理は、ディジタル処理に限らず、積分回路等を使用したアナログ処理で行ってもよい。また、ディジタル位相検出処理によって回転位相θを示すディジタル検出データを生成した後、これをアナログ変換して回転位置θを示すアナログ検出データを得るようにしてもよい。勿論、位相検出回路32を設けずに、演算回路31A,31Bの出力信号sinθsinωt及びcosθsinωtをそのまま出力するようにしてもよい。
【0028】
なお、図3(B)に示すように、サイン及びコサイン関数特性の交流出力信号sinθsinωt及びcosθsinωtにおける振幅特性は、位相角θと検出対象位置xとの対応関係が線形性を持つものとすると、図3(C)に示すような真のサイン及びコサイン関数特性を示していない。しかし、位相検出回路32では、見かけ上、この交流出力信号sinθsinωt及びcosθsinωtをそれぞれサイン及びコサイン関数の振幅特性を持つものとして位相検出処理する。その結果、検出した位相角θは、検出対象位置xに対して、線形性を示さないことになる。しかし、位置検出にあたっては、そのように、検出出力データ(検出した位相角θ)と実際の検出対象位置との非直線性はあまり重要な問題とはならない。つまり、所定の反復再現性をもって位置検出を行なうことができればよいのである。また、必要とあらば、位相検出回路32の出力データを適宜のデータ変換テーブルを用いてデータ変換することにより、検出出力データと実際の検出対象位置との間に正確な線形性を持たせることが容易に行なえる。よって、本発明でいうサイン及びコサイン関数の振幅特性とは、真のサイン及びコサイン関数特性を示していなければならないものではなく、図3(B)に示されるように、実際は三角波形状のようなものであってよいものであり、要するに、そのような傾向を示していればよい。つまり、サイン等の三角関数に類似した関数であればよい。なお、図3(B)の例では、観点を変えて、その横軸の目盛をθと見立ててその目盛が所要の非線形目盛からなっているとすれば、横軸の目盛をxと見立てた場合には見かけ上三角波形状に見えるものであっても、θに関してはサイン関数またはコサイン関数ということができる。
【0029】
ここで、更なる温度ドリフト特性の補償について説明する。前述した通りセンサ用コイルL1の出力電圧Vxと基準電圧Va,Vbはそれぞれ温度ドリフト補償されているものであるが、演算回路31A,31Bにおける差演算によって、同一方向のレベル変動誤差がもしあったとしてもこれも相殺されることになり、温度ドリフト特性がより一層確実に補償されることになる。
【0030】
基準電圧発生用の各コイルLa1,La2,Lb1,Lb2は、センサ用コイルL1と同等の特性のコイルを使用し、かつ、これらのコイルLa1,La2,Lb1,Lb2とセンサ用コイルL1と同様の温度環境に置く(つまりセンサ用コイルL1の比較的近くに配置する)のがよいが、これに限らず、別の配置でもよい。何故ならば、図2のような各対のコイルの直列接続とその接続点からの電圧取り出しによって、温度ドリフト補償が達成されているからである。よって、基準電圧発生用の各コイルLa1,La2,Lb1,Lb2は、演算回路31A,31Bの回路基板側に設けてもよい。
【0031】
センサ用コイルL1に直列接続する温度補償用コイルL2を省略する実施態様もありうる。図4はその一例を示す回路図であり、図2において基準電圧Va,Vbを発生する回路及びセンサ用コイルL1の出力電圧Vxを発生させる回路を変更した例であり、コイルL2に代えて抵抗素子R1が設けられており、コイルLa2、コイルLb2に代えて抵抗素子Ra1、Rb1が設けられている。この場合も、センサ用コイルL1の出力電圧Vxと基準電圧Va,Vbとを演算することで、図3と同様の動作で検出を行なうことができる。
【0032】
図5は、図2の変形例であり、1つの基準電圧Vbを発生し、センサ用コイルL1の出力電圧Vxと演算するようにした例である。基準電圧VNを発生するための回路として、2つのコイルLb1,Lb2を直列接続した回路を用いる。演算回路33Aで、センサ用コイルL1の出力電圧Vxと基準電圧Vbとを加算し、演算回路33Bで、センサ用コイルL1の出力電圧Vxから基準電圧Vbを減算する。これによって、演算回路33Aにおける加算結果Vx+Vbとして、サイン関数sinθの90°未満の狭い範囲での振幅特性に等価的になぞらえることができる振幅係数sinθを持つ出力交流信号sinθsinωtが得られる。また、演算回路33Bにおける減算結果Vx−Vbとして、コサイン関数sinθの90°未満の狭い範囲での振幅特性に等価的になぞらえることができる振幅係数cosθを持つ出力交流信号cosθsinωtが得られる。図5においても、温度補償用コイルL2,Lb2に代えて抵抗素子を用いる変形例があり得る。
【0033】
上記各実施例において、位置検出データを得るための構成は、図2等に示したような位相検出回路32を用いるものに限らず、図6(A)に示すように、電圧検出回路40を用いるようにしてもよい。図6(A)において、電圧検出回路40以外の構成は図2に示したものと同様である。要するに、電圧検出回路40では、演算回路31Aから出力される等価的にサイン関数の振幅特性を持つ交流信号sinθsinωtを整流回路41に入力し、交流信号成分を除去し、振幅電圧成分sinθのみに応答する直流の検出電圧V1を発生する。また、演算回路31Bから出力される等価的にコサイン関数の振幅特性を持つ交流信号cosθsinωtを整流回路42に入力し、交流信号成分を除去し、振幅電圧成分cosθのみに応答する直流の検出電圧V2を発生する。図6(B)は、検出対象位置xに対して示す各検出電圧V1,V2の特性例を示す。このような特性が得られる理由は図3(B)を参照して既に説明した通りである。このようにちょうど逆特性の2種類の検出電圧V1,V2をアナログで得ることができる。検出対象位置xの検出のためには、どちらか一方の検出電圧V1,V2のみを得るように一系列の整流回路だけで構成すれば足りるが、逆特性の2種類の検出電圧V1,V2を並列的に発生するようにすることにより、冗長性をもたせることができる。すなわち、どちらか一方の検出系列で何らかの故障が生じた場合に、適切に対処することができる。
【0034】
図7は、位相検出用アナログ回路32Aと電圧検出回路40とを併設し、位相検出と電圧検出のどちらでも採用できるようにした構成例を示す。図7は、図6(A)において位相検出用アナログ回路32Aが付加されたものと同じである。よって、位相検出用アナログ回路32A以外の構成についての説明は、図2及び図6(A)の説明を援用する。
【0035】
位相検出用アナログ回路32Aにおいて、演算回路31Aから出力された等価的にサイン関数の振幅特性を持つ交流信号A=sinθsinωtは、位相シフト回路19に入力され、その電気的位相が所定量位相シフトされ、例えば90度進められて、位相シフトされた交流信号A’=sinθ・cosωtが得られる。また、位相検出用アナログ回路32Aにおいては加算回路15と減算回路16とが設けられており、加算回路15では、位相シフト回路19から出力される上記位相シフトされた交流信号A’=sinθ・cosωtと、演算回路31Bから出力される等価的にコサイン関数の振幅特性を持つ交流信号B=cosθsinωtとが加算され、その加算出力として、B+A’=cosθ・sinωt+sinθ・cosωt=sin(ωt+θ)なる略式で表わせる第1の電気的交流信号Y1が得られる。減算回路16では、上記位相シフトされた交流信号A’=sinθ・cosωtと上記演算回路31Bから出力交流信号B=cosθ・sinωtとが減算され、その減算出力として、B−A’=cosθ・sinωt−sinθ・cosωt=sin(ωt−θ)なる略式で表わせる第2の電気的交流信号Y2が得られる。このようにして、検出対象位置(x)に対応して正方向にシフトされた電気的位相角(+θ)を持つ第1の電気的交流出力信号Y1=sin(ωt+θ)と、同じ前記検出対象位置(x)に対応して負方向にシフトされた電気的位相角(−θ)を持つ第2の電気的交流出力信号Y2=sin(ωt−θ)とが、電気的処理によって夫々得られる。
【0036】
加算回路15及び減算回路16の出力信号Y1,Y2は、夫々ゼロクロス検出回路17,18に入力され、それぞれのゼロクロスが検出される。ゼロクロスの検出の仕方としては、例えば、各信号Y1,Y2の振幅値が負極性から正極性に変化するゼロクロスつまり0位相を検出する。各回路17,18で検出したゼロクロス検出パルスつまり0位相検出パルスは、ラッチパルスLP1,LP2として出力される。ラッチパルスLP1,LP2は、図示しない位相ずれ測定装置に入力される。この位相ずれ測定装置では、基準交流信号源30から発生される基準交流信号sinωtの0位相時点から各ラッチパルスLP1,LP2の発生時点(立ち上がりトリガ時点)までの時間差をカウントし、ラッチパルスLP1に対応するカウント値を正方向にシフトされた位相角(+θ)の位相データとして検出し、ラッチパルスLP2に対応するカウント値を負方向にシフトされた位相角(−θ)の位相データとして検出する。これらの正方向及び負方向にシフトされた位相角+θ及び−θの位相検出データの利用方法については、前述した本出願人の出願に係る先願明細書に記載されているので、それと同様の手法で利用すればよい。
【0037】
なお、基準交流発生源30の発振回路そのものをコイル部10の側に設けた場合は、図7に示すように、基準交流発生源30から発生される基準交流信号を方形波変換回路20に入力し、基準交流信号sinωtに同期する方形波信号(パルス信号)を形成し、これを上記位相ずれ測定装置に入力してやる。その場合、位相ずれ測定装置では、入力された基準交流信号sinωtに同期する方形波信号(パルス信号)の立ち上がりに同期してクロックパルスカウントを行ない、各ラッチパルスLP1,LP2の発生時点(立ち上がりトリガ時点)でそのカウント値をラッチする構成を採用することで、上記のように正方向及び負方向にシフトされた位相角+θ及び−θの位相検出データをそれぞれ得ることができる。勿論、これに限らず、上記位相ずれ測定装置の側で、基準交流信号sinωtに同期する方形波信号(パルス信号)を発生し、この方形波信号(パルス信号)に基づきコイル部10の回路側でアナログフィルタ処理等をかけることで、アナログの基準交流信号sinωtを発生するようにしてもよい。その場合は、位相ずれ測定装置の側では、出力した基準交流信号sinωtに同期する方形波信号(パルス信号)の立ち上がりに同期してクロックパルスカウントを行ない、各ラッチパルスLP1,LP2の発生時点(立ち上がりトリガ時点)でそのカウント値をラッチする構成を採用すればよい。上記位相ずれ測定装置としては、CPUのようなソフトウェアプログラム処理可能なプロセッサを使用するとよい。なお、図6の回路において、電圧検出回路40の整流回路41に入力する信号として、演算回路31Aの出力信号A=sinθsinωtに代えて、位相シフト回路19からの出力信号A’=sinθcosωtを入力するようにしてもよい。
【0038】
なお、磁気応答部材11として、強磁性体の代わりに、銅のような非磁性・良導電体(つまり反磁性体)を使用してもよい。その場合は、渦電流損によってコイルのインダクタンスが減少し、磁気応答部材11の近接に応じてコイルの端子間電圧が減少することになる。この場合も、上記と同様に位置検出動作することが可能である。また、磁気応答部材11として、強磁性体と非磁性・良導電体(つまり反磁性体)を組合わせたハイブリッドタイプのものを用いてもよい。また、磁気応答部材11の形状・構造等は任意であり、例えば、適宜の漸減又は漸増形状であってよく、また所定の基材の表面上にめっき等で適宜の漸減又は漸増形状からなるパターンを形成したものであってもよい。また、センサ用コイルL1の数は1個に限らず、複数であってもよい。また、センサ用コイルL1の空間内に針状又は棒状の磁気応答部材11が侵入する構成に限らず、磁気応答部材11からなる面がセンサ用コイルL1に接近したり遠ざかったりする構成であってもよい。また、図1の検出部100において、磁気応答部材11の方を支持部材101に配置し、センサ用コイルL1の方を可撓部303に配置し、センサ用コイルL1の方が荷重に応じて微状変位するようにしてもよい。
【0039】
【発明の効果】
以上のとおり、この発明によれば、1次コイルのみを設ければよく、2次コイルは不要であるため、小型かつシンプルな構造の位置検出装置を用いて高精度の荷重センサを提供することができると共に、センサ用コイルに直列接続された温度補償用コイルを具備し、前記センサ用コイルと前記温度補償用コイルとの接続点より、前記センサ用コイルのインピーダンス変化に基づき変化する該センサ用コイルの出力電圧を取り出すようにしているので、同じコイルであることにより温度ドリフトを適正に相殺し、温度ドリフト補償済みの出力電圧を取り出すことができ、検出対象荷重に応じた微小な変位を正確に検出することができる、という優れた効果を奏する。
【0040】
また、検出対象荷重に応じた微小な変位に応じて生じるコイル出力電圧の漸増(又は漸減)変化特性を利用し、これを基準電圧と演算して組み合わせることにより、検出対象位置に応じて所定の周期関数特性に従う振幅をそれぞれ示す複数の交流出力信号(例えばサイン及びコサイン関数特性に従う振幅をそれぞれ示す2つの交流出力信号)を容易に生成し、これによっても、検出対象荷重に応じた微小な変位を正確に検出することができる、という優れた効果を奏する。また、基準電圧の発生にあたっては、交流信号が印加されるように直列接続された2つのコイルを含み、該コイルの接続点より基準電圧を取り出すようにすることにより、基準電圧の温度ドリフト補償も行なうことができ、出力電圧及び基準電圧が共に温度ドリフト補償された正確なアナログ演算を行なうことができることとなり、温度変化の影響を排除した位置検出を容易に行うことができる。更に、これら複数の交流出力信号における振幅値の相関関係から該振幅値を規定する所定周期関数(例えばサイン及びコサイン関数)における位相値を検出することで、検出対象の変位が微小でも高分解能での位置検出が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる荷重センサの一実施例を示す略図。
【図2】本発明の一実施例に係わる荷重センサのセンサ用コイルに関連する電気回路図。
【図3】図1の実施例の検出動作説明図。
【図4】本発明の一実施例に係わる荷重センサの変更例を示すセンサ用コイルに関連する電気回路図。
【図5】本発明の一実施例に係わる荷重センサの別の変更例を示すセンサ用コイルに関連する電気回路図。
【図6】検出位置に応じたアナログ直流電圧を発生するように構成してなる本発明に係る荷重センサのセンサ用コイルに関連する電気回路図。
【図7】電圧検出と位相検出の両機能を具備した本発明に係る荷重センサのセンサ用コイルに関連する電気回路図。
【符号の説明】
300 ロードセル
301 荷重受け部
302 固定部
303 可撓部
100 検出部
101 支持部材
11 磁気応答部材
30 交流発生源
31A,31B,33A,33B アナログ演算回路
32 位相検出回路
L1 センサ用コイル
L2 温度補償用コイル
La1,La2,Lb1,Lb2, 基準電圧発生用コイル
40 電圧検出回路
41,42 整流回路

Claims (7)

  1. 検出対象たる荷重を受けて変位する荷重受け部と、
    交流信号で励磁されるセンサ用コイルを配置してなるコイル部及び該コイル部に対して相対的に変位する磁気応答部材を含み、該コイル部に対する該磁気応答部材の相対的位置が前記荷重受け部の変位に連動して変位する検出部と、
    前記センサ用コイルに直列接続された温度補償用コイルと、
    前記センサ用コイルと前記温度補償用コイルとの接続点より、前記センサ用コイルのインピーダンス変化に基づき変化する該センサ用コイルの出力電圧を取り出す回路と
    交流信号からなる基準電圧を発生する回路と、
    前記センサ用コイルの出力電圧と前記基準電圧と演算することで、サイン関数及びコサイン関数を振幅係数として持つ交流出力信号を少なくとも2つ生成する演算回路であって、前記サイン関数及びコサイン関数の前記振幅係数が前記荷重受け部の変位すなわち前記検出対象たる荷重にそれぞれ相関しているものと
    を具え、前記演算回路によって生成された前記交流出力信号が持つ前記振幅係数に基づき前記検出対象たる荷重を示す情報を得ることを特徴とする荷重センサ。
  2. 検出対象たる荷重を受けて変位する荷重受け部と、
    交流信号で励磁されるセンサ用コイルを配置してなるコイル部及び該コイル部に対して相対的に変位する磁気応答部材を含み、該コイル部に対する該磁気応答部材の相対的位置が前記荷重受け部の変位に連動して変位する検出部と、
    交流信号からなる基準電圧を発生する回路と、
    前記センサ用コイルの出力電圧と前記基準電圧と演算することで、サイン関数及びコサイン関数を振幅係数として持つ交流出力信号を少なくとも2つ生成する演算回路であって、前記サイン関数及びコサイン関数の前記振幅係数が前記荷重受け部の変位すなわち前記検出対象たる荷重にそれぞれ相関しているものと
    を具え、前記演算回路によって生成された前記交流出力信号が持つ前記振幅係数に基づき前記検出対象たる荷重を示す情報を得ることを特徴とする荷重センサ。
  3. 前記基準電圧を発生する回路は、交流信号が印加されるように直列接続された2つのコイルを含み、該コイルの接続点より前記基準電圧を取り出すようにした請求項又はに記載の荷重センサ。
  4. 前記基準電圧を発生する回路は、第1及び第2の基準電圧を発生し、
    前記演算回路は、前記センサ用コイルの出力電圧と前記第1及び第2の基準電圧とを用いて所定の第1の演算及び第2の演算をそれぞれ行うことで、第1の振幅関数を振幅係数として持つ第1の交流出力信号と、第2の振幅関数を振幅係数として持つ第2の交流出力信号とをそれぞれ生成するものである請求項又はに記載の荷重センサ。
  5. 前記第1及び第2の基準電圧は、前記第1及び第2の交流出力信号における前記第1及び第2の振幅関数の周期特性における特定の位相区間を定めるものであり、この第1及び第2の基準電圧を可変することで、該特定の位相区間と前記相対的位置の変化範囲との対応関係を可変できることを特徴とする請求項に記載の荷重センサ。
  6. 前記基準電圧を発生する回路は、交流信号が印加されるように直列接続された2つのコイルを含む第1の回路と、交流信号が印加されるように直列接続された2つのコイルを含む第2の回路とを含み、該第1の回路のコイルの接続点より前記第1の基準電圧を取り出し、該第2の回路のコイルの接続点より前記第2の基準電圧を取り出すようにした請求項に記載の荷重センサ。
  7. 前記直列接続された2つのコイルは磁性体コアを有し、該2つのコイルのそれぞれに対する磁性体コアの配置を調整することで、コイルのインピーダンスを調整し、もって該2つのコイルの接続点より取り出される基準電圧のレベルを調整できるようにした請求項又はに記載の荷重センサ。
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