JP4074188B2 - インクリメンタルエンコーダの計数装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電磁誘導式、静電容量式等のインクリメンタルエンコーダの計数装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
2つの部材の相対移動量を測定するエンコーダには、その出力信号の形態によって、インクリメンタル(INC)型とアブソリュート(ABS)型の2種類がある。電磁誘導式の場合、INC型は、例えば特許文献1に示すように、可動部(読出しヘッド等)が移動することにより生じる周期信号(誘導電流)を所定のサンプリング周期でサンプリングしてこのサンプリング結果に基づいて可動部の相対的な変位量を測定する。これに対しABS型は、ピッチが異なる複数種類のスケールから得られる周期信号を復調し、各復調信号から絶対位置に相当する位相情報をそれぞれ求め、これに基づいて可動要素の絶対位置の検出を可能としたものである。
【0003】
ABS型の測定システムは、計算処理量がINC型よりも大きくなるというデメリットがある反面、測定位置において位相情報を取得するのみで演算を実行することができる。このため、測定位置以外では演算制御部の間欠動作を行うことにより、消費電流の低減を図ることもできる。
一方INC型は、演算量はABS型に比べて少ないというメリットがある反面、測定位置においてのみならず、基準位置と測定位置の間においても、周期信号を順次サンプリングしなければならない。具体的には、周期信号の周期の2分の1以下のサンプリング周期で周期信号のサンプリングを行わなければならない。
【0004】
【特許文献1】
特開平10−318781号公報(第8頁〜10頁)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記の周期信号の周期は、エンコーダの可動部の速度に反比例して短くなる。このため、可動部の速度が速くなると、サンプリング周期も短くする必要がある。
このとき、サンプリング結果1つ1つに対し可動部の移動量の演算を行うとすると、演算負荷が大きくなり、サンプリング周期内において移動量の演算を行うことができないことになり、結果として、可動部の移動速度の上限(以下、応答速度という)を低く抑えなければならないことになる。ABS型のように、可動部の移動中に間欠動作を行うとすると、この応答速度は一層低いものとなってしまう。
【0006】
また、動作周波数の大きいCPUを用いるなどして演算時間の短縮を図ることも可能であるが、この場合には、消費電力が増大するという問題が新たに生じる。手持ち式のデジタルノギス等の場合、電池の寿命等の関係から、動作周波数の大きいCPUを搭載することは困難である。
本発明は、上記の点に鑑み、十分な可動部の移動速度を確保しつつ、適宜間欠動作も行うことができ、これにより消費電力の増大を抑えることの出来るインクリメンタルエンコーダの計数装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上述の課題達成のため、本発明に係るインクリメンタルエンコーダの計数装置は、対向配置される2つの部材の相対移動に従って出力される周期信号に基づいて、表示更新周期で前記2つの部材の相対移動量を演算し出力するインクリメンタルエンコーダの計数装置において、前記周期信号を前記表示更新周期よりも短い第1のサンプリング周期でサンプリングする第1サンプリング手段と、前記サンプリングの結果に基づき前記周期信号の波数をカウントする波数カウント手段と、前記周期信号を、前記表示更新周期に対応した第2のサンプリング周期でサンプリングする第2サンプリング手段と、前記第2サンプリング手段のサンプリング結果に基づき前記周期信号の1周期内における前記2つの部材の相対移動量を、前記第2のサンプリング周期内で前記第1のサンプリング周期ごとに時分割で演算する演算手段とを備えたことと特徴とする。
【0008】
本発明は、表示部の表示更新周期は、周期信号のサンプリング周期に比べ、十分に長い時間とすることができることに着目したものである。発明者らの知見によれば、表示部の表示更新周期は、例えば125 ms程度としても、ユーザの使い勝手はさほど低下しない。一方、周期信号のサンプリング期間は、応答速度に合わせたものとする必要があり、場合によっては数msかそれ以下となることもあり得る。このため、本発明では、第1のサンプリング手段により第1のサンプリング周期でサンプリングし、周期信号の波数を、サンプリング周期に合わせて波数カウント手段でカウントする。一方、第2のサンプリング手段により、前記表示部の表示更新周期を考慮した第2のサンプリング周期で前記周期信号をサンプリングする。このサンプリング結果に基づき前記周期信号の1波長の範囲内における移動量を、第1のサンプリング周期毎に、時分割で演算する。これにより、第1のサンプリング周期が短くなったとしても、移動量の演算はこの第1のサンプリング周期よりも十分長い第2のサンプリング周期内に行えばよいことになり、計数装置の消費電力の抑制と、応答速度を高く保つことの両方の要請を同時に満たすことができる。
【0009】
本発明は、対向配置される2つの部材の一方に設置された磁界発生器より発生する変動磁界により他方の部材に設置された受信電極に誘導電流を生じさせ、前記2つの部材の相対移動に従って出力される周期信号に基づき、表示更新周期で前記2つの部材の相対移動量を演算して出力する電磁誘導式インクリメンタルエンコーダの計数装置に適用することができる。また、本発明において、前記時分割で実行される演算の各処理は、前記第1のサンプリング周期内の前記波数カウント手段によるカウント動作が行われていない合間の時間で実行されるようにするのが好適である。また、前記第2のサンプリング手段によるサンプリングは、前記表示更新周期において少なくとも1回行われるようにすることができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、添付の図面を参照してこの発明の好ましい実施の形態について説明する。図1及び図2は、この発明の実施の形態に係るインクリメンタルタイプの電磁誘導式ロータリエンコーダの要部を示す図である。
図1は、エンコーダの全体の構造の概要を示し、図2は各部の詳細な構造を抜粋的に示している。なお、図2は理解の容易のため直線的に表現されているが、実際は図1のように円弧状に形成されている。
【0011】
図1に示すように、本実施の形態のインクリメンタルタイプの電磁誘導式ロータリエンコーダ1は、所定ギャップを介して対向配置され、測定軸114の方向に回転する第一の部材である読み出しヘッド100と第二の部材であるスケール200とを有する。
読み出しヘッド100側には、変動磁界を発生させる磁界発生器111が設けられ、スケール200側には、磁界発生器111で発生された変動磁界による誘導電流を発生させるための受信電極として機能する結合ループ251A、251Bが設けられている。また、読み出しヘッド100側には、結合ループ251A、251Bで発生した誘導電流により発生する磁界を検出するための磁束センサ124、126、128が設けられている。
【0012】
磁界発生器111は、第一の磁界発生器部分111Aと第二の磁界発生器部分111Bを有する。第一の磁界発生器部分111Aは読み出しヘッド100の外周側のエッジに測定軸114を長手方向として配置され、第二の磁界発生器部分111Bは磁束センサ124、126、128を挟んで第一の磁界発生器部分111Aと反対側に測定軸114を長手方向として配置されている。
【0013】
結合ループ251Aは、第一極性を有する複数の閉ループであり、第1の部分252と第2の部分253とを一対の接続導体254で接続して構成されている。同様に結合ループ251Bは、第二極性の複数の閉ループであり、第1の部分252´と第2の部分253´とを一対の接続導体254´で接続して構成されている。第一の部分252、252´は、磁界発生器111Aが配置されている第一の磁束領域内に配置され、第二の部分253、253´は磁束センサ124、126、128が配置される第二の磁束領域内に配置されている。結合ループ251Aと251Bは互いに電気的に分離されている。
【0014】
複数の第一の結合ループ251Aは、第一の部分252がスケール200の円周外側に測定軸114に沿って円弧を描くように配列されている。また、第二の部分253は、スケール200の回転中心側に測定軸114に沿って円弧を描くように配列されている。
同様に、複数の第二の結合ループ251Bは、第一の部分252´がスケール200の回転中心側に測定軸114に沿って円弧を描くように配列されている。第二の部分253´は、測定軸114に沿って、第1の結合ループ251Aの第二の部分253とインターリーブされて配列されている。
【0015】
磁界発生器111の端子112A、112Bは、送信用の励振信号発生器150に接続されている。励振信号発生器150は、コントロールユニット160からの制御信号に従って、磁界発生器111の端子112Aに時間的に変化する励振信号を供給する。これにより、端子112Aから磁界発生器111を通って端子112Bに時間的に変化する電流が流れる。これに応じて、第一の磁界発生器部分111Aは、その磁界発生器部分111Aの内側で図2の紙面から立ち上がって、磁界発生器部分111Aが作るループの外側で図1の紙面に降りる一次磁界を発生する。
【0016】
これに対して、第二の磁界発生器部分111Bは、その磁界発生器部分111Bが作るループの外側で図2の紙面から立ち上がって、磁界発生器部分111Bが作るループの内側で図2の紙面に降りる一次磁界を発生する。これによって、結合ループ251A及び251Bには磁界変化を打ち消すように電流が誘導される。即ち、結合ループの第一の部分252、252´に流れる誘導電流は、それぞれ磁界発生器部分111A、111Bの対応する近接部分に流れる電流と逆方向となる。第二の部分253と253´の隣接するものには、逆極性のループ電流が流れる。これにより、逆極性の磁界部分が測定軸114方向に周期的に分布するように二次磁界が発生される。周期的な二次磁界の波長λは、連続する第二の部分253(又は253´)の間の間隔に等しい。
【0017】
磁束センサ124、126、128はそれぞれ、読み出しヘッド100を構成するプリント回路基板の絶縁層の両側に形成された複数の正弦波形の一部をなす導体セグメント129及び129´により形成される。セグメント129と129´は貫通配線130を介して連結されて、磁束センサ124、126、128のそれぞれにおいて交互に正極性ループ132と負極性ループ134を形成する。即ち、隣接する正極性ループ132と負極性ループ134の対で測定軸114方向に一波長λとなり、且つ各磁束センサ124、126、128の間にλ/3の位相ズレを持つように、空間的に幅が変調された周期的パターンの誘導性領域が配列形成されたことになる。
【0018】
磁界発生器111から磁束センサ124、126、128への電気的な無駄な結合(位置及びスケールに依存しない誘導電流の変化)は以上の様な構成によって避けられる。即ち、第一及び第二の磁界発生器部分111Aおよび111Bにより発生される一次磁界は、磁束センサ124、126、128の近くで逆方向を向く。従って、一次磁界は、磁束センサ124、126、128の占有領域内で互いに打ち消し合う。理想的には、一次磁界はこの領域で完全に打ち消されるようにする。
【0019】
測定動作においては、励振信号発生器150から時間的に変化する励振信号が磁界発生器端子112Aに与えられる。これにより、第一の磁界発生器部分111Aは、第一の方向の第一の変動磁界を発生し、第二の磁界発生器部分111Bは第一の方向と反対の第二の方向の第二の変動磁界を発生する。
【0020】
複数の第一の結合ループ251Aは、第一の磁界発生器部分111Aにより発生される第一の磁界によって第一の磁界発生器部分111Aと誘導的に結合される。これにより、第一の結合ループ251Aのそれぞれに誘導電流が時計回りに流れる。
同時に、複数の第二の結合ループ251Bは第二の磁界発生器部分111Bにより発生される第二の磁界により第二の磁界発生器部分111Bに誘導的に結合される。これは第二の結合ループ251Bのそれぞれに反時計回りの電流を誘導する。
即ち、結合ループ251A及び251Bの第二の部分253及び253´を通って反対方向に電流が流れる。
【0021】
第一の結合ループ251Aの第二の部分253に流れる時計回りの電流は、第二の部分253内で図2の紙面に降りる方向に第三の磁界を発生させる。第二の結合ループ251Bの第二の部分253´に流れる反時計回りの電流は第二の部分253´内で図1の紙面から立ち上がる方向に第四の磁界を発生させる。これにより、測定軸114に沿って正味の変動磁界が形成される。この変動磁界は磁束センサ124、126、128の波長λと等しい波長を持つ。
【0022】
第一の磁束センサ124により移動角度θの関数として得られて受信信号処理回路140に送られる出力信号は、第二の磁束センサ126により移動角度θの関数として得られて受信信号処理回路140に送られる出力信号に対して、120°位相がずれる。
同様に第三の磁束センサ128により移動角度θの関数として得られて受信信号処理回路140に送られる出力信号は、第二の磁束センサ126により移動角度θの関数として得られて受信信号処理回路140に送られる出力信号に対して、120°位相がずれる。
【0023】
受信信号処理回路140は磁束センサ124、126、128からの出力信号を所定のサンプリング周期Tsでサンプリングし、これをディジタル値に変換してコントロールユニット160に送る。このサンプリング周期Tsは、読み出しヘッド100とスケール200との間の相対移動の速度として許容される最大値(以下、応答速度という)と、前述の波長λの関係で決定される。例えば、応答速度が20 rpsであり、測定軸114の1周の長さが3 ×λである場合には、サンプリング周期Tsは1/(20×3×2)=8.34 msより小さくする必要がある。ここでは、Ts=8.33 msに設定するものとして説明する。
【0024】
コントロールユニット160は、ディジタル化された磁束センサ124、126、128からの出力信号をサンプリング周期Tsで処理して、この出力信号の波数Nwをカウントする。また、出力信号1波長λの範囲内における位相角を演算し、これに基づいて1波長λの範囲内における移動角度θを演算する。また、コントロールユニット160は、磁束センサ124、126、128の出力の位相差に基づいて、読み出しヘッド100とスケール200の間の相対移動の方向を決定する。また、コントロールユニット160は波数Nw及び移動角度θを用いて、読み出しヘッド100とスケール200の間のある原点からの相対移動角度θtを出力する。また、コントロールユニット160は送信用励振信号発生器150に制御信号を送って時間的に変化する励振信号を発生させる。
【0025】
表示部300は、コントロールユニット160で演算された読出しヘッド100の移動角度θtを表示するためのものである。
【0026】
次に、この受信信号処理回路140とコントロールユニット160の具体的な構成を図3に基づいて説明する。受信信号処理回路140は、3つのサンプルホールド回路141、142、143と、3つのA/D変換回路144、145、146とから構成される。
サンプルホールド回路141、142、143は、演算制御回路167からサンプリング周期Ts毎に送信される制御信号を受信するたびに、それぞれ磁束センサ124、126、128の出力信号を新たに一時保持するように構成されている。A/D変換回路144、145、146は、それぞれサンプルホールド回路141、142、143の出力をディジタル値に変換するためのものである。
【0027】
コントロールユニット160は、比較回路161、162、163と、記憶部164と、波数カウント部165と、1波長内移動量演算部166と、演算制御回路167と、表示制御部168とを備えている。
比較回路161、162、163は、それぞれ、A/D変換回路144、145、146からの出力値を所定の閾値と比較し、1ビットのディジタル値に変換するものである。これにより、磁束センサ124、125、126からの出力信号VR、VS、VTは、図4に示すように、それぞれ1ビットのパルス周期信号VR´、VS´、VT´に変換される。波数カウント部165は、この1ビット信号の状態に基づき、出力信号の波数Nwをカウントする。
【0028】
記憶部164は、スイッチSWを備えている。スイッチSWは、サンプリング周期Tsよりも長い周期Ts´でサンプルホールド回路141、142、143のサンプリング信号をさらにサンプリングして記憶部164に記憶させるためのものである。ここでは、表示部300の表示更新周期が125 ms程度でも、ユーザの使い勝手はさほど低下しないことを考慮し、Ts´を、表示更新周期と同一の、Tsの15倍(125 ms)に設定する。この記憶部164のサンプリング動作は、この表示更新周期内で1回行えば足りるから、以下では、表示更新周期とこの記憶部164でのサンプリング周期とを同一として説明する。しかし、両者は必ずしも同一とする必要はなく、以下の説明は本発明の範囲を限定するものではない。
【0029】
1波長内移動量演算部166は、記憶部164に記憶された出力信号VR、VS、VTのサンプリング値に基づき、この出力信号VR、VS、VTのうちの任意の2つ、例えばVSとVTの信号を減算して信号VQを生成する。この信号VQは、残りの信号VRと90度位相差の2相信号となる。この2相信号VR、VQから、一波長λの範囲内における相対的な移動角度θが、次の数式に示す演算(以下、tan-1演算という)により求められ演算制御回路167に出力される。
【0030】
【数1】
θ=A(λ/2π)tan-1[−VQ/VR・√3]
(Aは定数)
【0031】
波数カウント部165でのカウント処理は、ディジタル値に変換された3つのサンプリング信号の1、0の周期を判定するだけの簡単な処理である一方、1波長内移動量演算部166における移動角度θの演算は、3相信号VR、VS、VTを2相信号VQ、VRに変換する手順と、上述のtan-1演算という複雑な演算となる。これを所要時間に換算すると、前者の演算は4ビットCPUを使用した場合でも1 ms程度で完了するのに対し、後者の演算は、同様の環境下で25 ms程度が必要である。出力周期信号VR、VS、VTの取得に2.5 ms程度要するとすると、信号VR、VS、VTを取得してから移動角度θtが演算されるまでの時間は、28.5 msとなる(図5(a))。従って、サンプリング周期Tsが8.33 msというオーダーであると、サンプリング期間内に演算を終えることができない(応答速度超過(オーバースピード))ということになってしまう。
【0032】
そこで、本実施の形態では、図5(b)に示すように、サンプルホールド回路141−143のサンプリング処理(▲1▼)と波数カウント部165の波数Nwのカウント処理(▲2▼)をサンプリング周期Ts=8.33 msごとに行う。表示更新周期Ts´=125 ms内で見ると、この波数Nwのカウントは15回行われることになる。
一方、1波長内移動量演算部166により1波長λの範囲内における移動角度θの演算を実行し、このθと波数Nwとに基づき移動角度θtを演算し表示部300に表示させる処理(以下、測定データ演算表示処理)は、表示更新周期Ts´の冒頭でのサンプルホールド回路141−143のサンプリング処理(図5(b)のBS)により得られたデータに基づき、表示更新周期Ts´=125 ms内において複数回に分割して実行する。上記の例の場合、図5に示すように、この測角データ演算表示処理を、15個のステップ(ステップ1)、2)、3)、…15))に分割し(各ステップの所要時間は、25/15=1.67ms)、各波数Nwのカウント処理(▲2▼)の直後に実行させるのが好適である。
分割して実行するのは、図5(B)に示すように、波数Nwのカウント処理(▲2▼)と、そのためのサンプルホールド回路141−143のサンプリング処理(▲1▼)をサンプリング周期Tsごとに行う必要があるため、測角データ演算表示処理は、この合間に行う必要があるためである。
【0033】
このようなデータ処理によると、出力周期信号VR、VS、VTをサンプルホールド回路141、142、143でサンプリングする取得処理(▲1▼、所要時間2.5 ms程度)、波数Nwのカウント処理(▲2▼)、測定データ演算表示処理の各分割ステップの時間を合計しても2.5+1+1.67=5.17 msとなり、サンプリング期間Tsが8.34 msでも十分な余裕があり、その余裕の時間で受信信号処理回路140、及びコントロールユニット160の間欠動作(HALT)を実行することができる(上記例だと、HALTの時間は3.16 ms)。実際には、処理▲1▼と処理1)、2)、3)、…又は15)とは、それぞれ受信信号処理回路140、コントロールユニット160で並行処理され得るので、HALTの時間はこれよりも長くすることができる。
【0034】
表示制御部168は、演算制御回路167で、周期Ts´(=15×Ts=125 ms)ごとに新たな演算値である移動角度θtが演算されるたび、その新たな演算値である移動角度θtを表示部300に表示させる。
【0035】
以上、実施の形態について数値を挙げて説明したが、上記例は一例に過ぎない。例えば、上記測定データ演算表示処理において、分割ステップの分割数の決め方には上記例に限られるものではない。上記例では、表示更新周期Ts´を125msとしたが、これは要求に応じて長短いずれにも変更することができる。例えば表示更新周期Ts´を85ms程度としたいのであれば、この85msの間にサンプリング周期Ts=8.33msのサンプリング処理を10回行うことができるから、測定データ演算表示処理を10分割して行うこととすればよい。
また、上記例では、測定データ演算表示処理の分割処理を、波数カウント部165による1回のカウント処理が行われるごとに行っているが、必ずしも毎回行う必要はなく、1回飛ばしで行っても構わない(例えば、2回の波数Nwのカウント処理毎に1回分割処理を行う等)。また、上記実施の形態では電磁誘導式のロータリエンコーダを例にとって説明したが、本発明は電磁誘導式のリニアエンコーダにも適用できることはいうまでもない。
【0036】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明に係るインクリメンタルエンコーダの計数装置によれば、十分な可動部の移動速度を確保しつつ、適宜間欠動作も行うことができ、これにより消費電力の増大を抑えることが出来るという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態に係るインクリメンタルタイプの電磁誘導式ロータリエンコーダの全体の構造の概要を示す。
【図2】 この発明の実施の形態に係るインクリメンタルタイプの電磁誘導式ロータリエンコーダエンコーダの詳細な構造を抜粋的に示している。
【図3】 図2に示す受信信号処理回路140とコントロールユニット160の具体的な構成を示している。
【図4】 図2に示す磁束センサ124,126,128から出力される周期信号周期信号VR、VS、VT、及びこれらを1ビットディジタル信号に変換したパルス周期信号VR´、VS´、VT´の波形図である。
【図5】 本実施の形態によるデータ処理の手順を示す概念図である。
【符号の説明】
100…読み出しヘッド、 200…スケール、 111…磁界発生器、 111A…第一の磁界発生器部分、 111B…第二の磁界発生器部分、 112A、112B…端子、 124、126、128…磁束センサ、129,129´…セグメント、 114…測定軸、 140…受信信号処理装置、 141、142、143…サンプルホールド回路、 144、145、146…A/D変換回路、 150…送信用励振信号発生器、 160…コントロールユニット、161、162、163…比較回路、 164…記憶部、 165…波数カウント部、 166…1波長内移動量演算部、 167…演算制御回路、 168…表示制御部、 251A、251B…結合ループ、 252、252´…第1の部分、253、253´…第2の部分、 254、254´…一対の接続導体、 300…表示部

Claims (4)

  1. 対向配置される2つの部材の相対移動に従って出力される周期信号に基づいて表示更新周期で前記2つの部材の相対移動量を演算し出力するインクリメンタルエンコーダの計数装置において、
    前記周期信号を前記表示更新周期よりも短い第1のサンプリング周期でサンプリングする第1サンプリング手段と、
    前記サンプリングの結果に基づき前記周期信号の波数をカウントする波数カウント手段と、
    前記周期信号を、前記表示更新周期に対応した第2のサンプリング周期でサンプリングする第2サンプリング手段と、
    前記第2サンプリング手段のサンプリング結果に基づき前記周期信号の1周期内における前記2つの部材の相対移動量を、前記第2のサンプリング周期内で前記第1のサンプリング周期ごとに時分割で演算する演算手段とを備えたことと特徴とするインクリメンタルエンコーダの計数装置。
  2. 前記時分割で実行される演算の各処理は、前記第1のサンプリング周期内の前記波数カウント手段によるカウント動作が行われていない合間の時間で実行する請求項1に記載のインクリメンタルエンコーダの計数装置。
  3. 前記第2のサンプリング手段によるサンプリングは、前記表示更新周期において少なくとも1回行われることを特徴とする請求項1又は2に記載のインクリメンタルエンコーダの計数装置。
  4. 対向配置される2つの部材の一方に設置された磁界発生器より発生する変動磁界により他方の部材に設置された受信電極に誘導電流を生じさせ、前記2つの部材の相対移動に従って出力される周期信号に基づいて、表示更新周期で前記2つの部材の相対移動量を演算して出力する電磁誘導式インクリメンタルエンコーダの計数装置において、
    前記周期信号を前記表示更新周期よりも短い第1のサンプリング周期でサンプリングする第1サンプリング手段と、
    前記サンプリングの結果に基づき前記周期信号の波数をカウントする波数カウント手段と、
    前記周期信号を、前記表示更新周期に対応した第2のサンプリング周期でサンプリングする第2サンプリング手段と、
    前記第2サンプリング手段のサンプリング結果に基づき前記周期信号の1周期内における前記2つの部材の相対移動量を、前記第2のサンプリング周期内で前記第1のサンプリング周期毎に時分割で演算する演算手段とを備えたことを特徴とする電磁誘導式インクリメンタルエンコーダの計数装置。
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