JP3366855B2 - 誘導型位置検出装置 - Google Patents

誘導型位置検出装置

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JP3366855B2 JP10128698A JP10128698A JP3366855B2 JP 3366855 B2 JP3366855 B2 JP 3366855B2 JP 10128698 A JP10128698 A JP 10128698A JP 10128698 A JP10128698 A JP 10128698A JP 3366855 B2 JP3366855 B2 JP 3366855B2
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  • Measurement Of Length, Angles, Or The Like Using Electric Or Magnetic Means (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、誘導電流型の位
置検出装置に係り、特に改良された巻線構成をもって有
効出力信号成分の比率、即ち測定位置に無関係な信号成
分(オフセット成分)に対する位置信号成分の比率を増
大させたリニア型及びロータリ型の位置トランスジュー
サに関する。
【0002】
【従来の技術】1996年5月16日に出願され、その
全てがこの出願に組み込まれる米国特許出願第08/4
41,769号は、インクリメンタル型の誘導電流型位
置トランスジューサを開示している。1996年5月1
3日に出願され、その全てがこの出願に組み込まれる米
国特許出願第08/645,483号は、誘導電流型位
置トランスジューサを用いた電子ノギスを開示してい
る。これらはいずれも、誘導電流型位置トランスジュー
サのための信号処理技術を開示している。
【0003】これらの関連出願の誘導電流型位置トラン
スジューサは一般的に、図1及び図2に示される。図1
に示すように、誘導電流型位置トランスジューサ100
は、スケール110に対して相対移動可能な読み出しヘ
ッド120を有する。スケール110及び読み出しヘッ
ド120は好ましくは、標準的なプリント回路技術を用
いたプリント回路基板に形成される。複数の磁束変調器
112が、以下に詳細に説明するように、トランスジュ
ーサ100の測定軸に沿って波長λに等しいピッチで分
散配置される。磁束変調器112は、測定軸に沿ってλ
/2の幅を有し、測定軸に直交する方向に幅dを有す
る。
【0004】読み出しヘッド120は、励振信号発生器
150に接続された一般に矩形の送信巻線122を有す
る。励振信号発生器150は、送信巻線122に時間的
に可変の励振信号を与える。時間的に可変の励振信号は
好ましくは、高周波の正弦波信号,パルス信号或いは指
数関数的に減衰する正弦波信号とする。時間的に可変の
励振信号が送信巻線に与えられると、送信巻線122に
流れる時間的に可変の電流がこれに対応して時間的に可
変の或いは変化する磁束を発生する。送信巻線122は
一般的に矩形に作られるから、発生する磁束は送信巻線
の中心部の磁束領域内で実質的に一定となる。
【0005】読み出しヘッド120はまた、送信巻線1
22の内側の磁束領域内に位置する第1の受信巻線12
4と第2の受信巻線126を有する。第1の受信巻線1
24と第2の受信巻線126はそれぞれ、複数の第1の
ループセグメント128と第2のループセグメント12
9により作られている。第1のループセグメント128
はプリント回路基板の一方の面に形成され、第2のルー
プセグメント129はプリント回路基板の他方の面に形
成されている。プリント回路基板の層は、第1のループ
セグメント128と第2のループセグメント129の間
の電気的絶縁の作用をする。各第1のループセグメント
128の各端子は、プリント回路基板に形成された貫通
配線130を介して第2のループセグメント129の一
つの一方の端子に接続されている。
【0006】第1及び第2のループセグメント128及
び129は好ましくは、正弦波状に形成されている。従
って、図1に示すように、それぞれ受信巻線124及び
126を形成する第1及び第2のループセグメント12
8及び129は、波長λの正弦波状周期パターンを形成
する。この様に、受信巻線124及び126はそれぞれ
複数のループ132及び134をもって形成される。第
1及び第2の受信巻線124及び126のそれぞれのル
ープ132及び134は、測定軸に沿ってλ/2の幅を
有する。従って、隣接するループ132と134の各対
は、λの幅を有する。更に、第1及び第2のループセグ
メント128及び129は、隣接するループ132と1
34の各対で正弦波一周期を構成する。即ち、λは、第
1及び第2の受信巻線124及び126の正弦波波長に
対応する。第2の受信巻線126は、第1の受信巻線1
24から測定軸に沿ってλ/4だけオフセットしてい
る。即ち第1及び第2の受信巻線124及び126は矩
象(位相が90°ずれた状態)にある。
【0007】励振信号源150から発生される変化する
励振信号は、電流が第1の端子122Aから送信巻線1
22を通って第2の端子122Bに出るように、送信巻
線122に与えられる。これにより、送信巻線122に
より発生される磁界は、送信巻線122内で図1の面に
上から降りて、送信巻線122の外側で下から図1の面
に出るように立ち上がる。従って、送信巻線122の内
側の変化する磁界は、受信巻線124及び126の各ル
ープ132及び134のそれぞれに誘導電磁力(EM
F)を発生する。ループ132と134は逆巻きであ
る。従ってループ132に誘起されるEMFは、ループ
134に誘起されるEMFと逆極性となる。ループ13
2と134は同じ面積を有し、名目上同じ磁束量が通
る。そのため、各ループ132と134で発生されるE
MFの絶対値は名目上同じである。
【0008】第1及び第2の受信巻線124及び126
には好ましくは同数ずつのループ132及び134があ
る。理想的には、ループ132に誘導される正極性のE
MFが正確に、ループ134に誘導される負極性のEM
Fによるオフセットとなるようにする。従って、第1及
び第2の受信巻線124及び126上の正味のEMFは
ゼロであり、これは単に送信巻線122から受信巻線1
24及び126に直接結合する結果としては第1及び第
2の受信巻線124及び126には出力信号が出ないこ
とを意味する。
【0009】読み出しヘッド120がスケール110に
近接して配置されると、送信巻線122により発生され
る変化する磁束は磁束変調器112をも貫通する。磁束
変調器112は、変化する磁束を変調し、磁束拡大器
(flux enhancer)又は磁束減衰器(flux disrupter)
のいずれかになり得る。磁束変調器112を磁束減衰器
とする場合は、磁束変調器112は導電板或いはスケー
ル110上の導電薄膜として作られる。導電板或いは導
電薄膜を変化する磁束が通ると、導電板或いは導電薄膜
には渦電流が流れる。この渦電流は、送信巻線122に
より発生される磁界とは逆方向の磁界を発生する。従っ
て、磁束減衰器型の磁束変調器112に近い領域では、
正味の磁束が、磁束変調器112から離れた領域でのそ
れより小さくなる。
【0010】スケール110が、磁束減衰器112が受
信巻線124の正極性ループ132と一致するように読
み出しヘッド120に相対する位置に来ると、正極性ル
ープ132に発生する正味のEMFは、負極性ループ1
34に発生する正味のEMFに比べて低下する。これに
より、受信巻線124はアンバランスになり、正味負の
信号を端子124Aと124Bの間に出力する。同様
に、磁束減衰器112が受信巻線124の負極性ループ
134と一致する位置に来ると、負極性ループ134を
通る正味の磁束は遮断又は減衰される。これにより、負
極性ループ134に発生する正味のEMFは、正極性ル
ープ132に発生する正味のEMFに比べて低下する。
これにより、第1の受信巻線124は、正味正の信号を
端子124Aと124Bの間に出力する。
【0011】磁束変調器112が磁束拡大器として供さ
れた場合は、以上の結果は逆になる。磁束拡大型の磁束
変調器112は、スケール110上又は内部の強磁性材
部分により作られる。送信巻線122により発生される
磁束は、その強磁性材の磁束拡大器型磁束変調器112
を優先的に通る。即ち、磁束拡大器112内の磁束密度
が増大する一方、磁束拡大器112の外側の磁束密度が
低下する。従って、磁束拡大器112が第2の受信巻線
126の正極性ループ132に一致する位置に来ると、
正極性ループ132を通る磁束密度は負極性ループ13
4を通るそれに比べて大きくなる。これにより、正極性
ループ132に発生される正味のEMFは増大し、負極
性ループ134に発生される正味のEMFは減少する。
これは、第2の受信巻線126の端子126A,126
B間に正極性信号として現れる。
【0012】磁束拡大器112が負極性ループ134と
一致する位置に来ると、負極性ループ134は、正極性
ループ132に誘導されるEMFより相対的に拡大され
たEMFを発生する。これにより、第2の受信巻線12
6の端子126A,126B間に負信号が現れる。前述
の関連米国出願に概略を述べたように、磁束拡大及び磁
束減衰の効果は、磁束拡大器と磁束減衰器がスケール長
手方向に交互に配置されるようにして、一つのスケール
内に組み込むこともできる。これにより、二つの磁束変
調器の効果が加法的に組み合わされるため、誘導される
EMFの変調を拡大する作用が得られる。
【0013】上述のように、磁束変調器112の幅と高
さはそれぞれ、λ/2とdであり、一方磁束変調器11
2のピッチはλである。同様に、第1及び第2の受信巻
線122及び124の周期パターンの波長はλであり、
ループ132と134の高さはdである。更に各ループ
132,134は、一定の面積を有する。
【0014】図2(a)は、磁束変調器112が正極性
ループ132に対して相対的に移動したときの正極性ル
ープ132から得られる位置依存出力信号を示してい
る。磁束変調器112が磁束減衰器であると仮定する
と、振号振幅の極小値は磁束減衰器112が丁度正極性
ループ132に一致する位置に対応し、振号振幅の極大
値は磁束減衰器112が丁度負極性ループ134に一致
する位置に対応する。図2(b)は、負極性ループ13
4の出力信号を示している。図2(a)に示す信号と同
様に、振号振幅の極小値は磁束減衰器112が丁度正極
性ループ132に一致する位置に対応し、振号振幅の極
大値は磁束減衰器112が丁度負極性ループ134に一
致する位置に対応する。磁束減衰器に代わって磁束拡大
器が用いられた場合は、図2(a)(b)における信号
振幅の極小値は磁束拡大器が負極性ループ134に一致
する位置に対応し、信号振幅の極大値は磁束拡大器が正
極性ループ132に一致する位置に対応することにな
る。
【0015】図2(c)は、第1及び第2の受信巻線1
24及び126のいずれか一方から得られる正味の出力
信号を示している。この正味の信号は、正負極性のルー
プ132及び134から得られる信号の合計、即ち図2
(a)及び(b)に示す信号の合計に等しい。図2
(c)の正味の信号は理想的には、ゼロに対して対称
的、即ち正負極性ループ132及び134が丁度バラン
スしてゼロオフセットの対称的出力を生成するはずであ
る。しかし、実際のデバイスにおいては、“DC”オフ
セット(位置依存性がない)成分がしばしば正味の出力
信号に現れる。このDC成分がオフセット信号V0であ
る。このオフセットV0は、信号処理を複雑にし、望ま
しくない位置測定誤差を生じさせる無駄な信号成分であ
る。このオフセットは二つの大きな発生源をもつ。
【0016】第1は、送信磁界の全振幅が第1及び第2
の受信巻線124及び126を通ることである。上述の
ように、この送信磁界はループ132及び134にそれ
ぞれ電圧を誘導する。この誘導電圧は、ループ132と
134が逆方向に巻かれているため、名目上は相殺され
る。しかし、受信巻線での誘導電圧が完全に相殺される
ためには、正,負ループ132,134が完全な位置と
形状をとり、完全にバランスすることが必要である。完
全なバランスをとることは、送信巻線122により直接
受信巻線ループに誘導される電圧が磁束変調器122に
よる変調分に比べて大きいため、難しい。実際に、製造
上の誤差が常に完全なバランスをとることを妨げる。
【0017】第2に、磁束変調器112により形成され
る空間的変調磁界もまた、平均的な位置依存性のないオ
フセット成分の原因となる。即ち、送信巻線122によ
り発生される磁界内にある磁束変調器112は全て磁界
内で同じ極性の空間変調を生じさせる。例えば、磁束減
衰器を用いた場合、磁束変調器からの誘導渦電流磁界
は、送信磁界内の磁束減衰器が全て同じ極性の二次磁界
を発生するため、オフセットをもつ。このとき、磁束減
衰器の間のスペースは二次磁界を発生しない。これによ
り、受信巻線124及び126の各正極性ループ132
及び負極性ループ134は、同じ極性をもつ極大値と極
小値の間で変化する正味の磁界に出逢うことになる。こ
の作用の平均値はゼロのまわりでバランスせず、大きな
名目上のオフセットをもつ。同様に、磁束拡大器を用い
た場合、磁束拡大器による磁界変調は、送信巻線122
内の磁束拡大器が全て同じ磁界変調を生じ、一方変調器
の間のスペースは変調を生じないから、バイアスをも
つ。従って、受信巻線124及び126の各正極性ルー
プ132及び負極性ループ134は、同じ極性をもつ極
大値と極小値の間で変化する、空間的に変調された磁界
に出逢うことになる。この作用の平均値もまた、大きな
名目上のオフセットを持つ。
【0018】受信巻線は同数の正,負極性ループ13
2,134を持ち、これはオフセット成分を除去する助
けとなる。しかし、正,負極性ループ132,134の
間のバランスの不完全が前述の残留オフセットの原因と
なる。これらのオフセット成分は、第1及び第2の受信
巻線124及び126における正,負極性ループ13
2,134の間の対称性によってのみ相殺されることが
期待される。これは、受信巻線124,126の製造精
度に対して厳しい要求となる。トランスジューサ100
の製造実験は、誘導型位置トランスジューサ100から
この誤差源を除去することが実際上不可能であることを
示している。前述のオフセット成分のようなトランスジ
ューサ位置に依存しない信号成分は、トランスジューサ
動作にとって無駄な信号と認められる。この様な無駄な
信号は、望ましい信号処理回路を複雑にし、さもなけれ
ば変換精度を低下させる誤差の原因となる。
【0019】他の関連技術として、受信巻線を送信巻線
が作る磁界から離れた位置に配置することにより、簡単
に送受巻線間の無駄な結合を低減する単純な巻線構成が
開示されている。しかしこの技術の有効性は、送受信巻
線間の分離の度合いのみに依存し、そのためこの技術は
コンパクトなサイズの高精度位置センサという要求を満
たすことができない。或いは、送信磁界を強磁性材を用
いることで制限することができ、そうすれば所定の分離
度合いの有効性が増す。しかしこの技術は、実際のデバ
イスにおいて、付加的な複雑性とコスト高をもたらし、
また外部磁界の影響を受けやすくなる。これらの技術に
関連して開示された単純な巻線構成は、送受信巻線のス
パンを大きく越えた測定レンジを持つデバイスの作り方
を含まない。加えてこの単純な巻線構成は、所定の測定
レンジに対して単位変位当たりの出力信号変化の度合い
を十分に拡大する手段を提供していない。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】無駄な信号成分がな
く、外部磁界の影響も受けず、コンパクトで簡単な構成
を有し、且つ格別の製造や回路精度を要せず拡張された
測定レンジで高分解能測定を可能とする高精度の誘導型
測定デバイスは、従来知られていない。この発明は、改
良された巻線構成を有する誘導型位置トランスジューサ
を提供するものである。改良された巻線構成は、格別の
製造精度を要せず、出力信号の無駄な成分(オフセッ
ト)に対する有効信号成分の比率を増大させる。更にそ
の巻線構成は、所定の測定レンジに対して単位変位当た
りの出力信号変化の度合いを拡大する手段を提供する。
この発明はまた、測定軸に沿って相対移動するスケール
と読み出しヘッドを有する、“オフセット低減”のイン
クリメンタル型誘導電流位置トランスジューサを提供す
る。読み出しヘッドは、測定軸に沿って延びる一対の受
信巻線を有する。読み出しヘッドはまた、測定軸に沿っ
て延び、測定軸に直交する方向について受信巻線の外側
に配置された送信巻線を含む。
【0021】
【課題を解決するための手段】この発明は、送受信巻線
間の位置に依存する結合を、複数の空間変調器巻線と相
互作用するスケール上の複数の結合巻線を介することに
より増大させながら、送受信巻線間の無駄な結合を極小
化しゼロにする巻線構成を用いることにより完成され
る。即ちこの発明に係る誘導型位置検出装置は、第1の
部材と、この第1の部材が測定軸に沿って移動可能であ
るような測定軸を有する第2の部材と、励振信号に応答
して第1の磁束領域内に第1の可変磁束を発生する少な
くとも一つの磁界発生器と、前記第1の磁束領域内に配
置された第1の部分及び前記第1の磁束領域から物理的
に離れた第2の磁束領域内に配置された第2の部分を有
し、前記第1の部分に前記第1の可変磁束に応答して誘
導電流が発生され、その誘導電流により前記第2の部分
に第2の可変磁束が発生される少なくとも一つの磁束結
合ループと、少なくとも一つの磁束センサとを備え、
a)少なくとも一つの磁束センサと、b)少なくとも一
つの磁界発生器の少なくとも一方は、前記測定軸に沿っ
て延び且つ交番する幅の増減を含むパターンで空間的に
変調された誘導性領域を含み、各磁束センサは、前記第
1の磁束領域の外側に配置されて少なくとも一つの前記
磁束結合ループの前記第2の磁束領域の前記第2の可変
磁束を検出すると共に、検出された磁束に基づいて当該
磁束センサと少なくとも一つの前記磁束結合ループとの
間の相対位置の関数である出力信号を発生するものであ
り、且つ前記磁界発生器、磁束結合ループ及び磁束セン
サのいずれか一つが前記第1、第2の部材の一方に、残
りの二つが他方に配置されていることを特徴とする。
【0022】この発明による誘導電流位置トランスジュ
ーサの第1の好ましい実施態様においては、送信巻線は
第1の送信巻線と第2の送信巻線に分けられ、これらが
受信巻線の両サイドに配置される。これら第1及び第2
の送信巻線により形成される磁界は受信巻線の領域で互
いに相殺するように構成される。これが、送信巻線から
受信巻線への直接結合による無駄な成分を極小化する。
スケール部材には、測定軸に沿って延びる複数の第1の
磁束結合ループが、同じく測定軸に沿って延びる複数の
第2の磁束結合ループの間にインタリーブされて配列さ
れる。第1の結合ループは第1の送信巻線と並ぶ第1の
部分と、受信巻線と並ぶ第2の部分とを有する。同様
に、第2の結合ループは、第2の送信巻線と並ぶ第1の
部分と、受信巻線と並ぶ第2の部分とを有する。
【0023】この発明による誘導電流位置トランスジュ
ーサの第2の好ましい実施態様においては、磁界発生器
を構成する送信巻線は、読み出しヘッド上の磁束センサ
を構成する受信巻線の傍らに沿って配置された一つのル
ープのみを持つ。この場合スケール部材では、測定軸に
沿って配列された複数の第1の結合ループが、同じく測
定軸に沿って配列された複数の第2の結合ループとイン
ターリーブされる。第1及び第2の結合ループは共に、
送信巻線と並ぶ第1の部分と受信巻線と並ぶ第2の部分
を有する。第1の結合ループのそれぞれ第1の部分と第
2の部分は、交差せずに直列に接続された状態、即ち
“捩れのない状態”(untwisted)とされる。これによ
り、第1の結合ループの第1及び第2の部分に誘導され
る磁界は同極性となる。これに対して第2の結合ループ
のそれぞれ第1の部分と第2の部分は、交差して直列に
接続した状態、即ち“捻れた状態”(twisted)とされ
る。これにより、送信巻線の励振に応答して、受信巻線
直下の領域に測定軸に沿って変化する誘導磁界が生成さ
れる。この様な巻線構成は、実質的に無駄な信号成分を
除去し、従って経済的な設計で、簡単化な信号処理と優
れた変換精度及び高信頼性を可能とする。この発明によ
る、これらの及び他の特徴及び利点は、以下の好ましい
実施例の詳細な説明により明らかにされる。
【0024】
【発明の実施の形態】図3及び図4は、通常“インクリ
メンタル”と称される出力を出す、オフセット低減の誘
導電流位置トランスジューサ200の第1の好ましい実
施例を示す。“インクリメンタル”型トランスジューサ
とは、設計されたトランスジューサ変位の増分に従って
繰り返される周期的信号を出すものを言う。特に図3
は、第1の実施例に係るトランスジューサ200のオフ
セット低減スケール210を示している。図3に示すよ
うに、オフセット低減スケール210は、インターリー
ブ配列された、第1極性の閉ループからなる複数の第1
の結合ループ212と、第2極性の閉ループからなる複
数の第2の結合ループ216を有する。結合ループ21
2と216は互いに電気的に分離されている。
【0025】第1の結合ループ212は、一対の接続導
体215により接続された第1のループ部分213と第
2のループ部分214を有する。同様に、第2の結合ル
ープ216は、一対の接続導体219により接続された
第1のループ部分217と第2のループ部分218を有
する。複数の第1の結合ループ212では、第1のルー
プ部分213がスケール210の第1の側方エッジに測
定軸114に沿って配列されている。第2のループ部分
214は、スケール210の中心に測定軸114に沿っ
て配列されている。接続導体215は測定軸114に直
交して延びて第1のループ213と第2のループ214
を接続している。同様に、複数の第2の結合ループ21
6では、第1のループ部分217がスケール210の第
2の側方エッジに測定軸114に沿って配列されてい
る。第2のループ部分218は、スケール210の中心
に測定軸114に沿って、結合ループ212の第2のル
ープ214とインターリーブされて配列されている。接
続導体219は測定軸114に直交して延びて第1のル
ープ217と第2のループ218を接続している。
【0026】図4に示すように、トランスジューサ20
0の読み出しヘッド220は、第1の送信巻線部分22
3Aと第2の送信巻線部分223Bを有する送信巻線2
22を持つ。図4に示すように、第1の送信巻線部分2
23Aは読み出しヘッド220の第1の側方エッジに配
置され、第2の送信巻線部分223Bは読み出しヘッド
220の第2の側方エッジに配置されている。第1及び
第2の送信巻線部分23A,223Bは測定軸114に
沿って延びる同じ長さの長辺を有する矩形パターンであ
る。また第1及び第2の送信巻線部分223A,223
Bは測定軸114に直交する方向に延びるd1なる長さ
の短辺を有する。
【0027】送信巻線222の端子222A,222B
は、送信の励振信号発生器150に接続されている。励
振信号発生器150は、送信巻線端子222aに時間的
に変化する励振信号を供給する。これにより、図4に示
すように、端子222Aから送信巻線222を通って端
子222Bに時間的に変化する電流が流れる。これに応
じて、第1の送信巻線部分223Aは、その送信巻線部
分223Aの内側で図4の面から立ち上がって、送信巻
線部分223Aが作るループの外側で図4の面に降りる
一次磁界を発生する。これに対して、第2の送信巻線部
分223Bは、その送信巻線部分223Bが作るループ
の外側で図4の面から立ち上がって、送信巻線部分22
3Bが作るループの内側で図4の面に降りる一次磁界を
発生する。これによって、結合ループ212及び216
には磁界変化を打ち消すように電流が誘導される。
【0028】即ち、結合ループの第1ループ部分21
3,217に流れる誘導電流は、それぞれ送信巻線部分
223A,223Bの対応する近接部分に流れる電流と
逆方向となる。図4に示すように、スケールの中心にあ
る第2ループ部分214と218の隣接するものには、
逆極性のループ電流が流れる。これにより、スケールの
中心に沿って逆極性の磁界部分が周期的に分布するよう
に二次磁界が発生される。周期的な二次磁界の波長λ
は、連続する第2ループ部分214(又は218)の間
の間隔に等しい。
【0029】読み出しヘッド220は、磁束センサとし
て、第1及び第2の受信巻線224及び226を有す
る。これらの受信巻線224及び226は図1に示す受
信巻線124及び126と同じである。図1に示す第1
及び第2の受信巻線124及び126と同様に、第1及
び第2の受信巻線224及び226はそれぞれ、読み出
しヘッド220を構成するプリント回路基板の絶縁層の
両側に形成された複数の正弦波形の一部をなす導体セグ
メント228及び229により形成される。セグメント
228と229は貫通配線230を介して連結されて、
第1及び第2の受信巻線222及び226のそれぞれに
おいて交互に正極性ループ232と負極性ループ234
を形成する。即ち、隣接する正極性ループ232と負極
性ループ234の対で測定軸方向に一波長λとなり、且
つ第1の受信巻線222と第2の受信巻線226の間に
λ/4の位相ズレを持つように、空間的に幅が変調され
た周期的パターンの誘導性領域が配列形成されたことに
なる。第1及び第2の受信巻線222及び226は読み
出しヘッド220の中心に第1,第2の送信巻線部分2
23A,223Bに挟まれて、測定軸に直交する方向に
幅d2を持って配置されている。
【0030】送信巻線ループから受信巻線ループへの無
駄な結合(位置及びスケールに依存しない)はこの様な
構成によって避けられる。即ち、第1及び第2の送信巻
線部分223Aおよび223Bにより発生される一次磁
界は、第1及び第2の受信巻線224及び226の近く
で逆方向を向く。従って、一次磁界は、第1及び第2の
受信巻線224及び226の占有領域内で互いに打ち消
し合う。理想的には、一次磁界はこの領域で完全に打ち
消されるようにする。
【0031】第1及び第2の受信巻線224及び226
は、第1及び第2の送信巻線部分223A及び223B
の内側部分との間に等しく間隔d3のスペースが設けら
れている。従って第1及び第2の送信巻線部分223A
および223Bにより、読み出しヘッド220の第1及
び第2の受信巻線224及び226に占有される領域に
それぞれ発生される磁界は、対称的で逆になる。直接の
誘導作用はこれにより効果的に相殺される。即ち、第1
及び第2の受信巻線224及び226に、第1及び第2
の送信巻線部分223Aおよび223Bとの無駄な直接
結合により誘導される電圧は、第1に、送信巻線を受信
巻線から離れた位置に配置することによってある限度ま
で低減される。第2には、対称的設計により、無駄な結
合がゼロまで低減される。
【0032】複数の第1の結合ループ212は、第1及
び第2の受信巻線224及び226の波長λと同じピッ
チで配列される。また、第1ループ部分213は、隣接
するもの同士の絶縁スペース201を確保しながら、測
定軸114方向に可能な限り波長λに近い長さを持たせ
る。更に第1ループ部分213は、測定軸114と直交
する方向に幅d1を与える。同様に、複数の第2の結合
ループ216も波長λと等しいピッチで配列される。第
1ループ部分217は、隣接するもの同士の絶縁スペー
ス201を確保しながら、測定軸114方向に可能な限
り波長λに近い長さを持たせ、また測定軸114と直交
する方向に幅d1を与える。
【0033】第1及び第2の結合ループ212及び21
6の第2ループ部分214及び218もまた、波長λと
等しいピッチで配列される。ただし、第2ループ部分2
14及び218の測定軸114方向の長さは、波長λの
1/2にできるだけ近い値に設定される。第2ループ部
分212及び216の隣接対の間には図示のように絶縁
スペース202が設けられる。こうして、第1及び第2
の結合ループ212及び216の第2ループ部分214
及び218は、スケール210の長手方向にインターリ
ーブされる。また第2ループ部分214及び218は、
測定軸114と直交する方向に幅d2を持つ。
【0034】図4に示すように、第2ループ部分214
及び218は、それぞれ対応する第1ループ部分213
及び217との間にd3なる間隔が設けられている。従
って、読み出しヘッド220がスケール210に近接配
置された時、図4に示すように、第1の送信巻線部分2
23Aは第1の結合ループ212の第1ループ部分21
3と並ぶ。第2の送信巻線部分223Bは、第2の結合
ループ216の第1ループ部分217と並ぶ。第1及び
第2の受信巻線224及び226は、第1及び第2の結
合ループ212及び216の第2ループ部分214及び
218と並ぶ。実施例では、スケール210及び読み出
しヘッドにプリント回路基板を用いて、送受信巻線及び
磁束結合ループをプリント回路基板プロセスで形成して
いるが、ガラス基板等の他の絶縁基板、或いは半導体基
板を用いて、集積回路プロセスで同様の送受信巻線や磁
束結合ループを形成することができる。
【0035】測定動作においては、励振信号発生器15
0から時間的に変化する励振信号が送信巻線端子222
Aに与えられる。これにより、第1の送信巻線部分22
3Aは、第1の方向の第1の変動磁界を発生し、第2の
送信巻線部分223Bは第1の方向と反対の第2の方向
の第2の変動磁界を発生する。第2の変動磁界は、第1
の送信巻線部分223Aにより発生される第1の変動磁
界と等しい磁界強度を持つ。
【0036】複数の第1の結合ループ212は、第1の
送信巻線部分223Aにより発生される第1の磁界によ
って第1の送信巻線部分223Aと誘導的に結合され
る。これにより、第1の結合ループ212のそれぞれに
誘導電流が時計回りに流れる。同時に、複数の第2の結
合ループ216は第2の送信巻線部分223Bにより発
生される第2の磁界により第2の送信巻線部分223B
に誘導的に結合される。これは第2の結合ループ216
のそれぞれに反時計回りの電流を誘導する。即ち、結合
ループ212及び216の第2ループ部分214及び2
18を通って反対方向に電流が流れる。
【0037】第1の結合ループ212の第2ループ部分
214に流れる時計回りの電流は、第2ループ部分21
4内で図4の面に降りる方向に第3の磁界を発生させ
る。第2の結合ループ216の第2ループ部分218に
流れる反時計回りの電流は第2ループ部分218内で図
4の面から立ち上がる方向に第4の磁界を発生させる。
これにより、測定軸114に沿って正味の変動磁界が形
成される。この変動磁界は第1及び第2の受信巻線22
4及び226の波長λと等しい波長を持つ。
【0038】従って、第1の受信巻線224の正極性ル
ープ232が第2ループ部分214,218の一方と合
致した時、第1の受信巻線224の負極性ループ234
は第2ループ部分214,218の他方に合致する。こ
れは、第2の受信巻線226の正極性ループ232と負
極性ループ234が第2ループ部分214,218と合
致する場合も同様である。第2ループ部分214及び2
18により発生される変動磁界は、第1及び第2の受信
巻線214及び216の空間変調と同じ波長で空間的に
変調されるから、正及び負極性のループ232及び23
4に第2ループ部分214と合致した時に発生されるE
MFは等しく、且つこれらが第2ループ部分218と合
致したときに発生されるEMFとは逆となる。
【0039】こうして、正極性ループ232の正味の出
力は、読み出しヘッド220がスケール210に対して
相対移動することにより、読み出しヘッドのスケールに
沿った位置“x”の正弦波状関数となり、無駄に結合に
よる出力信号のオフセット成分は名目上ゼロとなる。同
様に、負極性ループ234の正味の出力も、読み出しヘ
ッド220がスケール210に対して相対移動すること
により、読み出しヘッドのスケールに沿った位置“x”
の正弦波状関数となり、無駄に結合による出力信号のオ
フセット成分は名目上ゼロとなる。正極性ループ232
及び負極性ループ234からのEMF寄与は同相であ
る。従ってこれらは、図2(c)に対応する位置依存性
出力信号を生成するが、無駄な結合に起因するDCバイ
アスV0はこの実施例では無視できる程度まで低減され
る。
【0040】第1及び第2の受信巻線224及び226
は、図1の第1及び第2の受信巻線124及び126と
同様に矩象である。従って、第1の受信巻線224によ
り位置xの関数として得られて受信信号処理回路140
に送られる出力信号は、第2の受信巻線226により位
置xの関数として得られて受信信号処理回路140に送
られる出力信号に対して、90°位相がずれる。受信信
号処理回路140は第1及び第2の受信巻線224及び
226からの出力信号を取り込んでサンプリングし、こ
れをディジタル値に変換してコントロールユニット16
0に送る。コントロールユニット160は、ディジタル
化された出力信号を処理して読み出しヘッド220とス
ケール210の間の相対位置xを波長λの範囲内で決定
する。
【0041】貫通配線の配置を適当に変えて、正極性ル
ープ232または負極性ループ234の一方を、測定軸
と直交する方向に幅ゼロとする(効果的には隣接ループ
間の単純な導体要素となる)ことができることも認識す
べきである。この場合、第1及び第2の受信巻線224
及び226は単極性の磁束受信部となり、外部磁界に対
する感度が増大し、出力信号振幅は(ループ領域の削減
の結果)先の実施例の場合の1/2になる。しかしこの
設計変更は、いくつかの利益をもたらす。ループを介し
ての無駄な磁束は、対称的な送信巻線構成の結果とし
て、名目上ゼロに保たれる。受信巻線224及び226
からの出力信号はやはり、ゼロオフセットで正の極大値
と負の極小値の間でスイングする。与えられた測定レン
ジについて、単位変位当たりの出力信号変化の度合い
は、スケール要素と受信巻線の相補的な周期構造の故
に、非常に高い。
【0042】第1及び第2の受信巻線22及び226の
矩象出力の性質に基づいて、コントロールユニット16
0は、読み出しヘッド220とスケール210の間の相
対移動の方向を決定することができる。コントロールユ
ニット160は、当業者によく知られ、ここ及び先に引
用した関連米国出願に開示された信号処理法によって、
通過する波長λの一部又は全“インクリメント”をカウ
ントする。コントロールユニット160はその数及び波
長λ内の相対位置を用いて、読み出しヘッド220とス
ケール210の間のある原点からの相対位置を出力す
る。
【0043】コントロールユニット160はまた、送信
用励振信号発生器150に制御信号を送って時間的に変
化する励振信号を発生させる。前述の関連米国出願に示
された信号発生及び信号処理回路は、受信信号処理回路
140,送信用励振信号発生器150及びコントロール
ユニット160に適用できる。従ってこれらの回路につ
いてはこれ以上詳細な説明をしない。
【0044】図5は、図3のスケールと共に用いること
ができる読み出しヘッドの第2の好ましい実施例を示し
ている。この実施例の読み出しヘッドにおける磁束セン
サは、3つの受信巻線324,326及び327を備え
ている。これらの受信巻線は測定軸に沿って互いに波長
λの1/3ずつずれている。図6は、これらの受信巻線
からの測定軸に沿った位置xの関数としての出力信号を
示している。なお好ましい第2の実施例として、ここで
は3つの受信巻線324,326及び327を備えた場
合を示しているが、より一般的には、M個(M≧)の受
信巻線を測定軸に沿ってλ/Mの位相ずれをもって配置
することができる。
【0045】完全な正弦波出力を実際に実現することは
難しく、完全な正弦波出力からのズレがトランスジュー
サの基本波長の高調波となる。オフセット低減型の誘導
電流型位置トランスジューサの第2の実施例における3
相構造は、位置測定の誤差源となる分離された受信巻線
の3次高調波成分が大きく除去されるという点で、第1
の実施例に対して優れた効果を有する。3次高調波の除
去は、図7に示すように各受信巻線の出力を組み合わせ
ることにより達成される。図7に示すように、受信巻線
はスター結線され、位置決定に用いられる信号はスター
のコーナーの間でとられる。これは、受信巻線324,
326及び327から独立に得られる出力をそれぞれ測
定し、それらをディジタル信号処理回路内で同様の手法
でディジタル的に組み合わせることによっても、可能で
ある。下記数1は、UR,US,UTで示される原3相信
号を適当に組み合わせることによりどの様に3次高調波
が除去されるかの概略を示している。なお未処理の各相
信号は、3相とも等しい振幅A0,A3を持つ基本正弦波
と3次高調波信号を含むものと仮定している。
【0046】
【数1】
【0047】上の各信号を互いに減算することにより、
下記数2に示すように、3次高調波を除去することがで
きる。
【0048】
【数2】
【0049】同様の手法で位置計算のために矩象信号V
Qを得るには、VSとVTを次のように組み合わせる。
【0050】
【数3】 VQ=VS−VT =A0√3[cos{(2πx/λ)−2π/6}− cos{(2πx/λ)+2π/6}] =A0√3・2sin(2πx/λ)sin(−2π/6) =3A0sin(2πx/λ)
【0051】インクリメンタル波長内で1/4波長象限
を特定した後、その1/4波長内での内挿位置は次の数
4のように計算される。
【0052】
【数4】−VQ/VR=√3tan(2πx/λ)
【0053】数4をxについて解くと、次式数5のよう
に位置xが求められる。
【0054】
【数5】 x=(λ/2π)tan-1{−VQ/(VR・√3)}
【0055】この様に3相受信巻線からの信号を用いて
計算される位置は、実際のデバイスにおいて通常そうで
あるように、3受信巻線の全ての出力が同じ3次高調波
特性を持つ限り、受信出力信号に含まれる3次高調波成
分による誤差を含まないようになる。また、受信信号を
電子ユニット内のプリアンプで増幅する場合も、プリア
ンプでの歪誤差に起因する測定誤差は、上述の3相構造
での信号処理により相殺することができる。
【0056】図8〜図10は、この発明に係るオフセッ
ト低減型の誘導電流型位置トランスジューサ用の読み出
しヘッドとスケールの第3の好ましい実施例を示してい
る。この実施例では、読み出しヘッド420上の受信巻
線424,426の一方の側部に配置されたただ一つの
送信巻線423を持つ。スケール410は2層のプリン
ト回路基板(PCB)である。第1及び第2の結合ルー
プ412及び416を形成するパターンは、スケール4
10上に測定軸に沿って配列される。
【0057】各結合ループ412は、第1ループ部分4
13とこれが接続配線415を介して接続される第2ル
ープ部分414とを有する。第1ループ部分413と第
2のループ部分414は、誘導電流が第1ループ部分4
13と第2ループ部分414において同じ極性の磁界を
生成するように、第1ループ部分413と第2ループ部
分414の間を交差させず接続している。各結合ループ
416は、第1ループ部分417とこれが交差配線41
9により接続された第2ループ部分418とを有する。
即ち、第1ループ部分417と第2ループ部分418
は、誘導電流が第1ループ部分417と第2ループ部分
418において逆極性の磁界を生成するように接続され
ている。
【0058】結合ループ412及び416の具体的な構
成は、図9(a),(b)に示している。図9(a)
は、スケール410を形成するPCBの第1の層に形成
された第1の導体パターンである。図9(b)は、スケ
ール410を形成するPCBの第2の層に形成された第
2の導体パターンである。これら第1及び第2の層に形
成された第1及び第2のパターンの各個別部分は、PC
Bの貫通配線407により接続されて、結合ループ41
2及び416を構成する。
【0059】読み出しヘッド420は、第2のPCBに
より作られて、送信巻線424と第1及び第2の受信巻
線424及び426が形成されている。第1及び第2の
受信巻線424及び426はこの実施例では2相構造で
あるが、前述の3相構造に適用することもできる。送信
巻線423は、読み出しヘッドの長さを越えて第1及び
第2ループ部分413及び417をカバーする領域を覆
う。送信巻線423は、図4との関係で先に説明したと
同様にして励振される。
【0060】送信巻線423の下にある結合ループ41
2及び416の第1ループ部分413及び417は、送
信巻線423により発生される一次磁界に応答して、こ
の一次磁界を弱めるような電流及び磁界を生じる誘導E
MFを発生する。送信巻線電流が図10に示すように反
時計回りに流れるとき、結合ループ412及び416の
第1ループ部分413及び417の誘導電流は、時計回
りに流れる。結合ループ412の第2ループ部分414
の電流は同様に時計回りであるが、結合ループ416の
第2ループ部分418の電流は、上述の交差配線419
のため反時計回りとなる。
【0061】従って、第2ループ部分414及び418
は、読み出しヘッド420の受信巻線424及び426
の下でスケールに沿って周期的に逆極性領域が繰り返し
現れる二次磁界を形成する。この二次磁界は、第2ルー
プ部分414の周期に等しい波長λ(これは、第2ルー
プ部分418の周期にも等しい)を有する。第1及び第
2の受信巻線424及び26の受信ループは、スケール
パターンと同じ波長λを持ち、且つλ/4だけずれた状
態に形成される。以上により、第1及び第2の受信巻線
424及び426の受信ループは、読み出しヘッド42
0がスケール410に沿って移動したときに波長λの周
期関数となる振幅を持つ信号電圧を生成するような誘導
EMFを発生することになる。一つの送信ループしか持
たないという相違点を除き、この実施例によっても図3
及び図4の実施例で説明したと同様の作用が得られる。
【0062】図11は、図4に示したこの発明の第1の
実施例による誘導型読み出しヘッドの断面図であり、受
信ループ224及び226の一方側にリングをなして形
成された送信巻線223aの電流による一次磁界と、受
信巻線224及び226の他方側に形成された送信巻線
223bの電流による一次磁界とが反対極性をもって形
成される様子を示している。これにより、第1及び第2
の受信巻線224及び226を通る正味の磁界はほぼゼ
ロとなり、送信巻線223a,223bから第1及び第
2の受信巻線224及び226への無駄な直接結合はゼ
ロになる。実験及び理論計算の結果によれば、有効信号
成分の無駄な信号成分に対する比は、図1に示す従来例
に対して、100倍以上に改善される。
【0063】図12は、図10に示したこの発明の第3
の実施例による誘導型読み出しヘッドの断面図であり、
受信巻線424及び426の一方側にリングをなして形
成された送信巻線423の電流により一次磁界が形成さ
れる様子を示している。この場合、第1の実施例のよう
には無駄な直接結合をゼロにできないが、送信巻線42
3と第1及び第2の受信巻線424及び426との分離
を強くすることにより、直接結合を低減することができ
る。更に、変動する極性を持つ二次磁界は、第1及び第
2の受信巻線424及び426の近くに与えられる。こ
のことは、オフセットの他の原因を除去することにな
る。実験及び理論計算によれば、第3の実施例によっ
て、有効信号成分の無駄な信号成分に対する比は、図1
に示す従来例に対して、約10倍となる。
【0064】先の実施例は更に、発明の利点を保持しな
がら、いくつかの観点から変形することができる。例え
ば、図10の結合ループ416(又は412)は、他の
部分をそのまま残して、除くことができる。この場合、
第1及び第2の受信巻線424及び426の近くに与え
られる二次磁界は、第3の実施例のような変動極性パタ
ーンを持たなくなる。しかし、この設計でも、送信巻線
423と第1及び第2の受信巻線424及び426との
間の分離を強くすることにより、送受信巻線間の直接結
合を低減することができる。更に、多重結合ループを用
いることは、誤差を平均化により小さくするという利点
を有し、製造プロセスの不備による巻線セグメント内の
ランダム偏差を低減する上で意味がある。結合ループ4
16(又は412)を除いたとしても、トランスジュー
サの基本動作は、第1及び第2の受信巻線424及び4
26のための一次励起を与える結合ループ412(又は
416)により決まる変動磁界に基づいて可能である。
これに対して、図1に示す例においては、スタティック
な均一磁界が第1及び第2の受信巻線124及び126
を一次励起する。受信巻線の出力信号は、この均一磁界
が、可動要素によって第1及び第2の受信巻線124及
び126の近くで乱されることにより受ける影響に基づ
いて得られる。この発明による変動磁界による励起とい
う手法によれば、結合ループ416(又は412)を除
いたとしても、生得的に優れた信号を得ることが可能で
ある。
【0065】図13は、図5の3相読み出しヘッド32
0を用いたオフセット低減型の誘導電流型位置トランス
ジューサの第2の好ましい実施例のブロックダイヤグラ
ムである。図13には、読み出しヘッド320のスケー
ル310に対する相対位置を決定するに必要な信号処理
回路の主要部のみを示している。図示のように、送信巻
線322は、送信用励振信号発生器350の励振回路3
52に接続される。この励振回路352は、供給電力を
出力するエネルギー供給源として電源351からの電源
電圧VDDと接地間に直列接続された第1のスイッチ35
3と第2のスイッチ354を有する。キャパシタ355
の一方の端子はスイッチ353と354の接続ノードN
1に接続され、他方の端子は送信巻線322の端子32
2aに接続されている。送信巻線322のもう一つの端
子322bは接地されている。これにより、送信巻線3
22は、キャパシタ355と共にLC共振回路を構成す
るインダクタとなる。励振回路352は、ディジタルコ
ントロールユニット360からのパルス信号361,3
62により制御されるスイッチ353,354のオンオ
フによって、送信巻線322を断続的に励振する。
【0066】送信巻線322は、スケール310上の結
合ループ312及び316を介して、間接的、誘導的に
3つの受信巻線324,326及び327に結合され
る。受信巻線324,326及び327は、サンプルホ
ールド回路371に接続されている。具体的に、第1の
受信巻線324の出力端は、サンプルホールドサブ回路
371に接続され、第2の受信巻線326の出力端は、
サンプルホールドサブ回路372に接続され、第3の受
信巻線327の出力端は、サンプルホールドサブ回路3
73に接続される。
【0067】3つのサンプルホールドサブ回路371〜
373はそれぞれ、対応する受信巻線324,326及
び327の出力を受信するスイッチ375を有し、励振
回路352を制御するパルス信号と同期してサンプリン
グ動作を行う。スイッチ375の出力端はバッファアン
プ377の正側入力端子に接続されている。サンプルホ
ールドキャパシタ376の一端はスイッチ375とバッ
ファアンプ377との接続ノードN3に接続され、他端
は接地されている。バッファアンプ377の出力はスイ
ッチ378に接続されている。バッファアンプ377の
負側入力端子はバッファアンプ377の出力ノードN4
に接続されている。
【0068】3つのサンプルホールドサブ回路371〜
373のスイッチ378の出力は、共通に一つの出力線
379に接続され、この出力線379はA/Dコンバー
タ380の入力端子に接続されている。A/Dコンバー
タ380はサンプルホールド回路370の出力をアナロ
グ値からディジタル値に変換するものである。変換され
たディジタル値は、読み出しヘッド320とスケール3
10の相対位置を決定するマイクロプロセッサ390に
送られる。なおサンプルホールドサブ回路371〜37
3でのサンプリングタイミングは、パルス信号により制
御駆動される励振回路352、この励振回路352によ
り駆動される送信巻線、及びこの送信巻線からの可変磁
束に応答する受信巻線における予測される遅延特性を考
慮して設定される。
【0069】1波長内の各位置は、先に述べたよく知ら
れた技術と式に従って、マイクロプロセッサにより一義
的に特定される。マイクロプロセッサ390はまた、移
動方向トラックと通過した波長の数を保持するよく知ら
れた技術を利用して、トランスジューサのある原点に対
する全相対位置を決定する。即ち実施例の場合、λ/4
だけ位相がずれた第1及び第2の受信巻線により得られ
る出力を処理することにより、内挿数4が得られるが、
更に適当な内挿回路を設けることにより、より高分解能
の位置測定を行うことができる。マイクロプロセッサ3
90はまた、信号線391上にディジタルコントローラ
ユニット360に対する制御信号を出力して、信号抽出
のシーケンスを制御する。ディジタルコントロールユニ
ット360は、送信用励振信号発生器350及びサンプ
ルホールド回路370に送られる信号線361〜366
への出力制御信号により、送信,信号抽出及びA/D変
換シーケンスを制御する。特に、図13に示すように、
ディジタルコントロールユニット360は、送信器励起
のために、信号線361及び362にそれぞれ第1及び
第2のスイッチ353及び354に対するスイッチ制御
信号を出力する。
【0070】ディジタルコントロールユニット360は
信号線363〜366にサンプルホールド回路370へ
のスイッチ制御信号を出力する。特に制御信号363
は、第1〜第3のサンプルホールドサブ回路371〜3
73のスイッチ375を開閉して、受信巻線をサンプル
ホールドキャパシタ376に接続する制御を行うサンプ
リングパルスである。制御信号363がスイッチ375
を開にした時、受信巻線からの受信信号はサンプルホー
ルドキャパシタ376にストアされる。信号線364〜
366上のスイッチ制御信号は、第1〜第3のサンプル
ホールドサブ回路371〜373の一つのバッファアン
プ377の出力を、A/Dコンバータ380への信号線
379に接続するために用いられる。
【0071】図14は、位置測定に用いられるスイッチ
制御信号361〜366のタイミング図である。先ず、
信号線361上のスイッチ制御信号が高レベルになりス
イッチ353を閉じる。これにより、キャパシタ355
は電源電圧VDDまでチャージアップされる。その後、信
号線361上のスイッチ制御信号が低レベルになって、
スイッチ353を開にする。次いで、信号線362上の
スイッチ制御信号が低レベルから高レベルになり、スイ
ッチ354を閉じる。これにより、キャパシタ355は
対応する送信巻線322を介して放電される。キャパシ
タ355は送信巻線322と共に、数MHzオーダーの
共振周波数を持つ共振回路を形成している。この共振
は、図14に示すような信号Sxに対応した波長を持つ
減衰振動である。
【0072】信号Sxは同時に各受信巻線324,32
6及び327上にも現れる。しかし各受信巻線324,
326及び327上に現れる信号Sxの振幅及び極性
は、図5に示すように、読み出しヘッド320のスケー
ル310に対する相対位置に依存する。信号Sxが受信
巻線上でピークに達する前に、信号線363上のスイッ
チ制御信号は低レベルから高レベルに変化して、サンプ
ルホールド回路370のサンプルホールドキャパシタ3
76の充電を開始する。信号Sxがピークを越えた直
後、ほぼピーク位置で、信号線363上のスイッチ制御
信号は低レベルに戻り、スイッチ375を開にする。こ
れにより、3受信巻線のそれぞれの信号Sxの振幅が、
第1〜第3のサンプルホールドサブ回路371〜373
の対応するサンプルホールドキャパシタ376に保持さ
れる。その後信号線362上のスイッチ制御信号は低レ
ベルに戻ってスイッチ354を開にする。
【0073】次に、信号線363上のスイッチ制御信号
が低レベルに戻った後、信号線364上のスイッチ制御
信号が低レベルから高レベルに変化し、サンプルホール
ドサブ回路371のスイッチ378を閉じる。これによ
り、対応するサンプルホールドキャパシタ376に保持
されていたサンプル値が信号線379を介してA/Dコ
ンバータ380に送られる。A/Dコンバータ380
は、信号線379上のアナログ値をディジタル値に変換
してこれをマイクロプロセッサ390に送る。信号線3
64上のスイッチ制御信号は低レベルに戻って対応する
スイッチ378を開にする。同様のシーケンスが信号線
365及び366上のスイッチ制御信号について繰り返
され、サンプルホールドサブ回路372及び373のサ
ンプル値が順次信号線379を介してA/Dコンバータ
380に送られる。
【0074】以上の信号処理は、マイクロプロセッサユ
ニット内のプログラムに従って繰り返される。プログラ
ムは、システムのサンプリングレートをトランスジュー
サの移動速度に適合させ、もって電流消費を最小化する
ように作られる。この様な機能は、当業者にとってよく
知られていることであり、ここではこれ以上詳細な説明
はしない。
【0075】上述した信号処理システムは、開示された
誘導型位置トランスジューサ、必要なら他の同様の誘導
型位置トランスジューサに適用して、低消費電力動作を
可能とする。例えば、信号処理システムのサンプリング
周波数を1kHz程度に維持するように励振信号発生器
352を間欠的に活性化することにより、多くの応用に
対して、十分な精度を与え、移動トラッキングを可能と
する。電力消費を低減するために、比較的パルス幅の小
さいパルスを作ることにより励振信号発生器のデューテ
ィサイクルを低く保つことができる。例えば、上述のよ
うに1kHzのサンプリング周波数とするためには、好
ましいパルス幅は、0.1〜1.0μsである。即ち、
1msのサンプリング周期をもつパルスのデューティサイ
クルは、0.01%〜0.1%である。
【0076】キャパシタ355と巻線322の共振周波
数は、好ましくは、キャパシタ355の電圧ピークが
1.0μs或いはそれ以下のパルスの終端より前に来る
ように選択される。従って前述のように、共振周波数
は、数MHzのオーダーとされる。これにより、対応す
る磁束は、1MHz以上、通常数MHzの周波数で変調
される。これは、従来の誘導型位置トランスジューサの
周波数より高い。
【0077】本発明者等は、これらの周波数で、結合ル
ープ312及び316と共にスケール310に生じる電
流が第1〜第3の受信巻線324,326及び327に
強い誘導結合を生じるように設定した。第1〜第3の受
信巻線324,326及び327に発生されるEMF、
及びその結果の出力信号は従って、結合ループ位置に強
く応答する。これは、パルス化励振信号を用いた低デュ
ーティサイクル及び低電力に拘らず、可能である。この
応答の強さは、低デューティサイクルと低電力消費の組
み合わせにより、図13に示す信号処理回路の励振信号
発生器350及び他の回路の平均電流を200μA以
下、更に好ましくは75μA以下まで下げた低電力用途
についても、誘導型位置トランスジューサの測定を可能
とする。ここで、“平均電流”とは、誘導型位置トラン
スジューサが正常使用状態にある間の1又はそれ以上の
測定サイクルでの全消費電荷をその測定サイクルで除し
たものを言う。
【0078】従って、ここに開示されたタイプの誘導型
位置トランスジューサは、3個或いはそれより少ない商
用小型バッテリー或いは1個のソーラーバッテリーを用
いて十分動作可能である。低電力信号処理の詳細は、前
述の関連出願に述べられている。上述の実施例は測定軸
が直線であるリニアトランスジューサとして説明した
が、その設計は、関連米国特許出願第08/441,7
69号の応用技術に従って、容易に測定軸が円形である
ロータリ応用に変換することができる。また上記実施例
では、送信巻線として空間的に均一な巻線、受信巻線と
して空間的に変調された巻線を用いたが、これらのトラ
ンスジューサ巻線は、適当な信号処理との関係で送信巻
線と受信巻線の役割を“逆”にしても、発明の利益を損
なわない。その様な適当な信号処理技術は、関連米国特
許第08/441,769号において図21を用いて説
明されている。他の応用可能な信号処理技術も当業者に
とっては明らかである。
【0079】磁界発生器、磁束結合ループ及び磁束セン
サの3要素を対向する二つの部材に載置する場合の組み
合わせは、大きく分けて3通りある。図15はここまで
の実施例で説明したものであり、送信巻線と受信巻線を
読み出しヘッド220に、磁束結合ループをスケール2
10に形成している。これに対して、図16は、磁束結
合ループと受信巻線を読み出しヘッド220上に形成
し、送信巻線をスケール210上に形成する構成であ
る。この場合、受信巻線と送信巻線の形は図15と逆に
なり、送信巻線はスケール210に沿って所定周期で可
変磁束を発生するものとする。図17は、結合ループと
送信巻線を読み出しヘッド220に、受信巻線210を
スケール210に載せた例である。この場合受信巻線
は、スケール210に沿って磁束検出用閉路が所定周期
で配列される。これは、図16における受信巻線を送信
巻線とし、送信巻線を受信巻線としたものということが
できる。図15の構成において、送受信巻線を逆に用い
ることも可能である。この発明は更に種々の変形が可能
であることは当業者にとって明らかである。即ちこの発
明は上述した実施例に限られず、請求の範囲に示されて
いるように、発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形す
ることができる。
【0080】
【発明の効果】以上述べたようにこの発明によれば、改
良されたコンパクトな巻線構成を用いて、無駄なオフセ
ット成分がなく、外部磁界の影響も受けず、且つ格別の
製造や回路精度を要せず高分解能の位置測定を可能とす
る高精度の誘導型位置トランスジューサを得ることがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 従来の誘導型位置トランスジューサを示す。
【図2】 図1のトランスジューサの位置依存性出力を
示す。
【図3】 この発明の第1の好ましい実施例の誘導型位
置トランスジューサのスケールを示す。
【図4】 同実施例の誘導型位置トランスジューサを示
す。
【図5】 この発明の第2の好ましい実施例の誘導型位
置トランスジューサの読み出しヘッドを示す。
【図6】 図5の読み出しヘッドの位置依存性出力信号
を示す。
【図7】 図5の3相巻線のベクトル位相関係を示す。
【図8】 この発明の第3の好ましい実施例の誘導型位
置トランスジューサのスケールを示す。
【図9】 同スケールの第1及び第2の部分を拡大して
示す。
【図10】 同実施例の読み出しスケールを含むトラン
スジューサ構成を示す。
【図11】 第1の実施例のトランスジューサの断面と
磁界分布を示す。
【図12】 第2の実施例のトランスジューサの断面と
磁界分布を示す。
【図13】 図5の読み出しヘッドのブロック構成と信
号処理回路を示す。
【図14】 同信号処理回路の動作タイミングを示す。
【図15】 実施例の送受信巻線と磁束結合ループの配
置を示す図である。
【図16】 送受信巻線と磁束結合ループの他の配置例
を示す図である。
【図17】 送受信巻線と磁束結合ループの他の配置例
を示す図である。
【符号の説明】
200…トランスジューサ、210…スケール、21
2,216…第1,第2の結合ループ、213,217
…第1ループ部分、215,218…第2ループ部分、
114…測定軸、220…読み出しヘッド、222…送
信巻線、223a,223b…第1,第2の送信巻線部
分、224,226…第1,第2の受信巻線、150…
送信用励振信号発生器、140…受信信号処理回路、1
60…制御ユニット、320…読み出しヘッド、323
a,323b…第1,第2の送信巻線部分、332,3
34…第1,第2の受信巻線、410…スケール、41
2,416…第1,第2の結合ループ、413,417
…第1ループ部分、414,418…第2ループ部分、
420…読み出しヘッド、423…送信巻線、424,
426…第1,第2の受信巻線。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−241834(JP,A) 特開 昭62−257015(JP,A) 特開 昭62−242816(JP,A) 米国特許5977781(US,A) 西独国特許出願公開4009977(DE, A1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01D 5/00 - 5/62 G01B 7/00 - 7/34 G01P 1/00 - 3/80

Claims (25)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1の部材と、 この第1の部材が測定軸に沿って移動可能であるような
    測定軸を有する第2の部材と、 励振信号に応答して第1の磁束領域内に第1の可変磁束
    を発生する磁界発生器と、 前記第1の磁束領域内に配置された第1の部分及び前記
    第1の磁束領域から物理的に離れた第2の磁束領域内に
    配置された第2の部分を有し、前記第1の部分に前記第
    1の可変磁束に応答して誘導電流を発生し、その誘導電
    流により前記第2の部分に第2の可変磁束を発生する磁
    束結合ループと、前記磁束結合ループが発生する第2の可変磁束を検出し
    て前記磁束結合ループとの間の前記測定軸方向の相対位
    置の関数である出力信号を発生する 磁束センサとを備
    え、前記磁束センサと磁界発生器の 少なくとも一方は、前記
    測定軸に沿って波長λで極性が交番する誘導性領域を含
    み、前記磁束結合ループは、第2の部分が前記測定軸に沿っ
    て波長λの1/2のずれをもって配置されて互いに逆周
    りとなる誘導電流を流すように構成された第1及び第2
    の結合ループを有し、 前記磁界発生器、磁束結合ループ及び磁束センサのいず
    れか一つが前記第1、第2の部材の一方に、残りの二つ
    が他方に配置されていることを特徴とする誘導型位置検
    出装置。
  2. 【請求項2】 第1の部材と、 この第1の部材が測定軸に沿って移動可能であるような
    測定軸を有する第2の部材と、 励振信号に応答して第1の磁束領域内に第1の可変磁束
    を発生する磁界発生器と、 前記第1の磁束領域内に配置された第1の部分及び前記
    第1の磁束領域から物理的に離れた第2の磁束領域内に
    配置された第2の部分を有し、前記第1の部分に前記第
    1の可変磁束に応答して誘導電流を発生し、その誘導電
    流により前記第2の部分に第2の可変磁束を発生する
    束結合ループと、前記磁束結合ループが発生する第2の可変磁束を検出し
    て前記磁束結合ループとの間の前記測定軸方向の相対位
    置の関数である出力信号を発生する 磁束センサとを備
    え、前記磁束センサと磁界発生器の 少なくとも一方は、前記
    測定軸に沿って波長λで極性が交番する誘導性領域とし
    て交差部で互いに絶縁された複数の導体セグメントによ
    り形成された正極性ループと負極性ループを有する巻線
    により構成され、 前記磁界発生器、磁束結合ループ及び磁束センサのいず
    れか一つが前記第1、第2の部材の一方に、残りの二つ
    が他方に配置されていることを特徴とする誘導型位置検
    出装置。
  3. 【請求項3】 前記磁界発生器と磁束センサは前記測定
    軸に直交する方向に並べて配置され、 前記磁束結合ループの第1の部分が前記磁界発生器に対
    向し、第2の部分が前記磁束センサに対向するように配
    置されていることを特徴とする請求項1又は2記載の誘
    導型位置検出装置。
  4. 【請求項4】 第1の部材と、 この第1の部材が測定軸に沿って移動可能であるような
    測定軸を有する第2の部材と、 前記測定軸を挟んで物理的に離れて配置された第1及び
    第2の送信部を有し、これら第1及び第2の送信部が同
    時に励振されて互いに逆極性の可変磁束を発生する磁界
    発生器と、 前記第1及び第2の送信部が発生する可変磁束にそれぞ
    れ応答するように配置された第1及び第2の結合ループ
    を有し、各結合ループは、前記第1及び第2の送信部が
    発生する可変磁束により誘導電流を発生する第1の部分
    とこの第1の部分から物理的に離れて配置されて第1の
    部分が発生する誘導電流により可変磁束を発生する第2
    の部分とを有する磁束結合ループと、 前記磁束結合ループが発生する可変磁束を検出して前記
    磁束結合ループとの間の前記測定軸方向の相対位置の関
    数である出力信号を発生する磁束センサとを備え、 前記磁束センサと磁界発生器の少なくとも一方は、前記
    測定軸に沿って波長λで極性が交番する誘導性領域を含
    み、 前記磁束結合ループは、第1及び第2の結合ループの第
    2の部分が前記測定軸に沿って波長λの1/2のずれを
    もって配置されて互いに逆周りとなる誘導電流を流すよ
    うに構成され、 前記磁界発生器、磁束結合ループ及び磁束センサのいず
    れか一つが前記第1、第2の部材の一方に、残りの二つ
    が他方に配置されていることを特徴とする誘導型位置検
    出装置。
  5. 【請求項5】 前記磁束結合ループは、第1の結合ルー
    プの第1の部分と第2の部分がそれぞれ前記第1の送信
    部と磁束センサに対向し、第2の結合ループの第1の部
    分と第2の部分がそれぞれ前記第2の送信部と磁束セン
    サに対向するように配置されていることを特徴とする請
    求項4記載の誘導型位置検出装置。
  6. 【請求項6】 前記第1及び第2の送信部は、前記磁束
    センサの前記測定軸と直交する方向の両サイドに配置さ
    れて、前記磁束結合ループがない場合に前記磁束センサ
    に直接結合する磁束がその対称構造の結果として実質的
    にゼロとなるように構成されていることを特徴とする請
    求項4記載の誘導型位置検出装置。
  7. 【請求項7】 前記磁界発生器と磁束センサが前記第
    1,第2の部材の一方に配置され、 前記磁束結合ループが前記第1,第2の部材の他方に配
    置されていることを特徴とする請求項1,2,4のいず
    れかに記載の誘導型位置検出装置。
  8. 【請求項8】 前記磁界発生器と磁束結合ループが前記
    第1,第2の部材の一方に配置され、 前記磁束センサが、前記第1,第2の部材の他方に配置
    されていることを特徴とする請求項1,2,4のいずれ
    かに記載の誘導型位置検出装置。
  9. 【請求項9】 前記磁界結合ループと磁束センサが前記
    第1,第2の部材の一方に配置され、 前記磁界発生器が前記第1,第2の部材の他方に配置さ
    れていることを特徴とする請求項1,2,4のいずれか
    に記載の誘導型位置検出装置。
  10. 【請求項10】 前記磁界発生器と磁束センサの少なく
    とも一方は、波長λを一周期として前記測定軸に沿って
    複数周期にわたって前記誘導性領域を形成する巻線から
    なることを特徴とする請求項1,2,4のいずれかに記
    載の誘導型位置検出装置。
  11. 【請求項11】 前記巻線は、交差部で互いに絶縁され
    た複数の導体セグメントにより形成された正極性ループ
    と負極性ループとの一対で波長λの一周期を構成してい
    ことを特徴とする請求項10記載の誘導型位置検出装
    置。
  12. 【請求項12】 前記巻線として、前記測定軸に沿って
    λ/4の位相ずれを持つ2種が配置されていることを特
    徴とする請求項10記載の誘導型位置検出装置。
  13. 【請求項13】 前記巻線として、前記測定軸に沿って
    λ/Mの位相ずれを持つM種(但し、M≧3)が配置さ
    れていることを特徴とする請求項10記載の誘導型位置
    検出装置。
  14. 【請求項14】 前記磁束結合ループとして、前記波長
    λの周期で形成された複数の第1の結合ループと、第1
    の結合ループに対してλ/2の位相ずれをもって形成さ
    れた複数の第2の結合ループとが設けられていることを
    特徴とする請求項1,2,4のいずれかに記載の誘導型
    位置検出装置。
  15. 【請求項15】 前記磁束センサと前記磁界発生器は、
    前記磁束センサが前記磁界発生器により発生される可変
    磁束に直接感応しないように配置されていることを特徴
    とする請求項1,2,4のいずれかに記載の誘導型位置
    検出装置。
  16. 【請求項16】 前記磁界発生器、磁束結合ループ及び
    磁束センサの少なくとも一つは、プリント回路基板、集
    積回路基板のいずれかに形成されていることを特徴とす
    る請求項1,2,4のいずれかに記載の誘導型位置検出
    装置。
  17. 【請求項17】 供給電力を出力するエネルギー供給源
    と、 前記供給電力を入力して、各測定サイクルの間前記磁界
    発生器に励振信号を与える励振回路と、 前記各磁束センサからの出力信号を入力して、前記第1
    の部材の第2の部材に対する相対位置を所定の分解能レ
    ベルで示す位置信号を出力する解析回路とを更に備えた
    ことを特徴とする請求項1,2,4のいずれかに記載の
    誘導型位置検出装置。
  18. 【請求項18】 前記励振回路は、前記磁界発生器の送
    信巻線と共に共振回路を構成するキャパシタを有するこ
    とを特徴とする請求項17記載の誘導型位置検出装置。
  19. 【請求項19】 前記解析回路は、前記磁束センサの出
    力信号を内挿して高分解能位置測定を行う内挿回路を有
    することを特徴とする請求項17記載の誘導型位置検出
    装置。
  20. 【請求項20】 前記磁束センサとして、波長λの周期
    パターンをもってλ/Nずつ位相がずれた状態の誘導性
    領域を含むN個が配置され、 前記解析回路は、前記各磁束センサの出力を互いに減算
    することにより高調波成分を除去することを特徴とする
    請求項17記載の誘導型位置検出装置。
  21. 【請求項21】 前記励振回路は、パルス信号により制
    御駆動されて前記磁界発生器に対して断続的励振信号を
    出力することを特徴とする請求項17記載の誘導型位置
    検出装置。
  22. 【請求項22】 前記解析回路は、前記励振回路を制御
    駆動するパルス信号に同期して前記磁束センサの出力信
    号をサンプリングホールドするサンプルホールド回路を
    有することを特徴とする請求項19記載の誘導型位置検
    出装置。
  23. 【請求項23】 前記サンプルホールド回路は、前記パ
    ルス信号に同期して制御駆動される励振回路、この励振
    回路により駆動される磁束発生器、及びこの磁束発生器
    からの可変磁束に応答する磁束センサにおける予測され
    る遅延特性に基づいてサンプリングタイミングが設定さ
    れていることを特徴とする請求項22記載の誘導型位置
    検出装置。
  24. 【請求項24】 前記測定軸が直線であることを特徴と
    する請求項1,2,4のいずれかに記載の誘導型位置検
    出装置。
  25. 【請求項25】 前記測定軸が円形であることを特徴と
    する請求項1,2,4のいずれかに記載の誘導型位置検
    出装置。
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