JP2000065597A - 誘導型リニアスケ―ル - Google Patents

誘導型リニアスケ―ル

Info

Publication number
JP2000065597A
JP2000065597A JP10343589A JP34358998A JP2000065597A JP 2000065597 A JP2000065597 A JP 2000065597A JP 10343589 A JP10343589 A JP 10343589A JP 34358998 A JP34358998 A JP 34358998A JP 2000065597 A JP2000065597 A JP 2000065597A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
magnetic flux
linear scale
inductive
loop
magnetic field
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP10343589A
Other languages
English (en)
Inventor
Nils Ingvar Andermo
イングバール アンダーモ ニルス
Karl G Masreliez
カールジーマスレリーツ
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitutoyo Corp
Mitsutoyo Kiko Co Ltd
Original Assignee
Mitutoyo Corp
Mitsutoyo Kiko Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitutoyo Corp, Mitsutoyo Kiko Co Ltd filed Critical Mitutoyo Corp
Publication of JP2000065597A publication Critical patent/JP2000065597A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01BMEASURING LENGTH, THICKNESS OR SIMILAR LINEAR DIMENSIONS; MEASURING ANGLES; MEASURING AREAS; MEASURING IRREGULARITIES OF SURFACES OR CONTOURS
    • G01B7/00Measuring arrangements characterised by the use of electric or magnetic techniques
    • G01B7/02Measuring arrangements characterised by the use of electric or magnetic techniques for measuring length, width or thickness
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01DMEASURING NOT SPECIALLY ADAPTED FOR A SPECIFIC VARIABLE; ARRANGEMENTS FOR MEASURING TWO OR MORE VARIABLES NOT COVERED IN A SINGLE OTHER SUBCLASS; TARIFF METERING APPARATUS; MEASURING OR TESTING NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • G01D5/00Mechanical means for transferring the output of a sensing member; Means for converting the output of a sensing member to another variable where the form or nature of the sensing member does not constrain the means for converting; Transducers not specially adapted for a specific variable
    • G01D5/12Mechanical means for transferring the output of a sensing member; Means for converting the output of a sensing member to another variable where the form or nature of the sensing member does not constrain the means for converting; Transducers not specially adapted for a specific variable using electric or magnetic means
    • G01D5/14Mechanical means for transferring the output of a sensing member; Means for converting the output of a sensing member to another variable where the form or nature of the sensing member does not constrain the means for converting; Transducers not specially adapted for a specific variable using electric or magnetic means influencing the magnitude of a current or voltage
    • G01D5/20Mechanical means for transferring the output of a sensing member; Means for converting the output of a sensing member to another variable where the form or nature of the sensing member does not constrain the means for converting; Transducers not specially adapted for a specific variable using electric or magnetic means influencing the magnitude of a current or voltage by varying inductance, e.g. by a movable armature
    • G01D5/204Mechanical means for transferring the output of a sensing member; Means for converting the output of a sensing member to another variable where the form or nature of the sensing member does not constrain the means for converting; Transducers not specially adapted for a specific variable using electric or magnetic means influencing the magnitude of a current or voltage by varying inductance, e.g. by a movable armature by influencing the mutual induction between two or more coils
    • G01D5/2086Mechanical means for transferring the output of a sensing member; Means for converting the output of a sensing member to another variable where the form or nature of the sensing member does not constrain the means for converting; Transducers not specially adapted for a specific variable using electric or magnetic means influencing the magnitude of a current or voltage by varying inductance, e.g. by a movable armature by influencing the mutual induction between two or more coils by movement of two or more coils with respect to two or more other coils

Landscapes

  • Physics & Mathematics (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Transmission And Conversion Of Sensor Element Output (AREA)
  • Measurement Of Length, Angles, Or The Like Using Electric Or Magnetic Means (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 改良されたコンパクトな巻線構成を用いて、
無駄なオフセット成分がなく、外部磁界の影響も受け
ず、且つ格別の製造や回路精度を要せず高分解能の位置
測定を可能とする高精度の誘導電流型位置トランスジュ
ーサを備えた誘導型リニアスケールを提供する。 【解決手段】 位置トランスジューサを備えた誘導型リ
ニアスケール200は、磁束結合ループ244,246
が形成されたスケールと、送信巻線262A,262B
と受信巻線266,268とが形成された読取りヘッド
230とを有する。送信巻線262A,262Bが発生
する一次磁界は磁束結合ループ244,246の第1の
ループ部分248,254に結合し、第2のループ部分
250,256は二次磁界を発生して、受信巻線26
6,268に誘導結合する。受信巻線266,268は
磁束結合ループ244,246の配列と対応する周期パ
ターンに形成されて、スケール204と読取りヘッド2
30の相対位置に応じた位置依存性出力を出す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、誘導電流型のリ
ニアスケールに係り、特に、オフセット成分の小さい高
精度タイプの誘導型位置トランスジューサを使った誘導
型リニアスケールに関する。
【0002】
【従来の技術】1996年5月13日出願の合衆国特許
出願No.08/645,490号はここに完全に組み
入れられ、誘導電流型位置トランスジューサを使った誘
導型リニアスケールを開示する。この490号の出願
は、誘導電流型位置トランスジューサのための信号処理
技術を開示している。さらにこの490号の出願に説明
されている誘導電流型位置トランスジューサを使ってい
る誘導型リニアスケールの動作は、一般に図1、2及び
3に示される。図1に例示するように、誘導型リニアス
ケール100は、ビーム102とスライダ120を含
む。ビーム102は、一般的に長方形の断面を持ってい
る堅いまたは柔軟性はあるが寸法が変わらない棒状のも
のでできている。
【0003】動作時には、スライダ120とビーム10
2上のスケール104は接触せずに近傍に配設される。
ビーム102とスライダ120は各種の形態に装着可能
で、この2つの構成要素が取り付けられるメカニカルな
据え付け品の間の相対位置を測定可能である。スケール
104は、堅い材質または柔軟だが寸法は安定している
部材で構成される。クランプまたは接着剤により、スケ
ール104をメカニカルな据え付け品に直接付けられ
る。スケール104とビーム102は非導通であるほう
が好ましい。
【0004】図1に例示するように、スケール104は
プリント基板106で構成可能であり、1セットの磁束
変調器108は、周期的なパターンのプリント基板10
6と交互に配置される。また、図1において表示ケーブ
ル110が示される。図2に例示するように、リニアス
ケールの測定結果は、デジタルディスプレイユニット1
14に設置された従来のディジタルディスプレイ112
に表示される。1対の押しボタンスイッチ116と11
8は、また、ディジタルディスプレイユニット114に
設置される。スイッチ116は、信号処理回路122と
ディジタルディスプレイユニット114をオンオフす
る。スイッチ118は、スライダ120の原点を、スケ
ール104と相対的な現在位置にリセットする。
【0005】スライダ120からの位置情報は、他の制
御系または表示装置に送信できる。スライダ120はハ
ウジング124を含み、読取りヘッド130をビーム1
02の磁束変調器108に対して接触せずに近傍に保持
する。スライダ120は通常のプリント基板などの基板
126も含む。信号処理回路122は好ましくは、基板
126の上部の表面に設置されるが、代わりに信号処理
回路の部分が読取りヘッド130の内部の側に置かれる
こともある(図示せず)。ハウジング124の中身はカ
バー128により保護される。リボン状の読取りヘッド
コネクタ132は、信号処理回路122と読取りヘッド
130を電気的に接続する。表示ケーブル110は、従
来の方法によってハウジング124の中にある信号処理
回路122に取り付けられる。図3に例示するように、
複数の磁束変調器108は、以下に詳細に説明するよう
に、測定軸134に沿って波長λと等しいピッチでビー
ム102に分散配置される。磁束変調器108は、測定
軸134に沿ってλ/2の幅を有し、測定軸134と直
交する方向に幅dを有する。
【0006】読取りヘッド130は、励振信号発生器1
38と接続している一般に矩形の送信巻線136を含
む。励振信号発生器138は、送信巻線136に時間的
に可変の励振信号を与える。時間的に可変の励振信号は
好ましくは、高周波の正弦波信号、パルス信号、または
指数関数的に減衰する正弦波信号とする。時間的に可変
の励振信号が送信巻線136に印加されると、送信巻線
136に流れる時間的に可変の電流がこれに対応して時
間的に可変のあるいは変化する磁場を発生する。通常、
送信巻線136は矩形に作られるから、発生する磁束は
送信巻線136の中心部の磁束領域内で実質的に一定と
なる。
【0007】読取りヘッド130は、また、送信巻線1
36の内側の磁束領域内に位置する第1の受信巻線14
0及び第2の受信巻線142を有する。第1の受信巻線
140及び第2の受信巻線142はそれぞれ、複数の第
1のループセグメント144及び第2のループセグメン
ト146により形成される。第1のループセグメント1
44はプリント回路基板の一方の面に成形され、第2の
ループセグメント146はプリント回路基板の他方の面
に成形されている。プリント回路基板の層は、第1のル
ープセグメント144と第2のループセグメント146
の間の電気的絶縁体層として作用する。各第1のループ
セグメント144の各端子は、プリント回路基板に形成
された貫通配線148を介して第2のループセグメント
146のうちの一つの端子と接続されている。
【0008】第1及び第2のループセグメント144と
146は好ましくは正弦波状に形成されている。従っ
て、図3に示すように、それぞれ受信巻線140及び1
42を成形する第1及び第2のループセグメント144
と146は、波長λの正弦波状周期パターンを形成す
る。この様に、受信巻線140及び142はそれぞれ複
数のループ150と152をもって形成される。第1及
び第2の受信巻線140と142のうちのそれぞれのル
ープ150と152は、測定軸134に沿ってλ/2の
幅を有する。従って、隣接するループ150と152の
各対は、λの幅を有する。さらに、第1及び第2のルー
プセグメント144と146は、隣接するループ150
と152の各対で正弦波一周期を構成する。即ち、λ
は、第1及び第2の受信巻線140と142の正弦波波
長に対応する。さらに、第2の受信巻線142は、測定
軸134に沿ってλ/4だけ第1の受信巻線140から
オフセットされている。即ち、第1及び第2の受信巻線
140と142は、矩象(位相が90°ずれた状態)に
ある。
【0009】励振信号発生器138から発生される変化
する励振信号は、電流が第1の端子136Aから送信巻
線136を通って第2の端子136Bに出るように、送
信巻線136に与えられる。これにより、送信巻線13
6により発生される磁界は、送信巻線136内で図3面
に対して下向きに発生し、送信巻線136の外では図3
の面から上向きに発生する。従って、送信巻線136の
内側の変化する磁界は、受信巻線140及び142にお
いて成形されたループ150及び152のそれぞれに誘
導電磁力(EMF)を発生する。ループ150と152
は逆巻きである。従って、ループ150において誘導さ
れたEMFは、ループ152において誘導されたEMF
と逆極性となる。ループ150と152は同じ面積を有
し、設計上同じ磁束量が通る。そのため、各ループ15
0と152で発生されるEMFの絶対値は設計上同じで
ある。
【0010】第1及び第2の受信巻線140と142に
は好ましくは同数ずつのループ150及び152があ
る。理想的には、ループ150において誘導された正極
性のEMFが正確に、ループ152において誘導された
負極性EMFによるオフセットとなるようにする。従っ
て、第1及び第2の受信巻線140と142上の正味の
EMFがゼロであり、これは単に送信巻線136から受
信巻線140及び142に直接結合する結果としては第
1及び第2の受信巻線140及び142には出力信号が
出ないことを意味する。
【0011】読取りヘッド130がスケール104の近
傍に配置されと、送信巻線136により発生される変化
する磁束は、磁束変調器108をも通過する。磁束変調
器108は、変化する磁束を変調し、磁束拡大器(flux
enhancer)または磁束減衰器(flux disrupter)のいず
れかになり得る。磁束変調器108が磁束減衰器として
提供される場合は、磁束変調器108はスケール104
において導電板、或いは導電薄膜として構成される。導
電板、或いは導電薄膜を変化する磁束が通過すると、渦
電流が流れる。この渦電流は、送信巻線136により発
生される磁界とは逆方向の磁界を発生する。従って、磁
束減衰器型の磁束変調器108に近傍領域では、正味の
磁束が、磁束変調器108から離れた領域での磁束より
小さくなる。
【0012】磁束減衰型の磁束変調器108が受信巻線
140の正極正ループ150と一致するように、読取り
ヘッド130とスケール104が相対する位置に来る
と、正極正ループ150に発生する正味のEMFは、負
極性ループ152に発生する正味のEMFに比べて低下
する。これにより、受信巻線140はアンバランスにな
り、正味負の信号を端子140Aと140Bの間に出力
する。同様に、磁束減衰器108が負極性ループ152
と一致する位置に来ると、負極性ループ152を通る正
味の磁束は遮断または減衰される。これにより、負極性
ループ152に発生する正味のEMFは、正極性ループ
150に発生する正味のEMFに比べて低下する。これ
により、第1の受信巻線140は、正味正の信号を端子
140Aと140Bの間に出力する。
【0013】磁束変調器108が磁束拡大器として提供
される場合は、以上の結果は逆になる。磁束拡大器型の
磁束変調器108は、スケール104上または内部の強
磁性磁材原料により構成される。送信巻線136により
発生される磁束は、その強磁性材の磁束拡大器型の磁束
変調器108を優先的に通る。即ち、磁束拡大器型の磁
束変調器108内の磁束密度が増大する一方、磁束拡大
器108の外側の磁束密度が低下する。従って、磁束拡
大器型の磁束変調器108が第2の受信巻線142の正
極性ループ150に一致する位置に来ると、正極性ルー
プ150を通る磁束密度は負極性ループ152を通過す
る磁束密度に比べて大きくなる。これにより、正極性ル
ープ150に発生される正味のEMFは増大し、負極性
ループ152に発生される正味のEMFは減少する。こ
れは、第2の受信巻線142の端子142Aと142B
の間に正極性信号として現れる。
【0014】磁束拡大器型の磁束変調器108が第2の
受信巻線142の負極性ループ152と一致する位置に
来ると、負極性ループ152は、正極性ループ150に
誘導されるEMFより相対的に拡大されたEMFを発生
する。これにより、第2の受信巻線142の端子142
Aと142Bの間に負信号が現れる。前述の関連米国出
願に概略を述べたように、磁束強調器と磁束減衰器がス
ケール104の長手方向に沿って交互配置されるように
して、単一のスケール内に磁束強調と磁束減衰の両方の
効果を併せて組み込むこともできる。これにより、二つ
の磁束変調器の効果が加法的に組み合わされるため、誘
導されるEMFの変調を拡大する作用が得られる。
【0015】上述のように、磁束変調器108のピッチ
はλ、幅はλ/2、高さはdである。同様に、第1及び
第2の受信巻線140と142の周期パターンの波長は
λであり、正極性ループ150と負極性ループ152の
高さはd である。さらに、ループ150と152は、そ
れぞれ一定の面積を有する。
【0016】図4(a)は、磁束変調器108が正極性
ループ150に対する相対移動により、正極性ループ1
50から得られる位置に依存した出力信号を示してい
る。もし磁束変調器108が磁束減衰器であるならば、
信号振幅の極小値は磁束減衰器が丁度正極性ループ15
0に一致する位置に対応し、信号振幅の最大値は磁束減
衰器が丁度負極性ループ152に一致する位置に対応す
る。図4(b)は、負極性ループ152の出力信号を示
している。図4(a)に示す信号と同様に、信号振幅の
極小値は磁束減衰器が丁度正極性ループ150に一致す
る位置に対応し、信号振幅の極大値は磁束減衰器が丁度
負極性ループ152に一致する位置に対応する。磁束減
衰器に代わって磁束拡大器が用いられた場合は、図4
(a)(b)における信号振幅の極小値は負極性ループ
152と磁束強調器が一致する位置に対応し、信号振幅
の極大値は磁束拡大器が正極性ループ150と一致する
位置に対応することになる。
【0017】図4(c)は、第1及び第2の受信巻線1
40と142のいずれか一方から得られる正味の出力信
号を示している。この正味の信号は、正極性ループ15
0及び負極性ループ152から得られる信号の合計、即
ち図4(a)及び4(b)に示す信号に等しい。図4
(c)の正味の信号は理想的には、ゼロに対して対称
的、即ち正極性ループ150及び負極性ループ152
は、丁度バランスして原点オフセットによって対称的出
力を生成するはずである。
【0018】しかし、実際のデバイスにおいては、“D
C”オフセット(位置依存性がない)成分がしばしば正
味の出力信号に現れる。このDC成分がオフセット信号
Voである。このオフセットVoは、信号処理を複雑にし、
好ましくない位置測定誤差を生じさせる無駄な信号成分
である。このオフセットは2つの主要な発生源を持って
いる。
【0019】第1は、送信磁界の全振幅が第1及び第2
の受信巻線140と142を通過することである。上述
のように、この送信磁界は正極性ループ150及び負極
性ループ152にそれぞれ電圧を誘導する。この誘導電
圧は、正極性ループ150と負極性ループ152が逆方
向に巻かれているため、名目上は相殺される。しかし、
受信巻線での誘導電圧が完全に相殺されるためには、正
極性ループ150及び負極性ループ152が完全な位置
と形状をとり、完全にバランスすることが必要である。
磁束変調器108により起こされた誘導電圧での調整よ
り、送信巻線136により直接第1及び第2の受信巻線
140と142に誘導された電圧の方ががずっと強いの
で、完全なバランスをとることは難しい。実際に、製造
上の誤差が常に完全なバランスをとることを妨げる。
【0020】第2に、磁束変調器108により形成され
た空間変調磁界もまた、平均的な位置依存性のないオフ
セット成分の原因となる。即ち、送信巻線136により
発生される磁界内にある磁束変調器108は全て磁界内
で同じ極性の空間変調を生じさせる。例えば、磁束減衰
器が使われる時には、送信磁界内の磁束減衰器が全て同
じ極性の二次磁界を発生するため、磁束変調器からの誘
導渦電流磁界はオフセットを持っている。同時に、磁束
減衰器の間のスペースは二次磁界を発生しない。従っ
て、受信巻線140と142の個々の正極性ループ15
0及び負極性ループ152は、同じ極性で極大値と極小
値の間で変化する正味の磁界に出逢うことになる。この
作用の平均値はゼロの周りでバランスせず、大きな名目
上のオフセットを持っている。同様に、磁束拡大器を用
いた場合、磁束強調器によるフィールド変調は、送信巻
線136内の磁束拡大器が全て同じ磁界変調を生じ、一
方変調器間のスペースは変調しないから、バイアスを持
っている。従って、個々の受信巻線140または142
の個々の正極性150及び負極性ループ152は、同じ
極性で極大値と極小値の間で変化する、空間的に変調さ
れた磁界に出逢うことになる。この作用の平均値もま
た、大きな名目上のオフセットを持っている。
【0021】受信巻線は同数の正極性ループ150と負
極性ループ152を持ち、これはオフセット成分を除去
するのに役立っている。しかし、正極性ループ150と
負極性ループの間のバランスの不完全が前述の残留オフ
セットの原因となる。第1及び第2の受信巻線140と
142における正極性と負極性ループ150と152の
間の対称性によってのみ、これらのオフセット成分が相
殺されることが期待される。これは、受信巻線140と
142の製造精度に対して厳しい要求となる。トランス
ジューサの製造実験は、誘導型位置トランスジューサか
らこの誤差源を除去することが実際上不可能であること
を示している。さらに、磁束変調器108の幅またはピ
ッチの誤差は、受信巻線140または142をスケール
104とスライダ120の間の相対位置に依存すること
なく不均衡にする。前述のオフセット成分のようなトラ
ンスジューサ位置に依存しない信号成分は、トランスジ
ューサ動作にとって無駄な信号と認められる。この様な
無駄な信号は、望ましい信号処理回路を複雑にし、さも
なければ変換精度を低下させる誤差の原因となる。
【0022】他の関連技術として、受信巻線を送信巻線
が作る磁界から離れた位置に配置することにより、簡単
に送受信巻線間の無駄な結合を低減する単純な巻線構成
が開示されている。しかしこの技術の有効性は、送受信
巻線間の分離の度合いのみに依存し、そのためこの技術
はコンパクトなサイズの高精度位置センサという要求を
満たすことができない。代わりに、送信磁界を強磁性材
を用いることで制限することができ、そうすれば所定の
分離度合いの有効性が増す。しかし、この技術は、実際
のデバイスにおいて、付加的な複雑性とコスト高をもた
らし、また外部磁界の影響を受けやすくなる。さらに、
これらの技術に関連して開示された簡単な巻線構成は、
送受信巻線の長さを大幅に越えた測定レンジを持つデバ
イスの作り方を含まない。さらに、この簡単な巻線構成
は、所定の測定レンジに対して単位変位当たりの出力信
号変化度合いを十分に拡大する手段を提供していない。
従って、これらの機器の実用的な測定分解能は、与えら
れた計測範囲に制限される。
【0023】
【発明が解決しようとする課題】高精度タイプの誘導型
リニアスケールのニーズとしては、外来信号成分及び外
部磁界の両方を除去可能でかつ製造精度と回路精度の増
加を必要とせず、従来にない小型、簡単な構成、大きな
測定レンジを持った高分解能な測定能力が上げられる。
この発明は、改善された巻線構成によって誘導型位置ト
ランスジューサを使った誘導型リニアスケールを提供す
る。改良された巻線構成は、格別の製造精度を必要とせ
ず、出力信号の無駄な「オフセット」成分に対する有効
信号成分の割合を増加させる。さらに、巻線構成は、与
えられた測定レンジでの単位変位当たりの出力信号変化
の度合いを拡大する手段を提供することを目的とする。
【0024】この発明はまた、空間変調された多数の巻
線と相互作用するスケール上の多数の結合巻線との間で
拡大された位置依存結合により、送信受信巻線間の無駄
な結合を最小限に抑える巻線構成によって達成される。
この発明はまた、互いに相対移動可能なスケールと読取
りヘッドを備える、“オフセット低減”されたインクリ
メンタル方式の誘導型位置トランスデューサを使った誘
導型リニアスケールを提供する。読取りヘッドは、測定
軸に沿って延びる1 対の受信巻線を有する。読取りヘッ
ドは、測定軸に沿って延び、かつ、測定軸と直角な方向
に受信巻線の外側に配置される送信巻線を含む。
【0025】
【課題を解決するための手段】この発明は、送受信巻線
間の位置に依存する結合を、複数の空間変調巻線と相互
作用するスケール上の複数の結合巻線を介することによ
り増大させながら、送受信巻線間の無駄な結合を極小化
しゼロにする巻線構成を用いることにより完成される。
即ちこの発明に係る誘導型リニアスケールは、スライダ
と、このスライダが測定軸に沿って移動可能であるよう
な測定軸を有するビームと、励振信号に応答して第1の
磁束領域内に第1の可変磁束を発生する少なくとも一つ
の磁界発生器と、前記第1の磁束領域内に配置された第
2の部分及び前記第1の磁束領域から物理的に離れた第
2の磁束領域内に配置された第2の部分を有し、前記第
1の部分に前記第1の可変磁束に応答して誘導電流が発
生され、その誘導電流により前記第2の部分に第2の可
変磁束が発生される少なくとも一つの磁束結合ループ
と、少なくとも一つの磁束センサとを備え、a)少なく
とも一つの磁束センサと、b)少なくとも一つの磁界発
生器の少なくとも一方は、前記測定軸に沿って延び且つ
交番する幅の増減を含むパターンで空間的に変調された
誘導性領域を含み、各磁束センサは、前記第1の磁束領
域の外側に配置されて少なくとも一つの前記磁束結合ル
ープの前記第2の磁束領域の前記第2の可変磁束を検出
すると共に、検出された磁束に基づいて当該磁束センサ
と少なくとも一つの前記磁束結合ループとの間の相対位
置の関数である出力信号を発生するものであり、且つ、
前記磁界発生器、磁束結合ループ及び磁束センサのいず
れか一つが前記スライダと前記ビームの一方に、残り二
つが他方に配置されていることを特徴とする。
【0026】この発明による誘導型リニアスケールの第
1の好ましい実施態様においては、送信巻線は、第1の
送信巻線と第2の送信巻線に分けられ、これらが受信巻
線の両サイドに配置される。これら第1及び第2の送信
巻線により形成される磁界は受信巻線の領域で互いに相
殺するように構成される。これが、送信巻線から受信巻
線への直接結合による無駄な成分を極小化する。スケー
ル部材には、測定軸に沿って延びる複数の第1の磁束結
合ループが、同じく測定軸に沿って延びる複数の第2の
磁束結合ループの間にインターリーブ(交互)配置され
る。第1の結合ループは第1の送信巻線と並ぶ第1の部
分と、受信巻線と並ぶ第2の部分とを有する。同様に、
第2の結合ループは、第2の送信巻線と並ぶ第1の部分
と、受信巻線と並ぶ第2の部分とを有する。
【0027】この発明による誘導型リニアスケールの第
2の好ましい実施態様においては、磁界発生器を構成す
る送信巻線は、読取りヘッド上の磁束センサを構成する
受信巻線の傍らに沿って配置された一つのループのみを
持つ。この場合スケール部材では、測定軸に沿って配列
された複数の第1の結合ループが、同じく測定軸に沿っ
て配列された複数の第2の結合ループとインターリーブ
(交互)配置される。第1及び第2の結合ループは共
に、送信巻線と並ぶ第1の部分と受信巻線と並ぶ第2の
部分を有する。第1の結合ループのそれぞれ第1の部分
と第2の部分は、交差せずに直列に接続された状態、即
ち“捩れのない状態”(untwisted )とされる。これに
より、第1の結合ループの第1及び第2の部分に誘導さ
れる磁界は同極性となる。これに対して第2の結合ルー
プのそれぞれ第1の部分と第2の部分は、交差して直列
に接続した状態、即ち“捩れた状態”(twisted )とさ
れる。これにより、送信巻線の励振に応答して、受信巻
線直下の領域に測定軸に沿って変化する誘導磁界が生成
される。この様な巻線構成は、実質的に無駄な信号成分
を除去し、従って経済的な設計で、簡単な信号処理と優
れた変換精度及び高信頼性を可能とする。この発明によ
る、これらの及び他の特徴及び利点は、以下の好ましい
実施例の詳細な説明により明らかにされる。
【0028】
【発明の実施の形態】図5に例示するように、誘導型リ
ニアスケール200はビーム202とスライダ220を
含む。ビーム202は、通常長方形の断面を有している
硬直または半硬直バーである。動作中、スライダ22
0、ビーム202上のどの構成要素とも接触せず、且
つ、スケール204の近傍に配設される。ビーム202
とスライダ220は各種形態に装着して利用可能である
ので、どのような2つの構成要素間の相対位置でも測定
可能である。スケール204は、寸法が安定していれば
硬直している材料はもちろん柔軟性のある材料でも構成
可能である。従って、ビーム202を除いてスケール2
04は、クランプまたは接着剤で取り付け具に直接付け
ることができる。スケール204は、非伝導性であるこ
とが好ましいが、もし伝導性である場合は必ず磁束結合
ループ208から絶縁される必要がある。スライダ22
0は、スケール204と相対するそれ自身の位置を帰納
的に監視する。スケール204は、細長いプリント回路
基板206を備える。図5に例示するように、1セット
の磁束結合ループ208は、プリント回路基板206に
沿って所定の周期パターンで所定の間隔を持って配置さ
れる。また、表示ケーブル210が示される。
【0029】図6に例示するように、リニアスケールに
よる測定結果は、ディジタルディスプレイユニット21
4に搭載された、従来のディジタルディスプレイ212
に表示される。また、1対の押しボタンスイッチ216
と218が、ディジタルディスプレイユニット214に
搭載される。スイッチ216は、信号処理回路222と
ディジタルディスプレイユニット214をオンオフす
る。スイッチ218は、スケール204と相対するスラ
イダ220の現在位置をリニアスケールの原点にリセッ
トする。スライダ220からの位置情報は、他の電子制
御系または表示装置に出力可能である。スライダ220
は、好ましくはビーム202と接触せずにビーム202
の近傍に読取りヘッド230を保持するハウジング22
4を含む。スライダ220は従来のプリント回路基板な
どの基板226を含む。信号処理回路222は読取りヘ
ッド230の内部に配置可能だが、代案(図示せず)と
して基板226の上部表面に実装されるのが好ましい。
スライダ224の中身はカバー228により保護され
る。リボン状の読取りヘッドコネクタ232は、読取り
ヘッド230と信号処理回路222とを電気的に接続す
る。表示ケーブル210は、従来と同様な方法によって
ハウジング224の内部にある信号処理回路222に取
り付けられる。
【0030】図7に例示するように、読取りヘッド23
0は薄い丈夫な絶縁コーティング238によりカバーさ
れる。絶縁コーティング238は好ましくは、約50マ
イクロメートルの厚さである。絶縁コーティング238
は、代わりにスライダ220の全体のスケールに直面す
る表面を封印している膜によって代替できる。スライダ
220のすべての外部とのジョイントは、汚染物が電子
回路と接触することを妨げるために、接着剤(図示せ
ず)または他の従来からある方法によって封印される。
スライダ220は、それが、ビーム202から、絶縁コ
ーティング238と242の間で形成されたエアギャッ
プ240によりわずかに分離されるように、読取りヘッ
ド230を支持する。エアギャップ240は好ましく
は、0.4ミリメートルのオーダーである。全体的に、
読取りヘッド230と磁束結合ループ236により誘導
型のトランスジューサを形成する。電源は、従来と同様
の方法(図示せず)により、スライダ220またはディ
ジタルディスプレイユニット214に供給されて、表示
ケーブル210によって供給される。太陽電池、バッテ
リー、または外部電源を使用可能である。
【0031】図8と9は、通常“インクリメンタル方
式”と称されるタイプの出力を生成し、本発明の誘導型
リニアスケールにおいて使われる、オフセット低減型の
誘導型位置トランスジューサであるリニアスケール20
0の第1の好適な実施例を示す。“インクリメンタル方
式”は、トランスジューサが、変位の増加量に従って繰
り返される周期的信号を出力するように設計されている
ことを意味している。特に、図8は、誘導型リニアスケ
ール200のオフセットの小さいスケール204の第1
の好適な実施例を示す。図8に例示するように、オフセ
ットが小さいスケール204は、交互配置される第1の
多数の閉ループの磁束結合ループ246と第1の多数の
閉ループの第1の磁束結合ループ244を含む。第1及
び第2の磁束結合ループ244と246のそれぞれは電
気的に絶縁されている。
【0032】複数の第1の結合ループ244は、一対の
接続導体252により接続された第1のループ部分24
8及び第2のループ部分250を有する。同様に、複数
の第2の磁束結合ループ246のそれぞれは、一対の接
続導体258により接続された第1のループ部分254
及び第2のループ部分256を有する。複数の第1の磁
束結合ループ244において、第1のループ部分248
はスケール204の1つの側部エッジに沿って配置され
て、測定軸234に沿って配列されている。第2のルー
プ部分250はスケール204の中央に沿って配置され
て、測定軸234に沿って配列されている。接続導体2
52は、第1のループ部分248を第2のループ部分2
50と結合させるように、測定軸234に対して直交方
向に延びる。同様に、多数の第2の磁束結合ループ24
6において、第1のループ部分254はスケール204
のもう一方の側部エッジに沿って配置されて、測定軸2
34に沿って配列されている。第2のループ部分256
は、磁束結合ループ246の第2のループ部分250と
共に交互配置され、測定軸234に沿ったスケール20
4の中央に沿って配置される。通常、接続導体258
は、第1のループ部分254を第2のループ部分256
と接続させるように、測定軸234に対して直交方向に
延びる。
【0033】図9に例示するように、リニアスケール2
00の読取りヘッド230は、第1の送信巻線部分26
2A及び第2の送信巻線部分262Bを備えた送信巻線
260を含む。図9に例示するように、第1の送信巻線
部分262Aは読取りヘッド230の第1の側部のエッ
ジに配置され、読取りヘッド230の他の側部のエッジ
に第2の送信巻線部分262Bが配置される。第1及び
第2の送信巻線部分262A及び262Bは、同じ寸法
で測定軸234に沿って延びて、測定軸234に直交す
る方向に延びるd1 なる長さの短辺を有する。
【0034】送信巻線260の端子260A及び260
Bは、送信の励振信号発生器264と接続されている。
励振信号発生器264は、送信巻線端子262Aに時間
的に変化する励振信号を供給する。これにより、図9に
示すように、送信巻線端子260Aから送信巻線260
を通って送信機端子260Bに時間的に変化する電流が
流れる。これに応じて、第1の送信巻線部分262A
は、その送信巻線部分262Aの内側で図9の面から立
ち上がり、送信巻線部分262Aにより形成されたルー
プの外側で図9の面に下降する一次磁界を発生する。こ
れに対して、第2の送信巻線部分262Bは、その送信
巻線部分262Bにより形成されたループの外側で図9
の面から立ち上がり、送信巻線部分262Bにより形成
されたループの内側で図9の面に下降する一次磁界を発
生する。これによって、結合ループ244と246に
は、磁界変化を打ち消すように電流が誘導される。
【0035】即ち、磁束結合ループの第1のループ部分
248,254に流れる誘導電流は、それぞれ送信巻線
部分262A,262Bの対応する近接部分に流れる電
流と逆方向となる。図9に示すように、スケールの中心
にある第2のループ部分250と256の隣接するもの
には、逆極性のループ電流が流れる。これにより、スケ
ールの中心に沿って逆極性の磁界部分が周期的に分布す
るように二次磁界が発生される。周期的な二次磁界の波
長λは、連続する第2のループ部分250(又は25
6)の間の間隔に等しい。
【0036】読取りヘッド230は、磁束センサとし
て、第1及び第2の受信巻線266と268を有する。
これらの受信巻線266と268は図3に示す受信巻線
140及び142と同じである。特に、図3に示された
第1及び第2の受信巻線140と142と同様に、第1
及び第2の受信巻線266と268はそれぞれ、読取り
ヘッド230を構成するプリント回路基板の絶縁層の両
側に形成された複数の正弦波形の一部をなす導体セグメ
ント270と272により形成される。導体セグメント
270と272は、貫通配線274を介して連結され
て、第1及び第2の受信巻線266と268のそれぞれ
において交互に正極性ループ276と負極性ループ27
8を形成する。受信巻線266と268は、第1と第2
の送信巻線部分262Aと262Bに挟まれて、読取り
ヘッド230の中心に配置され、第1及び第2の受領巻
線266と268は、測定軸と直交する方向に幅d 2
持って配置されている。
【0037】送信巻線から受信巻線への無駄な結合(位
置及びスケールに依存しない)は、このような構成によ
って避けられる。即ち、第1及び第2の送信巻線部分2
62A及び262Bにより発生される一次磁界は、第1
及び第2の受信巻線266と268の近くで逆方向を向
く。従って、一次磁界は、第1及び第2の受信巻線26
6と268の占有領域内で互いに打ち消し合う。理想的
には、一次磁界はこの領域で完全に打ち消されるように
する。
【0038】第1及び第2の受信巻線266と268
は、第1及び第2の送信巻線部分262A及び262B
の内側部分との間に等しく間隔d3 のスペースが設けら
れている。従って、第1及び第2の送信巻線部分262
Aと262Bにより、読取りヘッド230の第1及び第
2の受信巻線266と268に占有される領域にそれぞ
れ発生される磁界は、対称的で逆になる。従って、直接
の誘導作用はこれによりお互いに効果的に相殺される。
第1及び第2の送信巻線部分262Aと262Bとの無
駄な直接結合により、第1及び第2の受信巻線266と
268に誘導される電圧は、第1に、送信巻線を受信巻
線から離れた位置に配置することによってある限度まで
低減される。第2に、対称的設計により、無駄な結合が
ゼロまで低減される。
【0039】複数の第1の結合ループ244は、第1及
び第2の受信巻線266及び268の波長λと等しいピ
ッチで配列される。また、第1ループ部分248は、隣
接するもの同士の絶縁スペース280を確保しながら、
測定軸234方向に可能な限り波長λに近い長さを持た
せる。さらに、第1のループ部分248は、測定軸23
4と直交する方向に幅d1 を与える。同様に、複数の第
2の結合ループ246も波長λと等しいピッチで配列さ
れる。第1ループ部分254は、隣接するもの同士の絶
縁スペース280を確保しながら、測定軸に沿ってお互
いにできる限り波長λに近い長さを持たせ、また、第1
のループ部分254は、測定軸234と直交する方向に
幅d1 を与える。
【0040】また、複数の第1及び第2の磁束結合ルー
プ244と246の第2のループ部分は、波長λと等し
いピッチで配列される。ただし、第2のループ部分25
0と256の測定軸方向の長さは、波長λの1/2にで
きる限り近い値に設定される。第2のループ部分250
と256の隣接対の間には図9に図示するような絶縁ス
ペース282が設けられる。従って、第2のループ部分
250と256は、スケール204の長手方向に沿って
交互配置される。また、第2のループ部分250と25
6は、測定軸234と直交する方向に幅d2を持つ。
【0041】図9に図示するように、第2のループ部分
250と256は、それぞれ対応する第1のループ部分
248と254との間に間隔d3 が設けられている。従
って、読取りヘッド230がスケール204に近接配置
された時、図9に示すように、第1の送信巻線部分26
2Aは第1の結合ループ244の第1ループ部分248
と並ぶ。同様に、第2の送信巻線部分262Bは、複数
の第2の結合ループ246の第1ループ部分254と並
ぶ。第1及び第2の受信巻線266と268は、第1及
び第2の結合ループ244と246の第2のループ部分
250と256と並ぶ。前述及び後述から明白なよう
に、第2のループ部分250と256により囲まれてい
る領域により、感知トラックと平行な測定軸を定義し、
実質的に、感知トラックを通過する有効磁場は、第2の
ループ部分に流れる電流だけに起因している。
【0042】測定動作において、励振信号発生器264
から時間的に変化する励振信号が送信巻線端子260A
に与えられる。従って、第1の送信巻線部分262A
は、第1の方向の第1の変動磁界を発生し、第2の送信
巻線部分262Bは、第1の方向と反対の第2の方向の
第2の変動磁界を発生する。この第2の変動磁界は、第
1の送信巻線部分262Aにより発生される第1の変動
磁界と等しい磁界強度を持つ。
【0043】複数の第1の磁束結合ループ244は、第
1の送信巻線部分262Aにより発生される第1の磁界
によって第1の送信巻線部分262Aと誘導的に結合さ
れる。従って、複数の第1の磁束結合ループ244のそ
れぞれを通って誘導電流が時計回りに流れる。同時に、
複数の第2の磁束結合ループ246は、第2の送信巻線
部分262Bにより生成される第2の磁界によって第2
の送信巻線部分262Bに誘導的に結合される。これ
は、複数の第2の磁束結合ループ246のそれぞれに反
時計回りの電流を誘導する。即ち、磁束結合ループ24
4と246の第2のループ部分250と256を通って
逆方向に電流が流れる。
【0044】第1の磁束結合ループ244の第2のルー
プ部分250に時計回りに流れる電流は、第2のループ
部分250内で図9の面に下降する方向に第3の磁界を
発生させる。これに対して、第2の磁束結合ループ24
6の第2のループ部分256に反時計回りに流れる電流
は、第2の磁束結合ループ246の第2のループ部分2
56内で図9の面から立ち上がる方向に第4の磁界を発
生させる。従って、測定軸234に沿って正味の交番す
る磁界が形成される。この交番する磁界は、第1及び第
2の受信巻線266と268の波長λと等しい波長を持
つ。
【0045】従って、第1の受信巻線266の正極性ル
ープ276が第2のループ部分250または256の一
方と合致した時、第1の受信巻線266の負極性ループ
278は第2のループ部分250または256の他方に
合致する。これは、第2の受信巻線268の正極性ルー
プ276と負極性ループ278が第2ループ部分25
0,256と合致する場合も同様である。第2のループ
部分250と256により発生される交番する磁界は、
第1及び第2の受信巻線266と268の空間変調と同
じ波長で空間的に変調されるから、正極及び負極性ルー
プ276と278に第2のループ部分250と合致した
時に発生されるEMFは等しく、且つこれらが第2のル
ープ部分256と合致したときに発生されるEMFとは
逆となる。
【0046】従って、正極性ループ276の正味の出力
は、読取りヘッド230がスケール204に対して相対
移動することにより、読取りヘッドのスケールに沿った
相対位置“x”の正弦波状関数となり、無駄な結合によ
る出力信号のオフセット成分が名目上ゼロとなる。同様
に、負極性ループ278からの正味の出力も、読取りヘ
ッド230がスケール204に対して相対移動すること
により、スケールに沿った相対位置“x”の正弦波状関
数となる。正極性ループ276と負極性ループ278か
らのEMF出力は同相である。従って、これらは図4C
に対応する位置依存性出力信号を生成するが、無駄な結
合に起因するDCバイアスVo はこの実施例では無視で
きる程度まで低減される。
【0047】第1及び第2の受信巻線266及び268
は、第1及び第2の受信巻線140及び142と同様に
矩象である。従って、第1の受信巻線266により位置
xの関数として得られて受信信号処理回路284に送ら
れる出力信号は、第2の受信巻線268により位置xの
関数として得られて受信信号処理回路284に送られる
出力信号に対して、90°位相がずれる。受信信号処理
回路284は、第1及び第2の受信巻線266と268
からの出力信号を取り込んでサンプリングし、これをを
ディジタル値に変換してコントロールユニット286に
送る。コントロールユニット286は、ディジタル化さ
れた出力信号を処理して読取りヘッド230とスケール
204の間の相対位置xを波長λの範囲内で決定する。
【0048】貫通配線の配置を適当に変えて、正極性ル
ープ276または負極性ループ278の一方を、測定軸
と直交する方向に幅ゼロとする(効果的には隣接ループ
間の単純な導体要素となる)こともできる。この場合、
第1及び第2の受信巻線266及び268は単極性の磁
束受信部となり、外部磁界に対する感度が増大し、出力
信号振幅は(ループ領域の削減の結果)先の実施例の場
合の1/2になる。しかし、この設計変更はいくつかの
利益をもたらす。ループを介しての無駄な磁束は、対称
的な送信巻線構成の結果として、名目上ゼロに保たれ
る。個々の受信巻線266と268からの出力信号はや
はり、設計上ゼロオフセットで正の極大値から負の極小
値の間で揺れ動いている。与えられた測定レンジについ
て、単位変位当たりの出力信号変化の度合いは、スケー
ル要素と受信巻線の相補的な周期構造の故に、非常に高
い。
【0049】第1及び第2の受信巻線266及び268
の矩象出力の性質に基づいて、コントロールユニット2
86は、読取りヘッド230とスケール204の間の相
対移動の方向を決定することだができる。コントロール
ユニット286は、当業者によく知られ、ここ及び先に
引用した関連米国出願に開示された信号処理法によっ
て、通過する波長λの一部又は全“インクリメント”を
カウントする。コントロールユニット286は、その数
及び波長λ内の相対位置を用いて、読取りヘッド230
とスケール204の間のある原点からの相対位置を出力
する。
【0050】コントロールユニット286は、また、励
振信号発生器264に制御信号を送って時間的に変化す
る励振信号を発生させる。前述の合衆国特許出願No.
08/441,769(出願日1995年5月16
日)、No.08/645,483(出願日1996年
5月13日)、No.08/788,469(出願日1
997年1月29日)の関連米国出願に示された信号発
生及び信号処理回路は、受信信号処理回路284及び励
振信号発生器264及びコントロールユニット286に
適用できる。従って、これらの回路については、これ以
上詳細な説明をしない。
【0051】図10は、図8のスケールと共に用いるこ
とができる読取りヘッドの第2の好適な実施例を示して
いる。この実施例の読取りヘッドは、3つの受信巻線3
66,368,及び370を有している。この受信巻線
は測定軸に沿ってお互いに波長λの1/3でオフセット
される。図11は、3つの受信巻線からの信号が測定軸
に沿った位置xの関数であることを示している。完全な
正弦波出力を得るのは難しく、完全な正弦波出力からの
偏差がトランスジューサの基本波長の高調波となる。オ
フセット低減型の誘導電流型位置トランスジューサの第
2実施例における3相構造は、位置測定の誤差源となる
分離された受信巻線の3次高調波成分が大きく除去され
るという点で、第1の実施例に対して優れた効果を有す
る。3次高調波の除去は、図12に示すように各受信巻
線の出力を組み合わせることにより達成される。図12
に示すように、受信巻線はスター結線され、位置決定に
用いられる信号はスターのコーナーの間でとられる。こ
れは、受信巻線366,368及び370から独立に得
られる出力をそれぞれ測定し、それらをディジタル信号
処理回路内で同様の手法でディジタル的に組み合わせる
ことによっても、可能である。 下記数1は、UR ,U
S ,UT で示される原3相信号を適当に組み合わせるこ
とによりどの様に3次高調波が除去されるかの概略を示
している。なお、未処理の各相信号は、3相とも等しい
振幅A0 ,A3 を持つ基本正弦波と3次高調波信号を含
むもの仮定している。
【0052】
【数1】
【0053】上の各信号を互いに減算することにより、
下記数2に示すように、3次高調波を除去することがで
きる。
【0054】
【数2】
【0055】同様の手法で位置計算のために矩象信号V
Q を得るには、 VS とVT を次のように組み合わせる。
【0056】
【数3】
【0057】インクリメンタル波長内で1/4波長象限
を特定した後、その1/4波長内での内挿位置は次の数
4のように計算される。
【0058】
【数4】
【0059】数4をxについて解くと、次式数5のよう
に位置xが求められる。
【0060】
【数5】
【0061】この様に3相受信巻線からの信号を用いて
計算される位置は、実際のデバイスにおいて通常そうで
あるように、3受信巻線の全ての出力が同じ3次高調波
特性を持つ限り、受信出力信号に含まれる3次高調波成
分による誤差を含まないようになる。また、受信信号を
電子ユニット内のプリアンプで増幅する場合も、プリア
ンプでの歪み誤差に起因する測定誤差は、上述の3相構
造での信号処理により相殺することができる。
【0062】図13〜15は、本発明に係るオフセット
低減型リニアスケールの誘導電流型位置トランスジュー
サ用の読取りヘッドとスケールの第3の好適な実施例を
示している。この実施例では、読取りヘッド430上の
第1及び第2の受信巻線466,468の一方の側部に
配置されたただ一つの送信巻線460を有する。スケー
ル404は2層のプリント回路基板(PCB)である。
結合ループ444と446を形成するパターンは、スケ
ール404上に測定軸に沿って配列される。
【0063】個々の磁束結合ループ444は、第1のル
ープ部分448とこれが非交差配線452を介して接続
される第2のループ部分450とを有する。第1及び第
2のループ部分448と450は、誘導電流が第1のル
ープ部分448と第2のループ部分450で同じ極性の
磁界を生成するように接続される。個々の磁束結合ルー
プ446は、第1のループ部分454とこれが交差配線
458を介して接続される第2のループ部分456とを
有する。第1及び第2のループ部分454と456は、
誘導電流が、第1のループ部分454と第2のループ部
分456で逆向極性の磁界を生成するように接続され
る。
【0064】磁束結合ループ444と446の詳細な構
成は、図14(a)及び(b)に示される。図14
(a)は、スケール404を形成しているPCBの第1
の層に形成された第1の導体パターンである。図14
(b)は、スケール404を形成しているPCBの第2
の層に形成された第2の導体パターンである。これら第
1及び第2の層に形成された第1及び第2のパターンの
各個別部分は、PCBの貫通配線474により接続され
て、磁束結合ループ444及び446を構成する。
【0065】読取りヘッド430は第2のPCBにより
形成されて、送信巻線460と第1及び第2の受信巻線
466,468が形成されている。第1及び第2の受信
巻線466,468は、この実施例では2相構造である
が、前述の3相構造に適用することもできる。送信巻線
460は、読取りヘッドの長さを越えて第1及び第2の
ループ部分448と454をカバーする領域を覆う。送
信巻線460は、図9との関係で先に説明したのと同様
にして励振される。
【0066】送信巻線460の下にある結合ループ44
4及び454の第1ループ部分448及び454は、送
信巻線460により発生される一次磁界に応答して、こ
の一次磁界を弱めるような電流及び磁界を生じる誘導E
MFを発生する。送信巻線電流が図15に示すように反
時計回りに流れるとき、磁束結合ループ444及び44
6の第1のループ部分448及び454の誘導電流は、
時計回りに流れる。磁束結合ループ444の第2のルー
プ部分450の電流は、同様に時計回りに流れるが、磁
束結合ループ446の第2のループ部分の電流456
は、上述の交差配線458のため反時計回りとなる。
【0067】従って、第2のループ部分450及び45
6は、読取りヘッド430の第1及び第2の受信巻線4
66,468の下でスケールに沿って周期的に逆極性領
域が繰り返し現れる二次磁界を形成する。この二次磁界
は、第2のループ部分450の周期に等しい波長λ(こ
れは、第2ループ部分456の周期にも等しい)を有す
る。第1及び第2の受信巻線466,468は、スケー
ルパターンと同じ波長λを持つように設計されている。
【0068】以上により、第1及び第2の受信巻線46
6,468の受信ループは、読取りヘッド430がスケ
ール404に沿って移動する時に波長λの周期関数とな
る振幅を持つ信号電圧を生成するような誘導EMFを発
生することになる。従って、一つの送信巻線460しか
持たないという相違点を除き、この実施例によっても図
8及び9の実施例で説明したと同様の作用が得られる。
【0069】図8の前述の第2のループ部分250と2
56と同様、第2のループ部分450と456により取
り囲まれている全体の領域は、測定軸に並行に伸びるセ
ンシングトラックを定義する。この場合、センシングト
ラック内の有効磁界は、送信巻線460により生成され
た磁界の周辺と結合するための効果を含む。しかし、第
2のループ部分の電流は、どのような他の磁界よりもす
ぐれたセンシングトラックの磁界を生成する。
【0070】図16は、図9に示された本発明の第1の
好適な実施例による誘導型トランスジューサを備えた誘
導型リニアスケールの読取りヘッドの断面図であり、受
信巻線266及び268の一方側にリングをなして形成
された送信巻線262Aの電流による一次磁界と、受信
巻線266及び268の他方側に形成された送信巻線2
62Bの電流による一次磁界とが反対極性をもって形成
される様子を示している。従って、第1及び第2の受信
巻線266と268を通る正味の磁界はほぼゼロとな
り、送信巻線262A,262Bから第1及び第2の受
信巻線への無駄な直接結合はゼロになる。実験及び理論
計算の結果によれば、有効信号成分の無駄な信号成分に
対する比は、図3に示す従来例に対して、100倍以上
に改善される。
【0071】図17は、図15において示された本発明
の第3の好適な実施例の誘導電流型位置トランスジュー
サを備えた誘導型リニアスケールの読取りヘッドの断面
図であり、第1及び第2の受信巻線466,468の一
方側にリングをなして形成された送信巻線460の電流
により一次磁界が形成される様子を示している。この場
合、第1実施例のようには無駄な直接結合をゼロにでき
ないが、送信巻線460と第1及び第2の受信巻線46
6,468との分離を強くすることにより、直接結合を
低減することができる。更に、変動する極性を持つ二次
磁界は、第1及び第2の受信巻線466,468の近く
に与えられる。このことは、オフセットの他の原因を除
去することになる。実験及び理論計算によれば、第3の
実施例によって、有効信号成分の無駄な信号成分に対す
る比は、図3に示す従来例に対して、約10倍となる。
【0072】先の実施例は更に、発明の利点を保持しな
がら、いくつかの観点から変形することができる。例え
ば、図13の磁束結合ループ446(又は444)は、
他の部分をそのまま残して、除くことができる。この場
合、第1及び第2の受信巻線466,468の近くに与
えられる二次磁界は、第3の実施例のような変動極性パ
ターンを持たなくなる。しかし、この設計でも、送信巻
線460と第1及び第2の受信巻線466,468との
間の分離を強くすることにより、送受信巻線間の余分な
直接結合を低減することができる。また、複数の磁束結
合ループの使用により、誤差を平均化により小さくする
という利点を有し、製造プロセスの不備による巻線セグ
メント内のランダム偏差を低減する上でも意味がある。
また、たとえ磁束結合ループ446(又は444)が取
り除かれても、トランスジューサの基本動作は、第1及
び第2の受信巻線466,468に一次励磁を与える磁
束結合ループ444(又は446)により決まる変動磁
界になおも基づいて可能である。
【0073】図15において示された第1及び第2のル
ープ部分448と454は表と裏(図示せず)で水平の
伝導体によってつなげられている。即ち、送信巻線46
0の下に複数の磁束結合ループの一方の部分が配置さ
れ、これに接続されたもう一方の部分が第1及び第2の
受信巻線466,468の下に配置される。従って、第
1の磁束結合ループ部分448と454の関数は、一つ
のつながっている巻線から構成され、位置に依存する磁
界が構成される。これに対して、図3において示された
実施形態において、静的な均一磁界が第1及び第2の受
信巻線140と142を一次励磁する。受信巻線の出力
信号は、この均一磁界が、可動要素によってどれくらい
影響を受けたかに基づいている。すなわち均一磁界が第
1及び第2の受信巻線140と142の近くで乱される
ことにより受ける影響に基づく。本発明の変動磁界を励
磁するという手法により、たとえ磁束結合ループ446
(又は442)が取り除かれても、生得的に優れた信号
を得ることが可能である。
【0074】図18は、図10の3相の読取りヘッド3
30を用いたオフセット低減型の誘導電流型位置トラン
スジューサの第2の好ましい実施例のブロックダイヤグ
ラムである。図18には、読取りヘッド330のスケー
ル304に対する相対位置を決定するには必要な信号処
理回路の主要部のみを示している。図18に例示するよ
うに、送信巻線360は、送信用の励振信号発生器38
0の励振回路382と接続される。励振回路382は、
供給電力を出力するエネルギー供給源として電源381
からの電源電圧VDDと接地間の直列接続された第1の
スイッチ383と第2のスイッチ384を有する。コン
デンサ385の一方の端子は第1と第2のスイッチ38
3と384の間の結節点N1と接続され、他方の端子は
送信巻線360の端子360Aと接続されている。送信
巻線360のもう一方の端子360Bは接地されてい
る。従って、送信巻線360はコンデンサ385と共に
でLC共振回路を構成するインダクタとなる。送信巻線
360は、スケール304に形成された磁束結合ループ
344と346を介して間接的、誘導的に第1−3の受
信巻線366,368,及び370に結合される。受信
巻線366,368,及び370はサンプルホールド回
路394と接続される。具体的に、第1の受信巻線36
6の出力は第1のサンプルホールドサブ回路395に接
続される。第2の受信巻線368の出力は第2のサンプ
ルホールドサブ回路396と接続され、さらに第3の受
信巻線370の出力は第3のサンプルホールドサブ回路
397と接続される。
【0075】3つのサンプルホールドサブ回路395〜
397はそれぞれ、対応する受信巻線366,368及
び370の出力を受信するスイッチ398を有する。ス
イッチ398の出力はバッファアンプ399の正側入力
端子と接続されている。サンプルホールドキャパシタ4
00の一端がスイッチ398とバッファアンプ399の
間の結節点N3と接続され、他端は接地されている。バ
ッファアンプ399の出力はスイッチ401と接続され
る。バッファアンプ399の負側入力端子はバッファア
ンプ399の出力結節点N4に接続されている。
【0076】3つのサンプルホールドサブ回路395〜
397のスイッチ401の出力は、共通に一つの出力線
402に接続され、この出力線402はA/Dコンバー
タ403の入力端子に接続されている。A/Dコンバー
タ403はサンプルホールド回路394の出力をアナロ
グ値からディジタル値に変換する。変換されたデジタル
値は、読取りヘッド330とスケール304の間の相対
位置を決定するためにマイクロプロセッサ404に出力
される。1波長内の各位置は、先に述べた良く知られた
技術と計算式に従って、マイクロプロセッサにより一義
的に特定される。マイクロプロセッサ404はまた、移
動方向トラックと通過した波長の数を保持するよく知ら
れた技術を利用して、トランスジューサのある原点に対
する全相対位置を決定する。マイクロプロセッサ404
はまた、信号線405を介してディジタルコントロール
ユニット406に制御信号を出力して信号サンプリング
のシーケンスを制御する。ディジタルコントロールユニ
ット406は、送信用の励振信号発生器380とサンプ
ルホールド回路394に送られる信号線407〜412
への出力制御信号により、送信、信号抽出及びA/D変
換のシーケンスを制御する。特に、図18に例示するよ
うに、ディジタルコントロールユニット406の出力
は、送信機励起のために、信号線407と408にそれ
ぞれ第1及び第2のスイッチ383と384に対する制
御信号を出力する。
【0077】デジタルコントロールユニット406は信
号線409〜412にサンプルホールド回路394への
スイッチ制御信号を出力する。特に、制御信号409
は、第1〜第3のサンプルホールドサブ回路395〜3
97のスイッチ398を開閉して、受信巻線366,3
68及び370をサンプルホールドキャパシタ400に
接続する制御を行う。制御信号409がスイッチ398
を開にした時、受信巻線366,368及び370から
の受信信号は、サンプルホールドキャパシタ400に蓄
えられる。信号線410〜412上のスイッチ制御信号
は、第1〜第3のサンプルホールドサブ回路395〜3
97の一つのバッファアンプ399の出力を、A/Dコ
ンバータ403への信号線402に接続するために用い
られる。
【0078】図19は、位置測定に用いられるスイッチ
制御信号407〜412のタイミング図である。先ず、
信号線407上のスイッチ制御信号が高レベルになり、
スイッチ383を閉じる。これにより、コンデンサ38
5は電源電圧VDDまで充電される。その後、信号線4
07上のスイッチ制御信号が、低レベルになってスイッ
チ383を開にする。次に、信号線408上のスイッチ
制御信号が、低レベルから高レベルになり、スイッチ3
84を閉じる。これにより、コンデンサ385は、対応
する送信巻線360を通って放電される。特に、コンデ
ンサ385は送信巻線360と共に、数MHzオーダー
の共振周波数を持つ共振回路を形成している。この共振
は、図19に示すような信号Sxに対応した波長を持つ
減衰振動である。
【0079】信号Sxは、同時に各受信巻線366,3
68及び370上にも現れる。しかし、各受信巻線36
6,368及び370上に現れる信号Sxの振幅及び極
性は、図11に示すように、読取りヘッド330のスケ
ール304に対する相対位置に依存する。受信巻線上の
信号Sxがピークに達する前に 信号線409上のスイ
ッチ制御信号は低レベルから高レベルに変化して、サン
プルホールド回路394のサンプルホールドキャパシタ
400の充電を開始する。信号Sxがピークを越えた直
後、ほぼピーク位置で、信号線409上のスイッチ制御
信号は低レベルに戻り、スイッチ398を開にする。こ
れにより、3受信巻線のそれぞれの信号Sxの振幅が、
第1〜第3のサンプルホールドサブ回路395〜397
のサンプルホールドキャパシタ400に保持される。そ
の後、信号線408上のスイッチ制御信号は低レベルに
戻され、スイッチ384を開にする。
【0080】次に、信号線409上のスイッチ制御信号
が低レベルに戻った後、信号線410上のスイッチ制御
信号が低レベルから高レベルに変化し、サンプルホール
ドサブ回路395のスイッチ401を閉じる。これによ
り、対応するサンプルホールドキャパシタ400に保持
されていたサンプル値が信号線402を介してA/Dコ
ンバータ403に送られる。A/Dコンバータ403
は、信号線402上のアナログ値をデジタル値に変換し
てマイクロプロセッサ404に送る。信号線410上の
スイッチ制御信号は、低レベルに戻って対応するスイッ
チ401を開にする。同様のシーケンスが、信号線41
1と412上のスイッチ制御信号について繰り返され、
サンプルホールドサブ回路396と397によりサンプ
リングされたサンプル値が順次信号線402を介してA
/Dコンバータ403に送られる。
【0081】以上の信号処理は、マイクロプロセッサユ
ニット内のプログラムに従って繰り返される。プログラ
ムは、システムのサンプリングレートをトランスデジュ
ーサの移動速度に適応させ、もって電流消費を最小化す
るように作られる。この様な機能は、当業者にとってよ
く知られていることであり、ここではこれ以上詳細な説
明はしない。
【0082】上述した信号処理システムは、開示された
誘導型位置トランスジューサ、必要なら他の同様の誘導
型位置トランスジューサに適用して、低消費電力動作を
可能とする。例えば、信号処理システムのサンプリング
周波数を約1kHz程度に維持するように、励振回路3
82を間欠的に作動させることにより、多くの応用に対
して十分な精度でトラッキングを可能とする。電力消費
量を減少させるために、比較的パルス幅を短くすること
によって励振信号発生器のデューティサイクルを低く保
つことができる。例えば、上述のように1kHzのサン
プリング周波数とするために、好ましいパルス幅は、約
0.1〜1.0μsである。即ち、1msのサンプリン
グ周期を持つパルスのデューティサイクルは、0.01
%〜0.1%である。
【0083】コンデンサ385と巻線360の共振周波
数は、好ましくは、コンデンサ385の電圧ピークが
1.0μs或いはそれ以下のパルスの終端より前に来る
ように選択される。従って、前述のように、共振周波数
は、数MHzオーダーとされる。これにより、対応する
磁束は、1MHz以上、通常数MHzの周波数で変調さ
れる。これは、従来の誘導型位置トランスジューサの周
波数よりかなり高い。
【0084】発明者等は、これらの周波数で、スケール
304において磁束結合ループ344と346によって
発生した電流が、第1〜3の受信巻線366,368及
び370に強い誘導結合を生成するように設定した。第
1〜3の受信巻線366,368及び370に発生され
るEMF、及びその結果の出力信号は従って、磁束結合
ループ位置に強く応答する。これは、パルス化された励
振信号を用いた低デューティサイクル及び低電力に拘ら
ず、可能である。この応答の強さは、低デューティサイ
クルと低電力消費の組み合わせにより、図18に示す信
号処理回路の励振信号発生器380及び他の回路の平均
電流を200μA以下、更に好ましくは75μA以下ま
で下げた低電力用途についても、誘導電流型位置トラン
スジューサの測定を可能とする。ここで、“平均電流”
とは、誘導型位置トランスジューサが正常使用状態にあ
る間の1又はそれ以上の測定サイクルでの全消費電荷を
その測定サイクルで除したものを言う。
【0085】従って、ここに開示されたタイプの誘導電
流型位置トランスジューサを備えた誘導型リニアスケー
ルは、3個或いはそれより少ない商用小型バッテリー或
いは1 個のソーラーバッテリーを用いて十分動作可能で
ある。低電力信号処理の詳細は、前述の関連出願に述べ
られている。上記実施例では、送信巻線として空間的に
均一な巻線、受信巻線として空間的に変調された巻線を
用いたが、これらのトランスジューサ巻線は、適当な信
号処理との関係で送信巻線と受信巻線の役割を“逆”に
しても、発明の利益を損なわない。その様な適当な信号
処理技術は、関連米国特許第08/441,769号に
おいて図21を用いて説明されている。他の応用可能な
信号処理技術も当業者にとっては明白である。
【0086】磁界発生器、磁束結合ループ及び磁束セン
サの3要素を対向する二つの部材に載置する場合の組み
合わせは、大きく分けて3通りある。図20はここまで
の実施例で説明したものであり、送信巻線と受信巻線を
読取りヘッド230に、磁束結合ループをスケール20
4に形成している。これに対して、図21は、磁束結合
ループと受信巻線を読取りヘッド230上に形成し、送
信巻線をスケール204上に形成する構成である。この
場合、受信巻線と送信巻線の形は図20と逆になり、送
信巻線はスケール204に沿って所定周期で可変磁束を
発生するものとする。図22は、結合ループと送信巻線
を読取りヘッド230に、受信巻線をスケール204に
載せた例である。この場合、受信巻線は、スケール20
4に沿って磁束検出用閉路が所定周期で配列される。こ
れは、図21における受信巻線を送信巻線とし、送信巻
線を受信巻線としたものということができる。図21の
構成において、送受信巻線を逆に用いることも可能であ
る。この発明は更に種々の変形が可能であることは当業
者にとって明白である。即ちこの発明は上述した実施例
に限られず、請求の範囲に示されているように、発明の
趣旨を逸脱しない範囲で種々変形することができる。
【0087】
【発明の効果】以上述べたようにこの発明によれば、改
良されたコンパクトな巻線構成を用いて、無駄なオフセ
ット成分がなく、外部磁界の影響も受けず、且つ格別の
製造や回路精度を要せず高分解能の位置測定を可能とす
る高精度の誘導型位置トランスジューサを備えた誘導型
リニアスケールを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 従来の誘導型位置トランスジューサを用いた
リニアスケールを示す。
【図2】 従来の誘導型位置トランスジューサを用いた
リニアスケールの読取りヘッドの分解図である。
【図3】 従来の誘導型位置トランスジューサを示す。
【図4】 図3のトランスジューサの位置依存性出力を
示す。
【図8】 この発明の第1の好ましい実施例の誘導型位
置トランスジューサを用いた誘導型リニアスケールのス
ケールを示す。
【図9】 同実施例の誘導型リニアスケールにおける誘
導型位置トランスジューサを示す。
【図10】 この発明の第2の好ましい実施例の誘導型
リニアスケールにおける誘導型位置トランスジューサの
読取りヘッドを示す。
【図11】 図10の読取りヘッドの位置依存性出力信
号を示す。
【図12】 図10の3相巻線のベクトル位相関係を示
す。
【図13】 この発明の第3の好ましい実施例の誘導型
リニアスケールにおける誘導型位置トランスジューサの
スケールを示す。
【図14】(a) 同スケールの第1の部分を拡大して
示す。
【図14】(b) 同スケールの第2の部分を拡大して
示す。
【図15】 同実施例の読取りヘッドを含むトランスジ
ューサ構成を示す。
【図16】 第1の実施例の誘導型リニアスケールの断
面と磁界分布を示す。
【図17】 第2の実施例の誘導型リニアスケールの断
面と磁界分布を示す。
【図18】 図10の読取りヘッドのブロック構成と信
号処理回路を示す。
【図19】 同信号処理回路の動作タイミングを示す。
【図20】 実施例の送受信巻線と磁束結合ループの配
置を示す図である。
【図21】 送受信巻線と磁束結合ループの他の配置例
を示す図である。
【図22】 送受信巻線と磁束結合ループの他の配置例
を示す図である。
【符号の簡単な説明】
200 誘導型リニアスケール、 202 ビーム、 204 スケール、 220 スライダ、 222 信号処理回路、 230 読取りヘッド、 234 測定軸、 234、244 第1の結合ループ、 246 第2の結合ループ、 248,254 第1のループ部分、 250,256 第2のループ部分、 260 送信巻線、 262A 第1の送信巻線部分、 262B 第2の送信巻線部分、 264 励振信号発生器、 266 第1の受信巻線、 268 第2の受信巻線、 360 送信巻線、 366,368,370 受信巻線、 381 電源、 382 励振回路、 394 サンプルホールド回路、 430 読取りヘッド、 444,446 結合ループ、 454 第1ループ部分、 456 第2ループ部分、 452 非交差配線、 458 交差配線、 466,468 第1,第2の受信巻線、 474 貫通配線
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成11年3月31日(1999.3.3
1)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図面の簡単な説明
【補正方法】変更
【補正内容】
【図面の簡単な説明】
【図1】 従来の誘導型位置トランスジューサを用いた
リニアスケールを示す。
【図2】 従来の誘導型位置トランスジューサを用いた
リニアスケールのスライダの分解図である。
【図3】 従来の誘導型位置トランスジューサを示す。
【図4】 図3のトランスジューサの位置依存性出力を
示す。
【図5】 本発明の誘導型位置トランスジューサを用い
たリニアスケールを示す。
【図6】 本発明の誘導型位置トランスジューサを用い
たリニアスケールのスライダの分解図である。
【図7】 本発明の誘導型位置トランスジューサを用い
たリニヤスケールのスライダ及びスケールの断面図であ
る。
【図8】 この発明の第1の好ましい実施例の誘導型位
置トランスジューサを用いた誘導型リニアスケールのス
ケールを示す。
【図9】 同実施例の誘導型リニアスケールにおける誘
導型位置トランスジューサを示す。
【図10】 この発明の第2の好ましい実施例の誘導型
リニアスケールにおける誘導型位置トランスジューサの
読取りヘッドを示す。
【図11】 図10の読取りヘッドの位置依存性出力信
号を示す。
【図12】 図10の3相巻線のベクトル位相関係を示
す。
【図13】 この発明の第3の好ましい実施例の誘導型
リニアスケールにおける誘導型位置トランスジューサの
スケールを示す。
【図14】(a) 同スケールの第1の部分を拡大して
示す。 (b) 同スケールの第2の部分を拡大して示す。
【図15】 同実施例の読取りヘッドを含むトランスジ
ューサ構成を示す。
【図16】 第1の実施例の誘導型リニアスケールの断
面と磁界分布を示す。
【図17】 第2の実施例の誘導型リニアスケールの断
面と磁界分布を示す。
【図18】 図10の読取りヘッドのブロック構成と信
号処理回路を示す。
【図19】 同信号処理回路の動作タイミングを示す。
【図20】 実施例の送受信巻線と磁束結合ループの配
置を示す図である。
【図21】 送受信巻線と磁束結合ループの他の配置例
を示す図である。
【図22】 送受信巻線と磁束結合ループの他の配置例
を示す図である。
【符号の簡単な説明】 200 誘導型リニアスケール、 202 ビーム、 204 スケール、 220 スライダ、 222 信号処理回路、 230 読取りヘッド、 234 測定軸、 234、244 第1の結合ループ、 246 第2の結合ループ、 248,254 第1のループ部分、 250,256 第2のループ部分、 260 送信巻線、 262A 第1の送信巻線部分、 262B 第2の送信巻線部分、 264 励振信号発生器、 266 第1の受信巻線、 268 第2の受信巻線、 360 送信巻線、 366,368,370 受信巻線、 381 電源、 382 励振回路、 394 サンプルホールド回路、 430 読取りヘッド、 444,446 結合ループ、 454 第1ループ部分、 456 第2ループ部分、 452 非交差配線、 458 交差配線、 466,468 第1,第2の受信巻線、 474 貫通配線
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2F063 AA02 CA08 CA09 CA10 CB04 CC04 DA01 DA19 DB04 DD06 EA02 GA08 GA26 LA03 LA19 LA23 LA25 2F077 AA21 AA25 FF03 FF16 FF32 NN05 NN16 PP09 QQ07 QQ08 QQ10 RR03 RR07 RR08 TT33 TT43 TT45 TT82 UU07

Claims (26)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 スライダと、 このスライダが測定軸に沿って移動可能であるような測
    定軸を有するビームと、 励振信号に応答して第1の磁束領域内に第1の可変磁束
    を発生する少なくとも一つの磁界発生器と、 前記第1の磁束領域内に配置された第1の部分及び前記
    第1の磁束領域から物理的に離れた第2の磁束領域内に
    配置された第2の部分を有し、前記第1の部分に前記第
    1の可変磁束に応答して誘導電流が発生され、その誘導
    電流により前記第2の部分に第2の可変磁束が発生され
    る少なくとも一つの磁束結合ループと、 少なくとも一つの磁束センサとを備え、 a)少なくとも一つの磁束センサと、b)少なくとも一
    つの磁界発生器の少なくとも一方は、前記測定軸に沿っ
    て延び且つ交番する幅の増減を含むパターンで空間的に
    変調された誘導性領域を含み、 各磁束センサは、前記第1の磁束領域の外側に配置され
    て少なくとも一つの前記磁束結合ループの前記第2の磁
    束領域の前記第2の可変磁束を検出すると共に、検出さ
    れた磁束に基づいて当該磁束センサと少なくとも一つの
    前記磁束結合ループとの間の相対位置の関数である出力
    信号を発生するものであり、且つ、 前記磁界発生器、磁束結合ループ及び磁束センサのいず
    れか一つが前記スライダと前記ビームの一方に、残りの
    二つが他方に配置されていることを特徴とする誘導型リ
    ニアスケール。
  2. 【請求項2】 前記磁界発生器と磁束センサが前記スラ
    イダと前記ビームの一方に配置され、 前記磁束結合ループが前記スライダと前記ビームの他方
    に配置されていることを特徴とする請求項1記載の誘導
    型リニアスケール。
  3. 【請求項3】 前記磁界発生器と磁束結合ループが前記
    スライダと前記ビームの一方に配置され、 前記磁束センサが前記スライダと前記ビームの他方に配
    置されていることを特徴とする請求項1記載の誘導型リ
    ニアスケール。
  4. 【請求項4】 前記磁界結合ループと前記磁束センサが
    前記スライダと前記ビームの一方に配置され、 前記磁界発生器が前記スライダと前記ビームの他方に配
    置されていることを特徴とする請求項1記載の誘導型リ
    ニアスケール。
  5. 【請求項5】 前記誘導性領域は、前記測定軸に沿って
    極性が交番する複数の領域を有することを特徴とする請
    求項1記載の誘導型リニアスケール。
  6. 【請求項6】 前記誘導性領域は、前記測定軸に沿って
    所定波長の周期的パターンをもって形成されていること
    を特徴とする請求項1記載の誘導型リニアスケール。
  7. 【請求項7】 前記誘導性領域は、前記測定軸に沿って
    所定波長の周期的パターンをもって形成され、且つ前記
    各磁束結合ループは、前記周期的パターンの波長の最大
    1/2の間隔で配置されていることを特徴とする請求項
    1記載の誘導型リニアスケール。
  8. 【請求項8】 前記誘導性領域は、交差部で互いに絶縁
    された複数の導体セグメントにより形成された正極性ル
    ープと負極性ループとが一対で一波長λとなるように前
    記測定軸に沿って周期的に配列形成されていることを特
    徴とする請求項1記載の誘導型リニアスケール。
  9. 【請求項9】 前記誘導性領域は、前記測定軸に沿って
    λ/4の位相ずれをもって2個配置されていることを特
    徴とする請求項8記載の誘導型リニアスケール。
  10. 【請求項10】前記誘導性領域は、 前記測定軸に沿って
    λ/Mの位相ずれをもってM個(但し、M≧3)配置さ
    れていることを特徴とする請求項8記載の誘導型リニア
    スケール。
  11. 【請求項11】 前記磁束センサと前記磁界発生器は、
    前記磁束センサが前記磁界発生器により発生される可変
    磁束に直接感応しないように配置されていることを特徴
    とする請求項1記載の誘導型リニアスケール。
  12. 【請求項12】 前記磁界発生器、磁束結合ループ及び
    磁束センサの少なくとも一つは、基板上にプリント回路
    基板プロセス、集積回路プロセスのいずれかにより形成
    されていることを特徴とする請求項1記載の誘導型リニ
    アスケール。
  13. 【請求項13】 供給電力を出力するエネルギー供給源
    と、 前記供給電力を入力して、各測定サイクルの間前記磁界
    発生器に励振信号を与える励振回路と、 前記各磁束センサからの出力信号を入力して、前記スラ
    イダの前記ビームに対する相対位置を所定の分解能レベ
    ルで示す位置信号を出力する解析回路とを更に備えたこ
    とを特徴とする請求項1記載の誘導型リニアスケール。
  14. 【請求項14】 前記励振回路は、前記磁界発生器の送
    信巻線と共に共振回路を構成するキャパシタを有するこ
    とを特徴とする請求項13記載の誘導型リニアスケー
    ル。
  15. 【請求項15】 前記解析回路は、前記磁束センサの出
    力信号を内挿して高分解能位置測定を行う内挿回路を有
    することを特徴とする請求項13記載の誘導型リニアス
    ケール。
  16. 【請求項16】 前記磁束センサとして、波長λの周期
    パターンをもってλ/Nずつ位相がずれた状態の誘導性
    領域を含むN個が配置され、 前記解析回路は、前記各磁束センサの出力を互いに減算
    することにより高調波成分を除去することを特徴とする
    請求項13記載の誘導型リニアスケール。
  17. 【請求項17】 前記励振回路は、パルス信号により制
    御駆動されて前記磁界発生器に対して断続的励振信号を
    出力することを特徴とする請求項13記載の誘導型リニ
    アスケール。
  18. 【請求項18】 前記解析回路は、前記励振回路を制御
    駆動するパルス信号に同期して前記磁束センサの出力信
    号をサンプリングホールドするサンプルホールド回路を
    有することを特徴とする請求項17記載の誘導型リニア
    スケール。
  19. 【請求項19】 前記サンプルホールド回路は、前記パ
    ルス信号により制御駆動される励振回路、この励振回路
    により駆動される磁束発生器、及びこの磁束発生器から
    の可変磁束に応答する磁束センサにおける予測される遅
    延特性に基づいてサンプリングタイミングが設定されて
    いることを特徴とする請求項18記載の誘導型リニアス
    ケール。
  20. 【請求項20】 前記磁束結合ループとして、前記測定
    軸方向に、前記誘導性領域の周期的パターンの波長λに
    対して、第1の磁束結合ループと第2の磁束結合ループ
    が互いにλ/2ずれた状態で波長λの周期で配置されて
    いることを特徴とする請求項7記載の誘導型リニアスケ
    ール。
  21. 【請求項21】 前記第1、第2の結合ループのいずれ
    か一方において、第1の部分と第2の部分とで誘導電流
    が逆回りとなることを特徴とする請求項20記載の誘導
    型リニアスケール。
  22. 【請求項22】 前記磁界発生器と磁束センサは前記測
    定軸に直交する方向に並べて配置され、 前記磁束結合ループの第1、第2の磁束結合ループの第
    1の部分が前記磁界発生器及び磁束センサの一方に対向
    し、第2の部分が他方に対向するように配置されている
    ことを特徴とする請求項20記載の誘導型リニアスケー
    ル。
  23. 【請求項23】 前記磁界発生器は、前記磁束センサの
    測定軸と直交する方向の両サイドに配置されて同時に励
    振される第1の送信部と第2の送信部を有し、 前記結合ループの第1の磁束結合ループの第1の部分と
    第2の部分がそれぞれ前記第1の送信部と磁束センサに
    対向し、第2の磁束結合ループの第1の部分と第2の部
    分がそれぞれ前記第2の送信部と磁束センサに対向する
    ように配置されていることを特徴とする請求項20記載
    の誘導型リニアスケール。
  24. 【請求項24】 前記磁界発生器は、前記磁束センサの
    前記測定軸と直交する方向の両サイドに配置されて同時
    に励振され、前記磁束結合ループがない場合に前記磁束
    センサに直接結合する磁束がその対称構造の結果として
    実質的にゼロとなるように構成された第1及び第2の送
    信部を有することを特徴とする請求項20記載の誘導型
    リニアスケール。
  25. 【請求項25】 前記測定軸が直線であることを特徴と
    する請求項1記載の誘導型リニアスケール。
  26. 【請求項26】 前記測定軸が円形であることを特徴と
    する請求項1記載の誘導型リニアスケール。
JP10343589A 1997-11-21 1998-11-17 誘導型リニアスケ―ル Pending JP2000065597A (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US08/975650 1997-11-21
US08/975,650 US6049204A (en) 1997-11-21 1997-11-21 Electronic linear scale using a reduced offset high accuracy induced current position transducer

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2000065597A true JP2000065597A (ja) 2000-03-03

Family

ID=25523250

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP10343589A Pending JP2000065597A (ja) 1997-11-21 1998-11-17 誘導型リニアスケ―ル

Country Status (2)

Country Link
US (1) US6049204A (ja)
JP (1) JP2000065597A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005531779A (ja) * 2002-07-02 2005-10-20 アクチボラゲット エス ケイ エフ 計測機能付きころがり軸受及びこれを備えた電動機
JP2009192546A (ja) * 2009-06-01 2009-08-27 Mitsutoyo Corp 誘導型変位検出装置及びマイクロメータ
US11287286B2 (en) * 2016-08-24 2022-03-29 Mitutoyo Corporation Winding and scale configuration for inductive position encoder

Families Citing this family (16)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11223505A (ja) 1997-12-03 1999-08-17 Mitsutoyo Corp 誘導型位置測定装置
DE50011024D1 (de) 2000-06-16 2005-09-29 Amo Automatisierung Mestechnik Induktives Längenmesssystem
JP3559225B2 (ja) * 2000-06-30 2004-08-25 株式会社ミツトヨ 誘電型位置検出装置
JP3492609B2 (ja) * 2000-08-30 2004-02-03 株式会社ミツトヨ 変位検出装置
US6642711B2 (en) * 2001-01-24 2003-11-04 Texas Instruments Incorporated Digital inductive position sensor
US6487787B1 (en) 2001-08-03 2002-12-03 Mitutoyo Corporation System and method for determination of error parameters for performing self-calibration and other functions without an external position reference in a transducer
US6646433B2 (en) * 2002-02-26 2003-11-11 Mitutoyo Corporation Induced current position transducers using tape scales with apertures
US7094978B2 (en) * 2002-11-15 2006-08-22 Mitutoyo Corporation System and method for generating a high speed estimated position output for a position encoder
US8222891B2 (en) * 2009-05-01 2012-07-17 Hewlett-Packard Development Company, L.P. Compensating for position errors in displacement transducers
CN102359753A (zh) * 2011-07-27 2012-02-22 重庆理工大学 一种直线位移传感器
US10612943B2 (en) * 2016-08-24 2020-04-07 Mitutoyo Corporation Winding and scale configuration for inductive position encoder
US10520335B2 (en) * 2016-08-24 2019-12-31 Mitutoyo Corporation Winding configuration for inductive position encoder
US11181395B2 (en) 2020-03-23 2021-11-23 Mitutoyo Corporation Transmitter and receiver configuration for inductive position encoder
US11169008B2 (en) 2020-03-23 2021-11-09 Mitutoyo Corporation Transmitter and receiver configuration for inductive position encoder
US11067414B1 (en) 2020-03-23 2021-07-20 Mitutoyo Corporation Transmitter and receiver configuration for inductive position encoder
US11713983B2 (en) 2021-06-30 2023-08-01 Mitutoyo Corporation Sensing winding configuration for inductive position encoder

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
BR9507650A (pt) * 1994-05-14 1997-09-09 Scient Generics Ltd Codificador de posiçao
GB9523991D0 (en) * 1995-11-23 1996-01-24 Scient Generics Ltd Position encoder
US5841274A (en) * 1997-01-29 1998-11-24 Mitutoyo Corporation Induced current absolute position transducer using a code-track-type scale and read head

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005531779A (ja) * 2002-07-02 2005-10-20 アクチボラゲット エス ケイ エフ 計測機能付きころがり軸受及びこれを備えた電動機
JP2009192546A (ja) * 2009-06-01 2009-08-27 Mitsutoyo Corp 誘導型変位検出装置及びマイクロメータ
US11287286B2 (en) * 2016-08-24 2022-03-29 Mitutoyo Corporation Winding and scale configuration for inductive position encoder

Also Published As

Publication number Publication date
US6049204A (en) 2000-04-11

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3366855B2 (ja) 誘導型位置検出装置
JP3246727B2 (ja) 誘導型電子ノギス
JP2000065597A (ja) 誘導型リニアスケ―ル
JP3596850B2 (ja) マルチタップ受信器捲線を有する誘導性位置トランスデューサ及び相対位置を判別するための方法
RU2583346C2 (ru) Обнаружение скрытого металлического или магнитного объекта
RU2407022C2 (ru) Устройство и способ измерения электрической мощности
JP3492609B2 (ja) 変位検出装置
US20010020846A1 (en) Induction-type position measuring apparatus
KR20010096553A (ko) 자장검출장치
EP0777127A2 (en) Magnetism detecting device, magnetism sensor, terrestrial-magnetism detecting azimuth sensor, and attitude controlling sensor
JP6835724B2 (ja) 誘導性変位センサ
CZ296198B6 (cs) Induktivní úhlový senzor
JPH08313295A (ja) 誘導電流を用いた位置検出トランスデューサ
US20180329001A1 (en) Magnetic Field Detection Sensor
US5198764A (en) Position detector apparatus and method utilizing a transient voltage waveform processor
JP5106816B2 (ja) 電圧測定装置および電力測定装置
JP4248324B2 (ja) アクチュエータ
US10371759B2 (en) Magnetic field detection sensor
EP4209758A1 (en) Inductive position sensor and method for detecting a movement of a conductive target
JPH045525A (ja) 非接触式変位検出装置
JP4688268B2 (ja) 圧力計
JP4573417B2 (ja) 荷重センサ
JP2002071770A (ja) 磁場検出装置
CN116576762A (zh) 线性电感式位置传感器
US20050040818A1 (en) Magnetic field sensor