JPH10168750A - 抗菌性繊維状活性炭及びその製造方法 - Google Patents
抗菌性繊維状活性炭及びその製造方法Info
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- JPH10168750A JPH10168750A JP8328863A JP32886396A JPH10168750A JP H10168750 A JPH10168750 A JP H10168750A JP 8328863 A JP8328863 A JP 8328863A JP 32886396 A JP32886396 A JP 32886396A JP H10168750 A JPH10168750 A JP H10168750A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 木綿わた、特に従来は廃棄されていた落綿を
原料として使用して、充分実用に供し得る強度を有し且
つ抗菌効果を有する繊維状活性炭を提供する。 【解決手段】 コロイダルシリカ液に銀ゼオライトを混
合し、該混合液を木綿わたに含浸させ、該木綿わたを1
50〜300℃に昇温して熱処理を行い、次いで水蒸気
を含有する雰囲気で650〜750℃て熱処理を行って
賦活する。これにより、コロイダルシリカ由来の無水珪
酸によって銀ゼオライトが木綿わたを原料とする繊維状
活性炭に焼付固着されている抗菌性繊維状活性炭を得
る。
原料として使用して、充分実用に供し得る強度を有し且
つ抗菌効果を有する繊維状活性炭を提供する。 【解決手段】 コロイダルシリカ液に銀ゼオライトを混
合し、該混合液を木綿わたに含浸させ、該木綿わたを1
50〜300℃に昇温して熱処理を行い、次いで水蒸気
を含有する雰囲気で650〜750℃て熱処理を行って
賦活する。これにより、コロイダルシリカ由来の無水珪
酸によって銀ゼオライトが木綿わたを原料とする繊維状
活性炭に焼付固着されている抗菌性繊維状活性炭を得
る。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は抗菌性を有する繊維
状活性炭に関する。
状活性炭に関する。
【0002】
【従来の技術】抗菌性活性炭として、活性炭を硝酸銀水
溶液で処理して活性炭に銀を担持させたものが知られて
いる(特公昭52−38666号公報)。このもので
は、活性炭に金属銀の形態で担持されるので金属銀から
の銀イオンの放出量が少ないため抗菌効果が低いという
欠点があって、抗菌効果は実際面では不満足であった。
溶液で処理して活性炭に銀を担持させたものが知られて
いる(特公昭52−38666号公報)。このもので
は、活性炭に金属銀の形態で担持されるので金属銀から
の銀イオンの放出量が少ないため抗菌効果が低いという
欠点があって、抗菌効果は実際面では不満足であった。
【0003】抗菌効果を向上改良した技術として特開昭
63−239205号公報が知られている。これは、粒
状体の活性炭と銀ゼオライトと熱融着性繊維とを混合し
加熱により融着結合をする技術である。銀ゼオライトの
使用により抗菌効果が優れると述べられているが、融着
結合部は活性炭表面が被覆されて吸着性が著しく低下す
る。吸着性を損なわないために、融着率を低下させる
と、銀ゼオライトの非融着率が高くなって脱落率が増加
するという欠点がある。
63−239205号公報が知られている。これは、粒
状体の活性炭と銀ゼオライトと熱融着性繊維とを混合し
加熱により融着結合をする技術である。銀ゼオライトの
使用により抗菌効果が優れると述べられているが、融着
結合部は活性炭表面が被覆されて吸着性が著しく低下す
る。吸着性を損なわないために、融着率を低下させる
と、銀ゼオライトの非融着率が高くなって脱落率が増加
するという欠点がある。
【0004】更に改良技術として特開平7−22298
3号公報が知られている。この公報によれば、銀ゼオラ
イトと炭素質原料、例えばヤシ殻炭を混合してアトマイ
ザーで粉砕し、次いでピッチ、コールタールをバインダ
ーとして加えて、ペレットミルで粉砕して加熱して炭化
している。この技術は粒子状活性炭に適合しても、繊維
状活性炭を得るには繊維形状が破壊されてしまうので不
適当である。
3号公報が知られている。この公報によれば、銀ゼオラ
イトと炭素質原料、例えばヤシ殻炭を混合してアトマイ
ザーで粉砕し、次いでピッチ、コールタールをバインダ
ーとして加えて、ペレットミルで粉砕して加熱して炭化
している。この技術は粒子状活性炭に適合しても、繊維
状活性炭を得るには繊維形状が破壊されてしまうので不
適当である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】綿花はその繊維の中心
部にルーメンと呼ばれる細孔(繊維の成長時には細胞液
が通っていた箇所)を有しており、従来、繊維状活性炭
の製造に使用されていた再生セルロース繊維(すなわち
レーヨン)に比較して比表面積が高く、この点では活性
炭の原料として再生セルロース繊維よりも適している。
部にルーメンと呼ばれる細孔(繊維の成長時には細胞液
が通っていた箇所)を有しており、従来、繊維状活性炭
の製造に使用されていた再生セルロース繊維(すなわち
レーヨン)に比較して比表面積が高く、この点では活性
炭の原料として再生セルロース繊維よりも適している。
【0006】しかし、従来技術によれば、繊維状活性炭
に木綿を原料とすることは不適当とされていた。すなわ
ち、木綿は炭化することはできるが、炭化したものは弱
く崩れ易く、炭化繊維の形状では実際に使用することは
困難であった。
に木綿を原料とすることは不適当とされていた。すなわ
ち、木綿は炭化することはできるが、炭化したものは弱
く崩れ易く、炭化繊維の形状では実際に使用することは
困難であった。
【0007】更に、従来技術では、繊維状活性炭で抗菌
効果の優れたものを得ることは極めて困難であった。
効果の優れたものを得ることは極めて困難であった。
【0008】一方、我が国では木綿わたを年間80万ト
ンの輸入をして紡績に投入しているが、その内5%の4
万トンが落綿として紡績工程で脱落している。落綿を再
生使用する工夫もされているが、繊維長の短いものは廃
棄されており、その量は落綿量の過半数に及んでおり、
資源の無駄遣いである。また、木綿落綿を繊維状活性炭
の原料として使用しようとしても、通常に使用されてい
る木綿わたよりも更に強度が低くて粉末状になり易いた
めに実用の域に至っていない。
ンの輸入をして紡績に投入しているが、その内5%の4
万トンが落綿として紡績工程で脱落している。落綿を再
生使用する工夫もされているが、繊維長の短いものは廃
棄されており、その量は落綿量の過半数に及んでおり、
資源の無駄遣いである。また、木綿落綿を繊維状活性炭
の原料として使用しようとしても、通常に使用されてい
る木綿わたよりも更に強度が低くて粉末状になり易いた
めに実用の域に至っていない。
【0009】
【発明の目的】本発明の目的は、木綿わたを原料として
使用して、充分実用に供し得る強度を有し且つ抗菌効果
を有する繊維状活性炭を提供することである。
使用して、充分実用に供し得る強度を有し且つ抗菌効果
を有する繊維状活性炭を提供することである。
【0010】また、本発明の目的は、輸入資源の有効利
用の面から、抗菌性繊維状活性炭の原料として従来は廃
棄されていた落綿を使用することである。
用の面から、抗菌性繊維状活性炭の原料として従来は廃
棄されていた落綿を使用することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、コロイ
ダルシリカ由来の無水珪酸によって銀ゼオライトが木綿
わたを原料とする繊維状活性炭に焼付固着されているこ
とを特徴とする抗菌性繊維状活性炭により前述の目的を
達成した。
ダルシリカ由来の無水珪酸によって銀ゼオライトが木綿
わたを原料とする繊維状活性炭に焼付固着されているこ
とを特徴とする抗菌性繊維状活性炭により前述の目的を
達成した。
【0012】また、本発明によれば、コロイダルシリカ
液に銀ゼオライトを混合し、該混合液を木綿わたに含浸
させ、該木綿わたを150〜300℃に昇温して熱処理
を行い、次いで水蒸気を含有する雰囲気で650〜75
0℃て熱処理を行って賦活することを特徴とする抗菌性
繊維状活性炭の製造方法により前述の目的を達成した。
液に銀ゼオライトを混合し、該混合液を木綿わたに含浸
させ、該木綿わたを150〜300℃に昇温して熱処理
を行い、次いで水蒸気を含有する雰囲気で650〜75
0℃て熱処理を行って賦活することを特徴とする抗菌性
繊維状活性炭の製造方法により前述の目的を達成した。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明では、繊維状活性炭の原料
として木綿わたを使用する。綿であれば通常利用されて
いる繊維長の長いものでもよいが、資源の有効利用の点
から落綿を利用することが好ましい。木綿落綿とは、繊
維長が20mm以下の短いもので紡績工程で落綿として脱
落したものを言いうが、落綿の中でも再生されることな
く廃棄されていたものを利用することが資源の有効利用
のみならず価格の観点からも好ましい。
として木綿わたを使用する。綿であれば通常利用されて
いる繊維長の長いものでもよいが、資源の有効利用の点
から落綿を利用することが好ましい。木綿落綿とは、繊
維長が20mm以下の短いもので紡績工程で落綿として脱
落したものを言いうが、落綿の中でも再生されることな
く廃棄されていたものを利用することが資源の有効利用
のみならず価格の観点からも好ましい。
【0014】木綿落綿を原料とする場合は、通常の木綿
を原料とする場合より強度の弱さは一層深刻であるが、
本発明によればコロイダルシリカを用いて製造すること
により解決できる。
を原料とする場合より強度の弱さは一層深刻であるが、
本発明によればコロイダルシリカを用いて製造すること
により解決できる。
【0015】本発明におけるコロイダルシリカとしては
市販のものを使用することができる。例えば、スノーテ
ックス(日産化学工業株式会社製品)のように無水珪酸
の分散粒子径が10〜20nmの如く微細なものが好まし
い。
市販のものを使用することができる。例えば、スノーテ
ックス(日産化学工業株式会社製品)のように無水珪酸
の分散粒子径が10〜20nmの如く微細なものが好まし
い。
【0016】銀ゼオライトは銀を担持したゼオライトで
あり、市販のものを使用することができ、例えばゼオミ
ック(シナネンゼオミック株式会社製品)などがある。
あり、市販のものを使用することができ、例えばゼオミ
ック(シナネンゼオミック株式会社製品)などがある。
【0017】本発明の抗菌性繊維状活性炭においては、
無水珪酸と銀ゼオライトが木綿繊維に焼付固着してい
る。それぞれの固着量は製造された活性炭において、無
水珪酸が0.5〜5重量%、銀ゼオライトが0.1〜3
重量%とすることが好ましい。無水珪酸が0.5重量%
未満では強度が不十分であり脆くて崩れ易いので好まし
くなく、5重量%を越えると吸着機能の低下を招くので
好ましくない。銀ゼオライトが0.1重量%未満では抗
菌効果が不十分であり、3重量%を越えると抗菌性は向
上するが、銀イオンの濃度が50ppb 以上になるので、
衛生面から好ましくない。
無水珪酸と銀ゼオライトが木綿繊維に焼付固着してい
る。それぞれの固着量は製造された活性炭において、無
水珪酸が0.5〜5重量%、銀ゼオライトが0.1〜3
重量%とすることが好ましい。無水珪酸が0.5重量%
未満では強度が不十分であり脆くて崩れ易いので好まし
くなく、5重量%を越えると吸着機能の低下を招くので
好ましくない。銀ゼオライトが0.1重量%未満では抗
菌効果が不十分であり、3重量%を越えると抗菌性は向
上するが、銀イオンの濃度が50ppb 以上になるので、
衛生面から好ましくない。
【0018】本発明の抗菌性繊維状活性炭は以下のよう
に製造する。コロイダルシリカ、銀ゼオライトおよび水
を混合した分散液に、木綿わたを浸漬し、木綿わたに分
散液を含浸させる。その後、過剰の分散液を絞りロール
又は遠心脱水等により除去する。次いで濡れた状態の木
綿わたの乾燥を行ってもよいが、次工程で熱処理を行う
ので乾燥させずに木綿わたを炉に直接投入してもよい。
炉に入れて不活性雰囲気でまたは酸素をコントロールし
た状態で150℃〜300℃、好ましくは200℃〜2
50℃に昇温して、その温度で熱処理を行うと30分程
度で木綿わたは炭化される。昇温する際は急激に行うと
繊維が脆くなるので、例えば2〜5℃/分の速度で徐々
に温度を上げていくことが好ましい。不活性雰囲気とし
ては、窒素、炭酸ガス、一酸化炭素等の不活性ガスのほ
か、炭化水素等の燃焼ガス、本発明の熱処理工程で発生
するガスを使用できる。次いで、水蒸気を含有する雰囲
気中で650℃〜750℃で熱処理を行って賦活する。
に製造する。コロイダルシリカ、銀ゼオライトおよび水
を混合した分散液に、木綿わたを浸漬し、木綿わたに分
散液を含浸させる。その後、過剰の分散液を絞りロール
又は遠心脱水等により除去する。次いで濡れた状態の木
綿わたの乾燥を行ってもよいが、次工程で熱処理を行う
ので乾燥させずに木綿わたを炉に直接投入してもよい。
炉に入れて不活性雰囲気でまたは酸素をコントロールし
た状態で150℃〜300℃、好ましくは200℃〜2
50℃に昇温して、その温度で熱処理を行うと30分程
度で木綿わたは炭化される。昇温する際は急激に行うと
繊維が脆くなるので、例えば2〜5℃/分の速度で徐々
に温度を上げていくことが好ましい。不活性雰囲気とし
ては、窒素、炭酸ガス、一酸化炭素等の不活性ガスのほ
か、炭化水素等の燃焼ガス、本発明の熱処理工程で発生
するガスを使用できる。次いで、水蒸気を含有する雰囲
気中で650℃〜750℃で熱処理を行って賦活する。
【0019】
〔実施例1〕スノーテックスST−20(コロイダルシ
リカ液、シリカ固形分20%、粒子径10〜20nm、日
産化学工業株式会社製品)50kgに、ゼオミックAJ−
10N(銀ゼオライト、シナネンゼオミック製品)5k
g、水445kgを配合した混合液に木綿落綿100kgを
30分間浸漬した。次いで遠心脱水により混合液の含浸
率を元の落綿に対して100%の含浸になるように脱水
した(すなわち、脱水後の湿潤した落綿の重量は200
kgである)。次いで、この落綿を炉に入れて都市ガス
加熱により徐々に250℃まで昇温して、そしてこの温
度で30分保った。次いで、水蒸気を含有する雰囲気で
700℃で熱処理を行って賦活をした。
リカ液、シリカ固形分20%、粒子径10〜20nm、日
産化学工業株式会社製品)50kgに、ゼオミックAJ−
10N(銀ゼオライト、シナネンゼオミック製品)5k
g、水445kgを配合した混合液に木綿落綿100kgを
30分間浸漬した。次いで遠心脱水により混合液の含浸
率を元の落綿に対して100%の含浸になるように脱水
した(すなわち、脱水後の湿潤した落綿の重量は200
kgである)。次いで、この落綿を炉に入れて都市ガス
加熱により徐々に250℃まで昇温して、そしてこの温
度で30分保った。次いで、水蒸気を含有する雰囲気で
700℃で熱処理を行って賦活をした。
【0020】木綿落綿の投入100kgに対して繊維状活
性炭として35kgが得られた。収率は35%であり、折
れたり粉末状に崩れることはなかった。
性炭として35kgが得られた。収率は35%であり、折
れたり粉末状に崩れることはなかった。
【0021】得られた抗菌性繊維状活性炭を電子顕微鏡
で見ると、粒状の無水珪酸は熱処理によりその一部が焼
付いて互いに結合した状態で繊維に固着していることが
分かった。
で見ると、粒状の無水珪酸は熱処理によりその一部が焼
付いて互いに結合した状態で繊維に固着していることが
分かった。
【0022】得られた抗菌性繊維状活性炭における無水
珪酸と銀ゼオライトの付着量を測定した。まず、高温に
して繊維分を燃焼させて、無水珪酸と銀ゼオライトのみ
とした。次いで、これをフッ化水素酸により無水珪酸と
ゼオライトを溶解させて原子吸光分析器にかけて銀を定
量して、銀ゼオライト量を求めた。その結果、付着量
は、無水珪酸が1.8重量%、銀ゼオライトが0.9重
量%であることが分かった。
珪酸と銀ゼオライトの付着量を測定した。まず、高温に
して繊維分を燃焼させて、無水珪酸と銀ゼオライトのみ
とした。次いで、これをフッ化水素酸により無水珪酸と
ゼオライトを溶解させて原子吸光分析器にかけて銀を定
量して、銀ゼオライト量を求めた。その結果、付着量
は、無水珪酸が1.8重量%、銀ゼオライトが0.9重
量%であることが分かった。
【0023】実施例1により得られた繊維状活性炭の吸
着性能は、ヨード吸着量1300mg/g、ベンゼン吸着
量300mg/gであり、優れた吸着性を有していた。
着性能は、ヨード吸着量1300mg/g、ベンゼン吸着
量300mg/gであり、優れた吸着性を有していた。
【0024】実施例1の抗菌性繊維状活性炭を抄紙法に
よって目付25g/m2 巾の不織布にした。得られた不
織布は折り曲げても崩れることがなく強力であった。
よって目付25g/m2 巾の不織布にした。得られた不
織布は折り曲げても崩れることがなく強力であった。
【0025】この不織布を用いてAATCC L14.
144−1965Tによる細菌の抑制状態を試験した。
大腸菌3.7×105 個を上述の不織布に植菌して18
時間培養した結果、菌数は測定されなくゼロであった。
緑膿菌について1.3×104 個を上述の不織布に植菌
して18時間培養した結果においても菌数は測定され
ず、ゼロであった。
144−1965Tによる細菌の抑制状態を試験した。
大腸菌3.7×105 個を上述の不織布に植菌して18
時間培養した結果、菌数は測定されなくゼロであった。
緑膿菌について1.3×104 個を上述の不織布に植菌
して18時間培養した結果においても菌数は測定され
ず、ゼロであった。
【0026】〔比較例〕木綿落綿にコロイダルシリカ及
び銀ゼオライトを含浸させないで、ブランクとして上記
実施例1と同様の熱処理を行ったところ収率は14%で
あり、得られた活性炭は脆くて崩れ易く、使用に適さな
いものであった。
び銀ゼオライトを含浸させないで、ブランクとして上記
実施例1と同様の熱処理を行ったところ収率は14%で
あり、得られた活性炭は脆くて崩れ易く、使用に適さな
いものであった。
【0027】〔実施例2〕スノーテックスST−N(コ
ロイダルシリカ液、シリカ固形分20%、粒子径10〜
20nm、日産化学工業株式会社製品)35kgに、ゼオミ
ックAW−1ON(銀ゼオライト、シナネンゼオミック
製品)5kg、水460kgを配合した混合液に木綿落綿1
00kgを浸漬し、30分間放置して落綿に該混合液を充
分浸透させた。次いで、遠心脱水により該液の含浸率を
元の落綿に対して100%の含浸になるように脱水した
(すなわち、脱水後の湿潤した落綿の重量は200kg
である)。次いで、湿潤状態の落綿を炉に入れて都市ガ
ス加熱により200℃に昇温して30分保った。次い
で、水蒸気を含有する雰囲気で750℃で熱処理を行っ
て賦活をした。
ロイダルシリカ液、シリカ固形分20%、粒子径10〜
20nm、日産化学工業株式会社製品)35kgに、ゼオミ
ックAW−1ON(銀ゼオライト、シナネンゼオミック
製品)5kg、水460kgを配合した混合液に木綿落綿1
00kgを浸漬し、30分間放置して落綿に該混合液を充
分浸透させた。次いで、遠心脱水により該液の含浸率を
元の落綿に対して100%の含浸になるように脱水した
(すなわち、脱水後の湿潤した落綿の重量は200kg
である)。次いで、湿潤状態の落綿を炉に入れて都市ガ
ス加熱により200℃に昇温して30分保った。次い
で、水蒸気を含有する雰囲気で750℃で熱処理を行っ
て賦活をした。
【0028】この実施例においては、木綿落綿の投入1
00kgに対して繊維状活性炭として34kgが得られ、収
率は34%であった。得られた繊維状活性炭の強度は大
きく、外力により折れたり粉末状に崩れることはなかっ
た。
00kgに対して繊維状活性炭として34kgが得られ、収
率は34%であった。得られた繊維状活性炭の強度は大
きく、外力により折れたり粉末状に崩れることはなかっ
た。
【0029】また、この抗菌性繊維状活性炭における無
水珪酸と銀ゼオライトの焼付固着量は、無水珪酸が1.
2重量%、銀ゼオライトが0.8重量%であった。
水珪酸と銀ゼオライトの焼付固着量は、無水珪酸が1.
2重量%、銀ゼオライトが0.8重量%であった。
【0030】実施例2による繊維状活性炭の吸着性能
は、ヨード吸着量1500mg/g、ベンゼン吸着量40
0mg/gであった。
は、ヨード吸着量1500mg/g、ベンゼン吸着量40
0mg/gであった。
【0031】得られた抗菌性繊維状活性炭を実施例1と
同様に不織布とした。この不織布によりAATCC L
14. 144−1965Tによる細菌の抑制状態を試
験した。大腸菌2.5×104 個をこの不織布に植菌し
て18時間培養した結果、菌数はゼロであった。緑膿菌
について7.3×105 個を該不織布に植菌し18時間
培養した結果においても菌数はゼロであった。
同様に不織布とした。この不織布によりAATCC L
14. 144−1965Tによる細菌の抑制状態を試
験した。大腸菌2.5×104 個をこの不織布に植菌し
て18時間培養した結果、菌数はゼロであった。緑膿菌
について7.3×105 個を該不織布に植菌し18時間
培養した結果においても菌数はゼロであった。
【0032】
【発明の効果】本発明によれば、木綿わたを原料とし
て、強度の優れた抗菌性繊維状活性炭を得ることができ
る。特に、従来廃棄されていた落綿を使用して繊維状活
性炭を得ることができるので、資源の有効利用ができ
る。
て、強度の優れた抗菌性繊維状活性炭を得ることができ
る。特に、従来廃棄されていた落綿を使用して繊維状活
性炭を得ることができるので、資源の有効利用ができ
る。
【0033】本発明の抗菌性繊維状活性炭は不織布にし
て、浄水用フイルターや果物等の鮮度維持用包装材、そ
の他抗菌性消臭材として広く使用することができる。
て、浄水用フイルターや果物等の鮮度維持用包装材、そ
の他抗菌性消臭材として広く使用することができる。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成8年12月12日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正内容】
【0008】一方、我が国では木綿わたを年間80万ト
ン輸入して紡績に投入しているが、その内5%の4万ト
ンが落綿として紡績工程で脱落している。落綿を再生使
用する工夫もされているが、繊維長の短いものは廃棄さ
れており、その量は落綿量の過半数に及んでおり、資源
の無駄遣いである。また、木綿落綿を繊維状活性炭の原
料として使用しようとしても、通常に使用されている木
綿わたよりも更に強度が低くて粉末状になり易いために
実用の域に至っていない。
ン輸入して紡績に投入しているが、その内5%の4万ト
ンが落綿として紡績工程で脱落している。落綿を再生使
用する工夫もされているが、繊維長の短いものは廃棄さ
れており、その量は落綿量の過半数に及んでおり、資源
の無駄遣いである。また、木綿落綿を繊維状活性炭の原
料として使用しようとしても、通常に使用されている木
綿わたよりも更に強度が低くて粉末状になり易いために
実用の域に至っていない。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI D06M 11/79 D06M 11/00 G
Claims (7)
- 【請求項1】 コロイダルシリカ由来の無水珪酸によっ
て銀ゼオライトが木綿わたを原料とする繊維状活性炭に
焼付固着されていることを特徴とする抗菌性繊維状活性
炭。 - 【請求項2】 前記抗菌性繊維状活性炭において無水珪
酸が0.5〜5重量%、銀ゼオライトが0.1〜3重量
%であることを特徴とする請求項1記載の抗菌性繊維状
活性炭。 - 【請求項3】 前記木綿わたが落綿であることを特徴と
する請求項1または2記載の抗菌性繊維状活性炭。 - 【請求項4】 無水珪酸の粒子径が10〜20nmであ
ることを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載
の抗菌性繊維状活性炭。 - 【請求項5】 コロイダルシリカ液に銀ゼオライトを混
合し、該混合液を木綿わたに含浸させ、該木綿わたを1
50〜300℃に昇温して熱処理を行い、次いで水蒸気
を含有する雰囲気で650〜750℃て熱処理を行って
賦活することを特徴とする抗菌性繊維状活性炭の製造方
法。 - 【請求項6】 木綿わたに含浸させるコロイダルシリカ
液と銀ゼオライトの混合液は、抗菌性繊維状活性炭にお
ける無水珪酸と銀ゼオライトの固着量が無水珪酸は0.
5〜5重量%、銀ゼオライトは0.1〜3重量%となる
ように含浸量を調節することを特徴とする請求項5記載
の抗菌性繊維状活性炭の製造方法。 - 【請求項7】 コロイダルシリカ液に銀ゼオライトを混
合し、該混合液を木綿わたに含浸させ、不活性雰囲気中
で前記木綿わたを200〜250℃まで徐々に昇温し、
前記温度で熱処理を行い、次いで水蒸気を含有する雰囲
気中で650〜750℃て熱処理を行って賦活すること
を特徴とする抗菌性繊維状活性炭の製造方法。
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JP08328863A JP3074261B2 (ja) | 1996-12-09 | 1996-12-09 | 抗菌性繊維状活性炭及びその製造方法 |
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JP (1) | JP3074261B2 (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
FR2819420A1 (fr) * | 2001-01-12 | 2002-07-19 | Manuf De Vetements Paul Boye | Application d'une texture activee en fibres de carbone a la protection contre les effets des agents biologiques, et produit de protection |
JP2003071216A (ja) * | 2001-09-03 | 2003-03-11 | Nitta Ind Corp | 抗菌性濾材及びその製造方法 |
KR100592366B1 (ko) * | 2002-06-25 | 2006-06-22 | (주)엔피텍 | 항균효과를 갖는 방적사의 제조방법 |
CN100405904C (zh) * | 2002-10-22 | 2008-07-30 | 美利肯公司 | 表面应用的抗菌地毯处理 |
CN106000300A (zh) * | 2016-05-26 | 2016-10-12 | 江苏大学 | 一种多孔柔性吸附剂的制备方法及其用途 |
-
1996
- 1996-12-09 JP JP08328863A patent/JP3074261B2/ja not_active Expired - Fee Related
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