JPH10167711A - バナジウム−リン系酸化物、その製造方法、該酸化物からなる気相酸化用触媒および炭化水素類の部分気相酸化方法 - Google Patents
バナジウム−リン系酸化物、その製造方法、該酸化物からなる気相酸化用触媒および炭化水素類の部分気相酸化方法Info
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- JPH10167711A JPH10167711A JP9082937A JP8293797A JPH10167711A JP H10167711 A JPH10167711 A JP H10167711A JP 9082937 A JP9082937 A JP 9082937A JP 8293797 A JP8293797 A JP 8293797A JP H10167711 A JPH10167711 A JP H10167711A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 酸化水素類の部分気相酸化触媒として有用な
新規なバナジウム−リン系酸化物、その用途を提供す
る。 【解決手段】 X線回折スペクトル(対陰極Cu−K
α)において、回折角2θ(±0.2°)が18.5
°、23.0°、28.4°、29.9°および43.
1°の主要ピークを有し、かつ回折角2θ(±0.2
°)=23.0°および28.4°のピークの強度比が
下記範囲内にあるバナジウム−リン系酸化物: 0.3≦I(23.0)/I(28.4)≦0.7 ただし、I(23.0)およびI(28.4)は、それ
ぞれ、回折角2θ(±0.2°)=23.0°および2
8.4°のピークの強度を示す。その製造方法、該酸化
物からなる気相酸化用触媒および炭化水素類の部分気相
酸化方法。
新規なバナジウム−リン系酸化物、その用途を提供す
る。 【解決手段】 X線回折スペクトル(対陰極Cu−K
α)において、回折角2θ(±0.2°)が18.5
°、23.0°、28.4°、29.9°および43.
1°の主要ピークを有し、かつ回折角2θ(±0.2
°)=23.0°および28.4°のピークの強度比が
下記範囲内にあるバナジウム−リン系酸化物: 0.3≦I(23.0)/I(28.4)≦0.7 ただし、I(23.0)およびI(28.4)は、それ
ぞれ、回折角2θ(±0.2°)=23.0°および2
8.4°のピークの強度を示す。その製造方法、該酸化
物からなる気相酸化用触媒および炭化水素類の部分気相
酸化方法。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、特定のX線回折パ
ターンを有する新規なバナジウム−リン系酸化物、その
製造方法、該酸化物からなる気相酸化用触媒および炭化
水素類の部分気相酸化方法に関するものである。
ターンを有する新規なバナジウム−リン系酸化物、その
製造方法、該酸化物からなる気相酸化用触媒および炭化
水素類の部分気相酸化方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、バナジウム−リン系の酸化物につ
いては、種々研究がなされており、これらの酸化物につ
いての物性および用途の開発も同時に行なわれている。
特にバナジウム−リン系酸化物はブタン、ブテン、ブタ
ジエンなどの炭素数4の炭化水素(C4炭化水素)の気
相酸化による無水マレイン酸の製造に有効であることは
よく知られている。また、バナジウム−リン系酸化物の
触媒有効成分は(VO)2 P2 O7 の組成を有する結晶
性酸化物であるピロリン酸ジバナジルであることもよく
知られている。このピロリン酸ジバナジルは、その前駆
体であるオルトリン酸一水素バナジル(VOHPO4 ・
0.5H2 O)を合成し、この前駆体を焼成し、さらに
活性化処理と呼ばれる不活性ガス、あるいはブタンなど
の炭化水素ガスと空気との混合ガス気流下での焼成によ
り、この前駆体からのトポタクチックな転移により得ら
れる。
いては、種々研究がなされており、これらの酸化物につ
いての物性および用途の開発も同時に行なわれている。
特にバナジウム−リン系酸化物はブタン、ブテン、ブタ
ジエンなどの炭素数4の炭化水素(C4炭化水素)の気
相酸化による無水マレイン酸の製造に有効であることは
よく知られている。また、バナジウム−リン系酸化物の
触媒有効成分は(VO)2 P2 O7 の組成を有する結晶
性酸化物であるピロリン酸ジバナジルであることもよく
知られている。このピロリン酸ジバナジルは、その前駆
体であるオルトリン酸一水素バナジル(VOHPO4 ・
0.5H2 O)を合成し、この前駆体を焼成し、さらに
活性化処理と呼ばれる不活性ガス、あるいはブタンなど
の炭化水素ガスと空気との混合ガス気流下での焼成によ
り、この前駆体からのトポタクチックな転移により得ら
れる。
【0003】n−ブタン、1−ブテン、2−ブテン、ブ
タジエンまたはこれらの混合物(本発明においては、こ
れらを総称して「C4炭化水素」という。)をバナジウ
ム−リン系触媒の存在下に気相酸化することにより無水
マレイン酸が得られることはよく知られているところで
あり、既に多くの改良されたバナジウム−リン系触媒お
よび製造方法が提案されている。
タジエンまたはこれらの混合物(本発明においては、こ
れらを総称して「C4炭化水素」という。)をバナジウ
ム−リン系触媒の存在下に気相酸化することにより無水
マレイン酸が得られることはよく知られているところで
あり、既に多くの改良されたバナジウム−リン系触媒お
よび製造方法が提案されている。
【0004】これら改良バナジウム−リン系触媒として
は、その調製法によって特定されたもののほかに、X線
回折ピークのパターンによって特定されたものもある
(特開昭53−61588号、同56−41816号、
同56−45815号、同59−132938号、特開
平5−15781号各公報など)。そして、バナジウム
−リン系触媒においては、バナジウムが5価であるより
も4価付近の状態にあるものが無水マレイン酸の製造に
は好ましいとされている(特開昭50−35088号、
同56−41816号各公報など)。
は、その調製法によって特定されたもののほかに、X線
回折ピークのパターンによって特定されたものもある
(特開昭53−61588号、同56−41816号、
同56−45815号、同59−132938号、特開
平5−15781号各公報など)。そして、バナジウム
−リン系触媒においては、バナジウムが5価であるより
も4価付近の状態にあるものが無水マレイン酸の製造に
は好ましいとされている(特開昭50−35088号、
同56−41816号各公報など)。
【0005】また、バナジウム−リン系触媒を用いたC
4炭化水素の気相酸化を実施する際の反応条件を改良し
たものもある(特開昭61−191680号、同61−
251678号各公報など)。
4炭化水素の気相酸化を実施する際の反応条件を改良し
たものもある(特開昭61−191680号、同61−
251678号各公報など)。
【0006】そして、無水マレイン酸製造用触媒として
のバナジウム−リン系酸化物の製造方法については前記
公報のほかにも多くの文献に記載されており、例えば、
B.K.Hodnett,ed.,Catalysis
Today,Vol.1,No.5(1987)に詳
細に記載されている。
のバナジウム−リン系酸化物の製造方法については前記
公報のほかにも多くの文献に記載されており、例えば、
B.K.Hodnett,ed.,Catalysis
Today,Vol.1,No.5(1987)に詳
細に記載されている。
【0007】しかしながら、従来のバナジウム−リン系
酸化物は、気相酸化、例えばブタンの気相酸化による無
水マレイン酸製造用の触媒として使用する場合に、触媒
活性が十分でなく、比較的低い温度での触媒活性が劣る
ことから、工業的に有利な条件で無水マレイン酸を製造
する場合には無水マレイン酸の収率が低いという問題が
あった。また、従来のバナジウム−リン系触媒において
は、バナジウムの価数が変動するため、初期の触媒性能
を有するバナジウム−リン系触媒が製造できる場合とで
きない場合があり、その結果、無水マレイン酸の収率が
触媒のロットによって変動するという工業的実施におい
ては極めて不都合な問題もあった。
酸化物は、気相酸化、例えばブタンの気相酸化による無
水マレイン酸製造用の触媒として使用する場合に、触媒
活性が十分でなく、比較的低い温度での触媒活性が劣る
ことから、工業的に有利な条件で無水マレイン酸を製造
する場合には無水マレイン酸の収率が低いという問題が
あった。また、従来のバナジウム−リン系触媒において
は、バナジウムの価数が変動するため、初期の触媒性能
を有するバナジウム−リン系触媒が製造できる場合とで
きない場合があり、その結果、無水マレイン酸の収率が
触媒のロットによって変動するという工業的実施におい
ては極めて不都合な問題もあった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】したがって、本発明の
目的は、上記のような従来のバナジウム−リン系酸化物
触媒の欠点を解決し、気相酸化反応に好適なバナジウム
−リン系酸化物を提供することにある。
目的は、上記のような従来のバナジウム−リン系酸化物
触媒の欠点を解決し、気相酸化反応に好適なバナジウム
−リン系酸化物を提供することにある。
【0009】本発明の他の目的は、特定のX線回折パタ
ーンを有する新規なバナジウム−リン系酸化物およびそ
の製造方法を提供することにある。
ーンを有する新規なバナジウム−リン系酸化物およびそ
の製造方法を提供することにある。
【0010】本発明のさらに他の目的は、触媒性能に関
し再現性よく製造できる新規なバナジウム−リン系酸化
物を提供することにある。
し再現性よく製造できる新規なバナジウム−リン系酸化
物を提供することにある。
【0011】本発明の別の目的は、上記バナジウム−リ
ン系酸化物よりなる気相酸化用触媒を提供することにあ
る。
ン系酸化物よりなる気相酸化用触媒を提供することにあ
る。
【0012】本発明のさらに別の目的は、炭化水素類の
部分気相酸化方法を提供することにある。
部分気相酸化方法を提供することにある。
【0013】本発明の他の目的は、炭素原子数4の炭化
水素類の部分気相酸化による無水マレイン酸の製造方法
を提供することにある。
水素類の部分気相酸化による無水マレイン酸の製造方法
を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記諸目的は、下記
(1)〜(18)によって達成される。
(1)〜(18)によって達成される。
【0015】(1) X線回折スペクトル(対陰極Cu
−Kα)において、回折角2θ(±0.2°)が18.
5°、23.0°、28.4°、29.9°および4
3.1°の主要ピークを有し、かつ回折角2θ(±0.
2°)=23.0°および28.4°のピークの強度比
が下記範囲内にあるバナジウム−リン系酸化物。
−Kα)において、回折角2θ(±0.2°)が18.
5°、23.0°、28.4°、29.9°および4
3.1°の主要ピークを有し、かつ回折角2θ(±0.
2°)=23.0°および28.4°のピークの強度比
が下記範囲内にあるバナジウム−リン系酸化物。
【0016】 0.3≦I(23.0)/I(28.4)≦0.7 ただし、I(23.0)およびI(28.4)は、それ
ぞれ、回折角2θ(±0.2°)=23.0°および2
8.4°のピークの強度を示す。
ぞれ、回折角2θ(±0.2°)=23.0°および2
8.4°のピークの強度を示す。
【0017】 (2) 0.35≦I(23.0)/I(28.4)≦0.65 である前記(1)に記載のバナジウム−リン系酸化物。
【0018】 (3) 0.4≦I(23.0)/I(28.4)≦0.6 である前記(1)に記載のバナジウム−リン系酸化物。
【0019】(4) バナジウム/リン(原子比)が1
/0.9〜1/1.2である前記(1)に記載のバナジ
ウム−リン系酸化物。
/0.9〜1/1.2である前記(1)に記載のバナジ
ウム−リン系酸化物。
【0020】(5) 有機溶媒中で4価のバナジウム化
合物とリン化合物とを60〜150℃の範囲の温度で反
応させ、得られる反応生成物を焼成することからなるX
線回折スペクトル(対陰極Cu−Kα)において、回折
角2θ(±0.2°)が18.5°、23.0°、2
8.4°、29.9°および43.1°の主要ピークを
有し、かつ回折角2θ(±0.2°)=23.0°およ
び28.4°のピークの強度比が下記範囲内にあるとい
う性質を有するバナジウム−リン系酸化物の製造方法。
合物とリン化合物とを60〜150℃の範囲の温度で反
応させ、得られる反応生成物を焼成することからなるX
線回折スペクトル(対陰極Cu−Kα)において、回折
角2θ(±0.2°)が18.5°、23.0°、2
8.4°、29.9°および43.1°の主要ピークを
有し、かつ回折角2θ(±0.2°)=23.0°およ
び28.4°のピークの強度比が下記範囲内にあるとい
う性質を有するバナジウム−リン系酸化物の製造方法。
【0021】 0.3≦I(23.0)/I(28.4)≦0.7 ただし、I(23.0)およびI(28.4)は、それ
ぞれ、回折角2θ(±0.2°)=23.0°および2
8.4°のピークの強度を示す。
ぞれ、回折角2θ(±0.2°)=23.0°および2
8.4°のピークの強度を示す。
【0022】(6) バナジウム/リン(原子比)が1
/0.9〜1/1.2である前記(5)に記載のバナジ
ウム−リン系酸化物の製造方法。
/0.9〜1/1.2である前記(5)に記載のバナジ
ウム−リン系酸化物の製造方法。
【0023】(7) 反応温度が80〜140℃である
前記(5)に記載のバナジウム−リン系酸化物の製造方
法。
前記(5)に記載のバナジウム−リン系酸化物の製造方
法。
【0024】(8) 有機溶媒中で5価のバナジウム化
合物を還元し、ついでリン化合物と60〜150℃の範
囲の温度で反応させ、得られる反応生成物を焼成した
後、活性化することからなるX線回折スペクトル(対陰
極Cu−Kα)において、回折角2θ(±0.2°)が
18.5°、23.0°、28.4°、29.9°およ
び43.1°の1要ピークを有し、かつ回折角2θ(±
0.2°)=23.0°および28.4°のピークの強
度比が下記範囲内にあるという性質を有するバナジウム
−リン系酸化物の製造方法。
合物を還元し、ついでリン化合物と60〜150℃の範
囲の温度で反応させ、得られる反応生成物を焼成した
後、活性化することからなるX線回折スペクトル(対陰
極Cu−Kα)において、回折角2θ(±0.2°)が
18.5°、23.0°、28.4°、29.9°およ
び43.1°の1要ピークを有し、かつ回折角2θ(±
0.2°)=23.0°および28.4°のピークの強
度比が下記範囲内にあるという性質を有するバナジウム
−リン系酸化物の製造方法。
【0025】 0.3≦I(23.0)/I(28.4)≦0.7 ただし、I(23.0)およびI(28.4)は、それ
ぞれ、回折角2θ(±0.2°)=23.0°および2
8.4°のピークの強度を示す。
ぞれ、回折角2θ(±0.2°)=23.0°および2
8.4°のピークの強度を示す。
【0026】(9) バナジウム/リン(原子比)が1
/0.9〜1/1.2である前記(8)に記載のバナジ
ウム−リン系酸化物の製造方法。
/0.9〜1/1.2である前記(8)に記載のバナジ
ウム−リン系酸化物の製造方法。
【0027】(10) 反応温度が80〜140℃であ
る前記(8)に記載のバナジウム−リン系酸化物の製造
バナジウム−リン系酸化物の製造方法。
る前記(8)に記載のバナジウム−リン系酸化物の製造
バナジウム−リン系酸化物の製造方法。
【0028】(11) X線回折スペクトル(対陰極C
u−Kα)において、回折角2θ(±0.2°)が1
8.5°、23.0°、28.4°、29.9°および
43.1°の主要ピークを有し、かつ回折角2θ(±
0.2°)=23.0°および28.4°のピークの強
度比が下記範囲内にあるバナジウム−リン系酸化物を含
有してなる気相酸化用触媒。
u−Kα)において、回折角2θ(±0.2°)が1
8.5°、23.0°、28.4°、29.9°および
43.1°の主要ピークを有し、かつ回折角2θ(±
0.2°)=23.0°および28.4°のピークの強
度比が下記範囲内にあるバナジウム−リン系酸化物を含
有してなる気相酸化用触媒。
【0029】 0.3≦I(23.0)/I(28.4)≦0.7 ただし、I(23.0)およびI(28.4)は、それ
ぞれ、回折角2θ(±0.2°)=23.0°および2
8.4°のピークの強度を示す。
ぞれ、回折角2θ(±0.2°)=23.0°および2
8.4°のピークの強度を示す。
【0030】 (12) 0.35≦I(23.0)/I(28.4)≦0.65 である前記(11)に記載の気相酸化用触媒。
【0031】 (13) 0.4≦I(23.0)/I(28.4)≦0.6 である前記(11)に記載の気相酸化用触媒。
【0032】(14) バナジウム/リン(原子比)が
1/0.9〜1/1.2である前記(11)に記載の気
相酸化用触媒。
1/0.9〜1/1.2である前記(11)に記載の気
相酸化用触媒。
【0033】(15) 炭化水素数を分子状酸素含有ガ
スを用いて部分気相酸化するに際し、触媒としてX線回
折スペクトル(対陰極Cu−Kα)において、回折角2
θ(±0.2°)が18.5°、23.0°、28.4
°、29.9°および43.1°の主要ピークを有し、
かつ回折角23.0°および28.4°のピークの強度
比が下記範囲内にあるという性質を有するバナジウム−
リン系酸化物を用いることによりなる部分気相酸化方
法。
スを用いて部分気相酸化するに際し、触媒としてX線回
折スペクトル(対陰極Cu−Kα)において、回折角2
θ(±0.2°)が18.5°、23.0°、28.4
°、29.9°および43.1°の主要ピークを有し、
かつ回折角23.0°および28.4°のピークの強度
比が下記範囲内にあるという性質を有するバナジウム−
リン系酸化物を用いることによりなる部分気相酸化方
法。
【0034】 0.3≦I(23.0)/I(28.4)≦0.7 ただし、I(23.0)およびI(28.4)は、それ
ぞれ、回折角2θ(±0.2°)=23.0°および2
8.4°のピークの強度を示す。
ぞれ、回折角2θ(±0.2°)=23.0°および2
8.4°のピークの強度を示す。
【0035】(16) 炭化水素類は、炭素数3〜5の
脂肪族炭化水素類である前記(15)に記載の部分気相
酸化方法。
脂肪族炭化水素類である前記(15)に記載の部分気相
酸化方法。
【0036】(17) 脂肪族炭化水素の炭化原子数は
4である前記(16)に記載の部分気相酸化方法。
4である前記(16)に記載の部分気相酸化方法。
【0037】(18) 炭素原子数4の脂肪族炭化水素
はブタンであり、かつ部分酸化物は無水マレイン酸であ
る前記(17)に記載の部分気相酸化方法。
はブタンであり、かつ部分酸化物は無水マレイン酸であ
る前記(17)に記載の部分気相酸化方法。
【0038】
【発明の実施の形態】本発明によるバナジウム−リン系
酸化物は、X線回折スペクトル(対陰極Cu−Kα)に
おいて、回折角2θ(±0.2°)が18.5°、2
3.0°、28.4°、29.9°および43.1°の
主要ピークを有し、かつ回折角2θ(±0.2°)=2
3.0°および28.4°のピークの強度比が、下記範
囲内にあるものである。
酸化物は、X線回折スペクトル(対陰極Cu−Kα)に
おいて、回折角2θ(±0.2°)が18.5°、2
3.0°、28.4°、29.9°および43.1°の
主要ピークを有し、かつ回折角2θ(±0.2°)=2
3.0°および28.4°のピークの強度比が、下記範
囲内にあるものである。
【0039】 0.3≦I(23.0)/I(28.4)≦0.7 ただし、I(23.0)およびI(28.4)は、それ
ぞれ回折角2θ(±0.2°)=23.0°および2
8.4°のピークの強度を示す。
ぞれ回折角2θ(±0.2°)=23.0°および2
8.4°のピークの強度を示す。
【0040】特にピークの強度比であるI(23.0)
/I(28.4)が0.35〜0.65、さらには0.
4〜0.6の範囲内にあるものが好適である。
/I(28.4)が0.35〜0.65、さらには0.
4〜0.6の範囲内にあるものが好適である。
【0041】本発明によるバナジウム−リン系酸化物
は、従来公知のバナジウム−リン系酸化物に比べて、非
常に強いピークが回折角2θ(±0.2°)=28.4
°にある点に特徴がある。
は、従来公知のバナジウム−リン系酸化物に比べて、非
常に強いピークが回折角2θ(±0.2°)=28.4
°にある点に特徴がある。
【0042】本発明によるバナジウム−リン系酸化物
は、つぎのようにして製造される。
は、つぎのようにして製造される。
【0043】工程(1) 本発明の方法によれば、先ず、有機溶媒中で4価のバナ
ジウム化合物とリン化合物とを60〜150℃の範囲の
温度で反応させるか、あるいは5価のバナジウム化合物
を還元し、引き続きリン化合物と60〜150℃の範囲
の温度で反応させる。特に、後者の5価のバナジウム化
合物を出発原料として用いる方法が好適に用いられる。
そこで、最初に、5価のバナジウム化合物を出発原料と
して用いる方法について説明する。
ジウム化合物とリン化合物とを60〜150℃の範囲の
温度で反応させるか、あるいは5価のバナジウム化合物
を還元し、引き続きリン化合物と60〜150℃の範囲
の温度で反応させる。特に、後者の5価のバナジウム化
合物を出発原料として用いる方法が好適に用いられる。
そこで、最初に、5価のバナジウム化合物を出発原料と
して用いる方法について説明する。
【0044】この方法による場合、先ず、5価のバナジ
ウム化合物を有機溶媒中で還元して溶解させる。この還
元処理により、5価のバナジウムは+3.9〜4.1の
範囲になっているものと考えられている。
ウム化合物を有機溶媒中で還元して溶解させる。この還
元処理により、5価のバナジウムは+3.9〜4.1の
範囲になっているものと考えられている。
【0045】本発明の有機溶媒とは、5価のバナジウム
化合物を還元し得る還元剤としての機能と反応溶媒とし
ての機能を有するものを意味し、これらの機能を有する
ものであればいずれも使用することができる。この有機
溶媒の代表例としては、ベンジルアルコール類、例えば
ベンジルアルコール、およびメチルベンジルアルコー
ル、ジメチルベンジルアルコール、エチルベンジルアル
コール、アニスアルコールなどの、単一または複数の、
炭素数1〜3のアルキル基またはアルコキシ基で置換さ
れたベンジルアルコール誘導体を挙げることができる。
これらのうち、特にベンジルアルコールが好適に用いら
れる。
化合物を還元し得る還元剤としての機能と反応溶媒とし
ての機能を有するものを意味し、これらの機能を有する
ものであればいずれも使用することができる。この有機
溶媒の代表例としては、ベンジルアルコール類、例えば
ベンジルアルコール、およびメチルベンジルアルコー
ル、ジメチルベンジルアルコール、エチルベンジルアル
コール、アニスアルコールなどの、単一または複数の、
炭素数1〜3のアルキル基またはアルコキシ基で置換さ
れたベンジルアルコール誘導体を挙げることができる。
これらのうち、特にベンジルアルコールが好適に用いら
れる。
【0046】なお、ベンジルアルコール類の還元機能を
損なわない範囲において、メタノール、エタノール、n
−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、
イソブタノール、アミルアルコールなどの脂肪族アルコ
ール;ベンズアルデヒド、トルアルデヒド、ジメチルベ
ンズアルデヒド、アニスアルデヒドなどの芳香族アルデ
ヒドなどとを組み合わせて使用することもできる。
損なわない範囲において、メタノール、エタノール、n
−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、
イソブタノール、アミルアルコールなどの脂肪族アルコ
ール;ベンズアルデヒド、トルアルデヒド、ジメチルベ
ンズアルデヒド、アニスアルデヒドなどの芳香族アルデ
ヒドなどとを組み合わせて使用することもできる。
【0047】本発明の5価のバナジウム化合物とは、5
価のバナジウムを含む有機または、無機の化合物を意味
し、その代表例としては、五酸化バナジウムおよびメタ
バナジン酸塩、例えばメタバナジン酸アンモニウムなど
を挙げることができる。これらのうち、五酸化バナジウ
ムが好適に用いられる。
価のバナジウムを含む有機または、無機の化合物を意味
し、その代表例としては、五酸化バナジウムおよびメタ
バナジン酸塩、例えばメタバナジン酸アンモニウムなど
を挙げることができる。これらのうち、五酸化バナジウ
ムが好適に用いられる。
【0048】本発明のリン化合物とは、リンを含む有機
または無機の化合物を意味し、その代表例としては、オ
ルトリン酸、ピロリン酸、亜リン酸、ポリリン酸、五酸
化リンなどを挙げることができる。これらのうち、約9
9%(98〜101%)オルトリン酸が好適に用いられ
る。
または無機の化合物を意味し、その代表例としては、オ
ルトリン酸、ピロリン酸、亜リン酸、ポリリン酸、五酸
化リンなどを挙げることができる。これらのうち、約9
9%(98〜101%)オルトリン酸が好適に用いられ
る。
【0049】したがって、本発明の好適な態様によれ
ば、ベンジルアルコールに五酸化バナジウムを添加した
後、80〜150℃、好ましくは100〜130℃で攪
拌下に加熱して、溶液が黒青色になりバナジウムがベン
ジルアルコールに完全に溶解した状態となるまでバナジ
ウムの還元を行なう。この還元処理により、前記のよう
に、バナジウムは+3.9〜4.1の範囲になっている
ものと考えられる。つぎに、オルトリン酸をベンジルア
ルコールに溶解した溶液を上記還元バナジウム溶液に添
加し、60〜150℃、好ましくは80〜140℃の範
囲の温度で攪拌して反応させる。
ば、ベンジルアルコールに五酸化バナジウムを添加した
後、80〜150℃、好ましくは100〜130℃で攪
拌下に加熱して、溶液が黒青色になりバナジウムがベン
ジルアルコールに完全に溶解した状態となるまでバナジ
ウムの還元を行なう。この還元処理により、前記のよう
に、バナジウムは+3.9〜4.1の範囲になっている
ものと考えられる。つぎに、オルトリン酸をベンジルア
ルコールに溶解した溶液を上記還元バナジウム溶液に添
加し、60〜150℃、好ましくは80〜140℃の範
囲の温度で攪拌して反応させる。
【0050】上記還元処理において、処理温度が80℃
より低いとバナジウム化合物の還元が進まず、あるいは
処理に長時間を要する。一方、処理時間が150℃を超
えると有機溶媒の酸化が進み、さらには縮合して有機溶
媒と生成酸化物との分離が困難となる場合もある。いず
れにしても、還元処理を80〜150℃、好ましくは1
00〜130℃で行なうことにより、前記のX線回折ス
ペクトルのパターンおよびピークの強度比を有するバナ
ジウム−リン系酸化物が得られる。還元処理時間は、溶
液が黒青色になりバナジウムが完全に溶解するまで行な
うが、通常、2〜10時間で十分である。
より低いとバナジウム化合物の還元が進まず、あるいは
処理に長時間を要する。一方、処理時間が150℃を超
えると有機溶媒の酸化が進み、さらには縮合して有機溶
媒と生成酸化物との分離が困難となる場合もある。いず
れにしても、還元処理を80〜150℃、好ましくは1
00〜130℃で行なうことにより、前記のX線回折ス
ペクトルのパターンおよびピークの強度比を有するバナ
ジウム−リン系酸化物が得られる。還元処理時間は、溶
液が黒青色になりバナジウムが完全に溶解するまで行な
うが、通常、2〜10時間で十分である。
【0051】バナジウム化合物とリン化合物との使用割
合については、バナジウム/リン(原子比)として、1
/0.9〜1/1.2、好ましくは1/0.95〜1/
1.1となるように使用するのがよい。
合については、バナジウム/リン(原子比)として、1
/0.9〜1/1.2、好ましくは1/0.95〜1/
1.1となるように使用するのがよい。
【0052】上記反応において、混合攪拌を60〜15
0℃、好ましくは80〜140℃の温度で行なうことに
より、前記のX線回折スペクトルのパターンおよびピー
クの強度比を有するバナジウム−リン系酸化物が得られ
る。この攪拌下における反応時間は、通常、3〜24時
間程度で十分である。
0℃、好ましくは80〜140℃の温度で行なうことに
より、前記のX線回折スペクトルのパターンおよびピー
クの強度比を有するバナジウム−リン系酸化物が得られ
る。この攪拌下における反応時間は、通常、3〜24時
間程度で十分である。
【0053】つぎに、出発原料として4価のバナジウム
化合物を用いる方法について説明する。
化合物を用いる方法について説明する。
【0054】この方法の場合、出発原料として4価のバ
ナジウム化合物を用い、これを有機溶媒に溶解し、リン
化合物と60〜150℃の温度で反応させる。
ナジウム化合物を用い、これを有機溶媒に溶解し、リン
化合物と60〜150℃の温度で反応させる。
【0055】本発明の4価のバナジウム化合物とは、4
価のバナジウムを含む有機または無機の化合物を意味
し、その代表例としては、二酸化バナジウム、オキシ二
塩化バナジウムなどを挙げることができる。これらのう
ち、二酸化バナジウムが特に好適に用いられる。
価のバナジウムを含む有機または無機の化合物を意味
し、その代表例としては、二酸化バナジウム、オキシ二
塩化バナジウムなどを挙げることができる。これらのう
ち、二酸化バナジウムが特に好適に用いられる。
【0056】この方法における、使用するリン化合物お
よび有機溶媒ならびにバナジウム化合物とリン化合物と
の使用割合は前記方法で説明したのと同じである。
よび有機溶媒ならびにバナジウム化合物とリン化合物と
の使用割合は前記方法で説明したのと同じである。
【0057】したがって、好適な態様によれば、ベンジ
ルアルコールに二酸化バナジウムを添加した後、80〜
150℃、好ましくは100〜130℃で攪拌下に加熱
してバナジウム化合物を完全に溶解させ、次いで、オル
トリン酸をベンジルアルコールに溶解した溶液を上記バ
ナジウム化合物溶液に添加し、60〜150℃、好まし
くは80〜140℃の範囲の温度で攪拌して反応させ
る。
ルアルコールに二酸化バナジウムを添加した後、80〜
150℃、好ましくは100〜130℃で攪拌下に加熱
してバナジウム化合物を完全に溶解させ、次いで、オル
トリン酸をベンジルアルコールに溶解した溶液を上記バ
ナジウム化合物溶液に添加し、60〜150℃、好まし
くは80〜140℃の範囲の温度で攪拌して反応させ
る。
【0058】上記溶解処理において、4価のバナジウム
化合物が還元されてバナジウムが3価になることはな
い。これは、ベンジルアルコール類が4価のバナジウム
を3価まで還元するに十分な機能がないためと考えられ
ている。
化合物が還元されてバナジウムが3価になることはな
い。これは、ベンジルアルコール類が4価のバナジウム
を3価まで還元するに十分な機能がないためと考えられ
ている。
【0059】また、上記反応において、混合攪拌を60
〜150℃、好ましくは80〜140℃の温度で行なう
ことにより、前記のX線回折スペクトルのパターンおよ
びピークの強度比を有するバナジウム−リン系酸化物が
得られる。この攪拌下における反応時間は、通常、3〜
24時間程度で十分である。
〜150℃、好ましくは80〜140℃の温度で行なう
ことにより、前記のX線回折スペクトルのパターンおよ
びピークの強度比を有するバナジウム−リン系酸化物が
得られる。この攪拌下における反応時間は、通常、3〜
24時間程度で十分である。
【0060】なお、出発原料として5価のバナジウム化
合物を用いる方法および4価の化合物を用いる方法のい
ずれにおいても、60〜150℃の温度で攪拌下に反応
させた後、さらに攪拌を継続し反応生成物が沈澱するま
で熟成するのがよい。反応温度が60℃未満ではバナジ
ウム化合物とリン化合物との反応が進行し難く、一方、
150℃を越えると有機溶媒の酸化が進み、さらには縮
合して有機溶媒と生成酸化物との分離が困難となる場合
もあるからである。
合物を用いる方法および4価の化合物を用いる方法のい
ずれにおいても、60〜150℃の温度で攪拌下に反応
させた後、さらに攪拌を継続し反応生成物が沈澱するま
で熟成するのがよい。反応温度が60℃未満ではバナジ
ウム化合物とリン化合物との反応が進行し難く、一方、
150℃を越えると有機溶媒の酸化が進み、さらには縮
合して有機溶媒と生成酸化物との分離が困難となる場合
もあるからである。
【0061】工程(2) 工程(2)では、工程(1)で得られた反応生成物(沈
澱物)を焼成する。
澱物)を焼成する。
【0062】すなわち、得られる沈澱物を洗浄、濾過し
た後に、通常、100〜150℃、好ましくは120〜
150℃の温度で約6〜24時間程度不活性ガス中、ま
たは空気気流中で乾燥し、この乾燥物を粉末状あるいは
成型体とした後、空気などの酸素含有ガス雰囲気、ある
いは不活性ガスと空気との混合ガス雰囲気中で350〜
600℃、好ましくは400〜550℃の温度で約2〜
10時間焼成する。上記不活性ガスとしては、通常、窒
素が用いられる。
た後に、通常、100〜150℃、好ましくは120〜
150℃の温度で約6〜24時間程度不活性ガス中、ま
たは空気気流中で乾燥し、この乾燥物を粉末状あるいは
成型体とした後、空気などの酸素含有ガス雰囲気、ある
いは不活性ガスと空気との混合ガス雰囲気中で350〜
600℃、好ましくは400〜550℃の温度で約2〜
10時間焼成する。上記不活性ガスとしては、通常、窒
素が用いられる。
【0063】工程(3) 工程(3)における活性化の方法には特に制限はなく、
この種の酸化触媒の調製において一般に用いられている
活性化方法を採用することができる。例えば、工程
(2)で焼成した粉末あるいは成型体を不活性ガス気流
中で600〜800℃、好ましくは650〜750℃の
温度、あるいはブタンなどの炭化水素ガスと空気との混
合ガス気流で350〜600℃、好ましくは400〜4
50℃の温度で約5〜24時間、好ましくは10〜24
時間処理して活性化する。
この種の酸化触媒の調製において一般に用いられている
活性化方法を採用することができる。例えば、工程
(2)で焼成した粉末あるいは成型体を不活性ガス気流
中で600〜800℃、好ましくは650〜750℃の
温度、あるいはブタンなどの炭化水素ガスと空気との混
合ガス気流で350〜600℃、好ましくは400〜4
50℃の温度で約5〜24時間、好ましくは10〜24
時間処理して活性化する。
【0064】上記活性化で用いる不活性ガスとしては、
通常、窒素が用いられる。また、炭化水素としては、ブ
タンのほかに、ブテン、ブタジエン、ペンタン、イソペ
ンタンなどの炭素数4〜5程度の炭化水素を用いること
ができる。活性化処理を炭化水素ガスを空気との混合ガ
ス気流中で行なう場合、混合ガス中の炭化水素ガスの濃
度は通常ブタン換算で0.5〜10容量%、好ましくは
1〜5容量%とするのがよい。なお、不活性ガス気流中
で活性化を行なう場合、処理温度を高くする必要があ
り、このため表面積が低下して触媒活性が低下する傾向
にあるので、活性化処理は炭化水素ガスと空気との混合
ガス気流中で行なうのが好ましい。
通常、窒素が用いられる。また、炭化水素としては、ブ
タンのほかに、ブテン、ブタジエン、ペンタン、イソペ
ンタンなどの炭素数4〜5程度の炭化水素を用いること
ができる。活性化処理を炭化水素ガスを空気との混合ガ
ス気流中で行なう場合、混合ガス中の炭化水素ガスの濃
度は通常ブタン換算で0.5〜10容量%、好ましくは
1〜5容量%とするのがよい。なお、不活性ガス気流中
で活性化を行なう場合、処理温度を高くする必要があ
り、このため表面積が低下して触媒活性が低下する傾向
にあるので、活性化処理は炭化水素ガスと空気との混合
ガス気流中で行なうのが好ましい。
【0065】上記、調製方法1によって得られたバナジ
ウム−リン系酸化物を触媒として使用する場合には、該
酸化物を特定の形状に成形し用いることができるだけで
なく、成形に際して成形助剤を添加することもできる。
成形助剤として、シリカゲル、アルミナゾル、タルクな
どの無機物、あるいはグラファイト、脂肪酸塩などの有
機物も使用することができる。また、成形に際して、無
機質の繊維を使用することもできる。
ウム−リン系酸化物を触媒として使用する場合には、該
酸化物を特定の形状に成形し用いることができるだけで
なく、成形に際して成形助剤を添加することもできる。
成形助剤として、シリカゲル、アルミナゾル、タルクな
どの無機物、あるいはグラファイト、脂肪酸塩などの有
機物も使用することができる。また、成形に際して、無
機質の繊維を使用することもできる。
【0066】本発明の気相酸化用触媒は、単独で、また
はシリカ、アルミナ、チタニア、炭化ケイ素、陶器など
の担体とともに成型ないし、これらの担体に担持して使
用することもできる。また、その形状についても特に制
限はなく、粉末状でも、あるいは球状、円筒状、アーチ
状、サドル状などに、打錠成型、押出成型などの従来公
知の成型法により、成型して使用することもできる。
はシリカ、アルミナ、チタニア、炭化ケイ素、陶器など
の担体とともに成型ないし、これらの担体に担持して使
用することもできる。また、その形状についても特に制
限はなく、粉末状でも、あるいは球状、円筒状、アーチ
状、サドル状などに、打錠成型、押出成型などの従来公
知の成型法により、成型して使用することもできる。
【0067】このバナジウム−リン系酸化物は、固体酸
を示すものである。この固体酸の性質を用いて炭化水素
類、特に炭素原子数3〜5の脂肪族炭化水素類の部分接
触気相酸化反応用の触媒として使用することができるも
のである。
を示すものである。この固体酸の性質を用いて炭化水素
類、特に炭素原子数3〜5の脂肪族炭化水素類の部分接
触気相酸化反応用の触媒として使用することができるも
のである。
【0068】該接触気相酸化反応としては、ブタンの酸
化による無水マレイン酸の製造、イソブタンの酸化によ
るメタクロレインおよびメタクリル酸の製造、メタクロ
レインの酸化によるメタクリル酸の製造、プロパンのア
ンモ酸化によるアクリロニトリルの製造、イソ酪酸の酸
化脱水素によるメタクリル酸の製造などの反応が挙げら
れる。特に、ノルマルブタンを分子状酸素の存在下に無
水マレイン酸に選択酸化することに使用することができ
る。
化による無水マレイン酸の製造、イソブタンの酸化によ
るメタクロレインおよびメタクリル酸の製造、メタクロ
レインの酸化によるメタクリル酸の製造、プロパンのア
ンモ酸化によるアクリロニトリルの製造、イソ酪酸の酸
化脱水素によるメタクリル酸の製造などの反応が挙げら
れる。特に、ノルマルブタンを分子状酸素の存在下に無
水マレイン酸に選択酸化することに使用することができ
る。
【0069】本発明の気相酸化用触媒は上記バナジウム
−リン系酸化物からなるものであり、この気相酸化用触
媒は、バナジウム−リン系酸化物のほかに、それを特定
するX線回折のピークおよびピークの強度比:I(2
3.0)/I(28.4)が変化しない範囲内におい
て、カリウム、ナトリウム、ルビジウム、セシウムなど
のアルカリ金属;マグネシウム、カルシウム、バリウム
などのアルカリ土類金属;鉄、ニッケル、コバルト、ル
テニウム、ロジウム、パラジウム、イリジウム、白金、
金、銀、銅、マンガン、タングステン、モリブテン、ク
ロム、ヒ素、アンチモン、ビスマス、タリウム、鉛、錫
などの遷移金属を含んでいてもよい。これら金属成分を
添加する場合、その供給源としては、それぞれの酸化
物、硝酸塩、硫酸塩、炭酸塩、有機酸塩、リン酸塩など
を用いることができる。
−リン系酸化物からなるものであり、この気相酸化用触
媒は、バナジウム−リン系酸化物のほかに、それを特定
するX線回折のピークおよびピークの強度比:I(2
3.0)/I(28.4)が変化しない範囲内におい
て、カリウム、ナトリウム、ルビジウム、セシウムなど
のアルカリ金属;マグネシウム、カルシウム、バリウム
などのアルカリ土類金属;鉄、ニッケル、コバルト、ル
テニウム、ロジウム、パラジウム、イリジウム、白金、
金、銀、銅、マンガン、タングステン、モリブテン、ク
ロム、ヒ素、アンチモン、ビスマス、タリウム、鉛、錫
などの遷移金属を含んでいてもよい。これら金属成分を
添加する場合、その供給源としては、それぞれの酸化
物、硝酸塩、硫酸塩、炭酸塩、有機酸塩、リン酸塩など
を用いることができる。
【0070】本発明の気相酸化用触媒は、前記のとお
り、ブタンを気相酸化して無水マレイン酸を製造するの
に特に好適に用いられる。
り、ブタンを気相酸化して無水マレイン酸を製造するの
に特に好適に用いられる。
【0071】ブタンとしては、通常、n−ブタンが用い
られるが、このn−ブタンはイソブタン、ブテン類、プ
ロパン、ペンタン類などを少量含んでいてもよい。気相
酸化に用いられる酸素源としては空気が好ましいが、純
酸素でもよいし、また水蒸気、窒素などの不活性ガスで
希釈して使用してもよい。通常、全原料ガス中のn−ブ
タン濃度は0.5〜10容量%、好ましくは0.5〜4
容量%であり、酸素濃度は10〜30容量%である。触
媒を固定床で使用する場合、空間速度500〜1000
0hr-1、好ましくは1000〜5000hr-1であ
る。反応温度は300〜550℃、好ましくは300〜
450℃である。反応圧力は、常圧、加圧いずれでもよ
いが、通常は常圧で行われる。また、固定床方式の代わ
りに、流動床方式を採用してもよいことはもちろんであ
る。
られるが、このn−ブタンはイソブタン、ブテン類、プ
ロパン、ペンタン類などを少量含んでいてもよい。気相
酸化に用いられる酸素源としては空気が好ましいが、純
酸素でもよいし、また水蒸気、窒素などの不活性ガスで
希釈して使用してもよい。通常、全原料ガス中のn−ブ
タン濃度は0.5〜10容量%、好ましくは0.5〜4
容量%であり、酸素濃度は10〜30容量%である。触
媒を固定床で使用する場合、空間速度500〜1000
0hr-1、好ましくは1000〜5000hr-1であ
る。反応温度は300〜550℃、好ましくは300〜
450℃である。反応圧力は、常圧、加圧いずれでもよ
いが、通常は常圧で行われる。また、固定床方式の代わ
りに、流動床方式を採用してもよいことはもちろんであ
る。
【0072】
【実施例】以下、実施例および比較例を挙げて更に具体
的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものでは
ない。なお、実施例および比較例における転化率、選択
率および収率は次のように定義される。
的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものでは
ない。なお、実施例および比較例における転化率、選択
率および収率は次のように定義される。
【0073】転化率(モル%)=(反応したブタンのモ
ル数/供給したブタンのモル数)×100 選択率(モル%)=(生成した無水マレイン酸のモル数
/反応したブタンのモル数)×100 収率(モル%)=(生成した無水マレイン酸のモル数/
供給したブタンのモル数)×100 実施例1 ベンジルアルコール4000mlに五酸化バナジウム
(V2 O5 )400gを懸濁させ、攪拌しながら120
℃に保ち、5時間還元して、五酸化バナジウムを完全に
溶解させた。99%オルトリン酸435.4gを100
0mlのベンジルアルコールに溶解してリン酸溶液を調
製し、100℃に保った。還元したバナジウムの黒青色
溶液に100℃のリン酸溶液を添加し、120℃に加熱
保持して、10時間攪拌したところ、濃青色沈澱物を生
じた。反応液スラリーを放冷した後、生成した沈澱物を
分離し、これをアセトンで洗浄し、140℃で12時間
乾燥した。ついで、長さ5mm、直径5mmのペレット
状に成型した。この成型体を空気気流下、500℃で4
時間焼成し、さらに温度を400℃に下げてから、n−
ブタン濃度1.5容量%のn−ブタンと空気との混合ガ
ス気流下に切り換えた後、500℃まで1℃/分で昇温
し、500℃で12時間の活性化処理を行なった。 上
記のようにして得られたバナジウム−リン系酸化物のX
線回折スペクトルを図1に示す。このX線回折スペクト
ルに示されるように、上記バナジウム−リン系酸化物は
回折角2θ(±0.2°)が18.5°、23.0°、
28.4°、29.9°および43.1°の主要ピーク
を有し、ピークの強度比:I(23.0)/I(28.
4)は0.5であった。
ル数/供給したブタンのモル数)×100 選択率(モル%)=(生成した無水マレイン酸のモル数
/反応したブタンのモル数)×100 収率(モル%)=(生成した無水マレイン酸のモル数/
供給したブタンのモル数)×100 実施例1 ベンジルアルコール4000mlに五酸化バナジウム
(V2 O5 )400gを懸濁させ、攪拌しながら120
℃に保ち、5時間還元して、五酸化バナジウムを完全に
溶解させた。99%オルトリン酸435.4gを100
0mlのベンジルアルコールに溶解してリン酸溶液を調
製し、100℃に保った。還元したバナジウムの黒青色
溶液に100℃のリン酸溶液を添加し、120℃に加熱
保持して、10時間攪拌したところ、濃青色沈澱物を生
じた。反応液スラリーを放冷した後、生成した沈澱物を
分離し、これをアセトンで洗浄し、140℃で12時間
乾燥した。ついで、長さ5mm、直径5mmのペレット
状に成型した。この成型体を空気気流下、500℃で4
時間焼成し、さらに温度を400℃に下げてから、n−
ブタン濃度1.5容量%のn−ブタンと空気との混合ガ
ス気流下に切り換えた後、500℃まで1℃/分で昇温
し、500℃で12時間の活性化処理を行なった。 上
記のようにして得られたバナジウム−リン系酸化物のX
線回折スペクトルを図1に示す。このX線回折スペクト
ルに示されるように、上記バナジウム−リン系酸化物は
回折角2θ(±0.2°)が18.5°、23.0°、
28.4°、29.9°および43.1°の主要ピーク
を有し、ピークの強度比:I(23.0)/I(28.
4)は0.5であった。
【0074】上記バナジウム−リン系酸化物100gを
直径25mm、長さ300mmの流通式反応器に充填
し、これにn−ブタン濃度1.5容量%のn−ブタンと
空気との混合ガスを空間速度2000hr-1で導入し、
反応温度385℃および390℃で、n−ブタンの気相
酸化を行った。結果を表1に示す。
直径25mm、長さ300mmの流通式反応器に充填
し、これにn−ブタン濃度1.5容量%のn−ブタンと
空気との混合ガスを空間速度2000hr-1で導入し、
反応温度385℃および390℃で、n−ブタンの気相
酸化を行った。結果を表1に示す。
【0075】比較例1 イソブチルアルコール4000mlに五酸化バナジウム
400gを懸濁させ、攪拌しながら105℃に保ち、1
2時間還元したが、五酸化バナジウムの還元は完全には
進行しなかった。99%オルトリン酸435.4gを1
000mlのイソブチルアルコールに溶解してリン酸溶
液を調製し、100℃に保った。バナジウム溶液に10
0℃のリン酸溶液を添加し、105℃に加熱保持し10
時間攪拌したところ濃青色沈澱物を生じた。反応液スラ
リーを放冷し、生成した沈澱物を分離した後、アセトン
で洗浄し、140℃で12時間乾燥した。ついで、長さ
5mm、直径5mmに成型した。この成型体を実施例1
と同様にして焼成および活性化処理を行った。
400gを懸濁させ、攪拌しながら105℃に保ち、1
2時間還元したが、五酸化バナジウムの還元は完全には
進行しなかった。99%オルトリン酸435.4gを1
000mlのイソブチルアルコールに溶解してリン酸溶
液を調製し、100℃に保った。バナジウム溶液に10
0℃のリン酸溶液を添加し、105℃に加熱保持し10
時間攪拌したところ濃青色沈澱物を生じた。反応液スラ
リーを放冷し、生成した沈澱物を分離した後、アセトン
で洗浄し、140℃で12時間乾燥した。ついで、長さ
5mm、直径5mmに成型した。この成型体を実施例1
と同様にして焼成および活性化処理を行った。
【0076】上記のようにして得られたバナジウム−リ
ン系酸化物のX線回折スペクトルを図2に示す。このX
線回折スペクトルに示されるように、上記バナジウム−
リン系酸化物は、回折角2θ(±0.2°)が、18.
5°、23.0°、28.4°、29.9°および4
3.1°の主要ピークを有するが、ピークの強度比:I
(23.0)/I(28.4)は1.3であった。
ン系酸化物のX線回折スペクトルを図2に示す。このX
線回折スペクトルに示されるように、上記バナジウム−
リン系酸化物は、回折角2θ(±0.2°)が、18.
5°、23.0°、28.4°、29.9°および4
3.1°の主要ピークを有するが、ピークの強度比:I
(23.0)/I(28.4)は1.3であった。
【0077】上記バナジウム−リン系酸化物を用い、ま
た反応温度を表1に示す温度に変更した以外は実施例1
と同様にしてn−ブタンの気相酸化を行った。結果を表
1に示す。
た反応温度を表1に示す温度に変更した以外は実施例1
と同様にしてn−ブタンの気相酸化を行った。結果を表
1に示す。
【0078】実施例2 ベンジルアルコール4000mlに五酸化バナジウム
(V2 O5 )400gを懸濁させ、攪拌しながら130
℃に保ち、3時間還元して、五酸化バナジウムを完全に
溶解させた。99%オルトリン酸500.7gを100
0mlのベンジルアルコールに溶解してリン酸溶液を調
製し、80℃に保った。還元したバナジウムの黒青色溶
液に80℃のリン酸溶液を添加し、110℃に加熱保持
して、10時間攪拌したところ、濃青色沈澱物を生じ
た。反応液スラリーを放冷した後、生成した沈澱物を分
離し、これをアセトンで洗浄し、140℃で12時間乾
燥した。ついで、長さ5mm、直径5mmのペレット状
に成型した。この成型体を実施例1と同様にして焼成お
よび活性化処理を行なった。
(V2 O5 )400gを懸濁させ、攪拌しながら130
℃に保ち、3時間還元して、五酸化バナジウムを完全に
溶解させた。99%オルトリン酸500.7gを100
0mlのベンジルアルコールに溶解してリン酸溶液を調
製し、80℃に保った。還元したバナジウムの黒青色溶
液に80℃のリン酸溶液を添加し、110℃に加熱保持
して、10時間攪拌したところ、濃青色沈澱物を生じ
た。反応液スラリーを放冷した後、生成した沈澱物を分
離し、これをアセトンで洗浄し、140℃で12時間乾
燥した。ついで、長さ5mm、直径5mmのペレット状
に成型した。この成型体を実施例1と同様にして焼成お
よび活性化処理を行なった。
【0079】上記のようにして得られたバナジウム−リ
ン系酸化物のX線回折スペクトルを図3に示す。このX
線回折スペクトルに示されるように、上記バナジウム−
リン系酸化物は回折角2θ(±0.2°)が18.5
°、23.0°、28.4°、29.9°および43.
1°の主要ピークを有し、ピークの強度比:I(23.
0)/I(28.4)は0.5であった。
ン系酸化物のX線回折スペクトルを図3に示す。このX
線回折スペクトルに示されるように、上記バナジウム−
リン系酸化物は回折角2θ(±0.2°)が18.5
°、23.0°、28.4°、29.9°および43.
1°の主要ピークを有し、ピークの強度比:I(23.
0)/I(28.4)は0.5であった。
【0080】上記バナジウム−リン系酸化物を用い、ま
た反応温度を表1に示す温度に変更した以外は実施例1
と同様にしてn−ブタンの気相酸化を行った。結果を表
1に示す。
た反応温度を表1に示す温度に変更した以外は実施例1
と同様にしてn−ブタンの気相酸化を行った。結果を表
1に示す。
【0081】実施例3 ベンジルアルコール4000mlに二酸化バナジウム
(VO2 )400gを懸濁させ、攪拌しながら130℃
に保ち、2時間還元して、二酸化バナジウムを完全に溶
解させた。99%オルトリン酸477.4gを1000
mlのベンジルアルコールに溶解してリン酸溶液を調製
し、80℃に保った。バナジウム化合物のの黒青色溶液
に80℃のリン酸溶液を添加し、110℃に加熱保持し
て、10時間攪拌したところ濃青色沈澱物を生じた。反
応液スラリーを放冷した後、生成した沈澱物を分離し、
これをアセトンで洗浄し、140℃で12時間乾燥し
た。ついで、長さ5mm、直径5mmに成型した。この
成型体を実施例1と同様にして焼成、活性化処理を行な
った。
(VO2 )400gを懸濁させ、攪拌しながら130℃
に保ち、2時間還元して、二酸化バナジウムを完全に溶
解させた。99%オルトリン酸477.4gを1000
mlのベンジルアルコールに溶解してリン酸溶液を調製
し、80℃に保った。バナジウム化合物のの黒青色溶液
に80℃のリン酸溶液を添加し、110℃に加熱保持し
て、10時間攪拌したところ濃青色沈澱物を生じた。反
応液スラリーを放冷した後、生成した沈澱物を分離し、
これをアセトンで洗浄し、140℃で12時間乾燥し
た。ついで、長さ5mm、直径5mmに成型した。この
成型体を実施例1と同様にして焼成、活性化処理を行な
った。
【0082】上記のようにして得られたバナジウム−リ
ン系酸化物のX線回折スペクトルを図4に示す。このX
線回折スペクトルに示されるように、上記バナジウム−
リン系酸化物は回折角2θ(±0.2°)が18.5
°、23.0°、28.4°、29.9°および43.
1°の主要ピークを有し、ピークの強度比:I(23.
0)/I(28.4)は0.6であった。
ン系酸化物のX線回折スペクトルを図4に示す。このX
線回折スペクトルに示されるように、上記バナジウム−
リン系酸化物は回折角2θ(±0.2°)が18.5
°、23.0°、28.4°、29.9°および43.
1°の主要ピークを有し、ピークの強度比:I(23.
0)/I(28.4)は0.6であった。
【0083】上記バナジウム−リン系酸化物を用い、ま
た反応温度を表1に示す温度に変更した以外は実施例1
と同様にしてn−ブタンの気相酸化を行った。結果を表
1に示す。
た反応温度を表1に示す温度に変更した以外は実施例1
と同様にしてn−ブタンの気相酸化を行った。結果を表
1に示す。
【0084】
【表1】
【0085】
【発明の効果】本発明のバナジウム−リン系酸化物は、
気相酸化用触媒として優れた活性を示す。例えば、ブタ
ンを気相酸化して無水マレイン酸を製造するに当たり、
従来の触媒に比べ、低い反応温度でも高い触媒活性を示
し、高選択率、ひいては高収率で無水マレイン酸を製造
することが可能となる。このため、無水マレイン酸の工
業的製造において、製造原価を著しく低減させることが
できる。
気相酸化用触媒として優れた活性を示す。例えば、ブタ
ンを気相酸化して無水マレイン酸を製造するに当たり、
従来の触媒に比べ、低い反応温度でも高い触媒活性を示
し、高選択率、ひいては高収率で無水マレイン酸を製造
することが可能となる。このため、無水マレイン酸の工
業的製造において、製造原価を著しく低減させることが
できる。
【0086】また、本発明のバナジウム−リン系酸化物
は、その触媒性能に関し、再現性よく製造することがで
きる。このため、目的生成物の収率がロットによって変
動することはなく、高い信頼性をもって、かつ高収率で
気相酸化反応を行なうことができる。
は、その触媒性能に関し、再現性よく製造することがで
きる。このため、目的生成物の収率がロットによって変
動することはなく、高い信頼性をもって、かつ高収率で
気相酸化反応を行なうことができる。
【図1】実施例1で得られたバナジウム−リン系酸化物
のX線回折スペクトル(対陰極Cu−Kα)である。横
軸は回折角2θであり、縦軸はピーク強度(cps)で
ある。
のX線回折スペクトル(対陰極Cu−Kα)である。横
軸は回折角2θであり、縦軸はピーク強度(cps)で
ある。
【図2】比較例1で得られたバナジウム−リン系酸化物
のX線回折スペクトル(対陰極Cu−Kα)である。横
軸および縦軸は図1と同じである。
のX線回折スペクトル(対陰極Cu−Kα)である。横
軸および縦軸は図1と同じである。
【図3】実施例2で得られたバナジウム−リン系酸化物
のX線回折スペクトル(対陰極Cu−Kα)である。横
軸および縦軸は図1と同じである。
のX線回折スペクトル(対陰極Cu−Kα)である。横
軸および縦軸は図1と同じである。
【図4】実施例3で得られたバナジウム−リン系酸化物
のX線回折スペクトル(対陰極Cu−Kα)である。横
軸および縦軸は図1と同じである。
のX線回折スペクトル(対陰極Cu−Kα)である。横
軸および縦軸は図1と同じである。
Claims (18)
- 【請求項1】 X線回折スペクトル(対陰極Cu−K
α)において、回折角2θ(±0.2°)が18.5
°、23.0°、28.4°、29.9°および43.
1°の主要ピークを有し、かつ回折角2θ(±0.2
°)=23.0°および28.4°のピークの強度比が
下記範囲内にあるバナジウム−リン系酸化物。 0.3≦I(23.0)/I(28.4)≦0.7 ただし、I(23.0)およびI(28.4)は、それ
ぞれ、回折角2θ(±0.2°)=23.0°および2
8.4°のピークの強度を示す。 - 【請求項2】 0.35≦I(23.0)/I(28.
4)≦0.65 である請求項1に記載のバナジウム−リン系酸化物。 - 【請求項3】 0.4≦I(23.0)/I(28.
4)≦0.6 である請求項1に記載のバナジウム−リン系酸化物。 - 【請求項4】 バナジウム/リン(原子比)が1/0.
9〜1/1.2である請求項1に記載のバナジウム−リ
ン系酸化物。 - 【請求項5】 有機溶媒中で4価のバナジウム化合物と
リン化合物とを60〜150℃の範囲の温度で反応さ
せ、得られる反応生成物を焼成することからなるX線回
折スペクトル(対陰極Cu−Kα)において、回折角2
θ(±0.2°)が18.5°、23.0°、28.4
°、29.9°および43.1°の主要ピークを有し、
かつ回折角2θ(±0.2°)=23.0°および2
8.4°のピークの強度比が下記範囲内にあるという性
質を有するバナジウム−リン系酸化物の製造方法。 0.3≦I(23.0)/I(28.4)≦0.7 ただし、I(23.0)およびI(28.4)は、それ
ぞれ、回折角2θ(±0.2°)=23.0°および2
8.4°のピークの強度を示す。 - 【請求項6】 バナジウム/リン(原子比)が1/0.
9〜1/1.2である請求項5に記載のバナジウム−リ
ン系酸化物の製造方法。 - 【請求項7】 反応温度が80〜140℃である請求項
5に記載のバナジウム−リン系酸化物の製造方法。 - 【請求項8】 有機溶媒中で5価のバナジウム化合物を
還元し、ついでリン化合物と60〜150℃の範囲の温
度で反応させ、得られる反応生成物を焼成した後、活性
化することからなるX線回折スペクトル(対陰極Cu−
Kα)において、回折角2θ(±0.2°)が18.5
°、23.0°、28.4°、29.9°および43.
1°の主要ピークを有し、かつ回折角2θ(±0.2
°)=23.0°および28.4°のピークの強度比が
下記範囲内にあるという性質を有するバナジウム−リン
系酸化物の製造方法。 0.3≦I(23.0)/I(28.4)≦0.7 ただし、I(23.0)およびI(28.4)は、それ
ぞれ、回折角2θ(±0.2°)=23.0°および2
8.4°のピークの強度を示す。 - 【請求項9】 バナジウム/リン(原子比)が1/0.
9〜1/1.2である請求項8に記載のバナジウム−リ
ン系酸化物の製造方法。 - 【請求項10】 反応温度が80〜140℃である請求
項8に記載のバナジウム−リン系酸化物の製造方法。 - 【請求項11】 X線回折スペクトル(対陰極Cu−K
α)において、回折角2θ(±0.2°)が18.5
°、23.0°、28.4°、29.9°および43.
1°の主要ピークを有し、かつ回折角2θ(±0.2
°)=23.0°および28.4°のピークの強度比が
下記範囲内にあるバナジウム−リン系酸化物を含有して
なる気相酸化用触媒。 0.3≦I(23.0)/I(28.4)≦0.7 ただし、I(23.0)およびI(28.4)は、それ
ぞれ、回折角2θ(±0.2°)=23.0°および2
8.4°のピークの強度を示す。 - 【請求項12】 0.35≦I(23.0)/I(2
8.4)≦0.65 である請求項11に記載の気相酸化用触媒。 - 【請求項13】 0.4≦I(23.0)/I(28.
4)≦0.6 である請求項11に記載の気相酸化用触媒。 - 【請求項14】 バナジウム/リン(原子比)が1/
0.9〜1/1.2である請求項11に記載の気相酸化
用触媒。 - 【請求項15】 炭化水素数を分子状酸素含有ガスを用
いて部分気相酸化するに際し、触媒としてX線回折スペ
クトル(対陰極Cu−Kα)において、回折角2θ(±
0.2°)が18.5°、23.0°、28.4°、2
9.9°および43.1°の主要ピークを有し、かつ回
折角23.0°および28.4°のピークの強度比が下
記範囲内にあるという性質を有するバナジウム−リン系
酸化物を用いることによりなる部分気相酸化方法。 0.3≦I(23.0)/I(28.4)≦0.7 ただし、I(23.0)およびI(28.4)は、それ
ぞれ、回折角2θ(±0.2°)=23.0°および2
8.4°のピークの強度を示す。 - 【請求項16】 炭化水素類は、炭素数3〜5の脂肪族
炭化水素類である請求項15に記載の部分気相酸化方
法。 - 【請求項17】 脂肪族炭化水素の炭化原子数は4であ
る請求項16に記載の部分気相酸化方法。 - 【請求項18】 炭素原子数4の脂肪族炭化水素はブタ
ンであり、かつ部分酸化物は無水マレイン酸である請求
項17に記載の部分気相酸化方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP08293797A JP3502526B2 (ja) | 1996-04-01 | 1997-04-01 | バナジウム−リン系酸化物、その製造方法、該酸化物からなる気相酸化用触媒および炭化水素類の部分気相酸化方法 |
Applications Claiming Priority (7)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7901996 | 1996-04-01 | ||
JP7985196 | 1996-04-02 | ||
JP8-79019 | 1996-10-09 | ||
JP8-268235 | 1996-10-09 | ||
JP8-79851 | 1996-10-09 | ||
JP26823596 | 1996-10-09 | ||
JP08293797A JP3502526B2 (ja) | 1996-04-01 | 1997-04-01 | バナジウム−リン系酸化物、その製造方法、該酸化物からなる気相酸化用触媒および炭化水素類の部分気相酸化方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10167711A true JPH10167711A (ja) | 1998-06-23 |
JP3502526B2 JP3502526B2 (ja) | 2004-03-02 |
Family
ID=27466243
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP08293797A Expired - Fee Related JP3502526B2 (ja) | 1996-04-01 | 1997-04-01 | バナジウム−リン系酸化物、その製造方法、該酸化物からなる気相酸化用触媒および炭化水素類の部分気相酸化方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3502526B2 (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007501119A (ja) * | 2003-08-02 | 2007-01-25 | ヴァーテラス・スペシャリティーズ・インコーポレーテッド | シアノピリジンを製造するための方法とそれに適した触媒 |
WO2010001732A1 (ja) | 2008-06-30 | 2010-01-07 | 株式会社日本触媒 | 固定床多管式反応器への固体粒状物の充填方法 |
US7850928B2 (en) | 2001-01-25 | 2010-12-14 | Nippon Shokubai Co., Ltd. | Fixed-bed shell-and-tube reactor and its usage |
EP2332641A1 (en) | 2009-12-09 | 2011-06-15 | Rohm and Haas Company | Method for blending and loading solid catalyst material into tubular structures |
CN113457700A (zh) * | 2021-06-24 | 2021-10-01 | 浙江大学 | 一种用于羟醛缩合的钒磷氧催化剂及其制备方法和应用 |
-
1997
- 1997-04-01 JP JP08293797A patent/JP3502526B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7850928B2 (en) | 2001-01-25 | 2010-12-14 | Nippon Shokubai Co., Ltd. | Fixed-bed shell-and-tube reactor and its usage |
JP2007501119A (ja) * | 2003-08-02 | 2007-01-25 | ヴァーテラス・スペシャリティーズ・インコーポレーテッド | シアノピリジンを製造するための方法とそれに適した触媒 |
WO2010001732A1 (ja) | 2008-06-30 | 2010-01-07 | 株式会社日本触媒 | 固定床多管式反応器への固体粒状物の充填方法 |
EP2332641A1 (en) | 2009-12-09 | 2011-06-15 | Rohm and Haas Company | Method for blending and loading solid catalyst material into tubular structures |
CN113457700A (zh) * | 2021-06-24 | 2021-10-01 | 浙江大学 | 一种用于羟醛缩合的钒磷氧催化剂及其制备方法和应用 |
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---|---|
JP3502526B2 (ja) | 2004-03-02 |
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