JPH09290161A - 酸化触媒の製造方法及びメタクリル酸製造方法 - Google Patents

酸化触媒の製造方法及びメタクリル酸製造方法

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JPH09290161A
JPH09290161A JP8106923A JP10692396A JPH09290161A JP H09290161 A JPH09290161 A JP H09290161A JP 8106923 A JP8106923 A JP 8106923A JP 10692396 A JP10692396 A JP 10692396A JP H09290161 A JPH09290161 A JP H09290161A
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methacrylic acid
dried
methacrolein
oxidation
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Hideo Fujisawa
英夫 藤澤
Hisao Kinoshita
久夫 木下
Yukio Sakai
幸雄 酒井
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 メタクロレインの気相酸化によるメタクリル
酸の製造に用いられる、より高い反応活性と選択性と長
い触媒寿命を持つヘテロポリ酸系触媒の製造方法及び該
触媒によるメタクリル酸の製造方法の提供。 【解決手段】 リン、モリブテン及びアルカリ金属又は
タリウムを含む酸化触媒を製造するに際し、触媒原料を
水に溶解或いは懸濁させた溶液を乾燥し、150〜35
0℃で予備焼成した後、得られた固形物をアンモニア水
により混練処理して該固形物を中性ないしアルカリ性に
調整し、次いでこれを乾燥し、焼成する、及び得られた
酸化触媒の存在下、メタクロレインを気相酸化する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、酸化触媒の製造方
法及び該触媒によるメタクリル酸の製造方法に関する。
詳しくは、本発明は、メタクロレイン、t−ブタノー
ル、イソブタン、イソブテン等を分子状酸素で気相接触
酸化してメタクリル酸を製造するために用いられるヘテ
ロポリ酸系触媒の製造方法及び該触媒によるメタクリル
酸の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】メタクロレインを気相接触酸化してメタ
クリル酸を製造する触媒としてリンモリブデン酸等のよ
うなケギン構造を有するヘテロポリ酸化合物が有効であ
ることは従来から知られている。しかしながら、Mo−
V系触媒によるアクロレインからアクリル酸への気相接
触酸化が、工業レベルで99%以上の転化率及び97%
以上の選択率で三年以上に亘り安定な運転実績を達成し
ているのと比較すると、未だ著しく低いレベルに留まっ
ている。このため、反応活性、メタクリル酸選択性、触
媒寿命の改善或いは触媒製造の安定性を求め、触媒組
成、調製方法、乾燥方法、焼成方法、触媒形状等に精力
的な研究開発が行われており、いろいろな提案がこれ迄
になされている。
【0003】例えば、触媒組成については特開昭55−
39236号公報を初めとする多くの特許公報に触媒構
成元素として実質的にはVが必須であると共に、アルカ
リ金属、アルカリ土類金属、遷移金属、希土類金属等多
くの元素が触媒性能向上に有効であることが記載されて
いる。特開昭61−5043号公報、特開昭61−72
33号公報及び特開平3−21346号公報には、特定
のCe化合物が有効であることが示され、又、特開平3
−238051号公報には特定のBi原料が有効である
ことが示されている。
【0004】特開平6−91728号公報には、触媒成
分の中、SbとMo、Cu又はVとを予め焼成して複合
酸化物として使用することにより高い触媒性能が得られ
ると記載されている。また、触媒の調製方法、例えば、
触媒原料の溶解混合加熱工程、触媒原料の特定、アンモ
ニウム及び硝酸量の制御等(特開昭61−283352
号公報、特開平3−238050号公報、特開平6−8
6932号公報、特開平6−86938号公報)につい
ても、多くの提案がなされている。
【0005】特開平4−7037号公報、特開平4−1
6242号公報には、触媒原料を溶解混合した溶液のp
Hを酸性に保ち、且つ溶液を85℃以上に加熱すること
によりケギン型のヘテロポリ酸を作り、次いで溶液を8
0℃以下に冷却した後にアルカリイオン及びアンモニウ
ムイオン或いはピリジン等の塩基を添加し、酸素濃度5
%以上のガスで焼成する方法が提案されている。
【0006】特開昭57−165040号公報には、ア
ンモニウムイオンを含んだ原料溶液を濃縮、乾固し、焼
成を400〜550℃で行うことが記載されている。特
開平6−86932号公報にはNH4 /Mo=(6〜1
8)/12及びNO 3 /Mo=(0.1〜5)/1とな
るように溶液中のアンモニア及び硝酸根量を制御し、更
にオートクレーブ中110〜200℃という特殊な条件
で溶液中でドーソン型のヘテロポリ酸を生成させ、不活
性ガス雰囲気中焼成することが記載されている。特開平
6−86933号公報には、硫酸根の共存がドーソン型
のヘテロポリ酸の生成に有効でこの場合オートクレーブ
加熱は必ずしも必要ではないと記載されている。
【0007】特開昭63−130143号公報には、乾
燥固形物を固形物に対し1〜10倍の水に再分散させる
ことにより触媒性能が向上すると述べられている。触媒
の焼成も、触媒性能に大きな影響があり、酸素濃度及び
焼成温度の制御(特開昭56−161841号公報、特
開平3−238050号公報)、アンモニア・水蒸気の
制御(特開昭58−67643号公報)、不活性ガス中
での焼成(特開昭57−165040号公報)等につい
ていろいろ提案されている。
【0008】一方、表面積、細孔の制御を目的として例
えばピリジン・キノリンの添加(特開昭57−1714
44号公報、特開昭60−209258号公報)、活性
炭の添加(特開平6−374号公報)、アルコール・ア
ルデヒド・有機酸の添加(特開平6−15178号公
報)等について提案がなされている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これま
で提案されている触媒はいずれも反応成績が十分でな
い、生産性が低い、触媒の経時低下が大きい、反応温度
が高い、或いは触媒の調製法の再現性に欠ける等の問題
点を有し、工業用触媒として十分な性能とは言えず、更
なる改良が望まれている。本発明の課題は、メタクロレ
インの気相酸化によるメタクリル酸の製造に用いられ
る、より高い反応活性と選択性と長い触媒寿命を持つヘ
テロポリ酸系触媒の製造方法及び該触媒によるメタクリ
ル酸の製造方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記課題
を解決するためにリン、モリブデン及びアルカリ金属又
はタリウムを含む酸化触媒の製造方法について鋭意検討
した結果、触媒原料を水に溶解或いは懸濁させた溶液を
乾燥し、予め予備焼成した後、得られた固形物をアンモ
ニア水により混練処理することにより高い反応活性と選
択性及び長い触媒寿命を持つ触媒が得られることを見出
し、本発明を完成するに至った。
【0011】即ち、本発明は、 1.リン、モリブデン及びアルカリ金属又はタリウムを
含む酸化触媒を製造するに際し、触媒原料を水に溶解或
いは懸濁させた溶液を乾燥し、150〜350℃で予備
焼成した後、得られた固形物をアンモニア水により混練
処理して該固形物を中性ないしアルカリ性に調整し、次
いでこれを乾燥し、焼成することを特徴とする酸化触媒
の製造方法及び 2.1項に記載の酸化触媒の存在下、メタクロレインを
気相酸化することを特徴とするメタクリル酸の製造方法
にある。以下、本発明を詳細に説明する。
【0012】
【発明の実施の形態】
(1) 酸化触媒の製造方法 本発明のリン、モリブデン及びアルカリ金属又はタリウ
ムを含む酸化触媒とは、特に限定されるものではない
が、好ましいものとして、一般式(I)
【0013】
【化2】 Pa Mob c Bad Sbe Cuf g h i (I)
【0014】(式中、Xは、K、Rb、Cs及びTlよ
りなる群から選ばれた一種又は二種以上の元素を表わ
し、Yは、Bi、Mn、Cr、Zr、Co、Ce、Z
n、Fe及びNiよりなる群から選ばれた一種又は二種
以上の元素を表わし、添字a、c、d、e、f、g、h
及びiは、b=12としたときの各元素の原子比を表わ
し、a=0.1〜5、c=0〜5、d=0〜5、e=0
〜5、f=0〜2、g=0.1〜3、h=0〜2且つi
は、他の元素の原子価及び原子比によって決まる値であ
る)で表わされるヘテロポリ酸触媒が挙げられる。
【0015】上記触媒は、一般の多元金属酸化物触媒を
調製する通常の方法に準じて製造可能である。金属成分
原料として、モリブデンについてはパラモリブデン酸ア
ンモニウム、モリブデン酸、酸化モリブデン等、バナジ
ウムについてはメタバナジン酸アンモニウム、酸化バナ
ジウム、シュウ酸バナジル等、リンについては正リン
酸、メタリン酸、五酸化リン、ピロリン酸、リン酸アン
モニウム等、銅については硝酸銅、硫酸銅、塩化第一
銅、塩化第二銅等、アンチモンについては酸化アンチモ
ン、塩化アンチモン等の化合物が使用可能である。その
他の金属についても酸化物及び焼成により酸化物となり
得る水酸化物、硝酸塩、酢酸塩、シュウ酸塩、炭酸塩、
塩化物等の化合物が使用可能であるが、中でも硝酸塩が
好適である。また、モリブデンとリンの原料としてリン
モリブデン酸、リンモリブデン酸アンモニウム等のヘテ
ロポリ酸を使用することもできる。
【0016】全ての触媒原料を水に溶解或いは懸濁させ
た溶液を、好ましくは40〜100℃で0.5〜24時
間、更に好ましくは50〜90℃で1〜6時間の間、攪
拌しながら加温する。より低温、短時間では高い選択性
が得られず、高温、長時間では活性が低下する可能性が
ある。この混合溶液にシリカ、ケイソウ土、セライト、
等の担体成分を加えることもできる。
【0017】加温処理を終了した触媒成分を含む混合溶
液は通常の方法で乾燥される。一般的には100〜25
0℃に保った熱風乾燥機中で蒸発乾固させる。スプレー
ドライ法も触媒成分の偏在を無くした均一な乾燥粒子を
得ることができるより工業的な方法であり、特に流動層
反応用触媒として好適である。
【0018】乾燥した触媒成分は、150〜350℃、
好ましくは200〜300℃の温度条件下で、好ましく
は空気を流通して予備焼成を行う。次いで、得られた予
備焼成固形物にアンモニア水を加え、混練処理すること
により該固形物を中性ないしアルカリ性に調整する。具
体的には、この予備焼成固形物に対し0.015〜0.
15倍の水酸化アンモニウムを含む0.2〜0.8倍の
アンモニア水を加えて混練する。アンモニア水の量が
0.2倍より少ないと混練を十分に行うことができず、
0.8倍を越えると触媒成分の不必要な溶解により触媒
性能の低下を招く。水酸化アンモニウムの添加量が予備
焼成触媒に対し0.015以下ではアンモニア添加の効
果が明確ではなく、0.15以上では初期活性が低下す
ると共に触媒の安定性が損なわれる。
【0019】混練を終了した触媒成分は通常の方法で乾
燥される。担持触媒として使用する場合は必要に応じ、
得られた混練物に水を加えて粘度を調節し、アルミナ、
シリコンカーバイド等の担体に適当な方法で担持して使
用する。乾燥した触媒成分は、粉砕後、錠剤成型する。
この他、ペースト状にして押し出し成型後、乾燥する等
一般の成型法を任意に選ぶこともできる。触媒の形状に
特に制限はなく、球、シリンダー、ペレット、リング等
の形状を反応器の形式、条件等を考慮し最適なものを選
ぶことができるが、通常使用される多管式固定床反応器
で使用する場合にはリングの形状が好ましい結果を与え
る。
【0020】用いる触媒原料、触媒組成、調製法によっ
て最適条件は異なるが、一般的には300〜500℃で
1〜24時間、好ましくは350〜450℃で2〜12
時間焼成することにより触媒の活性化を行う。焼成は、
好ましくは酸素濃度を0.1〜5容量%、更に好ましく
は0.2〜2容量%に制御した不活性ガスの流通下行
う。酸素濃度が0.1容量%以下ではアンモニアの脱離
を十分に行うためには触媒自体が不安定となるような高
温を必要としたり、或いは適切な温度で処理する場合に
は著しく長時間を必要とする等の問題がある。5容量%
以上では一部のアンモニアが触媒上で燃焼するために焼
成の制御が困難となり、場合によっては触媒成分の分解
により三酸化モリブデンが多量に生成し触媒性能を著し
く低下させる可能性がある。
【0021】従来ヘテロポリ酸触媒の調製においては、
触媒成分を溶解した溶液のpHをケギン構造が安定に存
在できる強酸性に保ち、長時間、還流するのが一般的で
あった(特開平4−7037号公報、特開平4−162
42号公報)。最近では溶液を弱酸性に調整して生成す
るドーソン型のヘテロポリ酸が、その後の焼成により高
活性なケギン型のヘテロポリ酸の前駆体であるとの報告
もある(特開平6−86932、特開平6−8693
3)。
【0022】しかし、本発明者等は、驚くべきことに、
予備焼成した触媒前駆体をアンモニア水で混練処理する
ことにより、より高い触媒活性が得られることを見出し
た。性能向上の理由は必ずしも明らかではないが、アン
モニア添加により触媒製造工程における結晶構造の変化
が見出されている。予備焼成を行った触媒成分酸化物は
X線回折ではケギン構造のピークのみを与えるが、アン
モニア水で混練処理することによりケギン構造の回折ピ
ークが低下し、P2 Mo5 23のヘテロポリ酸のピーク
が確認されるようになる。このように少なくともケギン
構造の一部が構造変化したものを、0.1〜5容量%の
酸素を含む不活性ガスの流通下で焼成することにより再
びケギン構造が再生される。本発明の高活性触媒の活性
種は、P 2 Mo5 を含むアモルファス前駆体より熱処理
工程で固相反応により生成すると思われる。従って、良
好な触媒性能を発現させるためには、前駆体から活性種
を生成させる固相反応の制御が重要で、酸素濃度を制御
した条件で焼成させることが必要となるものと思われ
る。触媒性能が向上した触媒では0.1〜1μmのメソ
・マクロポアー部分の細孔が増大していることが判明し
た。
【0023】(2) メタクリル酸の製造方法 本発明により調製された酸化触媒は、通常の接触酸化反
応によるメタクリル酸の製造方法に好適であり、200
〜400℃程度の反応温度及び0.5〜10気圧程度の
反応圧力で、水蒸気の存在下に反応を行うことが好まし
い。反応原料のメタクロレインとしては、例えば、メタ
クロレインの製造目的でイソブテン或いはターシャリー
ブタノールを接触酸化して得られる生成ガスをそのまま
用いてもよいし、或いは、該生成ガスを精製してメタク
ロレインを他のガスより分離してから用いてもよい。
【0024】酸化に用いる酸素源としては、一般に空気
が使用されるが、酸素(分子状酸素)を二酸化炭素、窒
素等の不活性ガスで希釈した混合ガスを使用しても勿論
差支えない。水蒸気、反応原料、酸素等の混合ガス(以
下、反応混合ガスという)を触媒に流通するが、接触時
間は通常1〜20秒程度が適当である。反応混合ガスの
組成としては、例えばメタクロレイン1モルに対して分
子状酸素0.2〜4モル、水蒸気1〜20モルが使用さ
れる。
【0025】そのほか、この接触酸化反応は、本発明の
主旨に反しない限り、通常のメタクロレイン酸化に関す
る知見を参考にして行うことができる。本発明で得られ
る触媒は、イソ酪酸の酸化脱水素、イソブチルアルデヒ
ドの酸化によるメタクリル酸の製造にも用いることがで
きる。また、イソブチレンから一段でメタクリル酸を製
造する際にも用いることが可能である。これらの反応で
は、メタクロレインの酸化と同様な反応条件が採用でき
る。
【0026】
【実施例】以下、本発明を実施例、比較例を挙げて更に
具体的に説明するが、本発明は、その要旨を越えない限
り実施例に限定されるものではない。なお、転化率、選
択率及び収率は下式により求め、モル基準で表示した。
【0027】
【数1】転化率(%)=[(反応したメタクロレインの
モル数)/(供給したメタクロレインのモル数)]×1
00
【0028】
【数2】選択率(%)=[(生成したメタクリル酸のモ
ル数)/(反応したメタクロレインのモル数)]×10
【0029】
【数3】収率(%)=[(生成したメタクリル酸のモル
数)/(供給したメタクロレインのモル数)]×100
【0030】実施例1 (触媒調製)純水580mlにパラモリブデン酸アンモ
ニウム212gとメタバナジン酸アンモニウム11.7
gを加え60℃に加温する。攪拌しながらリン酸23
g、硝酸セシウム9.75g、硝酸銅4.83gを含む
水溶液を加え、次いで三酸化アンチモン14.5gを加
え80℃まで昇温し、その後2時間80℃に保った。得
られたスラリー溶液は250℃に保ったオーブン中で1
0時間かけて乾燥及び予備焼成を行った。得られた固体
100gに5%アンモニア水50mlを加え20分間混
練を行い、その後130℃に保ったオーブン中で乾燥を
行った。得られた固体を外径5mmの円柱形に打錠成型
し、酸素を0.6容量%含む窒素流通下、400℃で6
時間焼成し触媒を得た。得られた触媒の組成は各成分の
原子比でMo122 1 Sb1 Cu0.2 Cs0.5 であ
る。(ただし、O、H、N原子を除く)
【0031】(接触酸化反応)この触媒30mlをステ
ンレス製反応管(内径18mm)に充填し、ナイター浴
を介して加熱し、メタクロレインの接触酸化を行った。
原料ガスはメタクロレイン5%、酸素12%、水蒸気3
0%、窒素53%の混合ガスであり、これを常圧下、反
応温度290℃、空間速度1400/hrで反応させ
た。その結果メタクロレイン(MACR)転化率89.
1%、メタクリル酸(MAA)選択率83.1%、メタ
クリル酸(MAA)収率74.7%であった。
【0032】比較例1 混練工程を省略し、予備焼成品を成型後焼成したこと以
外は実施例1と同様に触媒を調製し、反応評価を行っ
た。その結果メタクロレイン転化率81.8%、メタク
リル酸選択率85.7%、メタクリル酸収率70.0%
であった。
【0033】実施例2〜4、比較例2〜3 混練に用いるアンモニア水が表1に示す濃度であること
以外は実施例1と同様に触媒を調製し、反応評価を行っ
た。結果を表1に示す。
【0034】比較例4 アンモニア水の代わりにpH2.7に調製した硝酸水溶
液を用いて混練したこと以外は実施例1と同様に触媒を
調製し、反応評価を行った。その結果メタクロレイン転
化率74.3%、メタクリル酸選択率86.8%、メタ
クリル酸収率65.3%であった。
【0035】実施例5 3%アンモニア水溶液83mlを用いて混練したこと以
外は実施例1と同様に触媒を調製し、反応評価を行っ
た。その結果メタクロレイン転化率87.2%、メタク
リル酸選択率82.5%、メタクリル酸収率71.9%
であった。
【0036】実施例6 触媒の組成が原子比でMo121.5 0.5 Sb1 Cu
0.3 Rb0.5 であること以外は実施例1と同様に触媒を
調製し、反応評価を行った。その結果メタクロレイン転
化率87.8%、メタクリル酸選択率81.5%、メタ
クリル酸収率71.6%であった。
【0037】
【表1】
【0038】
【発明の効果】本発明の製造方法に係る酸化触媒は、メ
タクロレインの気相酸化によるメタクリル酸の製造にお
いて、より高い反応活性と選択性及び長い触媒寿命を持
つ。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07B 61/00 300 C07B 61/00 300 C07C 57/055 2115−4H C07C 57/055 B

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 リン、モリブデン及びアルカリ金属又は
    タリウムを含む酸化触媒を製造するに際し、触媒原料を
    水に溶解或いは懸濁させた溶液を乾燥し、150〜35
    0℃で予備焼成した後、得られた固形物をアンモニア水
    により混練処理して該固形物を中性ないしアルカリ性に
    調整し、次いで、これを乾燥し、焼成することを特徴と
    する酸化触媒の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記酸化触媒が、一般式(I) 【化1】 Pa Mob c Bad Sbe Cuf g h i (I) (式中、Xは、K、Rb、Cs及びTlよりなる群から
    選ばれた一種又は二種以上の元素を表わし、Yは、B
    i、Mn、Cr、Zr、Co、Ce、Zn、Fe及びN
    iよりなる群から選ばれた一種又は二種以上の元素を表
    わし、添字a、c、d、e、f、g、h及びiは、b=
    12としたときの各元素の原子比を表わし、a=0.1
    〜5、c=0〜5、d=0〜5、e=0〜5、f=0〜
    2、g=0.1〜3、h=0〜2且つiは、他の元素の
    原子価及び原子比によって決まる値である)で表わされ
    るヘテロポリ酸の部分中和塩からなる請求項1に記載の
    製造方法。
  3. 【請求項3】 混練処理用に、予備焼成固形物に対し
    0.015〜0.15倍の水酸化アンモニウムを含む
    0.2〜0.8倍のアンモニア水を用いる請求項1又は
    2に記載の製造方法。
  4. 【請求項4】 アンモニア水による混練処理後、乾燥し
    た前記混練物を0.1〜5容量%の酸素を含有する不活
    性ガス中で、350〜450℃の温度範囲で焼成する請
    求項1ないし3のいずれか1項に記載の製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項1〜3のいずれか1項に記載の酸
    化触媒の存在下、メタクロレインを気相酸化することを
    特徴とするメタクリル酸の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2007253033A (ja) * 2006-03-22 2007-10-04 Mitsubishi Rayon Co Ltd メタクリル酸製造用触媒およびその製造方法ならびにメタクリル酸の製造方法
KR100891085B1 (ko) * 2001-06-28 2009-03-31 스미또모 가가꾸 가부시키가이샤 메타크릴산의 제조에 유용한 촉매

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR100891085B1 (ko) * 2001-06-28 2009-03-31 스미또모 가가꾸 가부시키가이샤 메타크릴산의 제조에 유용한 촉매
JP2007253033A (ja) * 2006-03-22 2007-10-04 Mitsubishi Rayon Co Ltd メタクリル酸製造用触媒およびその製造方法ならびにメタクリル酸の製造方法

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