JPH10167144A - 自動二輪車用収納ボックス - Google Patents

自動二輪車用収納ボックス

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JPH10167144A
JPH10167144A JP8338911A JP33891196A JPH10167144A JP H10167144 A JPH10167144 A JP H10167144A JP 8338911 A JP8338911 A JP 8338911A JP 33891196 A JP33891196 A JP 33891196A JP H10167144 A JPH10167144 A JP H10167144A
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storage box
cover
bottom wall
rear wheel
space
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Takuya Akao
拓也 赤尾
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Yamaha Motor Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 スペースの有効利用を図る形状に形成すると
共に、重心を下げることができ、且つ、荷物のバタ付き
等を防止する車両用収納ボックスを提供する。 【解決手段】 前端を支点に回動可能なシート59の下
側に配設され、該シート59を回動させることにより開
閉される自動二輪車用収納ボックス58において、底壁
58bが後方が下がるように傾斜し、該底壁58bの後
部58c側がエンジン53上面と後輪64とで形成され
る空間に進入し、ヘルメット65を正立置きで収納した
場合に、ヘルメット65の顎部65aが前記底壁58b
の後部58c側に収納されるように設定され、更に、後
壁58dが前傾されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、二輪車や三輪車
等の車両のシートの下側に設けられた収納ボックスに関
するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、自動二輪車としてのスクータ
ーには、シートの下側にヘルメット等を収納する収納ボ
ックスが設けられ、そのシートを回動させることによ
り、その収納ボックスが開閉されるようになっている。
【0003】また、この収納ボックスの後ろ側には、燃
料タンクが配設されると共に、これらの下側には、エン
ジンや後輪がフレームに上下方向に揺動自在に配設され
ている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来のものにあっては、収納ボックスの底壁が水平
な平面形状又は略球形状になっているため、エンジン等
に干渉しないようにする必要から、それ程、底壁を下げ
ることができず、重心をそれ程、下げることができな
い。また、水平な平面形状の底壁上に荷物を収納した場
合には、走行振動により、荷物にバタ付き等が生じる。
さらに、収納ボックスの形状は、スペースの有効利用を
図るような形状に形成されていなかった。
【0005】そこで、この発明は、スペースの有効利用
を図る形状に形成すると共に、重心を下げることがで
き、且つ、荷物のバタ付き等を防止する車両用収納ボッ
クスを提供することを課題としている。
【課題を解決するための手段】かかる課題を達成するた
めに、請求項1に記載の発明は、前端を支点に回動可能
なシートの下側に配設され、該シートを回動させること
により開閉される自動二輪車用収納ボックスにおいて、
底壁が後方が下がるように傾斜し、該底壁の後部側がエ
ンジン上面と後輪とで形成される空間に進入し、ヘルメ
ットを正立置きで収納した場合に、該ヘルメットの顎部
が前記底壁の後部側に収納されるように設定され、更
に、後壁が前傾されている自動二輪車用収納ボックスと
したことを特徴とする。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態につ
いて説明する。
【0007】図1乃至図24には、この発明の実施の形
態を示す。この発明の実施の形態は、この発明をスクー
ターに適用したものであり、ここでは、発明箇所を含む
スクーター全体について説明する。
【0008】まず構成について説明すると、図5及び図
6には骨格となるフレーム1を示し、このフレーム1の
前端部には筒状のヘッドパイプ2が設けられ、このヘッ
ドパイプ2から後方に向けて中央パイプ3が接続される
と共に、一対の右側パイプ4及び左側パイプ5が配設さ
れている。この右側,左側パイプ4,5に車幅方向に沿
うクロスパイプ6,7が架設されると共に、その右側,
左側パイプ4,5にエンジンマウントブラケット4a,
5aが固定されている。
【0009】そして、このフレーム1のヘッドパイプ2
には、図10に示すように、ハンドル9のステアリング
シャフト9aが挿通されて回転自在に支持されている。
【0010】このハンドル9には、図8及び図9等に示
すように、両端部にスイッチケース10及びブレーキ用
のマスターシリンダ11が取り付けられると共に、ハン
ドルを覆うハンドルカバー12が取り付けられている。
【0011】詳しくは、スイッチケース10は、前側半
体10aと後側半体10bとに分割され、これら前側半
体10aと後側半体10bとが合わされてハンドル9を
挟持して取り付けられるようになっている。この前側半
体10aには、ハンドル9の上側半分を覆うようにスイ
ッチ側取付片10cが一体成形される一方、マスターシ
リンダ11には、図9に示すように、ハンドル9の下側
半分を覆うようにシリンダ側取付片11aが一体成形さ
れ、このシリンダ側取付片11aとスイッチ側取付片1
0cとが、ハンドル9を挟持した状態で、一対のネジ1
3により固定されている。また、そのスイッチ側取付片
10cには、図8に示すように、切欠き部10dが形成
され、ハンドル9の上部に固定されたL字形の位置決め
片9bに係止されて、スイッチケース10等が位置決め
されるようになっている。
【0012】また、前記ハンドルカバー12は、カバー
前部12aとカバー後部12bとに二分割され、カバー
前部12aの上面中央部は後方に延在し、これに固定さ
れるスピードメータ等の計器14が臨む開口12cが形
成されている。そして、カバー後部12bは、両端部が
前記スイッチ側取付片10cにネジ16により取り付け
られると共に、下部側両側部がステアリングシャフト9
aに固着された不図示のブラケットにネジ15によりカ
バー前部12bと共締め固定されている。また、カバー
前部12aは、開口12cの近傍において、図8に示す
ように、前記計器14と共にカバー後部12bにネジ1
7により固定され、このカバー前部12aには、図8及
び図9に示すように、フラッシャーランプ18の配設用
の凹部12dが形成され、この凹部12dにフラッシャ
ーランプ18のリフレクタ19がネジ20により固定さ
れ、このリフレクタ19にバルブ21が着脱自在に配設
され、凹部12dの開口を閉成するようにレンズ22が
配設されている。また、図9に示すように、この凹部1
2dには係止孔12eが形成され、この係止孔12e
に、カバー後部12bの前下方へ延在する下面12fの
下縁に形成されたフック部12gが挿入係止されてい
る。
【0013】このような構成によれば、スイッチケース
10は、ハンドル9の位置決め片9bを基準に固定さ
れ、マスターシリンダ11とハンドルカバー12とは、
そのスイッチケース10のスイッチ側取付片10cを基
準に取り付けられるため、ハンドルカバー12と、スイ
ッチケース10,マスターシリンダ11との合わせ精度
が向上する。また、スイッチケース10のスイッチ側取
付片10cにマスターシリンダ11やハンドルカバー1
2を取り付けるようにしているため、マスターシリンダ
11取付用のブラケットやハンドルカバー12取付用の
ブラケットを別途用意する必要がないことから、部品点
数の削減及び取付工数の削減が図られる。
【0014】更に、フラッシャーランプ18が配設され
るカバー前部12aの凹部12dに、カバー後部12b
の下面12fのフック部12gを係止するようにしてい
るため、短く剛性のある下面12fと剛性のある凹部1
2dとで、カバー前部12aとカバー後部12bとを連
結することにより、両者の合わせの向上が図られると共
に、固定ネジを削減できるため、外観品質が向上するこ
ととなる。
【0015】一方、図10及び図11に示すように、そ
のハンドル9のステアリングシャフト9bを回転自在に
支持するヘッドパイプ2の前側には、ラジエター26が
配設され、このラジエター26の前方には、このラジエ
ータ26を覆うように樹脂製のフロントカバー27が、
又、ヘッドパイプ2の後方には、このパイプ2等を覆う
ように樹脂製のレッグシールド28が配設されて、両カ
バー27,28が周縁部で取り付けられることにより、
内部に空間が形成されている。
【0016】そのラジエター26は、図12に示すよう
に、下部側に2つの下側ブラケット26aが、又、上部
側に1つの上側ブラケット26bが形成され、その2つ
の下側ブラケット26aがヘッドパイプ2から延長され
た下側ステー29にネジ止めされ、上側ブラケット26
bがヘッドパイプ2から延長された上側ステー30にネ
ジ止めされている。
【0017】このラジエター26の上側にリザーバタン
ク32が配設されている。すなわち、このリザーバタン
ク32は、前記上側ステー30にボルト33により取り
付けられると共に、ラジエター26の上端車体左側(正
面視右側)に設けられた取付片26cに固定されること
により配設されている。このラジエター26を通過する
風は、正面から入って側方に導かれるようになっている
ため、各ブラケット26a,26b及び取付片26cを
ラジエター26の上下に配設することにより、それらブ
ラケット26a,26b等が邪魔になるようなことがな
い。また、ラジエター26は、図12に示すように、左
右のタンク部121、122の間にコア部を有し、左側
タンク部121からコア部にかけての冷却水通過は二点
斜線部124で上下に分断されている。尚、図12中の
矢印は、冷却水の流れを示す。
【0018】また、図11に示すように、このラジエタ
ー26の後側で、ヘッドパイプ2の前側には、中間カバ
ー34が配設され、この中間カバー34とレッグシール
ド28との間に、前記スイッチケース10やマスターシ
リンダー11等に接続された多数のリード線及びホース
類35等が挿通されている。この中間カバー34によ
り、ラジエター26を冷却した後の熱風からリード線お
よびホース類35等を保護できると共に、ラジエター2
6からの風を側方に案内することができる。尚、風の流
れを図11矢印にて示す。
【0019】また、前記フロントカバー27は、図7及
び図10に示すように、前側カバー37と後側カバー3
8とによる二重構造で構成され、この後側カバー38と
前側カバー37とが略同じ幅に形成されている。
【0020】そして、この前側カバー37には、図7等
に示すように、ラジエター26に走行風を導入する風導
入開口37aが形成され、後側カバー38には、その風
導入開口37aに対向するルーバー38aが形成されて
いる。この前側カバー37には、図13および図2に示
すように、後方に突出する複数のボス37bが突設さ
れ、これらボス37bに後側カバー38がネジ39によ
り固定されるようになっている。このようにすれば、正
面から取付点(ネジ39)が見えないため外観品質が確
保される。尚、図中符号100は、ヘッドライトで、こ
れは、フロントカバー27に取り付けられている。
【0021】そして、このように組み付けられたフロン
トカバー27が、周縁部においてレッグシールド28に
数カ所で取り付けられている。この取付状態において、
両カバー27,28により、左右2カ所に排風口40が
形成され、この排風口40からラジエター26を通過し
て熱変換された熱風が車外に抜けるようになっている。
【0022】更に、後側カバー38には、前側カバー3
7の上縁付近に対応してルーバーが形成され、これによ
る排出口101を介して停車時等に、ラジエター26の
熱を排出する。
【0023】また、フロントカバー27の後側カバー3
8には、図1及び図14に示すように、この排風口40
の内側位置において取付片38bが形成され、この取付
片38bがフロントロアカバー42にネジ39止めさ
れ、その排風口40を介して取付け・取外しができるよ
うになっている。
【0024】このようにフロントカバー27を、相互に
連結されると共に略同じ幅を有する前側カバー37と後
側カバー38とからなる二重構造とすることにより、風
導入開口37aを大きくしてラジエター26の冷却性を
向上させることができると共に、剛性を確保することが
でき、デザイン上の自由度が向上し、且つ、外観品質を
確保できる。すなわち、二重構造とし、両カバー37,
38の相互補強により、剛性を確保できると共に、補強
用のリブを形成する必要がないため、前側カバー37の
表面にヒケが発生するようなこともなく、外観品質を向
上できる。また、前側カバー37に風導入開口37a
を、後側カバー38にルーバー38aを形成することに
より、両カバー37,38の形状の自由度が向上すると
共に、ルーバー38aによるヒケの影響が車両表面に露
出することがないので、外観品質を確保できる。ちなみ
に、一枚のもので、風導入開口37aを大きくすると、
剛性が弱くなり、剛性を確保するために、肉厚を厚くす
れば、重量が重くなり、又、補強用のリブを裏面に形成
すると、表面にヒケが生じて外観品質が低下する。
【0025】さらに、図1中部位Xは図15及び図16
に示すようになっている。すなわち、この部位Xは、樹
脂製のフロントロアカバー42,レッグシールド28及
びアンダーカバー44とが合わされて構成されている。
【0026】すなわち、このフロントロアカバー42に
は、図16に示すように、下部側に折返し部42aが形
成され、この折返し部42aにアンダーカバー44が係
止されるようになっている。この折返し部42aが形成
されていない場合には、フロントロアカバー42とアン
ダーカバー44の合わせ位置が図16中Pとなり、正面
からこの合わせ部が見えてしまい外観品質が低下する。
そこで、折返し部42aを形成すれば、合わせ部が奥側
となるため、外観品質が確保される。
【0027】しかし、折返し部42aを形成すると、こ
のフロントロアカバー42の型抜き方向が、図16中矢
印方向となることから、フロントロアカバー42の上端
縁部42bに車両中央寄りに折曲するフランジ部を形成
することができない。
【0028】そこで、レッグシールド28の側縁部28
aに複数のルーバー28bを形成し、この側縁部28a
と、フロントロアカバー42の上端縁部42bとを接続
している。
【0029】このようにすれば、正面から見た外観品質
を確保できると共に、レッグシールド28のルーバー2
8bの間からラジエター26を通過した熱気の一部を排
気することができると共に、フロントロアカバー42に
形成した孔119から進入し、中間カバー34の下部に
一体成形された案内片34aに案内された空気も、その
ルーバー28bの間から排気できる(図16参照)。
【0030】このレッグシールド28の後方には、図
1,図7及び図17に示すように、足を乗せるフットレ
ストボード47が配設されている。このフットレストボ
ード47には、車幅方向中央部に上方に突出するトンネ
ル部47aが車両前後方向に沿って形成されると共に、
このトンネル部47aには、図7及び図17に示すよう
に、バッテリー48が収納される収納凹部47bが形成
され、ここに収納されたバッテリー48の上側には、中
蓋49が配設されるようになっている。そして、この収
納凹部47bを開閉するリッド50が、前端部50aを
中心に上下方向に回動自在に設けられている。また、こ
のリッド50の後側には、メンテリッド51が着脱自在
に配設され、このメンテリッド51には、図7に示すよ
うに、前記収納凹部47bの後壁47cに形成された開
口部47dに嵌合されて、この開口部47dを閉成する
嵌合部50bが形成されている。なお、リッド50はメ
ンテリッド51の前部をも覆っている。
【0031】かかる構造にあっては、リッド50を前端
部50aを中心に開成することにより、バッテリー18
の交換等ができると共に、メンテリッド51の前部に形
成された切欠きから図示省略のオイルタンクの注入口が
露出され、オイルの注入ができるようになっている。
【0032】また、メンテリッド51とフットレストボ
ード47との合わせラインが斜め前方へ傾斜しているの
で、シート59やフットレストボード47等を取り外す
ことなくメンテリッド51のみを容易に取り外すことが
でき、メンテリッド51を外すことにより、エンジン5
3周りの修理が簡単にでき、特に、フットレストボード
47の開口部47dが開放されることにより、この開口
部47dを介してキャブレターのセッティング等が極め
てし易くなる。
【0033】さらに、そのフットレストボード47周り
には、車両の盗難防止を目的とする盗難防止バー54が
配設されている。すなわち、この盗難防止バー54は、
図5及び図6に示すように、一端部54aが、フレーム
1の右側パイプ4に溶接により固定され、他端部54b
が、その右側パイプ4に固定されたエンジン53懸架用
のエンジンマウントブラケット4aの外側面に固定され
ている。これにより、図3及び図4に示すように、その
盗難防止バー54は、フットレストボード47の側部後
端47eの後方で、且つ、側縁47fより内方の空間に
配設され、足載せスペースを後方へ延長するようにその
側部後端47eに連なっている。そして、この盗難防止
バー54は、マフラー56の上方に位置している。
【0034】このようにすれば、盗難防止バー54は、
車体の側方に出っ張らないため、邪魔にならず、車体の
取り回し性能が良好となると共に、車体の小型化が可能
となる。
【0035】また、フットレストボード47の側部の途
中に、盗難防止バー54用の切欠きを形成する必要がな
いため、構造が簡単であると共に、外観品質も向上す
る。
【0036】さらに、この盗難防止バー54を足載せス
ペースの一部として利用できるため、足載せスペースの
大型化が図られ、反対に、従来と同じ広さの足載せスペ
ースで良い場合には、フットレストボード47の小型化
による型コスト及び重量の低減を図ることができる。
【0037】さらにまた、盗難防止バー54が固定され
るフレーム1の右側パイプ4は、図6に示すように、車
両の後方において左右に広がっており、この広がった部
分に盗難防止バー54が固定されているため、この盗難
防止バー54は側方への突出量を、それ程長くする必要
が無いことから、この盗難防止バー54の剛性を確保で
きると共に、重量も低減できる。
【0038】さらに、盗難防止バー54の他端部54b
は剛性の高いエンジンマウントブラケット4aに固定さ
れており、この盗難防止バー54の長さは更に短くなっ
て剛性を確保でき、且つ、重量も低減できる。
【0039】しかも、フットレストボード47は後ろ上
がりに傾斜しているため、この後端側に配設された盗難
防止バー54は比較的高い位置に設定されていることか
ら、施錠作業が良好となる。また、このフットレストボ
ード47の側部後端47aの後側は、従来は利用されて
いなかった部分であるが、盗難防止バー54によりその
部分が有効活用されることとなる。さらに、この盗難防
止バー54は、マフラー56の上に配設されているた
め、マフラー56への足の接触を防止できる。
【0040】なお、ここでは盗難防止バー54は車体の
一方の側に設けられているが、左右両側に設けても良
い。
【0041】一方、図18,図19及び図20中符号5
8は収納ボックスで、この収納ボックス58は、フレー
ム1の右側パイプ4と左側パイプ5との間に挿入され、
後部側に形成された段差部58aが、それら両パイプ
4,5に図6に示すように設けられた支持ブラケット4
b,5b上に載置されてネジ60により固定されてい
る。また、この収納ボックス58の底壁58bの前部側
がフレーム1の支持部材61に載置されてネジ62によ
り固定されている。
【0042】かかる収納ボックス58は、底壁58bが
後方が下がるように傾斜し、この底壁58bの後部58
c側がエンジン53上面と後輪64とで形成される空間
に進入するように設定されている。これにより、図18
に示すように、ヘルメット65を正立置きで収納した場
合に、顎部65aが底壁58bの後部58c側に収納さ
れるように設定され、更に、後壁58dの上側3/4程
度が、ヘルメット65に沿って前傾されている。
【0043】そして、かかる収納ボックス58に、シー
ト59の前端部59aが図示省略のヒンジを介して回動
自在に配設され、このシート59の後端部59bと収納
ボックス58との間に図示省略のロック装置が設けられ
ている。
【0044】この収納ボックス58の上端部には、図2
1に示すように、水平方向に沿うフランジ部58eが形
成され、このフランジ部58eの上側にサイドカバー6
7及び後部サイドカバー110の折曲された上端縁部6
7aが載置固定されている。また、その収納ボックス5
8の上端部には、そのサイドカバー67の上端縁部67
aより上方に突出する堰部58fが形成されている。そ
して、この上端縁部67aに、シート59に取り付けら
れたシール部材68が当接してシールされるようになっ
ている。
【0045】このように、収納ボックス58の底壁58
bが後方が下がるように傾斜し、この底壁58bの後部
58c側がエンジン56上面と後輪64とで形成される
空間に進入するように形成されているため、従来、利用
されていなかったその空間を有効利用することができる
と共に、低重心化を図ることができる。しかも、その底
壁58bの傾斜により、ヘルメット65以外の荷物は常
に後ろ寄りに収納されることから、荷物のガタ付きや移
動が少ない。
【0046】また、収納ボックス58の底壁58bの後
部58c側が深く形成されているため、荷物はこの後部
58c側に収納されると共に、この収納ボックス58を
開閉するシート59のヒンジが前端部59aに設けられ
ていることから、シート59をそれ程大きく開けなくて
も荷物の出し入れができる。
【0047】さらに、収納ボックス58の後壁58d
は、ヘルメット65形状に適合して前傾されているた
め、鉛直方向に沿って後壁が形成されているものと比較
すると、収納ボックス58の収納スペースに無駄なスペ
ースがなく、反対に、後述の燃料タンク70等の他の部
品の配設スペースを拡大することができ、且つ、シート
59や車体の小型化を図ることができる。しかも、この
樹脂製の収納ボックス58は、後壁58dが前傾されて
いることに対応して、車体フレーム1への取り付けのネ
ジ孔も後壁58dの傾斜方向に沿って斜め上前方に指向
している。これにより、スライド型等を必要とせずに型
抜きができると共に、ネジ止め作業において後壁58d
が邪魔にならず、取付け作業が良好である。
【0048】さらにまた、その収納ボックス58の上端
部には、図21に示すように、前記サイドカバー67の
上端縁部67a(シール面)より内側で上方に突出する
堰部58fが形成されているため、この堰部58fによ
り、収納ボックス58内への水の浸入を更に確実に防止
できる。
【0049】そして、この収納ボックス58の後ろ側に
は、図18に示すように、合成樹脂製の燃料タンク70
が配設されている。詳しくは、この燃料タンク70は、
図23に示すように、燃料を貯留するタンク本体71
と、燃料を注入する筒部72a及び、その筒部72aの
周囲を取り囲むように設けられて注入時等にこぼれた燃
料を受ける受け皿部72bが一体形成されたフィラーカ
バー72とからなり、このフィラーカバー72がタンク
本体71の開口部71aに嵌合されて熱融着されること
により一体化されている。そして、図18に示すよう
に、このフィラーカバー72の注油口72cにフィラー
キャップ73が着脱自在に取り付けられるようになって
いる。
【0050】かかる燃料タンク70は、図18に示すよ
うに、タンク本体71の前面上部に形成された突出片7
1bが収納ボックス58にネジ74止めされると共に、
前側下部が右側,左側パイプ4,5を横切るクロスパイ
プ6に支持され、後部下部がダンパー75を介してフレ
ーム1の支持部材76に支持されている。また、この燃
料タンク70の上側には、タンデムシート78が配設さ
れ、このタンデムシート78も収納ボックス58に取り
付けられている。このタンデムシート78の開口78a
から、燃料タンク70のフィラーキャップ73等が上方
に臨んでいる。
【0051】このように収納ボックス58に燃料タンク
70及びタンデムシート78を取り付けるようにする
と、サイドカバー67及び後部サイドカバー110も収
納ボックス58に取り付けられていることから、これら
の位置関係が所定の位置関係になるため、サイドカバー
67,後部サイドカバー110,燃料タンク70及びタン
デムシート78等の合わせ精度が向上することとなる。
【0052】また、燃料タンク70に受け皿部72bを
一体的に設けることにより、溢れた燃料を受けるものを
別途用意する必要がない。
【0053】さらに、フレーム1のエンジンマウントブ
ラケット4a,5aは、リンク機構を介してエンジン5
3が配設されている。このエンジン53は、クランクケ
ースから略水平に前方へ延びるシリンダを有し、クラン
クケースの一側に後方へ延びて後端部に後輪64を支持
するトランスミッション79が一体化され、クランクケ
ースの上部が車体フレーム1に上下揺動自在に懸架され
る。なお、図中符号80はショックアブソーバである。
【0054】詳しくは、図24に示すように、トランス
ミッション79側から駆動軸82が車幅方向に沿って突
設され、この駆動軸82がベース部材83の貫通孔83
aに挿通されてスプライン結合され、この駆動軸82に
ナット84が螺合されることにより、このベース部材8
3が駆動軸82に固定されている。
【0055】このベース部材83には、トランスミッシ
ョン79側の側面に、ディスクブレーキ装置85のディ
スクプレート86がボルト87により取り付けられる一
方、トランスミッション79に、そのディスクブレーキ
装置85のキャリパ88が固定されている。そして、こ
のキャリパ88には、一対のパッド89が着脱自在に挿
入され、図示省略のピンを引き抜くことにより、このパ
ッド89が外れるようになっている。
【0056】さらに、そのベース部材83のディスクプ
レート86と反対側には、計3本のスタッドボルト90
が突設され、これらのボルト90が、後輪64のホイー
ル部64aの各挿通孔64bに挿通され、ナット91が
螺合されることにより、後輪64がベース部材83に固
定されている。
【0057】さらにまた、後輪64の右側(トランスミ
ッション79と反対側)には、マフラー56が配設され
ているが、このマフラー56は、後輪64取付用のナッ
ト91が露出するように、図1,図3及び図18に示す
ように、後ろ上がりに配設され、それらナット91の上
側を通っている。
【0058】また、リヤフェンダー93は、後輪64の
上側に位置する前側部94と、この前側部94の後端部
から斜め下方に傾斜する後側部95とに2分割され、後
側部95が前側部94から取り外しできるようになって
いる。
【0059】かかる構成によれば、キャリパ88,ディ
スクプレート86及びマフラー56を外すことなく後輪
64を着脱できる。すなわち、後輪64を外す場合に
は、マフラー56が上方に配設されているため、このマ
フラー56が邪魔になることがなく、ナット91を外す
ことができる。その後、後輪64を図24中矢印方向に
移動させてスタッドボルト90から外し、後輪64のタ
イヤ部64cを、マフラー56とベース部材83のスタ
ッドボルト90等との間を通して、後輪64を車体から
外す。この場合には、この後輪64は後方に引き抜くた
め、リヤフェンダー93の後側部95が邪魔になるが、
このリヤフェンダー93は2分割され、この後側部95
だけ外すことができるので、後輪64を着脱するときに
は、この後側部95だけ外すことにより、後輪64を着
脱するときの邪魔になることがない。
【0060】このようなものにあっては、後輪64をベ
ース部材83に取り付けるようにしており、このベース
部材83を駆動軸82に取り付けるようにしているた
め、後輪64を図24中矢印方向に移動させるのに、少
なくともスタッドボルト90の突出量L2だけ移動させ
れば良い。これに対して、ベース部材83と後輪64と
が一体に成形されているものでは、駆動軸82とベース
部材83との結合ストロークL1は、ある程度の大きさ
のトルクの伝達を必要とすることから、多少長めに設定
する必要がある。しかし、この発明のように、ベース部
材83と後輪64とを分割することにより、ベース部材
83と駆動軸82との結合ストロークL1は長く必要と
しても、ベース部材83と後輪64との結合ストローク
L3は、駆動軸82の周囲に位置する複数のスタッドボ
ルト90でなされるため、伝達トルクが分散されること
から、結合ストロークL1より短くできる。そして、後
輪64を外す場合には、ベース部材83を駆動軸82か
ら外す必要がなく、後輪64をベース部材83から外せ
ば良い。
【0061】してみれば、後輪64の移動量L2を短く
できることから、側方にマフラー56が配設されていて
も、スタッドボルト90から後輪64のホイール部64
aを外すことができ、且つ、マフラー56を上側に配設
することにより、厚みあるタイヤ部64cを、このマフ
ラー56とベース部材83のスタッドボルト90との間
から引き抜くことができる。
【0062】また、パッド89をキャリパ88から交換
するときには、図示省略のピンを引き抜いた後、図24
中二点鎖線に示すようにして引き抜くことができる。
【0063】なお、上記実施の形態では、この発明を二
輪車のスクーターに適用したが、これに限らず、他の自
動二輪車にも適用できることは勿論である。
【0064】
【発明の効果】以上説明してきたように、この発明によ
れば、収納ボックスの底壁が後方が下がるように傾斜
し、この底壁の後部側がエンジン上面と後輪とで形成さ
れる空間に進入するように形成されているため、従来、
利用されていなかったその空間を有効利用することがで
きると共に、低重心化を図ることができる。しかも、そ
の底壁の傾斜により、荷物は常に後ろ寄りに収納される
ことから、荷物のガタ付きや移動が少ない。また、収納
ボックスの底壁の後部側が深く形成されているため、荷
物はこの後部側に収納されると共に、この収納ボックス
を開閉するシートのヒンジが前端部に設けられているこ
とから、シートをそれ程大きく開けなくても荷物の出し
入れができる。さらに、収納ボックスの後壁は、ヘルメ
ット形状に適合して前傾されているため、鉛直方向に沿
って後壁が形成されているものと比較すると、収納ボッ
クスの収納スペースに無駄なスペースがなく、反対に、
燃料タンク等の他の部品の配設スペースを拡大すること
ができ、且つ、シートや車体の小型化を図ることができ
る、という実用上有益な効果を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態に係るスクーターの側面
図である。
【図2】同実施の形態に係るスクーターの正面図であ
る。
【図3】同実施の形態に係るスクーターの背面図であ
る。
【図4】同実施の形態に係るスクーターの平面図であ
る。
【図5】同実施の形態に係るフレームの側面図である。
【図6】同実施の形態に係るフレームの平面図である。
【図7】同実施の形態に係る車体カバー等の分解斜視図
である。
【図8】同実施の形態に係るハンドル部分の平面図であ
る。
【図9】同実施の形態に係る図8のA−A線に沿う断面
図である。
【図10】同実施の形態に係る車体前部の車両前後方向
に沿う断面図である。
【図11】同実施の形態に係る車体前部の水平方向に沿
う断面図である。
【図12】同実施の形態に係るラジエターとリザーバタ
ンクとを示す正面図である。
【図13】同実施の形態に係るフロントカバーを示す断
面図である。
【図14】同実施の形態に係る図1のB−B線に沿う断
面図である。
【図15】同実施の形態に係る図1のX部分の拡大斜視
図である。
【図16】同実施の形態に係る図1のCーC線に沿う断
面図である。
【図17】同実施の形態に係る図7のDーD線に沿う断
面図である。
【図18】同実施の形態に係る収納ボックスや燃料タン
クを示す図である。
【図19】同実施の形態に係る収納ボックスの平面図で
ある。
【図20】同実施の形態に係る収納ボックスの側面図で
ある。
【図21】同実施の形態に係る図1のE−E線に沿う断
面図である。
【図22】同実施の形態に係る収納ボックスやシート等
を示す車幅方向に沿う断面図である。
【図23】同実施の形態に係る燃料タンクの断面図であ
る。
【図24】同実施の形態に係る後輪等の断面図である。
【符号の説明】
53 エンジン 58 収納ボックス 58b 底壁 58c 後部 58d 後壁 59 シート 64 後輪 65 ヘルメット 65a 顎部

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 前端を支点に回動可能なシートの下側に
    配設され、該シートを回動させることにより開閉される
    自動二輪車用収納ボックスにおいて、 底壁が後方が下がるように傾斜し、該底壁の後部側がエ
    ンジン上面と後輪とで形成される空間に進入し、ヘルメ
    ットを正立置きで収納した場合に、該ヘルメットの顎部
    が前記底壁の後部側に収納されるように設定され、更
    に、後壁が前傾されていることを特徴とする自動二輪車
    用収納ボックス。
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