JPH10166726A - 感熱記録材料 - Google Patents

感熱記録材料

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JPH10166726A
JPH10166726A JP8328481A JP32848196A JPH10166726A JP H10166726 A JPH10166726 A JP H10166726A JP 8328481 A JP8328481 A JP 8328481A JP 32848196 A JP32848196 A JP 32848196A JP H10166726 A JPH10166726 A JP H10166726A
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JP
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dye
free radical
inhibitor
group
recording material
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JP8328481A
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English (en)
Inventor
Eisaku Kato
栄作 加藤
Shuji Kida
修二 木田
Manabu Kaneko
学 金子
Osamu Hatano
治 波多野
Kenzo Nakazawa
健造 中澤
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Konica Minolta Inc
Original Assignee
Konica Minolta Inc
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  • Heat Sensitive Colour Forming Recording (AREA)
  • Non-Silver Salt Photosensitive Materials And Non-Silver Salt Photography (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 定着性の良好な消色型の感熱記録材料の提
供。 【解決手段】 支持体上に、光を吸収して遊離基を発生
する光遊離基発生剤、該光遊離基発生剤が発生する遊離
基により消色される色素が、加熱記録前は消色抑制剤と
隔離された状態で構成されている記録層を設けた感熱記
録材料であって、消色抑制剤としてキノイド化合物を用
い、熱によって該消色抑制剤を前記光遊離基発生剤及び
色素と混合して潜像を形成し、その後、該光遊離基発生
剤が吸収する光を照射することによって該潜像以外の色
素を消色することを特徴とする感熱記録材料。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、加熱した後に光を
照射することにより非加熱部を消色させる感熱記録材料
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】サーマルヘッド等を用いた感熱記録材料
は、記録装置が簡便であり、現像が不要である、記録時
の騒音が無い、メンテナンスが不要で、ランニングコス
トが安い等の特徴を有しているため、ファクシミリやプ
リンター等種々の分野で広く利用されている。通常の感
熱記録材料は、上記の利点を有しているものの、加熱の
みで発色反応が起きてしまうため、記録後に不慮の加熱
により、不要の発色反応が起こったり、記録後の改ざん
が容易で、記録の信頼性が低いといった問題点を有して
おり、定着が可能な感熱記録材料が望まれていた。
【0003】これまで、定着性をもった感熱記録材料と
しては、ジアゾ感熱記録紙が代表的なものである。しか
しジアゾニウム塩化合物は、反応性が高く地かぶりを生
じ易く、また熱安定性も悪いため、長期保存をした場合
に地かぶりを生じるだけでなく、最高発色濃度まで低下
してしまうといった問題点を有していた。近年、マイク
ロカプセルを使ってジアゾニウム塩化合物とカプラーを
分離することにより、地かぶりの改良はなされているも
のの、いまだ十分なレベルにはなく、より安定な感熱記
録材料が望まれていた。
【0004】一方、消色型の感熱記録材料は、色素の発
色体を支持体上に塗布したもので、熱記録部を消色或い
は熱記録部以外の色素を消色させ記録画を得るものであ
る。消色型の感熱記録材料は、発色型の感熱記録材料に
比べて、色材の利用効率を高めることができる。即ち、
発色型の感熱記録材料では、色材の全量を発色させるこ
とは出来ないため、所望の記録濃度を得るためには、過
剰の色材を予め感熱記録材料に塗布しておく必要があ
る。それに対して、消色型の感熱記録材料は、色材の発
色体をそのまま利用できるため、高い記録濃度を、より
少ない色材で達成できる可能性がある。
【0005】本発明者等は先に光遊離基発生剤、色素、
消色抑制剤を併用することにより、保存安定性が良く、
明室での取り扱いが可能で、サーマルヘッド等による加
熱と簡単な露光のみで、安定性の高い良好な記録画像を
得る感熱記録材料を見い出した(特願平8−15220
9号)。その原理は、光を吸収して遊離基を発生する光
遊離基発生剤、該光遊離基発生剤が発生する遊離基によ
り消色される色素を予め混合しておき、熱記録により光
遊離基発生剤と色素の混合物に更に消色抑制剤を混合さ
せ、その後の光照射により熱記録部では色素の消色が抑
制され、非熱記録部では色素の消色が起こるものであ
る。
【0006】この感熱記録材料及び方法によれば、光照
射により画像の定着が可能であるが、消色抑制剤によっ
ては光照射により1度消色した部分を再加熱することに
より、徐々にではあるが1度消色した色素が復色してし
まうといった現象が起こることがあり、十分な定着性を
有しているとは言えなかった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
する課題は、定着性の良好な消色型の感熱記録材料を提
供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の上記課題は、以
下の構成により達成される。
【0009】1.支持体上に、光を吸収して遊離基を発
生する光遊離基発生剤、該光遊離基発生剤が発生する遊
離基により消色される色素が加熱記録される前は、消色
抑制剤と隔離された状態で構成されている記録層を設け
た感熱記録材料であって、消色抑制剤としてキノイド化
合物を用い、熱によって該消色抑制剤を前記光遊離基発
生剤及び色素と混合して潜像を形成し、その後、該光遊
離基発生剤が吸収する光を照射することによって該潜像
以外の色素を消色することを特徴とする感熱記録材料。
【0010】2.光を吸収して遊離基を発生する光遊離
基発生剤と該光遊離基発生剤が発生する遊離基により消
色される色素の混合物、又は消色抑制剤の何れか一方が
マイクロカプセル中に含有されていることを特徴とする
前記1に記載の感熱記録材料。
【0011】本発明の感熱記録材料では、色素及び光遊
離基発生剤と消色抑制剤であるキノイド化合物は、加熱
記録前には隔離された状態にある。本発明の感熱記録材
料の加熱記録部では、色素及び光遊離基発生剤と消色抑
制剤を混合し、光照射により、色素の消色性を停止させ
ることができる。また、非加熱記録部では、消色抑制剤
が、色素、光遊離基発生剤と混合しないため、光照射に
より色素は消色する。
【0012】本発明においては、色素と光遊離基発生剤
に光を照射することにより色素の消色を行うが、その消
色機構は明らかではない。しかしながら、鋭意検討した
結果、色素と光遊離基発生剤に更にある種の添加剤を混
合することにより、光遊離基発生剤が活性化される波長
域の光を照射しても消色が起こらなくなることを本発明
者らは見い出した。その中でも特に、キノイド化合物を
消色抑制剤として用いた場合には、光遊離基による、色
素の消色を抑制する能力が高く、かつ1度消色した色素
を徐々に復色させることもなく、安定な画像を形成する
ことを見い出し本発明に至った。
【0013】以下、本発明について更に詳しく説明す
る。
【0014】本発明のキノイド化合物とは、例えばS.
パタイ編「ザ ケミストリー オブキノイド コンパウ
ンズ」(ジョン ウィリー アンド サンズ、1973
年)記載の化合物が挙げられ、例えば下記一般式(1)
のように示すことができる。
【0015】
【化1】
【0016】一般式(1)において、Zは5員或いは6
員の炭素環、複素環を形成するのに必要な原子群を表
す。X、Yは酸素原子又は窒素原子、炭素原子が直接結
合する原子群を表す。Rは水素原子又は置換基を表し、
Zにより形成する炭素環上又は複素環上には複数置換基
を有していてもよい。nは0又は1の整数を表す。本発
明のキノイド化合物は、好ましくは下記の一般式
(2)、一般式(3)で表される。
【0017】
【化2】
【0018】一般式(2)、一般式(3)において
1、Y1及びX2、Y2はそれぞれ酸素原子、N-R9、C
1011を表わす。X1、Y1及びX2、Y2は同じであっ
ても異なっていてもよく、互いに結合して環状構造を形
成してもよい。R9は水素原子又は置換基を表し、R9
表す置換基としては例えばメチル基、エチル基、イソド
デシル基、ヒドロキシメチル基等のアルキル基、例えば
フェニル基、4−トリル基、ナフチル基等のアリール
基、例えばエトキシ基、オクチルオキシ基、ベンジルオ
キシ基等のアルコキシ基、例えばフェノキシ基、4−オ
クチルフェノキシ基等のアリールオキシ基、例えばアセ
チル基、ヘキサノイル基、ベンゾイル基等のアシル基、
例えばアセチルオキシ基、ベンゾイルオキシ基、2−ク
ロロベンゾイルオキシ基等のアシルオキシ基、例えばエ
トキシカルボニル基、tert-ブチルオキシカルボニ
ル基等のアルコキシカルボニル基、例えば4−ニトロフ
ェニルオキシカルボニル等のアリールオキシカルボニル
基、シアノ基、アシルアミノ基、カルバモイル基、アル
キルスルホニル基、アリールスルホニル基、スルファモ
イル基、スルホニルアミノ基、複素環基等が挙げられる
が、これらに限定されるものではない。
【0019】R9が表す置換基としては、アルコキシ
基、アシルオキシ基が好ましい。
【0020】R10、R11はそれぞれ水素原子又は置換基
を表し、R10、R11で表される置換基としては、例えば
アルキル基、アリール基、アルコキシ基、ハロゲン原
子、アリールオキシ基、アシル基、アシルオキシ基、ア
ルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、
ニトロ基、シアノ基、アシルアミノ基、カルバモイル
基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、ス
ルファモイル基、スルホニルアミノ基、複素環基等が挙
げられるが、これらに限定されるものではない。
【0021】R10、R11としては、少なくとも一方は電
子吸引性の置換基であることが好ましい。この中でも、
1、Y1及びX2、Y2としては、酸素原子、アルコキシ
イミノ基、アシルオキシイミノ基が好ましい。
【0022】一般式(2)、一般式(3)においてR1
〜R4及びR5〜R8はそれぞれ水素原子又は置換基を表
わす。R1〜R8は同じであっても異なっていてもよく、
互いに結合して環状構造を形成してもよい。R1〜R4
びR5〜R8で表される置換基としては、アルキル基、ア
リール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシル
基、アシルオキシ基、アルコキシカルボニル基、アリー
ルオキシカルボニル基、シアノ基、アシルアミノ基、カ
ルバモイル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホ
ニル基、スルファモイル基、スルホニルアミノ基、ヒド
ロキシ基、アミノ基、複素環基等が挙げられるが、これ
らに限定されるものではない。この中でもR1〜R4及び
5〜R8としては、水素原子又はアルキル基であること
が好ましい。
【0023】以下に本発明の消色抑制剤として用いられ
るキノイド化合物の具体的な化合物例を示すが本発明は
これらに限定されるものではない。
【0024】
【化3】
【0025】
【化4】
【0026】
【化5】
【0027】本発明に使用する色素及び光遊離基発生剤
は、ある光遊離基発生剤が吸収する光を照射したときに
色素が消色、即ち実質的に可視光領域の光を吸収しない
化合物に変換できるような色素と光遊離基発生剤の組み
合わせで用いることができる。
【0028】色素としては、例えばアゾ色素、アゾメチ
ン色素、ポリエン系色素、ポリメチン系色素、キノン系
色素、インジゴ系色素、ジフェニルメタン系色素、トリ
フェニルメタン系色素、フタロシアニン系色素等が挙げ
られる。具体的には、日本色材協会編、講談社「色素ハ
ンドブック」記載の色素が挙げられる。
【0029】これらの中から、色調、光消色性、堅牢
性、コスト等を考慮して選択することができる。その中
でもアゾメチン色素が好ましい色素として挙げられる。
【0030】特に色調、堅牢性の観点からは、コンベン
ショナルのカラー写真に利用されているアゾメチン色
素、具体的にはアシルアセトアニリド誘導体、ピラゾロ
ン誘導体、ピラゾロトリアゾール誘導体、フェノール誘
導体、ナフトール誘導体等のカプラーとカラー現像主薬
(p−フェニレンジアミン誘導体)との酸化カップリン
グ反応によって得られるアゾメチン色素が好ましい。好
ましい色素の例を以下に示すが、本発明はこれらに限定
されるものではない。
【0031】
【化6】
【0032】
【化7】
【0033】
【化8】
【0034】
【化9】
【0035】光遊離基発生剤は、ある特定の波長の光を
吸収したときに、活性化され色素を消色させるものをい
い、例えばカルボニル化合物、ジアゾニウム化合物、ア
ジド化合物、ハロゲン化物等が含まれる。光遊離基発生
剤には、光を吸収したときに、そのものが開裂分解して
遊離基を発生するものや、光を吸収して活性化した時に
他の分子から水素遊離基等を引き抜いて、光を吸収した
化合物自身及び水素等を引き抜かれた分子が遊離基にな
るものを含む。また、遊離基を発生する際に吸収する光
は、いわゆる増感剤といわれる色素類が吸収した光を利
用することもできる。
【0036】ただ、この際増感剤となる色素は、可視域
に吸収をもたないものが好ましく、画像に影響を及ぼす
ことはない。光遊離基発生剤としては、例えば特公昭6
2−39728号、特公昭63−2099号記載の2,
4,6−トリアリールイミダゾール2量体化合物、米国
特許3,282,693号記載の2−アジドベンゾオキ
サジアゾール、ベンゾイルアジド、2−アジドベンズイ
ミダゾールのようなアジド化合物、米国特許3,61
5,568号記載の3′−エチル−1−メトキシ−2−
ピリドチアシアニンパークロレート、1−メトキシ−2
−メチルピリジニウム−p−トルエンスルホネート等の
ピリジニウム化合物、N−ブロモスクシンイミド、トリ
ブロモメチルフェニルスルホン、ジフェニルヨードニウ
ム塩、2−トリクロロメチル−5−(p−ブトキシスチ
リル)−1,3,4−オキサジアゾ−ル、2,6−ビス
(トリクロロメチル)−4−(p−メトキシフェニル)
−s−トリアジン等の有機ハロゲン化合物、ベンゾフェ
ノン、チオキサントン、アントラキノン、ベンゾインエ
ーテル等のカルボニル化合物、アゾビスイソブチロニト
リル等のアゾ化合物、アルキルジスルフィド、メルカプ
タン等の有機硫黄化合物、トリフェニルホスフィン、ア
シルホスフィンオキサイド、ジアシルホスフィンオキサ
イドのような燐系化合物等が挙げられる。
【0037】光遊離基発生剤を活性化する光の波長は、
感熱記録材料としての取り扱い易さや使用する光源の入
手の容易さやコストを考慮して選ぶことが出来る。感熱
記録材料としての取り扱い易さとは、例えば室内光程度
波長の光で敏感に感光してしまうようでは、安定性に問
題があるため、暗室で取り扱わなくてはいけないといっ
た制約を受けることがある。そのような制約を避けるた
め好ましくは紫外部〜可視光の一部にかけての領域や赤
外光を使うことが好ましい。
【0038】その中でもエネルギーの強さや、光源の入
手の容易さ等を考慮して250nm〜450nmの領域
の光を使うことが好ましい。好ましい光遊離基発生剤と
しては、アントラキノン、ベンゾインエーテル等のカル
ボニル化合物、アシルホスフィンオキサイド等の燐系化
合物、ジアゾ化合物等が挙げられる。
【0039】また、光遊離基発生剤の分光吸収極大波長
も250nm〜450nmの間に有ることが、光遊離基
の発生効率等から好ましい。好ましい光遊離基発生剤の
例を以下に示すが、本発明はこれらに限定されるもので
はない。
【0040】
【化10】
【0041】
【化11】
【0042】本発明において、一般式(1)、一般式
(2)又は一般式(3)で表される消色抑制剤は光遊離
基発生剤と色素の反応を阻害して、消色を抑制するもの
である。その消色抑制機構は、定かではないが、光遊離
基発生剤が活性化されたときに生じる光遊離基を捕捉す
る、或いは色素と活性光遊離基発生剤の反応による消色
体の復色を起こさせる等の機構が考えられ、光遊離基発
生剤及び消色抑制剤の組み合わせにより、その消色抑制
機構も変わるものと考えられる。
【0043】本発明により好ましく用いられる一般式
(2)及び一般式(3)で表される消色抑制剤は単独で
使用することもできるし、2種類以上を併用する事もで
きる。また、他の消色抑制剤と併用して用いることもで
きる。
【0044】他の消色抑制剤としては、例えばトリフェ
ニルグアニジン、テトラメチルグアニジン、ジシクロヘ
キシルグアニジン等のグアニジン類、ビス(2−エチル
ヘキシル)アミン、トリオクチルアミン、ジイソプロピ
ルエチルアミン、N,N-ジメチルドデシルアミン、ピ
ペラジン、ピロリジン、ヒンダードアミン等のアミン
類、2,5−ジ−tert−オクチルハイドロキノン、
2,5−ジ−sec−ドデシルハイドロキノン等のハイ
ドロキノン誘導体、p−ドデシルオキシチオフェノー
ル、2−メルカプトベンズイミダゾール、2−メルカプ
トベンゾチアゾール等のメルカプタン類、2,6−ジ−
ter−ブチルフェノール、4,4′−ブチリデンビス
(6−tert−ブチル−m−クレゾール)、ヒンダー
ドフェノール等のフェノール類、ヒドラジン類、フェニ
ドン、アスコルビン酸等の還元剤が挙げられるがこれら
に限定されるものではない。
【0045】以下に本発明の消色抑制剤と併用すること
のできる消色抑制剤の具体例を示すが、本発明はこれら
に限定されるものではない。
【0046】
【化12】
【0047】本発明において、色素と光遊離基発生剤
は、加熱前には消色抑制剤から隔離されている。利用で
きる隔離方法としては、例えば各成分を乳化分散、或い
は固体分散することにより、均一に混合されることを避
けることができる。またより確実に隔離を行うには、保
存時には隔離しておきたい成分を支持体の上の別の層に
分けて塗布することにより行われる。各々の層の間に中
間層を設けることも効果的である。より好ましい隔離形
態としては、マイクロカプセルを使用することである。
【0048】本発明において好ましいマイクロカプセル
は、常温ではマイクロカプセル壁の物質隔離作用により
カプセル内外の物質の接触を妨げ、ある温度で加熱され
たときに、物質の透過性が上がるものである。マイクロ
カプセルの温度による透過性は、カプセルの壁材、芯物
質、添加剤種等によりカプセル壁のガラス転移温度を変
えることにより制御することができる。本発明に使用で
きるマイクロカプセルの壁材としては、ポリウレタン、
ポリウレア、ポリエーテル、ポリカーボネート、ポリア
ミド、ポリエステル、尿素−ホルムアルデヒド樹脂、メ
ラミン−ホルムアルデヒド樹脂、ポリスチレン、スチレ
ン−メタクリレート共重合体、ゼラチン、ポリビニルピ
ロリドン、ポリビニルアルコール等が挙げられる。これ
らの壁材は複数を併用してもよい。
【0049】本発明において上記壁材のうち、ポリウレ
タン、ポリウレア、ポリアミド、ポリエステル、ポリカ
ーボネート等が好ましく、特にポリウレア及びポリウレ
タンが好ましい。
【0050】本発明で好ましく使用することのできるマ
イクロカプセルの詳細については、米国特許3,79
6,696号の明細書に記載されている。本発明に使用
するマイクロカプセルは、カプセル化しようとする物質
を含有した芯物質を乳化した後、その油滴の周囲に高分
子物質の壁を形成してマイクロカプセル化する界面重合
による方法が好ましい。
【0051】その際、必要に応じて乳化油滴を形成する
ために有機溶媒を使用することが好ましく、使用される
有機溶媒としては一般に高沸点有機溶媒の中から適宜選
択することができる。例えば、リン酸エステル、フタル
酸エステル、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステ
ルその他のカルボン酸エステル、脂肪酸アミド、アルキ
ル化ビフェニル、アルキル化ターフェニル、塩素化パラ
フィン、アルキル化ナフタレン、ジアリールエタン等が
用いられる。具体的には特開昭60−242094号、
特開昭62−75409号等に記載のあるものを用いる
ことができる。また上述の高沸点有機溶媒の他に溶解助
剤として酢酸エチル、塩化メチレン等の低沸点有機溶媒
を併用することもできる。
【0052】一方、油層と混合する水層に、水溶性高分
子を保護コロイドとして含有することができ、例えばポ
リビニルアルコール、ゼラチン、セルロース誘導体を用
いることができる。
【0053】また、乳化分散する際には、公知の界面活
性剤の中から適当なものを選択して沈殿や凝集を起こさ
ないようにすることができる。
【0054】マイクロカプセル外に存在させる、他の要
素は固体分散、乳化分散の何れの方法で分散されていて
もよいが乳化分散されていることが好ましい。固体分散
や乳化分散、マイクロカプセルを用いた形態時の分散に
おいて、その粒径は、画質や発色濃度の点から0.1μ
m〜20μmの範囲にあることが好ましい。より好まし
くは、0.5μm〜10μmの範囲である。そして、サ
ーマルヘッド等により加熱されたときには、速やかに混
合され潜像を形成し、次いで光を照射したときには潜像
以外でのみ消色反応がおきる。
【0055】本発明において、色素、光遊離基発生剤の
使用量については、特に制限があるものでは無いが、支
持体上に塗布する際の記録層の膜厚、消色効率、発色濃
度等を考慮して選定され、色素の好ましい使用量は、感
熱記録材料に対して、0.01〜10mmol/m2
範囲であり、より好ましくは0.05〜1.0mmol
/m2である。光遊離基発生剤については、色素の0.
5〜50倍のモル数の範囲で使用することが好ましい。
より好ましい使用量は色素の1倍〜10倍の範囲であ
る。
【0056】本発明の消色抑制剤の使用量については、
特に制限があるものでは無いが、支持体上に塗布する際
の膜厚、消色抑制効率、発色濃度等を考慮して選定さ
れ、色素の0.1〜100倍のモル数の範囲で使用する
ことが好ましい。より好ましい使用量は色素の1倍〜3
0倍の範囲である。
【0057】また、支持体上に塗布する際の記録層の膜
厚にしても、特に制限されるものではないが、感熱感度
及び画像の鮮鋭性等を考慮すると、乾燥膜厚にして0.
5μm〜50μmの範囲が好ましく、1μm〜20μm
の範囲になることがより好ましい。
【0058】本発明における、感熱記録材料は、色素と
光遊離基発生剤を含有したマイクロカプセル及び消色抑
制剤を支持体上に塗布して作ることができる。この際、
前記分散物のバインダーとしては、ポリビニルアルコー
ル、ゼラチン、スチレン−ブタジエンラテックス、カル
ボキシメチルセルロース、アラビアゴム、ポリビニルピ
ロリドン、ポリ酢酸ビニル、ポリアクリル酸エステル等
の各種エマルジョンを用いることができ、使用量は固形
分に換算して支持体に対して0.5〜5g/m2であ
る。
【0059】本発明の感熱記録材料においては、画像保
護、感熱記録材料同士の接着防止、サーマルヘッドに対
する接着防止、加筆性、平滑性等を考慮して保護層を設
けることが好ましい。保護層のバインダーとしては、公
知のものを使用することができる。
【0060】例えば、メチルセルロース、カルボキシメ
チルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、澱粉
類、ゼラチン、アラビアゴム、カゼイン、スチレン−無
水マレイン酸共重合体加水分解物、ポリビニルアルコー
ル、カルボキシ変成ポリビニルアルコール、ポリアクリ
ルアミド誘導体、ポリビニルピロリドン、ポリスチレン
スルホン酸ナトリウム、アルギン酸ナトリウム、スチレ
ン−ブタジエンラテックス、アクリロニトリル−ブタジ
エンゴムラテックス、ポリ酢酸ビニルエマルジョン等の
ポリマー、シリコン樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹
脂、アクリル樹脂ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、フ
ッ素樹脂、ニトロセルロース、セルロースアセテートプ
ロピオネート、酢酸セルロース、フッ素化ビニリデン樹
脂、塩化ゴム等のバインダーを用いることができる。
【0061】保護層の充填剤としては、酸化亜鉛、炭酸
カルシウム、硫酸バリウム、酸化チタン、リトボン、タ
ルク、蝋石、カオリン、水酸化アルミニウム、非晶質シ
リカ、コロイダルシリカ等の無機顔料、ポリスチレン、
ポリメチルメタクリレート、ポリエチレン、酢酸ビニル
樹脂、硫化ビニル樹脂、硫化ビニリデン樹脂、スチレン
−メタクリレート共重合体、塩化ビニリデン、ポリウレ
ア、メラミン−ホルムアルデヒド等の有機顔料、ステア
リン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸ア
ルミニウム等の金属石鹸、或いはパラフィンワックス、
マイクロクリスタリンワックス、カルナバワックス、メ
チロールステアリロアミド、ポリエチレンワックス、シ
リコーン等のワックス類を添加することができる。これ
らの充填剤は単独で使用しても、2種以上併用しても構
わない。
【0062】また、レーザー光による加熱記録を行なう
場合は、フタロシアニン誘導体、ニッケル錯体類等の公
知の赤外線吸収剤を含有させることもできる。
【0063】本発明の感熱記録材料は、紙や合成樹脂フ
ィルム等の支持体の上に塗布する際には、一般によく知
られた塗布方法を用いることができる。例えば、ディッ
プコート法、エアーナイフコート法、カーテンコート
法、ローラコート法、ドクターコート法、ワイヤーバー
コート法、スライドコート法、グラビアコート法、スピ
ンコート法或いはエクストルージョンコート法等により
塗布することができる。
【0064】本発明の感熱記録材料に使用することがで
きる支持体としては、紙類、再生セルロース、酢酸セル
ロース、硝酸セルロース、ポリエチレンテレフタレー
ト、ポリエチレン、ポリビニルアセテート、ポリエチレ
ンナフタレート等のフィルム、ガラス、木、金属等が挙
げられる。
【0065】また、本発明の感熱記録材料は、加熱及び
全面露光により像を形成させるが、加熱に使用できる熱
源としては、熱ペン、熱ヘッド、熱スタンプ、近赤外線
レーザー光等が挙げられるが、マイクロカプセルの透過
性を変化させるのに必要な熱エネルギーを、記録する像
様に与えることができるものであれば特に制限があるも
のではない。
【0066】また、本発明において使用できる光源は光
遊離基発生剤を分解できるものであればいかなる光源で
あってもよく、例えば蛍光灯、高圧水銀灯、ハロゲンラ
ンプ、キセノンランプ、タングステンランプ或いは太陽
光等であってもよい。
【0067】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を更に具体的に
述べるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
また、添加量を示す「部」は「重量部」を示す。
【0068】実施例1 ・カプセル液Aの調製 色素としてD−1、1.5部、光遊離基発生剤としてP
−13、3.0部を酢酸エチル10部、1−フェニル−
1−キシリルエタン10部に溶解し、キシリレンジイソ
シアネート/トリメチロールプロパン付加物8.0部を
添加した。この溶液を、6%ポリビニルアルコールの水
溶液60部の中に添加し、20℃でホモジナイザーを用
い乳化分散し、平均粒径1μmの乳化液を得た。得られ
た乳化液に水20部を加え、40℃で3時間撹拌を続け
た。その後、室温に戻してカプセル液Aを得た。
【0069】・消色抑制剤乳化分散液1の調製 消色剤抑制剤としてI−2、6部、トリクレジルホスフ
ェフェート3部を均一に混合し、6%ポリビニルアルコ
ールの水溶液30部を加え、ホモジナイザーを用いて、
40℃で10分間乳化、分散して、消色抑制剤乳化分散
液1を得た。
【0070】・塗布液の調製 次に、上記カプセル液A/上記消色抑制剤分散液1を重
量比で3/2になるように混合して塗布液を得た。
【0071】この塗布液を上質紙にワイヤーバーで赤色
部の反射濃度がほぼ1.0になるように塗布し、50℃
で乾燥させ、本発明の感熱記録材料を得た。
【0072】実施例2 実施例1で消色抑制剤乳化分散液1の調製に用いた消色
抑制剤I−2を同モルの消色抑制剤I−11に代えた以
外は、実施例1と同様にして本発明の感熱記録材料を得
た。
【0073】実施例3 実施例1で消色抑制剤乳化分散液1の調製に用いた消色
抑制剤I−2を同モルの消色抑制剤I−1と消色抑制剤
I−40の混合物に代えた以外は、実施例1と同様にし
て本発明の感熱記録材料を得た。
【0074】実施例4 実施例1でカプセル液Aの調製に用いた光遊離基発生剤
P−13を同モルの光遊離基発生剤P−12に代えた以
外は、実施例1と同様にして本発明の感熱記録材料を得
た。
【0075】実施例5 実施例1でカプセル液Aの調製に用いた光遊離基発生剤
P−13を同モルの光遊離基発生剤P−6に代えた以外
は、実施例1と同様にして本発明の感熱記録材料を得
た。
【0076】実施例6 ・色素、光遊離基発生剤乳化分散液の調製 色素D−1、1.5部、光消色剤P−6、1.5部を酢
酸エチル10部、トリクレジルホスフェート10部に溶
解した。この溶液を、6%ポリビニルアルコールの水溶
液60部の中に添加し、20℃でホモジナイザーを用い
乳化分散し、平均粒径1μmの乳化液を得た。
【0077】・消色抑制剤カプセル液の調製 消色抑制剤I−22、6部、1−フェニル−1−キシリ
ルエタン6部、キシリレンジイソシアネート/トリメチ
ロールプロパン付加物8.0部を均一に混合し、6%ポ
リビニルアルコールの水溶液30部を加え、20℃でホ
モジナイザーを用い乳化分散し、平均粒径1μmの乳化
液を得た。得られた乳化液に水20部を加え、40℃で
3時間撹拌を続けた。その後、室温に戻して消色抑制剤
カプセル液を得た。
【0078】次に上記乳化分散液、カプセル液を用いて
色素、光遊離基発生剤及び消色抑制剤のモル比が実施例
1と同様になるように塗布液を調製した後、実施例1と
同様にして本発明の感熱記録材料を作成した。
【0079】比較例1 実施例1で消色抑制剤乳化分散液1の調製に用いた消色
抑制剤I−2を同モルの消色抑制剤I−39に代えた以
外は、実施例1と同様にして比較の感熱記録材料を得
た。
【0080】比較例2 実施例6で消色抑制剤カプセル液の調製に用いた消色抑
制剤I−22を同モルの消色抑制剤I−39に代えた以
外は、実施例1と同様にして比較の感熱記録材料を得
た。
【0081】[発色/定着性試験]実施例1〜5及び比
較例1、2で得られた感熱記録材料に対して、熱傾斜試
験機(東洋精機製)を用いて、150℃、5秒間(0.
5kg/m2)加熱した後、高圧水銀灯を用いて、30
秒間全面露光したところ、熱印加部ではシアン色が残
り、非加熱部は消色していた。それぞれの試料につい
て、色素残存部及び消色部について、反射濃度を測定し
た。また、消色部を再度150℃、5秒間(0.5kg
/m2)加熱した後、室温で1日放置した後加熱部の反
射濃度を測定した結果を表1に示した。
【0082】
【表1】
【0083】表1から明らかなように本発明の試料が比
較に比して優れていることが分かる。
【0084】
【発明の効果】本発明による消色型の感熱記録材料は定
着性が良好で優れた効果を有し、記録部の改ざんの問題
が無い記録画像を得ることができた。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI B41M 5/18 113G (72)発明者 波多野 治 東京都日野市さくら町1番地コニカ株式会 社内 (72)発明者 中澤 健造 東京都日野市さくら町1番地コニカ株式会 社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上に、光を吸収して遊離基を発生
    する光遊離基発生剤、該光遊離基発生剤が発生する遊離
    基により消色される色素が加熱記録される前は消色抑制
    剤と隔離された状態で構成されている記録層を設けた感
    熱記録材料であって、消色抑制剤としてキノイド化合物
    を用い、熱によって該消色抑制剤を該光遊離基発生剤及
    び色素と混合して潜像を形成し、その後、該光遊離基発
    生剤が吸収する光を照射することによって該潜像以外の
    色素を消色することを特徴とする感熱記録材料。
  2. 【請求項2】 光を吸収して遊離基を発生する光遊離基
    発生剤と該光遊離基発生剤が発生する遊離基により消色
    される色素の混合物、又は消色抑制剤の何れか一方がマ
    イクロカプセル中に含有されていることを特徴とする請
    求項1に記載の感熱記録材料。
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