JPH10166550A - 印刷用転写パッド及びその製造方法、印刷器具並びに印刷方法 - Google Patents

印刷用転写パッド及びその製造方法、印刷器具並びに印刷方法

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JPH10166550A
JPH10166550A JP33073396A JP33073396A JPH10166550A JP H10166550 A JPH10166550 A JP H10166550A JP 33073396 A JP33073396 A JP 33073396A JP 33073396 A JP33073396 A JP 33073396A JP H10166550 A JPH10166550 A JP H10166550A
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ink
pattern
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JP33073396A
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English (en)
Inventor
Yoshiyuki Noguchi
良行 野口
Kazuo Watanabe
和男 渡辺
Tsuneo Muchi
常雄 鞭
Kenichi Ozawa
兼一 小沢
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Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】陰極線管の主レンズ系を構成する高抵抗管のよ
うな円筒部品の内面に簡便且つ確実に印刷を施す。 【解決手段】ワークWの内面に近接して対向配置した転
写パッド3を膨張させ、転写パッド3の外周面30をワ
ークWの内面に圧接して、転写パッド3の外周面30に
予め付着させたインクパターンをワークWの内面に転写
する。転写パッド3の外周面30にインク保持用凹凸パ
ターン33を設けて、その外周面30に予め付着させる
インク7の量を制御する。また、転写パッド3の膜厚
を、両端部から中央部に向けて次第に薄くなるように構
成し、その膜厚が薄くて膨張し易い中央部分から順次ワ
ークWの内面に密着するようにする。これにより、転写
パッド3の外周面30とワークWの内面との間の空気を
効率良く排出させ、それらの間に気泡の残留することを
防止する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、転写印刷により円
管等の内面を簡便に印刷できる印刷用転写パッド及びそ
の製造方法、印刷器具並びに印刷方法に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、特開平6−275211号公報
に、陰極線管のネック部に設けられる電子ビームのレン
ズ系を、円筒基体の内面に複数のグリッドを印刷形成す
ることで構成することが開示されている。この場合の円
筒基体のような円管の内面に印刷を施す従来の方法とし
ては、ディスペンサー方式が良く知られており、同公報
にも記載されている。このディスペンサー方式では、イ
ンクタンクに接続されたノズルを円管内面に挿入し、ノ
ズルからインクを噴出させて円管内面に塗布する。ま
た、ノズルに代えて多数の孔を有するパイプからインク
を噴射するインクジェット方式も知られている。
【0003】更に、同公報には、インクである導電ペー
ストを表面に載せたゴムローラーを円筒基体の内周面に
沿って転動させることにより転写法で円筒基体の内面に
導電パターンを印刷する方法も開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上述したディスペンサ
ー方式は、基本的にパターンを1本1本描画するもの
で、描画時間が比較的長くかかるという欠点が有った。
また、インクジェット方式でも同様であるが、円管内面
に直接インクを噴射して描画するいわゆる直接描画方式
では、上述の陰極線管用の円筒基体のような内径が小さ
い円管内面の微細なパターンを印刷する場合、ノズルや
パイプの噴出孔として小さいものを用いる必要が有り、
その噴出孔にインクが詰まり易いという問題が有った。
【0005】上記公報に開示されているゴムローラーを
用いた転写法による印刷の場合には、上述のような問題
は生じない。しかしながら、このゴムローラーの転動に
よる転写法では、比較的単純なパターンしか印刷するこ
とができないという問題が有った。
【0006】そこで、本発明の目的は、円管等の内面に
短時間で印刷を施すことができるとともに、内径が小さ
い円管等の内面の微細且つ比較的複雑なパターンをも簡
便且つ確実に印刷することができる印刷用転写パッド及
びその製造方法、印刷器具並びに印刷方法を提供するこ
とである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上述した課題を解決する
本発明の印刷用転写パッドは、被印刷面に近接して対向
配置され、加圧流体の加圧により膨張して前記被印刷面
に接触し、前記加圧を解除した時に収縮して元の状態に
復帰する印刷用転写パッドであって、前記被印刷面に接
触する転写面の少なくとも一部の領域にインク保持用凹
凸パターンが形成されている。
【0008】本発明の一態様では、前記インク保持用凹
凸パターンが格子状のパターンに形成されている。
【0009】本発明の一態様では、前記インク保持用凹
凸パターンの凹凸の高低差が10〜100μmの範囲で
ある。
【0010】本発明の一態様では、前記インク保持用凹
凸パターンが、前記転写面に設けられた突起により形成
されている。
【0011】本発明の一態様では、前記インク保持用凹
凸パターンが、前記転写面に設けられた溝により形成さ
れている。
【0012】本発明の一態様では、前記転写パッドが収
縮した状態の時、前記転写パッドの前記インク保持用凹
凸パターンの凸部の頂部が実質的に1つの円筒面内に存
在する。
【0013】本発明の一態様では、前記インク保持用凹
凸パターンが実質的に前記転写面の全面に設けられてい
る。
【0014】本発明の一態様では、前記インク保持用凹
凸パターンが、前記被印刷面に転写される転写パターン
に対応した前記転写面の領域にのみ設けられている。
【0015】本発明の一態様では、前記インク保持用凹
凸パターンの凹凸の高低差が、中央部で小さく、両端部
で大きくなるように連続的に変化している。
【0016】また、本発明の印刷用転写パッドの製造方
法では、所定パターンの凹部が形成された弾性材料保持
体の少なくとも前記凹部内を含む表面上に弾性材料を保
持させ、円筒状の弾性基体を前記弾性材料保持体に接し
て相対的に転動させて、前記弾性基体の外周面に前記弾
性材料を前記凹部の前記パターンを反映した形で付着さ
せ、しかる後、前記弾性基体の前記外周面に付着した前
記弾性材料を硬化させる。
【0017】また、本発明の印刷器具は、加圧流体の吹
き出し孔を外周面に有する保持部材と、前記保持部材の
前記外周面を離間可能に被覆し、前記加圧流体の加圧に
より膨張し、前記加圧を解除した時に収縮して元の状態
に復帰する転写パッドであって、外面の少なくとも一部
の領域にインク保持用凹凸パターンが形成されている転
写パッドとを備える。
【0018】本発明の一態様では、前記インク保持用凹
凸パターンが格子状のパターンに形成されている。
【0019】本発明の一態様では、前記インク保持用凹
凸パターンの凹凸の高低差が10〜100μmの範囲で
ある。
【0020】本発明の一態様では、前記インク保持用凹
凸パターンが、前記外面に設けられた突起により形成さ
れている。
【0021】本発明の一態様では、前記インク保持用凹
凸パターンが、前記外面に設けられた溝により形成され
ている。
【0022】本発明の一態様では、前記インク保持用凹
凸パターンが実質的に前記外面の全面に設けられてい
る。
【0023】本発明の一態様では、前記インク保持用凹
凸パターンが、被印刷面に転写される転写パターンに対
応した前記外面の領域にのみ設けられている。
【0024】本発明の一態様では、前記インク保持用凹
凸パターンの凹凸の高低差が、中央部で小さく、両端部
で大きくなるように連続的に変化している。
【0025】本発明の一態様では、前記転写パッドの中
央部の膜厚が両端部の膜厚よりも小さくなるように、前
記転写パッドの膜厚が連続的に変化している。
【0026】本発明の一態様では、前記転写パッドの前
記中央部に対応した位置の前記保持部材の前記外周面に
前記吹き出し孔が設けられている。
【0027】本発明の一態様では、前記保持部材の前記
外周面が、前記転写パッドの膜厚の変化に対応してその
変化を相殺する形状に構成されている。
【0028】本発明の一態様では、前記転写パッドが収
縮した状態の時、前記転写パッドの前記インク保持用凹
凸パターンの凸部の頂部が実質的に1つの円筒面内に存
在するように前記保持部材の前記外周面が形成されてい
る。
【0029】本発明の一態様では、前記吹き出し孔が、
前記保持部材の長手方向の1ヶ所の周りに設けられてい
る。
【0030】本発明の一態様では、前記吹き出し孔が、
前記保持部材の長手方向の複数ヶ所の周りに設けられて
いる。
【0031】また、本発明の印刷方法では、加圧流体の
吹き出し孔を外周面に有する保持部材と、その保持部材
の前記外周面を離間可能に被覆した、外面の少なくとも
一部の領域にインク保持用凹凸パターンを有する転写パ
ッドとを備えた印刷器具を被印刷面に対向させ、前記加
圧流体の加圧により前記転写パッドを膨張させて前記被
印刷面に接触させ、前記転写パッドの前記外面に予め付
着させたインクを前記被印刷面に転写する。
【0032】本発明の一態様では、前記印刷面が曲面で
ある。
【0033】本発明の一態様では、前記保持部材が棒状
であり、前記被印刷面が、被印刷体に設けられた穴の内
面である。
【0034】本発明の一態様では、前記転写パッドの前
記外面に予め付着させるインクの量を前記インク保持用
凹凸パターンの凹凸の高低差、凹部又は凸部の大きさ、
及び、分布密度の少なくとも1種により制御する。
【0035】本発明の一態様では、前記転写パッドの前
記外面に予め付着させるインクの量を前記外面内で変化
させる。
【0036】本発明の一態様では、円筒部品又は円筒部
分の内周面に導電パターンを形成する際に適用する。
【0037】
【発明の実施の形態】以下、本発明を好ましい実施の形
態に従い説明する。
【0038】まず、図6及び図7を参照して、以下の実
施の形態において例として用いる被印刷体(ワーク)に
ついて説明する。
【0039】図6に示すように、本発明の実施の形態に
おいて例示する被印刷体(ワーク)は、既述した特開平
6−275211号公報に開示されているように、陰極
線管100のネック部に設けられる電子ビームの主レン
ズ系を構成する高抵抗管110である。なお、図6で
は、陰極線管100内の高抵抗管110以外の構成は図
示省略した。
【0040】図6及び図7に示すように、高抵抗管11
0は、例えば、アルミナ(Al2 3 )中にTi、W、
Cu等の酸化物を混合し焼結させて導電性を持たせた物
質や導電性を持たせたフェライト、チタニア系セラミッ
クス等からなり、高耐圧性を有する絶縁物を主成分とす
る。この高抵抗管110は、真円度の高い(例えば20
μm以下)円筒形状に形成され、その両端部及び中央部
に、例えば、RuO2−ガラスペースト(商品名#95
16、デュポン社製等)からなるリング状の電極膜11
1、112、113が塗布形成されている。また、電極
膜111〜113の間にそれらと同じ材料からなるリン
グ状の導電リング114が形成されている。ここで、電
極膜111と113は、高抵抗管110の両端部から夫
々外部に電気的に接続されて、電子ビームの主レンズ系
の第3グリッド(G3 )と第5グリッド(G5 )を夫々
構成する。また、電極膜112は、高抵抗管110の壁
部に穿設された貫通孔(不図示)を通じて外部に電気的
に接続され、電子ビームの主レンズ系の第4グリッド
(G4 )を構成する。これらの電極膜111〜113の
間に形成された導電リング114は、高抵抗管110の
導電性内壁を通して電位が固定され、高抵抗管110内
の径方向における電位の安定、電極膜111〜113間
の電位勾配の緩和、電極膜111〜113間の電位の微
調整による球面収差の低減、及び、電極膜111〜11
3間での電位の安定等の作用を示す。
【0041】このように陰極線管の電子レンズの主レン
ズ系G3 〜G5 を高抵抗管110内に塗布形成した導電
パターンで構成することにより、主レンズ系G3 〜G5
の同芯度が向上する。その結果、電子ビームの軸ずれを
小さくでき、高画質の画像を実現できる。また、主レン
ズ系を構成する電極間の電位勾配が小さくなるので、電
極間の放電を防止することができ、加えて、主レンズ系
の球面収差を小さくすることができるので、ビームスポ
ット径を小さくして解像度を向上させることができる。
【0042】次に、上述した高抵抗管110の内面に電
極膜111〜113及び導電リング114等の導電パタ
ーンを塗布形成するための本発明の実施の形態を説明す
る。
【0043】図1(a)に、本発明の第1の実施の形態
による印刷器具の縦断面図を、図1(b)に、図1
(a)のB−B線に沿った横断面図を夫々示す。また、
図5に、印刷器具の外観斜視図を示す。
【0044】印刷器具1は、金属やプラスチック等の硬
質材料、例えば、ステンレススチールで構成されたほぼ
円柱形をなす棒状保持部材2と、この棒状保持部材2の
外周面に嵌装された天然ゴム、NBR、SBR等のゴ
ム、例えば、シリコーンゴムで構成された転写パッド3
と、この転写パッド3の両端部を棒状保持部材2に締め
付けている、例えば、金属製の締結バンド4とを備えて
いる。なお、この印刷器具の基本構成については、本願
出願人が特願平8−146905号(平成8年6月10
日出願)により既に提案している。
【0045】図1(a)及び(b)に示すように、棒状
保持部材2には、その中心軸に沿って空気導通路21が
設けられ、この空気導通路21と連通して棒状保持部材
2の長手方向ほぼ中央部の外周面4ヶ所に空気吹き出し
孔22が設けられている。転写パッド3は、この棒状保
持部材2の空気吹き出し孔22を閉塞して、常時は、そ
のゴム弾性により棒状保持部材2の外周面23に密着し
ている。
【0046】図5に示すように、棒状保持部材2は、そ
の空気導通路21が設けられた側の端部が延長され、そ
の延長部分24の先端部にロータリーエアジョイント2
5が設けられている。また、その延長部分24の途中
に、この印刷器具1を不図示の駆動装置に回転可能に保
持させるためのベアリング部26が設けられている。
【0047】図1(a)に示すように、本実施の形態に
よる転写パッド3は、その外周面30の両端部に締結バ
ンド4を収容するための凹部31が設けられている。そ
して、図1(a)及び(b)に示すように、これらの凹
部31間の領域(以下、「有効印刷領域」と言う。)の
外周面30に多数の突起32が設けられて、インク保持
用凹凸パターン33が形成されている。
【0048】図2(a)にインク保持用凹凸パターン3
3の拡大断面図を、図2(b)に拡大平面図を、図2
(c)に突起32の平面形状を夫々示す。
【0049】図2(a)及び(b)に示すように、各突
起32は、稜線が面取りされたほぼ四角錐台形状をなし
ている。そして、図2(b)に示すように、これらの突
起32がマトリックス状(綾目状)に配列されて、突起
32間の溝が格子状のパターン(綾目模様)を形成して
いる。ここで、例えば、図2(a)に示すように、各突
起32の高さaは約40μm、図2(c)に示すよう
に、各突起32の上面の長径bは約0.170mm、短
径cは約0.160mmであり、図2(b)に示すよう
に、最近接突起32間の距離(格子間距離)dは約0.
166mm、第2近接突起32間の距離eは約0.23
5mmである。
【0050】図2(a)に、このインク保持用凹凸パタ
ーン33にインク7を保持させた状態を示すが、インク
7はその表面張力により、インク保持用凹凸パターン3
3の突起32の上面よりも高い位置まで付着して保持さ
れる。そして、本実施の形態による転写パッド3では、
インク保持用凹凸パターン33の突起32間の溝内にも
インク7が保持されるため、転写パッド3の外周面が平
坦な場合に比し、多くのインク7を保持することができ
る。また、転写パッド3の外周面30に保持されるイン
ク量の場所的な不均一さも小さくなる。更に、突起32
の高さを予め適宜に設定しておくことにより、転写パッ
ド3の外周面30におけるインク保持(付着)量を最適
値に制御することが可能である。
【0051】上述の効果を得るためには、各突起32の
高さ、即ち、インク保持用凹凸パターン33の凹凸の高
低差は10〜100μmの範囲であるのが好ましく、6
0〜80μmの範囲であるのがより好ましい。インク保
持用凹凸パターン33の凹凸の高低差が10μmよりも
小さいと、インク7を保持する作用が小さくなって、上
述した効果を充分に得ることが難しくなり、一方、10
0μmよりも大きいと、例えば、突起32よりも上にあ
るインク7の量が少なくなって、インク保持用凹凸パタ
ーン33の模様が被印刷面に転写されてしまう虞が生じ
る。
【0052】なお、転写パッド3の外周面30における
インク付着量は、上述した各突起32の高さに限らず、
各突起32の大きさや形状、分布密度の粗密によっても
調節が可能である。
【0053】図3に、このような転写パッド3の製造方
法の一例を示す。
【0054】まず、図3(a)に示すように、転写パッ
ド3の外周面に形成したい突起32の形状及びパターン
に対応した形状及びパターンの凹部81を有する凹板8
0を作製する。そして、その凹板80の表面に、例え
ば、シリコーンゴムの溶液を塗布しておく。次に、やは
りシリコーンゴムで作製した円筒基体34を、図示の如
く、凹板80の表面上を転動させる。これにより、図3
(b)に示すように、円筒基体34の外周面に、凹板8
0の表面の凹凸パターンを反映した形の凹凸パターンを
有する皮膜35が付着する。この後、円筒基体34の全
体をキュアして、その外周面に付着した皮膜35の部分
を硬化させ、外周面に突起32を有する転写パッド3を
得る。
【0055】なお、この製造方法において、凹板80の
凹部81内にのみシリコーンゴムの溶液を保持させて、
円筒基体34の外周面に、皮膜状にではなく、突起32
の部分のみを付着させるようにしても良い。また、凹板
80に形成する凹部81の形状及びパターンは、転写パ
ッド3の外周面30に形成するインク保持用凹凸パター
ン33の形状及びパターンに応じて種々に変更が可能で
ある。更に、後述する例のように(図11参照)、転写
パッド3の外周面30の所定領域にのみインク保持用凹
凸パターン33が形成されるように、凹板80に形成す
る凹部81のパターンを構成することも可能である。
【0056】上述の製造方法により、種々の形状及びパ
ターンのインク保持用凹凸パターン33を転写パッド3
の外周面30に簡便且つ高精度に形成することができ
る。
【0057】図4に、転写パッド3の製造方法の別の例
を示す。
【0058】この方法では、円筒基体34を、ホットロ
ール82の外周面上を相対的に転動させる。83は、円
筒基体34をホットロール82の外周面に押圧するため
のプラテンロールである。ホットロール82の外周面に
は、その一部を拡大した断面で示すように、転写パッド
3の外周面に形成したい突起32の形状及びパターンに
対応した形状及びパターンの凹部84が設けられてお
り、その凹部84内にシリコーンゴムの溶液85が保持
されている。そこで、円筒基体34を、このホットロー
ル82の外周面上を相対的に転動させることにより、図
3で説明した方法と同様、円筒基体34の外周面に突起
32の形状及びパターンでシリコーンゴムの溶液85が
付着する。この後、円筒基体34をキュアして、その外
周面に付着したシリコーンゴムの溶液85を硬化させ、
外周面に突起32を有する転写パッド3を得る。この方
法でも、図3で説明した方法と同様の効果を得ることが
できる。
【0059】図1(a)に示すように、本実施の形態に
よる転写パッド3は、その両端部から中央部に行くに従
い膜厚が連続的に薄くなるように構成されている。一
方、棒状保持部材2の外周面23は、上述した転写パッ
ド3の膜厚の変化に対応してその中央部が膨出した形状
に構成されている。これにより、転写パッド3の膜厚の
変化が相殺され、図示の如く、転写パッド3の外周面3
0を1つの円筒面に構成することができる。なお、転写
パッド3の外周面30には突起32が形成されているた
め、実質的には、突起32の頂面又は頂部が1つの円筒
面内に存在することになるが、転写パッド3の膜厚に比
して突起32は微細なため、ここでは、突起32の存在
を無視して説明する。このように、転写パッド3の外周
面30を1つの円筒面に構成することにより、後述する
転写パターンを載せた転写パッド3の外周面30を被印
刷体(ワーク)である高抵抗管110の内面に等間隔で
近接配置することができる。その結果、ワーク内面への
印刷ずれ等の無い正確な転写を行うことができる。
【0060】次に、この印刷器具1を用いて、高抵抗管
110(以下、「ワークW」と言う。)の内面に導電パ
ターンを印刷する方法を説明する。
【0061】まず、印刷器具1の転写パッド3の有効印
刷領域の表面に印刷用インクである導電ペースト(例え
ば、RuO2 −ガラスペースト:商品名#9516、デ
ュポン社製)を所定のパターンで付着させる。このイン
クを付着させる方法については後述する。
【0062】次に、図5に示すように、内面を印刷する
ワークWの中に、ワークWの内面に転写パッド3が当た
らないように棒状保持部材2の中心軸をワークWの管軸
に合わせながら印刷すべき位置まで印刷器具1を挿入す
る。
【0063】次に、図1(c)に示すように、棒状保持
部材2の空気導通路21から、例えば、3〜5kg重/
cm2 の圧力で圧縮空気5を送り、空気吹き出し孔22
から吹き出させる。これにより、棒状保持部材2の外周
面23に密着していた転写パッド3の内面が空気吹き出
し孔22の部分から加圧され、転写パッド3が膨張を開
始する。この時、本実施の形態では、転写パッド3の膜
厚を両端部から中央部に向けて連続的に薄くなるように
構成しているので、転写パッド3は、膜厚の薄い中央部
から膜厚の厚い両端部に向けて順次膨らみだす。そし
て、転写パッド3の外周面30は、その中央部から両端
部に向かって順次ワークWの内面に圧着し、転写パッド
3の外周面30に付着しているインク7がワークWの内
面に転写される。また、本実施の形態では、空気吹き出
し孔22を棒状保持部材2の中央部にのみ設けているの
で、転写パッド3がより中央部から膨らみだし易い。
【0064】このように、転写パッド3が中央部から両
端部に向けて順次膨らんでワークWの内面に密着するこ
とにより、転写パッド3の外周面30とワークWの内面
との間の空気が効率よく排出され、それらの間に気泡が
残留することが確実に防止される。この結果、転写パッ
ド3の外周面30とワークWの内面との間の密着不良に
起因する印刷パターンの不良が無くなり、きれいで確実
な印刷を行うことができる。
【0065】図1(d)に、転写パッド3の外周面30
の全面がワークWの内面に密着した状態を示す。この
時、印刷器具1及びワークWのいずれかを回転させるよ
うにしても良い。
【0066】この後、棒状保持部材2への圧縮空気5の
供給を止め、転写パッド3を収縮させて棒状保持部材2
の外周面23に密着するように復帰させる。その後、印
刷器具1をワークWから抜き出す。これにより、ワーク
Wの内面には、転写パッド3の外周面30に付着してい
たインク7のパターンが転写されて、例えば、図7に示
すような導電ペーストのパターンがワークWである高抵
抗管110の内面に塗布形成される。この後、例えば、
高抵抗管110の内面に塗布された導電ペーストを85
0℃で10分間ベーキングし、印刷を完成する。
【0067】次に、転写パッド3にインク7を付着させ
る方法を説明する。
【0068】図8に示すように、金属、ガラス、樹脂等
で構成され、印刷パターンに対応したパターンの凹部6
1がエッチング等で形成された凹板60を用いる。この
凹板60の凹部61にインク7を載せ、その後、例え
ば、ドクターで掻き取って、凹部61をインク7で充填
するとともに、インク7表面を平らにする。次に、印刷
器具1を、例えば、矢印Aの方向に凹板60上を転動さ
せ、凹部61内のインク7を転写パッド3の外周面に付
着させる。これにより、所望パターンのインク7が転写
パッド3の外周面に付着する。
【0069】なお、本例の場合、各凹部61のインク7
が転写パッド3の外周面の全周に渡って付着するワーク
Wの軸に対称な印刷パターンを示しているが、本実施の
形態の印刷器具1では、転写パッド3の外周面に付着さ
せたインクパターンがほぼそのままの形でワークWの内
面に転写されるので、印刷パターンは、ワークWの軸に
非対称なものでも可能であり、目的の印刷パターンに応
じて凹部61のパターン形状を種々に変更することが可
能である。即ち、本発明では、既述したようなゴムロー
ラーを円管内面に転動させる転写法と比較して、かなり
複雑なパターンでも正確に印刷が可能である。また、上
述のような凹板60の代わりに、例えば、シリコン層と
非シリコン層のインクの反発性の違いを利用した水無平
板を用い、上述した凹板60を用いた方法とほぼ同様に
して、転写パッド3の外周面にインク7を所定パターン
で付着させることもできる。
【0070】図9に、本実施の形態の印刷器具1を装備
した印刷装置の例を示す。
【0071】図示の如く、印刷装置は、ワークWを保持
するVブロック50、このVブロック50を図中X−
X′方向に移動させる機構(不図示)、印刷器具1、こ
の印刷器具1を回転駆動する機構(不図示)、印刷器具
1に圧縮空気を送る機構(不図示)、凹板60、この凹
板60を図中Y−Y′方向に移動させる機構(不図
示)、凹板60を図中Z−Z′方向に移動させる機構
(不図示)、及び、凹板60の表面を掻き取るドクター
62を備えている。
【0072】例えば、スタート時は、凹板60が図示の
位置よりも下方に在り、印刷器具1から離間している。
そこで、まず、内面を印刷する円管型のワークWをVブ
ロック50のV字溝51に固定する。これにより、ワー
クWの管軸と印刷器具1の中心軸とが同軸に配置される
ようになっている。次に、不図示のローラー等によるイ
ンク供給装置により凹板60の凹部61にインクを充填
し、更に、余分のインクをドクター62で掻き取る。し
かる後、凹板60を上昇(図中Z′方向)させて、凹板
60の上面と印刷器具1の転写パッド3とが互いに接触
するようにする。次に、凹板60を図中Y′方向に移動
させながら、印刷器具1を、凹板60の移動に同期させ
て回転させる。これにより、凹板60上のインクパター
ンが印刷器具1の転写パッド3外周面に転写され、その
外周面に所定のパターンでインクが付着する。その後、
凹板60を下降(図中Z方向)させ、印刷器具1から離
間させる。次に、Vブロック50を図中X′方向に移動
させ、相対的に印刷器具1をワークWの円孔内に挿入す
る。しかる後、図示省略したコンプレッサー等から圧縮
空気5を印刷器具1に供給し、転写パッド3を膨張させ
る。これにより、転写パッド3の外周面がワークWの内
面に圧着し、その転写パッド3の外周面に付着していた
インクがワークWの内面に転写される。この後、例え
ば、図示省略したバルブを切り換える等により圧縮空気
5の供給を止める。これにより、転写パッド3が収縮し
て元に戻り、転写パッド3の外周面がワークWの内面か
ら離間する。次に、Vブロック50を図中X方向に移動
させて、相対的に印刷器具1をワークWから抜き出す。
これにより、転写工程が完了する。この印刷装置におい
て、例えば、転写が済んだワークWの取り外し、及び、
新しいワークWの取り付け等を自動化することにより、
高効率で転写印刷を行うことができる。
【0073】以上に説明した本発明の第1の実施の形態
によれば、簡単な操作でしかも1回の転写操作で非常に
迅速に被印刷体(ワーク)Wの内面に転写印刷を行うこ
とができる。また、印刷器具1はかなり細く構成するこ
とができるため、例えば、陰極線管の主レンズ系を構成
するかなり小径の高抵抗管110の内面に導電パターン
を印刷する場合にも好適に用い得る。更に、転写印刷で
あるため、ディスペンサーやインクジェット方式等の直
接描画方式の場合のようにインク噴き出し孔にインクが
詰まるという問題を生じない。
【0074】なお、印刷膜厚を厚くしたい場合には、上
述した1回の転写操作を繰り返すことにより、厚い膜厚
の印刷も可能である。
【0075】また、転写パッド3の転写面である外周面
30に突起32を設けてインク保持用凹凸パターン33
を形成しているので、転写パッド3の外周面30が平坦
な場合に比し、転写面に多くのインク7を付着させるこ
とができる。従って、いわゆるタコ印刷の原理が採れて
被印刷面への転写率が向上する。また、被印刷面への転
写率の変動も小さくすることができ、安定且つ確実な転
写を行うことができる。更に、突起32の高さや形状、
分布密度等を適宜に設定することにより、転写パッド3
の転写面へのインク7の付着量を最適値に制御すること
が比較的容易である。更に、この第1の実施の形態で
は、転写パッド3の外周面30の有効印刷領域の全面に
インク保持用凹凸パターン33を設けているので、同一
仕様の転写パッド3で種々の印刷パターンに対応するこ
とができる。
【0076】更に、この第1の実施の形態では、転写パ
ッド3の膜厚を両端部から中央部に向かって次第に薄く
なるように構成して、転写パッド3が膨張する時に、そ
の転写パッド3の外周面30が中央部から両端部に向か
って順次被印刷体(ワーク)Wの内面に密着するように
している。従って、転写パッド3の外周面30と被印刷
体(ワーク)Wの内面との間の空気を効率良く排出する
ことができ、それらの間に気泡が残留することを確実に
防止することができる。この結果、パターン欠け等の印
刷不良が無いきれいで確実な印刷を行うことができる。
また、転写パッド3を膨張させるための圧縮空気の圧力
を比較的低く設定することができ、その結果、転写パッ
ド3に加わるストレスを軽減することができて、転写パ
ッド3の寿命を長くすることができる。更に、転写パッ
ド3を保持する棒状保持部材2の外周面23を、転写パ
ッド3の膜厚の変化を相殺する形状に構成して、転写パ
ッド3が収縮した状態の時にその転写パッド3の外周面
30が1つの円筒面を構成するようにしているので、例
えば、高抵抗管110等の被印刷体(ワーク)Wの円筒
内面への転写精度を極めて高くすることができる。
【0077】ちなみに、この本発明の第1の実施の形態
による印刷器具1を用いて陰極線管用の高抵抗管110
を製造した場合と、従来のディスペンサー方式で製造し
た場合を比較すると、スループットは、本発明の場合が
1分/サイクル、従来の場合が7分/サイクルであっ
た。また、製品歩留りは、本発明の場合が98%、従来
の場合が80%であった。従って、本発明により、高効
率で且つ確実に印刷の行われることが分かる。
【0078】なお、上述した第1の実施の形態におい
て、転写パッド3の有効印刷領域に比してワークWの長
さが短い場合、そのワークWの両端部にワークWの内径
とほぼ同じ内径の補助リングを配置しても良い。これに
より、転写パッド3が膨張した時に、短いワークWと締
結バンド4との間の領域で転写パッド3の膨張が進んで
転写パッド3が破裂することを確実に防止することがで
きる。但し、この第1の実施の形態では、転写パッド3
の両端部の膜厚を相対的に大きくしているので、その両
端部近傍部分は比較的膨張し難く、従って、転写パッド
3の有効印刷領域とワークWの長さとの差がそれ程大き
くない場合には、上述のような補助リングを用いなくて
も、転写パッド3の破裂は起こり難いという効果が有
る。
【0079】図10に、本発明の第2の実施の形態によ
る転写パッド3を示す。この転写パッド3以外の構成
は、上述した第1の実施の形態と同じである。
【0080】この第2の実施の形態では、転写パッド3
の外周面30に形成するインク保持用凹凸パターン33
を、突起ではなく、多数の細い溝36により構成してい
る。これ以外の構成は、上述した第1の実施の形態の場
合と同じである。なお、図10(a)の例では、溝36
を転写パッド3の軸方向に設けているが、溝36を設け
る方向は、例えば、図10(b)に示すように、転写パ
ッド3の円周方向や、図10(c)に示すように、転写
パッド3の軸に対して傾斜した方向でも良い。また、溝
36を直角格子状や斜格子状に設けても良い。その場合
には、インク保持用凹凸パターン33は、上述した第1
の実施の形態と実質的に殆ど変わらないものとなる。即
ち、インク保持用凹凸パターン33を突起により形成す
るか溝により形成するかは、単に、その製造方法の違い
だけであって、それにより得られるインク保持用凹凸パ
ターン33の作用は、パターンの形状、大きさ、分布密
度等が同じであれば、実質的に同一である。
【0081】従って、この第2の実施の形態でも、上述
した第1の実施の形態と実質的に同じ効果が得られる。
【0082】図11に、本発明の第3の実施の形態によ
る転写パッド3を示す。この転写パッド3以外の構成
は、上述した第1の実施の形態と同じである。
【0083】この第3の実施の形態では、転写パッド3
の外周面30に形成するインク保持用凹凸パターン33
を、有効印刷領域の全面ではなく、被印刷面に転写する
印刷パターンに対応した領域にのみ設けている。これ以
外の構成は、上述した第1の実施の形態の場合と同じで
ある。
【0084】この第3の実施の形態では、被印刷面に転
写する印刷パターンに対応した領域にのみインク保持用
凹凸パターン33を設けているので、例えば、インク保
持用凹凸パターン33の凹部における毛細管現象等によ
り印刷パターンの輪郭がぼける等の不具合を防止するこ
とができる。従って、輪郭のはっきりした正確な転写を
行うことができる。
【0085】図12に、本発明の第4の実施の形態によ
る転写パッド3の断面形状を示す。この転写パッド3以
外の構成は、上述した第1の実施の形態と同じである。
【0086】この第4の実施の形態では、転写パッド3
の外周面30に設ける突起32の高さを、転写パッド3
の両端部で相対的に高く、中央部で相対的に低くなるよ
うに連続的に変化させている。これ以外の構成は、上述
した第1の実施の形態の場合と同じである。
【0087】このように構成することにより、転写パッ
ド3の外周面30に付着するインク7の量は、転写パッ
ド3の中央部から両端部に行くほど多くなる。即ち、比
較的転写効率が高い中央部から比較的転写効率が低い両
端部に行くほどインク7の量が多くなって、その結果、
有効印刷領域の全面に渡って均一な転写効率が得られ
る。
【0088】なお、このように転写パッド3の外周面3
0の場所により付着させるインク量を変える方法として
は、上述したような突起32の高さ、即ち、インク保持
用凹凸パターン33の凹凸の高低差を変える以外に、凹
部又は凸部の大きさや形状を場所により変えたり、或い
は、凹凸の分布密度を場所により変えたりする方法も有
り、それらを採ることもできる。また、これらの方法を
組み合わせて用いることも可能である。
【0089】図13に、本発明の第5の実施の形態によ
る印刷器具1を示す。この第5の実施の形態において、
上述した第1の実施の形態と対応する部位には上述した
第1の実施の形態と同一の符号を付す。
【0090】この第5の実施の形態では、上述した第1
の実施の形態と同様の構成において、空気吹き出し孔2
2が、棒状保持部材2の長手方向(軸方向)の複数ヶ所
(図示の例では5ヶ所)の周りに設けられている。これ
以外の構成は、上述した第1の実施の形態と同じであ
る。
【0091】この第5の実施の形態の構成でも、転写パ
ッド3は、その膜厚の薄い中央部から膜厚の厚い両端部
に向かって順次膨張して行き、その中央部から両端部に
向かって順次ワークWの内面に密着する。従って、上述
した第1の実施の形態の場合と同様、転写パッド3の外
周面30とワークWの内面との間の空気が、この膨張す
る転写パッド3に押し出されて確実に排出され、転写パ
ッド3の外周面30とワークWの内面との間に気泡が残
留することが確実に防止される。その結果、上述した第
1の実施の形態と同様、パターン欠け等の印刷不良が無
いきれいで確実な印刷を行うことができるという効果が
得られる。
【0092】また、この第5の実施の形態においては、
転写パッド3の中央部から両端部に向かって空気吹き出
し孔22の径を順次小さく又は大きくすること等によ
り、転写パッド3の膨張の仕方を微調整することが可能
である。
【0093】以上、本発明を好ましい実施の形態に従い
説明したが、本発明は上述した実施の形態に限定される
ものではない。例えば、上述の実施の形態では、転写パ
ッド3を膨張させるために圧縮空気を用いたが、転写パ
ッド3を膨張させるための加圧流体としては、空気以外
のガスや油等の液体を用いることもできる。
【0094】また、内面に印刷を施す被印刷体(ワー
ク)としては、上述の実施の形態で例示した陰極線管の
電子レンズ系を構成する高抵抗管に限られず、例えば、
VTR等のロータリートランスコイルやモーターのステ
ーター若しくはローターのコイル等、種々の円筒部品の
内面印刷に本発明は適用が可能である。
【0095】また、本発明は、導電性のパターンを印刷
する場合に限らず、絶縁性のパターンを印刷する場合に
も適用が可能である。更に、本発明では、導電性のパタ
ーンと絶縁性のパターンを同時に印刷することも可能で
ある。
【0096】また、本発明は、円筒部品に限らず、被印
刷体の円形の孔若しくは穴の内面を印刷する場合に適用
が可能である。更に、被印刷体の孔若しくは穴の形状は
真円でなくとも円に近ければ、それに対応した断面形状
の本発明の印刷器具を用いることにより、簡便で精確な
印刷が可能である。更に、本発明は、孔若しくは穴の内
面に限らず、例えば、溝の内面のような曲面状の被印刷
面に印刷を施す場合にも適用が可能である。
【0097】
【発明の効果】本発明では、加圧流体の加圧により膨張
して被印刷面に接触し、その被印刷面に転写を行う印刷
用転写パッドの転写面の少なくとも一部の領域にインク
保持用凹凸パターンを設けている。従って、転写面が平
坦な場合に比し、転写面に予め付着させるインク量を多
くすることができて、転写効率を向上させることができ
る。また、転写効率の変動も小さくすることができ、安
定且つ確実な転写を行うことができる。更に、インク保
持用凹凸パターンにより、転写面に予め付着させるイン
ク量を制御することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態による印刷器具の断
面図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態による印刷器具のイ
ンク保持用凹凸パターンの拡大図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態による印刷器具のイ
ンク保持用凹凸パターンの製造方法を示す概略図及び断
面図である。
【図4】インク保持用凹凸パターンの別の製造方法を示
す概略図である。
【図5】本発明の第1の実施の形態による印刷器具の外
観斜視図である。
【図6】本発明の印刷器具により印刷されるワークとし
ての陰極線管用の高抵抗管を示す概略断面図である。
【図7】図6に示した高抵抗管の拡大断面図である。
【図8】本発明の第1の実施の形態による印刷器具への
インクの供給方法を示す概略図である。
【図9】本発明の第1の実施の形態による印刷器具を備
えた印刷装置による印刷方法を示す概略図である。
【図10】本発明の第2の実施の形態による印刷器具の
転写パッドの一部破断斜視図である。
【図11】本発明の第3の実施の形態による印刷器具の
転写パッドの外観斜視図である。
【図12】本発明の第4の実施の形態による印刷器具の
転写パッドの断面図である。
【図13】本発明の第5の実施の形態による印刷器具の
断面図である。
【符号の説明】
1…印刷器具、2…棒状保持部材、3…転写パッド、4
…締結バンド、5…圧縮空気、7…インク、21…空気
導通路、22…空気吹き出し孔、23…外周面、24…
延長部分、25…ロータリーエアジョイント、26…ベ
アリング部、30…外周面、31…凹部、32…突起、
33…インク保持用凹凸パターン、34…円筒基体、3
5…皮膜、36…溝、50…Vブロック、51…V字
溝、60…凹板、61…凹部、62…ドクター、80…
凹板、81…凹部、82…ホットロール、83…プラテ
ンロール、84…凹部、85…シリコーンゴムの溶液、
100…陰極線管、110…高抵抗管、111〜113
…電極膜、114…導電リング、W…ワーク
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小沢 兼一 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内

Claims (30)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被印刷面に近接して対向配置され、加圧
    流体の加圧により膨張して前記被印刷面に接触し、前記
    加圧を解除した時に収縮して元の状態に復帰する印刷用
    転写パッドであって、 前記被印刷面に接触する転写面の少なくとも一部の領域
    にインク保持用凹凸パターンが形成されている印刷用転
    写パッド。
  2. 【請求項2】 前記インク保持用凹凸パターンが格子状
    のパターンに形成されている、請求項1に記載の印刷用
    転写パッド。
  3. 【請求項3】 前記インク保持用凹凸パターンの凹凸の
    高低差が10〜100μmの範囲である、請求項1に記
    載の印刷用転写パッド。
  4. 【請求項4】 前記インク保持用凹凸パターンが、前記
    転写面に設けられた突起により形成されている、請求項
    1に記載の印刷用転写パッド。
  5. 【請求項5】 前記インク保持用凹凸パターンが、前記
    転写面に設けられた溝により形成されている、請求項1
    に記載の印刷用転写パッド。
  6. 【請求項6】 前記転写パッドが収縮した状態の時、前
    記転写パッドの前記インク保持用凹凸パターンの凸部の
    頂部が実質的に1つの円筒面内に存在する、請求項1に
    記載の印刷用転写パッド。
  7. 【請求項7】 前記インク保持用凹凸パターンが実質的
    に前記転写面の全面に設けられている、請求項1に記載
    の印刷用転写パッド。
  8. 【請求項8】 前記インク保持用凹凸パターンが、前記
    被印刷面に転写される転写パターンに対応した前記転写
    面の領域にのみ設けられている、請求項1に記載の印刷
    用転写パッド。
  9. 【請求項9】 前記インク保持用凹凸パターンの凹凸の
    高低差が、中央部で小さく、両端部で大きくなるように
    連続的に変化している、請求項1に記載の印刷用転写パ
    ッド。
  10. 【請求項10】 所定パターンの凹部が形成された弾性
    材料保持体の少なくとも前記凹部内を含む表面上に弾性
    材料を保持させ、円筒状の弾性基体を前記弾性材料保持
    体に接して相対的に転動させて、前記弾性基体の外周面
    に前記弾性材料を前記凹部の前記パターンを反映した形
    で付着させ、しかる後、前記弾性基体の前記外周面に付
    着した前記弾性材料を硬化させる、印刷用転写パッドの
    製造方法。
  11. 【請求項11】 加圧流体の吹き出し孔を外周面に有す
    る保持部材と、 前記保持部材の前記外周面を離間可能に被覆し、前記加
    圧流体の加圧により膨張し、前記加圧を解除した時に収
    縮して元の状態に復帰する転写パッドであって、外面の
    少なくとも一部の領域にインク保持用凹凸パターンが形
    成されている転写パッドとを備えた印刷器具。
  12. 【請求項12】 前記インク保持用凹凸パターンが格子
    状のパターンに形成されている、請求項11に記載の印
    刷器具。
  13. 【請求項13】 前記インク保持用凹凸パターンの凹凸
    の高低差が10〜100μmの範囲である、請求項11
    に記載の印刷器具。
  14. 【請求項14】 前記インク保持用凹凸パターンが、前
    記外面に設けられた突起により形成されている、請求項
    11に記載の印刷器具。
  15. 【請求項15】 前記インク保持用凹凸パターンが、前
    記外面に設けられた溝により形成されている、請求項1
    1に記載の印刷器具。
  16. 【請求項16】 前記インク保持用凹凸パターンが実質
    的に前記外面の全面に設けられている、請求項11に記
    載の印刷器具。
  17. 【請求項17】 前記インク保持用凹凸パターンが、被
    印刷面に転写される転写パターンに対応した前記外面の
    領域にのみ設けられている、請求項11に記載の印刷器
    具。
  18. 【請求項18】 前記インク保持用凹凸パターンの凹凸
    の高低差が、中央部で小さく、両端部で大きくなるよう
    に連続的に変化している、請求項11に記載の印刷器
    具。
  19. 【請求項19】 前記転写パッドの中央部の膜厚が両端
    部の膜厚よりも小さくなるように、前記転写パッドの膜
    厚が連続的に変化している、請求項11に記載の印刷器
    具。
  20. 【請求項20】 前記転写パッドの前記中央部に対応し
    た位置の前記保持部材の前記外周面に前記吹き出し孔が
    設けられている、請求項19に記載の印刷器具。
  21. 【請求項21】 前記保持部材の前記外周面が、前記転
    写パッドの膜厚の変化に対応してその変化を相殺する形
    状に構成されている、請求項19に記載の印刷器具。
  22. 【請求項22】 前記転写パッドが収縮した状態の時、
    前記転写パッドの前記インク保持用凹凸パターンの凸部
    の頂部が実質的に1つの円筒面内に存在するように前記
    保持部材の前記外周面が形成されている、請求項21に
    記載の印刷器具。
  23. 【請求項23】 前記吹き出し孔が、前記保持部材の長
    手方向の1ヶ所の周りに設けられている、請求項11に
    記載の印刷器具。
  24. 【請求項24】 前記吹き出し孔が、前記保持部材の長
    手方向の複数ヶ所の周りに設けられている、請求項11
    に記載の印刷器具。
  25. 【請求項25】 加圧流体の吹き出し孔を外周面に有す
    る保持部材と、その保持部材の前記外周面を離間可能に
    被覆した、外面の少なくとも一部の領域にインク保持用
    凹凸パターンを有する転写パッドとを備えた印刷器具を
    被印刷面に対向させ、前記加圧流体の加圧により前記転
    写パッドを膨張させて前記被印刷面に接触させ、前記転
    写パッドの前記外面に予め付着させたインクを前記被印
    刷面に転写する印刷方法。
  26. 【請求項26】 前記印刷面が曲面である、請求項25
    に記載の印刷方法。
  27. 【請求項27】 前記保持部材が棒状であり、前記被印
    刷面が、被印刷体に設けられた穴の内面である、請求項
    26に記載の印刷方法。
  28. 【請求項28】 前記転写パッドの前記外面に予め付着
    させるインクの量を前記インク保持用凹凸パターンの凹
    凸の高低差、凹部又は凸部の大きさ、及び、分布密度の
    少なくとも1種により制御する、請求項25に記載の印
    刷方法。
  29. 【請求項29】 前記転写パッドの前記外面に予め付着
    させるインクの量を前記外面内で変化させる、請求項2
    5に記載の印刷方法。
  30. 【請求項30】 円筒部品又は円筒部分の内周面に導電
    パターンを形成する際に適用する、請求項25に記載の
    印刷方法。
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