JPH10166057A - 反りの少ない残留応力制御レールの製造方法 - Google Patents
反りの少ない残留応力制御レールの製造方法Info
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Abstract
上下方向の反りを、低コストで制御する反りの少ない残
留応力制御レールの製造方法の提供。 【解決手段】 レールの製造におけるローラー矯正後の
レールを上下方向に圧下する軽圧下圧延において、軽圧
下圧延の入口側でレールの頭頂と足裏を、スケール除
去、洗浄、脱脂、またはこれらに潤滑剤を塗布して摩擦
条件を調整することによって、上下方向の反りを制御す
る。また、摩擦条件を一定化した上で、適当な幅方向共
立の上下ロールで圧延すること、またはローラー矯正で
あらかじめ圧延で生じる方向と逆の方向の反りを与える
ことで反りを制御する。軽圧下圧延前の摩擦条件を安定
化させることによって発生する反り量が、予測および調
整できるようになり、矯正量や圧下量等の圧延制御を組
み合わせることによって、低コストの上で、残留応力制
御されて、かつ、反りを制御した形状のよいレールの製
造ができるようになった。
Description
る残留応力を制御する軽圧下圧延に際してこれに伴う形
状不良、特に反りを解消する方法に関する。
で、垂直のローラー矯正を行っている。この矯正工程で
は残留応力として頭部と底部に長手方向引張応力、柱部
に圧縮応力が生じる。これらの残留応力によって頭部は
上へ、足部は下へと逆方向に反りかえろうとするので、
腹部に脆性亀裂ができた場合、亀裂の伝播を著しく促進
させる危険性がある。かつて、米国で実際に腹部脆性亀
裂の伝播によるレールの破損事故があり、大きな問題と
なり、この原因の1つにこの残留応力分布が考えられて
いた。
しくは機械的に緩和する方法が提案された。
平2−282426号開示での「パーライト変態を利用
した、脆性亀裂が頭頂側へ抜けないことを目的とした方
法」が知られているが、腹部脆性亀裂自体をそれほど短
くできていない。
7−185660号開示での「ローラー矯正での塑性変
形を軽くすることにより残留応力を軽減する方法」特開
平6−312216号開示での「ローラー矯正後段で小
径ロールで軽く圧延する方法」が知られている。
と足裏の表層に圧縮応力を付加するので、腹部脆性亀裂
の伝播を抑制する残留応力分布が得られ、手段として比
較的簡単であるにもかかわらず抜本的に残留応力分布が
改善される点で、非常に有効である。特に小径ロールと
した理由は塑性変形を頭頂と足裏に限定するためであ
り、全体としての形状をほとんど変えることなく残留応
力が付与できるからである。
となく実施例に示されるように4億通トン以上の長寿命
のレールが得られることがわかった。しかし、特開平6
−312216号開示の方法は、矯正後であるにも関わ
らず、特に上反り等の形状不良が生じることがある。こ
の上反りは最大で12mあたり60mm(曲率半径で3
00m、二次係数換算の曲率(以降単に曲率)で167
×10-3m-1)にも達し、AREAの規格である12m
あたり19mmの反り量を遙かに上回る。このような場
合、仕上げにプレス矯正を行ったり、再度曲げ矯正を負
荷する等の対応が必要になる。特に、再度の曲げ矯正を
与えることは残留応力制御の効果がなくなるので、好ま
しくない。
次関数y=ax2に近似させたときのaを2次係数とす
る。
り、また反り量をδとすると、δ≒a×(12)2/4
(m)の関係にある。
後に残留応力制御するレールの冷間軽圧下圧延(以後単
に軽圧下圧延)で生じる上下方向の反りを、その後にプ
レス矯正や曲げ矯正を行わないで制御することを目的と
している。
ーラー矯正機で真直に矯正されたレールについてロール
との摩擦条件を変えた軽圧下圧延実験と圧延解析を数多
く試み、低コストでの反りの発生しない残留応力制御方
法を検討した。
での異周速圧延による制御方法が考えられた。これがで
きれば発生する上反りに合わせて周速を設定すればよい
ので、簡単に反りの制御ができるはずであった。
ルからレールへのマーキングの転写で先進率を測定した
ところ、反りの曲率よりも先進率の方が大きく測定さ
れ、レールとロールの間に既にスべリが存在することが
判明した。また、反りで生じるひずみ差より十分大きい
2%までの異周速圧延を行ったところ、上反りのなくな
る条件を発見できなかった。さらに、異周速圧延では、
レールに不安定な挙動が生じ、圧延自体が不安定となっ
た。したがって、異周速圧延で反りを制御することはほ
とんど不可能であることがわかった。
上ロールが新品で表面粗度の細かいときに反りが小さい
ことが傾向として現れた。この事実は頭頂側の摩擦係数
が低いと反りが小さくなることを意味している。
き、摩擦係数が高いと荷重が高くなることがわかてい
る。この原理によれば、同じ荷重のとき摩擦係数が低く
なると圧下率が高くなることが言える。この軽圧下圧延
でも上下で同じ荷重で圧延するのであるから、摩擦係数
の低い方に大きい塑性変形が生じ、これを外側にするよ
うな反りが生じると考えられる。
所で使われており、摩擦係数が上下で異なればそこで生
じる塑性変形量の差によて反りが生じやすいことも既知
である。ただし、板圧延での摩擦の差による反りの発生
はその素材のあまり剛性の高くない方向に生じるもので
あるので、レールの反りのように剛性の大きいものにも
摩擦の差による反りの発生が生じるとはにわかには考え
がたい。
を用いることはほとんどなくレールの上下で摩擦係数が
相違することはマクロ的には存在しないはずである。ま
た、ローラー矯正では潤滑による形状の影響はほとんど
見られていない。したがって、従来の実験や製造におい
て、レールとロールとの摩擦条件についてはほとんど注
意が払われておらず、これを用いた対策も考えられてい
なかった。
ぼすと推察されたので、この関係を詳細に検討した結
果、以下のような知見が得られた。
下圧延ではスケールの噛み込み等により頭頂側の摩擦係
数が足裏側に比べて大きくなり、これが上反りの原因の
1つとなっている。
大きく左右され、上反りを減少させるには頭頂側をスケ
ール除去、洗浄、潤滑して摩擦係数を下げることが有効
である。
を上げることによって上反りを減少させることができ
る。
摩擦係数を上げ、レールやロールに疵を入れることがあ
る。
用いる方法もあるが、ローラー矯正で機械的に剥離しか
けている状態であるので、水や圧縮空気を当てることや
機械的にブラシでかき落とすような洗浄によってでも十
分に取れることが多い。
係数を下げることになるが、金属接触を起こさせるとい
う意味では摩擦係数を上げることにもなる。
ローラー矯正で剥離したスケールが載ったまま残りやす
く、逆に足裏はその表面が下を向いているのでスケール
が落ちやすい。
昇によって上反りを助長する傾向がある。
こさせる意味で、摩擦係数を上げる意味がある。
リース等の潤滑油が有効であるが、粘度の高い廃油でも
有効である。
擦係数を上げる)ためには砂やスケールを混ぜることが
有効である。
ケール除去、洗浄、脱脂の工程を飛ばして潤滑剤をその
上に塗布して摩擦条件を安定化させることができる。
ルにレール頭頂に乗ったまま残った酸化スケールが直接
触れ、これによってロール表面が粗くなり、圧延の度に
摩擦係数が高くなっていく傾向がある。
ち、また、機械油、疵防止油等の潤滑効果のあるものに
触れたり、この機械油等が足裏側のローラーに転写され
て不均一に潤滑されたり、レール毎に摩擦条件が異なっ
たりした。
発生量は圧延前の曲率に関係しない。すなわち、先に逆
方向に軽圧下圧延での上反り分の反りを与えておけば、
圧延後に反りのないレールができる。
で無潤滑、足裏で一定量の油塗布による潤滑として安定
させると、上反りの発生量は圧延荷重を変化させても、
頭方向へほぼ曲率半径で770m前後で一定となる。
は、頭頂と足裏で長手方向の塑性ひずみ量の差によって
生じる。
ルに加わる長手方向ひずみ量に大きく影響する。
0mm以上とした場合は、接触領域が分散しすぎて足裏
側に塑性変形ができず、ほとんど圧縮応力を付与するこ
とができない。
mm以下にした場合は、塑性変形が十分生じるので、足
裏側に圧縮の応力ができるが、塑性変形が集中しすぎ、
上反りが生じる。
があり、この範囲内では制御されるレールの残留応力分
布やレール断面形状が大きくは変化しない。
ほぼ楕円形状になり、上ロールとレール頭頂との接触は
適当な範囲にロール形状と製品形状の曲率を等しくすれ
ば、接触面がほぼ長方形になる。
頭頂との幅方向曲率を等しくし、下ールの幅方向曲率半
径が、700mm以上1600mm以下の時、荷重の増
加に伴て接触面積の上下での逆転が起きる。
れ、その要旨は次の通りである。
ー矯正機を通過させて曲がりを矯正した後、その矯正レ
ール頭部及び底部の長手方向に生じた引張残留応力をそ
の後に配置した50〜300mmの小径ロールをもつ圧
延機で上下方向圧下の冷間圧延をすることによって圧縮
残留応力とするに際して、矯正機入り側から冷間圧延の
入り側の間で、少なくともレールの頭部と底部表面のど
ちらかについて、少なくともスケール除去、洗浄、脱
脂、またはこれらに潤滑剤塗布することのどれか1つ以
上を施して摩擦係数を調整し、反りを実質的に許容範囲
に調整することを特徴とする反りの少ない残留応力制御
レールの製造方法。
数を、足部側に比べて低調整することを特徴とする反り
の少ない残留応力制御レールの製造方法。
足側へ反りを付与してから、逆方向に同じだけの反りを
発生させる条件の上下方向に圧下する冷間圧延を施すこ
とを特徴とする反りの少ない残留応力制御レールの製造
方法。
数を足部側に比べて低く調整して冷間圧延することを特
徴とする反りの少ない残留応力制御レールの製造方法。
部寸法と等しい曲率を持つ上ロールと、半径700〜1
600mmの曲率を持つ下ロールを用いて、荷重を変化
させて反り量の調整をすることを特徴とする反りの少な
い残留応力制御レールの製造方法。
で無潤滑または同一潤滑剤を使用することを特徴とする
反りの少ない残留応力制御レールの製造方法。
を生じないように軽圧下圧延でのレールとロールとの摩
擦条件を意図的に調整する手段と、摩擦の条件を揃える
ことで反り量に再現性を持たせて、予測される反りに対
して逆方向に同じだけの反りを発生させる条件を付与す
る手段とがある。
のレールとロールとの摩擦条件を意図的に調整する手段
について考える。
レール頭頂と足裏では安定していない摩擦条件になって
いた。
除去、洗浄、脱脂、潤滑材塗布による摩擦条件の調整に
よる反り制御手段を考えた。請求項1および2はこの考
え方に基づくものである。
に摩擦係数を下げるような処理を行い、足裏に摩擦係数
を上げるような処理をすることが望ましい。この場合、
上記知見(2〜11)に示したように、摩擦係数を上げ
る処理は、脱脂、洗浄、砂やスケールの塗布(添加)で
あり、摩擦係数を下げる処理は、潤滑剤塗布である。
逆の措置が必要になるので、この場合、好ましくは頭頂
に摩擦係数を下げるような処理を行い、足裏に摩擦係数
を上げるような処理をすることが望ましい。
施した例を示す。
3の表面に付着していたスケールが剥離しやすくなる。
これをスケール除去装置4で除去し、洗浄脱脂装置5で
洗浄および脱脂し、潤滑剤塗布装置6で潤滑油を塗布す
る。これらの4、5、6は軽圧下圧延の摩擦条件を安定
化させるためのものである。これらの処理のうち、付着
していたスケール量が少ない等の状況に応じて、スケー
ル除去、洗浄、脱脂、潤滑剤塗布の各工程の内幾つかを
省略することが可能である。これらの手段4、5、6は
矯正機の入り側でもよいが図1のように軽圧下ロール2
に入る直前の方が望ましい。このように処理されたレー
ル3は軽圧下圧延ロール2によて圧延され、残留応力分
布の制御が成される。
とで反り量に再現性を持たせて、予測される反りに対し
て逆方向に同じだけの反りを発生させる条件を付与する
手段を説明する。
くならなくても、15)の知見により、必要な矯正量が
予測できた場合には、軽圧下圧延またはローラー矯正で
安定的に逆方向へ反る条件を付与して反り制御すること
が可能である。
予めローラーレベラーで予想される反りに対して逆方向
の反りを付与するものである。特に16)の知見による
と、潤滑条件を安定させれば反り量が安定し、逆方向の
反り発生量の予測がし易くなることになる。そこで、反
りの発生量を安定化させるため、好ましくは少なくとも
頭頂もしくは足裏でスケール除去、脱脂、洗浄、潤滑剤
塗布をして摩擦条件を安定化しておくことが望ましい。
数を低くすることでその発生する反り量を少なくさせる
意味がある。
mで19mm以内と決められており、下反りとして、1
300mmより大きい曲率半径を与えた場合、上反りと
してこの規格からはずれる恐れが出る。反り量を15m
m以内に治めるとすれば曲率半で600〜1100mに
すればよい。したがって、好ましくは足側ヘ600〜1
100mの反りを与えることが望ましい。
する。
付与されたレール3を4〜6で処理した後、軽圧下圧延
ロール2で圧延する。とくに、4〜6の処理で頭頂を無
潤滑、足裏を油潤滑とすると、軽圧下圧延で頭方向へほ
ぼ曲率半径770mの上反りが生じるので、この潤滑条
件に固定すると、ローラー矯正機1で付与する下反りは
曲率半径770mである。
することを説明する。
いて、軽圧下圧延で安定的に反りを制御するものであ
る。
は400〜1400kNの範囲であればよく、このと
き、腹部脆性亀裂が伝播し難い残留応力分布に制御さ
れ、1200kNでもレール高さは0.2mm程度しか
減少しないことがわかている。また、1400kN以上
では柱部の座屈の危険が現れ、400kN以下では残留
応力制御が不十分となる。したがって、好ましくは荷重
は400kN〜1400kNの範囲で調節することが望
ましい。
を図2に示す。これによると、荷重を上げていくと、下
ロールとレールの接触面は長手方向と幅方向の両方に伸
びるので2次関数的に、上ロールとレールの接触面は長
手方向のみに伸びるので1次関数的に、それぞれ接触面
が広がる。荷重の増加に対して上ロール側は接触面の広
がり方が少ないので、下ロール側に比べて変形が集中
し、大きく変形する。変形の大きい方が外側になるよう
に反るので、結局、荷重を大きくすると下反りへ変化す
る傾向が出てくる。これを応用して荷重を変化させるこ
とによって反り制御することが可能となる。
の関係を示す。頭頂側の解析値は接触幅が40mmのと
きを想定している。下ロールの曲率半径が700mmの
とき、1400kN近傍で接触面積が等しくなる。ま
た、曲率半径が1200mmのとき600kN近傍で接
触面積が等しくなると計算された。このようにして1
5)の知見が得られた。
察を加える。
側に高い応力が集中するので、足側が大きく変形し、上
反りとなる。逆に頭の接触面積<足裏の接触面積のと
き、頭側に高い応力が集中するので、頭側が大きく変形
し、下反りとなる。しかし、軽圧下圧延では荷重が0か
ら急にかかるわけではな低い荷重で一旦、上反りを生じ
させた後、下反りへの効果が出る。こう考えると、接触
面積が頭部と足裏でほぼ等しい辺りで反りのピークとな
るはずであるが、実際にはこれより少し軽荷重側でピー
クとなる。したがて、図3において直線が交差するあた
りより高荷重側が荷重による反り制御できる範囲とな
る。この領域では荷重を上げると反りは小さくなる方向
になる。知見23)によれば下ロールの幅方向曲率半径
が、700mm以上1600mm以下の時、微妙に制御
できる範囲が存在する。
下ロールの曲率半径が700mmの場合は1400kN
より荷重が十分低ければ上反りとなり、下ロールの曲率
半径が1200mの場合は600kNより荷重が十分高
ければ、上反りのピークのあと下反り方向に移行し、δ
で7m程度の上反りに収束する。足裏付近での残留応力
の分布を考慮すると、好ましくは反りの発生の少な80
0〜1200mmの範囲が望ましい。
で非対称に生じた場合、この解析結果から大きく異なる
ことがある。これを避けるために図1中の4〜6で示す
矯正前の洗浄または脱脂等の工程や、図1中の2で示す
圧延工程での潤滑が上下で等質であることが必要とな
る。したがって請求項6に示すように、好ましくは圧延
前または矯正前に洗浄または脱脂等の工程を入れ、さら
に潤滑が上下で等質であることが望ましい。ただし、こ
れらの影響が小さいときは荷重の調節で反り制御ができ
る。
これは図1中の2の部分に相当する。
している面ではほぼ等しい幅方向曲率を持っている。一
方、下ロール8は幅方向曲率半径が700〜1600m
mの曲率を持っている。請求項5ではレール9は図1の
4〜6の処理の後に圧延され、荷重を調節することで反
りを制御する。このとき、請求項6ではそのときの潤滑
条件を規定したものである。
機で真直に矯正されたレールの軽圧下圧延を数多く行っ
ており、本発明は、レール軽圧下圧延機において実験お
よび検証された。この時の請求項1、2に関連する実験
条件を表1に示し、請求項3、4に関連する実験条件を
表2に示し、請求項5〜6に関連する実験条件を表3に
示す。
なく、圧延荷重800kN、下ロール軸方向曲率半径は
600mm、上ロール曲率半径は250mm、供試レー
ルDHH370−1361bREで統一した。
示す。比較例1と比較してみるとスケール除去だけでも
規格をクリアし、反りの改善は大きいことがわかる。た
だし、足裏に残ったスケールが足裏表面を傷つけるの
で、足裏のスケール除去は行われるのが望ましい。
去を行ったものに対して頭頂側に油潤滑したものであ
る。頭頂を潤滑したことによって反りは少なくなる。こ
れは頭頂の潤滑によって頭頂での長手方向へのひずみが
増加したからである。実施例6は頭頂に付着していたス
ケールの少なかったものについてスケール除去を省略し
て頭頂側に潤滑をおこなったものである。これも実施例
4、5と同様に反りは少なくなった。
して頭頂の潤滑を行わなかったものである。頭頂の潤滑
がなく、足裏の摩擦係数がスケール除去無しより反りが
大きくなった。特に比較例4では頭頂の摩擦係数が足裏
より高くなり、反りは大きくなる。
である。このときは頭頂のスケール除去も行わなかった
ので、頭頂は足裏に比べて非常に高い摩擦係数を持って
いた。このことによって反りは非常に大きくなり、この
廃油の除去は必須と考えられた。
生したわけではないが、反り発生量が比較例4と同様に
なるまで下がった。
小さくなるが、十分ではなかった。
にスキット油を塗布して反りを抑えたものである。この
ように廃油が足裏に付着した場合は脱脂を行った上で頭
頂にスキット油等の潤滑剤を塗布することが望ましい。
反りを調整する方法の例である。廃油が付着した場合は
頭頂を潤滑して摩擦条件を上下で対称にしてやればよ
い。これらは評価はどちらも良好であるが、実施例8は
やや上反りであり、廃油に砂やスケールをまぜれば摩擦
係数を上げることができ、実施例9のほうが反りとして
は良好である。ただし砂やスケールは圧延ロールの表面
を粗くしてしまうので、この点では好ましくない。
mm、上ロール曲率半径は250mmとし、全数スケー
ルを上下で除去したもので比較した。
潤滑の同一潤滑条件で荷重を変化させて、その反りの発
生量を比較したものである。これらの反りはδで23m
m程度で、荷重の変化に対して大きい変化は見られなか
た。そこで、矯正でδで23mm程度の逆方向の反りを
与えてから、再度この条件で軽圧下圧延したところ、形
状の良好なレールが得られた。
滑にした条件で、荷重を変えてその発生量を比較したも
のである。これらの反りはδで12m程度で荷重の変化
に対して大きい変化は見られなかた。そこで、矯正でδ
で12mm(二次係数で6.5×10-4m-1)程度の逆
方向の反りを与えてから、再度この条件で軽圧下圧延し
たところ、形状の良好なレールが得られた。
滑にした条件で、荷重を変えてその発生量を比較したも
のである。これらの上反りはδで12mm程度で荷重の
変化に対して大きい変化は見られなかった。そこで、矯
正でδで12mm(二次係数で3.3×10-4m-1)程
度の逆方向の反りを与えてから、再度この条件で軽圧下
圧延したところ、形状の良好なレールが得られた。
で無潤滑にした条件で、荷重を変えてその発生量を比較
したものである。これらの下反りはδで12mm程度で
荷重の変化に対して大きい変化は見られなかった。そこ
で、矯正で、δで12mm(二次係数で3.3×10-4
m-1)程度の逆方向の反りを与えてから、再度この条件
で軽圧下圧延したところ、形状の良好なレールが得られ
た。
足裏で廃油に砂を混ぜた潤滑にした条件で、荷重を変え
てその発生量を比較したものである。これらの上反りは
基準範囲内であり、矯正等での調整をしないで、形状の
良好なレールが得られた。
上で荷重で反りを調節する方法での実施例と比較例を示
す。
幅方向ロール曲率半径が600mmであるので上反りが
ある。
mmと大きくしたので、上反りが小さくなったが、δが
10mm以上であった。
0mmで上反りのδがl0mm以下になったが、140
0kNの荷重のときは、柱の座屈の危険が考えられた。
ール曲率半径を900mmkNのときにはさらに上反り
が少なくなるが、柱部の座屈の危険が出てきた。
を1200mmに大きくした条件である。この半径では
荷重600kNのときでも10mm以下に納まり、80
0kN、1000kNでも良好であった。
を1600mmに大きくした条件である。荷重400k
N、800kNで上反りは小さかった。ただし残留応力
の評価では20kgf/mm2以上の圧縮を付与できな
かった。
たものであるが、荷重800kNでも圧縮の残留応力を
十分付与できなかった。
ことによって発生する反り量が予測できるようになり、
矯正量や圧下量等の圧延制御を組み合わせることによっ
て、低コストの上で、残留応力制御されて、かつ、反り
を実質的に許容できる範囲内に制御した形状のよいレー
ルの製造ができるようになった。また、潤滑油の組み合
わせによっては圧延制御の組み合わせ無しに制御できる
ため、さらに低コストの上で、残留応力制御されて、か
つ、反りを制御した形状のよいレールの製造ができる可
能性もある。
る。
ある。
Claims (6)
- 【請求項1】 ロールを上下に千鳥配置したローラー矯
正機を通過させて曲がりを矯正した後、その矯正レール
頭部及び底部の長手方向に生じた引張残留応力をその後
に配置した50〜300mmの小径ロールをもつ圧延機
で上下方向圧下の冷間圧延をすることによって圧縮残留
応力とするに際して、矯正機入り側から冷間圧延の入り
側の間で、少なくともレールの頭部と底部表面のどちら
かについて、少なくともスケール除去、洗浄、脱脂、ま
たはこれらに潤滑剤塗布することのどれか1つ以上を施
して摩擦係数を調整し、反りを実質的に許容範囲に調整
することを特徴とする反りの少ない残留応力制御レール
の製造方法。 - 【請求項2】 請求項1において頭部側の摩擦係数を、
足部側に比べて低く調整することを特徴とする反りの少
ない残留応力制御レールの製造方法。 - 【請求項3】 請求項1において、矯正の時点で足側へ
反りを付与してから、逆方向に同じだけの反りを発生さ
せる条件の上下方向に圧下する冷間圧延を施すことを特
徴とする反りの少ない残留応力制御レールの製造方法。 - 【請求項4】 請求項3において頭部側の摩擦係数を足
部側に比べて低く調整して冷間圧延することを特徴とす
る反りの少ない残留応力制御レールの製造方法。 - 【請求項5】 請求項1の冷間圧延において、頭部寸法
と等しい曲率を持つ上ロールと、半径700〜1600
mmの曲率を持つ下ロールを用いて、荷重を変化させて
反り量の調整をすることを特徴とする反りの少ない残留
応力制御レールの製造方法。 - 【請求項6】 請求項5において、頭部と足部とで無潤
滑または同一潤滑剤を使用することを特徴とする反りの
少ない残留応力制御レールの製造方法。
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JP2006346691A (ja) * | 2005-06-14 | 2006-12-28 | Osaka Seitetsu Kk | レール材のデスケーリング装置 |
KR100781387B1 (ko) | 2006-07-11 | 2007-12-03 | 미주레일 주식회사 | 개선된 엘레베이터 가이드 레일의 생산 방법 |
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1996
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