JPH1016422A - 平版印刷版 - Google Patents

平版印刷版

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Publication number
JPH1016422A
JPH1016422A JP17100496A JP17100496A JPH1016422A JP H1016422 A JPH1016422 A JP H1016422A JP 17100496 A JP17100496 A JP 17100496A JP 17100496 A JP17100496 A JP 17100496A JP H1016422 A JPH1016422 A JP H1016422A
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JP
Japan
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layer
water
hydrophilic swelling
hydrophilic
swelling layer
Prior art date
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Pending
Application number
JP17100496A
Other languages
English (en)
Inventor
Kenichi Tabata
憲一 田畑
Kazuo Kitamura
和夫 北村
Norimasa Ikeda
憲正 池田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
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Publication date
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Publication of JPH1016422A publication Critical patent/JPH1016422A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】耐摩耗性が高く印刷耐久性に優れ、製版時の焼
き出し性、検版性が良好である平版印刷版を得る。 【解決手段】親水性膨潤層を備えた平版印刷版におい
て、白色顔料を含有する層を持つ平版印刷版。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は平版印刷版に関する
ものであり、特に現像処理が簡便で、不感脂化処理を行
うことなく高いインキ反発性を有し、湿し水のコントロ
ール幅が広く、湿し水として純水を使用できる新規な感
光性平版印刷版原版から作製することのできる平版印刷
版に関するものである。
【0002】
【従来の技術】平版印刷とは、画線部と非画線部とを基
本的にほぼ同一平面に存在させ、画線部をインキ受容
性、非画線部をインキ反撥性として、インキの付着性の
差異を利用して、画線部のみにインキを着肉させた後、
紙等の被印刷体にインキを転写して印刷する方式を意味
する。またこのような平版印刷には通常、PS版が用い
られる。
【0003】ここで言うPS版とは、下記のものを意味
する。
【0004】すなわち、米澤輝彦著「PS版概論」
(株)印刷学会出版部(1993)p18〜p81に記
載されているように、親水化処理されたアルミニウム基
板上に親油性の感光性樹脂層を塗布し、フォトリソグラ
フィの技術により画線部は感光層が残存し、一方非画線
部は上記したアルミ基板表面が露出し、該表面に湿し水
層を形成してインキ反撥し、画像形成する水ありPS版
と、湿し水層の代わりにシリコーンゴム層をインキ反撥
層として用いる水なしPS版、いわゆる水なし平版であ
る。
【0005】ここで言う水なし平版とは、非画線部がシ
リコーンゴム、含フッ素化合物などの通常平版印刷で用
いられる油性インキに対してインキ反撥性を有する物質
からなり、湿し水を用いずにインキ着肉性の画線部との
間で画像形成し、印刷可能な印刷版を意味する。
【0006】前者の水ありPS版は実用上優れた印刷版
で、支持体に通常アルミニウムが用いられ、該アルミニ
ウム表面は保水性を有するとともに印刷中に親油性の感
光性樹脂層が該表面から剥離脱落しないように感光層と
の接着性に優れている必要があった。そのため、該アル
ミニウム表面は通常砂目立てされ、さらに必要に応じて
この砂目立てされた表面を陽極酸化するなどの処理が施
され、保水性の向上と該感光性樹脂層に対する接着性の
補強が計られてきた。また、該感光性樹脂層の保存安定
性を得るために該アルミニウム表面はフッ化ジルコニウ
ム、ケイ酸ナトリウムなどの化学処理が一般的に施され
ている。
【0007】このように水ありPS版は、製造工程が複
雑でありその簡易化が望まれていたが、該版の優れた印
刷特性(耐刷性、画像再現性など)から広く使用されて
いる。
【0008】上記問題を解決すべく、アルミニウム基板
と同等もしくはそれ以上の印刷特性を有し、しかも材料
コストが安くかつ簡易な製造工程によるアルミニウム基
板とは異なる新規な平版材料の提案がある。例えば、特
公昭56−2938号公報においては、アルミニウム基
板に代えて親水性高分子材料からなるインキ反撥層を塗
設した支持体を用い、該支持体上に感光層を形成する方
法が提案されている。
【0009】しかしながら、該方法は、ポリ塩化ビニ
ル、ポリウレタン、ポリビニルアルコールのアルデヒド
縮合物の耐水性層上に親水性層として尿素樹脂が単純塗
布されているものであるため、該層は十分な保水性を持
たずインキ反撥性が不十分であるうえ、感光性樹脂層と
の密着性にも劣るものであり、耐刷性が不十分なもので
あった。
【0010】また、特開昭57−179852号公報に
おいては、支持体上に親水性ラジカル重合化合物を塗設
し、活性光線の照射によって該支持体表面を親水化処理
し、感光性樹脂層を塗設する方法が提案されている。し
かしながら、該方法によって形成された親水性表面層も
保水性は不十分であり、また剛直で耐刷性には乏しいも
のであった。
【0011】また、USP2532865号明細書にお
いては、直描型平版印刷原版のインキ反撥層としてPV
A、澱粉のような弱い親水性を示すポリマおよび合成樹
脂エマルジョン等の水分散性樹脂、およびシリカ、炭酸
カルシウム等のような無機顔料で構成されているものが
提案されている。しかしながら該層の保水性は弱く、イ
ンキ反撥性は不十分なものであった。
【0012】ユニオンカーバイド社が開発した親水性/
疎水性変換反応を利用した現像、ラッカー盛りおよび不
感脂化処理が一切不要な、いわゆる露光のみの一工程版
の技術が、特公昭42−131、特公昭42−536
5、特公昭42−14328、特公昭42−2012
7、USP3231377、USP3231381、U
SP3231382などによって開示されている。該版
はポリエチレンオキサイドとフェノール樹脂の会合体を
感光剤とともに塗設したものであるが、非画線部と画線
部との間でのインキ反撥/インキ着肉差が小さく、実用
性に乏しいものであった。
【0013】さらに、水ありPS版は印刷に際して湿し
水の量を常時コントロールする必要があり、適性な湿し
水量を制御するには相当の技術や経験が必要とされてき
た。
【0014】また、湿し水に必須成分として添加される
IPA(イソプロパノール)が近年、労働衛生環境や廃
水処理の立場から使用が厳しく規制される方向にあり、
その対策が急務となっている。
【0015】また該水ありPS版の現像に際しては、感
光層を溶解してアルミ基板表面を露出させる方式である
ため、感光層成分が現像液中に溶解させることが必須
で、該現像液は短期間に大幅に組成変動が起こり疲労し
てしまうため、大量の現像廃液が発生する。
【0016】そのため、該現像液は頻繁にメンテナンス
し交換する必要があった。また発生した現像廃液の処理
には多大な労力と費用が必要であった。
【0017】一方、後者の湿し水の代わりにシリコーン
ゴム層をインキ反撥層とする水なしPS版の場合、特公
昭54−26923号公報、特公昭57−3060号公
報、特公昭56−12862号公報、特公昭56−23
150号公報、特公昭56−30856号公報、特公昭
60−60051号公報、特公昭61−54220号公
報、特公昭61−54222号公報、特公昭61−54
223号公報、特公昭61−616号公報、特公昭63
−23544号公報、特公平2−25498号公報、特
公平3−56622号公報、特公平4−28098号公
報、特公平5−1934号公報、特開平2−63050
号公報、特開平2−63051号公報などに示されてい
るように湿し水を用いずに印刷できるため、前者の水あ
りPS版で必要な湿し水のコントロール作業がいっさい
必要なく、印刷作業が極めて簡便となることから、近年
急速に普及しつつある実用性の高い版材であるが、イン
キ反撥性層として力学的強度が弱いシリコーンゴム層を
用いるため、耐久性の不足が指摘され、耐久性に優れた
インキ反撥性材料の必要性が強く求められている。
【0018】また現像に際しては該シリコーンゴム層を
ブラシ擦りによって機械的に剥離除去する必要があるた
め、剥離除去されたシリコーンゴムかすを含んだ現像廃
液が大量に発生する。そのため、ブラシの使用寿命が短
く頻繁にブラシを交換する必要がありまた、該シリコー
ンゴムかすを捕集廃棄するなどのメンテナンス処置が必
要であった。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、現像が
簡便で、不感脂化処理を行うことなく高いインキ反発性
を有し、湿し水のコントロール幅が広く、湿し水のIP
Aレス化が可能な新規な平版印刷版において、印刷耐久
性に優れると共に、製版工程における焼き出し性および
検版性が良好な平版印刷版について鋭意検討した結果、
白色顔料を特定の版材構成層に導入することにより実現
できることを見出し、本発明に到達した。
【0020】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、 (1)基板上に少なくとも親水性膨潤層を備えた平版印
刷版において、該印刷版を構成する少なくとも1つの層
が白色顔料を含有することを特徴とする平版印刷版 (2)少なくとも、基板、プライマー層、親水性膨潤
層、をこの順に設けてなる平版印刷版において、親水性
膨潤層に接して配置されたプライマー層が白色顔料を含
有することを特徴とする平版印刷版 (3)基板上に少なくとも親水性膨潤層を備えた平版印
刷版において、親水性膨潤層に接して配置した基板が白
色顔料を含有することを特徴とする平版印刷版 (4)該親水性膨潤層からなる非画線部の吸水量が1〜
50g/m2 であることを特徴とする請求項1〜3に記
載の平版印刷版 (5)該親水性膨潤層からなる非画線部の水膨潤率が1
0〜2000%であることを特徴とする請求項1〜3に
記載の平版印刷版を提供するものである。
【0021】
【発明の実施の形態】本発明の平版印刷版の非画線部
は、親水性膨潤層からなることを特徴とする。
【0022】かかる親水性膨潤層について説明する。
【0023】本発明に言う親水性とは、水に対して実質
的に不溶でかつ水膨潤性を示す性質を意味し、公知の親
水性ポリマを基板上に塗布または転写などにより積層
し、公知の方法を用いて架橋または疑似架橋し、水に不
溶化せしめて水膨潤性とした親水性膨潤層が用いられ
る。
【0024】ここで言う親水性ポリマとは、公知の水溶
性ポリマ(水に完全溶解するものを意味する)、疑似水
溶性ポリマ(両親媒性を意味し、マクロには水に溶解す
るがミクロには非溶解部分を含むものを意味する)、水
膨潤性ポリマ(水に膨潤するが溶解しないものを意味す
る)を意味する。すなわち、通常の使用条件下で水を吸
着または吸収するポリマを意味し、水に溶けるか或いは
水に膨潤するポリマを意味する。
【0025】本発明において親水性ポリマとしては公知
のものを使用することができ、動物系ポリマ、植物系ポ
リマ、合成系ポリマがある。例えば「Function
alMonomers」(Y.Nyquist著、De
kker)、「水溶性高分子」(中村著、化学工業
社)、「水溶性高分子 水分散型樹脂の最新加工・改質
技術と用途開発 総合技術資料集」(経営開発センター
出版部)、 「新・水溶性ポリマーの応用と市場」(シ
ーエムシー)などに記載の親水性ポリマが挙げられる。
具体例を下記に挙げる。
【0026】(A)天然高分子類 デンプン−アクリロニトリル系グラフト重合体加水分解
物、デンプン−アクリル酸系グラフト重合体、デンプン
−スチレンスルフォン酸系グラフト重合体、デンプン−
ビニルスルフォン酸系グラフト重合体、デンプン−アク
リルアミド系グラフト重合体、カルボキシル化メチルセ
ルロース、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチ
ルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、キサント
ゲン酸セルロース、セルロース−アクリロニトリル系グ
ラフト重合体、セルロース−スチレンスルフォン酸系グ
ラフト重合体、カルボキシメチルセルロース系架橋体、
ヒアルロン酸、アガロース、コラーゲン、ミルクカゼイ
ン、酸カゼイン、レンネットカゼイン、アンモニアカゼ
イン、カリ化カゼイン、ホウ砂カゼイン、グルー、ゼラ
チン、グルテン、大豆蛋白、アルギン酸塩、アルギン酸
アンモニウム、アルギン酸カリウム、アルギン酸ナトリ
ウムアラビヤガム、トラガカントガム、カラヤガム、グ
アールガム、ロカストビーンガム、アイリッシュモス、
大豆レシチン、ペクチン酸、澱粉、カルボキシル化澱
粉、寒天、デキストリン、マンナンなど。
【0027】(B)合成高分子類 ポリビニルアルコール、ポリエチレンオキサイド、ポリ
(エチレンオキサイド-co-プロピレンオキサイド)、水
性ウレタン樹脂、水溶性ポリエステル、ポリアクリル酸
アンモニウム、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリメタク
リル酸アンモニウム、N−ビニルカルボン酸系ボリマ、
アクリル系コポリマ、アクリルエマルジョンコポリマ、
ポリビニルアルコール系架橋重合体、ポリアクリル酸ナ
トリウム系架橋体、ポリアクリロニトリリル系重合体ケ
ン化物、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート系ポリ
マ(以下の説明で(メタ)□□□□とあるのは、□□□
□またはメタ□□□□を略したものである。)、ポリ
(ビニルメチルエーテル-co-無水マレイン酸)、無水マ
レイン酸系共重合体、ビニルピロリドン系共重合体、ポ
リエチレングリコールジ(メタ)アクリレート系架橋重
合体、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレー
ト系架橋重合体など。
【0028】なお、上記の親水性化合物には発明の効果
が変化しない範囲で、柔軟性を付与したり、親水性を制
御する目的から置換基が異なるモノマや共重合成分を含
むことが可能である。
【0029】次に親水性ポリマの架橋方法について説明
する。
【0030】親水性膨潤層は上記の親水性ポリマの少な
くとも1種以上を必要に応じて架橋または疑似架橋し、
水に不溶化せしめることによって基板上に積層形成され
る。
【0031】通常、架橋反応は、親水性ポリマの有する
反応性官能基を利用して三次元架橋反応することにより
行なわれる。
【0032】架橋反応は、共有結合性の架橋であって
も、イオン結合性の架橋であってもよい。
【0033】架橋反応に用いられる化合物としては、架
橋性を有する公知の多官能性化合物が挙げられ、ポリエ
ポキシ化合物、ポリイソシアネート化合物、ポリ(メ
タ)アクリル化合物、ポリメルカプト化合物、ポリアル
コキシシリル化合物、多価金属塩化合物、ポリアミン化
合物、アルデヒド化合物、ポリビニル化合物などが挙げ
られ、該架橋反応は公知の触媒を添加し、反応を促進す
ることが行なわれる。
【0034】これらの親水性ポリマは、該親水性膨潤層
の形態保持や水膨潤性の調整などの目的から単体または
2種以上の混合物として用いることが可能であり、非親
水性ポリマをブレンドすることも可能である。
【0035】該親水性膨潤層は、塗設時または塗設後に
熱処理などを加え、様々の熱履歴を与えてもよい。この
場合、親水性膨潤層の構成成分が同一であっても、その
熱履歴により吸水量や吸水率などの水膨潤性が変化する
こともある。
【0036】また、下層との接着性向上などの目的か
ら、公知のシランカップリング剤やイソシアネート化合
物、触媒などを添加したり中間層として設けることも可
能である。
【0037】本発明に用いられる親水性膨潤層は以下の
方法にしたがって算出される吸水量が特定の範囲である
ことが好ましい。
【0038】吸水量(g/m2 )=WWET −WDRYDRY :乾燥状態における重量(g/m2 ) WWET :水中に25℃×10分間浸漬した後の重量(g
/m2 ) [吸水量の測定方法]測定しようとする平版印刷版の非
画線部を所定面積に裁断し、25℃の精製水中に浸漬す
る。10分間浸漬した後、該印刷版の親水性膨潤層表面
および裏面に付着した余分の液体を「ハイゼガーゼ」
(コットン布:旭化成工業(株)製)にて素速く拭き取
り、該印刷版の膨潤重量WWET を秤量する。その後、該
印刷版を60℃のオーブンにて約30分間乾燥し、乾燥
重量WDRY を秤量する。
【0039】本発明の親水性膨潤層からなる非画線部の
吸水量は、インキ反発性および形態保持性の観点から1
〜50g/m2 であることが好ましく、1〜10g/m
2 、さらに2〜7g/m2 であることがさらに好まし
い。
【0040】本発明の親水性膨潤層はゴム弾性を有する
ことが好ましい。すなわち、以下の方法により算出した
親水性膨潤層の初期弾性率が特定の範囲内にあることが
好ましい。
【0041】[初期弾性率の測定方法]平版印刷版の非
画線部に対応した部分と同一組成の溶液をテフロンシャ
ーレ上に展開し、60℃×24時間乾燥させる。得られ
た乾燥硬化膜は、剃刀刃などを用いて、長さ40mm、
幅1.95mm、厚み約0.2mmの短冊状のテストピ
ースに裁断する。
【0042】得られたテストピースは、測定前に25℃
×50%RHの環境下にて24時間以上放置し、調湿し
た後、厚みをマイクロゲージにて測定し、下記の引張条
件で初期弾性率を測定した。データ処理は、JIS K
6301に準じて行った。
【0043】引張速度 200mm/分 チャック間距離 20mm 繰返し回数 4回 測定機 「RTM−100」((株)オリエンテッ
ク製) 親水性膨潤層の初期弾性率は、0.01〜10kgf/
mm2 の範囲内にあることがインキ反発性および形態保
持性の観点から重要であり、0.01〜5kgf/mm
2 の範囲が好ましく、0.01〜2kgf/mm2 の範
囲がさらに好ましい。
【0044】初期弾性率が0.01kgf/mm2 未満
の場合は、親水性膨潤層の形態保持性が低下し、印刷の
耐久性が劣り、初期弾性率が10kgf/mm2 よりも
大きくなるとインキ反発性が極端に低下する。
【0045】本発明に用いられる親水性膨潤層は以下の
方法にしたがって算出される水膨潤率が特定の範囲であ
ることが好ましい。
【0046】水膨潤率(%)=(ΘWET −ΘDRY )/Θ
DRY ×100 ΘDRY :乾燥状態における非画線部または画線部からな
る親水性膨潤層の厚み(μm) ΘWET :膨潤状態における非画線部または画線部からな
る親水性膨潤層の厚み(μm) [水膨潤率の測定方法(A)]測定しようとする平版印
刷版の非画線部を含む部位が断面となるように切削して
切片を作製する。この切片を常温にて1昼夜真空乾燥し
た後、光学顕微鏡にて当該部位の親水性膨潤層厚さを観
察し、これをΘDRY (μm)とする。なお、光学顕微鏡
観察は23℃、20%RHの環境下において手早く行っ
た。
【0047】さらに、この平版印刷版切片に過剰の水滴
を載せ、親水性膨潤層が十分に水膨潤した状態で断面を
光学顕微鏡観察し、当該部位の親水性膨潤層厚さを読み
とり、これをΘWET (μm)とする。
【0048】[水膨潤率の測定方法(B)]測定しよう
とする平版印刷版の非画線部をOsO4 水溶液の雰囲気
下に1昼夜さらしてOsO4 により親水性膨潤層を固定
した後、所定の部位が断面となるようにミクロトームで
切削して超薄切片を作製する。この切片を透過型電子顕
微鏡(TEM)にて1〜5万倍程度の倍率で当該部位の
親水性膨潤層厚さを観察し、これをΘDRY (μm)とす
る。
【0049】一方、測定しようとする平版印刷版をOs
4 水溶液に2〜3日浸漬し親水性膨潤層を水膨潤状態
で固化/固定する。所定の部位が断面となるようにミク
ロトームで切削して超薄切片を作製し、この切片を透過
型電子顕微鏡(TEM)にて1〜5万倍程度の倍率で当
該部位の親水性膨潤層厚さを読みとり、これをΘ
WET(μm)とする。
【0050】本発明の親水性膨潤層からなる非画線部
(インキ反発部分)の水膨潤率は、インキ反発性および
形態保持性の観点から10〜2000%であることが好
ましく、50〜1700%、さらに50〜700%の範
囲であることがより好ましい。水膨潤率が10%未満に
なると非画線部のインキ反発性が低下し、一方非画線部
の水膨潤率が2000%を越える場合には該非画線部の
形態保持性が低いため印刷時に該非画線部が損傷を受け
易くなる。
【0051】次に本発明における平版印刷板の製造方法
の一例について説明するが、本発明はこれに限定される
ものではない。
【0052】本発明の平版印刷版の画像は、例えば、基
板上に親水性膨潤層を備えた感光性平版印刷版原版の版
表面に活性光線を照射することにより形成することがで
きる。
【0053】好ましくは、本発明の平版印刷版はネガテ
ィブワーキングの画像形成により作製される。
【0054】このような画像形成には公知の感光性化合
物が用いられる。
【0055】公知の光架橋または光硬化性の感光性化合
物としては下記の(1)〜(5)の具体例が挙げられ
る。
【0056】(1)光重合性モノマまたはオリゴマ アルコール類(エタノール、プロパノール、ヘキサノー
ル、オクタノール、シクロヘキサノール、グリセリン、
トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、イソ
アミルアルコール、ラウリルアルコール、ステアリルア
ルコール、ブトキシエチルアルコール、エトキシエチレ
ングリコール、メトキシエチレングリコール、メチキシ
プロピレングリコール、フェノキシエタノール、フェノ
キシジエチレングリコール、テトラヒドロフルフリルア
ルコールなど)の(メタ)アクリル酸エステル、カルボ
ン酸類(酢酸、プロピオン酸、安息香酸、アクリル酸、
メタクリル酸、コハク酸、マレイン酸、フタル酸、酒石
酸、クエン酸など)と(メタ)アクリル酸グリシジルと
の付加反応物、m−キシリレンジアミン、ベンジルアミ
ンと(メタ)アクリル酸グリシジルとの付加反応物、ア
ミド誘導体(アクリルアミド、メタクリルアミド、N−
メチロールアクリルアミド、メチレンビスアクリルアミ
ドなど)、エポキシ化合物と(メタ)アクリル酸との付
加反応物などを挙げることができる。
【0057】(2)光二量化型の感光性樹脂組成物 例えばポリ桂皮酸ビニルなどを含む感光層、例えば、p
−フェニレンジアクリル酸と1,4−ジヒドロキシエチ
ルオキシシクロヘキサンの1:1重縮合不飽和ポリエス
テルやシンナミリデンマロン酸と2官能性グリコ−ル類
とから誘導される感光性ポリエステル、ポリビニルアル
コ−ル、デンンプン、セルロ−スなどのような水酸基含
有ポリマのケイ皮酸エステルなど。
【0058】(3)エポキシ基を有するモノマ、オリゴ
マまたはポリマと公知の光酸発生剤との組合わせから成
る組成物 これは露光すると光酸発生剤がルイス酸やブレンステッ
ド酸を生成し、エポキシ基がカチオン重合して架橋す
る。(4)アリル基および/またはビニル基を有するモ
ノマ、オリゴマまたはポリマとメルカプト基を有するモ
ノマ、オリゴマまたはポリマとの組成物これは露光する
とメルカプト基がアリル基およびまたはビニル基に付加
し架橋する。
【0059】(5)ジアゾニウム塩化合物と水酸基含有
化合物との組成物 p−ジアゾジフェニルアミンとホルムアルデヒドとの縮
合物で代表される水不溶性で有機溶媒可溶性のジアゾ樹
脂などが挙げられる。
【0060】具体的には特公昭47−1167号公報お
よび特公昭57−43890号公報に記載されているよ
うなものが挙げられる。
【0061】(6)ビスアジド化合物と環化したポリイ
ソプレンゴムやポリブタジエンゴム、またはクレゾール
ノボラック樹脂を主成分とする感光性組成物など これらの感光性化合物は、基板上に親水性膨潤層を形成
する際に組成物に添加し該層内に存在させる方法、また
は親水性膨潤層を形成した後、感光性組成物を該層上に
塗布し該層内に含浸させる方法などを用いて添加され
る。
【0062】比較的高分子量のポリマ、オリゴマなどを
用いた感光性組成物の場合には、前者の親水性膨潤層形
成時に同時添加する方法が有利に行なわれ、比較的低分
子量のモノマ、オリゴマなどを用いた感光性組成物の場
合には、後者の含浸方法が有利である。
【0063】また、原版の親水性膨潤層にはこれらの感
光性化合物を増感させる目的から公知の光増感剤を添加
することが可能である。
【0064】また、該親水性膨潤層には、染料や顔料、
pH指示薬、ロイコ染料、界面活性剤、有機酸などの各
種添加剤を微量添加することも可能である。特に、製版
工程おいて画線部または非画線部が染色または退色する
ことが好ましい。
【0065】本発明に用いられる白色顔料は、アナター
ゼ型酸化チタン、ルチル型酸化チタン、酸化亜鉛、硫酸
バリウム、炭酸カルシウム、微粉末ケイ酸、リトポン、
鉛白、カオリンクレー、ワラストナイト、チタン酸カリ
ウム、チタン酸バリウム、などが挙げられる。顔料の一
次粒子径は1μm以下が好ましく、0.5μm以下がさ
らに好ましい。顔料の一次粒子径が1μmを越えると、
顔料含有層および該層と隣接する層、の間の接着性が低
下すると共に、版面の白色度の均一性が失われる。
【0066】また、顔料の添加量は、顔料含有層全体の
乾燥重量に対して0.01〜90重量%が好ましく、
0.05〜50重量%がさらに好ましい。顔料の添加量
が0.01重量%未満では十分な白色度を得ることがで
きず、90重量%を越えると顔料含有層の塗工性が大き
く低下する。さらに、これら白色顔料をプライマー層ま
たは基板に含有させるにあたっては、沈降防止剤や分散
剤などを併用してバインダー樹脂と均一に混合すること
が好ましい。
【0067】本発明のプライマー層として用いられる樹
脂の具体例としては、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹
脂、尿素樹脂、フェノール樹脂、ベンゾグアナミン樹
脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、塩化ビニル−
酢酸ビニル共重合体、アクリレート系重合体、アクリル
樹脂、塩化ビニル樹脂、フェノキシ樹脂、ポリビニルブ
チラール樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリア
クリロニトリル−ブタジエン共重合体などのジエン系ゴ
ム、ポリ酢酸ビニル−ポリカーボネート樹脂、セルロー
スおよびその誘導体、キチン、キトサン、ミルクカゼイ
ン、ゼラチン、大豆タンパク質、アルブミンなどが挙げ
られる。
【0068】これらの樹脂は単独で、あるいは2種以上
混合して、さらに必要に応じてエポキシ化合物、イソシ
アネート化合物、ブロック化イソシアネート化合物、な
ど公知の架橋剤などが添加される。この中でも、親水性
膨潤層との接着性の観点からレゾール樹脂、エポキシ樹
脂、尿素樹脂などを単独で、または2種以上混合して用
いることが好ましい。また、上記プライマーを構成する
アンカー剤として、例えばシランカップリング剤、有機
チタネート、などを添加することも好ましい。
【0069】さらに、塗工性を改良する目的で、界面活
性剤を添加することも任意である。
【0070】本発明においてプライマー層を設ける場合
には、基板と親水性膨潤層の間に設けることが好まし
く、親水性膨潤層に接してプライマー層を設けることが
特に好ましい。
【0071】本発明に用いられる平版印刷版の基板とし
ては、通常の平版印刷機に取り付けられるたわみ性と印
刷時に加わる荷重に耐えうるものである必要がある以外
には一切制限を受けない。
【0072】代表的なものとしては、アルミ、銅、鉄、
などの金属板、ポリエステルフィルムやポリプロピレン
フィルムなどのプラスチックフィルムあるいはコート
紙、ゴムシートなどが挙げられる。また、該基板は上記
の素材が複合されたものであってもよい。
【0073】本発明において白色顔料を平版印刷版の基
板に含有させる場合には、ポリエチレンテレフタレート
などのポリエステル、ポリプロピレンなどのポリオレフ
ィンに溶融プロセスなどにおいて白色顔料を均一に練り
込んだ組成物をフイルム化して用いることができる。必
要に応じて、共押出しなどによって表層と中心層を積層
した複合フイルムとして用いることもできる。
【0074】本発明において、白色顔料を有するプライ
マー層、または白色顔料を有する基板、を親水性膨潤層
に接する層として配置することが、平版印刷版の耐スク
ラッチ強度、印刷耐久性を向上させる点で好ましい。耐
スクラッチ強度、印刷耐久性向上の理由は必ずしも明確
ではないが、白色顔料を有するプライマー層、または白
色顔料を有する基板、はそれぞれ、親水性膨潤層とプラ
イマー層、親水性膨潤層と基板、の接着性を高め、した
がって平版印刷版の耐スクラッチ強度、印刷耐久性が向
上すると推察される。版面に湿し水として精製水を供給
し親水性膨潤層を湿潤させ版面に油性インキを着肉さ
せ、版のインキ付着面を被印刷体またはブランケットに
圧着し油性インキを転移させるという印刷のサイクルに
おいて、本発明の平版印刷版は湿し水が供給され親水性
膨潤層が最も膨潤した状態に達し、続いて版面が被印刷
体またはブランケットに圧着されて親水性膨潤層から水
が押し出されて膨潤の程度が小さい状態になり、このサ
イクルを繰り返すことになる。
【0075】印刷を続けると、親水性膨潤層はこのよう
な膨潤、圧縮を繰り返して受け、その結果親水性膨潤層
が疲労し、損傷を受けて印刷耐久性の限界に至る。白色
顔料を含有するプライマー層または基板、に接して配置
された親水性膨潤層はこのような独特の疲労モードに対
して特異的に有効に働いて印刷耐久性を高めると考えら
れる。
【0076】次に、該感光性平版印刷版原版を用いた製
版方法について説明する。
【0077】該感光性平版印刷版原版は、ネガティブワ
ーキング用の製版工程を経て刷版とすることができる。
すなわち、ネガ原画フィルムを通じて、通常の露光光源
によって画像露光される。
【0078】この露光工程で用いられる光源としては、
例えば高圧水銀灯、カーボンアーク灯、キセノン灯、メ
タルハライド灯、蛍光灯などが挙げられる。このような
通常の露光を行なったのち水または現像液でリンスする
と、未露光部の親水性膨潤層内に存在する感光性化合物
が溶解除去または不感光化され、水膨潤性の非画線部と
なり、露光部は感光性化合物が光架橋硬化する。
【0079】次に本発明の平版印刷版を用いた印刷方法
について説明する。
【0080】本発明の平版印刷には公知の平版印刷機が
用いられる。すなわち、オフセットおよび直刷り方式の
枚葉および輪転印刷機などが用いられる。
【0081】本発明の平版印刷版を画像形成したのち、
これらの平版印刷機の版胴に装着し、該版面には接触す
るインキ着けローラーからインキが供給される。
【0082】該版面上の親水性膨潤層を有する非画線部
分は湿し水供給装置から供給される湿し水によって膨潤
し、インキを反撥する。一方、画線部分はインキを受容
し、オフセットブランケット胴表面または被印刷体表面
にインキを供給して印刷画像を形成する。
【0083】本発明の平版印刷版を印刷する際に使用さ
れる湿し水は、水ありPS版で使用されるエッチ液を用
いることはもちろん可能であるが、添加物を一切含有し
ない純水を使用することができる。
【0084】本発明の平版印刷版を用いて印刷する際に
は添加物を一切有さない純水を使用することが好まし
い。
【0085】
【実施例】以下に、実施例により本発明をさらに詳しく
説明する。
【0086】実施例1 厚さ0.24mmのアルミ基板(住友軽金属(株)製)
に、下記プライマー層組成物を塗布した後、180℃×
1分間熱処理し、乾燥重量で3g/m2 の厚みを有する
プライマー層を塗設した。
【0087】<プライマー層組成(重量部)> (1)レゾール樹脂 20重量部 (2)ジグライム 75重量部 (3)酸化チタン 5重量部 (4)分散剤 0.3重量部 次に、プライマー層上に親水性ポリマーとしてアクリル
アミド−n−ブチルメタクリレート共重合体(重量組成
比20/80)を用い、下記親水性膨潤層組成物を塗布
したのち、150℃×60分間熱処理して1.5g/m
2 の厚みを有する親水性膨潤層を塗設した。
【0088】 <親水性膨潤層組成> (1)親水性ポリマ 100重量部 (2)テトラエチレングリコールジグリシジルエーテル 30重量部 (3)2−アミノプロピルトリメトキシシラン 2重量部 (4)水性ラテックス「JSR0596」 70重量部 [カルボキシ変性スチレン−ブタジエン共重合ラテックス:日本合成 ゴム(株)製] (5)精製水 800重量部 さらに、親水性膨潤層上に下記のような感光性組成物を
塗布し、その後100℃×1分間熱処理して、エチルセ
ロソルブを乾燥除去し1.4g/m2 の感光性組成物を
含浸させた。
【0089】その後厚さ12ミクロンの片面マット化二
軸延伸ポリプロピレンフィルムをマット化されていない
面が該親水性膨潤層と接するようにしてカレンダーロー
ラーを用いてラミネートし、ネガ型の平版印刷用原版を
得た。
【0090】得られた平版印刷版は、高圧水銀灯「ジェ
ットライト3303kW ;オーク製作所(株)製」を用
い、PCW(PLATE CONTOROL WEDGE:KALLE社製)
を貼込んだネガフィルムを通して90秒間密着露光(3.
6mW/cm2 )した。次いで、版全面を水道水でリンスし、
未露光部の感光性組成物を洗浄して刷版とした。
【0091】 <感光性組成(重量部)> (1)キシリレンジアミン/グリシジルメタクリレート=1:4モル比付加物 5重量部 (2)1,9−ノナンジアクリレート 20重量部 (3)ミヒラー氏ケトン 3重量部 (4)2,4−ジエチルチオキサントン 2重量部 (5)ハイドロキノンモノメチルエーテル 0.5重量部 (6)CIベーシックブルー7 0.5重量部 (7)エチルセロソルブ 69重量部 得られた刷版は画線部が白色、非画線部が濃青色で、次
に示す比較例1の刷版と比較すると、画線部/非画線部
のコントラストが高く、焼き出し性(露光直後の画線
部、非画線部の区別の明瞭さ)、検版性(現像後の画線
部、非画線部の区別の明瞭さ)が大変良好であった。
【0092】得られた刷版は、枚葉オフセット印刷機
「スプリント25:小森コーポレーション(株)製」に
装着したのち、湿し水として市販の精製水を供給しなが
ら上質紙(62.5kg/菊)を用いて印刷した。印刷におい
ては、版胴とブランケット間の圧力を高く設定して印刷
耐久性の促進テストとし、10万枚の印刷を行った。こ
の時点で、インキ反撥性およびインキ着肉性を印刷物を
目視観察することにより評価した。また、非画線部の吸
水量、水膨潤率は定義に従って測定した。
【0093】また、以下の方法で行った耐摩耗性テスト
では剥がれが全く見られず、良好な耐摩耗性を有してい
た。
【0094】<耐摩耗性テスト>6×6cmに切ったハ
イゼガーゼを3枚重ね、その上に5×5×2.5cmの
直方体(鉄製、約500g)を載せ、水で湿した印刷版
を100往復擦った。
【0095】比較例1 プライマー層に酸化チタンを用いないこと以外は実施例
1と同様にして、平版印刷版を作製した。
【0096】耐摩耗性テストにおいて、一部分に完全な
剥がれが見られた。
【0097】実施例2 固有粘度0.62のポリエチレンテレフタレート樹脂9
1部、アナターゼ型二酸化チタン8部、酸化防止剤1部
を2軸スクリュー押出機でT−ダイスより283℃で溶
融押出しし、冷却回転ロールにて密着固化、引き続きロ
ール延伸機にて縦延伸、テンターにて横延伸して、15
0μmの白色ポリエステルフイルムを得た。このフイル
ムを基板として、実施例1で用いた親水性膨潤層組成
物、感光層組成物を同様の方法にて塗設し、ポリプロピ
レンフイルムをラミネートして平版印刷用原版を得た。
さらに、親水性ポリマとして両末端ブロック化ポリオキ
シエチレン#30000を選び、以下に記載の親水性膨
潤層組成物を用いたこと以外は実施例1と同様の方法に
て、刷版を作製し、評価を行った。
【0098】 <親水性膨潤層組成(重量部)> (1)親水性ポリマ 80重量部 (2)エチレングリコールジグリシジルエーテル 18重量部 (3)2−アミノプロピルトリメトキシシラン 2重量部 (4)精製水 900重量部 得られた刷版は画線部が白色、非画線部が濃青色で、次
に示す比較例1の刷版と比較すると、画線部/非画線部
のコントラストが高く、焼き出し性(露光直後の画線
部、非画線部の区別の明瞭さ)、検版性(現像後の画線
部、非画線部の区別の明瞭さ)が大変良好であった。ま
た、耐摩耗性テストでは全く剥がれが見られなかった。
【0099】比較例2 酸化チタンを含有しないポリエチレンテレフタレートフ
イルムを用いること以外は実施例2と同様にして、平版
印刷版を作製し、評価を行った。
【0100】耐摩耗性テストにおいて、一部分に完全な
剥がれが見られた。
【0101】実施例1〜2、比較例1〜2の評価結果を
まとめて表1に示す。
【0102】
【表1】 実施例3 実施例1に用いた平版印刷版と通常のPS版(FNS;
富士写真フィルム(株)製)を露光、現像処理して刷版
としたものを、同じ版胴に装着し、湿し水として市販の
精製水を供給しながら印刷を行った。
【0103】湿し水の供給量を標準条件から増量した場
合、PS版を用いた部分では、画線部のインキ濃度が極
端に低下し、いわゆる「水負け」によるインキの着肉不
良が発生した。一方、実施例1に用いた平版印刷版を用
いた部分では、着肉不良の程度が軽微であった。
【0104】また、湿し水の供給量を標準条件から減量
した場合、PS版を用いた部分では、全面にインキ汚れ
が発生した。一方、実施例1に用いた平版印刷版を用い
た部分では、良好な印刷物が得られた。なお、湿し水の
供給量は印刷機のダイヤル目盛り値にて相対的に比較し
た。評価結果を表2に示す。
【0105】
【表2】
【0106】
【発明の効果】本発明の平版印刷版は、基板とインキ反
発層として働く親水性膨潤層の接着性が良好であるた
め、親水性膨潤層の耐摩耗性、印刷耐久性が良好であ
り、また、製版工程において改良された焼き出し性、検
版性を有する。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基板上に少なくとも親水性膨潤層を備えた
    平版印刷版において、該印刷版を構成する少なくとも1
    つの層が白色顔料を含有することを特徴とする平版印刷
    版。
  2. 【請求項2】少なくとも、基板、プライマー層、親水性
    膨潤層、をこの順に設けてなる平版印刷版において、親
    水性膨潤層に接して配置されたプライマー層が白色顔料
    を含有することを特徴とする平版印刷版。
  3. 【請求項3】基板上に少なくとも親水性膨潤層を備えた
    平版印刷版において、親水性膨潤層に接して配置した基
    板が白色顔料を含有することを特徴とする平版印刷版。
  4. 【請求項4】該親水性膨潤層からなる非画線部の吸水量
    が1〜50g/m2 であることを特徴とする請求項1〜
    3に記載の平版印刷版。
  5. 【請求項5】該親水性膨潤層からなる非画線部の水膨潤
    率が10〜2000%であることを特徴とする請求項1
    〜3に記載の平版印刷版。
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