JPH09230582A - 感光性平版印刷版原版の製造方法 - Google Patents

感光性平版印刷版原版の製造方法

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JPH09230582A
JPH09230582A JP3802096A JP3802096A JPH09230582A JP H09230582 A JPH09230582 A JP H09230582A JP 3802096 A JP3802096 A JP 3802096A JP 3802096 A JP3802096 A JP 3802096A JP H09230582 A JPH09230582 A JP H09230582A
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JP
Japan
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polymer
water
hydrophilic
layer
acid
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JP3802096A
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English (en)
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Masanao Isono
正直 磯野
Kenichi Tabata
憲一 田畑
Norimasa Ikeda
憲正 池田
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Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】効率良くインキを反撥することのできる感光性
平版印刷版を得る。 【解決手段】基板上に少なくとも親水性ポリマを主成分
とする相および疎水性ポリマを主成分とする相の少なく
とも2相から構成された相分離構造を有する親水性膨潤
層を備えてなる感光性平版印刷版原版の製造方法におい
て、50〜200nmの平均粒子径分布を有するポリマ
コロイドから主として構成された疎水性ポリマを用いる
ことを特徴とする感光性平版印刷版原版の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は感光性平版印刷版原
版の製造方法に関するものであり、特に現像処理が簡便
で、不感脂化処理を行なうことなく高いインキ反撥性を
有し、湿し水として純水を使用できる新規な感光性平版
印刷版原版の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】平版印刷とは、画線部と非画線部とを基
本的にほぼ同一平面に存在させ、画線部をインキ受容
性、非画線部をインキ反撥性として、インキの付着性の
差異を利用して、画線部のみにインキを着肉させた後、
紙等の被印刷体にインキを転写して印刷する方式を意味
する。またこのような平版印刷には通常、PS版が用い
られる。
【0003】ここで言うPS版とは、下記のものを意味
する。
【0004】すなわち、米澤輝彦著「PS版概論」
(株)印刷学会出版部(1993)p18〜p81に記
載されているように、親水化処理されたアルミニウム基
板上に親油性の感光性樹脂層を塗布し、フォトリソグラ
フィの技術により画線部は感光層が残存し、一方非画線
部は上記したアルミ基板表面が露出し、該表面に湿し水
層を形成してインキ反撥し、画像形成する水ありPS版
と、湿し水層の代わりにシリコーンゴム層をインキ反撥
層として用いる水なしPS版、いわゆる水なし平版であ
る。
【0005】ここで言う水なし平版とは、非画線部がシ
リコ−ンゴム、含フッ素化合物などの通常平版印刷で用
いられる油性インキに対してインキ反撥性を有する物質
からなり、湿し水を用いずにインキ着肉性の画線部との
間で画像形成し、印刷可能な印刷版を意味する。
【0006】前者の水ありPS版は実用上優れた印刷版
で、支持体に通常アルミニウムが用いられ、該アルミニ
ウム表面は保水性を有するとともに印刷中に親油性の感
光性樹脂層が該表面から剥離脱落しないように感光層と
の接着性に優れている必要があった。そのため、該アル
ミニウム表面は通常砂目立てされ、さらに必要に応じて
この砂目立てされた表面を陽極酸化するなどの処理が施
され、保水性の向上と該感光性樹脂層に対する接着性の
補強が計られてきた。また、該感光性樹脂層の保存安定
性を得るために該アルミニウム表面はフッ化ジルコニウ
ム、ケイ酸ナトリウムなどの化学処理が一般的に施され
ている。
【0007】このように水ありPS版は製造工程が複雑
であり、その簡易化が望まれていたが、該版の優れた印
刷特性(耐刷性、画像再現性など)から広く使用されて
いる。
【0008】上記問題を解決すべく、アルミニウム基板
と同等もしくはそれ以上の印刷特性を有し、しかも材料
コストが安くかつ簡易な製造工程によるアルミニウム基
板とは異なる新規な平版材料の提案がある。例えば、特
公昭56−2938号公報においては、アルミニウム基
板に代えて親水性高分子材料からなるインキ反撥層を塗
設した支持体を用い、該支持体上に感光層を形成する方
法が提案されている。しかしながら、該方法は、ポリ塩
化ビニル、ポリウレタン、ポリビニルアルコールのアル
デヒド縮合物の耐水性層上に親水性層として尿素樹脂が
単純塗布されているものであるため、該層はインキ反撥
性が不十分であるうえ、感光性樹脂層との密着性にも劣
るものであり、耐刷性が不十分なものであった。また、
特開昭57−179852号公報においては、支持体上
に親水性ラジカル重合化合物を塗設し、活性光線の照射
によって該支持体表面を親水化処理し、感光性樹脂層を
塗設する方法が提案されている。しかしながら、該方法
によって形成された親水性表面層も剛直でインキ反撥性
は不十分であり、耐刷性にも乏しいものであった。また
これらの水ありPS版の現像に際しては、感光層を溶解
してアルミ基板表面を露出させる方式であるため、感光
層成分が現像液中に溶解させることが必須で、該現像液
は短期間に大幅に組成変動が起こり疲労してしまうた
め、大量の現像廃液が発生する。
【0009】そのため、該現像液は頻繁にメンテナンス
し交換する必要があった。また発生した現像廃液の処理
には多大な労力と費用が必要であった。
【0010】また、水ありPS版の簡便な形態として、
紙などの支持体上に、トナーなどの画像受理層を有しP
PCを用いて画像形成し、非画像部をエッチ液などで不
感脂化処理して該画像受理層をインキ反撥層に変換させ
て使用する直描型平版印刷原版が広く実用に供されてい
る。具体的には、耐水性支持体上に水溶性バインダポリ
マ、無機顔料、耐水化剤等からなる画像受理層を設けた
ものが一般的で、USP2532865号公報、特公昭
40−23581号公報、特開昭48−9802号公
報、特開昭57−205196号公報、特開昭60−2
309号公報、特開昭57−1791号公報、特開昭5
7−15998号公報、特開昭57−96900号公
報、特開昭57−205196号公報、特開昭63−1
66590号公報、特開昭63−166591号公報、
特開昭63−317388号公報、特開平1−1144
88号公報、特開平4−367868号公報などが挙げ
られる。これらの直描型平版印刷原版は、インキ反撥層
に変換させる画像受理層として、PVA、澱粉、ヒドロ
キシエチルセルロース、カゼイン、ゼラチン、ポリビニ
ルピロリドン、酢酸ビニル−クロトン酸共重合体、スチ
レン−マレイン酸共重合体などのような不感脂化処理す
る以前から親水性を示す水溶性バインダポリマおよびア
クリル系樹脂エマルジョン等の水分散性ポリマ、シリ
カ、炭酸カルシウム等のような無機顔料およびメラミン
・ホルムアルデヒド樹脂縮合物のような耐水化剤で構成
されているものが提案されている。また特開昭63−2
56493号公報などでは、不感脂化処理により加水分
解されて親水性基が発生する疎水性ポリマを主成分とし
て用いる直描型平版印刷原版が提案されている。
【0011】このような直描型平版印刷原版は、いずれ
も画像受理層をインキ反撥層に変換するために、不感脂
化処理が必須であり、該処理なしではインキ反撥性を殆
ど示さない性質のものであった。
【0012】すなわち、実用レベルのインキ反撥性を得
るためには、不感脂化処理および、親水性バインダポリ
マを大量に使用する必要があるが、耐水性に劣る傾向に
あり印刷耐久性が低下する。また親水性を高めるとトナ
ーなどの画像との接着性が低下する傾向にあるなどの問
題点があった。一方、印刷耐久性を向上するために耐水
化剤の添加量を多くしたり疎水性ポリマを添加したりし
て耐水性を増大させると、親水性が低下し、インキ反撥
性が大幅に低下してしまう問題点があった。
【0013】また、ユニオンカーバイド社が開発した親
水性/疎水性変換反応を利用した現像、ラッカー盛りお
よび不感脂化処理が一切不要な、いわゆる露光のみの一
工程版の技術が、特公昭42−131号公報、特公昭4
2−5365号公報、特公昭42−14328号公報、
特公昭42−20127号公報、USP3231377
号公報、USP3231381号公報、USP3231
382号公報などによって開示されている。該版はポリ
エチレンオキサイドとフェノール樹脂の会合体を感光剤
とともに塗設したものであるが、非画線部が剛直で柔軟
性に劣りインキ反撥性が不十分であり、また非画線部と
画線部との間でのインキ反撥/インキ着肉差が小さく、
実用性に乏しいものであった。
【0014】さらに、水ありPS版は印刷に際して湿し
水の量を常時コントロールする必要があり、適性な湿し
水量を制御するには相当の技術や経験が必要とされてき
た。また、湿し水に必須成分として添加されるIPA
(イソプロパノール)が近年、労働衛生環境や廃水処理
の立場から使用が厳しく規制される方向にあり、その対
策が急務となっている。
【0015】一方、後者の湿し水の代わりにシリコーン
ゴム層をインキ反撥層とする水なしPS版の場合、特公
昭54−26923号公報、特公昭57−3060号公
報、特公昭56−12862号公報、特公昭56−23
150号公報、特公昭56−30856号公報、特公昭
60−60051号公報、特公昭61−54220号公
報、特公昭61−54222号公報、特公昭61−54
223号公報、特公昭61−616号公報、特公昭63
−23544号公報、特公平2−25498号公報、特
公平3−56622号公報、特公平4−28098号公
報、特公平5−1934号公報、特開平2−63050
号公報、特開平2−63051号公報などに示されてい
るように湿し水を用いずに印刷できるため、前者の水あ
りPS版で必要な湿し水のコントロール作業がいっさい
必要なく、印刷作業が極めて簡便となることから、近年
急速に普及しつつある実用性の高い版材であるが、イン
キ反撥性層として力学的強度が弱いシリコーンゴム層を
用いるため、耐久性の不足が指摘され、耐久性に優れた
インキ反撥性材料の必要性が強く求められている。また
現像に際しては該シリコーンゴム層をブラシ擦りによっ
て機械的に剥離除去する必要があるため、剥離除去され
たシリコーンゴムかすを含んだ現像廃液が大量に発生す
る。そのため、ブラシの使用寿命が短く頻繁にブラシを
交換する必要がありまた、該シリコーンゴムかすを捕集
廃棄するなどのメンテナンス処置が必要であった。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、これら
従来の水ありPS版の平版印刷の湿し水のコントロール
幅の拡大ならびに従来不可能とされてきた湿し水からの
IPAレス化を可能とし、また直描型平版印刷原版のよ
うにPPC方式で画像形成し不感脂化処理するなどの複
雑な製版工程を有することなく、更にシリコーンゴム層
をインキ反撥層とする水なし平版の欠点である耐久性の
不足を解消できる上、従来のPS版で必須であった現像
メンテナンスを必要とせず、また製造工程が簡便な理想
的な平版材料の開発を鋭意検討した結果、特定の材料群
からなる相分離構造を有する親水性膨潤層をインキ反撥
層とした平版印刷版を用いることで実現できることを見
出した。
【0017】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は以下
の構成を有する。
【0018】(1) 基板上に少なくとも親水性ポリマ
を主成分とする相および疎水性ポリマを主成分とする相
の少なくとも2相から構成された相分離構造を有する親
水性膨潤層を備えてなる感光性平版印刷版原版の製造方
法において、50〜200nmの平均粒子径分布を有す
るポリマコロイドから主として構成された疎水性ポリマ
を用いることを特徴とする感光性平版印刷版原版の製造
方法。
【0019】(2) 該疎水性ポリマコロイドが共役ジ
エン系化合物を含有するラテックスから主として構成さ
れることを特徴とする前記(1)記載の感光性平版印刷
版原版の製造方法。
【0020】(3) 該疎水性ポリマを主成分とする相
が親水性膨潤層中60〜95重量%であることを特徴と
する前記(1)記載の感光性平版印刷版原版の製造方
法。
【0021】
【発明の実施の形態】本発明により製造される感光性平
版印刷版原版は基板上に少なくとも親水性膨潤層を備え
る。
【0022】かかる親水性膨潤層は、親水性ポリマを主
成分とする相および疎水性ポリマを主成分とする相の少
なくとも2相から構成された相分離構造を有することを
特徴とする。
【0023】本発明の親水性膨潤層に用いられる親水性
ポリマについて説明する。
【0024】親水性ポリマとは、水に対して実質的に不
溶でかつ水膨潤性を示す、公知の水溶性ポリマ(水に完
全溶解するものを意味する)、疑似水溶性ポリマ(両親
媒性を意味し、マクロには水に溶解するがミクロには非
溶解部分を含むものを意味する)、水膨潤性ポリマ(水
に膨潤するが溶解しないものを意味する)を意味する。
すなわち、通常の使用条件下で水を吸着または吸収する
ポリマを意味し、水に溶けるか或いは水に膨潤するポリ
マを意味する。
【0025】本発明において親水性ポリマとしては、公
知のものを使用することができ、動物系ポリマ、植物系
ポリマ、合成系ポリマがある。例えば「Functio
nal Monomers」(Y.Nyquist著、
Dekker)、「水溶性高分子」(中村著、化学工業
社)、「水溶性高分子 水分散型樹脂の最新加工・改質
技術と用途開発 総合技術資料集」(経営開発センター
出版部)、 「新・水溶性ポリマーの応用と市場」(シ
ーエムシー)などに記載の親水性ポリマが挙げられる。
具体例を下記に挙げる。
【0026】(A)天然高分子類 デンプン−アクリロニトリル系グラフト重合体加水分解
物、デンプン−アクリル酸系グラフト重合体、デンプン
−スチレンスルフォン酸系グラフト重合体、デンプン−
ビニルスルフォン酸系グラフト重合体、デンプン−アク
リルアミド系グラフト重合体、カルボキシル化メチルセ
ルロース、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチ
ルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、キサント
ゲン酸セルロース、セルロース−アクリロニトリル系グ
ラフト重合体、セルロース−スチレンスルフォン酸系グ
ラフト重合体、カルボキシメチルセルロース系架橋体、
ヒアルロン酸、アガロース、コラーゲン、ミルクカゼイ
ン、酸カゼイン、レンネットカゼイン、アンモニアカゼ
イン、カリ化カゼイン、ホウ砂カゼイン、グルー、ゼラ
チン、グルテン、大豆蛋白、アルギン酸塩、アルギン酸
アンモニウム、アルギン酸カリウム、アルギン酸ナトリ
ウムアラビヤガム、トラガカントガム、カラヤガム、グ
アールガム、ロカストビーンガム、アイリッシュモス、
大豆レシチン、ペクチン酸、澱粉、カルボキシル化澱
粉、寒天、デキストリン、マンナンなど。
【0027】(B)合成高分子類 ポリビニルアルコール、ポリエチレンオキサイド、ポリ
(エチレンオキサイド-co-プロピレンオキサイド)、水
性ウレタン樹脂、水溶性ポリエステル、ポリアクリル酸
アンモニウム、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリメタク
リル酸アンモニウム、アクリル系コポリマ、アクリルエ
マルジョンコポリマ、ポリビニルアルコール系架橋重合
体、ポリアクリル酸ナトリウム系架橋体、ポリアクリロ
ニトリリル系重合体ケン化物、ヒドロキシエチル(メ
タ)アクリレート系ポリマ(以下の説明で(メタ)□□
□□とあるのは、□□□□またはメタ□□□□を略した
ものである。)、ポリ(ビニルメチルエーテル-co-無水
マレイン酸)、無水マレイン酸系共重合体、ビニルピロ
リドン系共重合体、ポリエチレングリコールジ(メタ)
アクリレート系架橋重合体、ポリプロピレングリコール
ジ(メタ)アクリレート系架橋重合体など。
【0028】なお、上記の親水性化合物には発明の効果
が変化しない範囲で、柔軟性を付与したり、親水性を制
御する目的から置換基が異なるモノマや共重合成分を含
むことが可能である。
【0029】また本発明の効果を有効に発現する親水性
ポリマとして、カルボン酸塩系共重合体が挙げられる。
【0030】本発明に好ましく用いられるカルボン酸塩
系共重合体としては、吸水性および耐久性の観点から、
カルボキシル基、カルボン酸塩、カルボン酸アミド、カ
ルボン酸イミド、カルボン酸無水物などのカルボキシル
基またはカルボキシル基に誘導しうる基を分子中に1個
または2個有するα、β−不飽和化合物をモノマ成分と
して含有するカルボン酸系共重合体のケン化反応物が挙
げられる。
【0031】α、β−不飽和化合物の具体例としては、
アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸アミド、メタク
リル酸アミド、無水マレイン酸、マレイン酸、マレイン
酸アミド、マレイン酸イミド、イタコン酸、クロトン
酸、フマル酸、メサコン酸などが挙げられ、本発明に必
要な親水性を示す範囲で共重合可能な他のモノマ成分と
組合わせることが可能である。
【0032】共重合可能な他のモノマ成分の例として
は、エチレン、プロピレン、イソブチレン、1−ブチレ
ン、ジイソブチレン、メチルビニルエーテル、スチレ
ン、酢酸ビニル、アクリル酸エステル、メタクリル酸エ
ステル、アクリロニトリルなどのα−オレフィン、ビニ
ル化合物、ビニリデン化合物などが挙げられる。
【0033】他のモノマと組合わせる場合、カルボキシ
ル基もしくはこれに転化しうる基を含有するα、β−不
飽和化合物は、通常全モノマ成分中10モル%以上で、
40モル%以上であることがより好ましい。
【0034】カルボキシル基またはこれに転化しうる基
を含有するα、β−不飽和化合物をモノマとして含有す
る重合体は、通常ラジカル重合により調整される。重合
度は特に限定されるものではない。
【0035】このように調整される該重合体の中でも特
に、アクリル酸、メタクリル酸との重合体または共重合
体、α−オレフィン、ビニル化合物と無水マレイン酸と
の共重合体が好ましい。
【0036】これらの重合体または共重合体は、ナトリ
ウム、カリウム、マグネシウム、バリウムなどのアルカ
リ金属またはアルカリ土類金属の水酸化物、酸化物また
は炭酸塩などの化合物、アンモニア、アミンなどを用い
てケン化反応させることによる親水性付与が好ましく行
なわれる。これらの反応は、該重合体または該共重合体
を各種の有機溶媒または水に溶解または分散させ、そこ
に前記したアルカリ金属化合物、アルカリ土類金属化合
物、アンモニア、アミンなどを撹拌下に添加することに
よって実施される。
【0037】このようなカルボン酸塩系共重合体の中で
も、特にビニルエステル/(メタ)アクリル酸エステル
共重合体が、親水性膨潤層が適度な水膨潤性を示し、か
つ印刷耐久性およびインキ反撥性の両者を満足させる点
で好ましい。
【0038】本発明に好ましく用いられるビニルエステ
ル/(メタ)アクリル酸エステル共重合体は公知の方法
を用いて製造することができる。例えば高分子化学、7
巻、142頁(1950)。すなわち、重合方式によっ
て適宜選択されるが、例えばジ−t−ブチルパーオキシ
ド、ベンゾイルパーオキシドなどのパーオキシド類、過
硫酸アンモニウムなどの過硫酸塩類、アゾビスイソブチ
ロニトリルなどのアゾ化合物などの重合開始剤を用いた
ラジカル重合によって合成される。重合方式としては、
溶液重合、乳化重合、懸濁重合などが摘要される。該共
重合体中の(メタ)アクリル酸エステル成分が少ないと
吸水性が小さく、多すぎると高吸水状態となり膜強度が
極端に低下する傾向にある。
【0039】合体中における(メタ)アクリル酸エステ
ル成分の割合は、一般に20〜80mol%の範囲にあ
ることが好ましく、吸水性および含水時の力学強度を両
立させるためには30〜70mol%であることが好ま
しい。
【0040】本発明に用いられるビニルエステルとして
は、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ステアリン酸ビ
ニルなどが挙げられる。また(メタ)アクリル酸エステ
ルとしては、(メタ)アクリル酸のアルキルエステル、
具体的にはメチルエステル、エチルエステル、n−プロ
ピルエステル、イソプロピルエステル、n−ブチルエス
テル、t−ブチルエステルが挙げられる。
【0041】上記に説明した共重合体はアルカリ触媒の
存在下でケン化反応することが好ましい。ケン化反応に
用いられる溶媒としてはアルコールおよびアルコール水
溶液が好ましい。また、ケン化反応に用いられる触媒と
しては公知のアルカリ触媒が用いられるが、特に水酸化
ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ金属水酸化
物が好ましい。ケン化反応は20〜80℃で1〜10時
間で終結する。また、本発明のケン化反応物は、公知の
方法によって塩を任意に変えることが可能である。通常
用いられる塩形成物質としては、水酸化ナトリウム、水
酸化カリウム、水酸化アンモニウム、モノメチルアミ
ン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、モノエチルア
ミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、モノイソプ
ロピルアミン、ジイソプロピルアミン、トリイソプロピ
ルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミ
ン、トリエタノールアミン、モノイソプロパノールアミ
ン、ジイソプロパノールアミン、トリイソプロパノール
アミン、N,N−ジメチルエタノールアミン、N,N−
ジメチルイソプロパノールアミン、シクロヘキシルアミ
ン、ベンジルアミン、アニリン、ピリジンなどが挙げら
れる。
【0042】またマグネシウム、カルシウムなどのアル
カリ土類金属塩類の多価金属塩類も前記の塩と混合塩の
形態で添加することが可能である。
【0043】本発明の効果を有効に発現するもう一つ親
水性ポリマとして、N−ビニルカルボン酸アミド系共重
合体が挙げられる。N−ビニルカルボン酸アミド系共重
合体とは、下記一般式(I)で示されるN−ビニルカル
ボン酸アミド(以下、NVAと略す)を必須の繰り返し
単位とする共重合体(以下、NVA系共重合体と略す)
を意味する。
【0044】
【化1】 (ここでR1 は水素原子または炭素数1〜4のアルキル
基、R2 は水素原子またはメチル基、フェニル基、R3
は水素原子または炭素数1〜8の直鎖または分岐アルキ
ル基を表わす。) NVAの具体例としては、N−ビニルアセトアミド、N
−ビニルホルムアミド、N−ビニルプロピオン酸アミ
ド、N−ビニル安息香酸アミド、N−メチル−N−ビニ
ル安息香酸アミド、N−フェニル−N−ビニルアセトア
ミド、N−フェニル−N−ビニル安息香酸アミドなどが
挙げられるが、本発明はこれらの例に限定されるもので
はない。
【0045】本発明に好ましく用いられるNVA系共重
合体は、吸水性および耐久性の観点から、カルボキシル
基、カルボン酸塩、カルボン酸アミド、カルボン酸イミ
ド、カルボン酸無水物などのカルボキシル基またはカル
ボキシル基に誘導しうる基を分子中に1個または2個有
するα、β−不飽和化合物を共重合単位として含有する
ことが好ましい。
【0046】α、β−不飽和化合物の具体例としては、
アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸アミド、メタク
リル酸アミド、無水マレイン酸、マレイン酸、マレイン
酸アミド、マレイン酸イミド、イタコン酸、クロトン
酸、フマル酸、メサコン酸などが挙げられ、本発明に必
要な親水性を示す範囲で共重合可能な他のモノマ成分と
組合わせることが可能である。
【0047】共重合可能な他のモノマ成分の例として
は、エチレン、プロピレン、イソブチレン、1−ブチレ
ン、ジイソブチレン、メチルビニルエーテル、スチレ
ン、酢酸ビニル、アクリル酸エステル、メタクリル酸エ
ステル、アクリロニトリルなどのα−オレフィン、ビニ
ル化合物、ビニリデン化合物などが挙げられる。
【0048】他のモノマと組合わせる場合、NVA単位
は、通常全モノマ成分中10モル%以上で、40モル%
以上であることがより好ましい。
【0049】NVAを含有する重合体は、通常ラジカル
重合により調整される。重合度は特に限定されるもので
はない。
【0050】NVA系共重合体の具体例としては、以下
のポリマが挙げられる。
【0051】ポリ(N−ビニルアセトアミド)、N−ビ
ニルアセトアミド/(メタ)アクリル酸共重合体(以下
の説明で(メタ)□□□□とあるのは、□□□□または
メタ□□□□を略したものである。)およびその部分ま
たは完全中和物(「部分または完全中和物」とは、共重
合体中のカルボン酸、スルフォン酸、リン酸など重合性
官能基中の水素イオンの一部または全部がナトリウム、
カリウムなどのアルカリ金属塩、カルシウム、バリウム
などの金属土類塩化に置換されたものを意味する) このように調整される該重合体の中でも特に、NVAと
アクリル酸、メタクリル酸、無水マレイン酸などカルボ
ン酸塩系の共重合体は、親水性膨潤層が適度な水膨潤性
を示し、かつ印刷耐久性およびインキ反撥性の両者を満
足させる点から好ましく、N−ビニルアセトアミド/
(メタ)アクリル酸塩系共重合体がさらに好ましい。
【0052】本発明に用いられる親水性ポリマは、単独
または2種以上を適宜混合して用いることが可能であ
る。
【0053】次に本発明の最大の特徴である親水性膨潤
層に用いられる疎水性ポリマについて説明する。
【0054】本発明に用いられる疎水性ポリマとしては
特定の平均粒子径分布を持つ疎水性ポリマコロイドから
主として構成されたものが用いられる。すなわち、親水
性膨潤層を主として構成する親水性ポリマ相および疎水
性ポリマ相のうち、該疎水性ポリマ相を特定範囲の平均
粒子径分布を有するポリマコロイドを用いて形成するこ
とによって、該親水性膨潤層が極めて優れたインキ反撥
性を発現することを見出し、本発明に到達した。
【0055】本発明にいう平均粒子径分布とは動的光散
乱法によって計測された値、すなわち、レーザー光散乱
法の原理を用いて計測された、水分散ポリマコロイド溶
液の平均粒子径分布を意味する。以下に動的光散乱法を
用いた粒子径測定の計測機器および計測条件の一例を記
載するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0056】測定方法:動的光散乱法 計測機器:レーザ粒子径測定機「LPA−3000/3
100」(大塚電子(株)製)
【0057】つぎに本発明に言うポリマコロイドの平均
粒子径分布の測定手順について説明する。まずはじめに
あらかじめ洗浄処理した石英セルを用意し、ミリポアフ
ィルタ(セルロースO.2 μ)で濾過した精製水を充填す
る。そして該セル中にマイクロシリンジを用いて水分散
ポリマコロイド(約5%水溶液)を約3μL 程度滴下
し、該セル内の溶液を超音波洗浄機に浸けて撹拌しポリ
マコロイドを均一分散させる。次に該石英セルを上記の
レーザ粒子径測定機の測定室にセットし、散乱強度をモ
ニタリングし、該散乱強度が2000から20000の
範囲内に収まるように上記の精製水で希釈して計測用の
サンプル液を調整する。その後該セルを測定室で所定時
間放置し液温度を安定させた後、計測機を作動し、粒子
径を測定する。
【0058】平均粒子径分布の計測は、上記の計測機器
および計測条件下で専用の解析ソフトを用いて連続して
4回行ない、散乱強度基準で求めた平均値を代表値とし
て用いた。
【0059】本発明の親水性膨潤層に用いられる疎水性
ポリマコロイドの平均粒子径分布としては50〜200
nmであることが重要である。好ましくは80〜200
nm、より好ましくは100〜200nmである。該範
囲以下の平均粒子径分布を有するポリマコロイドを主と
して用いると疎水性ポリマ相と親水性ポリマ相の少なく
とも2相から構成される相分離構造が緻密となり過ぎ、
該親水性膨潤層の親水性ポリマ相の吸水能力が低下しイ
ンキ反撥性が低下する傾向にある。一方該範囲以上の平
均粒子径分布を有するポリマコロイドを主として用いる
と相分離構造が粗密となり過ぎ、該親水性膨潤層の親水
性ポリマ相のボイドが大きくなり形態保持性が低下する
傾向にある。
【0060】これらの特定の平均粒子径分布を有する疎
水性ポリマコロイドを構成する材料群の具体例としては
ビニルポリマ系ラテックス、共役ジエンポリマ系ラテッ
クスおよび水性または水分散ポリウレタン樹脂、シリコ
ーンエマルジョンなどが挙げられる。
【0061】特に優れたインキ反発性のを発現する疎水
性ポリマコロイドとしては共役ジエンポリマ系ラテック
スが好ましい。
【0062】ビニルポリマ系ラテックスとしては、アク
リル系、酢酸ビニル系、塩化ビニリデン系などが挙げら
れる。共役ジエンポリマ系ラテックスとしては、スチレ
ン/ブタジエン系(以下、SB系と略す)、アクリロニ
トリル/ブタジエン系(以下、NB系と略す)、メタク
リル酸メチル/ブタジエン系(以下、MB系と略す)、
クロロプレン系などが挙げられる。
【0063】SB系ラテックスとしては、スチレンおよ
びブタジエンを必須成分として、メタクリル酸メチル、
高級アクリル酸エステル、アクリロニトリル、アクリル
アミド、ヒドロキシエチルアクリレート、不飽和カルボ
ン酸(イタコン酸、マレイン酸、アクリル酸、メタクリ
ル酸など)との共重合体が挙げられる。
【0064】その他NB系、MB系、クロロプレン系な
どの共役ジエン系化合物を含有するラテックスなどが挙
げられる。
【0065】ここで言う共役ジエン系ゴムとしては、
1,3−ブタジエン、2−メチル−1,3−ブタジエン
(イソプレン)、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエ
ン、2−クロル−1,3−ブタジエン(クロロプレン)
など1,3−位に炭素−炭素二重結合を有する非置換ま
たは置換1,3−ブタジエン骨格を有する化合物を意味
し、これらを必須成分とする単独またはブロック共重合
ゴム(ポリマ)が挙げられる。
【0066】ブロック共重合ゴムとしては、1,3−ブ
タジエン、2−メチル−1,3−ブタジエン(イソプレ
ン)などの1,3−ジエンと、常温でガラス状重合体を
与えるスチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン
などのモノビニル置換芳香族化合物とのブロック共重合
体が挙げられる。
【0067】このような共重合ゴムとしては、種々の公
知のタイプが例示できるが、A−B−Aタイプのブロッ
ク共重合ゴム(ここでAはモノビニル置換芳香族化合物
からなり、好ましくはガラス転移点が70℃以上で、重
合度が10〜2500である重合体セグメントを意味
し、Bは1,3−ジエンを意味し、好ましくは数平均分
子量が500〜25000である非晶性重合体セグメン
トを意味する)などを好ましく挙げることができる。ま
た該ブロック共重合ゴムの水素添加物も同様である。
【0068】本発明に用いられる単独および共重合ゴム
の具体例としては、ポリブタジエン、ポリイソプレン
(天然ゴムを含む)、ポリクロロプレン、スチレン−ブ
タジエン共重合体、カルボキシ変性スチレン−ブタジエ
ン共重合体、アクリル酸エステル−ブタジエン共重合体
(例えばブタジエン−2−エチルヘキシルアクリレート
共重合体、ブタジエン−n−オクタデシルアクリレート
共重合体)、メタクリル酸エステル−ブタジエン共重合
体、イソブチレン−イソプレン共重合体、アクリロニト
リル−ブタジエン共重合体、カルボキシ変性アクリロニ
トリル−ブタジエン共重合体、アクリロニトリル−イソ
プレン共重合体、ビニルピリジン−ブタジエン共重合
体、ビニルピリジン−スチレン−ブタジエン共重合体、
スチレン−クロロプレン共重合体、スチレン−イソプレ
ン共重合体などが挙げられる。
【0069】アクリル系ラテックスとしては、アクリル
酸エステルおよびメタクリル酸エステルを必須成分とし
た共重合体が挙げられる。具体的には、メタクリル酸メ
チル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル
酸オクチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、スチレン
などの少なくとも1種以上を共重合したものが挙げられ
る。
【0070】酢酸ビニル系ラテックスとしては、酢酸ビ
ニル単独またはアクリル酸エステル、高級酢酸ビニルエ
ステル、エチレンなどとの共重合体が挙げられる。
【0071】塩化ビニリデン系ラテックスとしては、塩
化ビニリデンとアクリル酸メチル、アクリル酸オクチ
ル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリロニトリ
ル、塩化ビニルなどとの共重合体が挙げられる。
【0072】水性または水分散ポリウレタン樹脂として
は、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオー
ル、ポリ(エステル/エーテル)ポリオールとポリイソ
シアネートからなる疎水性のポリウレタン樹脂を界面活
性剤を用いて強制的に乳化させた強制乳化型、樹脂自身
に親水性基または、親水性セグメントを付与し、自己分
散性にして乳化させた自己乳化型が挙げられ、両者にお
いて非反応性のものおよびブロック剤でイソシアネート
基などの反応基をブロックした反応性のものが挙げられ
る。
【0073】シリコーンエマルジョンとしては、シリコ
ーンオイルに乳化剤、添加剤、有機溶剤などとともに水
と混合し、ホモジナイザ、ホモミキサ、コロイドミル、
サンドグラインダなどを用いてせん断力を与え、乳化さ
せたものが挙げられる。具体的には下記(1)〜(3)
の方法が挙げられる。
【0074】(1)agent−in−water法 乳化剤などを水相に予め溶解し、この水相にシリコーン
オイルを添加する方法。 (2)agent−in−oil法 乳化剤などをシリコーンオイルを主成分とする油相に溶
解し、この油相に水相を添加する方法。
【0075】(3)転相法 乳化剤などを油相に溶解し、この油相に少量ずつ水相を
添加し、まずW/Oエマルジョンを調整したのち、さら
に水相を加えてO/Wエマルジョンに転相させる方法。
【0076】これらのシリコーンエマルジョンの原材料
となるシリコーンオイルの中でも、親水性ポリマや他の
疎水性ポリマとの間での架橋反応を有効に行う観点か
ら、反応性官能基を有するシリコーンオイルが好ましく
用いられる。
【0077】すなわち、メチルハイドロジェンシリコー
ンオイル、シラノール基含有シリコーンオイル、アルコ
キシ基含有シリコーンオイル、アミノ変性シリコーンオ
イル、カルボン酸変性シリコーンオイル、カルビノール
変性シリコーンオイル、エポキシ変性シリコーンオイ
ル、メルカプト変性シリコーンオイルなどが挙げられ
る。
【0078】またシリコーンオイルの他にも上記した公
知のシリコーンゴム、シリコーンレジン、シリコーンパ
ウダーなどもエマルジョンを作成する際に任意に混合す
ることができる。
【0079】これらの疎水性ポリマコロイドは、単独ま
たは2種以上を適宜混合して使用することが可能である
が、本発明の効果を有効に発現するためには該ポリマコ
ロイド全体として平均粒子径分布が50〜200nmの
範囲にあることが重要である。
【0080】本発明の親水性膨潤層は上記の親水性ポリ
マと疎水性ポリマを混合し、必要に応じて架橋または疑
似架橋し、水に不溶化せしめることによって基板上に積
層形成される。
【0081】架橋には親水性ポリマおよび疎水性ポリマ
が有する反応性官能基を用いて架橋反応することが好ま
しい。
【0082】架橋反応は、共有結合性の架橋であって
も、イオン結合性の架橋であってもよい。
【0083】架橋反応に用いられる化合物としては、架
橋性を有する公知の多官能性化合物が挙げられ、ポリエ
ポキシ化合物、ポリイソシアネート化合物、ポリ(メ
タ)アクリル化合物、ポリメルカプト化合物、ポリアル
コキシシリル化合物、多価金属塩化合物、ポリアミン化
合物、アルデヒド化合物、ポリビニル化合物、ヒドラジ
ンなどが挙げられ、該架橋反応は公知の触媒を添加し、
反応を促進することが行なわれる。
【0084】また本発明の疎水性ポリマコロイドを作製
する際に、カルボキシル基、水酸基、メチロールアミド
基、エポキシ基、アルボニル基、アミノ基などの反応性
官能基を存在させて自己架橋させる方法および、架橋剤
として上記の多官能性化合物を用いて架橋構造を形成さ
せる方法が挙げられる。
【0085】架橋性を有する公知の多官能性化合物の具
体例としては、下記の化合物が挙げられる。
【0086】(1)昇華硫黄、硫化水素を酸化して生成
させる副生硫黄、硫化水素を湿式で酸化して生成するコ
ロイド硫黄など。また、加熱すると分解して硫黄を発生
するジチオモルフォリン、チオプラストテトラメチルチ
ウラムジスルフィド、テトラメチルチウラムモノスルフ
ィド、ジペンタメチレンチウラムテトラスルフィドなど
のチウラム系化合物、ピペリジンペンタメチレンチオカ
ルバメート、ピペコリンピペコリルジチオカルバメー
ト、ジメチルジチオカルバミン酸ナトリウムなどのジチ
オカルバメート系化合物、イソプロピルキサントゲン酸
ナトリウム、ブチルキサントゲン酸亜鉛などのキサンテ
ート化合物、チオウレア、チオカルバニリドなどのチオ
ウレア化合物、ジフェニルグアニジンなどのチアゾール
の亜鉛塩、メルカプトベンゾチアゾールのナトリウム
塩、ジベンゾチアジルジスルフィド、メルカプトベンゾ
チアゾールのシクロヘキシルアミン塩などのチアゾール
系化合物など。
【0087】(2)ブチルアルデヒド−モノブチルアミ
ン縮合物、ブチルアルデヒド−アニリン縮合物、ヘプタ
アルデヒド−アニリン反応物、塩エチル−ホルムアルデ
ヒド−アンモニア反応物などのアルデヒドアミン系化合
物、酸化亜鉛、テルリウム、セレニウム、炭酸ジルコニ
ウムアンモニアや、ベンゾイルパーオキシド、ジクミル
パーオキシドなどの有機過酸化物など。
【0088】さらに架橋促進剤としては、炭酸亜鉛、ス
テアリン酸、オレイン酸、ラウリン酸、ステアリン酸亜
鉛、ジブチルアンモニウムオレエート、ジエタノールア
ミン、トリエタノールアミン、ジエチレングリコールな
どが挙げられる。
【0089】(3)ポリエポキシ化合物、尿素樹脂、ポ
リアミン、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、酸無
水物など。
【0090】ポリエポキシ化合物の具体例としては、グ
リセリンジポリリシジルエーテル、ポリエチレングリコ
ールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコール
ジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンポリグ
リシジルエーテル、トリメチロールプロパンポリグリシ
ジルエーテル、ソルビトールポリグリシジルエーテルな
どが挙げられる。
【0091】ポリアミンの具体例としては、エチレンジ
アミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミ
ン、テトラエチレンペンタミン、ポリエチレンイミン、
ポリアミドアミンなどが挙げられる。
【0092】(4)ポリイソシアネート化合物など。
【0093】ポリイソシアネート化合物の例としては、
トリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシア
ネート、ジフェニルメタンイソシアネート、液状ジフェ
ニルメタンジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニ
ルイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、シク
ロヘキシルジイソシアネート、シクロヘキサンフェニレ
ンジイソシアネート、ナフタリン−1,5−ジイソシア
ネート、イソプロピルベンゼン−2,4−ジイソシアネ
ート、ポリプロピレングリコール/トリレンジイソシア
ネート付加反応物が挙げられる。
【0094】(5)シラン化合物など。
【0095】シラン化合物の例としては、アミノイソプ
ロペノキシトリメトキシシラン、エポキシプロピルトリ
メトキシシラン、メチルトリメトキシシランなどが挙げ
られる。
【0096】これらの架橋剤は単独または2種以上を混
合して使用することが可能である。分散媒としては主と
して水が用いられるが、必要に応じて公知の有機溶剤を
添加することが可能である。有機溶剤の添加方法として
は重合溶媒として添加する方法、および乳化重合後ポリ
マコロイド水溶液に混合溶媒として添加する方法が可能
である。
【0097】本発明の親水性膨潤層の親水性ポリマと疎
水性ポリマを混合する方法としては、3本ロールなどの
ロールミキサ、ニーダーなど混合機を用いて混練りする
方法、ホモジナイザー、ボールミルなどのディスパーサ
ーを用いて湿式混合分散する方法など、塗料やパテを製
造する際に用いられる公知の方法で好ましく混合され
る。
【0098】また本発明の親水性膨潤層を形成する方法
としては、疎水性ポリマコロイドを用いることから、水
溶液系で各成分(親水性ポリマ、疎水性ポリマなど)を
混合し、必要に応じて架橋剤が添加される方法が、均質
な相分離構造を実現しインキ反撥性を向上させる点から
好ましい。
【0099】従って、用いられる架橋剤としては、水溶
性の多官能性化合物を用いることが特に好ましい。すな
わち、水溶性のポリエポキシ化合物、ポリアミン化合
物、メラミン化合物などを用いることが好ましい。
【0100】次に本発明に言う親水性膨潤層の相分離構
造について説明する。
【0101】本発明に用いられる親水性膨潤層は、上記
した親水性ポリマを主成分とする相と疎水性ポリマを主
成分とする相の少なくとも2相から構成された相分離構
造を有することを特徴としている。
【0102】親水性ポリマを主成分とする相と疎水性ポ
リマを主成分とする相から構成された相分離構造とする
ことにより、インキ反撥性と印刷耐久性の両者を広い組
成範囲において実現することが可能となる。
【0103】該相分離構造を構成する親水性ポリマ相と
疎水性ポリマ相の組成比は自由であり、 (1)いずれか一方が連続相で、他方が分散相である形
態、 (2)親水性および疎水性ポリマ相がそれぞれ連続相お
よび分散相を有する形態 (3)親水性および疎水性ポリマ相がいずれも連続相と
なる形態 の中から自由に選択することができる。
【0104】上記(1)〜(3)の相分離構造の一例を
表す模式図をそれぞれ図1〜3に示す。
【0105】すなわち親水性ポリマが比較的強い親水性
を示す材料を選択した場合(水溶性ポリマおよび疑似水
溶性ポリマなど)、親水性膨潤層に含まれる該親水性ポ
リマの割合は、インキ反撥性および印刷耐久性の点から
比較的少量で十分であり、疎水性ポリマの割合が相対的
に多くなるため、親水性ポリマを分散相とする上記の
(1)または(2)の形態となることが好ましい。一
方、親水性ポリマが比較的弱い親水性を示す材料を選択
した場合(水膨潤性ポリマなど)、親水性膨潤層に含ま
れる該親水性ポリマの割合は、インキ反撥性および印刷
耐久性の点から比較的多量に必要であり、疎水性ポリマ
の割合が相対的に少なくなるため、上記の(1)、
(2)または(3)の形態となることが好ましい。
【0106】すなわち本発明に用いられる親水性膨潤層
の好ましい相分離構造は、該層が有するゴム弾性および
水膨潤性によって異なるが、親水性ポリマの親水性の程
度によって異なる。
【0107】(1)の形態をとる場合、疎水性ポリマ相
が主として連続相であるためには、疎水性ポリマの組成
が50重量%以上であり、60〜95重量%であること
が好ましく、70〜90重量%であることが更に好まし
い。疎水性ポリマの組成比が50重量%以下となると親
水性膨潤層のインキ反撥層としての性能は印刷初期にお
いては向上するが、印刷耐久性が急激に低下する傾向に
ある。一方、疎水性ポリマの組成比が95重量%を越え
ると親水性膨潤層内の親水性ポリマが十分に吸水でき
ず、親水性が不足してインキ反撥性が極端に低下する傾
向にある。
【0108】(2)および(3)の形態をとる場合、親
水性ポリマおよび疎水性ポリマの両者が20重量%以上
であり、40重量%以上であることが好ましい。
【0109】該親水性膨潤層はゴム弾性を有することが
好ましい。
【0110】親水性膨潤層のゴム弾性は以下に説明する
方法によって測定された初期弾性率の値によって特徴付
けられる。
【0111】[親水性膨潤層の初期弾性率の測定方法]
測定しようとする感光性平版印刷版原版の親水性膨潤層
の組成と同一組成の溶液をテフロンシャーレ上に展開
し、60℃×24時間乾燥硬化させる。得られた乾燥硬
化膜は剃刀刃などを用いて、長さ40mm、幅1.95
mm、厚み約0.2mmの短冊状のテストピースに裁断
する。
【0112】得られたテストピースは、測定前に25℃
50%RHの環境にて24時間以上放置し調湿したの
ち、厚みをマイクロゲージにて測定し、下記の引張り条
件で初期弾性率を測定した。データ処理はJIS K6
301に準じて行なった。
【0113】 引張り速度 200mm/分 チャック間距離 20mm 繰り返し数 4回 測定機 (株)オリエンテック製「RTM−100」 本発明に用いられる親水性膨潤層の初期弾性率は、0.
01〜10kgf/mm2 の範囲にあることがインキ反
撥性および形態保持性の観点から好ましい。好ましく
は、0.01〜5kgf/mm2 の範囲であり、0.0
1〜2kgf/mm2 の範囲が更に好ましい。
【0114】すなわち初期弾性率が、0.01kgf/
mm2 未満になると親水性膨潤層の形態保持性が極端に
低下し、印刷時の耐久性が極端に低下する傾向にある。
【0115】一方該初期弾性率が10kgf/mm2 よ
り大きくなるとゴム弾性が不足し、インキ反撥性が極端
に低下する傾向にある。
【0116】また、本発明に用いられる親水性膨潤層は
以下の定義に従って測定した吸水率の値が特定の範囲で
あることが好ましい。
【0117】
【数1】 ただし、吸水量とは、以下の定義に従って測定した値を
意味する。
【0118】吸水量(g/m2 )=WWET −WDRY WDRY :乾燥状態における重量(g/m2 ) WWET :水中に25℃×10分間浸漬した後の重量(g
/m2 ) [吸水量の測定方法]測定しようとする感光性平版印刷
版原版を所定面積に裁断し、25℃の精製水に浸漬す
る。10分間浸漬した後、該原版の親水性膨潤層表面お
よび裏面に付着した余分の水分を「ハイゼガーゼ」(コ
ットン布:旭化成工業(株)製)にて素速く拭き取り、
該原版の膨潤重量WWET を秤量する。その後、該平版印
刷版を60℃のオーブンにて約30分間乾燥し、乾燥重
量WDRY を秤量する。
【0119】本発明に用いられる親水性膨潤層の吸水率
は、10〜1000%で用いることが可能であるが、イ
ンキ反撥性および形態保持性の観点から、好ましくは5
0〜500%である。該吸水率が10%未満になると、
インキ反撥性が極端に低下する傾向にあり、また塗工時
にピンホ−ルなどの欠陥が生じ易くなる。また1000
%より大きくなると形態保持性が極端に低下する傾向に
ある。
【0120】本発明で言う親水性膨潤層厚さとは、基板
上に塗設された乾燥させた感光性平版印刷版原版の親水
性膨潤層の塗布層を剥離し、重量法によって測定した値
を意味する。親水性膨潤層厚さは下記式に従って測定し
た。
【0121】 親水性膨潤層厚さ(g/m2 )=(W−W0 )/α W:感光性平版印刷版原版を裁断したものの乾燥重量
(g) W0 :上記Wから親水性膨潤層を剥離脱落した後の乾燥
重量(g) α:感光性平版印刷版原版の測定面積(m2 ) [親水性膨潤層厚さの測定方法]測定しようとする感光
性平版印刷版原版を所定面積αに裁断した後、60℃の
オーブンにて約30分間乾燥し、乾燥重量Wを秤量す
る。その後、原版を精製水に浸漬し、親水性膨潤層を膨
潤させ、スクレーパーなどを用いて該膨潤層を剥離脱落
させる。親水性膨潤層を剥離脱落させた原版を再度60
℃のオーブンにて約30分間乾燥し、乾燥重量W0 を秤
量する。
【0122】本発明に用いられる親水性膨潤層厚さは、
0.1〜100g/m2 で用いることが可能であるが、
インキ反撥性および形態保持性の観点から、好ましくは
0.3〜10g/m2 である。該厚みが0.3g/m2
未満になると、インキ反撥性が極端に低下する傾向にあ
り、また塗工時にピンホ−ルなどの欠陥が生じ易くな
る。また10g/m2 以上は水膨潤時の形態保持性が劣
化する傾向にあり経済的にも不利である。
【0123】本発明に用いられる親水性膨潤層には上記
した親水性ポリマ、疎水性ポリマおよび必要に応じて加
えられる架橋剤の他にも、ゴム組成物において通常添加
される公知の老化防止剤、酸化防止剤、オゾン劣化防止
剤、紫外線吸収剤、染料、顔料、可塑剤などを本発明の
効果を損わない範囲で添加することが可能である。
【0124】また下層との接着性向上などの目的から、
公知のシランカップリング剤やイソシアネート化合物、
触媒などを添加したり基板との間に中間層として設ける
ことも可能である。
【0125】本発明によって得られる感光性平版印刷版
原版の画像は、例えば、基板上に親水性膨潤層に感光性
化合物を含有させ感光性平版印刷版原版としたものの版
表面に活性光線を照射することにより形成することがで
きる。すなわち、画線部および非画線部の差を活性光線
の照射により生じさせる。
【0126】好ましくは、ネガティブワーキングの画像
形成により作製される。すなわち、親水性膨潤層の活性
光線が照射されなかった部分(以下未露光部と称する)
と比較して活性光線が照射された部分(以下露光部と称
する)の初期弾性率が上昇する等してインキ着肉性の画
線部となり、未露光部はインキ反撥性の非画線部とな
る。
【0127】このような画像形成には公知の感光性化合
物が用いられる。
【0128】すなわち、感光性平版印刷版原版の親水性
膨潤層に公知の光架橋または光硬化性の感光性化合物を
含有させ、露光部を選択的に架橋および/または硬化
し、初期弾性率を上昇させることによって画像形成が達
成される。
【0129】公知の光架橋または光硬化性の感光性化合
物としては下記の(1)〜(6)の具体例が挙げられ
る。
【0130】(1)光重合性モノマまたはオリゴマ アルコール類(エタノール、プロパノール、ヘキサノー
ル、オクタノール、シクロヘキサノール、グリセリン、
トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、イソ
アミルアルコール、ラウリルアルコール、ステアリルア
ルコール、ブトキシエチルアルコール、エトキシエチレ
ングリコール、メトキシエチレングリコール、メチキシ
プロピレングリコール、フェノキシエタノール、フェノ
キシジエチレングリコール、テトラヒドロフルフリルア
ルコールなど)の(メタ)アクリル酸エステル、カルボ
ン酸類(酢酸、プロピオン酸、安息香酸、アクリル酸、
メタクリル酸、コハク酸、マレイン酸、フタル酸、酒石
酸、クエン酸など)と(メタ)アクリル酸グリシジルま
たはテトラグリシジル−m−キシリレンジアミンまたは
テトラグリシジル−m−テトラヒドロキシリレンジアミ
ンとの付加反応物、アミド誘導体(アクリルアミド、メ
タクリルアミド、n−メチロールアクリルアミド、メチ
レンビスアクリルアミドなど)、エポキシ化合物と(メ
タ)アクリル酸との付加反応物などを挙げることができ
る。
【0131】さらに具体的には、特公昭48−4170
8号公報、特公昭50−6034号公報、特開昭51−
37193号公報に記載されているウレタンアクリレー
ト、特開昭48−64183号公報、特公昭49−43
191号公報、特公昭52−30490号公報に記載さ
れているポリエステルアクリレート、エポキシ樹脂と
(メタ)アクリル酸を反応させた多官能エポキシ(メ
タ)アクリレート、米国特許4540649 に記載されている
N−メチロールアクリルアミド誘導体などを挙げること
ができる。更に日本接着協会誌VOL.20,No.7,p300〜308
に紹介されている光硬化性モノマおよびオリゴマを用い
ることができる。
【0132】中でも本発明に好ましく用いられる光重合
性モノマまたはオリゴマとしては、画線部のインキ着肉
性の観点から、親油性のエチレン性不飽和化合物(20
℃において、水に対する溶解度が8重量%以下の光重合
可能なモノマまたはオリゴマを意味する。)が好まし
い。
【0133】好ましく用いられる親油性のエチレン性不
飽和化合物の具体例としては、下記一般式(II)で表わ
される化合物が挙げられる。
【0134】 CH2 =C(R1 )−CO−O−(CH2 n −R2 (II) (ここで、R1 は水素またはメチル基を表わす。R2
水素、炭素数1〜20の置換または無置換のアルキル
基、ニトロ基、アジド基、炭素数2〜20のアルケニル
基、炭素数4〜20の置換または無置換のアリール基、
置換または無置換のアラルキル基、アクリロキシ基、メ
タアクリロイロキシ基を表す。nは1〜30の整数。) 具体例としては、下記の化合物が挙げられる。
【0135】
【化2】 nは上記一般式で表わされる化合物の平均値を意味す
る。すなわち、上記一般式で表わされる化合物はnに分
布を持った混合物からなる。
【0136】これらの化合物はインキ着肉性の点からn
は4〜30の整数であることが好ましく、8〜13が更
に好ましい。nが3以下の場合、親油性が不足し、イン
キ着肉性が不足する傾向にある。nが31以上である
と、重量あたりの不飽和基当量が不足し感光性が低下す
る。例えば、nが4,5,6,7,8,9,10,1
3,22等の化合物を用いることができる。
【0137】上記一般式(II)以外の本発明に好ましく
用いられる親油性のエチレン性不飽和化合物の具体例と
しては、2−エチルヘキシルアクリレート、2−エチル
ヘキシルメタアクリレート、ネオペンチルグリコールジ
アクリレート、ネオペンチルグリコールジメタアクリレ
ート、イソオクチルアクリレート、イソオクチルメタク
リレートなどが挙げられる。
【0138】これらの親油性のエチレン性不飽和化合物
は、単独または2種以上を適宜混合して使用することが
可能である。
【0139】(2)光二量化型の感光性樹脂組成物 例えばポリ桂皮酸ビニルなどを含む感光層、例えば、P
−フェニレンジアクリル酸と1,4−ジヒドロキシエチ
ルオキシシクロヘキサンの1:1重縮合不飽和ポリエス
テルやシンナミリデンマロン酸と2官能性グリコ−ル類
とから誘導される感光性ポリエステル、ポリビニルアル
コ−ル、デンンプン、セルロ−スなどのような水酸基含
有ポリマのケイ皮酸エステルなど。
【0140】(3)エポキシ基を有するモノマ、オリゴ
マまたはポリマと公知の光酸発生剤との組合わせから成
る組成物 これは露光すると光酸発生剤がルイス酸やブレンステッ
ド酸を生成し、エポキシ基がカチオン重合して架橋す
る。光酸発生剤としては、アリルジアゾニウム塩化合
物、ジアリルヨードニウム塩化合物、トリアリルスルフ
ォニウム塩化合物、トリアリルセレノニウム塩化合物、
ジアルキルフェナシルスルフォニウム塩化合物、ジアル
キル−4−フェナシルスルフォニウム塩化合物、α−ヒ
ドロキシメチルベンゾインスルフォン酸エステル、N−
ヒドロキシイミノスルフォネート、α−スルフォニロキ
シケトン、β−スルフォニロキシケトン、鉄−アレーン
錯体化合物(ベンゼン−シクロペンタジエニル−鉄(I
I)ヘキサフルオロフォスフェートなど)、o−ニトロ
ベンジルシリルエーテル化合物などが挙げられる。
【0141】エポキシ基を有するモノマ、オリゴマまた
はポリマとしては、下記のものが好ましく用いられる。
【0142】メチルグリシジルエーテル、エチルグリシ
ジルエーテル、プロピルグリシジルエーテル、n−ブチ
ルグリシジルエーテル、イソブチルグリシジルエーテ
ル、ペンチルグリシジルエーテル、シクロヘキシルグリ
シジルエーテル、2−エチルヘキシルグリシジルエーテ
ルなどが挙げられる。
【0143】(4)アリル基および/またはビニル基を
有するモノマ、オリゴマまたはポリマとメルカプト基を
有するモノマ、オリゴマまたはポリマとの組成物 これは露光するとメルカプト基がアリル基およびまたは
ビニル基に付加し架橋する。
【0144】(5)ジアゾニウム塩化合物と水酸基含有
化合物との組成物 本発明に用いられるジアゾ化合物としては、p−ジアゾ
ジフェニルアミンとホルムアルデヒドとの縮合物で代表
される水不溶で有機溶媒可溶性のジアゾ樹脂などが挙げ
られる。
【0145】具体的には特公昭47−1167号公報お
よび特公昭57−43890号公報に記載されているよ
うなものが挙げられる。
【0146】また、これらのジアゾモノマーとの縮合剤
として用いられるアルデヒドとしては、例えば、ホルム
アルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒ
ド、ブチルアルデヒド、イソブチルアルデヒド、ベンズ
アルデヒドなどが挙げられる。更に陰イオンとしては、
塩素イオンやトリクロロ亜鉛酸などを用いることにより
水溶性のジアゾ樹脂を得ることができ、また四フッ化ホ
ウ素、六フッ化燐酸、トリイソプロピルナフタレンスル
フォン酸、4,4’−ビフェニルスルフォン酸、2、5
−ジメチルベンゼンスルフォン酸、2−ニトロベンゼン
スルフォン酸、2−メトキシ−4−ヒドロキシ−5−ベ
ンゾイル−ベンゼンスルフォン酸などを用いることによ
り、有機溶剤可溶性のジアゾ樹脂を得ることができる。
【0147】またこれらのジアゾ樹脂は下記に説明する
ような水酸基を有する高分子化合物が通常混合して使用
される。
【0148】すなわち、水酸基を有する高分子化合物と
しては、アルコール性水酸基を有するモノマー、例えば
2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、4−ヒ
ドロキシブチル(メタ)アクリレート、2、3−ヒドロ
キシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエ
チル(メタ)アクリルアミド、トリエチレングリコール
モノ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコール
モノ(メタ)アクリレート、1、3−プロパンジオール
モノ(メタ)アクリレート、1、4−ブタンジオールモ
ノ(メタ)アクリレート、ジ(2−ヒドロキシエチル)
マレエートなどの中から選ばれる少なくとも1種類以上
のモノマーと他の水酸基を有さないモノマーとの間での
共重合体や、フェノール性水酸基を有するモノマー、例
えば N−(4−ヒドロキシフェニル)(メタ)アクリ
ルアミド、N−(4−ヒドロキシフェニル)マレイミ
ド、o−、m−、p−ヒドロキシスチレン、o−、m
−、p−ヒドロキフェニル(メタ)アクリレート、など
との共重合体、また、p−ヒドロキシ安息香酸とグリシ
ジル(メタ)アクリレートとの開環反応生成物、サリチ
ル酸と2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートとの
反応生成物などの水酸基含有モノマーなどとの共重合体
が挙げられる。また、ポリビニルアルコール、セルロー
ス、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコー
ル、グリセリン、ペンタエリスリトールなどやこれらの
エポキシ付加反応物、その他の水酸基含有天然高分子化
合物なども用いることができる。
【0149】(6)ビスアジド化合物と環化したポリイ
ソプレンゴムやポリブタジエンゴム、またはクレゾール
ノボラック樹脂を主成分とする感光性組成物など。
【0150】これらの感光性化合物は基板上に親水性膨
潤層を形成する際に組成物に添加し該層内に存在させる
方法、または親水性膨潤層を形成した後、感光性組成物
を該層上に塗布し該層内に含浸させる方法などを用いて
添加される。
【0151】比較的高分子量のポリマ、オリゴマなどを
用いた感光性組成物の場合には、前者の親水性膨潤層形
成時に同時添加する方法が有利に行なわれ、比較的低分
子量のモノマ、オリゴマなどを用いた感光性組成物の場
合には、後者の含浸方法が有利である。
【0152】また該親水性膨潤層にはこれらの感光性化
合物を増感させる目的から公知の光増感剤を添加するこ
とが可能である。公知の光増感剤としては、公知の光増
感剤が自由に選択できるが、各種の置換ベンゾフェノン
系化合物、置換チオキサントン系化合物、置換アクリド
ン系化合物などが好ましく用いられる。また、米国特許
236766に記載されているビシナールポリケタルドニル化
合物、米国特許2367661、米国特許2367670 に開示されて
いるα−カルボニル化合物、米国特許2722512に開示さ
れているα−炭化水素で置換された芳香族アシロイン化
合物、米国特許3046127 、米国特許2951758 に開示され
ている多核キノン化合物、米国特許3549367 に開示され
ているトリアリールイミダゾールダイマ/p−アミノフ
ェニルケトンの組合わせ、米国特許3870524 に開示され
ているベンゾチアゾール系化合物、米国特許4239850 に
開示されているベンゾチアゾール系化合物/トリハロメ
チル−s−トリアジン系化合物および米国特許3751259
に開示されているアクリジンおよびフェナジン化合物、
米国特許4212970 に開示されているオキサジアゾール化
合物、米国特許3954475 、米国特許4189323 などに開示
されている発色団基を有するトリハロメチル−s−トリ
アジン系化合物、特開昭59−197401号公報、特
開昭60−76503号公報に開示されているベンゾフ
ェノン基含有ペルオキシエステル化合物などが具体例と
して挙げられる。
【0153】本発明に用いられる平版印刷版の基板とし
ては、通常の平版印刷機に取り付けられるたわみ性と印
刷時に加わる荷重に耐えうるものである必要がある以外
には一切制限を受けない。
【0154】代表的なものとしては、アルミ、銅、鉄、
などの金属板、ポリエステルフィルムやポリプロピレン
フィルムなどのプラスチックフィルムあるいはコート
紙、ゴムシートなどが挙げられる。また、該基板は上記
の素材が複合されたものであってもよい。
【0155】また、該基板表面は検版性向上や接着性向
上の目的から、電気化学的処理や酸塩基処理、コロナ放
電処理など各種に表面処理を施すことも可能である。
【0156】またこれらの基板上には接着性向上やハレ
ーション防止の目的からコーティングなどを施してプラ
イマー層を形成し、基板とすることも可能である。
【0157】次に、本発明により得られた感光性平版印
刷版原版を用いた製版方法について説明する。
【0158】該感光性平版印刷版原版は、ネガティブワ
ーキング用の製版工程を経て刷版とすることができる。
すなわち、ネガ原画フィルムを通じて、通常の露光光源
によって画像露光される。
【0159】この露光工程で用いられる光源としては、
例えば高圧水銀灯、カーボンアーク灯、キセノン灯、メ
タルハライド灯、蛍光灯などが挙げられる。このような
通常の露光を行なったのち水または現像液でリンスする
と、未露光部の親水性膨潤層内に存在する感光性化合物
が溶解除去または不感光化され、インキ反撥するのに適
した相分離構造および水膨潤性を有する非画線部とな
り、露光部は感光性化合物が光架橋硬化し未露光部と比
較して、高い初期弾性率を示しかつ、水膨潤性の低下し
た画線部となる。
【0160】上記のように該感光性平版印刷版原版は、
感光性化合物の光化学反応の助けを借りて親水性膨潤層
の相分離構造が有するゴム弾性や水膨潤性を変化させる
ことによって画像形成するものである。
【0161】次に得られた平版印刷版を用いた印刷方法
について説明する。
【0162】該平版印刷版を用いた平版印刷には公知の
平版印刷機が用いられる。すなわち、オフセットおよび
直刷り方式の枚葉および輪転印刷機などが用いられる。
【0163】平版印刷版を画像形成したのち、これらの
平版印刷機の版胴に装着し、該版面には接触するインキ
着けローラーからインキが供給される。
【0164】該版面上の親水性膨潤層を有する非画線部
分は湿し水供給装置から供給される湿し水によって膨潤
し、インキを反撥する。一方、画線部分はインキを受容
し、オフセットブランケット胴表面または被印刷体表面
にインキを供給して印刷画像を形成する。
【0165】該平版印刷版を印刷する際に使用される湿
し水は、水ありPS版で使用されるエッチ液を用いるこ
とはもちろん可能であるが、添加物を一切含有しない飲
料水などを任意に使用することができる。
【0166】以下に、実施例により本発明をさらに詳し
く説明する。
【0167】
【実施例】
実施例 1 厚さ0.24mmのアルミ基板(住友軽金属(株)製)ウ
ェブロールをプライマー層塗布装置に導き、グラビアロ
ールコータを用いてプライマー層組成物を塗布した。そ
の後、熱風乾燥硬化装置を用いて180℃×1分間熱処
理し、乾燥重量で2g/m2 の厚みを有するプライマー
層を塗設した。
【0168】 <プライマー層組成(重量部)> (1)レゾール樹脂 15重量部 (2)ジグライム 85重量部 さらに上記プライマー層を塗設した基板ウェブロールを
親水性膨潤層塗布装置に導き、プライマー層組成物と同
様にグラビアロールコータを用いて下記に示した親水性
膨潤層組成物を塗布した。
【0169】その後、乾燥硬化装置を用いて100℃×
1分間+180℃×3分間熱処理した熱履歴を経由させ
て乾燥効果させて、乾燥重量で2g/m2 の厚みを有す
る親水性膨潤層を塗設した。
【0170】 <親水性膨潤層組成(重量部)> (1)親水性ポリマ 15重量部 (2)テトラエチレングリコールグリシジルエーテル 15重量部 (3)水性ラテックス「JSRO619] 70重量部 [カルボキシ変性スチレン−ブタジエン共重合ラテックス:大日本インキ 化学工業(株)製 平均粒子系分布 146nm] (4)精製水 900重量部 [親水性ポリマの合成例]酢酸ビニル60gとアクリル
酸40gに重合開始剤としてベンゾイルパーオキシド
0.5gを加えたものを、これに分散安定剤として部分
ケン化ポリビニルアルコール3gとNaCl 10gを
含む水300ml中に分散させた。
【0171】該分散液を65℃×6時間攪拌し、懸濁重
合を行なった。得られた共重合体のアクリル酸メチル成
分はNMRスペクトルから同定した結果48モル%であ
った。また30℃におけるベンゼン溶液中での極限粘度
は2.10であった。
【0172】次に、該共重合体8.6gを200gのメ
タノールと10gの水および5NのNaOH40mlか
らなるケン化反応液中に添加し攪拌懸濁させ、25℃×
1時間ケン化反応を行った後、温度を65℃に昇温し、
さらに5時間ケン化反応を行なった。
【0173】得られたケン化反応物はメタノールで十分
に洗浄し、凍結乾燥した。ケン化度は98.3モル%で
あり、赤外吸収スペクトルの測定の結果、1570cm
-1−COO- 基に帰属される強い吸収が確認された。
【0174】さらに上記プライマー層および親水性膨潤
層を塗設、積層した基板ウェブロールを感光性組成物の
塗布装置に導き、プライマー層組成物エクストリュージ
ョン型コータを用いて下記に示した感光性組成物を塗布
し、親水性膨潤層に該感光性組成物を含浸させた。
【0175】その後、100℃×1分間分間熱処理し
て、エチルセロソルブを乾燥除去し、単位面積当たりの
重量で1.4g/m2 の感光性組成物を含浸させ、さら
に連続してフィルムラミネート装置を用いて厚さ7ミク
ロンの二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム上
にジアゾニウム塩化合物をポリエステル樹脂に10重量
%に分散させたコート層を乾燥重量で2g/m2 塗設し
た保護層フィルムを非塗布面が版面と接するようにして
ラミネートし、ネガティブワーキング用の感光性平版印
刷用原版を得た。
【0176】 <感光性組成物(重量部)> (1)キシリレンジアミン/グリシジルメタクリレート=1:4モル比付加反 応物 5重量部 (2)1,9−ノナンジメタクリレート 20重量部 (3)ミヒラー氏ケトン 3重量部 (4)2,4−ジエチルチオキサントン 3重量部 (5)ハイドロキノンモノメチルエーテル 0.1重量部 (6)CIベイシックブルー7 0.5重量部 (7)エチルセロソルブ 69重量部 得られた平版印刷版は、高圧水銀灯「アイドルフィン2
000」(2kw:アイグラフィックス(株)製)を用
い、400線/インチのコンベショナルスクリーンによ
るグラデーションパターンを貼込んだネガ原画フィルム
を通して90秒間密着露光(11mW/cm2 )した。
【0177】次いで、ラミネートしたフィルムを剥離
し、露出し原版表面に水道水(水温25℃)を約10秒
間シャワー水洗し、該表面を湿潤させた。
【0178】その結果、親水性膨潤層の未露光部分に含
浸していた感光性組成物が速やかに層外に抽出除去さ
れ、該部分はインキ反撥性の非画線部となった。
【0179】一方、親水性膨潤層の露光部分は含浸して
いた感光性組成物が光硬化し、該層内部および表面付近
に強固に固定され、非画線部に対して水膨潤性の低いイ
ンキ着肉性の画線部となり、製版工程が完了した。
【0180】得られた刷版は、枚葉オフセット印刷機
「スプリント25:小森コーポレーション(株)製」に
装着した後、湿し水として飲料用水道水を供給しながら
コート紙(62.5kg/菊)を用いて印刷した。印刷物
から画像再現性を評価した結果1〜98%画像再現性を
有するコントラストの明瞭な印刷物が得られた。
【0181】また上記で得られた刷版のインキ反撥部分
に対応した親水性膨潤層を水膨潤させたのち、OsO4
染色し、TEM(透過型電子顕微鏡)観察した。
【0182】観察の結果、図2に示されるような親水性
ポリマを主成分とする相および疎水性ポリマを主成分と
する相から構成された相分離構造を有することが確認さ
れた。
【0183】実施例 2〜5、比較例1、2 親水性膨潤層用いられる水性ラテックスを組成は同一に
して乳化重合時の撹拌速度および重合温度を調整するこ
とによって平均粒子径分布を変更し、他の組成は実施例
1と同様にして、感光性平版印刷版原版を作製し、同様
の製版工程を経て刷版を得た。
【0184】得られた刷版は実施例1と同様の条件にて
印刷を行ない、印刷物のインキ反撥性(印刷物のインキ
汚れ発生)および耐刷性(画像部の脱落および印刷物へ
の汚れ発生)の目視評価を行なった。結果を表1に示
す。
【0185】
【表1】 実施例6 実施例1に用いた平版印刷版と通常のPS版(FPQ;
富士写真フィルム(株)製)を露光、現像処理して刷版
としたものを、同じ版胴に装着し、湿し水として市販の
精製水を供給しながら実施例1と同様にして印刷を行っ
た。
【0186】湿し水の供給量を標準条件から増量した場
合、PS版を用いた部分では、画線部のインキ濃度が極
端に低下し、いわゆる「水負け」によるインキの着肉不
良が発生した。一方、実施例1に用いた平版印刷版を用
いた部分では、着肉不良の程度が軽微であった。
【0187】また、湿し水の供給量を標準条件から減量
した場合、PS版を用いた部分では、全面にインキ汚れ
が発生した。一方、実施例1に用いた平版印刷版を用い
た部分では、良好な印刷物が得られた。なお、湿し水の
供給量は印刷機のダイヤル目盛り値にて相対的に比較し
た。結果を表2に示す。
【0188】
【表2】
【0189】
【発明の効果】本発明の平版印刷版は、親水性ポリマと
特定の平均粒子径分布を有する疎水性ポリマコロイドか
らなる相分離構造を有する親水性膨潤層を非画線部とし
て使用しているため、わずかな湿し水の給水量で効率良
くインキを反撥することができ、湿し水のコントロール
幅が拡大される。また、湿し水に通常添加されるイソプ
ロパノールなどの溶剤を用いることなく、印刷が可能と
なる。
【0190】本発明の感光性平版印刷版から感光性化合
物の助けを借りて画像形成を行なった場合、従来のPS
版で必要な物理的現像が一切不要で製版工程が極めて簡
便となる。またインキ反撥性を発現するために必要な基
板への特殊な表面処理も不要であるため、安価な感光性
平版印刷版を製造することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる平版印刷版の親水性膨潤層の相
分離構造の一例を表す模式図である。
【図2】本発明にかかる平版印刷版の親水性膨潤層の相
分離構造の一例を表す模式図である。
【図3】本発明にかかる平版印刷版の親水性膨潤層の相
分離構造の一例を表す模式図である。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上に少なくとも親水性ポリマを主成
    分とする相および疎水性ポリマを主成分とする相の少な
    くとも2相から構成された相分離構造を有する親水性膨
    潤層を備えてなる感光性平版印刷版原版の製造方法にお
    いて、50〜200nmの平均粒子径分布を有するポリ
    マコロイドから主として構成された疎水性ポリマを用い
    ることを特徴とする感光性平版印刷版原版の製造方法。
  2. 【請求項2】 該疎水性ポリマコロイドが共役ジエン系
    化合物を含有するラテックスから主として構成されるこ
    とを特徴とする請求項1記載の感光性平版印刷版原版の
    製造方法。
  3. 【請求項3】 該疎水性ポリマを主成分とする相が親水
    性膨潤層中60〜95重量%であることを特徴とする請
    求項1記載の感光性平版印刷版原版の製造方法。
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JP3802096A Pending JPH09230582A (ja) 1996-02-26 1996-02-26 感光性平版印刷版原版の製造方法

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JP (1) JPH09230582A (ja)

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