JPH1016179A - インキ供給装置 - Google Patents

インキ供給装置

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JPH1016179A
JPH1016179A JP8191429A JP19142996A JPH1016179A JP H1016179 A JPH1016179 A JP H1016179A JP 8191429 A JP8191429 A JP 8191429A JP 19142996 A JP19142996 A JP 19142996A JP H1016179 A JPH1016179 A JP H1016179A
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JP
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ink
pan
ink pan
roll
plate cylinder
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JP8191429A
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Inventor
Kenichi Masaki
健一 正木
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Nissha Printing Co Ltd
Original Assignee
Nissha Printing Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 薄膜形成用インキの純度と塗膜品質が維持で
き、インキの利用効率の良いインキ供給装置を提供す
る。 【解決手段】 凹版ロール4の版胴表面に薄膜形成用イ
ンキ17を供給するインキパン13を備えたインキ供給
装置において、インキパン13の内面のインキ17を排
出するためにインキパン13が傾斜可能である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、電子部品の製造
工程において、均一な膜厚の薄膜を精密に印刷、塗工す
る薄膜形成装置に用いるインキ供給装置に関する。
【0002】
【従来の技術】上記薄膜形成装置は、表面に樹脂または
ゴムの弾性凸版を胴部の一部に装着した印刷ロールと、
前記印刷ロールと対向して回転し、前記印刷ロールとの
接触により前記弾性凸版の表面に薄膜形成用インキを転
移する凹版ロールとを少なくとも有し、前記弾性凸版と
被印刷体(板ガラス、プラスチック板、ロール状に巻き
取り可能なフィルムなど)との圧接により、被印刷体表
面にインキを転移し薄膜を印刷形成するものである。薄
膜形成装置の主たる用途は、液晶表示器のディスプレイ
パネルなどの電子部品の製造工程における液晶配向膜の
形成である。ディスプレイパネルの液晶配向膜はもとも
と膜厚の均一性やインキ純度の低下防止等が要求される
が、年々、ディスプレイパネルの高画質化、大型化が進
んできたこともあり、さらに高精度の膜厚の均一性やイ
ンキ純度の低下防止等が要求されるようになってきてい
る。
【0003】従来の凹版ロールへのインキ供給方法は、
図8に示すようなものがある。まず、(1)インキパン
を用いる方法がある。従来のインキパン21は、薄膜形
成用インキ17をその内面に溜めており、凹版ロールの
版胴がインキに浸される。凹版ロールが回転し、凹版ロ
ール版胴が次々に浸され、凹版ロール版胴表面に薄膜形
成用インキが供給されるようになっている。溜まってい
るインキの量が減れば、インキパンの縁と凹版ロールの
版胴表面との隙間から新しいインキをつぎ足すようにし
ている。インキパンは、凹版ロールの下部に固定されて
いる。掃除やメンテナンス等により必要があれば取り外
すことはあるが印刷動作中にインキの入れ替えをするこ
とはない。また、(2)凹版ロールの最上部にインキを
直接滴下し、ドクターブレードと凹版ロールとの接触部
にインキ溜まりを設ける方法がある。インキ溜まりのイ
ンキを入れ換えることはない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】(1)および(2)の
従来例では、薄膜形成用インキの純度と塗膜品質が維持
されなかった。つまり、従来は、インキパンの内面やイ
ンキ溜まりに溜めたインキがすぐに無くならないよう
に、あるいは、前記インキパンの縁やインキ液面で起こ
るインキの変質や組成変化による影響をかき消すため
に、なるべく多くの量のインキをインキパンやインキ溜
まりに溜めておく必要がある。このためにインキ液面も
大となる。よって、作業員の動作や印刷の稼働により発
生する粉塵などの異物が、インキ溜まりの液面18から
混入しやすい。また、インキパンの内面やインキ溜まり
の古いインキを全て排出して新しいインキを供給すると
いうインキの完全入れ替えをせずに印刷するので、異物
が混入したままの古いインキを印刷に使用することとな
り、インキと一緒に異物が被印刷体上に転写印刷され製
品不良が発生する。印刷の稼働により発生する粉塵とし
ては、ドクターブレードと凹版ロールとの磨耗紛、印刷
ロールが被印刷体の表面から拾ってきた粉塵があり、こ
れらは比重が大きいのでインキパンやインキ溜まりの底
に溜まりやすい。また、インキパンの内面やインキ溜ま
りに溜まっているインキは、大きいインキ液面18が空
気に露出しているため、吸湿性インキの場合は特にイン
キパンのインキが空気中の水分を吸収して変質しやす
く、また、インキ中の溶剤が揮発してインキが組成変化
を起こしやすい。インキの完全入れ替えをせずに印刷す
るので、印刷中の時間経過とともにインキの変質や組成
変化を起こした古いインキあるいは古いインキを印刷に
使用することとなり、製品不良が発生する。
【0005】また、(1)および(2)の従来例では、
インキの利用効率が悪かった。つまり、インキパンの内
面やインキ溜まりに溜めたインキがすぐに無くならない
ように、あるいは、前記インキパンの縁やインキ液面で
起こるインキの変質や組成変化による影響をかき消すた
めに、なるべく多くの量のインキをインキパンやインキ
溜まりに溜めておく必要がある。また、次々に新しいイ
ンキを使用する必要がある。
【0006】したがって、この発明は上記のような欠点
を解消し、薄膜形成用インキの純度と塗膜品質が維持で
き、インキの利用効率の良いインキ供給装置を提供する
ことを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】この発明のインキ供給装
置は、凹版ロールの版胴表面に薄膜形成用インキを供給
するインキパンを備えたインキ供給装置において、イン
キパンの内面のインキを排出するためにインキパンが傾
斜可能であるであることを特徴とするインキ供給装置と
した。
【0008】また、この発明のインキ供給装置は、イン
キパンが、凹版ロールの版胴表面に沿って傾斜しながら
上昇可能であってもよい。
【0009】また、この発明のインキ供給装置は、イン
キパンが、その内面と凹版ロールの版胴表面との隙間を
0.1mm〜10mmの一定間隔に保ったまま傾斜しながら
上昇可能であってもよい。
【0010】また、この発明のインキ供給装置は、イン
キパンが、凹版ロールの版胴表面に沿って傾斜しながら
下降可能であってもよい。
【0011】また、この発明のインキ供給装置は、イン
キパンが、その内面と凹版ロールの版胴表面との隙間を
0.1mm〜10mmの一定間隔に保ったまま傾斜しながら
下降するものであってもよい。
【0012】また、この発明のインキ供給装置は、イン
キパンの縁にインキ供給用のチューブを取付けてもよ
い。
【0013】また、この発明のインキ供給装置は、イン
キパンが傾斜しながら斜め方向に上昇した時に下方に位
置することとなるインキパンの縁に、インキ排出用のド
レインチューブを取付けてもよい。
【0014】
【作用】この発明の請求項1のインキ供給装置は、凹版
ロールの版胴表面に薄膜形成用インキを供給するインキ
パンであって、インキパンの内面のインキを排出するた
めにインキパンが傾斜可能であるので、インキパンの古
いインキやインキパンの底に溜まっている粉などを全て
排出し新しいインキを供給する。インキパンのインキの
完全入れ替えが行なわれる。
【0015】この発明の請求項2のインキ供給装置は、
インキパンが凹版ロールの版胴表面に沿って上昇するの
で、インキパンの移動距離を最小限にすることができ、
余分な空間を必要としない。また、このインキ供給装置
を組み込んだ薄膜形成装置をよりコンパクトにすること
もできる。
【0016】また、この発明の請求項3のインキ供給装
置は、インキパンの内面が凹版ロールの版胴表面に沿っ
た形状であれば、インキパンの内面には少ない量のイン
キを保持して印刷することができる。
【0017】また、この発明の請求項4のインキ供給装
置は、インキパンの内面と凹版ロールの版胴表面との隙
間を、0.1mm〜10mmの一定間隔に保ったまま、凹版
ロールの版胴表面に沿って傾斜しながら上昇させ、古い
インキの排出量と新しいインキの供給量とのバランスを
とれば、古いインキをインキパンの内面から排出しなが
ら、新しいインキをインキパンの内面に供給することも
できる。このため、凹版ロールの回転つまり印刷をスト
ップさせずに、インキパンの内面に溜まっているインキ
の完全入れ替えが行なわれる。インキパンの内面には最
小量のインキを保持して印刷することができる。
【0018】また、この発明の請求項5のインキ供給装
置は、インキパンの移動距離を最小限にすることがで
き、余分な空間を必要としない。また、このインキ供給
装置を組み込んだ薄膜形成装置をよりコンパクトにする
こともできる。インキパンの内面には少ない量のインキ
を保持して印刷することができる。また、インキの排出
とインキの供給とをタイムラグなしに行なうことができ
る。
【0019】また、この発明の請求項6のインキ供給装
置は、インキパンの内面と凹版ロールの版胴表面との隙
間を、0.1mm〜10mmの一定間隔に保ったまま、凹版
ロールの版胴表面に沿って傾斜しながら下降するように
すれば、古いインキの排出完了後、インキパンが元の位
置にもどるまでの間も、新しいインキをインキパンの内
面に供給することができ、インキ供給や、凹版ロールの
回転つまり印刷をストップさせずに済む。インキパンの
内面には最小量のインキを保持して印刷することができ
る。
【0020】また、この発明の請求項7のインキ供給装
置は、インキパンの縁にインキ供給用のチューブを取付
ける。このため、インキパンのインキ供給側の縁におい
て、凹版ロールの版胴表面との隙間を極めて狭くとるこ
とができる。よって、インキ液面の空気への露出が最小
限となり、インキと空気との接触がほとんど無くなる。
また、入り口が塞がれインキパンの内面に異物が入りに
くくなる。また、インキパンが傾斜しても、インキ供給
用のチューブからの新しいインキは、インキパンの縁か
ら流れ出にくくなる。また、インキ供給用のチューブか
らのインキの送り込み力によって、古いインキをインキ
パンの外部に強制的に押し出すこともできる。また、イ
ンキパンが前記定位置以外の上昇した位置で凹版ロール
にインキの供給をすることも可能となり、このため、ド
クターブレードによってかきとられた余分なインキが凹
版ロールをつたって落ちていきインキパンの中に入り込
むのを防止することもできる。
【0021】また、この発明の請求項8のインキ供給装
置は、インキパンが傾斜しながら斜め方向に上昇した時
に下方に位置することとなるインキパンの縁に、インキ
排出用のドレインチューブを取付ける。このため、イン
キパンの縁においては、凹版ロールの版胴表面との隙間
が極小となりほぼ密閉状態とすることも可能である。よ
って、インキ液面の空気への露出が最小限となり、イン
キと空気との接触がほとんど無くなる。また、インキパ
ンが傾斜していてもインキパンの縁からインキが流れ出
にくくなる。また、インキ排出用のドレインチューブか
らの吸引力によって古いインキを強制的に排出できるの
で、表面張力や摩擦力、気圧低下などによってインキパ
ンの内面に残留する古いインキも確実に排出できる。
【0022】
【実施例】この発明のインキ供給装置を図面を参照しな
がら詳しく説明する。図1〜図6、図10〜図12はこ
の発明のインキ供給装置と凹版ロールの版胴表面との関
係を示す一部断面を含む平面図である。図7はこの発明
のインキ供給装置が組み込まれた薄膜形成装置の一例を
示す斜視図である。1は基台、2は支持枠、3は印刷ロ
ール、4は凹版ロール、5は薄膜形成装置、6は第1ピ
ニオン、7は第2ピニオン、8は印刷テーブル、9は被
印刷体、10は印刷ロール駆動モーター、11はドクタ
ーブレード、30は印刷ロールの胴部、31は弾性凸
版、12はインキ供給装置、13はインキパン、14は
インキ供給用のチューブ、15はインキ排出用のドレイ
ンチューブ、16はガイドレール、17はインキ、18
は液面、19は隙間、20は定位置をそれぞれ示す。
【0023】インキ供給装置12に備えられているイン
キパン13は、薄膜形成用インキ(以下、単に「インキ
17」とする。)を保持する内面を有する。インキパン
13の内面は、凹版ロール4の版胴表面に沿った形状で
あってもよい。インキパン13は、薄膜形成装置5を構
成する凹版ロール4の回転時、あるいは、薄膜形成装置
が印刷を行なっている時に凹版ロール4の最下点(以
下、「定位置20」とする。)に位置してもよい。イン
キパン13は、インキパン13の内面のインキを排出す
るためにインキパン13が傾斜可能である。傾斜は、凹
版ロールの回転時あるいは印刷時に行なわれてもよい。
傾斜は、右回りの傾斜でもよいし、左回りの傾斜でもよ
い。回転は、インキパン13の重心を支点とした回転で
もよいし、インキパン13の端部を支点とした回転でも
よい。具体的には、インキパン13は、インキパン13
の内面に溜まった古いインキを排出する時には、凹版ロ
ール4の定位置20から一旦下降してから傾斜してもよ
い。あるいは、インキパン13は、インキパン13の内
面に溜まった古いインキを排出する時には、定位置20
から凹版ロール4の版胴表面に沿って傾斜しながら上昇
するものでもよい。さらに、インキパン13は、インキ
パン13の内面に溜まった古いインキの排出が完了した
後、凹版ロール4の版胴表面に沿って傾斜しながら定位
置20まで下降してもよい。インキパン13は、インキ
パン13が傾斜した状態でもインキを保持できるのであ
れば、前記定位置20から上昇した位置において、上昇
下降しながら、あるいは静止して、インキパン13から
凹版ロール4にインキ17を供給するようにしてもよ
い。インキ17は、インキパンが傾斜した状態において
も、重力や表面張力、あるいはインキパン13の内面と
インキ17との摩擦力、凹版ロール4の版胴表面とイン
キ17との摩擦力などによって、インキパン13の内面
と凹版ロール4の版胴表面との隙間19に保持すること
ができる場合もある。
【0024】インキパン13が傾斜する機構、あるいは
斜め方向へ上昇する機構、凹版ロール4の版胴表面に沿
って傾斜しながら上昇する機構は、モーターやエアーシ
リンダー、油圧シリンダーなどのアクチュエーターの駆
動源と、支持枠2などに固定されたガイドレール16
(図4〜図5において破線で示した。)などからなる機
構によってスライド移動させて行なうとよい。インキパ
ン13の傾斜の動作は、ギヤやクランク、カムなどによ
ってインキパンの上昇に連動させてもよいし、インキパ
ン13の上昇とは別のモーターやエアーシリンダーなど
の駆動源によって行なってもよい。インキパン13の傾
斜と上昇の各動作は、コンピューターにより制御すると
よい。
【0025】インキパン13の縁にインキ供給用のチュ
ーブ14を取付けてもよい(図1〜図6、図10〜図1
2)。このチューブでインキパン13の内面にインキ1
7を供給する。インキ供給用のチューブ14を取付ける
箇所は、インキパン13が傾斜しながら上昇した時に上
方に位置することとなるインキパン13の縁でもよい
し、下方に位置することとなる縁でもよい。また、イン
キパン13が傾斜しながら上昇した時に下方に位置する
こととなるインキパン13の縁に、インキ排出用のドレ
インチューブ15を取付けてもよい(図1〜図6、図1
2)。このチューブの吸引力でインキパン13の内面に
溜まっている古いインキをインキパン13の外部に排出
する。インキパン13が傾斜しながら上昇した時に下方
に位置することとなるインキパン13の縁にはインキ排
出用のチューブ類を取付けずに、インキの自重でインキ
パン13の縁から流れ出るようにしてもよい(図10〜
図11)。上記各チューブを取付ける場合は、インキパ
ン13の縁と凹版ロール4の版胴表面との隙間を極めて
狭くしてインキパン12の内面をほぼ密閉状態とするこ
とも可能である(図6)。
【0026】インキパン13が傾斜と上昇を終了する位
置は、インキパン13の内面のインキ17が重力によっ
てインキパン13の縁から完全に流れ出る程度に傾斜し
た位置でもよい。あるいは、インキ供給用のチューブ1
4をインキパン13の縁に取付けた場合は、インキ供給
用のチューブ14からのインキ17の送り込み力によっ
て古いインキが押し出されて排出できる程度に傾斜した
位置でもよい。あるいは、インキ排出用のドレインチュ
ーブ15をインキパン13の縁に取付けた場合は、イン
キ排出用のドレインチューブ15の吸引力で古いインキ
が排出できる程度に傾斜した位置でもよい。
【0027】インキパン13は、その内面が凹版ロール
4の版胴表面に沿った形状であり、インキパン13の定
位置20においては、凹版ロール4の版胴表面とインキ
パン13の内面との間隔を0.1mm〜10mmに保った状
態で、凹版ロール4の版胴表面にインキ17の供給を行
ない、古いインキの排出時には、この間隔を保った状態
のまま上昇するものでもよい(図1、図2)。凹版ロー
ル4の版胴表面とインキパン13の内面との隙間19の
間隔を0.1mm〜10mmにすると、インキ消費量が抑え
られる点で特に有利である。また、図8に示す従来のイ
ンキパンの場合、なるべく多くの量のインキをインキパ
ンに溜めておくためにインキ面も大きく取らなければな
らないが、この発明のように最小量のインキを使用する
ためにインキ液面の露出も小さくすることができる。よ
って、粉塵などの異物がインキ液面から混入しにくく、
吸湿によるインキの変質などが起こりにくい。
【0028】特に、前記隙間を1mm以下とすれば、イ
ンキパン13の内面と凹版ロール4の版胴表面とは、イ
ンキを介して微小な間隔で曲面どうしが対向した状態と
なり、インキ17はインキパン13の内面は外部の空気
からほぼ遮断された状態とすることも可能である。イン
キを介して微小な間隔で曲面どうしが対向した状態のた
め、インキパン13の内面の表面張力や摩擦力などによ
り、インキパン13の内面のインキ17はインキパン1
3の縁の隙間から極めて流れ出にくくなる。このため、
インキパン13の縁が凹版ロール4の版胴表面と隙間を
有しており、かつインキパンが傾斜した状態であって
も、インキパン13の内面のインキ17は流れ出にくく
なるので、上昇した位置においても、あるいは傾斜しな
がら上昇下降している最中においても新しいインキをイ
ンキパン13の内面に供給することが可能である。ある
いは、傾斜した状態のまま静止して、凹版ロール4の版
胴表面にインキ17を供給することも可能である(図1
2)。
【0029】あるいは、インキパン13は、定位置20
においては、凹版ロール4の版胴表面とインキパン13
の内面との隙間19の間隔を0.1mm〜10mmに保って
インキ17の供給を行ない、古いインキの排出時には、
この間隔が徐々に広がっていくようにして上昇するもの
でもよい(図4、図5)。前記間隔が徐々に広がる場合
は、インキパン13は、図1〜図6、図10〜図12に
おいては、右回りのみに傾斜してインキ17を排出して
もよい。あるいは、図4〜図5においては、最初左回り
に傾斜しながら斜め方向に一定距離上昇し、次にインキ
パン13が凹版ロール4の版胴表面から離れ、次にイン
キパン13の縁が凹版ロール4の版胴表面と衝突しない
ように右回りに傾斜してインキ17を排出するようにし
てもよい。
【0030】この発明のインキ供給装置12は、薄膜形
成装置5に組み込まれて使用することができる。薄膜形
成装置5は、表面に樹脂またはゴムの弾性凸版31を胴
部30の一部に装着した印刷ロール3と、前記印刷ロー
ル3と対向して回転し、前記印刷ロール3との接触によ
り前記弾性凸版31の表面にインキ17を転移する凹版
ロール4とを少なくとも有し、前記弾性凸版31と被印
刷体9(板ガラス、プラスチック板、ロール状に巻き取
り可能なフィルムなど)との圧接により、被印刷体9の
表面にインキ17を転移し薄膜を印刷形成するものであ
る。具体的には、薄膜形成装置5は図7にあるように、
基台1の両側部に支持枠2が形成され、支持枠2には、
凹版ロール4および印刷ロール3が回転自在に支持され
ている。凹版ロール4と印刷ロール3とは、接触しなが
ら回転し、凹版ロール4の版胴表面のインキ17が印刷
ロール3に転移する。凹版ロール4の上部には、凹版ロ
ール4の版胴表面に供給されたインキ17を凹版ロール
4の版胴表面のインキセルなどに充填計量するドクター
ブレード11などが配置され、基台1上面には印刷テー
ブル8が配置され、印刷テーブル8には被印刷体9が載
置され印刷ロール3の下を往復運動しながら、印刷ロー
ル3の弾性凸版31によって被印刷体9に印刷するもの
がある。この発明のインキ供給装置12は、前記凹版ロ
ール4の下部または側部に位置し、凹版ロール4の版胴
表面に沿って傾斜しながら上昇・静止・下降をするよう
に取付けられる。あるいは、上昇位置で静止して凹版ロ
ールにインキを供給するにように取付けてもよい。
【0031】凹版ロール4の版胴表面は、セルや凹凸の
ない平滑なもの、インキ17を保持する微細なセルを版
胴全面に規則的に配置したもの(一般名:アニロックス
ロール)や、インキを保持する微細なセルを図柄の画線
部に対応して配置したもの(一般名:グラビアロール)
がある。凹版ロール4の版胴表面のインキは、ドクター
ブレード11やドクターロールによって計量されること
によって、所定量のインキ17が凹版ロール4の版胴表
面上でインキ被膜になる場合や、セル内に充填されて保
持される場合がある。
【0032】この発明の実例 この発明のインキ供給装置を組み込んだ薄膜形成装置を
用いて下記の条件で液晶配向膜を印刷形成した。インキ
供給装置として可動式インキパンを用いて、直径140
mmのアニロックスロールを凹版ロールとして薄膜形成
用インキを印刷ロールに供給する形式とし、370mm
×470mmの液晶ディスプレイ用ガラス基板に薄膜形
成用インキを印刷した。インデックスタイム(被印刷体
であるガラス一枚当りの送り時間)は30秒とし、ガラ
ス5枚当りのインキの入れ替え回数を1回とした。イン
キパンの内径は142mm、インキパンの縁から内面の
最低部までの深さは15mmとした(図9)。インキパ
ンは、THK社製のRガイドで保持されており、エアー
シリンダーを駆動源としてスライド移動して傾斜しなが
ら上昇下降をするようになっている。インキパンの縁に
はインキ供給用のチューブ及びインキ排出用のドレイン
チューブを取付けた。アニロックスロールの上部にはド
クターブレードが接触している。まず、インキパンの内
面にインキが供給されると、インキパンの内面とアニロ
ックスロールの版胴表面との隙間にインキが充填され保
持される。アニロックスロールが回転すると版胴表面に
インキが供給される。ドクターブレードは、供給された
インキを計量し所定量のインキがアニロックスロールの
版胴表面のセル内に保持される。ドクターブレードにか
きとられた過剰のインキは、アニロックスロールの端面
を伝って下降し、インキパンの内面に回収される。アニ
ロックスロールに保持されたインキの一部は、印刷ロー
ルの弾性凸版に転移する。アニロックスロールにはイン
キ保持量が減少した分の「インキ転移跡」が発生する。
アニロックスロールはさらに回転し、インキパン内面の
インキと接触しインキ転移跡にはインキが再び供給され
る。アニロックスロールは回転したまま、インキパン
が、アニロックスロールの版胴表面に沿って傾斜しなが
ら上昇し、インキパンの内面に溜まった古いインキはイ
ンキ排出用のドレインチューブを通って排出される。排
出頻度は、印刷サイクル数に応じて、適宜設計できるよ
うになっている。インキパンの内面へのインキの供給量
は、インキ供給用のチューブにインキを送るインキタン
クの内部圧力やバルブ開放時間を調整して行なった。イ
ンキの排出量は、インキパンの傾斜角や上昇の高さ、上
昇の時間、ドレインチューブの内径によって適宜調整し
て行なった。その結果、ガラス基板100枚に液晶配向
膜材料を印刷したとき、インキの総供給量は、180m
lであった。また、ドレインチューブによって排出した
古いインキ量は65mlであった。インキ利用効率を次
式で計算すると、0.64であった。 インキ利用率=(供給量−排出インキ量)/供給量 また、凹版ロールの版胴表面とインキパンの枚面との隙
間は極力小さくし、インキパンの内面に保持しているイ
ンキの完全入れ替えをしたので、塵埃、粉塵、異物の混
入や吸湿によるインキの白色化による品質低下、溶剤揮
発による環境汚染が軽減した。
【0033】比較例 インキ供給装置として滴下式ノズルを用いて、アニロッ
クスロールに薄膜形成用インキを供給する形式とした。
以下、アニロックスロールの直径、ガラス基板のサイ
ズ、インデックスタイム、ドクターブレードの使用、イ
ンキ利用効率の計算式は、前記この願発明の実例と同じ
とした。まず、アニロックスロールの版胴表面にインキ
が滴下され、ドクターブレードと凹版ロールとの接触位
置にインキ溜まりが形成される。インキ溜まりのインキ
液面には常時空気が接触している。その結果、ガラス基
板100枚に液晶配向膜材料を印刷したとき、インキの
総供給量は、270mlであった。また、インキ溜まり
から流れ出たインキ量は155mlであった。インキ利
用効率を計算すると、0.43であった。この発明の実
例とこの比較例とは、印刷によってガラス基板に転移し
たインキの量は同じであるから、同じ枚数のガラス基板
に印刷するのに、この発明の実例では180mlを要
し、比較例では270mlを要したことになり、絶対的
なインキの使用量がこの発明では3分の2で済む。廃棄
すべきインキの発生量は、この発明の実例では65ml
で、比較例では155mlであり、この発明の実例のほ
うが利用効率が高い。また、絶対的な廃液発生量が少な
いので環境汚染防止に貢献する。
【0034】
【発明の効果】この発明のインキ供給装置は、インキパ
ンの古いインキやインキパンの底に溜まっている粉など
を全て排出し新しいインキを供給できる。よって、イン
キの完全入れ替えをしながら印刷ができる。このため、
粉塵などの異物がインキ液面から混入しても入れ換えが
行なえ、吸湿によるインキの変質の小さいうちに入れ換
えができる。また、インキパンの内面に保持するインキ
を小量にすることができるため、印刷に必要なインキ量
が最小限で済み、インキ液面からの不必要な溶剤ガスの
発生がなく印刷環境が良くなる。また、無駄なインキの
発生が少なく、インキの利用効率が良くなる。したがっ
て、この発明は、薄膜形成用インキの純度と塗膜品質を
維持することができる。また、インキの利用効率が向上
する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明のインキ供給装置の一実施例を示す
一部断面平面図である。
【図2】 この発明のインキ供給装置の一実施例を示す
一部断面平面図である。
【図3】 この発明のインキ供給装置の一実施例を示す
一部断面平面図である。
【図4】 この発明のインキ供給装置の一実施例を示す
一部断面平面図である。
【図5】 この発明のインキ供給装置の一実施例を示す
一部断面平面図である。
【図6】 この発明のインキ供給装置の一実施例を示す
一部断面平面図である。
【図7】 この発明のインキ供給装置を組み込んだ薄膜
形成装置を示す断面図である。
【図8】 従来のインキ供給装置のインキ液面の面積が
大きいことを示す断面図である。
【図9】 この発明のインキ供給装置のインキパンの断
面説明図である。
【図10】 この発明のインキ供給装置の一実施例を示
す一部断面平面図である。
【図11】 この発明のインキ供給装置の一実施例を示
す一部断面平面図である。
【図12】 この発明のインキ供給装置の一実施例を示
す一部断面平面図である。
【符号の説明】
1 基台 2 支持枠 3 印刷ロール 4 凹版ロール 5 薄膜形成装置 6 第1ピニオン 7 第2ピニオン 8 印刷テーブル 9 被印刷体 10 印刷ロール駆動モーター 11 ドクターブレード 30 印刷ロールの胴部 31 弾性凸版 12 インキ供給装置 13 インキパン 14 インキ供給用のチューブ 15 インキ排出用のドレインチューブ 16 ガイドレール 17 インキ 18 液面 19 隙間 20 定位置 21 従来のインキパン

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 凹版ロールの版胴表面に薄膜形成用イン
    キを供給するインキパンを備えたインキ供給装置におい
    て、インキパンの内面のインキを排出するためにインキ
    パンが傾斜可能であることを特徴とするインキ供給装
    置。
  2. 【請求項2】 インキパンが、凹版ロールの版胴表面に
    沿って傾斜しながら上昇可能である請求項1記載のイン
    キ供給装置。
  3. 【請求項3】 インキパンの内面が、凹版ロールの版胴
    表面に沿った形状である請求項1または請求項2記載の
    インキ供給装置。
  4. 【請求項4】 インキパンが、その内面と凹版ロールの
    版胴表面との隙間を0.1mm〜10mmの一定間隔に保っ
    たまま傾斜しながら上昇可能である請求項3記載のイン
    キ供給装置。
  5. 【請求項5】 インキパンが、凹版ロールの版胴表面に
    沿って傾斜しながら下降可能である請求項1〜4のいず
    れかに記載のインキ供給装置。
  6. 【請求項6】 インキパンが、その内面と凹版ロールの
    版胴表面との隙間を0.1mm〜10mmの一定間隔に保っ
    たまま傾斜しながら下降可能である請求項5記載のイン
    キ供給装置。
  7. 【請求項7】 インキパンの縁にインキ供給用のチュー
    ブを取付けた請求項1〜6のいずれかに記載のインキ供
    給装置。
  8. 【請求項8】 インキパンが傾斜しながら斜め方向に上
    昇した時に下方に位置することとなるインキパンの縁
    に、インキ排出用のドレインチューブを取付けた請求項
    1〜7のいずれかに記載のインキ供給装置。
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