JP5315985B2 - ロールコーター用塗料パン - Google Patents

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Description

本発明は、鋼帯などの帯状被塗装物を連続的に塗装するロールコーターに使用するロールコーター用塗料パンに関するものである。
鋼帯などの帯状の長尺物の連続塗装には、ロールコーター装置が広く用いられている。ロールコーター装置の例として、特許文献1に開示されたロールコーター装置を図8に示す。図8は、帯状の長尺物の片側表面に塗料を塗布する2本ロール方式のロールコーター装置の全体構成を示す概略図である。図8において、符号1は塗料パン、2は塗装ロール、5はバックアップロールであり、塗装ロール2は、ピックアップロール3とアプリケーターロール4との合計2つのロールで構成され、それぞれのロールは接触して設置されており、個別の駆動力を受けてそれぞれ矢印方向に回転する。尚、符号7は鋼帯などの長尺物の帯状被塗装物、22は塗布される塗料、23は塗布された塗装膜である。
塗料パン1に塗料22を満たし、この塗料22の中にピックアップロール3の一部を浸漬させて矢印方向(時計回り方向)に回転させることにより、ピックアップロール3に塗料22を付着させ、ピックアップロール3に付着した塗料22を当接して回転するアプリケーターロール4に転着させ、更に、この塗料22をアプリケーターロール4とバックアップロール5との間隙を通って搬送される帯状被塗装物7に転写する。
塗料22は、循環タンク14から塗料圧送ポンプ13により塗料供給管10を介して塗料パン1に送り込まれ、塗料22が一定量以上のときは塗料パン1からオーバーフローして塗料排出管15を通って再び循環タンク14へ戻るようになっている。符号24は、塗料パン1に設けられた、上端が液面上にあり、下部が開放された仕切壁であり、符号25は、塗料パン1に設けられたオーバーフロー壁である。また、塗料パン1の底部には、塗料排出口(図示せず)が設けられており、塗料22の切り替えの際には、この塗料排出口を開き、循環タンク14に塗料22を回収するように構成されている。
近年、塗面のレベリング性の向上及び耐汚染性や滑り性の向上を目的として、塗料22に界面活性剤などの添加剤を含有させることが増えている。このような塗料22では、液体の状態において気泡が発生しやすく且つ消滅しにくい。そのため、アプリケーターロール4によってピックアップロール3から絞り落とされる余剰の塗料22が塗料液面に落下するとき、或いは塗料22が塗料パン1に供給されたときに気泡を発生させ、気泡がピックアップロール3及びアプリケーターロール4を介して帯状被塗装物7に塗布されて塗装ムラを生ずるという問題を発生する。
この問題に対して、特許文献1に開示される塗料パン1によれば、塗料22の供給部において発生する気泡は、仕切壁24によってピックアップロール3に到達せず、一方、ピックアップロール3から絞り落とされる余剰の塗料22による気泡は、オーバーフロー壁25からオーバーフローする塗料22とともに塗料パン1から排出されるので、気泡による塗装ムラを防止できるとしている。
また、近年、表面の意匠性向上または摩耗性向上などを目的に、金属粉末や骨材などの沈降・分離しやすい顔料を含む塗料の使用量が増えており、このような沈降・分離しやすい顔料が塗料パン1での流れの停滞する箇所に沈降して、塗料22の組成が変化したり、塗料パン1の底部に溜まった顔料が浮遊したりして、帯状被塗装物7に塗装ムラを生ずるという問題も発生する。この問題に対して、上記特許文献1は、塗料パン1の底部を、オーバーフロー壁25の上縁に向かって滑らかに折れ線状或いは円弧状に底上げすることを提案しており(図8では表示せず)、これにより、沈降・分離しやすい顔料の沈降・分離が防止され、上記問題が解消できるとしている。
特開2000−262957号公報
しかしながら特許文献1には以下の問題点がある。
即ち、特許文献1は、塗料の供給部において発生した気泡を仕切壁により遮断して浮上させ、ピックアップロールに供給される塗料から気泡を除去することを目的としているが、気泡は数秒の間に滞留塗料の液面に浮上するものばかりではなく、浮上に数十秒以上を要する微細な気泡が存在し、また、塗料中に比重の軽い顔料や添加物を含有させた場合には、気泡の浮上速度は遅くなり、比較的大きな気泡であっても浮上に数十秒以上を要することが起こる。このような場合、気泡は仕切壁により遮断されることなく、塗料の流れに乗って仕切壁の下方を通り抜け、ピックアップロール側の塗料液面に浮上する。そして、この気泡が塗装ムラの原因となる。
また、特許文献1では、金属粉末や骨材などの沈降・分離しやすい顔料の沈降・分離を防止する手段として、オーバーフロー壁の上縁に向かって滑らかに折れ線状或いは円弧状に底上げすることを提案しているが、特許文献1に開示される塗料パンにおいては、仕切壁の下方を通って供給される塗料と、オーバーフロー壁側から底面に沿って戻ってくる塗料とが交わる箇所に流れの遅い部位が形成され、顔料の沈降・分離が起こる恐れが高い。同様に、仕切壁のピックアップロール側の上部も流れの停滞域であり、この部位でも顔料の沈降・分離が起こる恐れが高い。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、ピックアップロールから絞り落とされる余剰の塗料が塗料液面に落下するときに発生する気泡のみならず、塗料の塗料パンへの供給部において発生する気泡をも完全に塗料液面から除去することができるとともに、金属粉末や骨材などの沈降・分離しやすい顔料の沈降・分離を防止することができ、これらに起因する塗装ムラを生じることなく鋼帯などの帯状被塗装物の塗装を可能とするロールコーター用塗料パンを提供することである。
上記課題を解決するための第1の発明に係るロールコーター用塗料パンは、帯状被塗装物に塗装される塗料が供給され且つ該塗料を貯留するとともに貯留した塗料中にピックアップロールが浸漬される塗料貯留槽と、該塗料貯留槽からオーバーフローする塗料を受けて塗料戻り口に送り込む塗料オーバーフロー槽と、を備えたロールコーター用塗料パンであって、前記塗料貯留槽は平面形状が矩形であり、該塗料貯留槽の底面は、塗料貯留槽の中央部が低く、塗料貯留槽の双方の長辺面の上端に向かって上昇する傾斜した面であり、
且つ、前記塗料オーバーフロー槽は前記塗料貯留槽を囲うように塗料貯留槽の周囲に配置されており、前記塗料貯留槽には帯状被塗装物に塗装される量以上の塗料が供給され、過剰の塗料が、前記塗料貯留槽の双方の長辺面の上端部位から前記塗料オーバーフロー槽に常にオーバーフローすることを特徴とするものである。
第2の発明に係るロールコーター用塗料パンは、第1の発明において、前記塗料貯留槽の長辺面は、該長辺面の幅方向左右で独立して上下に移動し、その上端の高さ位置を変更することが可能であることを特徴とするものである。
第3の発明に係るロールコーター用塗料パンは、第1の発明において、前記塗料オーバーフロー槽には、該塗料オーバーフロー槽の高さ位置を調整可能な高さ調整機構が設けられており、該高さ調整機構により、前記塗料貯留槽長辺面の上端の高さ位置を変更することが可能であることを特徴とするものである。
第4の発明に係るロールコーター用塗料パンは、第1ないし第3の発明の何れかにおいて、前記塗料貯留槽の底面の一部は、開口可能に構成され、開口することによって塗料貯留槽から塗料オーバーフロー槽への塗料排出口を形成することを特徴とするものである。
第5の発明に係るロールコーター用塗料パンは、第1ないし第4の発明の何れかにおいて、前記塗料貯留槽の底面の形状は、前記ピックアップロールの外形に沿った形状であることを特徴とするものである。
第6の発明に係るロールコーター用塗料パンは、第5の発明において、前記塗料貯留槽の底面と前記ピックアップロールとの距離は、20〜50mmであることを特徴とするものである。
本発明に係るロールコーター用塗料パンによれば、塗料貯留槽から常に塗料をオーバーフローさせながら帯状被塗装物の塗装を行うので、ピックアップロールから絞り落とされる余剰の塗料が塗料液面に落下して塗料液面に気泡が発生しても、また、塗料貯留槽に供給される塗料によって塗料貯留槽内の塗料液面に気泡が発生しても、気泡は、塗料貯留槽内に滞留することなく、オーバーフローする塗料とともに塗料貯留槽から排出され、気泡による塗装ムラを生じることなく帯状被塗装物の塗装を実施することができる。
また、塗料貯留槽の底面は、塗料貯留槽の中央部が低く、塗料貯留槽の双方の長辺面の上端に向かって上昇する傾斜面であるので、塗料貯留槽において塗料の停滞域が形成されず、金属粉末や骨材などの沈降・分離しやすい顔料の沈降・分離を防止することができ、沈降・分離しやすい顔料の沈降・分離による塗装ムラを生じることなく、帯状被塗装物の塗装を実施することができる。
以下、添付図面を参照して本発明を具体的に説明する。図1は、本発明に係る塗料パンを備えた3本ロール方式ロールコーター装置の全体構成を示す概略図、図2は、図1に示す3本ロール方式ロールコーター装置に配置した本発明に係る塗料パンの平面図、図3は、図2に示す本発明に係る塗料パンの概略斜視図である。
図1に示すように、この3本ロール方式ロールコーター装置は、本発明に係るロールコーター用塗料パン1と、この塗料パン1中の塗料22に一部が浸漬されたピックアップロール3と、このピックアップロール3と接触して回転するメタリングロール6と、前記ピックアップロール3に近接して回転するアプリケーターロール4と、このアプリケーターロール4に、被塗装物として連続的に供給される、鋼帯などの帯状被塗装物7を介して近接して回転するバックアップロール5と、を備えている。メタリングロール6は、ピックアップロール3でかきあげられた塗料22の余剰分を絞り落とすための装置であり、ピックアップロール3とメタリングロール6とアプリケーターロール4との合計3つのロールで、塗装ロール2を構成している。また、この3本ロール方式ロールコーター装置は、塗料パン1にてオーバーフローされた塗料22を回収して貯溜する循環タンク14と、この循環タンク14に収容された塗料22を塗料パン1に供給する塗料圧送ポンプ13と、を備えている。
この塗料パン1は、図2及び図3に示すように、平面形状が矩形の塗料貯留槽8と、同様に矩形の塗料オーバーフロー槽9とからなり、塗料パン1の中央部に塗料貯留槽8が配設され、この塗料貯留槽8の周囲に塗料オーバーフロー槽9が配設されている。塗料貯留槽8及び塗料オーバーフロー槽9ともに、その上方は開放された容器状となっており、塗料貯留槽8の相対する長辺面8aの上端部は、塗料パン1の底面を水平面と平行にしたときには、ほぼ同一水平面となるように構成されている。つまり、塗料パン1を水平面に平行に設置し、且つ、ピックアップロール3の回転による塗料22の流れなどの影響が無い状態では、塗料貯留槽8の長辺面8aの各位置から同等の確率で塗料22がオーバーフローするように構成されている。
塗料貯留槽8の底面は、塗料貯留槽8の中央部が低く、塗料貯留槽8の双方の長辺面8aの上端に向かって上昇する傾斜した面で構成されている。つまり、塗料貯留槽8の双方の長辺面8aの上端部が、短辺面8bとともに平面矩形を形成し、長辺面8aの上端部から底部に向かって傾斜する面で構成されている。塗料貯留槽8の双方の長辺面8aの上端部は、短辺面8bとそれぞれ固定されている。図1〜3では、塗料貯留槽8の底面の形状は、円弧状或いは放物線状などの曲面であるが、滑らかな階段状としてもよい。また、塗料貯留槽8の底部中央部には、平坦部が存在していても構わない。
塗料貯留槽8の底面を、このような形状にすることで、塗料貯留槽8内における塗料22の流れの淀み、つまり塗料22の停滞域の形成が防止され、塗料22に金属粉末や骨材などの沈降・分離しやすい顔料が含まれていても、このような沈降・分離しやすい顔料の沈降・分離を防止することができる。この場合、塗料貯留槽8内における塗料22の流れの淀みをより一層少なくするために、塗料貯留槽8の底面の形状を、ピックアップロール3の外形に沿った形状とすることが好ましく、また更に、その場合に、塗料貯留槽8の底面とピックアップロール3との距離を、20〜50mmとすることが好ましい。
塗料貯留槽8には塗料分配板11が設置され、この塗料分配板11には塗料供給管10が着脱可能に取り付けられている。この塗料供給管10は、塗料圧送ポンプ13及び循環タンク14と連通しており、循環タンク14に収容された塗料22が、塗料圧送ポンプ13の駆動により、塗料供給管10及び塗料分配板11を介して塗料貯留槽8に供給されるようになっている。塗料分配板11は、塗料供給管10から供給される塗料22を塗料貯留槽8の幅方向に広げる機能を有している。また、塗料オーバーフロー槽9には塗料戻り口12が設けられており、塗料貯留槽8からオーバーフローした塗料22は塗料戻り口12から塗料排出管15を通って重力により循環タンク14に戻るように構成されている。塗料戻り口12は、塗料オーバーフロー槽9の底部の適宜の位置に設置されている。
塗料貯留槽8と塗料オーバーフロー槽9とは、塗料オーバーフロー槽9を形成する1つのパンの中に溶接などによって塗料貯留槽8を形成する部材を固着して構成(単パン構造)しても、或いは、塗料オーバーフロー槽9を形成するパンの中に塗料貯留槽8を形成するパンを固定・配置して構成(二重パン構造)しても、どちらでも構わない。
塗料貯留槽8の傾斜した底面の一部(「開口部8c」と記す)は、開口可能に構成されており、開口部8cが開口することで、塗料貯留槽8から塗料オーバーフロー槽9への塗料22の排出口が形成される。開口部8cは塗料22を交換する際に開口され、塗料貯留槽8内の塗料22の排出を迅速化させる。開口部8cの構成は、開口部8cを閉鎖したときに塗料22が塗料オーバーフロー槽9に流出しない限りどのようであってもよく、例えば、脱着式とし、四周をシール用パッキンでシールするような構造であってもよく、一辺を回転自在に長辺面8aに取り付けた開閉式とし、四周をシール用パッキンでシールするような構造としてもよい。
ピックアップロール3は、塗料貯留槽8に貯留される塗料22に浸漬して塗料22をかきあげる。この場合、メタリングロール6によってピックアップロール3から絞り落とされる余剰塗料の落下位置は、塗料貯留槽8の内部であっても、また塗料オーバーフロー槽9の内部であっても、どちらでも構わない。そして、ピックアップロール3、メタリングロール6及びアプリケーターロール4の各回転方向並びに帯状被塗装物7の搬送方向は、図1に示すように、ピックアップロール3、メタリングロール6及びアプリケーターロール4が反時計回り方向に回転駆動され、帯状被塗装物7がアプリケーターロール4の回転方向とは逆に搬送される所謂リバースコーター方式が採用されている。
次に、このように構成される3本ロール方式ロールコーター装置の動作を説明する。先ず、塗料圧送ポンプ13を駆動させて循環タンク14に貯留されている塗料22を塗料貯留槽8に定量供給する。この場合、塗料貯留槽8に供給された塗料22が絶えず塗料貯留槽8をオーバーフローして、塗料オーバーフロー槽9に所定量の塗料22が回収される状態とする。つまり、帯状被塗装物7に塗装される塗料22の量を加味して、所定量の塗料22が常にオーバーフローするように塗料22の供給量を設定する。
この状態で、ピックアップロール3及びアプリケーターロール4を、夫々、図1における反時計回り方向となるように回転駆動するとともに、メタリングロール6を時計回り方向となるように回転駆動し、且つ、帯状被塗装物7を、アプリケーターロール4との転接位置においてはアプリケーターロール4の回転方向とは逆方向に搬送させる。これにより、ピックアップロール3で塗料22がかきあげられて付着し、これがアプリケーターロール4に転着され、このアプリケーターロール4の塗料22が、帯状被塗装物7に連続的に転写される。
本実施の形態ではリバースコーター方式を採用しているので、塗装膜23の均一性を向上させて美麗な塗装膜23を得ることができる。この連続塗装中に、ピックアップロール3でかきあげられた塗料22の余剰分は、ピックアップロール3とメタリングロール6との転接位置で絞り落とされ、これが塗料貯留槽8の塗装液面に落下して、塗料液面で気泡が発生する。特に、塗料22に界面活性剤などの添加物が含まれている場合には消滅し難い多量の気泡が発生する。
しかしながら、これらの気泡は、塗料貯留槽8をオーバーフローする塗料22とともに塗料オーバーフロー槽9に直ちに排出されるので、ピックアップロール3の塗料かきあげ位置に流入することはなく、これにより、余剰塗料の絞り落としにより発生する気泡に起因する塗装欠陥を未然に防止することができる。この時、ピックアップロール3の回転方向が図1において反時計回り方向であり、絞り落とされた余剰の塗料22を塗料オーバーフロー槽9の側に送り出す液流を形成するので、気泡の排出をより確実に行うことができる。
同様に、塗料貯留槽8への塗料22の供給により発生した気泡も塗料貯留槽8をオーバーフローする塗料22とともに塗料オーバーフロー槽9に直ちに排出されるので、美麗な塗装膜23を帯状被塗装物7に形成することができる。
この時、仮に塗料22のオーバーフローが、長辺面8aの上端部の幅方向で均一でなく、一部分に集中していたならば、長辺面8aの上端部位の全体から満遍無く塗料22がオーバーフローするように、塗料オーバーフロー槽9を支持する台座などの厚みを調整し、塗料オーバーフロー槽9の水平面に対する傾斜角度、つまり、長辺面8aの上端部の高さ位置を調整する。
一方、塗料オーバーフロー槽9に流出した気泡を含む塗料22は、塗料戻り口12から循環タンク14に戻る。循環タンク14に戻った塗料22の気泡が、循環タンク14で消滅しきれずに再度塗料貯留槽8に持ち込まれたり、或いは、塗料22が塗料貯留槽8に供給される際に気泡が新たに発生したりしても、塗料貯留槽8の長辺面8aの到る処から塗料22がオーバーフローしているので、これらの気泡も塗料貯留槽8をオーバーフローする塗料22とともに塗料オーバーフロー槽9に直ちに排出される。従って、塗料貯留槽8の塗料22の供給側で発生する気泡に起因する塗装欠陥も未然に防止することができる。
また、塗料22の塗料貯留槽8における塗料22の流れが均一化されて、塗料22の停滞域が形成されないので、金属粉末などの沈降・分離しやすい顔料を含む塗料22を用いても、塗料パン1における顔料の沈降・分離が防止され、顔料の沈降・分離による塗料22の組成変化を防止することができ、塗料22の組成変化に起因する塗装ムラを未然に防止することができる。
上記の説明において、塗料貯留槽8の長辺面8aの上端部から塗料22が不均一にオーバーフローした場合、塗料オーバーフロー槽9を支持する台座などの厚みを調整して均一化するとしたが、このような場合、下記に示す方法を採ることもできる。
即ち、1つ目の方法は、図4及び図5に示すように、塗料貯留槽8の長辺面8aの上端部高さ位置を調整できるように、長辺面8aに高さ調整機能を付与することである。尚、図4及び図5は、上端の高さ位置を変更することが可能な長辺面8aの概略図であり、図4は斜視図、図5は、塗料貯留槽8の短辺面8bに対して垂直な方向から見た図である。
図4及び図5に示すように、短辺面8bに高さ調整孔17を設け、この高さ調整孔17を貫通する高さ調整ネジ18を長辺面8aに連結し、長辺面8aの高さ位置を調整した上で高さ調整ネジ18を締め付けることにより、長辺面8aの上端部高さ位置を調整する。本発明では、このようにして上端部の高さ位置を調整可能な長辺面8aを、単なる固定式の長辺面8aと区別するために可動式長辺面16と称す。
尚、可動式長辺面16と短辺面8bとの接触面から、大量の塗料22が流出しないようにする必要があり、そのためには、可動式長辺面16の短辺面8bとの接触部にシール用のゴム板を配置するなどすればよい。
更に、2つ目の方法としては、図6に示すように、塗料オーバーフロー槽9の四隅に高さ調整機構を設置する方法である。尚、図6は、四隅に高さ調整機構を有する本発明に係る塗料パンの平面図である。
図6に示すように、塗料オーバーフロー槽9の四隅には、塗料オーバーフロー槽9の四隅の高さ位置を調整するための高さ調整機構として、塗料オーバーフロー槽9の側面に配置されたメネジ付台座19に嵌合する傾斜調整ネジ20が取り付けられている。この傾斜調整ネジ20の下端が固定された置き台に支持されることで、傾斜調整ネジ20を旋回させることにより、塗料オーバーフロー槽9の四隅のそれぞれが鉛直方向上下に移動するように構成されている。つまり、塗料オーバーフロー槽9の四隅の高さ位置を調整することによって、塗料パン1の傾斜を変更させる、換言すれば、塗料貯留槽8の傾斜が調整可能に構成されている。
この高さ調整機構を有する塗料パン1を備えた3本ロール方式ロールコーター装置の全体構成の概略図を図7に示す。図7において、塗料オーバーフロー槽9の側面に配置された傾斜調整ネジ20は置き台21に接触して支持されている。塗料貯留槽8からの塗料22のオーバーフローが不均等になった場合には、傾斜調整ネジ20を適宜旋回させることで、それを修正することが可能となる。但し、塗料オーバーフロー槽9は置き台21に対して4点で支持されているので、傾斜調整ネジ20で調整する場合には、少なくとも二箇所の傾斜調整ネジ20を旋回させ、置き台21の上で塗料オーバーフロー槽9を安定させる必要がある。尚、図7に示す3本ロール方式ロールコーター装置は、その他の構造は図1に示す3本ロール方式ロールコーター装置と同一構造となっており、同一の部分は同一符号により示し、その説明は省略する。
以上説明したように、本発明に係るロールコーター用塗料パン1によれば、塗料貯留槽8から常に塗料22をオーバーフローさせながら帯状被塗装物7の塗装を行うので、ピックアップロール3から絞り落とされる余剰の塗料22が塗料液面に落下して塗料液面に気泡が発生しても、また、塗料貯留槽8に供給される塗料22によって塗料貯留槽内の塗料液面に気泡が発生しても、気泡は、塗料貯留槽内に滞留することなく、オーバーフローする塗料22とともに塗料貯留槽8から排出され、気泡による塗装ムラを生じることなく帯状被塗装物7の塗装を実施することができる。
また、塗料貯留槽8の底面は、塗料貯留槽8の中央部が低く、塗料貯留槽8の双方の長辺面8aの上端に向かって上昇する傾斜面であるので、塗料貯留槽8において塗料22の停滞域が形成されず、金属粉末や骨材などの沈降・分離しやすい顔料の沈降・分離を防止することができ、沈降・分離しやすい顔料の沈降・分離による塗装ムラを生じることなく、帯状被塗装物7の塗装を実施することができる。
尚、本発明は上記説明の範囲に限定されるものではなく、種々の変更が可能である。例えば、上記説明は、3本ロール方式ロールコーター装置について行ったが、2本ロール方式ロールコーター装置についても上記と同様に本発明を適用することができる。また、上記説明では、塗料22をピックアップロール3に対してバックアップロール5の反対側から塗料貯留槽8に供給しているが、バックアップロール5の側から供給するようにしても構わない。また、塗料22の塗料貯留槽8への供給箇所を一箇所としているが、複数箇所としても構わない。また更に、塗料貯留槽8には塗料分配板11が設置されているが、塗料分配板11を設置せずに直接塗料供給管10から供給するようにしても構わない。更に、塗料オーバーフロー槽9の四隅に高さ調整機構が設置されているが、高さ調整機構は3箇所、または4箇所以上に設置するようにしても構わない。
本発明の形態例を示す図であって、本発明に係る塗料パンを備えた3本ロール方式ロールコーター装置の全体構成を示す概略図である。 図1に示す3本ロール方式ロールコーター装置に配置した本発明に係る塗料パンの平面図である。 図2に示す本発明に係る塗料パンの概略斜視図である。 本発明の形態例を示す図であって、上端の高さ位置を変更することが可能な可動式長辺面の概略斜視図である。 図4に示す可動式長辺面の短辺面に対して垂直な方向から見た図である。 四隅に高さ調整機構を有する本発明に係る塗料パンの平面図である。 図6に示す塗料パンを備えた3本ロール方式ロールコーター装置の全体構成の概略図である。 従来の2本ロール方式ロールコーター装置の全体構成の概略図である。
符号の説明
1 塗料パン
2 塗装ロール
3 ピックアップロール
4 アプリケーターロール
5 バックアップロール
6 メタリングロール
7 帯状被塗装物
8 塗料貯留槽
8a 長辺面
8b 短辺面
8c 開口部
9 塗料オーバーフロー槽
10 塗料供給管
11 塗料分配板
12 塗料戻り口
13 塗料圧送ポンプ
14 循環タンク
15 塗料排出管
16 可動式長辺面
17 高さ調整孔
18 高さ調整ネジ
19 メネジ付台座
20 傾斜調整ネジ
21 置き台
22 塗料
23 塗装膜
24 仕切壁
25 オーバーフロー壁

Claims (5)

  1. 帯状被塗装物に塗装される塗料が供給され且つ該塗料を貯留するとともに貯留した塗料中にピックアップロールが浸漬される塗料貯留槽と、該塗料貯留槽からオーバーフローする塗料を受けて塗料戻り口に送り込む塗料オーバーフロー槽と、を備えたロールコーター用塗料パンであって、
    前記塗料貯留槽は平面形状が矩形であり、該塗料貯留槽の底面は、塗料貯留槽の中央部が低く、塗料貯留槽の双方の長辺面の上端に向かって上昇する傾斜した面であり、
    前記塗料貯留槽の長辺面は、該長辺面の幅方向左右で独立して上下に移動し、その上端の高さ位置を変更することが可能であり、
    且つ、前記塗料オーバーフロー槽は前記塗料貯留槽を囲うように塗料貯留槽の周囲に配置されており、
    前記塗料貯留槽には帯状被塗装物に塗装される量以上の塗料が供給され、過剰の塗料が、前記塗料貯留槽の双方の長辺面の上端部位から前記塗料オーバーフロー槽に常にオーバーフローすることを特徴とするロールコーター用塗料パン。
  2. 帯状被塗装物に塗装される塗料が供給され且つ該塗料を貯留するとともに貯留した塗料中にピックアップロールが浸漬される塗料貯留槽と、該塗料貯留槽からオーバーフローする塗料を受けて塗料戻り口に送り込む塗料オーバーフロー槽と、を備えたロールコーター用塗料パンであって、
    前記塗料貯留槽は平面形状が矩形であり、該塗料貯留槽の底面は、塗料貯留槽の中央部が低く、塗料貯留槽の双方の長辺面の上端に向かって上昇する傾斜した面であり、
    前記塗料オーバーフロー槽には、該塗料オーバーフロー槽の高さ位置を調整可能な高さ調整機構が設けられており、該高さ調整機構により、前記塗料貯留槽長辺面の上端の高さ位置を変更することが可能であり、
    且つ、前記塗料オーバーフロー槽は前記塗料貯留槽を囲うように塗料貯留槽の周囲に配置されており、
    前記塗料貯留槽には帯状被塗装物に塗装される量以上の塗料が供給され、過剰の塗料が、前記塗料貯留槽の双方の長辺面の上端部位から前記塗料オーバーフロー槽に常にオーバーフローすることを特徴とするロールコーター用塗料パン。
  3. 前記塗料貯留槽の底面の一部は、開口可能に構成され、開口することによって塗料貯留槽から塗料オーバーフロー槽への塗料排出口を形成することを特徴とする、請求項1または請求項2に記載のロールコーター用塗料パン。
  4. 前記塗料貯留槽の底面の形状は、前記ピックアップロールの外形に沿った形状であることを特徴とする、請求項1ないし請求項の何れか1つに記載のロールコーター用塗料パン。
  5. 前記塗料貯留槽の底面と前記ピックアップロールとの距離は、20〜50mmであることを特徴とする、請求項に記載のロールコーター用塗料パン。
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