JPH10158060A - 導電性セラミック物品 - Google Patents

導電性セラミック物品

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JPH10158060A
JPH10158060A JP9310698A JP31069897A JPH10158060A JP H10158060 A JPH10158060 A JP H10158060A JP 9310698 A JP9310698 A JP 9310698A JP 31069897 A JP31069897 A JP 31069897A JP H10158060 A JPH10158060 A JP H10158060A
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zirconia
tetragonal
sintering
alloy
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JP9310698A
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Dilip K Chatterjee
ケー.チャタジー ディリップ
Gregory S Jarrold
エス.ジャロルド グレゴリー
Syamal K Ghosh
ケー.ゴーシュ シャマル
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Eastman Kodak Co
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    • C04CEMENTS; CONCRETE; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES
    • C04BLIME, MAGNESIA; SLAG; CEMENTS; COMPOSITIONS THEREOF, e.g. MORTARS, CONCRETE OR LIKE BUILDING MATERIALS; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES; TREATMENT OF NATURAL STONE
    • C04B35/00Shaped ceramic products characterised by their composition; Ceramics compositions; Processing powders of inorganic compounds preparatory to the manufacturing of ceramic products
    • C04B35/01Shaped ceramic products characterised by their composition; Ceramics compositions; Processing powders of inorganic compounds preparatory to the manufacturing of ceramic products based on oxide ceramics
    • C04B35/48Shaped ceramic products characterised by their composition; Ceramics compositions; Processing powders of inorganic compounds preparatory to the manufacturing of ceramic products based on oxide ceramics based on zirconium or hafnium oxides, zirconates, zircon or hafnates
    • C04B35/486Fine ceramics
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  • Structural Engineering (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Compositions Of Oxide Ceramics (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 低コストの放電機械加工を施すことが可能で
ある導電率が非常に高いセラミック物品を提供するこ
と。 【解決手段】 (a)正方晶ジルコニア合金又はジルコニ
ア/アルミナ系複合体と(b)二ホウ化ジルコニウムとの
複合材を含んで成る導電性セラミック物品。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、セラミック物品
に、より詳細には、導電性の正方晶ジルコニアを含んで
成る工具用又は機械加工部品用の物品に関する。
【0002】
【従来の技術】写真フィルムや印画紙のような材料の製
造では、孔あけ機やスリットナイフのようなバイトは、
突発故障や腐食を防止するための耐衝撃性と共に、実用
寿命や生産性を向上させるための耐磨耗性が必要とされ
る。従来のバイト材、例えば、高速度鋼、焼入可能なス
テンレススチール、接合タングステンカーバイドは、こ
れらの要件の一部を満たすが、磨耗や腐食のためメンテ
ナンスを頻繁に要するという制限がある。
【0003】正方晶ジルコニア系多結晶(TZP)やド
ープした正方晶ジルコニア系多結晶(Y−TZP)のよ
うなセラミック材料は従来の材料よりも利点が多く、そ
のため写真フィルムや紙ウェブの切断、孔あけ、スリッ
ティング及びチョッピングに用いられている。Y−TZ
Pは最も靱性の高いことが知られているセラミックスの
一つである。靱性は硬さや強さを犠牲にして達成され
る。
【0004】耐衝撃性を有する工具や部品は、コア部が
強靱な材料でできており、表面部又はシェル部が硬質材
料でできていると、実用寿命が長くなり性能もよくなる
ことが知られている。一般的な例として、窒化又は硬化
層浸炭金属工具部品、カムシャフト、等が挙げられる。
浸炭や窒化などの表面処理により、より強靱なコア部の
表面に安定な硬質相が形成される。この相変化は、母体
の金属材料と反応性物質、例えば炭素種又は窒素種、と
の反応性に依存する。セラミックスの場合、元来化学的
に不活性であるため、同等な複合構造を製作することが
できなかった。応力が引き起こす相変化を伴う表面領域
を有するセラミック物品は、使用時の使用面の摩擦によ
りこのような相変化が起こるので、非常に容易に得られ
る。Y−TZPの場合、応力により、強靱であるがさほ
ど硬くはない正方晶相からより硬質の単斜晶相への転移
が引き起こされる。この相変化は様々な使途がある。米
国特許第5,290,332号明細書に記載されている
ように、ネットシェイプ型正方晶ジルコニア合金系物品
を製造することができる。「ネットシェイプ」とは、セ
ラミック物品の寸法が焼結後にも変化しないため、所期
の使用環境において使用する前にさらに機械加工する必
要のないセラミック物品をさす。使用時に、ネットシェ
イプ物品の使用面が相転移を受ける。適当な許容差を設
けることで、相転移前の使用面での磨耗減量は無視でき
る。別法として、単斜晶ジルコニアへの表面相転移は、
工具製造時の研削仕上やラップ仕上などの磨耗工程によ
っても引き起こすことができる。いずれの方法も、二つ
の変数、すなわち物品の寸法とその相特性が同時に変化
するため、簡単な方法ではない。どちらの方法も、許容
差の小さい形状の複雑な物品で行う場合には非常に問題
が大きい。
【0005】別の方法が米国特許第5,358,913
号明細書に記載されており、これを参照することにより
本明細書に援用する。その方法では、ネットシェイプに
近づけることができる正方晶ジルコニア合金の物品を圧
縮した後、MgO、CaO、Y2 3 、Sc2 3 、C
eO2 若しくは稀土類酸化物ドーパント又はこれらの混
合物の存在下で焼結し、正方晶コア部と立方晶シェル部
を有する物品を製造している。該ドーパントは、固体プ
レート、粉末、又は有機金属前駆体フィルムの分解によ
り得られた層のように、様々な形態で提供することがで
きる。米国特許出願第07/994,820号(現在、
1994年4月25日出願の一部継続出願第08/23
1,870号及び1995年7月25日出願の分割出願
第08/506,629号のため放棄済)に、正方晶ジ
ルコニア合金コア部と単斜晶シェル部を有する物品の製
造方法が記載されている。米国特許出願第07/99
4,818号(現在、1995年3月3日出願の一部継
続出願第08/400,416号のため放棄済)に、正
方晶ジルコニア合金及びアルミナのコア部と正方晶ジル
コニア及び立方晶スピネルのシェル部とを有する物品の
製造方法が記載されており、これを参照することにより
本明細書に援用する。そのコア部及びシェル部における
主成分種は正方晶ジルコニアである。この出願明細書に
は、正方晶ジルコニア合金と約5重量%未満のアルミナ
を含むコア部を有し且つ、立方晶相ジルコニア及び立方
晶スピネルを含むシェル部を有する物品の製造方法も教
示されている。
【0006】米国特許第5,177,037号明細書で
は、少なくとも一種の非導電性セラミックウィスカー成
分と一種の導電性セラミックウィスカー成分を含有する
放電機械加工できる(electro-discharge machinable)
セラミックスが用いられている。この特許明細書には、
正方晶ジルコニア材料は記載されていない。
【0007】特公昭58−102881号に、ジルコニ
ア94〜88モル%に6〜12モル%のMgO、Ca
O、Y2 3 及びCeOの安定剤を配合した安定化ジル
コニアが、安定化ジルコニアと二ホウ化ジルコニウムの
混合物から通常の圧力下、1400℃よりも高い温度で
の焼結又はホットプレスにより調製されることが記載さ
れている。
【0008】特願昭59−227771号(発明の名称
「高導電性ジルコニア焼結品」、Sakada)に、炉加熱素
子として、35〜97%の安定化ジルコニア及び65〜
3%の二ホウ化ジルコニウムを含む材料が記載されてい
る。Sakadaのジルコニアは安定化が完全ではなく、しか
もイオンコンダクタンスと電子コンダクタンスの間に温
度依存性の転移がある。すなわち、結晶構造が「本質的
に」又は「主として」正方晶であるとはいえないことを
意味する。Sakadaのジルコニアは、本質的に、三種類の
相(例、立方晶、正方晶及び単斜晶)の混合物を有する
安定化又は部分安定化ジルコニアである。
【0009】ジルコニア製の工具材料又は構造部材にと
って重要な要件は、該材料が単相でなければならないこ
と、好ましくは100%正方晶又は本質的に正方晶の材
料であって、そのため高い破壊靱性、高い耐磨耗性を発
揮すること、さらには「ネットシェイプ」物品の製造に
役立つことである。Sakadaのジルコニアに含まれている
イットリア(Y2 3 )の含有量は約6〜12モル%で
あり、Sakadaの多相材料はイットリア含有量が比較的高
いことによるものと考えられる。
【0010】Sakadaの材料はホットプレスされ、そして
焼結環境について何ら言及していないことから、それは
空気中で行われているものと推定される。仕上げの完了
したY−TZPセラミック部品を製造する上で最も困難
でコストのかかる側面は、必要な最終寸法を達成するた
めに行われるダイヤモンド加工である。最終寸法の機械
加工法で非常に有利な方法は放電加工法である。この方
法によると、従来の機械加工では得られない複雑な特徴
が可能となる他、負荷のない機械加工法でもある。しか
しながら、この方法は、加工物がうまく機械加工される
ために十分な導電性を示すこと、そしてY−TZP及び
その共通酸化物(common oxide)の複合材が室温で高い
絶縁材料であることを必要とする。Y−TZP及びその
複合材の放電機械加工を実施するために導電性セラミッ
クスの製造において多くの試みがなされているが、一般
には、所望の機械特性を犠牲にすることになっている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】TZPの最大の欠点の
一つは、それらの電気絶縁性が高いため、最終形状を形
成するために従来の及び/又はワイヤー放電機械加工法
(EDM)が採用できない点である。TZPを導電性に
しようと多くの試みがなされてきたが、その機械特性、
特に破壊靱性の劣化を伴うものであった。本発明の目的
は、TZP及びその複合材を、その機械靱性及び摩擦特
性を損なうことなく導電性にし、コストの低い放電機械
加工を可能にし且つ、他では必要なコストの高いダイヤ
モンド加工を不要とすることにある。複合材の一部にホ
ウ化物、ケイ化物その他同等な導電性化合物を使用する
ことにより導電性を高める。焼結工程はアルゴン又は窒
素中で行い、導電性種の酸化を防止する。機械靱性に大
きな影響を及ぼすことなくバルクの導電率を達成するこ
とは困難であった。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、Y−TZP/
ZrB2 系及び/又はTZP/Al2 3 /ZrB2
複合材の物品を、それらの成分を混合、ボールミル粉砕
し、ダイで圧縮し、そしてアルゴン雰囲気中、1300
〜1700℃で焼結することによって製造するものであ
る。該物品は、導電率、破壊靱性、硬度及び耐磨耗性が
高いため優れた導電性セラミック複合材となる。また、
焼結工程中に物質間に化学反応は起こらないため、非導
電性のオキシホウ化ジルコニウムが生成したり、粒子成
長を生ぜしめることによって、機械特性や電気特性を劣
化させることがない。最も重要な点は、当該複合材が放
電機械加工にとって理想的な候補材料となる非常に低い
電気抵抗率が達成されることにあり、このため、従来の
ダイヤモンド工具による機械加工では不可能であった特
定の複雑な特徴を実現することができる。
【0013】本発明の方法では、ジルコニア合金又はジ
ルコニア−アルミナ系複合材セラミックスと二ホウ化ジ
ルコニウムとを混合し、粉砕し、圧縮し、そして焼結す
る。この焼結工程はアルゴン雰囲気中で行う。得られた
本発明のセラミック物品は、正方晶ジルコニア及び二ホ
ウ化ジルコニウムを主体とするバルク成分を有する。該
セラミック物品は、室温での導電率が非常に高いため、
該物品に対して低コストの放電機械加工を施すことが可
能である。本発明の複合材は、コア部及び外部を通して
導電性であり且つ、破壊靱性、耐磨耗性及び耐腐食性が
高いので、該材料からバイト材や機械部品のような工具
を放電機械加工法で製造する際に特に有用である。
【0014】本発明の方法は、粒状ジルコニアと、Mg
O、CaO、Y2 3 、Sc2 3、CeO2 及びその
他の稀土類酸化物(本明細書中、「Mg−Ca−Y−S
c系稀土類酸化物」ともいう)の中から選ばれた追加の
「第二酸化物」とを混合することにより得られる粒状ジ
ルコニア合金を使用する。本発明の方法において有用な
ジルコニア合金は、得られたセラミック物品を使用する
際の温度範囲及び圧力範囲において準安定な正方晶構造
を有する。例えば、約200℃以下の温度及び約100
0MPa以下の圧力の場合、ジルコニア合金は、ジルコ
ニウム酸化物合金全体に対して、Y2 3 の場合には約
0.5〜約5モル%、MgOの場合には約0.1〜約
1.0モル%、CeO2 の場合には約0.5〜約15モ
ル%、Sc 2 3 の場合には約0.5〜約7.0モル
%、そしてCaOの場合には約0.5〜約5モル%を有
する。ジルコニアとの合金化に好適な酸化物はY
2 3 、MgO、CaO、CeO2 、Sc2 3 、稀土
類酸化物及びこれら酸化物の混合物である。ジルコニア
粉末は純度が高いこと、すなわち、純度約99.9%以
上であることが好ましい。有用なジルコニア合金の具体
例として、約0.5〜約5モル%、好ましくは約2〜約
5モル%、より好ましくは約3モル%のY2 3 を含有
する正方晶構造のジルコニア合金が挙げられる。MgO
の場合には、0.1〜1.0モル%で正方晶構造が得ら
れ、またCeO2 の場合には、0.5〜15モル%で正
方晶構造が得られ、0.5〜約5モル%のカルシウム酸
化物、約0.5〜7.0モル%のSc2 3 でそれぞれ
正方晶構造が得られる。本発明の方法において有用な正
方晶構造のジルコニア合金の例が、米国特許第5,29
0,332号及び同第5,411,690号明細書に記
載されている。これらの特許明細書中、このようなジル
コニア合金は「ネットシェイプ」のセラミック物品、す
なわち焼結による寸法変化がないため、所期の使用環境
において使用する前にさらに機械加工する必要のないセ
ラミック物品、が得られるので有用であると記載されて
いる。
【0015】図1の工程「A」は合金化工程の略図であ
る。ジルコニア粉末100を一種又は二種以上の第二酸
化物粉末102と組み合わせてジルコニア合金粉末10
4を得る。ジルコニア合金の製造については当業者であ
れば周知であり、またジルコニア合金は市販もされてい
る。例えば、Y2 3 を3モル%含有する粒状ジルコニ
ア合金がZ-TECH社(Bow, New Hampshire)(現在はHANWHA
アドバンスト・セラミクスとして周知)より「SYP-ULTR
A 5.2 」又は「HWA-3YB 」イットリア安定化ジルコニア
として、また日本のTOSHO 社より「TZ-3YB」として市販
されている。
【0016】当業者には周知であるように、ジルコニア
合金においては、結晶粒や凝集の大きさや分布、含水量
及び結合剤(使用した場合)に変動幅がありうる。「結
晶粒(grain)」とは、個別の結晶をいい、粒子(particl
e)の内部に存在することができ、隣接結晶粒とは異なる
空間定位(spatial orientation) を有する。「凝集体(a
gglomerate)」とは、個別の粒子の団結をいい、それぞ
れが多数の結晶粒を含む場合もある。本発明の具体的実
施態様において、ジルコニア合金の結晶粒や凝集の大き
さや分布及び含水量は、あたかもジルコニア合金と二ホ
ウ化ジルコニウム化合物との混合が行われないように、
すなわちジルコニア合金物品の製造に適していることが
当該技術分野で知られている方法で、選定される。
【0017】本発明の具体的実施態様にとって都合のよ
い粒子特性の一例は以下の通りである。純度は99.9
〜99.99%の範囲で十分に制御すること、すなわち
不純物が約0.1〜0.01%を上回らないことが好ま
しい。結晶粒の大きさは約0.1〜約0.6μmであ
る。結晶粒の大きさの平均は0.3μmである。結晶粒
の大きさの分布は、0.1μm未満が5〜15%、0.
3μm未満が40〜60%及び0.6μm未満が85〜
95%である。個々の結晶粒の表面積は約10〜約15
2 /グラムの範囲にあり、14m2 /グラムであるこ
とが好ましい。凝集体の大きさは約30〜約60μmの
範囲にあり、凝集体の大きさの平均は40〜60μmで
ある。含水率はブランクに対して約0.2〜1.0体積
%、好ましくは0.5体積%である。粒状物の混合物
は、ゼラチン、ポリエチレングリコール(PEG)、ア
クリル樹脂又はポリビニルイオノマー、より好ましくは
ポリビニルアルコールのようなバインダーの存在下で圧
縮される。バインダーは、粉末混合物を圧縮装置に入れ
る前にスプレー法やボールミル粉砕法等で、粒状混合物
に添加して混合する。二ホウ化ジルコニウム103をジ
ルコニア合金と混合する。該方法は、純粋なジルコニア
100に3モル%のイットリア102を合金化して正方
晶ZrO2 104を得たものであるTosoh 製 TZ-3YB ジ
ルコニア(東ソー株式会社)の試料と、Alfa製ZrB2
103(濃度0、10、25、35及び50重量%)と
を、Burundum(商標)粉砕媒体で3時間ボールミル粉砕
する工程を含む。次いで、混合した複合材粉末106
を、約4.78×0.80cm(1.88×0.313
インチ)の長方形ダイを用いて約1.0×108 Pa
(15,000psi)(レンジ12,000〜18,
000psi)で一軸圧縮する。次いで、得られた未焼
結部品108を、アルミナ製ボートに入れ、CM管炉を
用い、99.99%アルゴンの流速1.0〜3.0リッ
トル/分(LPM)、好ましくは2LPMの雰囲気中、
1300〜1700℃(好ましくは1500℃)で焼結
する。
【0018】図1の工程「B」は、粒状ジルコニア合金
104と二ホウ化ジルコニウム103の混合を概略説明
するものである。混合は、機械的な混合であってもよい
し、また共沈法による混合など化学的な混合であっても
よい。別法として、TZ−3YBジルコニアに5〜50
重量%のAl2 3 を予め混合することにより、ZrB
2 とジルコニア/アルミナ(ZrO2 /Al2 3 )系
複合体とを混合することもできる(図1にはこの工程は
示されていない)。
【0019】ジルコニア合金又はジルコニア/アルミナ
系複合体と二ホウ化ジルコニウムの粒状混合物106を
圧縮し、焼結が起こる温度範囲にまで加熱し、焼結さ
せ、すなわち該温度範囲で一定時間維持し、その後冷却
する。焼結工程の全体又は一部において、該粒状混合物
に99.99%のアルゴンガスを接触させる。図1にお
いて、要素108は、矢印「C」が示すように、混合及
び圧縮の両方による生成物を表す。本明細書では、図1
において「C」及び「D」が示すように、一般に圧縮及
び焼結を二つの連続工程として記載するが、本発明は圧
縮と焼結の特定の順序に限定されるものではない。例え
ば、圧縮工程と焼結工程を単一工程として同時に行うこ
とも、またホット・イソスタティック・プレシング(H
IP)のような方法を用い、部分圧縮工程の後に焼結、
次いでさらに圧縮を行うことも可能である。圧縮工程及
び焼結工程による中間生成物又は完全焼結生成物を本明
細書では「ブランク」と称し、これを図1では要素(ブ
ランク)110として表す。ブランク110は、少なく
とも部分的に圧縮されており、且つ未焼結若しくは不完
全焼結の状態にあるか、又は完全焼結若しくは高温等圧
プレスされている。
【0020】圧縮及び焼結の完了により最終のセラミッ
ク又はセラミック複合材物品110が得られる。該物品
は、高い焼結密度(少なくとも理論値の90%を上回る
密度)を示すと共に、高い導電性をも示す。本発明の好
ましい方法では、粉末を低温圧縮して「未処理プレフォ
ーム」108を得る。この「未処理」密度は、セラミッ
ク物品110の最終焼結後密度よりも実質的に低い。未
処理密度は最終焼結後密度の約40〜約65%、より好
ましくは約60%であることが好ましい。
【0021】特定の粉末分布については、未焼結密度は
圧縮圧及び充填比に大きく依存する。本発明の方法にお
ける好適な圧縮圧は約10,000〜30,000ps
i(69〜207MPa)である。より好適な圧縮圧は
約15,000psi(約100MPa)である。充填
比は約2.5:1〜約3.5:1に維持される。好適な
充填比は約3.0:1である。圧縮時間は、設定した圧
縮圧により、運転者が容易に決めることができる。圧縮
時間は、例えば、圧縮圧の範囲が約12,000〜約1
8,000psiの範囲にある場合には約60秒〜約1
0秒の範囲とすることができる。圧縮圧が15,000
psi(100MPa)である場合には、圧縮時間は3
0秒とすることができる。運転者が設定した圧縮圧及び
圧縮時間は最終部品108の大きさに依存しうることが
知られている。一般に、部品の大きさが大きくなるにつ
れ、圧縮時間は長くなる。
【0022】本発明の方法は、特定の焼結圧及び焼結温
度条件に限定される。焼結は大気圧で行うことができ、
また別法として焼結工程の全部又は一部に比較的高圧を
適用することにより多孔度を下げることができる。焼結
は、物品のシェル部が焼結されて熱力学的平衡構造に到
達するのに十分な時間継続される。焼結圧を高めた有用
な範囲の一例として、約69〜約207MPa、より好
ましくは約100〜103MPaが挙げられる。焼結温
度の有用な範囲の一例として、約1300〜約1700
℃、より好ましくは約1500℃が挙げられる。焼結時
間の有用な範囲の一例として、約1〜約3時間、より好
ましくは約2時間が挙げられる。本発明の方法の具体的
実施態様では、焼結ピーク温度を1500℃とし、その
温度を約2時間維持している。
【0023】本発明において「未処理プレフォーム」を
焼結して導電性セラミック又は複合材物品を製造する際
の綿密な方法は特に問題ではないが、後述の比較例が示
すように、焼結工程をアルゴンガス雰囲気中で行うこと
は重要である。従って、「未処理プレフォーム」の周囲
をアルゴンガスが妨害されずに均一に取り囲むことが肝
要である。
【0024】焼結ブランクの焼結温度への加熱及び冷却
を徐々に行うことで、望ましくない寸法変化やクラック
の発生を回避することが好ましい。好適な焼結温度15
00℃による本発明の実施態様では、加熱時の好適な昇
温法は、室温〜約300℃を約0.3℃/分、約300
℃〜約400℃を約0.1℃/分、約400℃〜約60
0℃を約0.4℃/分、そして約600℃〜約1500
℃を約1.5℃/分とするものである。冷却時の好適な
降温法は、約1500℃〜約800℃を約2℃/分、そ
して約800℃〜室温を約1.6℃/分とするものであ
る。
【0025】焼結試料の結晶構造をPhillipsのX線回折
計で測定した。代表的なX線回折パターンを図2及び図
3に示す。次いで、各焼結試料110について、Veeco
FPP5000四点プローブにより、バルクの導電率を測定し
た。各種セラミック複合材組成物の実施例及び比較例を
その実験結果と共に表1にまとめて記載する。
【0026】
【表1】
【0027】実施例から、導電性セラミック及び導電性
セラミック複合材として有効な組成範囲は30〜50重
量%のZrB2 であることが結論付けられる。ZrB2
組成が50重量%を上回ると、セラミックス又はセラミ
ック複合材は導電性を示すがジルコニアの結晶構造は本
質的に正方晶とはならない。
【0028】アルゴンガス中で焼結した試料の密度がよ
り低くなるのは、該粒状系に添加したバインダーの不完
全燃焼によるものである。また、破壊靱性の低下は、物
品の密度がより低くなるためと考えられる。これらの複
合材を、アルゴン雰囲気中で行うホット・イソスタティ
ック・プレシングで理論密度のほぼ100%を達成し、
導電率を低下させることなく破壊靱性を改良することは
可能である。これらの実施例では、複合材は、二種の
相、すなわち正方晶ZrO2 及びZrB2 をその組成に
応じた各種比率で示しただけであり、優れた電気特性が
得られる。
【0029】本質的に正方晶ZrO2 相のみしか存在し
ないことを示す典型的なX線回折データを比較例1、2
及び3における試料について図2に示し、実施例5にお
けるZrB2 と正方晶ZrO2 の存在を示す典型的なX
線回折データを図3に示す。
【0030】本発明の方法は様々な物品の製造に適用可
能であるが、とりわけ多くの工具がより長い使用寿命を
示すという点で、バイト材や耐磨耗性部品の製造に適用
可能である。工具の例として、布地、厚紙、金属、高分
子材料用及びハロゲン化銀のような研摩材料で被覆され
た紙、特にアドバンスト・フォト・システム(APS)
用のフィルムのためのスリッターナイフ、パンチ及びダ
イが含まれる。
【0031】写真フィルム基材又は印画紙を搬送するた
めに移動中の高分子材料が搬送用のローラーやガイド部
と接触するような用途では、導電性が摩擦帯電の放電を
促進する。また、バルク導電性があるため、EDMを用
いて寸法精度の非常に高い複雑な形状を低コストで機械
加工することが可能となる。EDMは、複雑な形状の精
密加工プロセスであって、EDM装置の数値制御により
案内されるマスターツール又はワイヤのいずれかの形態
にある電極と被加工部品との間のスパーク放電によって
実施されるものである。放電機械加工(EDM)が有効
となるためには、被加工部品が導電性であり、電極と工
作物との間の電気スパークを維持することが重要であ
る。
【0032】実施例5の物品による機械加工の実験を、
放電装置(Charmilles-D-20 Isocut, スイス製)を用い
て実施した。切断品質、切断容易性、表面仕上げ、燃焼
ゾーン幅及び電極の劣化は、スチール及び接合タングス
テンカーバイドの場合に匹敵するか又はより良好である
ことがわかった。本発明を、特に好ましい実施態様を参
照しながら説明してきたが、本発明の範囲を逸脱するこ
となくその好ましい実施態様の要素について各種の変更
や置換が可能であることは当業者であれば理解されよ
う。さらに、本発明の本質的教示を逸脱することなく本
発明の教示に具体的に状況を適合させるべく様々な変更
を施すことが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の方法を示す概略図である。
【図2】主として正方晶相が存在していることを示す物
品のX線回折データを示すグラフである。
【図3】正方晶ジルコニア相と二ホウ化ジルコニウム相
の両方が存在していることを示す物品のX線回折データ
を示すグラフである。
【符号の説明】 100…ジルコニア粉末 102…第二酸化物粉末 103…二ホウ化ジルコニウム 104…ジルコニア合金粉末 106…粒状混合物 108…未処理プレフォーム 110…ブランク
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 シャマル ケー.ゴーシュ アメリカ合衆国,ニューヨーク 14612, ロチェスター,クレイトン レーン 42

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)正方晶ジルコニア合金又はジルコニ
    ア/アルミナ系複合体と (b)二ホウ化ジルコニウムとの
    複合材を含んで成る導電性セラミック物品。
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