JPH11147760A - 導電性複合材の製造方法 - Google Patents

導電性複合材の製造方法

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JPH11147760A
JPH11147760A JP9305404A JP30540497A JPH11147760A JP H11147760 A JPH11147760 A JP H11147760A JP 9305404 A JP9305404 A JP 9305404A JP 30540497 A JP30540497 A JP 30540497A JP H11147760 A JPH11147760 A JP H11147760A
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sintering
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Dilip K Chatterjee
ケイ.カタージー ディリップ
Gregory S Jarrold
エス.ジョロルド グレゴリー
Syamal K Ghosh
ケイ.ゴッシュ シヤアル
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 低コストの放電機械加工を施すことが可能で
ある導電率が非常に高いセラミック物品の製造方法を提
供すること。 【解決手段】 (1)正方晶系ジルコニアと二ホウ化ジ
ルコニウムを混合し且つ微粉砕する工程; (2)ダイにおいて圧縮し、そしてアルゴン雰囲気中1
300〜1700℃で焼結する工程;及び (3)焼結後の複合材を高温等方圧縮する工程を含んで
なる、導電性セラミック及びセラミック複合材物品の製
造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、セラミック物品の
製造方法に、より詳細には導電性の正方晶ジルコニアを
含んで成る工具用又は機械部品用の物品に関する。
【0002】
【従来の技術】写真フィルムや印画紙のような材料の製
造では、孔あけ機やスリットナイフのようなバイトは、
突発故障を防止するための耐衝撃性と共に、実用寿命や
生産性を向上させるための耐腐食性、耐磨耗性が必要と
される。従来のバイト材、例えば、高速度鋼、焼入可能
なステンレススチール、接合タングステンカーバイド
は、これらの要件の一部を満たすが、磨耗や腐食のため
メンテナンスを頻繁に要するという制限がある。
【0003】正方晶ジルコニア系多結晶(TZP)やド
ープした正方晶ジルコニア系多結晶(Y−TZP)のよ
うなセラミック材料は従来の材料よりも利点が多く、そ
のため写真フィルムや紙ウェブの切断、孔あけ、スリッ
ティング及びチョッピングに用いられている。Y−TZ
Pは最も靱性の高いことが知られているセラミックスの
一つである。靱性は硬さや強さを犠牲にして達成され
る。
【0004】耐衝撃性を有する工具や部品は、コア部が
強靱な材料でできており、表面部又はシェル部が硬質材
料でできていると、実用寿命が長くなり性能もよくなる
ことが知られている。一般的な例として、窒化又は硬化
層浸炭金属工具部品、カムシャフト、等が挙げられる。
浸炭や窒化などの表面処理により、より強靱なコア部の
表面に安定な硬質相が形成される。この相変化は、母体
の金属材料と反応性物質、例えば炭素種又は窒素種、と
の反応性に依存する。セラミックスの場合、元来化学的
に不活性であるため、同等な複合構造を製作することが
できない。応力が引き起こす相変化を伴う表面領域を有
するセラミック物品は、使用時の使用面の摩擦によりこ
のような相変化が起こるので、非常に容易に得られる。
Y−TZPの場合、応力により、強靱であるがさほど硬
くはない正方晶相からより硬質の単斜晶相への転移が引
き起こされる。この相変化は様々な使途がある。米国特
許第5,290,332号明細書に記載されているよう
に、ネットシェイプ型正方晶ジルコニア合金系物品を製
造することができる。「ネットシェイプ」とは、セラミ
ック物品の寸法が焼結後にも変化しないため、所期の使
用環境において使用する前にさらに機械加工する必要の
ないセラミック物品をさす。使用時に、ネットシェイプ
物品の使用面が相転移を受ける。適当な許容差を設ける
ことで、相転移前の使用面での磨耗減量は無視できる。
別法として、単斜晶ジルコニアへの表面相転移は、工具
加工時の研削仕上やラップ仕上などの磨耗工程によって
も引き起こすことができる。いずれの方法も、二つの変
数、すなわち物品の寸法とその相特性が同時に変化する
ため、簡単な方法ではない。どちらの方法も、許容差の
小さい形状の複雑な物品で行う場合には非常に問題が大
きい。
【0005】別の方法が米国特許第5,358,913
号明細書に記載されている。その方法では、ネットシェ
イプに近づけることができる正方晶ジルコニア合金の物
品を圧縮した後、MgO、CaO、Y2 3 、Sc2
3 、CeO2 若しくは稀土類酸化物ドーパント又はこれ
らの混合物の存在下で焼結し、正方晶コア部と立方晶シ
ェル部を有する物品を製造している。該ドーパントは、
固体プレート、粉末、又は有機金属前駆体フィルムの分
解により得られた層のように、様々な形態で提供するこ
とができる。特願平5−324332号明細書に、正方
晶ジルコニア合金コア部と単斜晶シェル部を有する物品
の製造方法が記載されている。正方晶ジルコニア合金及
びアルミナのコア部と正方晶ジルコニア及び立方晶スピ
ネルのシェル部とを有する物品の製造方法が記載されて
いる。そのコア部及びシェル部における主成分種は正方
晶ジルコニアである。この出願明細書には、正方晶ジル
コニア合金と5重量%未満のアルミナを含むコア部を有
し且つ、立方晶相ジルコニア及び立方晶スピネルを含む
シェル部を有する物品の製造方法も教示されている。
【0006】米国特許第5,177,037号明細書で
は、少なくとも一種の非導電性セラミックウィスカー成
分と一種の導電性セラミックウィスカー成分を含有する
放電機械加工できる(electro-discharge machinable)
セラミックスが用いられている。この特許明細書には、
正方晶ジルコニア材料は記載されていない。
【0007】特公昭58−102881号に、ジルコニ
ア94〜88モル%に6〜12モル%のMgO、Ca
O、Y2 3 及びCeOの安定剤を配合した安定化ジル
コニアが、安定化ジルコニアと二ホウ化ジルコニウムの
混合物から周囲雰囲気下、1400℃よりも高い温度で
の焼結又はホットプレスにより調製されることが記載さ
れている。
【0008】特願昭59−227771号(発明の名称
「高導電性ジルコニア焼結品」、Sakada)に、炉加熱素
子として、35〜97%の安定化ジルコニア及び65〜
3%の二ホウ化ジルコニウムを含む材料が記載されてい
る。Sakadaのジルコニアは安定化が完全ではなく、しか
もイオンコンダクタンスと電子コンダクタンスの間に温
度依存性の転移がある。すなわち、結晶構造が「本質的
に」又は「主として」正方晶であるとはいえないことを
意味する。Sakadaのジルコニアは、本質的に、三種類の
結晶相(例、立方晶、正方晶及び単斜晶)の混合物を有
する安定化又は部分安定化ジルコニアである。
【0009】ジルコニア製の工具材料又は構造部材にと
って重要な要件は、該材料が単相でなければならないこ
と、好ましくは100%正方晶又は本質的に正方晶の材
料であって、そのため高い破壊靱性、高い耐磨耗性を発
揮すること、さらには「ネットシェイプ」物品の製造に
役立つことである。Sakadaのジルコニアに含まれている
イットリア(Y2 3 )の含有量は約6〜12モル%で
あり、Sakadaの多相材料はイットリア含有量が比較的高
いことによるものと考えられる。
【0010】Sakadaの材料はホットプレスされ、そして
焼結環境について何ら言及していないことから、それは
空気中で行われているものと推定される。仕上げの完了
したY−TZPセラミック部品を製造する上で最も困難
でコストのかかる側面は、必要な最終寸法を達成するた
めに行われるダイヤモンド加工である。最終寸法の機械
加工法で非常に有利な方法は放電加工法である。この方
法によると、従来の機械加工では得られない複雑な特徴
が可能となる他、負荷のない機械加工法でもある。しか
しながら、この方法は、加工物がうまく機械加工される
ために十分な導電性を示すこと、そしてY−TZP及び
その共通酸化物(common oxide)の複合材が室温で高い
絶縁材料であることを必要とする。Y−TZP及びその
複合材の放電機械加工を実施するために導電性セラミッ
クスの製造において多くの試みがなされているが、一般
には、所望の機械特性を犠牲にすることになっている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】TZPの最大の欠点の
一つは、それらの電気絶縁性が高いため、最終形状を形
成するために従来の及び/又はワイヤー放電機械加工法
(EDM)が採用できない点である。TZPを導電性に
しようと多くの試みがなされてきたが、その機械特性、
特に破壊靱性の劣化を伴うものであった。本発明の目的
は、TZP及びその複合材を、その機械靱性及び摩擦特
性を損なうことなく導電性にし、コストの低い放電機械
加工を可能にし且つ、他の方法では必要なコストの高い
ダイヤモンド加工を不要とすることにある。複合材の一
部にホウ化物、ケイ化物その他同等な導電性化合物を使
用することにより導電性を高める。焼結工程はアルゴン
又は窒素中で行い、導電性種の酸化を防止する。機械靱
性に大きな影響を及ぼすことなくバルクの導電率を達成
することは困難であった。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、Y−TZP/
ZrB2 系及び/又はTZP/Al2 3 /ZrB2
複合材の物品を、それらの成分を混合し且つボールミル
粉砕し、ダイにおいて圧縮し、そしてアルゴン雰囲気中
1300〜1700℃で焼結することによって製造する
ものである。該物品は、導電率、破壊靱性、硬度及び耐
磨耗性が高いため優れた導電性セラミック複合材とな
る。また、焼結工程中に物質間に化学反応は起こらない
ため、非導電性のオキシホウ化ジルコニウムが生成した
り、粒子成長を生ぜしめることによって、機械特性や電
気特性を劣化させることがない。最も重要な点は、当該
複合材が放電機械加工にとって理想的な候補材料となる
非常に低い電気抵抗率が達成されることにあり、このた
め、従来のダイヤモンド工具による機械加工では不可能
であった特定の複雑な特徴を実現することができる。
【0013】本発明の方法では、ジルコニア合金又はジ
ルコニア−アルミナ系複合材セラミックスと二ホウ化ジ
ルコニウムとを混合し、粉砕し、圧縮し、そして焼結す
る。この焼結工程はアルゴン雰囲気中で行う。得られた
本発明のセラミック物品は、正方晶ジルコニア及び二ホ
ウ化ジルコニウムを主体とするバルク成分を有する。該
セラミック物品は、室温での導電率が非常に高いため、
該物品に対して低コストの放電機械加工を施すことが可
能である。本発明の複合材は、コア部及び外部を通して
導電性であり且つ、破壊靱性、耐磨耗性及び耐腐食性が
高いので、該材料からバイト材のような工具や機械部品
を放電機械加工法で製造する際に特に有用である。
【0014】本発明の方法は、粒状ジルコニアと、Mg
O、CaO、Y2 3 、Sc2 3並びにCeO2 その
他の稀土類酸化物(本明細書中、「Mg−Ca−Y−S
c−稀土類酸化物」ともいう)の中から選ばれた追加の
「第二酸化物」とを混合することにより得られる粒状ジ
ルコニア合金を使用する。本発明の方法において有用な
ジルコニア合金は、得られたセラミック物品を使用する
際の温度範囲及び圧力範囲において準安定な正方晶構造
を有する。例えば、200℃以下の温度及び1000M
Pa以下の圧力の場合、ジルコニア合金は、ジルコニウ
ム酸化物合金全体に対して、Y2 3 の場合には0.5
〜5モル%、MgOの場合には0.1〜1.0モル%、
CeO2 の場合には0.5〜15モル%、Sc2 3
場合には0.5〜7.0モル%、そしてCaOの場合に
は0.5〜5モル%を有する。ジルコニアとの合金化に
好適な酸化物はY2 3 、MgO、CaO、CeO2
Sc2 3 、稀土類酸化物及びこれら酸化物の混合物で
ある。ジルコニア粉末は純度が高いこと、すなわち、純
度が99.9%よりも高いことが好ましい。有用なジル
コニア合金の具体例として、0.5〜5モル%、好まし
くは2〜5モル%、より好ましくは3モル%のY2 3
を含有する正方晶構造のジルコニア合金が挙げられる。
MgOの場合には、0.1〜1.0モル%で正方晶構造
が得られ、またCeO2 の場合には、0.5〜15モル
%で正方晶構造が得られ、0.5〜5モル%のカルシウ
ム酸化物、0.5〜7.0モル%のSc2 3 でそれぞ
れ正方晶構造が得られる。本発明の方法において有用な
正方晶構造のジルコニア合金の例が、米国特許第5,2
90,332号及び同第5,411,690号明細書に
記載されている。これらの特許明細書中、このようなジ
ルコニア合金は「ネットシェイプ」のセラミック物品、
すなわち焼結による寸法変化がないため、所期の使用環
境において使用する前にさらに機械加工する必要のない
セラミック物品、が得られるので有用であると記載され
ている。
【0015】図1の工程「A」は合金化工程の略図であ
る。ジルコニア粉末100を一種又は二種以上の第二酸
化物粉末102と組み合わせてジルコニア合金粉末10
4を得る。ジルコニア合金の製造については当業者であ
れば周知であり、またジルコニア合金は市販もされてい
る。例えば、Y2 3 を3モル%含有する粒状ジルコニ
ア合金がZ-TECH社(Bow, New Hampshire)(現在はHANWHA
アドバンスト・セラミクスとして周知)より「SYP-ULTR
A 5.2 」又は「HWA-3YB 」イットリア安定化ジルコニア
として、また日本のTOSHO 社より「TZ-3YB」として市販
されている。
【0016】当業者には周知であるように、ジルコニア
合金においては、結晶粒や凝集の大きさや分布、含水量
及び結合剤(使用した場合)に変動幅がありうる。「結
晶粒(grain)」とは、個別の結晶をいい、粒子(particl
e)の内部に存在することができ、隣接結晶粒とは異なる
空間定位(spatial orientation) を有する。「凝集体(a
gglomerate)」とは、個別の粒子の団結をいい、それぞ
れが多数の結晶粒を含む場合もある。本発明の具体的実
施態様において、ジルコニア合金の結晶粒や凝集の大き
さや分布及び含水量は、あたかもジルコニア合金と二ホ
ウ化ジルコニウムとの混合が行われないように、すなわ
ちジルコニア合金物品の製造に適していることが当該技
術分野で知られている方法で、選定される。
【0017】本発明の具体的実施態様にとって都合のよ
い粒子特性の一例は以下の通りである。純度は99.9
〜99.99%の範囲で十分に制御すること、すなわち
不純物が0.1〜0.01%を上回らないことが好まし
い。結晶粒の大きさは0.1〜0.6μmである。結晶
粒の大きさの平均は0.3μmである。結晶粒の大きさ
の分布は、0.1μm未満が5〜15%、0.3μm未
満が40〜60%及び0.6μm未満が85〜95%で
ある。個々の結晶粒の表面積は10〜15m2/グラム
の範囲にあり、14m2 /グラムであることが好まし
い。凝集体の大きさは30〜60μmの範囲にあり、凝
集体の大きさの平均は40〜60μmである。含水率は
ブランクに対して0.2〜1.0体積%、好ましくは
0.5体積%である。粒状物の混合物は、ゼラチン、ポ
リエチレングリコール(PEG)、アクリル樹脂又はポ
リビニルイオノマー、より好ましくはポリビニルアルコ
ールのようなバインダーの存在下で圧縮される。バイン
ダーは、粉末混合物を圧縮装置に入れる前にスプレー法
やボールミル粉砕法等で、粒状混合物に添加して混合す
る。二ホウ化ジルコニウム103をジルコニア合金と混
合する。該方法は、純粋なジルコニア100に3モル%
のイットリア102を合金化して正方晶ZrO2104
を得たものであるTosoh 製 TZ-3YB ジルコニア(東ソー
株式会社)の試料と、Alfa製ZrB2 103(濃度0、
10、25、35及び50重量%)とを、Burundum(商
標)粉砕媒体で3時間ボールミル粉砕する工程を含む。
次いで、混合した複合材粉末106を、約4.78×
0.80cm(1.88×0.313インチ)の長方形
ダイを用いて約1.0×108 Pa(15,000ps
i)(レンジ約8.3×107 〜約1.2×108 Pa
(12,000〜18,000psi)で一軸圧縮す
る。次いで、得られた未焼結部品108を、アルミナ製
ボートに入れ、CM管炉を用い、99.99%アルゴン
の流速1.0〜3.0リットル/分(LPM)、好まし
くは2LPMの雰囲気中、1300〜1700℃(好ま
しくは1500℃)で焼結する。
【0018】図1の工程「B」は、粒状ジルコニア合金
104と二ホウ化ジルコニウム103の混合を概略説明
するものである。混合は、機械的な混合であってもよい
し、また共沈法による混合など化学的な混合であっても
よい。別法として、TZ−3YBジルコニアに5〜50
重量%のAl2 3 を予め混合することにより、ZrB
2 とジルコニア/アルミナ(ZrO2 /Al2 3 )系
複合体とを混合することもできる(図1にはこの工程は
示されていない)。
【0019】ジルコニア合金又はジルコニア/アルミナ
系複合体と二ホウ化ジルコニウムの粒状混合物106を
圧縮し、焼結が起こる温度範囲にまで加熱し、焼結さ
せ、すなわち該温度範囲で一定時間維持し、その後冷却
する。焼結工程の全体又は一部において、該粒状混合物
に99.99%のアルゴンガスを接触させる。図1にお
いて、要素108は、矢印「C」が示すように、混合及
び圧縮の両方による生成物を表す。本明細書では、図1
において「C」及び「D」が示すように、一般に圧縮及
び焼結を二つの連続工程として記載するが、本発明は圧
縮と焼結の特定の順序に限定されるものではない。例え
ば、圧縮工程と焼結工程を単一工程として同時に行うこ
とも、また高温等方圧縮法(HIP)のような方法を用
い、部分圧縮工程の後に焼結、次いでさらに圧縮を行う
ことも可能である。圧縮工程及び焼結工程による中間生
成物又は完全焼結生成物を本明細書では「ブランク」と
称し、これを図1では要素(ブランク)110として表
す。ブランク110は、少なくとも部分的に圧縮されて
おり、且つ未焼結若しくは不完全焼結の状態にあるか、
又は完全焼結若しくは高温等方圧縮されている。
【0020】圧縮及び焼結の完了により最終のセラミッ
ク又はセラミック複合材物品110が得られる。該物品
は、高い焼結密度(少なくとも理論値の90%を上回る
密度)を示すと共に、高い導電性をも示す。本発明の好
ましい方法では、粉末を低温圧縮して「未処理プレフォ
ーム」108を得る。この「未処理」密度は、セラミッ
ク物品110の最終焼結後密度よりも実質的に低い。未
処理密度は最終焼結後密度の40〜65%、より好まし
くは60%であることが好ましい。
【0021】特定の粉末分布については、未焼結密度は
圧縮圧及び充填比に大きく依存する。本発明の方法にお
ける好適な圧縮圧は約10,000〜30,000ps
i(69〜207MPa)である。より好適な圧縮圧は
約15,000psi(100MPa)である。充填比
は2.5:1〜3.5:1に維持される。好適な充填比
は3.0:1である。圧縮時間は、設定した圧縮圧によ
り、運転者が容易に決めることができる。圧縮時間は、
例えば、圧縮圧の範囲が約8.3×107 〜約1.2×
108 Pa(12,000〜18,000psi)の範
囲にある場合には60秒〜10秒の範囲とすることがで
きる。圧縮圧が15,000psi(100MPa)で
ある場合には、圧縮時間は30秒とすることができる。
運転者が設定した圧縮圧及び圧縮時間は最終部品108
の大きさに依存しうることが知られている。一般に、部
品の大きさが大きくなるにつれ、圧縮時間は長くなる。
【0022】本発明の方法は、特定の焼結圧及び焼結温
度条件に限定される。焼結は大気圧で行うことができ、
また別法として焼結工程の全部又は一部に比較的高圧を
適用することにより多孔度を下げることができる。焼結
は、物品のシェル部が焼結されて熱力学的平衡構造に到
達するのに十分な時間継続される。焼結圧を高めた有用
な範囲の一例として、69〜207MPa、より好まし
くは100〜103MPaが挙げられる。焼結温度の有
用な範囲の一例として、1300〜1700℃、より好
ましくは1500℃が挙げられる。焼結時間の有用な範
囲の一例として、1〜3時間、より好ましくは2時間が
挙げられる。本発明の方法の具体的実施態様では、焼結
ピーク温度を1500℃とし、該温度を2時間維持して
いる。
【0023】本発明において「未処理プレフォーム」を
焼結して前記導電性セラミック又は複合材物品を製造す
る際の綿密な方法は特に問題ではないが、後述の比較例
が示すように、焼結工程をアルゴンガス環境下で行うこ
とが重要である。従って、「未処理プレフォーム」の周
囲をアルゴンガスが妨害されずに均一に取り囲むことが
肝要である。
【0024】焼結ブランクの焼結温度への加熱及び冷却
を徐々に行うことで、望ましくない寸法変化やクラック
の発生を回避することが好ましい。好適な焼結温度15
00℃による本発明の実施態様では、加熱時の好適な昇
温法は、室温〜300℃を0.3℃/分、300℃〜4
00℃を0.1℃/分、400℃〜600℃を0.4℃
/分、そして600℃〜1500℃を1.5℃/分とす
るものである。冷却時の好適な降温法は、1500℃〜
800℃を2℃/分、そして800℃〜室温を1.6℃
/分とするものである。
【0025】焼結試料の結晶構造をPhillipsのX線回折
計で測定した。代表的なX線回折パターンを図2及び図
3に示す。次いで、各焼結試料110について、Veeco
FPP5000四点プローブにより、バルクの導電率を測定し
た。各種セラミック複合材組成物の実施例及び比較例を
その実験結果と共に表1にまとめて記載する。
【0026】
【表1】
【0027】実施例から、導電性セラミック及び導電性
セラミック複合材として有効な組成範囲は30〜50重
量%のZrB2 であることが結論付けられる。ZrB2
組成が50重量%を上回ると、セラミック又はセラミッ
ク複合材は導電性を示すがジルコニアの結晶構造は本質
的に正方晶とはならない。
【0028】アルゴンガス中で焼結した試料の密度がよ
り低くなるのは、該粒状系に添加したバインダーの不完
全燃焼によるものである。また、破壊靱性の低下は、物
品の密度がより低くなるためと考えられる。これらの複
合材を、アルゴン雰囲気中で行う高温等方圧縮法で理論
密度のほぼ100%を達成し、導電率を低下させること
なく破壊靱性を改良することは可能である。これらの実
施例では、複合材は、二種の相、すなわち正方晶ZrO
2 及びZrB2 をその組成に応じた各種比率で示しただ
けであり、優れた電気特性が得られる。
【0029】本質的に正方晶ZrO2 相のみしか存在し
ないことを示す典型的なX線回折データを比較例1、2
及び3における試料について図2に示し、実施例5にお
けるZrB2 と正方晶ZrO2 の存在を示す典型的なX
線回折データを図3に示す。
【0030】本発明の方法は様々な物品の製造に適用可
能であるが、とりわけ多くの工具がより長い使用寿命を
示すという点で、バイト材や耐磨耗性の機械部品の製造
に適用可能である。工具の例として、布地、厚紙、金
属、高分子材料用及びハロゲン化銀のような研摩材料で
被覆された紙、特にアドバンスト・フォト・システム
(APS)用のフィルムのためのスリッターナイフ、パ
ンチ及びダイが含まれる。
【0031】写真フィルム基材又は印画紙を搬送するた
めに移動中の高分子材料が搬送用のローラーやガイド部
と接触するような用途では、導電性が摩擦帯電の放電を
促進する。また、バルク導電性があるため、EDMを用
いて寸法精度の非常に高い複雑な形状を低コストで機械
加工することが可能となる。EDMは、複雑な形状の精
密加工プロセスであって、EDM装置の数値制御により
案内されるマスターツール又はワイヤのいずれかの形態
にある電極と被加工部品との間のスパーク放電によって
実施されるものである。放電機械加工(EDM)が有効
となるためには、被加工部品が導電性であり、電極と工
作物との間の電気スパークを維持することが重要であ
る。
【0032】実施例5の物品による機械加工の実験を、
放電機械加工装置(Charmilles-D-20 Isocut, スイス
製)を用いて実施した。切断品質、切断容易性、表面仕
上げ、燃焼ゾーン幅及び電極の劣化は、スチール及び接
合タングステンカーバイドの場合に匹敵するか又はより
良好であることがわかった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の方法を示す概略図である。
【図2】主として正方晶相が存在していることを示す物
品のX線回折データを示すグラフである。
【図3】正方晶ジルコニア相と二ホウ化ジルコニウム相
の両方が存在していることを示す物品のX線回折データ
を示すグラフである。
【符号の説明】
100…ジルコニア粉末 102…第二酸化物粉末 103…二ホウ化ジルコニウム 104…ジルコニア合金粉末 106…粒状混合物 108…未処理プレフォーム 110…ブランク
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 シヤアル ケイ.ゴッシュ アメリカ合衆国,ニューヨーク 14612, ロチェスター,クレイエン レーン 42

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (1)正方晶ジルコニアと二ホウ化ジル
    コニウムを混合し且つ微粉砕する工程; (2)ダイにおいて圧縮し、そしてアルゴン雰囲気中1
    300〜1700℃で焼結する工程;及び (3)焼結後の複合材を高温等方圧縮する工程を含んで
    なる、導電性セラミック及びセラミック複合材物品の製
    造方法。
JP9305404A 1996-11-13 1997-11-07 導電性複合材の製造方法 Pending JPH11147760A (ja)

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