JPH10157139A - 液体噴射記録ヘッドの製造方法 - Google Patents

液体噴射記録ヘッドの製造方法

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JPH10157139A
JPH10157139A JP33885696A JP33885696A JPH10157139A JP H10157139 A JPH10157139 A JP H10157139A JP 33885696 A JP33885696 A JP 33885696A JP 33885696 A JP33885696 A JP 33885696A JP H10157139 A JPH10157139 A JP H10157139A
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JP33885696A
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English (en)
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Noriyuki Ono
敬之 小野
Masaki Inaba
正樹 稲葉
Akira Goto
顕 後藤
Masaaki Furukawa
雅朗 古川
Junji Tatsumi
純二 巽
Shin Ishimatsu
伸 石松
Toshinori Hasegawa
利則 長谷川
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Canon Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 複数の流路溝と吐出口をレーザ加工により形
成した天板を、複数の吐出エネルギー発生素子を有する
基板に組み合わせて、精度の高い液体噴射記録ヘッドを
簡易に製造することができる製造方法を提供する。 【解決手段】 基板の寸法に合わせて流路溝パターンと
基準面パターンを設けたレーザマスクを用いて、合成樹
脂成形された天板1に複数の流路溝1fと取り付け基準
となる基準面1eをレーザ加工により形成する。流路溝
1eおよび吐出口が形成された天板1を基板3上に載置
し、天板1を移動させることによって、天板1の基準面
1eを基板3の切断面3bに突き当てる。かくして、流
路溝1fを吐出エネルギー発生素子3aに合致させるこ
とができ、従来のような画像処理等の非接触法による位
置合わせや位置補正を行なうことなく、精度の高い位置
決めを可能とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液体噴射記録装置
等に使用される液体噴射記録ヘッドにおいて、複数の吐
出エネルギー発生素子を所定の間隔をおいて配設した基
板に、複数の流路溝や複数の吐出口を配設した天板を組
み合わせて形成する液体噴射記録ヘッドの製造方法に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】液体噴射記録装置等に使用される液体噴
射記録ヘッドは、液体を吐出する微細な吐出口、吐出口
に連通した流路溝およびこの流路溝に位置付けられた吐
出エネルギー発生素子としての電気熱変換素子を複数具
備して、電気熱変換素子に記録情報に対応した駆動信号
を印加し、電気熱変換素子に液体に急激な温度上昇を与
える熱エネルギーを発生させ、液体内に気泡を形成させ
て、この気泡を外気と連通させて、液滴を吐出させ記録
するように構成されている。
【0003】このような従来の液体噴射記録ヘッドは、
図8に図示するように、超精密エッチング技術を用いて
許容される所定の高精度で形成される複数の吐出エネル
ギー発生素子52を配設しかつ両端に切断面51aを有
する基板51と、レーザ加工等の精密加工手段により許
容される所定の高精度で形成される複数の吐出口54を
有し、複数の吐出口にそれぞれ連通する複数の流路溝5
5、各流路溝に連通する共通液室56および液受け口5
7が形成された天板53とから構成され、基板51の吐
出エネルギー発生素子52と天板53の吐出口54およ
び流路溝55をそれぞれ対応するように位置決めした状
態で基板51と天板53を組み合わせて接合固着して形
成している。
【0004】ところで、このような基板と天板の組み合
わせにおいて、吐出エネルギー発生素子と吐出口および
流路溝の位置決めはミクロンオーダーの精度が要求され
ており、基板と天板の組み合わせを精密に位置調整しう
る液体噴射記録ヘッドの製造方法としては、成形用型を
用いて合成樹脂成形された流路溝と共通液室と液受け口
を備えた天板に、流路溝を画像処理等の非接触法により
位置決めを行ないつつ流路溝に合わせて吐出口をレーザ
加工で加工し、この加工された天板と吐出エネルギー発
生素子を有する基板とを、基板上の吐出エネルギー発生
素子と天板の吐出口を画像処理等の非接触法で位置合わ
せを行ない基板と天板を相対的に移動させることにより
位置補正をして接合する製造方法が知られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ような液体噴射記録ヘッドの製造方法においては、次の
ような問題点があった。
【0006】(1) 天板を合成樹脂成形で作成する際
に、成形用型を用いて流路溝を成形しているために、成
形用型が複雑となり、かつ成形用型を製作するために時
間を要し、さらに流路溝の型製作のコストも多大であっ
た。
【0007】(2) 流路溝の形状や配置が成形用型に
よって決まってしまうために、液体噴射記録ヘッドの設
計上、溝形状や配置の変更が容易でなく、開発期間が長
くなってしまう。
【0008】(3) 天板と吐出エネルギー発生素子を
有する基板との接合の際に、画像処理等の非接触法によ
り位置合わせを行なうため、装置構成が複雑となり、コ
ストがかかってしまう。さらに天板の成形におけるバラ
ツキやロットのバラツキにより非接触法による位置合わ
せの条件が変化してしまう可能性がある。
【0009】(4) 天板に吐出口をレーザ加工する際
に、その吐出口の加工位置を流路溝に合わせるために流
路溝を画像処理等の非接触法により位置決めを行なうた
め、装置構成が複雑となり、位置決めの時間もかかり、
タクトがかかってしまう。
【0010】そこで、本発明は、上記の技術の有する未
解決の課題に鑑みてなされたものであって、合成樹脂成
形された天板に対して吐出口と同様に流路溝と基準面を
レーザ加工によって形成することにより、基板と天板の
組み合わせに際して、この基準面を用いて位置合わせす
ることができ、基板の吐出エネルギー発生素子と天板の
吐出口等の画像処理等の非接触法による位置合わせを不
要とし、精度や信頼性の高い液体噴射記録ヘッドを簡易
に製作することができる液体噴射記録ヘッドの製造方法
を提供することを目的とするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の液体噴射記録ヘッドの製造方法は、複数の
吐出エネルギー発生素子を有する基板に、複数の流路溝
および複数の吐出口をレーザ加工により形成した合成樹
脂製天板を取り付けて、液体噴射記録ヘッドを組み立て
る液体噴射記録ヘッドの製造方法において、合成樹脂成
形により作成された天板に、複数の流路溝をレーザ加工
すると同時に取り付けの基準となる基準面をレーザ加工
により形成し、該基準面を前記基板の端部に位置する切
断面に突き当てて位置決めを行ない、前記基板と前記天
板を接合することを特徴とする。
【0012】そして、複数の吐出エネルギー発生素子を
有する基板に、複数の流路溝および複数の吐出口をレー
ザ加工により形成した合成樹脂製天板を取り付けて、液
体噴射記録ヘッドを組み立てる液体噴射記録ヘッドの製
造方法において、天板の複数の流路溝および基準面の加
工に際して、複数の流路溝パターンと基準面パターンを
基板の切断面の寸法バラツキに合わせて配置したレーザ
マスクを用いて、レーザ加工を行なうことが好ましい。
【0013】また、複数の吐出エネルギー発生素子を有
する基板に、複数の流路溝および複数の吐出口をレーザ
加工により形成した合成樹脂製天板を取り付けて、液体
噴射記録ヘッドを組み立てる液体噴射記録ヘッドの製造
方法において、天板の加工に際して、天板を回動可能な
取り付け治具を用いてセットし、天板の流路溝のレーザ
加工の後に、取り付け治具の回動によって加工姿勢を変
化させて、複数の吐出口をレーザ加工することが好まし
い。
【0014】さらに、複数の吐出エネルギー発生素子を
有する基板に、複数の流路溝および複数の吐出口をレー
ザ加工により形成した合成樹脂製天板を取り付けて、液
体噴射記録ヘッドを組み立てる液体噴射記録ヘッドの製
造方法において、天板の基準面を基板の切断面に突き当
てて天板と基板の位置決めを行なう際に、前記天板の押
し圧の荷重管理を行ない、押し圧が所定の設定荷重に達
したときに突き当てを停止するようになし、突き当て精
度を向上させることが好ましい。
【0015】
【作用】成形用型を用いて合成樹脂成形された天板に複
数の流路溝と取り付けの基準となる基準面をレーザ加工
により同時に加工形成し、この基準面を吐出エネルギー
発生素子を有する基板の切断面に突き当て、天板と基板
の位置決めを行ない、両者を組み立てて接合し液体噴射
記録ヘッドを製造する。したがって、流路溝をレーザ加
工することによって、成形用型の製作並びに加工が容易
となり、また天板と基板の位置決めを、基準面と基板の
切断面の当接によって行なうために、従来技術のような
画像処理等の非接触法による位置合わせを必要とせずに
精度の良い組み立てが可能となる。
【0016】さらに、流路溝と取り付け基準面のレーザ
加工に際して、基板の切断面の寸法に合わせて作成した
レーザマスクを使用することができる。
【0017】また、天板と基板の位置決めに際して、天
板の突き当ての押し圧を荷重センサで検知し、その押し
圧が所定の設定荷重に達したときに突き当てを停止する
ように構成したことにより、天板と基板は常に一定の力
で当接されて位置決めされることとなるから、精度の良
い位置決めができる。
【0018】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を図面に基づ
いて説明する。
【0019】図1において、(a)は成形用型を用いて
成形された合成樹脂製の天板を一部を省略してその要部
を図示する斜視図であり、(b)は(a)のA−A断面
の端面図である。図2において、(a)は流路溝および
基準面をレーザ加工により形成した天板の要部を示す斜
視図であり、(b)は(a)のB−B断面の端面図であ
る。
【0020】成形用型を用いて成形された合成樹脂製の
天板1oは、図1に示すように、吐出口が形成される吐
出口プレート1cと共通液室1hを有する本体部1dと
からなり、吐出口プレート1cと共通液室1hの間に流
路溝を加工する平坦な溝加工面1aと、この溝加工面1
aに連続して天板loの側辺部に位置する平坦な基準加
工面1bが形成されており、この基準加工面1bは、溝
加工面1aより段差xだけ高く設けられている。
【0021】そして、図1に示す天板1oに流路溝1f
および基準面1eを形成するために、加工精度が高く、
短時間での加工が可能であるレーザ加工を用いることが
好ましく、特にエキシマレーザ光による加工が好まし
い。そこで、レーザ加工機の概略構成を図3に図示す
る。レーザ加工機30は、レーザ光32を発するレーザ
光源としてのレーザ発振器31と、レーザ発振器31か
らのレーザ光により加工物Wである天板の加工を行なう
加工系が設けられた装置フレーム33と、加工物Wの加
工に関する情報処理および制御を行なう情報処理・制御
系34とからなり、レーザ発振器31から発せられたレ
ーザ光32が入射される装置フレーム33は、光学系3
5と、加工物Wの位置を観察および測定する観察・測定
系36と、マスク部37と、加工物Wを移動させるため
のワークステーション38とを備えている。そして光学
系35は、レーザ光32の光軸上に配置されたビーム整
形光学系およびケラー照明光学系35aとマスク部37
の像を加工物Wの加工面に結像させる投影光学系35b
からなり、マスク部37はビーム整形光学系およびケラ
ー照明光学系35aと投影光学系35bとの間に配置さ
れている。
【0022】観察・測定系36は、ワークステーション
38に取り付け治具38aを用いてセットされた加工物
Wの位置を観察測定する対物レンズ、鏡筒およびITV
カメラを備え、情報処理・制御系34は、観察・測定系
36の情報を、画像処理系34aおよび制御系34bで
処理し、その結果に基づいて移動手段34cがワークス
テーション38を作動させるように構成されている。
【0023】本発明において、合成樹脂成形された天板
1oに流路溝1fおよび基準面1eを加工形成するため
に、図4に示すレーザマスク2を用い、このレーザマス
ク2を図3に示すレーザ加工機30のマスク部37にセ
ットする。このレーザマスク2には、流路溝を形成する
ための複数の溝パターン2aと基準面を形成するための
基準面パターン2bを設けてある。そして、基準面パタ
ーン2bとそれに隣接する溝パターン2aの中心線との
間の距離Mxは、後に組み合わせ接合する吐出エネルギ
ー発生素子を有する基板に合わせた寸法、すなわち、基
板の端部に位置する切断面からこの切断面に隣接する吐
出エネルギー発生素子の中心線までの距離Mo(図7参
照)に相当するように設定する。
【0024】また、天板をセットする取り付け治具38
aとしては、流路溝の加工に続いて吐出口を加工する場
合には、図5の(a)に示すような回転可能な取り付け
治具38aを用いることが好ましい。図5の(a)にお
いて、断面コ字状の治具38bは、支持台38c、38
cに精密軸受け38e、38eを介して回転可能に軸支
され、そして分解能0.0072(フルステップ)のハ
ーモニックドライブ・ギヤ・タイプのモータ38fに連
結され、このモータ38fによって回転駆動されるよう
に構成する。そして、断面コ字状の治具38bの中央部
片に加工物である天板lo(図1)を取り付けるが、そ
の際、治具38bの回転中心線上に、天板lo(1)に
おける吐出口プレート1cと本体部1dとの境界線1x
が位置するようにセットする。このような取り付け治具
38aを用いることによって、先ず、図5の(a)に示
すように天板loの溝加工面1aおよび基準加工面1b
をレーザ光に向けてセットし、流路溝と基準面を加工
し、その後、断面コ字状の治具38bを天板1とともに
回動させることによって、天板の加工姿勢を変更させ
て、天板1の吐出口プレート1cに吐出口を加工すべく
セットすることができる。さらに、分解能0.0072
(フルステップ)のハーモニックドライブ・ギヤ・タイ
プのモータ38fを採用することによって、回転による
治具の偏心のズレを±2μm以下におさえて、天板の治
具によるズレを最小におさえることができる。このよう
な回転可能な取り付け治具38aを備えたレーザ加工機
を用いることにより、流路溝と基準面を加工した後に、
非接触法による位置合わせを行なうことなく、単に治具
の回転とその微調整のみによって、流路溝に連通する吐
出口の加工が可能となる。
【0025】そこで、先ずレーザ加工機30におけるワ
ークステーション38に取り付け治具38aを介して天
板1oを図5の(a)に示すようにセットし、そして図
4に示すレーザマスク2をマスク部37に取り付けて、
レーザ光を照射させる。かくして、図2の(a)および
(b)に示すように、溝加工面1aにはレーザマスク2
の溝パターン2aに対応した流路溝1fが加工深さLx
(ただし、Lx≧xとする。)で形成され、基準加工面
1bには同じく基準面パターン2bに対応した基準面1
eを備えた凹部1gが形成され、その加工深さは流路溝
1fと同じ深さLxで形成される。本実施例において
は、x=35μm、Lx=50μmと設定し加工を行な
った。また、レーザマスク2上に溝パターン2aと基準
面パターン2bを設け、同時にレーザ加工することで、
流路溝と基準面との位置精度はレンジ3μm以下であ
り、安定した加工が可能となった。
【0026】そして、天板に流路溝および基準面をレー
ザ加工により加工した後に、天板を取り付け治具38a
に固定した状態で上述したように治具を回転させ、天板
を吐出口の加工姿勢として、レーザ加工により吐出口を
加工する。上述の回転可能な取り付け治具に38aを用
いることにより、流路溝および基準面を加工した後に、
単に治具を回転させて天板の加工姿勢を変えることによ
って、非接触法による位置合わせを行なうことなく、流
路溝に連通する吐出口を加工することができる。しかも
天板の吐出口と流路溝とのズレは、従来の画像処理等の
非接触法により測定し位置補正を行なったものと差異は
なく、また吐出口のレーザ加工のタクトも従来よりも速
くなり、操作は回転とその微調整のみであり、2秒と大
幅なタクトアップとなった。
【0027】次いで、流路溝1fおよび基準面1eさら
に吐出口が加工形成された天板1を複数の吐出エネルギ
ー発生素子を有する基板3に位置合わせをして、両者を
接合する。図6において、(a)は組み立て装置におい
て組み立て部にセットされた基板3上に天板1を載置し
た状態を示す模式的側面図であり、(b)はその模式的
正面図である。また図7の(a)および(b)は、天板
1と基板3の接合関係、特に天板1の基準面1eと基板
3の切断面3bならびに流路溝1fと吐出エネルギー発
生素子3aとの位置関係を示す模式的断面図である。
【0028】図6において、天板1と基板3の組み立て
部には、天板1が基板3上での横方向以外の動きを規制
し防止するために、天板1の上面を押える上押え部材4
1と天板1の前面を押える前押え部材42を配設し、こ
れらの上押え部材41および前押え部材42の先端は、
天板1との摩擦や傷付きを最小限に抑えるように、球状
のSUS材の表面に0.1mm程度のフッ素樹脂コーテ
ィングしたものを用いると良い。そして、天板1を横方
向へ押圧し移動させるために、組み立て部の側方に突き
当て部材43を設ける。突き当て部材43には、天板1
を基板3に突き当てた際の押し圧を管理するための荷重
センサ44を付設し、押し圧が所定の設定値になったと
きにこれを検知し突き当て部材43の横方向への突き当
てを停止するように構成されている。
【0029】天板1と基板3との組み合わせ接合に際し
て、組み立て部にセットされた基板3の上に、流路溝1
fが基板3の吐出エネルギー発生素子3aに対向するよ
うに、天板1を載置する。そして、天板1が基板3上で
横方向以外の動き、すなわち天板1のあばれ、を規制し
防止すべく、上押え部材41および前押え部材42を作
動させて、天板1を基板3に対して押しつける。
【0030】その後、突き当て部材43を作動させて、
天板1の側面を図6の(b)および図7の(a)に示す
矢印方向に押し、天板1の基準面1eを基板3の切断面
3bに突き当てる。この際突き当て部材43に付設され
た荷重センサ44は、突き当て部材43の移動とともに
移動する。突き当て部材43が天板1の側面に当接し、
そして天板1の基準面1eが基板の切断面3bに接し始
めると、徐々に荷重センサ44の荷重値が上昇し、設定
された荷重値に達した時点で、突き当て部材の突き当て
を停止させる。このとき、図7の(b)に示すように基
板3の吐出エネルギー発生素子3aと天板1の流路溝1
fは、全て完全に合致し、天板1と基板3の位置決めが
完了する。また、天板1を横方向へ移動させる際に、基
板3を圧電素子等の振動発生器で加振させて行なうこと
もできる。
【0031】本発明においては、上押え部材41および
前押え部材42の押し付け力はそれぞれ20gfとし、
基板3の下面から圧電素子で加振した場合と加振を行な
わない場合の両方において突き当てを行なった。すなわ
ち、加振周波数を2KHzとして加振を行なった場合に
は、設定荷重を45gf±5gfと設定し、加振を行な
わない場合には、設定荷重は90gf±5gfとした。
その結果、両者は、設定荷重には違いがあるが、突き当
て精度に関してはほぼ同じであり、両者とも突き当て精
度は±3μmで安定しており、天板1の吐出口と基板3
の吐出エネルギー発生素子3aとのズレは、基板3の切
断精度±5μmを考慮しても、±8μm以下で安定して
おり、360dpiの液体噴射記録ヘッドにおいては、
問題ない精度で位置合わせができる。
【0032】このように、天板1と基板3の接合は、天
板1の基準面1eとこの基準面に隣接する流路溝1fの
中心線との距離、すなわちレーザマスク2の基準面パタ
ーン2bと溝パターン2aの中心線との間の距離Mx、
を基板3の切断面3bの寸法に合わせて設定し、基準面
1eを加工しているために、天板1に加工形成された基
準面1eと基板3の切断面3bとの突き当てにより、精
度良く、位置決めすることができる。したがって、従来
の製造方法のような画像処理等の非接触法による位置合
わせや位置補正を必要とすることなく、精度の良い接合
を行なうことができる。
【0033】
【発明の効果】本発明は、以上説明したように構成され
ているので、次に記載するような効果を奏する。
【0034】(1) 天板に流路溝および吐出口の両者
をレーザ光により加工するために、天板自体の成形用型
内に流路溝を設ける必要がなく、成形用型の製作、加工
が容易となり、型設計、製作の時間が短縮でき、同時に
コストダウンにもつながり、さらに流路溝をレーザ加工
の際に使用するレーザマスクを通して加工するため、流
路溝の形状や配置の変更がマスクの変更だけでできるの
で容易であり、設計変更等にもすぐ対応可能となり、開
発期間の短縮になる。
【0035】(2) 天板の流路溝をレーザ加工する際
に同時に基準面も加工することができるので、基準面の
精度も向上する。
【0036】(3) 天板の流路溝および吐出口の加工
の際に、画像処理等の非接触法による位置合わせを行な
う必要がないために、装置構成が簡素化でき、タクトア
ップにもなる。
【0037】(4) さらに、天板と基板の接合に、精
度良く加工された天板の基準面を用いるために、画像処
理等の非接触法による位置決めを必要とせず、装置構成
が簡素化し、またライン構成も小さくかつ簡素化するこ
とができ、種々の液体噴射記録ヘッドに対応できること
となりコストダウンにもつながる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は本発明の液体噴射記録ヘッドの製造方
法にかかる合成樹脂成形された天板の要部を示す斜視図
であり、(b)は(a)のA−A断面の端面図である。
【図2】(a)は本発明の液体噴射記録ヘッドの製造方
法にかかるレーザ加工された天板の要部を示す斜視図で
あり、(b)は(a)のB−B断面の端面図である。
【図3】本発明の液体噴射記録ヘッドの製造方法にかか
る天板の加工に用いられるレーザ加工機の概略構成図で
ある。
【図4】本発明の液体噴射記録ヘッドの製造方法におけ
るレーザ加工機に使用するレーザマスクの模式図であ
る。
【図5】(a)は本発明の液体噴射記録ヘッドの製造方
法におけるレーザ加工機に使用する取り付け治具の模式
的な斜視図であり、(b)は天板の状態を示す説明図で
ある。
【図6】(a)および(b)は、本発明の液体噴射記録
ヘッドの製造方法にかかる天板と基板を位置決めし接合
する状態を示す側面図と正面図である。
【図7】(a)および(b)は、本発明の液体噴射記録
ヘッドの製造方法にかかる天板の流路溝および基準面と
基板の吐出エネルギー発生素子および切断面との位置関
係を示す模式的端面図である。
【図8】(a)および(b)は、液体噴射記録ヘッドの
分解した状態の斜視図および記録ヘッドの縦断面図であ
る。
【符号の説明】
1 天板 1a 溝加工面 1b 基準加工面 1c 吐出口プレート 1d 本体部 1e 基準面 1f 流路溝 1o レーザ加工前の天板 2 レーザマスク 2a 流路溝パターン 2b 基準面パターン 3 基板 3a 吐出エネルギー発生素子 3b 切断面 30 レーザ加工機 43 突き当て部材 44 荷重センサ
フロントページの続き (72)発明者 古川 雅朗 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 巽 純二 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 石松 伸 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 長谷川 利則 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の吐出エネルギー発生素子を有する
    基板に、複数の流路溝および複数の吐出口をレーザ加工
    により形成した合成樹脂製天板を取り付けて、液体噴射
    記録ヘッドを組み立てる液体噴射記録ヘッドの製造方法
    において、 合成樹脂成形により作成された天板に、複数の流路溝を
    レーザ加工すると同時に取り付けの基準となる基準面を
    レーザ加工により形成し、該基準面を前記基板の端部に
    位置する切断面に突き当てて位置決めを行ない、前記基
    板と前記天板を接合することを特徴とする液体噴射記録
    ヘッドの製造方法。
  2. 【請求項2】 天板の複数の流路溝および基準面の加工
    に際して、複数の流路溝パターンと基準面パターンを基
    板の切断面の寸法に合わせて配置したレーザマスクを用
    いて、レーザ加工を行なうことを特徴とする請求項1記
    載の液体噴射記録ヘッドの製造方法。
  3. 【請求項3】 天板の加工に際して、天板を回動可能な
    取り付け治具を用いてセットし、天板の流路溝のレーザ
    加工の後に、取り付け治具の回動によって加工姿勢を変
    化させて、複数の吐出口をレーザ加工することを特徴と
    する請求項1または2記載の液体噴射記録ヘッドの製造
    方法。
  4. 【請求項4】 天板の基準面を基板の切断面に突き当て
    て天板と基板の位置決めを行なう際に、前記天板の押し
    圧の荷重管理を行ない、押し圧が所定の設定荷重に達し
    たときに突き当てを停止するようになし、突き当て精度
    を向上させることを特徴とする請求項1ないし3のいず
    れか1項記載の液体噴射記録ヘッドの製造方法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011245858A (ja) * 2010-05-27 2011-12-08 Xerox Corp 組み付けを簡略化する調芯機能部付き成形ノズルプレート

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