JPH10156946A - 缶胴ブランクの表面処理装置 - Google Patents

缶胴ブランクの表面処理装置

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JPH10156946A
JPH10156946A JP8315820A JP31582096A JPH10156946A JP H10156946 A JPH10156946 A JP H10156946A JP 8315820 A JP8315820 A JP 8315820A JP 31582096 A JP31582096 A JP 31582096A JP H10156946 A JPH10156946 A JP H10156946A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】搬送される缶胴ブランク材料の所望の位置から
正確且つ迅速にフィルムの貼着を開始することができる
缶胴ブランクの表面処理装置を提供する。 【解決手段】缶胴ブランク材料W1 に合成樹脂フィルム
1 ,F2 を貼着するフィルム貼着装置4を、フィルム
供給手段32,33と、案内ローラ44,45と、圧着
ローラ36,37と、フィルム保持手段53,54とに
より構成する。フィルム保持手段53,54は、缶胴ブ
ランク材料W1 に当接する方向に進退自在の保持ローラ
57,58の外周面の一部にフィルムF1 ,F2 の始端
部を吸引保持する。保持ローラ57,58は、その回転
軸に設けた位置決め手段により常にフィルムF1 ,F2
の始端部を缶胴ブランク材料W1 の表面に対向させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、缶胴ブランクの表
面処理装置に関し、詳しくは、飲料缶等に使用される缶
胴ブランクの両面にポリエステルフィルムを接着して被
覆する装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】缶胴ブランクの両面に合成樹脂フィルム
を熱圧着して缶胴ブランクの表面処理を行う装置につい
て、本出願人は先に特願平5−10149号(特開平6
−47849号公報)において提案している。
【0003】この種の缶胴ブランクの表面処理装置は、
長尺の缶胴ブランク材料を投入部から投入して連続搬送
しつつ、先ず、加熱装置により缶胴ブランク材料を加熱
する。次いで、該加熱装置の下流に設けられたフィルム
貼着装置によって、加熱された缶胴ブランク材料に二軸
延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムを貼着する。
該フィルムには、その貼着面に熱硬化型の接着剤が塗布
されており、加熱された缶胴ブランク材料の表面に重合
することで缶胴ブランク材料に貼着される。該フィルム
貼着装置は、長尺の缶胴ブランク材料を連続して搬送す
る過程において、缶胴ブランク材料の一方の面(缶胴の
表側となる面)に、単一の缶胴に対応するパターン印刷
が長手方向に複数配列された長尺の二軸延伸ポリエチレ
ンテレフタレートフィルムを貼着し、缶胴ブランク材料
の他方の面に無地の二軸延伸ポリエチレンテレフタレー
トフィルムを貼着する。そして、長尺の状態で表面に二
軸延伸ポリエチレンテレフタレートが貼着された缶胴ブ
ランク材料を、フィルム貼着装置の下流に設けられた切
断装置により所定の長さ毎に切断して払出し部から払出
す。
【0004】ここで払出された各缶胴ブランク材料は、
短冊状に形成されるが未だ所定の数の缶胴に対応するだ
けの複数の缶胴ブランクがその長手方向に一体に繋がっ
た状態にあるので、更に、払出された短冊状の缶胴ブラ
ンク材料をその幅方向に搬送し、缶胴ブランク材料の長
手方向に沿って単一の缶胴を形成する缶胴ブランクに対
応する間隔を存して複数設けられたカッターにより切断
する。これにより、缶胴ブランク材料は、一挙動で複数
の缶胴ブランクに分割される。その後、各缶胴ブランク
は、溶接装置に搬送され該溶接装置により円筒状に形成
されて両端部が溶接接合され、円筒状の缶胴が形成され
る。
【0005】このような缶胴ブランクの表面処理装置に
おける前記フィルム貼着装置は、コイル状に巻回された
二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムを備える
フィルム供給手段から該フィルムを引き出し、該フィル
ムを案内する複数のローラを介して、供給されたフィル
ムを一対の圧着ローラにより缶胴ブランク材料に圧着す
る。両圧着ローラは、缶胴ブランク材料の上下方向から
各フィルムを介して圧接しつつ缶胴ブランク材料を搬送
方向に送り出し、缶胴ブランク材料の両面に各フィルム
を圧着する。
【0006】ところで、表面処理装置の始動時には、長
尺の缶胴ブランク材料の始端部が投入部から投入されて
払出し部に至るまでは缶胴ブランク材料に十分な張力が
付与されない。また、前記加熱装置の温度が十分に上昇
していないことがある。このため、缶胴ブランク材料の
始端部が払出しに至るまでは精度の高いフィルムの貼着
が行われないことがある。
【0007】そこで、表面処理装置の投入部から払出し
部に至る長さを有する先導用板材を缶胴ブランク材料の
先端に接続し、表面処理装置の始動時に缶胴ブランク材
料に先立って先導用板材を投入することが考えられる。
これにより、先導用板材が払出し部に至った時点で該先
導用板材に続いて投入される缶胴ブランク材料はその先
端から張力が付与された状態で投入され、また先導用板
材が搬送されている間に前記加熱装置の温度も十分に上
昇して缶胴ブランク材料へのフィルムの貼着を高精度に
行うことができる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかし、例えば、前述
のような先導用板材を缶胴ブランク材料に先立って搬送
したとき、先導用板材にはフィルムの貼着を行わず、後
続する缶胴ブランク材料の先端からフィルムの貼着を開
始する必要がある。
【0009】このことから、先導用板材を使用した場合
等のように、所望する時点でフィルムの貼着を開始する
ことができる装置が望まれていた。
【0010】そこで、本発明の目的とするところは、搬
送される缶胴ブランク材料の所望の位置から正確且つ迅
速にフィルムの貼着を開始することができる缶胴ブラン
クの表面処理装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
めに、本発明は、長尺帯状の缶胴ブランク材料を搬送路
に沿って連続して搬送し、該搬送路に設けられた加熱装
置により該缶胴ブランク材料を加熱して、その下流側に
設けられたフィルム貼着装置によって該缶胴ブランク材
料の表面に合成樹脂フィルムを貼着する表面処理を行う
缶胴ブランクの表面処理装置において、前記フィルム貼
着装置は、前記搬送路に向かって帯状の前記フィルムを
供給するフィルム供給手段と、該フィルム供給手段によ
り供給された前記フィルムを前記缶胴ブランク材料の表
面に重合して該缶胴ブランク材料に圧着させる圧着ロー
ラと、前記フィルム供給手段と圧着ローラとの間におい
て、前記フィルムを缶胴ブランク材料に向かって進退自
在に保持するフィルム保持手段とを備え、該フィルム保
持手段は、フィルムの始端部を外周面の一部に吸引保持
自在の保持ローラと、該保持ローラの軸を回転自在に支
持して缶胴ブランク材料への当接方向に進退自在の支持
部材と、該支持部材を介して前記保持ローラを進退させ
る進退駆動手段と、前記保持ローラの回転が停止してい
るとき保持ローラに保持されたフィルムの始端部を常に
缶胴ブランク材料の表面に対向して位置させる位置決め
手段とを備えることを特徴とする。
【0012】本発明によれば、前記缶胴ブランク材料の
投入に先立って、前記フィルム貼着装置のフィルム保持
手段により前記合成樹脂フィルムの先端部を缶胴ブラン
ク材料の搬送路から間隔を存した位置に保持する。即
ち、前記フィルム貼着装置においては、先ず、前記進退
駆動手段によって前記支持部材を後退させることで該支
持部材に支持された保持ローラを缶胴ブランク材料の搬
送路から間隔を存して位置させる。次いで、フィルム供
給手段から引き出されたフィルムの始端部を保持ローラ
の外周面の一部に吸引保持する。該保持ローラは、前記
位置決め手段によって、フィルムの始端部を吸引保持す
る側が常に缶胴ブランク材料の搬送路に対向するように
なっている。そして、該保持ローラがフィルムを保持し
た状態で、搬送路に沿って搬送される缶胴ブランク材料
に向かって、前記進退駆動手段によって前記支持部材を
介して保持ローラを進出させる。これにより、保持ロー
ラに吸着保持されたフィルムの始端部を缶胴ブランク材
料に当接し、保持ローラの吸着を解除して缶胴ブランク
材料へのフィルムの貼着を開始する。その後、保持ロー
ラは前記進退駆動手段によって後退されて缶胴ブランク
材料の搬送路から離反し、フィルムの始端部が貼着され
た缶胴ブランク材料は圧着ローラによりその表面にフィ
ルムが圧着される。なお、保持ローラによってフィルム
の貼着が開始される位置では、缶胴ブランク材料は既に
前記加熱手段によって加熱されており、また、通常、前
記フィルムの貼着面には熱硬化型接着剤が塗布されてい
るので、保持ローラによって缶胴ブランク材料に貼着さ
れたフィルムは、保持ローラが後退した後であっても缶
胴ブランク材料から剥離することがない。
【0013】このように、前記保持ローラによって缶胴
ブランク材料へのフィルムの貼着を必要な時期に迅速且
つ正確に開始することができるので、例えば、缶胴ブラ
ンク材料の先端に接続された先導用板材が缶胴ブランク
材料に先立って搬送されても、先導用板材に連なる缶胴
ブランク材料の先端からフィルムの貼着を開始すること
ができる。
【0014】また、本発明における、前記位置決め手段
の一態様を挙げれば、円盤状のウエイト部材を前記保持
ローラの軸に偏心させて設けたことを特徴とする。
【0015】これにより、簡単な構成で保持ローラの位
置決めを行うことができる。即ち、缶胴ブランク材料の
搬送路の上方に前記保持ローラが設けられている場合に
は、ウエイト部材の長径側と、前記保持ローラがフィル
ムの始端部を吸着保持する位置とを一致させることによ
って、ウエイト部材の重みにより保持ローラに吸着保持
されたフィルムの始端部を常に下方に向けて缶胴ブラン
ク材料の搬送路に対向させることができる。或いはま
た、缶胴ブランク材料の搬送路の下方に前記保持ローラ
が設けられている場合には、前記保持ローラがフィルム
の始端部を吸着保持する位置と反対側に、ウエイト部材
の長径側を位置させれば、ウエイト部材の重みにより保
持ローラに吸着保持されたフィルムの始端部を常に上方
に向けて缶胴ブランク材料の搬送路に対向させることが
できる。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明の一実施形態を図面に基づ
いて説明する。図1は本実施装置を示す概略構成図、図
2はフィルム貼着装置の説明図、図3は図2の要部の拡
大説明図、図4は図3のIV−IV線断面説明図、図5は保
持ローラの説明図、図6は保持ローラの作動説明図であ
る。
【0017】図1に示される缶胴ブランクの表面処理装
置Aにおいて、1は投入部2から長尺の金属製缶胴ブラ
ンク材料W1 を供給するブランク材料供給装置、3は該
ブランク材料供給装置1から供給された缶胴ブランク材
料W1 を加熱する加熱装置、4は該加熱装置3により加
熱された缶胴ブランク材料W1 に二軸延伸ポリエチレン
テレフタレートフィルムF1 ,F2 を供給して貼着する
フィルム貼着装置、5は該フィルム貼着装置4から送り
出された缶胴ブランク材料W1 を再加熱する加熱接着装
置、6は該加熱接着装置5から送り出された缶胴ブラン
ク材料W1 を冷却する冷却装置、7は該冷却装置6から
送り出された缶胴ブランク材料W1 を所定の長さ毎に切
断して払出し部8から払出す第1切断装置である。
【0018】また、9は前記ブランク材料供給装置1に
隣設されて投入部2から長尺の金属製先導用板材Xを供
給する先導用板材供給装置であり、10は払出し部8か
ら長尺の状態で払出された先導用板材Xを巻き取ってコ
イルを形成しつつ回収する先導用板材回収装置である。
該先導用板材Xは、缶胴ブランク材料W1 と同じ幅寸
法、同じ厚み寸法に形成された金属製の帯状鋼板であ
る。
【0019】また、11は第1切断装置7によって所定
の長さ毎に切断されて払出された缶胴ブランク材料W2
を払出し部8から更にその長手方向に移送する移送装置
であり、12は該移送装置11によって移送された缶胴
ブランク材料W2 をその幅方向に搬送して該缶胴ブラン
ク材料W2 を単一の缶胴に対応する大きさに複数に分割
切断して複数の缶胴ブランクW3 を得る第2切断装置で
ある。該第2切断装置12により形成された缶胴ブラン
クW3 はコンベア13によって、該缶胴ブランクW3
ら円筒缶胴を製造する図示しない溶接装置へ搬送され
る。
【0020】次に、前記缶胴ブランクの表面処理装置A
の各部を説明する。前記ブランク材料供給装置1は、図
1に示すように、回転軸14に枢着された回転板15の
両端に、缶胴ブランク材料W1 を巻回した缶胴ブランク
材料コイル16a,16bを夫々回転自在に支持してい
る。缶胴ブランク材料コイル16a,16bの下流側が
投入部2であり、該投入部2は、スプライサ17と、該
スプライサ17の下流に設けられた送出ローラ18とを
備える。
【0021】前記ブランク材料供給装置1の缶胴ブラン
ク材料コイル16a,16bのうち片方のコイルは予備
である。一方のコイルに巻回された缶胴ブランク材料W
1 が無くなると、その末端に他方のコイルから引き出さ
れた先端が前記スプライサ17によってシーム溶接され
て接続される。
【0022】本実施装置Aの始動時には、コイル状の先
導用板材Xが何れか一方の缶胴ブランク材料コイルに替
えて装填され、該先導用板材Xが引き出しきられたとき
スプライサ17によって該先導用板材Xの終端部と缶胴
ブランク材料W1 の始端部とが接合される。前記送出ロ
ーラ18は、缶胴ブランク材料コイル16aから缶胴ブ
ランク材料W1 を引き出して下流に送り出すものである
が、缶胴ブランク材料W1 に一定の張力を付与しつつ送
り出すためのものである。
【0023】前記先導用板材供給装置9はコイル状の先
導用板材Xが装填自在となっている。先導用板材Xは、
前記投入部2と払出し部8との間に張り亘し可能な長さ
を有して巻回されている。
【0024】前記投入部2の下流側には缶胴ブランク材
料W1 を一時的に貯留させる貯留装置19が設けられて
いる。該貯留装置19は上下に対向して回転自在の複数
のローラ20a,20bを備え、各ローラ20a,20
bには交互に缶胴ブランク材料W1 が掛け亘される。
【0025】該貯留装置19は、前記スプライサ17の
作動時に同期して上下に位置するローラ20a,20b
が互いに接近して各ローラ20a,20bに掛け亘され
ている缶胴ブランク材料W1 を下流に送り出す。一方、
貯留装置19の上流における缶胴ブランク材料W1 の供
給を一時停止させることができ、この間に、スプライサ
17による接続作業が行われる。その後、上下に位置す
るローラ20a,20bが互いに離反して、缶胴ブラン
ク材料W1 を貯留する。
【0026】前記加熱装置3は、複数のヒートローラ2
1を配列して備えている。該ヒートローラ21は、前記
ブランク材料供給装置1から供給された缶胴ブランク材
料W 1 に対して低周波誘電加熱を行うものであり、各ヒ
ートローラ21に缶胴ブランク材料W1 を掛けわたして
接触加熱を行う。
【0027】前記フィルム貼着装置4は、その詳しい構
成は後述するが、前記加熱装置3によって加熱された状
態の缶胴ブランク材料W1 の上下両面に二軸延伸ポリエ
チレンテレフタレートフィルムF1 ,F2 を貼着するも
のである。フィルムF1 ,F 2 は、予め、貼着側にタッ
クフリーの熱硬化性接着剤が塗布されており、該フィル
ム貼着装置4によって缶胴ブランク材料W1 に貼着され
た二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムF1
2 の貼着状態は、熱硬化性接着剤の硬化状態が完全で
ない仮接着状態である。
【0028】前記加熱接着装置5は、缶胴ブランク材料
1 を再加熱することによって熱硬化性接着剤を硬化さ
せ本接着することにより二軸延伸ポリエチレンテレフタ
レートフィルムF1 ,F2 と缶胴ブランク材料W1 との
接着状態を強固とするものである。該加熱接着装置5
は、内部が所定加熱温度の雰囲気とされた箱状の本体2
2と、該本体22内部に配列された複数の案内ローラ2
3からなるローラ群とを備える。本体22には、図示し
ないが、バーナによる熱をダクトを介して循環させる循
環装置が接続されている。これにより、本体22内部を
熱風が循環して所定温度の雰囲気とされる。
【0029】前記冷却装置6は、内部が所定冷却温度の
雰囲気とされた箱状の本体24と、該本体24内部に配
列された複数の案内ローラ25からなるローラ群とを備
える。これら複数の案内ローラ25は、その内部に冷媒
が流通されて表面が冷却されており、缶胴ブランク材料
1 は案内ローラ25の表面で接触冷却される。
【0030】前記冷却装置6と前記第1切断装置7との
間には、缶胴ブランク材料W1 に張力を付与するピンチ
ローラ26が設けられている。該ピンチローラ26によ
って、冷却装置6内部の缶胴ブランク材料W1 に一定の
張力が付与される。
【0031】前記第1切断装置7は、缶胴ブランク材料
1 を送出ローラ27により下流方向に送り出し、該缶
胴ブランク材料W1 が所定の長さだけ送り出されたとき
にナイフシリンダ28の回転により該缶胴ブランク材料
1 を切断する。ここで切断された缶胴ブランク材料W
2 は、払出し部8の払出しローラ29によって前記移送
装置11に向かって払い出される。
【0032】一方、移送装置11の下方位置には前記先
導用板材回収装置10が設けられており、払出し部8の
払出しローラ29と移送装置11との間には、前記先導
用板材Xが導出される先導用板材導出路30が設けられ
ている。先導用板材回収装置10によって回収されたコ
イル状の先導用板材Xは、先導用板材回収装置10から
取り外して前記先導用板材供給装置9に装填され、再利
用される。
【0033】ここで、前記フィルム貼着装置4の構成を
詳細に説明する。図2に示すように、該フィルム貼着装
置4は、缶胴ブランク材料W1 の搬送路31を介して上
下に同様の構成を備えており、缶胴ブランク材料W1
上面と下面とに同時に二軸延伸ポリエチレンテレフタレ
ートフィルムF1 ,F2 を貼着する。図2において、3
2と33はフィルム供給手段、34と35はフィルム供
給路、36と37は圧着ローラである。
【0034】フィルム供給手段32は、前記缶胴ブラン
ク材料W1 の上面に貼着するフィルムF1 を巻回したフ
ィルムコイル38を備えており、該フィルムコイル38
からフィルムF1 をフィルム供給路34に沿って引き出
し自在とされている。フィルム供給手段33は、前記缶
胴ブランク材料W1 の下面に貼着するフィルムF2 を巻
回したフィルムコイル39を備えており、該フィルムコ
イル39からフィルムF2 をフィルム供給路35に沿っ
て引き出し自在とされている。
【0035】フィルム供給路34,35は、フィルムF
1 ,F2 の搬送方向に沿って配設された複数の案内ロー
ラ40,41と、各案内ローラ40,41によって案内
されるフィルムF1 ,F2 を缶胴ブランク材料W1 の所
定位置に合わせて供給するようにするフィルム位置合せ
装置42,43とを備えている。また、フィルム供給路
34,35を構成する複数の案内ローラ40,41のう
ち最下流部に位置する最下流部案内ローラ44,45の
上流側近傍には、図3に示すように、フィルム供給路3
4,35からのフィルムF1 ,F2 の供給を停止させる
際にフィルムF 1 ,F2 を切断するフィルム切断手段4
6,47が設けられている。
【0036】該フィルム切断手段46,47は、図3に
示すように、缶胴ブランク材料W1の搬送路31の一側
に起立するフレーム48に設けられており、フィルムF
1 ,F2 の幅方向に延設された支持部材49と、該支持
部材49に設けられたレール50に沿って摺動自在のブ
レードナイフ51と、該ブレードナイフ51をフィルム
1 ,F2 の幅方向に移動させるシリンダ52とにより
構成されている。該ブレードナイフ51はフィルム
1 ,F2 の供給中にはフィルムF1 ,F2 に接触しな
い位置にあり、フィルムF1 ,F2 の供給を停止すると
き、シリンダ52の駆動によってブレードナイフ51が
フィルムF1 ,F2 を幅方向に切断する。フィルム
1 ,F2 は前記圧着ローラ36,37によって缶胴ブ
ランク材料W1 の搬送と同時に引っ張られることで前記
フィルム供給手段34,35のフィルムコイル38,3
9から引き出される。従って、該フィルム切断装置4
6,47によって切断されたフィルムF1 ,F2 は、前
記圧着ローラ36,37による引っ張り力から開放され
て供給が停止される。
【0037】また、前記最下流部案内ローラ44,45
と前記圧着ローラ36,37との間には、フィルム
1 ,F2 の始端部(又は切断端部)を保持可能なフィ
ルム保持手段53,54が設けられている。
【0038】該フィルム保持手段53,54は、図3及
び図4に示すように、前記最下流部案内ローラ44,4
5と前記圧着ローラ36,37との間に対応する位置か
ら缶胴ブランク材料W1 の搬送路31に向かって前記フ
レーム48に沿って延設されたレール55と、該レール
55に沿って摺動自在の支持部材56と、該支持部材5
6の夫々に回転自在に支持された保持ローラ57,58
と、支持部材56をレール55に沿って移動させるシリ
ンダ59とによって構成されている。保持ローラ57,
58は、図5に示すように、その外周の一部に吸引孔6
0を備えており、吸引孔60による吸引によってフィル
ムF1 ,F2 の始端部を吸着する。該吸引孔60は、保
持ローラ57,58の回転軸61,62の中空内部に連
通しており、図4に示すように、前記フレーム48の貫
通孔63を介して図示しないエア吸引手段に接続されて
いる。エア吸引手段と保持ローラ57,58の回転軸6
1,62とを接続するサクションホース64は、ロータ
リジョイント65を介して保持ローラ57,58の回転
軸61,62に接続されている。前記フレーム48の貫
通孔63は、図3に示すように、保持ローラ57,58
の回転軸61,62の移動範囲に沿って切り欠かれてお
り、前記フレーム48が保持ローラ57,58の移動時
にその回転軸61,62に干渉しないようになってい
る。
【0039】また、図4及び図5に示すように、保持ロ
ーラ57,58はその回転軸61,62に位置決めウエ
イト66,67を備える。該位置決めウエイト66,6
7は円盤状に形成されており、偏心させて前記保持ロー
ラ57,58の回転軸61,62に固定されている。該
位置決めウエイト66,67は、前記保持ローラ57,
58の回転軸61,62に偏心して設けられているの
で、該回転軸61,62には一方向に偏った重量が付与
される。これによって、図5に示すように、該回転軸6
1,62は位置決めウエイト66,67の重量が付与さ
れる方向を下側に位置される。そして、缶胴ブランク材
料W1 の上方に位置する保持ローラ57の回転軸61に
設けられた位置決めウエイト66は、該保持ローラ57
の吸引孔60が下側に向くように設けられており、缶胴
ブランク材料W1 の下方に位置する保持ローラ58の回
転軸62に設けられた位置決めウエイト67は、該保持
ローラ58の吸引孔60が上側に向くように設けられて
いる。なお、本実施形態においては、位置決めウエイト
66,67によって構造簡単に保持ローラ57,58の
位置決めを行っているがこれに限るものではなく、例え
ば、図示しないが、保持ローラ57,58の回転を制御
してフィルムF1 ,F2 の位置決めを行ってもよい。
【0040】前記圧着ローラ36,37は、図3に示す
ように、圧着ローラ36,37を共に同期して回転駆動
する駆動ローラ68,69によって互いに圧接状態で缶
胴ブランク材料W1 を送りだす。このとき、圧着ローラ
36,37と缶胴ブランク材料W1 との間に前記フィル
ムF1 ,F2 が介在して夫々が缶胴ブランク材料W1
上下面に貼着される。
【0041】次に、フィルム貼着装置4の作動を説明す
る。本実施装置Aは、缶胴ブランク材料W1 に先立っ
て、該缶胴ブランク材料W1 の始端部に接続された先導
用板材Xが搬送される。該先導用板材Xが投入部2から
払出し部8に張り亘されることにより、投入部2から先
導用板材Xに連続して投入される缶胴ブランク材料W1
には十分に張力が付与される。この状態で、缶胴ブラン
ク材料W1 がフィルム貼着装置4を通過するする際に
は、缶胴ブランク材料W1 の始端部からフィルムF 1
2 の貼着が開始される。フィルム貼着装置4において
は、図6(a)に示すように、保持ローラ57,58の
一側に、吸引孔60を介してフィルムF1 ,F2 の始端
部を吸着保持させておく。このとき、図5に示すよう
に、缶胴ブランク材料W1 の搬送路31の上方に位置す
る保持ローラ57の吸引孔60は前記位置決めウエイト
66の重量によって下方に向けられるので、フィルムF
1 の始端部は缶胴ブランク材料W1 の上面に対向するよ
うに吸着保持されている。同じく、缶胴ブランク材料W
1 の搬送路31の下方に位置する保持ローラ58の吸引
孔60は前記位置決めウエイト67の重量によって上方
に向けられるので、フィルムF2 の始端部は缶胴ブラン
ク材料W1 の下面に対向するように吸着保持されてい
る。
【0042】そして先ず、図6(b)に示すように、先
導用板材Xの終端部がフィルム貼着装置4のフィルム保
持手段53,54間を通過し、缶胴ブランク材料W1
始端部が搬送されたとき、保持ローラ57,58が図3
示のシリンダ59の駆動によって缶胴ブランク材料W1
に当接する。缶胴ブランク材料W1 の始端部は、例え
ば、図6(a)に示すように、保持ローラ57,58が
缶胴ブランク材料W1 に当接される上流側にセンサ70
を設け、該センサ70によって先導用板材Xの終端部と
缶胴ブランク材料W1 の始端部との接合部Yを検出する
ことが好ましい。
【0043】次いで、保持ローラ57,58がその吸引
孔60によるフィルムF1 ,F2 の吸着を解除しシリン
ダ59の駆動によって、図6(c)に示すように、缶胴
ブランク材料W1 から離反する。缶胴ブランク材料W1
は図1示の前記加熱装置3によって加熱されており、フ
ィルムF1 ,F2 の貼着面には前記接着材が塗布されて
いるので、保持ローラ57,58が離反しても、その始
端部が缶胴ブランク材料W1 に張り付いた状態が維持さ
れる。そして、缶胴ブランク材料W1 の搬送に伴って、
缶胴ブランク材料W1 に張り付いたフィルムF1 ,F2
も前記圧着ローラ36,37に向かって移動し、図6
(c)に示すように、圧着ローラ36,37によって缶
胴ブランク材料W1 に貼着される。圧着ローラ36,3
7による貼着に伴って、フィルムF1 ,F2 は図2示の
前記フィルム供給手段32,33から引き出され、缶胴
ブランク材料W1 の長手方向に貼着が継続される。一
方、フィルムF1 ,F2 から離反した保持ローラ57,
58は、図6(c)に示すように、最下流部案内ローラ
44,45と圧着ローラ36,37との間に戻る。
【0044】この後、例えば、フィルムF1 ,F2 の貼
着作業を停止させる場合には、前記フィルム切断装置4
6,47のブレードナイフ51によってフィルムF1
2を切断し、これによって、フィルムF1 ,F2 の供
給を停止させる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施装置を示す概略構成図。
【図2】フィルム貼着装置の説明図。
【図3】図2の要部の拡大説明図。
【図4】図3のIV−IV線断面説明図。
【図5】保持ローラの説明図。
【図6】保持ローラの作動説明図。
【符号の説明】
A…表面処理装置、W1 …缶胴ブランク材料、F1 ,F
2 …フィルム、3…加熱装置、4…フィルム貼着装置、
31…搬送路、32,33…フィルム供給手段、36,
37…圧着ローラ、44,45…案内ローラ、53,5
4…フィルム保持手段、56…支持部材、57,58…
保持ローラ、59…シリンダ(進退駆動手段)、66,
67…位置決めウエイト(ウエイト部材)。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】長尺帯状の缶胴ブランク材料を搬送路に沿
    って連続して搬送し、該搬送路に設けられた加熱装置に
    より該缶胴ブランク材料を加熱して、その下流側に設け
    られたフィルム貼着装置によって該缶胴ブランク材料の
    表面に合成樹脂フィルムを貼着する表面処理を行う缶胴
    ブランクの表面処理装置において、 前記フィルム貼着装置は、前記搬送路に向かって帯状の
    前記フィルムを供給するフィルム供給手段と、該フィル
    ム供給手段により供給された前記フィルムを前記缶胴ブ
    ランク材料の表面に重合して該缶胴ブランク材料に圧着
    させる圧着ローラと、前記フィルム供給手段と圧着ロー
    ラとの間において、前記フィルムを缶胴ブランク材料に
    向かって進退自在に保持するフィルム保持手段とを備
    え、 該フィルム保持手段は、フィルムの始端部を外周面の一
    部に吸引保持自在の保持ローラと、該保持ローラの軸を
    回転自在に支持して缶胴ブランク材料への当接方向に進
    退自在の支持部材と、該支持部材を介して前記保持ロー
    ラを進退させる進退駆動手段と、前記保持ローラの回転
    が停止しているとき保持ローラに保持されたフィルムの
    始端部を常に缶胴ブランク材料の表面に対向して位置さ
    せる位置決め手段とを備えることを特徴とする缶胴ブラ
    ンクの表面処理装置。
  2. 【請求項2】前記位置決め手段は、円盤状のウエイト部
    材を前記保持ローラの軸に偏心させて設けたことにより
    構成されることを特徴とする請求項1記載の缶胴ブラン
    クの表面処理装置。
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