JPH10154934A - 高安定化されたpll周波数シンセサイザ回路 - Google Patents

高安定化されたpll周波数シンセサイザ回路

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JPH10154934A
JPH10154934A JP8310804A JP31080496A JPH10154934A JP H10154934 A JPH10154934 A JP H10154934A JP 8310804 A JP8310804 A JP 8310804A JP 31080496 A JP31080496 A JP 31080496A JP H10154934 A JPH10154934 A JP H10154934A
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loop
pll
frequency
circuit
constant
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JP8310804A
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English (en)
Inventor
Akio Sasaki
章夫 佐々木
Yutaka Oda
豊 小田
Hirotoshi Sugano
浩年 菅野
Hajime Iwatsuki
元 岩附
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Fujitsu Ltd
Original Assignee
Fujitsu Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 周波数シンセサイザ回路に関し、特に高安定
化されたPLL (PhaseLocked Loop)周波数シンセサイ
ザ回路を提供することを目的とする。 【解決手段】 PLL周波数シンセザイザ回路におい
て、電圧制御発振器の変調感度Kvの非直線性による周
波数収束特性の非一様性を検出し、前記検出値に基づい
て前記変調感度Kvの非直線性を補償すべくPLL回路
のループ定数を制御する安定化回路を備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は周波数シンセサイザ
回路に関し、特に無線基地局等において周波数シンセサ
イザとして用いられるPLL (Phase Locked Loop)周波
数シンセサイザ回路に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図1は、本願発明の対象となるPLL回
路の基本構成を示したものである。図1において、図1
の(a)はPLL回路のブロック図である。電圧制御発
振器(VCO(Voltage Controlled Oscillator) )4か
らの発振周波数は分周器5で1/Nに分周され、この分
周信号と水晶発振器(基準信号源)1からの基準信号と
は位相比較器2で比較される。前記比較による位相比較
器2からの差分出力はループフィルタ3で平滑化され、
VCO4の発振周波数をフィードバック制御する。
【0003】図1の(b)は、図1の(a)をブロック
線図で表したものである。図1の(b)からフィードバ
ックループの開ループゲインは下式(i)で表される。
【数1】
【0004】ここで、図1の(a)に示す位相比較器2
は位相比較器の変換利得であるKp(V/rad)、ループ
フィルタ3は伝達関数F(s) 、そしてVCO4は変調感
度Kv(rad/V)でそれぞれ表現できる。従って、上記
式(i)のG(s) 及びH(s)は、各々以下のようにな
る。
【数2】
【0005】さらに、ループフィルタ3(F(s) )とし
て図1の(c)に示す完全積分2次タイプを使用する
と、F(s) は次のように表わされる。
【数3】
【0006】PLL回路もフィードバック制御回路であ
るため、安定性判別等の計算方法は自動制御の安定判別
方法と同じものが用いられる。前記式(i)より
【数4】 となる。
【0007】ここで、
【数5】 と置く。前記ωn は固有周波数、そしてζはダンピング
定数であり、共に引込み時間や定常状態等を知る上での
重要な要素となる。
【0008】式(iii)を用いると、
【数6】 となる。
【0009】図2は、PLL回路の位相雑音特性を示し
たものである。PLL回路は、ループの帯域内では低域
通過フィルタ(LPF)として働き、そしてVCOの雑
音に対しては高域通過フィルタ(HPF)として働く。
図2の(a)及び(b)には、ループ帯域内雑音とVC
O雑音とをそれぞれ示している。また、図2の(c)に
はそれらが入れ替わるオフセット周波数fC を示してい
る。前記オフセット周波数fC は、下式(v)で表され
る。
【0010】
【数7】
【0011】PLL回路の動作の安定性は、ボード線図
を使って判断することができる。すなわち、安定動作を
行うためにはループゲインが0dBの時に位相が−180
°以内であり、反対に位相が−180°時にループゲイ
ンが0dB以下であることが要求される。PLL回路の最
良値は、ダンピング定数ζが0.6〜0.7であって、
且つオフセット周波数fC がループ帯域内雑音とVCO
雑音の交点に設定された時に安定性引込み時間や位相雑
音形状等の最良バランスが得られる。但し、これらはあ
くまでも理論値であって、実際にはさらに幾つかの点を
考慮して設計する必要がある。
【0012】PLL回路を使って出力周波数が可変する
シンセサイザを構成する場合、その出力周波数の変更
は、図1の(a)で示した分周器5の分周量(1/N)
を変えることにより行う。図1の(a)において水晶発
振器1の発振周波数をfREF とすると、シンセサイザと
しての出力周波数f0 は以下のようになる。 f0 =N・fREF …(vi) このように、シンセサイザの出力周波数は分周器5の分
周量によって決定される。
【0013】図3は、VCOの制御電圧−出力周波数特
性を示したものである。図3の(a)は、VCOの制御
電圧とその出力周波数が互いにリニアに変化する理想的
な場合を示している。それに対して、図3の(b)には
現実のVCOの制御電圧−出力周波数特性例が示されて
いる。このように、VCOは制御電圧量によって出力周
波数を変化させ、シンセサイザとして使うとVCO出力
周波数を上げた場合にはVCO制御電圧が上がった位置
で周波数がロックされ、反対に出力周波数を下げた場合
にはVCO制御電圧が下がった位置で周波数がロックさ
れる。図3の(a)に示すようにVCOの制御電圧−出
力周波数特性がリニアな場合には変調感度Kv(Hz /
V)は定数となり、VCOの制御電圧量に係わらず(ii
i)式の固有周波数ωn ,ダンピング定数ζの定数は1
/√Nに大きく依存し、前記変調感度Kvによる固有周
波数ωn ,ダンピング定数ζの変化量は、少ない。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、実際に
は図3の(b)に示すようにVCOの制御電圧によって
変調感度Kvが変わることになる。VCOの変調感度K
vが変わる場合には、式(iii)より固有周波数ωn ,ダ
ンピング定数ζも変わる。そのため、図3の(b)に示
す低い側の制御電圧xVで周波数がロックされた場合に
は、変調感度Kvが大となってダンピング定数ζ,固有
周波数ωn が共に増加するため引込み時間と安定性は増
すが、位相雑音は図3の(a)に示す理想特性と比べる
と増加するという問題があった。
【0015】また、図3の(b)に示す高い側の制御電
圧yVで周波数がロックされた場合には、VCOの変調
感度Kvが小となってダンピング定数ζ,固有周波数ω
n が減少するため引込み時間が遅くなり、そしてダンピ
ング定数ζが減少することによって安定性が低下すると
いう問題があった。この場合には位相雑音にオーバーシ
ュートが現れ、最悪PLL回路は収束せずに発振してし
まうという問題もあった。
【0016】図4は、VCO変調感度−位相雑音特性の
一例を示したものである。図4の(a)は、図3の
(a)の理想特性に対応し、また図4の(b)は図3の
(b)に示す制御電圧xVの変調感度Kvが増加した場
合、そして図4の(c)は図3の(b)に示す制御電圧
yVの変調感度Kvが減少した場合をそれぞれ示してい
る。上述したように、図4の(b)では変調感度Kvの
増加と共に位相雑音が増加し、また、図4(c)では変
調感度Kvの減少と共にオーバーシュートが現れてる。
このようなオーバーシュートを防ぐには、通常ダンピン
グ定数ζを増やすなどして安定化のための設計がなされ
る。
【0017】そこで本発明の目的は、上記各問題点に鑑
み、前記VCOの変調感度Kv特性の非直線性を補償す
ることで、周波数シンセサイザにおける発振周波数内の
全ての周波数において一様な周波数収束特性及び安定性
を実現し、ループ内雑音を最適化した周波数シンセサイ
ザを提供することを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、基準信
号を出力する基準信号源、前記基準信号源からの基準信
号と出力信号を分周した分周信号との位相を比較しその
差分信号を出力する位相比較器、前記位相比較器からの
差分信号と対応する直流電圧を発生するループフィル
タ、前記ループフィルタからの直流電圧によって出力信
号の発振周波数が制御される電圧制御発振器、そして前
記電圧制御発振器からの出力信号を分周してその分周信
号を前記位相比較器へ与える分周器、から成るPLL周
波数シンセザイザ回路において、前記電圧制御発振器の
変調感度Kvの非直線性による周波数収束特性の非一様
性を検出し、前記検出値に基づいて前記変調感度Kvの
非直線性を補償すべくPLL回路のループ定数を制御す
る安定化回路を備えたPLL周波数シンセザイザ回路が
提供される。
【0019】前記安定化回路は、前記ループフィルタか
らの出力信号をアナログ信号からディジタル信号に変換
するアナログ−ディジタル変換部、前記アナログ−ディ
ジタル変換部からのディジタル信号をディジタル信号処
理することによって前記変調感度Kvの非直線性を検出
し、その結果にもとづいて前記PLL回路のループ定数
を制御するディジタル信号処理部を含む。
【0020】前記ディジタル信号処理部は、PLL回路
の収束過程におけるループ内固有振動ωn を、前記アナ
ログ−ディジタル変換部によってPLL回路の収束過程
における過渡的な応答を高速サンプリングすることによ
って検出し、それに基づくPLL回路のループ特性解析
から対応する前記変調感度Kvを求め、その結果に従っ
て前記PLL回路のループ定数を制御する。
【0021】そして、前記ディジタル信号処理部は、前
記PLL回路のループ特性解析からPLL回路のループ
定数である前記位相比較器にける位相比較器変換利得K
pを求め、それによって前記位相比較器変換利得Kpと
対応する前記位相比較器におけるチャージポンプ回路の
バイアス電圧を制御する。また、前記ディジタル信号処
理部は、前記PLL回路のループ特性解析からPLL回
路のループ定数である前記ループフィルタの容量成分C
又は抵抗成分Rを求め、それによって前記ループフィル
タに設けられた可変容量成分又は可変抵抗成分を制御す
る。
【0022】
【発明の実施の形態】本願発明の基本概念は、VCOの
変調感度Kvが発振周波依存性を有していてもダンピン
グ定数ζ,固有周波数ωn の値を一定に保つことが出来
ればロックさせる周波数に関係なくPLLの特性を一定
に保つことが出来ため、変調感度Kvの偏差が相殺され
るように他のパラメータを変えることにある。ダンピン
グ定数ζ,固有周波数ωn を与える式は図1の(a)に
示すループフィルタ3の回路形式によって異なるが、こ
こではよく使用される図1の(C)で示したアクティブ
フィルタと図5に示すラグリードフィルタについて次に
示す。
【0023】図5のラグリードフィルタのダンピング定
数ζ,固有周波数ωn は下式(vii)となる。なお、アク
ティブフィルタのダンピング定数ζ,固有周波数ωn
ついてはすでに式(iii)で示しているが、ここでは比較
のため更めて下記に示している。
【数8】
【0024】前記(iii)及び(vii)式において、分周数
Nはロックする周波数を決定する値であるから自由に変
えることは出来ない。従って、残されたパラメータK
p,C,R1 ,R2 、を適宜変化させることで固有周波
数ωn ,ダンピング定数ζを一定に保つ。本願発明にお
けるループの制御は、(1)VCO変調感度Kvの検
出、そして(2)前記パラメータ(ループ定数)の制御
の2つのプロセスを経て実行される。以下、本願発明に
より変調感度Kv以外のループ定数(Kp,C,R 1
2)を変化させてループを制御し、固有周波数ωn ,ダ
ンピング定数ζを一定に保つ、若しくはそれらの変化量
を押さえる方法について説明する。
【0025】(1)VCO変調感度Kvの検出 変調感度Kvは、PLLが目的の周波数にロックする過
程のループフィルタ3(図1)の出力電圧の変化から検
出する。検出のアルゴリズムには次の2つがある。図3
の(b)の例からも分かるように、その1つは現在ロッ
クしている周波数をf1 、目的の周波数をf0 とする。
もしf0 とf1 の差が小さければ、f1でロックしてい
る時のVCO制御電圧(ループフィルタ出力電圧)を測
定し、得られた値をVc1 とする。次に、f0 にロック
した後でVCO制御電圧同様の方法で測定したVc0
得る。この時、変調感度Kvは下式(viii)で与えられ
る。なお、f1 とf0 の差が大きいときは一旦f0 に近
い周波数にロックさせてから検出作業を行う。
【0026】
【数9】
【0027】もう1つの方法として固有周波数ωn を直
接測定する方法がある。すなわち、PLLが目的の周波
数f0 にロックするとき、ループは固有周波数ωn で減
衰振動しながら収束していく。図6は、前記ループ収束
特性の一例を示したものである。この振動周波数を直接
測定すれば固有周波数ωn が得られる。実際には、PL
Lが周波数f0 にロックする時のループフィルタ出力電
圧の過渡応答をA/Dコンバータで高速サンプリング
し、DSPで演算処理を行う。固有周波数ωn が判れば
式(iii)又は式(vii)から逆算して変調感度Kvを知る
ことが出来る。
【0028】図7は、VCO変調感度Kvの検出回路の
一実施例を示している。図7において、先に説明した図
1の(a)と同様のものについては同一の符号を付して
いる。なお、図1の(a)の位相比較器2は、図7にお
いて位相検出部(PD)とチャージポンプ部(CHARGE P
UMP) から成っている。図7では、図1の(a)にアナ
ログ−ディジタル変換器(A/D)6及びディジタルシ
グナルプロセッサ部(DSP)7がさらに付加されてい
る。ループフィルタ (Loop Filter)3からの出力電圧
は、A/D変換器6によってサンプリングされ、そして
DSP部7へ送られる。DSP部7は上記2つのいずれ
かの方法により変調感度Kv又は固有周波数ωn ,ダン
ピング定数ζを計算する。
【0029】(2)ループ定数の制御 上述したように変調感度Kvが判ると、固有周波数
ωn 、ダンピング定数ζが理想値となるようなループ定
数の制御量が計算される。その計算結果を基に各ループ
定数の制御を行うことでPLLの特性は一定に保たれ
る。以下、(2−1)位相比較器変換利得、そして(2
−3)抵抗Rを制御する場合、のそれぞれについて実施
例を用いて説明する。
【0030】(2−1)位相比較器変換利得Kpを制御
する場合 図8は、チャージポンプを接続した位相比較器の特性を
示したものである。Kpは位相比較器の変換利得であ
り、図6に示す位相比較器の出力電圧振幅から下式(i
x)によって定められる。
【数10】 式(ix)から位相比較器変換利得Kpを変化させるため
には高出力電圧VH 又は低出力電圧VL の値のいずれか
一方又はその両者を制御すればよい。但し、前記VH
L の値はロック時のVCO変調端子に入力される電圧
に対して十分なマージンを持つ必要があるため、ロック
する周波数と制御のかけ方については注意が必要であ
る。
【0031】図9は、位相比較器変換利得Kpを変化さ
せる一例を示したものである。図9の(a)は高出力電
圧VH を変化させる場合、図9の(b)は低出力電圧V
L を変化させる場合、そして図9の(c)はその両者V
H 、VL を同時に変化させる場合をそれぞれ示してい
る。これらによって、上記式(ix)の(VH −VL )の
値が変化し、その結果位相比較器変換利得Kpが変化す
る。なお、図9の(a)は、VCO変調端子に入力され
る電圧の最大値が減少するのと同じであるためロック時
の周波数が低い場合に有効となる。また、図9の(b)
はそれとは逆にロック時の周波数が高い場合に有効であ
る。そして、図9の(c)は前二者と比べて全周波数帯
域での制御が可能となる特徴を有している。
【0032】図10〜12は、図9の(a)〜(c)の
各実施例に対応している。図10は、高出力電圧VH
変化させる実施例を示している。図10の(a)では図
7の実施例に対して新たにディジタル−アナログ変換器
(D/A)8及びバッファ増幅器(Buffer) 9を付加し
ている。DSP部7は変調感度Kpが最適になるような
H を計算し、D/A変換器8にそのデータを送る。D
/A変換器8からの高出力電圧VH はバッフア増幅器9
を介してチャージポンプ部に与えられる(図10の
(b))。
【0033】図11は、低出力電圧VL を変化させる実
施例を示している。図11の(a)は、図10の(a)
と同じ回路が使用されており、ただDSP部7が変調感
度Kpが最適になるような低出力電圧VL を計算し、そ
して新たに付加されたディジタル−アナログ変換器(D
/A)11及びバッファ増幅器(Buffer) 10を介して
前記低出力電圧VL がチャージポンプ部に与えられる点
が異なるだけである(図11の(b))。
【0034】図12は、さらに高出力電圧VH と低出力
電圧VL の両方を変化させる実施例を示したものであ
る。図12の(a)及び(b)の回路構成から明らかな
ように図10と図11の両者を組み合わせたものとなっ
ている。本実施例ではDSP部7は式(ix)からKpが
最適になるような(VH −VL )を計算して高出力電圧
H 及び低出力電圧VL のそれぞれの値を決定する。そ
れ以外は、図10及び図11と同様である。
【0035】(2−2)容量Cの値を制御する場合 図13及び図14は、ループフィルタに図5で示したラ
グリードフィルタを用い場合を示しており、図13では
その容量Cに直列にバラクタダイードを接続し、また図
14では並列にバラクタダイードを接続した実施例を示
している。なお、ループフィルタは直流電圧動作をして
いるため、信号ラインに直列にコンデンサが挿入される
アクティブフィルタではこの方法は使えない。
【0036】図13及び図14において、バラクタダイ
オード17はバイアス抵抗18を介して流れるバイアス
電流によって変化する可変容量Cvとして機能する。図
13における直列接続の合成容量Ctは、Ct=CCv
/(C+Cv)となる。ここで、バイアス抵抗18は、
バイアス回路系とループフィルタとのアイソレーション
を取るために数100k〜数MΩの値にする。バラクタ
ダイオードの逆バイアス時の抵抗値は数100M〜数G
Ωに達するのでバイアス抵抗による電圧降下はほとんど
生じること無くバイアスをかけることが出来る。
【0037】また、図14における並列接続では、直流
カットのための容量値C’19を考慮すると合成容量C
tは、Ct=C+C’Cv/(C’+Cv)となる。ま
た、バイアス抵抗18には数100M〜数GΩの高抵抗
が使用される。図13及び図14のいずれの場合もDS
P部7は変調感度Kpが最適になるような容量値を固有
周波数ωn 及びダンピング定数ζを与える式(vii)に基
づいて計算し、前記Ctがその値となるようにディジタ
ル−アナログ変換器(D/A)12及びバッファ増幅器
(Buffer) 13を介して前記バイアス電流を流すのに必
要な電圧を与える。
【0038】(2−3)抵抗Rの値を制御する場合 図15〜図17も、ループフィルタに図5で示したラグ
リードフィルタを用いた実施例を示している。図15で
は抵抗R1 を、そして図16及び図17では抵抗R2
それぞれ可変している。本実施例では、式(vii)を用い
て抵抗R1 又はR2 の値を変えることによって変調感度
Kvの変化を補償し、固有周波数ωn 及びダンピング定
数ζを一定に保つ。
【0039】図15において、ループフィルタ部を通る
信号は直流電圧なので抵抗(R1 )14に電圧或いは電
流で制御する素子を用いることは出来ない。そこで、抵
抗14に光で抵抗値が変化する素子(CdSセル等)を
用いる。DSP部7は抵抗R14の最適値Rsが得られ
ると、受光素子がRsとなるような光量を発光素子が発
光するためのバイアス量を計算し、ディジタル−アナロ
グ変換器(D/A)12にデータを入力する。D/A変
換機12はバッファ増幅器13を通して前記発光素子の
バイアス電圧を発生させる。
【0040】図16では、上記と同様な方法で抵抗R2
を制御している。また、図7では容量Cの配置を変える
ことによって抵抗R2 の一端を接地可能とし、その結果
電圧或いは電流で制御する素子(ピンダイオード等)が
使用可能なように構成している。DSP部7は、抵抗R
2 の最適値Rpが得られるとピンダイオードの抵抗値が
Rpとなるようなバイアス量を計算し、ディジタル−ア
ナログ変換器(D/A)12にデータを入力する。バイ
アス抵抗21はループフィルタの特性に影響を与えない
ような高い値(数10k〜数100kΩ)にしている。
【0041】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によればVC
Oの変調感度特性の非直線性によって生じるPLLシン
セサイザ回路の周波数収束特性の非一様性を、常に一定
のループ特性を保つように制御することが可能となり安
定した収束特性を得ることができる。さらに、ループ内
雑音特性も発振周波数内のすべての状態において最適な
特性を維持することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明の対象となるPLL回路の基本構成を
示した図である。
【図2】PLL回路の位相雑音特性を示した図である。
【図3】VCOの制御電圧−出力周波数特性を示した図
である。
【図4】VCO変調感度−位相雑音特性の一例を示した
ものである。
【図5】ラグリードフィルタの回路図である。
【図6】ループ収束特性の一例を示した図である。
【図7】VCO変調感度Kvの検出回路の一実施例を示
した図である。
【図8】チャージポンプを接続した位相比較器の特性例
を示した図である。
【図9】位相比較器変換利得Kpを変化させる例を示し
た図である。
【図10】図9の高出力電圧VH を変化させる実施例を
示した図である。
【図11】図9の低出力電圧Vl を変化させる実施例を
示した図である。
【図12】図9の高出力電圧VH 及び低出力電圧Vl
変化させる実施例を示した図である。
【図13】ラグリードフィルタの容量に直列にバラクタ
ダイードを接続した実施例を示した図である。
【図14】ラグリードフィルタの容量に並列にバラクタ
ダイードを接続した実施例を示した図である。
【図15】受光素子を用いてラグリードフィルタの第1
の抵抗を可変とする実施例を示した図である。
【図16】光素子を用いてラグリードフィルタの第2の
抵抗を可変とする実施例を示した図である。
【図17】ピンダイオードを用いてラグリードフィルタ
の第2の抵抗を可変とする実施例を示した図である。
【符号の説明】
1…水晶発振器 2…位相比較器 3…ループフィルタ 4…電圧制御発振器 5…分周器 6…アナログ−ディジタル変換器 7…ディジタルシグナルプロセッサ 8,11,12…ディジタル−アナログ変換器 9,10,13…バッファ増幅器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 菅野 浩年 北海道札幌市中央区北一条西2丁目1番地 富士通北海道ディジタル・テクノロジ株 式会社内 (72)発明者 岩附 元 北海道札幌市中央区北一条西2丁目1番地 富士通北海道ディジタル・テクノロジ株 式会社内

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基準信号を出力する基準信号源、前記基
    準信号源からの基準信号と出力信号を分周した分周信号
    との位相を比較しその差分信号を出力する位相比較器、
    前記位相比較器からの差分信号と対応する直流電圧を発
    生するループフィルタ、前記ループフィルタからの直流
    電圧によって出力信号の発振周波数が制御される電圧制
    御発振器、そして前記電圧制御発振器からの出力信号を
    分周してその分周信号を前記位相比較器へ与える分周
    器、から成るPLL周波数シンセザイザ回路において、 前記電圧制御発振器の変調感度Kvの非直線性による周
    波数収束特性の非一様性を検出し、前記検出値に基づい
    て前記変調感度Kvの非直線性を補償すべくPLL回路
    のループ定数を制御する安定化回路を備えたことを特徴
    とするPLL周波数シンセザイザ回路。
  2. 【請求項2】 前記安定化回路は、前記ループフィルタ
    からの出力信号をアナログ信号からディジタル信号に変
    換するアナログ−ディジタル変換部、前記アナログ−デ
    ィジタル変換部からのディジタル信号をディジタル信号
    処理することによって前記変調感度Kvの非直線性を検
    出し、その結果にもとづいて前記PLL回路のループ定
    数を制御するディジタル信号処理部を含む請求項1記載
    のPLL周波数シンセザイザ回路。
  3. 【請求項3】 前記ディジタル信号処理部は、PLL回
    路の収束過程におけるループ内固有振動ωn を、前記ア
    ナログ−ディジタル変換部によってPLL回路の収束過
    程における過渡的な応答を高速サンプリングすることに
    よって検出し、それに基づくPLL回路のループ特性解
    析から対応する前記変調感度Kvを求め、その結果に従
    って前記PLL回路のループ定数を制御する請求項2記
    載のPLL周波数シンセザイザ回路。
  4. 【請求項4】 前記ディジタル信号処理部は、前記PL
    L回路のループ特性解析からPLL回路のループ定数で
    ある前記位相比較器にける位相比較器変換利得Kpを求
    め、それによって前記位相比較器変換利得Kpと対応す
    る前記位相比較器におけるチャージポンプ回路のバイア
    ス電圧を制御する請求項3記載のPLL周波数シンセザ
    イザ回路。
  5. 【請求項5】 前記ディジタル信号処理部は、前記PL
    L回路のループ特性解析からPLL回路のループ定数で
    ある前記ループフィルタの容量成分Cを求め、それによ
    って前記ループフィルタに設けられた可変容量成分を制
    御する請求項3記載のPLL周波数シンセザイザ回路。
  6. 【請求項6】 前記ループフィルタにおける可変容量成
    分にバラクタダイオードを用いる請求項5記載のPLL
    周波数シンセザイザ回路。
  7. 【請求項7】 前記ディジタル信号処理部は、前記PL
    L回路のループ特性解析からPLL回路のループ定数で
    ある前記ループフィルタの抵抗成分Rを求め、それによ
    って前記ループフィルタに設けられた可変抵抗成分を制
    御する請求項3記載のPLL周波数シンセザイザ回路。
  8. 【請求項8】 前記ループフィルタにおける可変抵抗成
    分に光可変抵抗素子又はピンダイオードを用いる請求項
    7記載のPLL周波数シンセザイザ回路。
  9. 【請求項9】 前記ループフィルタは、アクティブフィ
    ルタ又はラグリードフィルタで構成される請求項5〜8
    のいずれか1つに記載のPLL周波数シンセザイザ回
    路。
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