JPH10153154A - 蓄圧式燃料噴射装置 - Google Patents

蓄圧式燃料噴射装置

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JPH10153154A
JPH10153154A JP31047096A JP31047096A JPH10153154A JP H10153154 A JPH10153154 A JP H10153154A JP 31047096 A JP31047096 A JP 31047096A JP 31047096 A JP31047096 A JP 31047096A JP H10153154 A JPH10153154 A JP H10153154A
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hole
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fuel
injection
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 噴射特性調整工程において、絞り孔を形成す
る部材の歩留まりを向上するとともに、絞り孔を形成す
る部材の取り替え回数を低減する蓄圧式燃料噴射装置を
提供することを目的とする。 【解決手段】 第1の絞り板51と第2の絞り板52が
別部材で板状に形成されているので、第1の絞り板51
または第2の絞り板52の一方を取り替えることによ
り、第1の絞り孔66と第2の絞り孔67のどちらか一
方のみの流量特性を変えることができる。したがって噴
射特性調整工程において、製造した絞り板の点数に対し
て適合する絞り板の点数の歩留りが向上する。さらに、
加工ばらつきによる噴射特性への影響が1枚分だけにな
るので、絞り板の取り替えにより所望の噴射特性を得や
すくなる。これにより、噴射特性調整工程における絞り
板の交換回数が低減し、調整工数が低減する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高圧燃料を一種の
サージタンクであるコモンレールに蓄圧し、この蓄圧さ
れた高圧燃料を内燃機関に噴射するようにした電磁制御
式の蓄圧式燃料噴射装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、高圧供給ポンプによってコモ
ンレールに高圧燃料を加圧圧送して蓄圧し、コモンレー
ルで蓄圧された高圧燃料を内燃機関(以下、「内燃機
関」をエンジンという)に噴射する電磁制御式の燃料噴
射装置として、特開昭63−147966号公報、特開
平7−310622号公報に示されるものが知られてい
る。これら燃料噴射装置は、噴孔を開閉する弁部材の反
噴孔側に高圧燃料通路と連通する圧力制御室を設け、こ
の圧力制御室と低圧側空間とを電磁二方弁で断続するこ
とにより燃料噴射を制御している。
【0003】高圧燃料通路と圧力制御室との間には高圧
燃料通路から圧力制御室に流入する燃料流量を制限する
第1の絞り孔が形成され、圧力制御室と低圧側空間との
間には電磁二方弁の開弁時に圧力制御室から低圧側空間
に流出する燃料流量を制限する第2の絞り孔が形成され
ている。電磁二方弁の開閉時の応答速度が変化しなけれ
ば、燃料噴射時期、燃料噴射量および燃料噴射率等の噴
射特性は第1の絞り孔および第2の絞り孔の流量特性に
よって概ね制御される。
【0004】噴射特性の内、噴射開始時期、噴射終了時
期、および噴射初期の噴射量は、電磁二方弁が開弁した
際に高圧燃料通路から圧力制御室に流入する燃料流量
と、圧力制御室から低圧側空間に流出する燃料流量との
差によって決定される。噴射後期の噴射量および噴射切
れ(ピーク噴射率から噴射が終了するまでの時間)は、
電磁二方弁が閉弁してから圧力制御室に高圧燃料通路か
ら流入する燃料流量によって決定されることになる。し
たがって、エンジンの所望の噴射特性を得るために第1
の絞り孔または第2の絞り孔を形成する部材を取り替え
て各絞り孔の流量特性を変更することにより調整作業を
行っている。
【0005】前述したように、燃料噴射時期、燃料噴射
量および燃料噴射率等の噴射特性は第1の絞り孔および
第2の絞り孔の流量特性によってほぼ一義的に決定され
るため、各絞り孔の加工時の孔形状や孔面積、孔真円
度、孔入口形状、孔出口形状および孔面粗度等の精度に
よって燃料噴射時期、燃料噴射量および燃料噴射率は大
きくばらつく。
【0006】また、エンジン運転領域の全域に渡って確
実に燃料噴射が可能で、噴射初期に燃料噴射率を押さ
え、かつ噴射切れを良好に行う理想的な燃料噴射を実現
するため、極めて加工困難で高精度を得ることが困難な
φ0.2〜φ0.4mm程度の微細径で前述した第1の絞
り孔および第2の絞り孔を加工する必要がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特開平
7−310622号公報に示される燃料噴射装置では、
第1の絞り孔および第2の絞り孔は同一部材に加工され
ているので、燃料噴射時期、噴射初期の特性または噴射
後期の特性等を調整、あるいはそれら全ての特性を調整
するためにどちらか一方の絞り孔の流量特性を変えよう
としても両絞り孔の形成されている部材を取り替えなけ
ればならない。したがって、噴射特性調整工程において
製造部材点数に対する適合部材点数の歩留まりが低くな
るという問題がある。さらに、一度に両方の絞り孔が変
わることにより絞り孔の加工精度のばらつきが相乗され
ることもあるので所望の流量特性を得難い。これにより
部材の取り替え回数が増加するので調整工数が増加する
という問題もある。
【0008】特開昭63−147966号公報に示され
る燃料噴射装置では、第1の絞り孔および第2の絞り孔
が形成されている部材が別部材であるため、一方の部材
を取り替えればその部材に形成された絞り孔の流量特性
を変更することができる。しかし、両部材の一方が他方
を摺動可能に支持しており、この摺動部で圧力制御室の
高圧燃料をシールする必要があるので、両部材の摺動を
可能にした上で高圧燃料をシールできるように摺動クリ
アランスは非常に小さくなっている。したがって、一方
の部材だけを取り替えるとクリアランスが小さすぎて摺
動が困難になったり、クリアランスが大きくなりすぎて
燃料が漏れたりするという問題が生じやすいので、実際
に取り替える場合は、摺動性およびシール性の確認され
た別の両部材と元の両部材とを取り替えなければなら
ず、前述した特開平7−310622号公報に示さる燃
料噴射装置と同様に噴射特性調整工程において製造部材
点数に対する適合部材点数の歩留まりが低くなるという
問題がある。さらに、一度に両方の絞り孔が変わること
により絞り孔の加工精度のばらつきが相乗されることも
あるので、所望の流量特性を得難く、部材の取り替え回
数が増加し、調整工数が増加するという問題も同様に発
生する。
【0009】前述したように各絞り孔の径は非常に小さ
いので、例えば最も一般的な加工方法であるドリル加工
にて孔開けを行う場合、工作機械へのドリル取付時の振
れ、ドリルの切れ味、さらにドリルそのものの径のばら
つきにより孔形状や精度にばらつきが発生しやすい。ま
た、ドリル孔開け後のバリ取り作業も容易ではなく、そ
のバリの除去量の違いによっても孔を通過する流量のば
らつきが大きくなる。したがって、絞り孔を形成する部
材を取り替えたとしても所望の流量特性に加工されてい
ないために他の部材に取り替える必要が生じ、噴射特性
調整工程における部材の取り替え回数が増え調整工数が
増加するという問題がある。
【0010】本発明はこのような間題点に鑑み、噴射特
性調整工程において、絞り孔を形成する部材の歩留まり
を向上するとともに、絞り孔を形成する部材の取り替え
回数を低減する蓄圧式燃料噴射装置を提供することを目
的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1記載の
蓄圧式燃料噴射装置によると、第1の絞り孔を形成する
第1の絞り板と第2の絞り孔を形成する第2の絞り板が
それぞれ別部材で構成されているので、噴射特性調整工
程において、第1の絞り板および第2の絞り板の一方を
取り替えるだけで第1の絞り孔と第2の絞り孔のどちら
か一方のみの流量特性を変えることができる。
【0012】したがって、例えば噴射特性の調整工程に
おいて、噴射率波形、圧力制御室の圧力、あるいは噴孔
を開閉する弁部材の変位等をモニターしながら第1の絞
り孔および第2の絞り孔の流量特性を任意に変えること
ができるので、噴射開始時期、噴射量、噴射終了時期等
が容易に調整でき、所定の噴射量範囲に調整することが
可能となる。さらに、第1の絞り板および第2の絞り板
の歩留まりを向上させることができる。
【0013】さらに、2枚の絞り板を一度に代える必要
がないので、加工ばらつきによる噴射特性への影響が1
枚分だけになる。したがって、絞り板の取り替えにより
所望の噴射特性を得やすいので噴射特性調整工程におけ
る絞り板の取り替え回数が低減し、調整工数が低減す
る。本発明の請求項2記載の蓄圧式燃料噴射装置による
と、第1の絞り孔および第2の絞り孔を各絞り板の軸と
平行に形成することにより、加工が容易になり、かつ加
工精度を向上することができる。
【0014】本発明の請求項3記載の蓄圧式燃料噴射装
置によると、ドリル加工後にさらにリーマ加工を施して
各絞り孔を形成することにより加工精度を向上すること
ができるので、所望の流量特性を有する絞り孔を得るこ
とができる。本発明の請求項4記載の蓄圧式燃料噴射装
置によると、第1の絞り孔と第2の絞り孔を放電加工で
形成することにより加工精度をさらに向上することがで
きる。
【0015】本発明の請求項5記載の蓄圧式燃料噴射装
置によると、第1の絞り孔および第2の絞り孔の最終加
工工程において、流体に砥粒を混入させた研摩材を所定
流量に達するまで通過させる研摩加工を施すことにより
加工精度を向上することができる。したがって、第1の
絞り孔と第2の絞り孔個々の流量特性のばらつきも少な
くなるので、噴射特性調整工程において絞り板の取り替
え回数を少なくすることができる。
【0016】本発明の請求項6記載の蓄圧式燃料噴射装
置によると、第1の絞り板および第2の絞り板をノック
ピンにて位置決めするため、絞り板同士の位置決めが容
易になる。本発明の請求項7記載の蓄圧式燃料噴射装置
によると、第1の絞り板および第2の絞り板は2本のノ
ックピンにより位置決めされ、各絞り板の中心から各絞
り板に形成された2本のノックピンを貫挿する2個の貫
通孔の中心までの距離は異なり、各絞り板の中心は2個
の貫通孔の中心を通る仮想直線上に位置しないことによ
り、絞り板を取り替える際に絞り板の左右または表裏を
間違えてもノックピンを挿入できない。したがって、絞
り板を取り替える際の誤組み付けを無くすことができ
る。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を示す
複数の実施例を図面に基づいて説明する。 (第1実施例)本発明の第1実施例による燃料噴射装置
を図1〜図6に示す。図2に示すインジェクタ1は、図
示しないディーゼルエンジンの燃焼室内へ間欠的に燃料
を噴射する電磁制御式の燃料噴射装置であって、高圧燃
料を蓄圧する図示しないコモンレールから図示しない燃
料配管がインレット60に接続されており、コモンレー
ルから高圧燃料が供給されている。また、図示しないエ
ンジン制御装置(以下、「エンジン制御装置」をECU
という)からインジェクタ1に制御信号を送出するワイ
ヤハーネスがコネクタ70に接続されており、ECUか
ら送出される制御信号によりインジェクタ1の燃料噴射
が制御される。
【0018】インジェクタ1の噴孔側に設けられた噴射
ノズル10のノズルボディ11には、噴孔11aを開閉
するニードル弁20が往復移動可能に収容されている。
ノズルボディ11およびインジェクタボディ13はパッ
キンチップ12を挟んでリテーニングナット14で結合
されている。ニードル弁20の反噴孔側にはプレッシャ
ピン21が配設されており、プレッシャピン21の反噴
孔側にはプレッシャピン21に接触あるいは連結する制
御ピストン22が配設されている。ニードル弁20、プ
レッシャピン21および制御ピストン22は、特許請求
の範囲に記載した「弁部材」を構成している。プレッシ
ャピン21はスプリング23内に貫挿されており、スプ
リング23はプレッシャピン21を図2の下方、つまり
噴孔閉塞方向に付勢している。25と26はニードル弁
20を閉弁方向に付勢するためのスプリング23のセッ
ト荷重調整用のスペーサである。制御ピストン22の反
噴孔側には圧力制御室62が設けられている。
【0019】インレット60内に収容された燃料フィル
タ61から導入された高圧燃料は、高圧燃料通路63と
高圧燃料通路64とに分岐する。高圧燃料通路63に分
岐した高圧燃料はニードル弁20の周囲に環状に形成さ
れた燃料溜まり24に供給され、高圧燃料通路64に分
岐した高圧燃料は圧力制御室62に供給されている。燃
料溜まり24内の高圧燃料の圧力は図2の上方、つまり
燃料溜まり24と噴孔11aとが連通するリフト方向に
ニードル弁20を付勢し、圧力制御室62内の高圧燃料
の圧力は図2の下方、つまりニードル弁20が噴孔11
aを閉塞する方向に制御ピストン22を付勢する。
【0020】図3に示す低圧燃料通路65は制御ピスト
ン22およびニードル弁20の摺動クリアランスからの
リーク燃料を回収するための燃料通路であり、スプリン
グ23を収容するばね室27と連通している。図1に示
すように、低圧燃料通路65は、後述する第1絞り板5
1および第2絞り板52にそれぞれ形成された燃料通路
51b、52bを介して低圧側空間としての低圧燃料室
68に連通している。低圧燃料室68の燃料は、バルブ
シリンダ45内に設けられた低圧燃料通路45a、弁軸
41内に設けられた低圧燃料通路41a、押圧部材42
に設けられた低圧燃料通路42a、アーマチャ34を貫
通する貫通孔34a、コア31の中心を連通する低圧燃
料通路31a、ハウジング50内に設けられた低圧燃料
通路69を経て、図2に示すリーク燃料回収用のユニオ
ン73内の低圧燃料通路73aに流出する。したがっ
て、インジェクタ内の余剰燃料は最終的には低圧燃料通
路69、低圧燃料通路73aを介してインジェクタ1の
外部に排出される。
【0021】図1に示すように、第1の絞り板51、第
2の絞り板52はインジェクタボディ13とバルブシリ
ンダ45との間に重ねられて挟持されている。第1の絞
り孔66は第1の絞り板51に形成され、高圧燃料通路
64から圧力制御室62へ流入する燃料流量を規制して
いる。第2の絞り孔67は第2の絞り板52に形成さ
れ、圧力制御室62から低圧燃料室68へ流出する燃料
流量を規制している。図5および図6に示すように、第
1の絞り孔66、第2の絞り孔67は各絞り板の軸と平
行に形成されているので、容易にかつ高精度に加工でき
る。
【0022】第1の絞り板51、第2の絞り板52は円
板状に形成され、中心軸から同一間隔だけオフセットさ
れた位置に貫通孔51a、52aがそれぞれ2個形成さ
れている。貫通孔51a、52aは図3に示す位置決め
用のノックピン55を貫挿する孔である。各絞り板の中
心は、各絞り板に形成された2個の貫通孔の中心を結ぶ
仮想直線上に位置していないので、両絞り板を重ねて貫
通孔51a、52aにノックピン55を挿入することに
より各絞り板の回転方向は一義的に決定される。そし
て、2本のノックピン55によってインジェクタボディ
13に対する各絞り板の位置決めがなされた状態で、バ
ルブシリンダ45とインジェクタボディ13とがねじ結
合している。
【0023】また図5および図6に示すように、第1の
絞り板51、第2の絞り板52には燃料通路51b、5
2bが形成されている。燃料通路51b、52bはノッ
クピン55で位置決めした状態で連通する位置に形成さ
れており、低圧燃料通路65と低圧燃料室68とを連通
している。図6の(B)に示すように、第2の絞り板5
2の電磁弁30側には、電磁弁30の後述する球状部材
43の平面シート座となる円環状の平面部52cが加工
されている。球状部材43が平面部52cに密着するこ
とにより圧力制御室62と低圧燃料室68との連通が遮
断される。
【0024】第1の絞り孔66および第2の絞り孔67
を、通常のドリル加工後にリーマ加工を施して形成して
もよいし、放電加工により形成してもよい。さらに、最
終加工工程において、流体に砥粒を混入させた研摩材を
所定流量に達するまで通過させて絞り孔を研摩加工して
もよい。図1に示す電磁弁30は、圧力制御室62と低
圧燃料室68とを断続する電磁二方弁であり、リーテー
ニングナット59とインジェクタボディ13との間に配
設されている。ピン53はコア31とハウジング50と
の回転方向の位置決めを行うものであり、かつリテーニ
ングナット59を締めつけるときにコア31とハウジン
グ50とが互いに相対回動しコイル32に給電する図3
に示す給電ターミナル72に負荷が加わることを防止す
るものである。
【0025】図1に示すように、コイル32はコア31
内に巻装されており、図2に示すコネクタ70に埋設さ
れたターミナル71から電力が供給される。コア31は
厚さ0.2mm程度の珪素鋼板をスパイラル状に積層して
形成したものであり、内周に配設した図1に示す円筒部
材33に珪素鋼板が溶接されている。後述する可動部材
40の押圧部材42は円筒部材33の内部に貫挿されて
いる。
【0026】可動部材40は、弁軸41、押圧部材4
2、球状部材43および支持部材44からなる。弁軸4
1と押圧部材42とは圧力制御室62の燃料圧力から受
ける力およびスプリング47の付勢力により互いに押圧
されており、別体に形成されてはいるが離反しないで往
復移動する。押圧部材42は磁気回路への影響を避ける
ために非磁性ステンレス等で構成されている。弁軸41
はコア31の噴孔側に配設されたバルブシリンダ45に
往復移動可能に支持されており、耐摩耗性に優れた材質
で形成されている。弁軸41は磁気回路外にあるので磁
性体で構成してもかまわない。弁軸41のコア側には径
方向および軸方向に正確に位置決めされたアーマチャ3
4が圧入、かしめ、溶接のいずれかまたは複数の手段で
固定されており、弁軸41はアーマチャ34とともに往
復移動する。アーマチャ34は耐摩耗性よりも磁気回路
の一部としての特性が要求されるので、例えば珪素鋼に
より形成されている。アーマチャ34には燃料中の移動
抵抗を低減するために複数の貫通孔34aが形成されて
いる。
【0027】可動部材40のリフト量はスペーサ54の
軸長を変更することにより調整できる。可動部材40の
最大リフト位置は、弁軸41が円筒部材33に係止され
ることにより規定される。このとき、アーマチャ34と
コア31との間にはエアギャップが確保されるので、コ
イル32への通電をオンからオフにするときに速やかに
可動部材40が図1の下方に移動する。
【0028】弁軸41の先端部には円筒状に形成された
支持部材44が圧入または溶接等で固定されている。支
持部材44と球状部材43との間には数μmのクリアラ
ンスが形成されており、球状部材43は弁軸41の先端
に形成された円錐状凹面と支持部材44の内壁とにより
回動自在に組み付けられている。支持部材44の先端部
をかしめることにより球状部材43は支持部材44から
の脱落を防止されている。球状部材43は、セラミック
または超硬合金の球の一部分に平面部が加工された構造
になっており、弁軸41のリフト量は後述するように1
00μm程度であるから、弁軸41のリフト位置に関わ
らず球状部材43が所定角度以上回転しようとしても球
状部材43の平面部が第2の絞り板52に係止される。
したがって、球状部材43の平面部は常に第2の絞り孔
67に面している。球状部材43が第2の絞り板52に
形成された平面部52cとの平面同士の当接により第2
の絞り孔67を閉塞すると、圧力制御室62からの燃料
を完全にシールできる。また、球状部材43と第2の絞
り孔67との位置や相対角度がずれた場合にも確実に球
状部材43が第2の絞り孔67を閉塞できる。
【0029】押圧部材42は、摺動クリアランスよりも
大きなクリアランスを円筒部材33と形成して円筒部材
33に往復移動自在に貫挿されている。スプリング47
は球状部材43が第2の絞り孔67を閉塞する方向に押
圧部材42を付勢している。スプリング47の付勢力は
シム46の厚みを変更することにより調節できる。次
に、第1実施例における各部寸法を示す。
【0030】第1の絞り孔66の直径=φ0.20mm、
第2の絞り孔67の直径=φ0.32mm、制御ピストン
22の直径=φ5.0mm、可動部材40のストローク=
0.10mm、ニードル弁20の直径=φ4.0mm、ニー
ドル弁20のシート径=φ2.25mmである。また、ス
プリング47の荷重は50N、スプリング23の荷重は
40Nである。
【0031】次に、インジェクタ1の作動について説明
する。 (1) コイル32への通電オフ時、スプリング47の付勢
力により押圧部材42が図1の下方に押下される。球状
部材43は第2の絞り板52に着座し、圧力制御室62
と低圧燃料室68との連通が遮断される。電磁弁30の
可動部材40を閉弁方向に付勢するためのスプリング4
7のセット荷重は50Nに設定されている。一方、電磁
弁30のシート径である第2の絞り孔67の直径がφ
0.32mm、シート最大直径がφ0.50mmに設定され
ているので、コモンレールから導入される燃料圧力(≒
圧力制御室圧力)が150MPaの場合においても電磁
弁30を開弁方向に作用させる油圧荷重は19.5Nで
ある。したがって、コイル32への通電がオフされてい
る限り可動部材40はリフトしない。
【0032】また、制御ピストン22の直径=φ5.0
mm、ニードル弁20の直径=φ4.0mm、ニードル弁2
0のシート径=φ2.25mmであることから、制御ピス
トン22の受圧面積はニードル弁20の受圧面積よりも
大きく、その差は約11mm2に設定されている。さら
に、スプリング23の付勢力は噴孔閉塞方向に働いてい
るので、コイル32への通電がオフされている限り圧力
制御室62の燃料圧力から制御ピストン22が噴孔閉塞
方向に受ける力とスプリング23の付勢力との和は、燃
料溜まり24の燃料圧力からニードル弁20がリフト方
向に受ける力よりも大きい。したがって、ニードル弁2
0により噴孔11aは閉塞され燃料噴射は行われない。
【0033】(2) コイル32への通電をオンすることに
より生じる電磁力は約60Nに設定されているので、コ
イル32に発生するアーマチャ34を吸引する電磁力と
圧力制御室62の燃料圧力から可動部材40が開弁方向
に受ける力との和がスプリング47の付勢力よりも大き
くなるので可動部材40がリフトし球状部材43は第2
の絞り板52から離座する。球状部材43が第2の絞り
板52から離座すると、第2の絞り孔67と低圧燃料室
68とが連通し、圧力制御室62の燃料が第2の絞り孔
67から低圧燃料室68に流出する。第2の絞り孔67
の通路抵抗は第1の絞り孔66の通路抵抗よりも小さい
ので、球状部材43が第2の絞り板52から離座し圧力
制御室62と低圧燃料室68とが連通すると圧力制御室
62の燃料圧力が低下する。圧力制御室62の燃料圧力
が低下し、圧力制御室62の燃料圧力から制御ピストン
22が噴孔閉塞方向に受ける力とスプリング23の付勢
力との和が、燃料溜まり24の燃料圧力からニードル弁
20がリフト方向に受ける力よりも小さくなると、ニー
ドル弁20がリフトし、噴孔11aから燃料が噴射され
る。
【0034】上記状態が続き、所定の噴射終了時期がく
るとコイル32への通電を遮断する。この時、アーマチ
ャ34を吸引するための電磁力60Nが0になるため、
可動部材40を閉弁方向に付勢するスプリング47の付
勢力によって電磁弁30は閉弁する。すると、高圧燃料
通路64から第1の絞り孔66を介して圧力制御室62
に流入する高圧燃料により圧力制御室62の圧力が上昇
し、圧力制御室62の燃料圧力から制御ピストン22が
噴孔閉塞方向に受ける力とスプリング23の付勢力との
和が、燃料溜まり24の燃料圧力からニードル弁20が
リフト方向に受ける力よりも大きくなるので、ニ一ドル
弁20が噴孔11aを閉塞し噴射が終了する。
【0035】以上の噴射開始から噴射終了までの可動部
材40の変位量、圧力制御室62の圧力、制御ピストン
22の変位量、および噴孔11aから噴射される噴射率
のそれぞれの変化と、第1の絞り孔66または第2の絞
り孔67の流量特性との関係を図7の特性図を用いてさ
らに詳細に説明する。図7に示す実線と点線の特性は、
第1の絞り孔の流量特性を変えたものであり、実線の方
が径が小さい。つまり、実線の方が通路抵抗が大きくな
っている。
【0036】インジェクタ1の噴射特性は、第1の絞り
孔66から圧力制御室62に流入する燃料流量と、第2
の絞り孔66を介して圧力制御室62から低圧燃料室6
8に流出する燃料流量によって概ね決定される。噴射特
性の内、噴射開始時期、初期噴射率の上昇度合いは、電
磁弁30が開弁した後に圧力制御室62へ流入する燃料
流量と、圧力制御室62から低圧燃料室68に流出する
燃料流量との差によって決定される。すなわち、第1の
絞り孔66および第2の絞り孔67の流量特性が変われ
ば、電磁弁30が開弁した直後の圧力制御室62におけ
る圧力の降下速度が変わり、噴射開始時期が変わる。し
たがって、各絞り板の流量特性にばらつきがあると、電
磁弁30が開弁してから制御ピストン22の開弁圧に達
するまでの時間が変わり、噴射開始時期が変わる構造と
なっている。
【0037】図7に示すように、第1の絞り孔において
通路抵抗の大きい実線の方が圧力制御室62の圧力降下
速度が早くなっており、噴射開始時期も早く、初期噴射
率の上昇度合いが大きい。圧力制御室22の圧力が降下
して制御ピストン22の開弁圧に達し制御ピストン22
が開弁行程に入ると、制御ピストン22に作用する開弁
方向と閉弁方向の力は静的に釣り合った状態となる。し
かしながら、第1実施例では第2の絞り孔67の通路抵
抗を第1の絞り孔66の通路抵抗よりも小さくすること
により圧力制御室62から流出する燃料流量を圧力制御
室62に流入する燃料流量よりも大きくなるように設定
してあるので、次の瞬間には圧力制御室62の圧力が低
下する。このため、静的な力の釣り合いが崩れ開弁方向
の力が閉弁方向の力より大きくなるので、制御ピストン
22が開閉弁方向に力の釣り合う位置までリフトする。
この繰り返しにより、最終的に制御ピストン22は設定
された所定のリフト位置まで到達する。制御ピストン2
2の開弁行程における圧力制御室62の圧力はほぼ一定
している。この一定圧力と開弁圧は、第1の絞り孔66
および第2の絞り孔67の流量特性によらず、噴孔開放
方向と噴孔閉塞方向にそれぞれ作用するニードル弁20
と制御ピストン22との受圧面積の差とニードル弁20
を噴孔閉塞方向に付勢するスプリング23の付勢力とか
ら一義的に決まる。また、一定圧力が継続する時間は制
御ピストン22がフルリフト点まで到達するまでの時間
であるため、第1の絞り孔66および第2の絞り孔67
の流量特性が変化すれば変化する構造となっており、図
7に示すように通路抵抗の小さい点線に示す第1の絞り
孔の方が実線よりも継続時間が長くなっている。
【0038】制御ピストン22がフルリフト点まで到達
すると、圧力制御室62の圧力はニードル弁20の開弁
圧より低下し、第1の絞り孔66および第2の絞り孔6
7の流量特性の差のみで決まる圧力まで低下し、その圧
力値が持続される。これは、燃料噴射率がほぼ一定とな
る領域であり、ニードル弁20の先端での圧力が一定で
あればその大きさに変化は生じない。
【0039】さらに時間が経過し所定の噴射終了時期が
近づくとコイル32への通電をオフし電磁弁30を閉弁
させる。すると、開弁時と同様に噴孔開放方向と噴孔閉
塞方向にそれぞれ作用するニードル弁20と制御ピスト
ン22との受圧面積の差とニードル弁20を噴孔閉塞方
向に付勢するスプリング23の付勢力とから一義的に決
まる閉弁圧に達するまで圧力制御室62の圧力が上昇す
る。圧力制御室62の圧力が閉弁圧に達すると制御ピス
トン22が噴孔閉塞側に移動する。厳密には、コイル3
2への通電がオフされスプリング47の付勢力により可
動部材40が第2の絞り孔67の閉塞方向に移動するに
したがい第2の絞り孔67から流出する燃料流量が減少
するので、電磁弁30の閉弁前に制御ピストン22は噴
孔閉塞側に移動する。
【0040】制御ピストン22の閉弁圧は、開弁圧と同
様に、第1の絞り孔66および第2の絞り孔67の流量
特性によらず同じ値になるが、電磁弁30が閉弁を開始
してから、制御ピストン22の閉弁圧まで圧力制御室6
2の圧力が上昇するまでの時間は、第1の絞り孔66お
よび第2の絞り孔67の流量特性が変わり電磁弁30の
開弁時点での圧力制御室62の圧力に差があれば、当然
のことながら変化する。さらに、制御ピストン22の閉
弁行程では、開弁行程と同様に第1の絞り孔66および
第2の絞り孔67の燃料流量の差により噴孔閉塞に要す
る時間が変化する構造となっている。図7に示すように
通路抵抗の大きい実線に示す第1の絞り孔の方が点線よ
りも噴孔閉塞に要する時間が長くなっている。つまり、
噴射終了時の燃焼噴射率の降下速度が遅くなっている。
【0041】以上のごとく、第2の絞り孔の流量特性を
変化させず第1の絞り孔の通路抵抗を大きくすると、噴
射開始時期が早く、初期噴射率が高い噴射特性を有す
る。また噴射終了時期が遅く、噴射切れ(ピーク噴射率
から噴射が終了するまでの時間)が遅い噴射特性にな
る。逆に、第2の絞り孔の流量特性を変化させず第1の
絞り孔の通路抵抗を小さくすると、噴射開始時期が遅
く、初期噴射率が低い噴射特性を有する。また噴射終了
時期が早く、噴射切れが早い噴射特性になる。
【0042】噴射切れを除く噴射特性は、第1の絞り孔
に流入する燃料流量と第2の絞り孔から流出する燃料流
量との差によって依存する。したがって、第1の絞り孔
の通路抵抗を変化させず第2の絞り孔の通路抵抗を変化
させても、噴射開始時期、初期噴射率、噴射終了時期を
変動させることができる。噴射切れは、第2の絞り孔の
通路抵抗を変更しても変動せず、第1の絞り孔の通路抵
抗を変更することにより変動させる。
【0043】以上説明した本発明の第1実施例では、第
1の絞り孔66と第2の絞り孔67を構成する第1の絞
り板51、第2の絞り板52がそれぞれ別部材で構成さ
れているため、噴射特性調整工程において第1の絞り板
51または第2の絞り板52のどちらか一方を取り替え
れば、第1の絞り孔66と第2の絞り孔67のどちらか
一方の流量特性だけを変えることができる。よって、噴
射開始時期や、初期噴射率、また噴射終了時期や噴射切
れを任意に調整可能である。したがって噴射特性調整工
程において、製造した絞り板の点数に対して適合する絞
り板の点数の歩留りが向上する。さらに、2枚の絞り板
を一度に取り替える必要がないので、加工ばらつきによ
る噴射特性への影響が1枚分だけになる。したがって、
絞り板の取り替えにより所望の噴射特性を得やすくなる
ので噴射特性調整工程における絞り板の取り替え回数が
低減し、調整工数が低減する。
【0044】絞り板を取り替える際、各絞り孔の流量特
性を予め検査しておく必要があることは言うまでもな
い。第1実施例では、各絞り板単品の状態で10MPa
のディーゼル燃料である軽油を通過させ、その燃料流量
を測定する方法で検査している。噴射特性の調整工程に
おいて、噴射率波形、圧力制御室圧、あるいはニードル
弁変位等をモニターすれば、第1の絞り孔と第2の絞り
孔の流量特性を任意に意図する方向に変換することがで
きるため、噴射開始時期、噴射量、噴射終了時期の調整
が容易に行え、所定の噴射量範囲に調整することが可能
となる。
【0045】さらに、本実施例の第1の絞り孔および第
2の絞り孔には、通常のドリル加工に加えてリーマ加工
を行っている。あるいはドリル加工ではなく、放電加
工、さらには最終加工工程にて流体に砥粒を混入させた
研摩材を所定流量に達するまで通過させる研摩加工が施
されおり、それぞれの絞り孔の加工精度を極めて高くす
ることができる。それぞれの部材の燃料通過方向に沿っ
て所定の時間研摩を行う研摩加工が施された絞り孔を採
用するので、ドリル加工や放電加工だけを施した絞り孔
に比べ、流量係数に大きく作用する燃料入口部のR形状
のばらつきが少なく、流量特性に関し極めてばらつきの
少ない絞り孔を得ることができる。また図5および図6
に示すように、第1の絞り孔66および第2の絞り孔6
7は、それぞれを形成する部材の軸線に対し平行に配設
された孔であり、ドリル加工、リーマ加工、放電加工を
する際にも加工しやすい上に、砥粒を混入させた研摩材
を通過させる際にも絞り孔全面に均一に砥粒が接触でき
るので加工時のばらつきが非常に少ない。
【0046】さらに第1実施例では、加工時に絞り孔を
通過する砥粒の流量を測定し、一定の流量になった時点
で加工を終了しているので非常に流量ばらつきが少な
く、絞り孔の入口部に関しては、通常のドリル加工等で
必要となるバリ取り作業も実施していないので、加工工
数が低減する。以上の如く、加工の最終工程において流
体に砥粒を混入させた研摩材を所定流量に達するまで通
過させる研摩加工を施すと、非常に流量ばらつきの少な
い絞り孔が実現できる。すなわち、本実施例の絞り孔の
形状や孔面積・孔真円度・孔入口形状・孔出口形状・孔
面粗度等は高精度に仕上がっている。したがって、所望
の流量特性を有する絞り孔を得ることができるので、噴
射特性の調整工程における絞り板の取り替え回数が低減
し、調整工数が低減するという効果がある。
【0047】さらに、第1の絞り板51および第2の絞
り板52は、それぞれが略円板状の形状を有し、組付け
時に2本のノックピンにて回転方向の位置決めがなされ
る構成であるため、絞り板を取り替える際の誤組み付け
を少なくすることができる。 (第2実施例)本発明の第2実施例による燃料噴射装置
を図8に示す。第1実施例と実質的に同一構成部分には
同一符号を付す。
【0048】第1の絞り板56に形成された第1の絞り
孔76は、圧力制御室62に向けて流れる燃料流れ方向
が第1実施例と逆になるように形成されているが、作用
においては第1実施例と同じである。電磁弁30の可動
部材80は、弁軸81、ロッド82、押圧部材83、球
状部材43、支持部材44からなる。第1実施例の押圧
部材42がロッド82および押圧部材83の2部材から
構成されている。コイル32に電力を供給するコネクタ
84は、後述するスクリュウねじ90を電磁弁30の軸
方向上部に設けたので、電磁弁30の斜め上方に配設さ
れている。
【0049】スクリュウねじ90はガスケット91を介
してハウジング92にねじ込まれるため、ガスケット9
1の厚みを変更することによりねじ込み量を調整するこ
とができる。そして、ハウジング92へのスクリュウね
じ90のねじ込み量を調整することにより、押圧部材8
3を付勢するスプリング47の付勢力を外部から変更で
きる。
【0050】第2実施例では、第1の絞り板80および
第2の絞り板52を取り替えるだけでなく、ガスケット
を取り替えスプリング47の付勢力を変更することによ
り容易に噴射特性を調整できるので、噴射特性の調整工
程での負荷量を第1実施例に比較してさらに低くでき
る。 (第3実施例)本発明の第3実施例を図9および図10
に示す。
【0051】第1の絞り板100に貫通孔100a、1
00b、第2の絞り板101に貫通孔101a、101
bがそれぞれ形成されている。各貫通孔はノックピンを
挿入し、インジェクタボディに対する第1の絞り板10
0および第2の絞り板101の位置決めを行うものであ
る。ここで、貫通孔100aと貫通孔100bとを結
ぶ仮想直線、ならびに貫通孔101aと貫通孔101b
とを結ぶ仮想直線上に各絞り板の中心が位置していな
い。さらに、各絞り板に形成した貫通孔100a、1
01aと各絞り板の中心との距離をa、各絞り板に形成
した貫通孔100b、101bと各絞り板の中心との距
離をbとすると、a>bになるように設定している。
との構成により、第1実施例と同様に各絞り板の回転
方向が一義的に決定されることに加え、各絞り板の表裏
も一義的に決定される。つまり、各絞り板の回転方向お
よび表裏を誤って組付けようとしてもノックピンを挿入
できないので、燃料通路100cと燃料通路101cと
が連通しないという誤組付けを確実に防止できる。
【0052】第3実施例では、およびの構成により
絞り板の回転方向および表裏を規制したが、本発明で
は、の構成だけを採用することにより絞り板の回転方
向を規制することも可能である。以上説明した本発明の
複数の実施例では、各絞り板にノックピンを貫挿する貫
通孔を2個形成したが、3個以上形成することも可能で
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例によるインジェクタの主要
部を示す断面図である。
【図2】図4のII−II線断面図である。
【図3】図4のIII −III 線断面図である。
【図4】第1実施例のインジェクタを示す平面図であ
る。
【図5】(A)は第1実施例の第1の絞り板を示す平面
図であり、(B)は(A)のB−B線断面図である。
【図6】(A)は第1実施例の第2の絞り板を示す平面
図であり、(B)は(A)のB−B線断面図である。
【図7】可動部材変位、圧力制御室の圧力、制御ピスト
ン変位、噴射率の経時変化を示す特性図である。
【図8】本発明の第2実施例によるインジェクタの主要
部を示す断面図である。
【図9】本発明の第3実施例による第1の絞り板を示す
平面図である。
【図10】本発明の第3実施例による第2の絞り板を示
す平面図である。
【符号の説明】
1 インジェクタ(蓄圧式燃料噴射装置) 10 噴射ノズル 11a 噴孔 20 ニードル弁(弁部材) 21 プレッシャピン(弁部材) 22 制御ピストン(弁部材) 30 電磁弁 31 コア 32 コイル 40 可動部材 41 弁軸(可動部材) 42 押圧部材(可動部材) 43 球状部材(可動部材) 44 支持部材(可動部材) 51 第1の絞り板 51a 貫通孔 52 第2の絞り板 52a 貫通孔 63、64 高圧燃料通路 65 低圧燃料通路 66 第1の絞り孔 67 第2の絞り孔 68 低圧燃料室 100 第1の絞り板 100a、100b 貫通孔 101 第2の絞り板 101a、101b 貫通孔

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 コモンレールで蓄圧された高圧燃料を内
    燃機関に噴射する蓄圧式燃料噴射装置であって、 蓄圧された高圧燃料を噴孔に供給可能な高圧燃料通路と
    前記噴孔とを断続する弁部材と、 前記弁部材の反噴孔側に設けられ前記高圧燃料通路から
    供給される燃料圧力により前記弁部材を前記噴孔遮断方
    向に付勢する圧力制御室と低圧側空間とを断続する電磁
    弁と、 前記高圧燃料通路から前記圧力制御室に流入する燃料流
    量を制限する第1の絞り孔が形成された第1の絞り板
    と、 前記第1の絞り板と厚み方向に重ねられ前記第1の絞り
    孔よりも通路抵抗が小さく前記電磁弁の開弁時に前記圧
    力制御室から前記低圧側空間に流出する燃料流量を制限
    する第2の絞り孔が形成された第2の絞り板と、 を備えることを特徴とする蓄圧式燃料噴射装置。
  2. 【請求項2】 前記第1の絞り孔は前記第1の絞り板の
    軸線と平行に形成され、前記第2の絞り孔は前記第2の
    絞り板の軸線と平行に形成されることを特徴とする請求
    項1記載の蓄圧式燃料噴射装置。
  3. 【請求項3】 前記第1の絞り孔および前記第2の絞り
    孔は、ドリル加工後にリーマ加工を施して形成される孔
    であることを特徴とする請求項2記載の蓄圧式燃料噴射
    装置。
  4. 【請求項4】 前記第1の絞り孔および前記第2の絞り
    孔は、放電加工により加工される孔であることを特徴と
    する請求項1または2記載の蓄圧式燃料噴射装置。
  5. 【請求項5】 前記第1の絞り孔および前記第2の絞り
    孔は、最終加工工程において、流体に砥粒を混入させた
    研摩材を所定流量に達するまで通過させる研摩加工を施
    して形成される孔であることを特徴とする請求項1〜4
    のいずれか一項記載の蓄圧式燃料噴射装置。
  6. 【請求項6】 前記第1の絞り板および前記第2の絞り
    板は、それぞれが略円板状に形成され、組付け時に少な
    くとも2本のノックピンによりそれぞれ位置決めされる
    ことを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項記載の蓄
    圧式燃料噴射装置。
  7. 【請求項7】 前記第1の絞り板および前記第2の絞り
    板は2本のノックピンにより位置決めされ、各絞り板の
    中心から各絞り板に形成された前記2本のノックピンを
    貫挿する2個の貫通孔の中心までの距離は異なり、各絞
    り板の中心は前記2個の貫通孔の中心を通る仮想直線上
    に位置しないことを特徴とする請求項6記載の蓄圧式燃
    料噴射装置。
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